UFOアガルタのシャンバラ 日本は津波による大きな被害をうけるだろう

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私が日本人に伝えたいのは、「何もするな」というメッセージである。日本は局外中立を守り、「人道目的」という大義名分があっても、絶対に手を出してはいけない。(1)

 

 

文藝春秋』 

 2016年 9月特別号

 

 

 

<戦前生まれから日本への遺言>

<中国の内紛に手を出すな  長谷川慶太郎 (1927年生)>

・かつて私は、自著の中でいち早くソ連崩壊を予言した。日本ではあまり注目されなかったがゴルバチョフ大統領の目には留まったらしい。側近を通じてコンタクトがあった。

 

・また、ブルガリアの工場を視察して、社会主義国の生産現場をこの目と耳と足で確かめた。そこで国際競争力のなさを実感したことが、私を自他共に認める「徹底した反共主義者」に仕立てたように思う。

 その経験が私に告げているのは、中国もまた崩壊するだろうということである。状況はきわめて切迫しており、来年どうなるのかも予断を許さない。経済の破綻が、政治体制に影響を及ぼし、やがて国民の支持を失う結果になるだろう。

 

・最大の問題は、国営企業の過剰設備だ。一例を挙げると、中国の年間粗鋼生産量は約8億トン。世界全体の約半分を占めている。少なくとも3億トンは減産しなければならないが、当事者である国営企業には党幹部が関わっている。

 

・しかし、国営企業が改革されると、数千万人の失業者が出ることになる。中国の歴史を振り返ると、歴代王朝は飢えた地方からの反乱によって倒されている。中国共産党もまた例外ではないだろう。

 

・中国は必ず血なまぐさい内戦に突入して、数千万人もの血が流れることになる。

 そこで私が日本人に伝えたいのは、「何もするな」というメッセージである。日本は局外中立を守り、「人道目的」という大義名分があっても、絶対に手を出してはいけない。中国の内戦に介入したことが、かつての日本の道を誤らせた。それが、日本が第2次世界大戦の犠牲を通じて学んだ教訓のはずだ。

 

・隣国で血が流れているときに、それを黙って見ていることは容易ではない。国内でも議論が沸き起こるだろう。しかし、在留日本人を引き揚げさせた上で、とにかく関わりを持たないことが肝要である。

 もちろん世界も混乱するが、各国に長期資金を提供できるのは日本しかない。新しい世界で、日本経済は再び輝きを取り戻すだろう。

 

<『森本敏  1941年生』>

<いま、私が言い残しておきたいこと>

・戦後日本の平和と繁栄は日米同盟と固有の防衛力を維持発展させてきた先人の知恵と努力の結晶である。これを理解せずに平和憲法を守って平和が維持できたとする意見は誤りである。

 

・一方、先の敗戦は軍部が天皇を不必要に神格化し、一方で天皇統帥権を干犯して大陸に軍を動かしたことによる歴史的過誤の結果である。

 

・しかし、先の敗戦が重大な過誤によるものとしても、一回の戦争に負けただけで、戦前の社会や制度や風習の全てを否定するのは間違っている。

 

・極端に右寄り、左寄りの軽薄な思想がはびこるのは問題だ。

 

・それでもリスクは周辺から押し寄せる。今後、大規模戦争が起こる可能性はないが、様相の不明確な極地紛争や突発的な軍事力の衝突が起こる蓋然性はむしろ高まる。こうした事態に直面しても相手を挑発し、あるいは、挑発したという言い訳を相手に与えるような行動を決して行ってはならない。相手の挑発行為を受け止めて阻止するにとどめ、相手の不正に対する国際非難が高まり米国内に日本を助けるべきだという世論が沸き起こるまで、犠牲を払っても忍耐と防御を続けることが肝要である。

 

・武力を使って反撃するのは国家と国民の最終手段である。そして国家と国民を守るため、自衛権行使の手段としての防衛力とその役割を憲法の中に明記しておくことは、将来における国の安全と繁栄のため不可欠の課題である。

 

 

 

『暴走を始めた中国2億6000万人の現代流民』

石平   講談社   2015/9/30

 

 

 

共産党体制が終焉する必然>

・しかし、「経済大国・中国」は、私から見れば幻に過ぎない。いわば砂上の楼閣である。中国の経済成長は、最初の段階から無理があったのだ。

 中国はこれまで、安い労働力を背景に輸出を伸ばし、経済成長を達成してきた。しかし、賃金を安く抑えてきた事で、内需が伸びないという「内患」を抱えることになった。

 

・もう一つの柱であった投資も危うい状況だ。行き過ぎた不動産投資はバブルを招き、インフレ対策でマネーサプライ(貨幣の供給量)を絞ったことが、そのバブルに大ダメージを与えることになった。さらには、2015年6月からの上海における株価暴落も中国経済脆弱性をさらけ出した。

 

中国経済は、もはや崩壊寸前だといっていい。そしてそのことは、国家体制そのものの崩壊にもつながりかねない大問題だ。

 経済発展を支えてきた安価な労働力、その中心を担ってきたのは、「農民工」と呼ばれる農村戸籍の若者たちだ。彼らは故郷を離れ、都会で低賃金で働き、最底辺の暮らしを強いられてきた。

 そんな彼らが経済の失墜で職場すら追われ、「現代流民」となる現象が起き始めている。

 

・とはいえ、もはや中国経済は完全に行き詰まっている。現代流民たちが大規模な「暴走」を起こすのも、決して遠い将来の話ではないはずだ。中国共産党一党独裁体制は、もはや終焉に向けた最終段階に入っていると見ていい。

 そしてそれは、これまで中国が行ってきた、無理に無理を重ねた経済成長がもたらした「必然」なのだ。

 

・不動産バブルの崩壊は、別の側面においても中国の消費拡大に大きな打撃を与えることになるだろう。不動産価格が大幅に落ちていくなかで、不動産を主な財産として持っている富裕層中産階級が、その財産の多くを失うことになると予想されるからだ。財産が失われた後には、多額のローンだけが残る。

 

・中国では、経済成長の失速はすでに鮮明になっている。それに加えて、不動産バブルの崩壊と、それにともなう一連のマイナス効果………中国経済の先行きは、さらに深刻な状況とならざるをえない。

 

<財政事情が悪化し続ける理由>

・その数年前までは、毎年の財政収入が急速に伸びていたから、中国政府は二桁の国防費増加を図り、思う存分、軍備の拡大ができた。また、国防費以上の「治安維持費」を捻出することによって国内の反乱を抑え付け、なんとか政権を死守してきたという面もある。

 そして、潤沢な財政収入があるからこそ、中国政府はいつも莫大な財政出動を行うことで景気をテコ入れし、経済成長を維持できたのである。

 

・いってみれば、共産党政権の安泰と中国政府の政治・外交および経済の各面における統治能力の増強を根底から支えてきたのは、高度成長に伴う急速な財政拡大だったのである。しかし現在の中国では、これまでのような「お金はいくらでもある」というハッピーな時代は終わろうとしている。

 

地方税収の4割――土地譲渡金とは何か>

・中国にとっての財政問題は、それだけではない。地方政府の財政も、たいへん厳しい状況に置かれている。

 現在の中国の財政制度では、税収の大半は中央政府に持っていかれる。そのため、各地方政府は慢性的な財政難にある。

 これまでの20年間、地方政府は長期にわたる不動産ブームの中で、国有地の使用権を不動産開発業者に高値で譲渡するという、いわば「錬金術」を使って、なんとか財政収入を確保してきた。各地方政府の財政収入に占める「土地譲渡金」の割合は、平均して4割ほどにもなっていたのである。

 しかし、2014年から不動産バブルの崩壊が進むなかでは、土地譲渡金という地方政府にとってのドル箱が危うくなってきた。

 

・地方政府の財政事情が悪化していくと、当然ながら借金を返すことができなくなってしまう。中央政府も、同じように財政難に陥っているから、その肩代わりをすることは不可能だ。

 最悪の場合、日本円にして数百兆円規模の地方債務が焦げ付くことになりかねない。そうなれば、一部の国有銀行とシャドーバンキングの破綻も避けられないだろう。そして最終的には、そこから中国経済の破滅を招く金融危機の発生にもつながりかねない。

 

<信託投資も回収不可能に>

・シャドーバンキングが破綻するかもしれないという可能性は、別の面からも考えられる。これまで、中国におけるシャドーバンキングの中核をなしてきた信託投資は、実はその半分ほどが不動産業への貸し出しに回されてきた。

 不動産バブルの崩壊が本格化することで、不動産業に投じられた信託投資の多くが回収不可能となる。そうなると、信託投資そのものがいずれ破綻してしまう。そして信託投資の破綻は、シャドーバンキング全体の破綻にもつながりかねない。

 

<2億人以上の「暴動者予備群」>

・農村から都市部に流れてきている人々の数は、一体どれほどなのか、具体的な数字でみよう。

 

・それによると、2011年、中国の流動人口は全国で2億3000万人。その時点で史上最高の数を記録している。そのうちの8割は、農村戸籍を持つ人々だという。そして、その平均年齢は28歳である。

 その1年後に政府が正式発表したところによると、流動人口はさらに増加して2億6000万人に達している――。

 

・中国における流動人口とは、安定した生活基盤を持たず、職場と住居を転々としている人々を指している。そんな人たちが、日本の総人口より1億人も多く存在しているのが中国という国の実情なのだ。

 不安定な生活を強いられている流動人口、その大半が農村部から流れてきた農民工である。先述したデータの「8割が農村戸籍」とは、そういう意味だ。

 ということは、現在の中国には、いつでも何かのきっかけで暴動を起こすかもしれない人々が、2億人以上も存在するわけである。

 2億人以上の「暴動者予備群」――そう考えると驚くべき数字だし、政府にとっては恐怖以外の何物でもないだろう。

 

 

 

『シフト  2035年、米国最高情報機関が予測する驚愕の未来』 

マシュー・バロウズ  ダイヤモンド社  2015/11/20

 

 

 

<迫りくるメガトレンドと、急速に変化する国際環境>

・日本では少子高齢化が急速に進んでいる。それは、高齢化が進んでも経済の活力が失われるわけではないことを世界に示すチャンスでもある。世界経済の成長が減速すれば、あらゆる国の未来は暗くなる。日本は、ロボット工学や自動化技術など新しいテクノロジーを考案し、実用化するリーダーだ。こうした技術は雇用の減少につながるおそれがあるが、日本、アメリカ、そして中国も含む先進工業国が現在の生活水準を維持するには、退職年齢の引き上げや、働く女性の増加、労働市場流動性確保や移民の受け入れ拡大など、より破壊的な改革が不可欠だ。西側世界の衰退を食い止めるには、日本とヨーロッパとアメリカが、高齢化問題に取り組むことが非常に重要だ。

 

・中国の動向は、日本だけでなく世界じゅうに重大な影響をもたらす。中国は過去30年にわたり目覚ましい成長を遂げてきた。世界の歴史を振り返っても、これほど長期にわたり一貫した高成長を維持した国はない。しかしいま、その勢いは鈍化し、政府指導部は右肩上がりの成長に慣れた人民に、雇用などの経済的機会を与えるのに苦労している。

 

・こうした困難に直面したとき、多くの国の指導者はナショナリズムをあおり、人民の目を国内の問題からそらしてきた。ナショナリズムは、2度の世界大戦に先立つ帝国主義をエスカレートさせ、20世紀半ばのヨーロッパを衰退させた。一部の専門家は、アジアが同じ道を歩むことを危惧している。東シナ海と南シナ界における中国と日本など近隣諸国の緊張の高まりは、危険な大戦争の前兆であり、21世紀のアジアの繁栄をむしばむおそれがあるというのだ。

 しかし歴史が繰り返すとは限らない。人類は過去の失敗から学ぶことができると、私は強く信じている。

 

・CIA本部のロビーには、聖書の一節が壁に刻み込まれている。「………されば汝は真実を知り、真実は汝を自由にする」。これこそが未来のトレンドを分析する目的だと、私は思う。未来について知識がありながら、それに基づく行動を起こさないなら、物事がうまくいかなくなったとき、私たちは自らを責めるしかない。

 

<軍事だけでは21世紀の競争を生き残れない>

・未来は予測できるのでしょうか――私はよくこう聞かれる。もちろん答えはノーだ。未来を映し出す水晶の玉はどこにもない。

 

ホワイトハウスの戦略顧問室は、オバマ政権にも引き継がれて、省庁横断的に戦略を見直し、「国家安全保障戦略」を定期的に作成している。しかしいまも危機管理計画には長期的な戦略が欠けている。国防総省には体系的な計画があるが、非軍事分野にはない。

 

フランス革命に匹敵する「シフト」>

ディケンズが小説で描いたフランス革命産業革命が、ナショナリズム階級闘争と民主主義政治の新しい時代をもたらしたように、現在もこれまでとはまったく異なる時代をもたらすディープな構造変化が起きている。アメリカ原住民のことわざにもあるように、「新しい音楽には新しい踊りが必要」だ。

 

・未来がSF小説のようになるとは、私も思わない。確かに大きな構造変化はもう起きていて、SF小説家ウィリアム・ギブソンが言うように「未来はすでにここにある。ただ均一に広まっていないだけ」かもしれない。

 

<国家機密に関わり続けた半生>

・NIC(米国国家情報会議)は、1990年代半ばから、大統領選のサイクルにあわせて4年ごとに未来のトレンドを予想する大がかりな報告書を作成するようになった。NICのメンバーは、人口動態やグローバル化や環境の変化など、それまで十分な関心が払われていなかった要因が世界に変化をもたらしていることを認識していた。報告書作成のもう一つの目的は、これまでにない専門知識を情報コミュニティに取り込むことだった。こうして15~20年先を見据えた報告書『グローバル・トレンド』が誕生した。

 

<「米中戦争」の現実的な可能性>

・未来の国際関係を語る場でも、最後は中国とアメリカの関係が話題になった。ある人物は次のように語った。「新冷戦が起きるとは思わない。ゼロサムの競争にはならないだろう。アメリカも中国も最悪のシナリオを避ける戦略を取っている。ただ、その最悪のシナリオの可能性が両国で高まっていることが心配だ。最悪のシナリオを目立たないようにし、協力のチャンスを逃さないようにする必要がある」

 

・だが、悲観的な見方もあった。「当然の帰結として、中国とアメリカが対決するときが来るだろう。軍事的な衝突でなくても、一方が相手に自分の意志を押しつけようとする。紛争になれば、地域と世界の安全保障を著しく脅かすことになる。中国の台頭が米中関係のハードルになると考えるアメリカ人もいるようだ」。

 

<遠のくアジアでの覇権的地位>

・私がこうした意見を聞いたのは、2012年5月のことだ。それ以降、中国は東シナ海で日本と、南シナ海でフィリピン、ベトナム、マレーシアと領有権争いを繰り広げ、東アジアの緊張を高めた。また、これらの国はアメリカと接近し、中国がアジアで覇権的な地位を固めるチャンスは遠のいた。アメリカがいわゆる「軸足」を東アジア地域に置くと宣言したことは、世界経済の新しい中心で国益を守ろうとするアメリカにとって大きな「押し」となり、東アジア諸国は中国と距離を置く「引き」につながった。中国指導部は、愛国主義的な主張をすれば、人民の目を国内の問題からそらし、新たな経済目標に動員できると考えているようだ。しかしその代償は大きい。

 

・だがアメリカでは、中国に対する不信感が大きくなっている。2013年半ばのビューの世論調査では、アメリカの中国に対する意識が2011年以降急激に悪化したことがわかった。中国を好ましくないと考える人は52%にも上り、好ましいと答えた人は37%しかいなかった。

 

<世界に関わらないわけにはいかない>

・ただし現実的に可能性が高いのは、中国が強くも弱くもなく、しばらくは移行に苦しむシナリオだ。中国は今後も世界最大の経済大国の座に向けて成長を続けるだろうが、1人当たりの所得の伸びは鈍化し、既得権益層の反発で経済改革が進まず、一般市民の不満は高まるだろう。そのはけ口として愛国主義は今後も利用されるだろうが、大戦争が勃発するきっかけは見当たらない。このシナリオで大きく懸念されるのは、愛国主義が高まって、政府がその暴走を食い止められなくなることだ。とりわけ日本が関係している場合は難しくなるおそれがある。中国ではいまでも、日本は第2次世界大戦中に中国でやったことに対する反省が足りないという意識が強い。

 

<日本は「過去」の国になる> 

・日本は中国との差が拡大しているが、「中の上」程度のパワーを維持するだろう。ただし大規模な構造改革を実行すれば、という条件がつく。日本は政治、経済、社会の改革を進めて、少子高齢化、産業基盤の老朽化、不安定な政治情勢に対処する必要がある。人口が減るため、出稼ぎ労働者に対する長期滞在ビザの発給など、新しい移民政策を検討する必要にも迫られるだろう。ただ、日本人は外国人の受け入れに消極的なため、この問題はなかなか乗り越えられないだろう。

 

・日本の労働年齢人口は絶対数が減る反面、10代後半~20代には仕事がない未熟練労働者が大勢いる。このことはホワイトカラーの人手不足をもたらすだろう。女性の社会進出(企業幹部への登用を含む)推進政策は、人手不足を補う助けになるかもしれないが、それが出生率のさらなる低下をもたらしたら元も子もない。日本ではいまも文化的に、母親が家にいることが理想と考えられており、女性が家庭と仕事のバランスを取るのは難しい。しかし実は、日本の女性の労働力参加率はさほど低くない。61%という数字は、アメリカ(62%)。イギリス(66%)、ドイツ(68%)と大差ない。

 

<ドイツはイギリスより先に没落する>

・経済が好調なドイツは、当面はEUのリーダーの役割を果たすだろうが、少子高齢化という時限爆弾を抱えている。現在、ドイツの人口はフランスやイギリスよりも多いが、2050年までに逆転する可能性がある。フランスとイギリスのほうが移民が多いからだ。最新のCEBR(ロンドンの経済経営研究センター)の予測では、イギリスは2030年までに西ヨーロッパ最大の経済大国になりそうだ。イギリスの人口動態がドイツよりも好ましいことがその一因となっている。

 

<アメリカは日本を守らない>

・日本は20年にわたる経済停滞を経て、安倍晋三首相が思い切った措置を取り、緩やかな衰退とは異なる未来をつくろうとしている。日本は少子高齢化に伴うきわめて難しい問題に直面しているが、依然として世界第3位の経済大国であり、技術的にも最も進んだ国の一つであり、世界的な企業を数多く生み出してきた。高成長は実現できなくても、今後の経済は一部で言われるほど悪くならないかもしれない。

 

・日本にとって最大の課題は、国際情勢の急速な変化にどう適応するかかもしれない。中国は世界最大の経済大国に躍り出る勢いで、アジアにおける牽引力も大きい。そしてこれまでの新興国と同じように、中国は今後ますます自己主張を強める可能性が高い。もし中国と衝突しても、アメリカが自動的に日本の味方をしてくれると、日本の指導者たちは誤解しているようだが、現実にはアメリカは自国の利益と中国の利益の間に折り合いをつけ、紛争は回避しようとする可能性が高い。アジア情勢の急速な変化と新しい国際秩序のなかで、どのような舵取りをしていくかは、日本の取り組みが遅れている領域であり、今後の大きな課題となるだろう。

 

 

 

『2030年 世界はこう変わる』

アメリカ情報機関が分析した「17年後の未来」

 米国国家情報会議       講談社  2013/4/19

 

 

 

<本書を誤読する人と精読する人では大きな差がつくだろう(立花隆)>

・アメリカの国家戦略を策定する者、ならびに、アメリカの国家戦略に関心を持つ者が基本的に頭に置いておくべき、近未来(15~20年後)の世界のトレンドが書かれている。

 

・米国国家情報会議は、このような中・長期予測のために作られた機関だ。前身は1947年に作られたCIAの内部部門だった(1979年に現行の組織に改組)。作成する報告は、第一義的にはアメリカ大統領のために作られる。

 

・おそらく大統領には別バージョンのディープ版報告書が渡っている。

 

・未来予測は外れることが多いから、ちがう未来展開の可能性がたくさん書いてある。

 

・最悪のシナリオと最善のシナリオではまったくちがう世界が生まれる。日本は最悪のシナリオなら滅んだも同然だが、最善のシナリオならまだいける。

 

<2030年の世界  国家を滅ぼす災害の可能性>

飢饉   干ばつや穀物の伝染病などが長期間続き、不作が長期化する事態です。火山の噴火により大気に二酸化炭素が拡散すると、気温が下がり農業に悪影響を与えます。 

 

2津波   津波の影響は、海抜が低いところにある大都市で深刻です。例えば、ニューヨークやボストンなどの米東海岸の都市や、東京などがこれにあたります。こうした世界的な大都市が壊滅的な被害を受ければ、世界経済にも打撃を与えます。

 

・21世紀じゅうにプエルトルコ近海で大地震が起きる可能性は10パーセント超といわれています。

 

3土壌劣化   近代農業は土壌の質の低下を招きます。劣化のスピードは、自然回復できるスピードの10~20倍といわれています。健康な土壌を維持するための根本的な解決策なしでは、今後、農業にかかるコストは莫大なものになってしまいます。

 

4磁気嵐  送電網や衛星、あらゆる電化製品を不能にする威力を持ちます。大規模な磁気嵐が起きる可能性は100年に一度といわれています。

 

<オルターナティブ・ワールド><「2030年」4つの異なる世界>

<2030年のシナリオ1 「欧米没落型」 アメリカ・欧州が対外的な力を失い、世界は大きな混乱期に移行>

 

・「政治的にも経済的にも世界を牽引するエンジン役を果たしてきた米国と欧州が、その能力を完全に失ってしまう」というのがこのシナリオです。

 窮地に陥った欧米諸国は内向き姿勢を強め、グローバル化の動きは止まってしまいます。ここで紹介する4つのシナリオのなかでは最も悲観的な予測です。

“第三次世界大戦”が始まるというような、より最悪のシナリオを想定できないわけではありませんが、確率は極めて低いと思われます。第一次・第二次世界大戦が勃発した時代とは異なり、世界各国間の相互依存関係がとても強くなっているからです。本格的な戦争に突入して益を得る国はほとんどありません。

 

・とはいうものの、「欧米没落」型のシナリオが予測する世界像は、かなり悲惨なものです。4つのシナリオのなかでももっとも楽観的な「米中協調」型と比較すると、2030年の世界が稼ぎ出す収入は27兆ドルも小さくなってしまいます。この数値は、現在の米国経済とユーロ圏経済を合わせた規模に匹敵します。

 

・このシナリオでは、米国も欧州も世界のリーダーとして振る舞う能力、もしくはその役割を果たすことへの関心を失います。

 

・2020年までに、自由貿易圏はほとんど姿を消してしまいます。

 

・一方、中国やインドのような新興国は経済成長を続け、世界経済成長の約4分の3を担うようになります。ただし、中国もインドも政治と経済システムの近代化に失敗します。政治腐敗、インフラ基盤や金融システムの弱さなどが仇となり、経済成長に急ブレーキがかかります。例えば、中国の場合、経済成長率は現状の8パーセントから2030年には3パーセントに落ち込んでしまいます。

 

・(米国の役割)内向き姿勢を強める。アメリカの世論は自国が世界のリーダー役であることに関心を失う。疫病発生後は、孤立主義も台頭する。

 

・(中国)政治、経済の構造改革に失敗。政治腐敗や民衆暴動が重荷となり経済成長は落ち込む。政府は国粋主義排他主義の色を強める。

 

・(不安定地域)中央アジアや中東で統治力が低下。疫病の拡散で東南アジア、インドやアフリカの一部、湾岸諸国などが情勢不安に陥る。

 

<2030年のシナリオ2   「米中協調」型 第3国で勃発した地域紛争への介入を機に、米中の協力体制が確立する>

・「米中協調」型は、4つのシナリオのなかでもっとも楽観的な予測です。米国と中国がさまざまな場面で協力できるようになることで、世界経済全体が押し上げられるという筋書きです。

 世界経済の収入は2030年までに約2倍の132兆ドルに拡大します。新興国が高成長を維持しながら、先進国経済も再び成長期に入ります。米国人の平均収入も10年で1万ドル増え、「アメリカンドリームの復活」が語られるようになります。

 

・(中国)ソフトパワーが強化され、民主化が進む。世界機構でもアジア地域の仕組みでも重要な役割を果たす。

 

<2030年のシナリオ3   「格差支配」型  経済格差が世界中に広がり、「勝ち組」「負け組」が明確に。EUは分裂>

・このシナリオは、国際情勢が世界中で広がる「経済格差」に左右されるというものです。

 国内でも国家間でも、経済格差が広がってしまいます。2030年に向けて、世界全体としては豊かになりますが、人々の「幸福度」は下がります。「持てる者」が富を独占し、「持たぬ者」はますます貧しくなるからです。こうした環境下では、政治や社会は不安定になります。

 国家間では、「勝ち組」の国と「負け組」の国が鮮明化します。米国は、勝ち組の代表格です。ほかの国々が弱体化するなかで、安価な国産シェール系燃料の恩恵で経済が回復するからです。ただ、孤立主義的な傾向を強め、「世界の警察官」としての役割には関心を示さなくなります。

 

・(中国)都市部と農村部の経済格差が拡大し、国民の不満が高まる。共産党政権は支持を失う。毛沢東主義が再台頭し、党は分裂の危機に瀕する。

 

<2030年のシナリオ4   「非政府主導」型  グローバルな人材がネットワークを駆使して世界を牽引する時代に>

・このシナリオでは、政府以外の機関や人々が、世界のリード役となります。例えば、非政府団体(NGO)、大学などの教育機関、富裕な個人などです。

 テクノロジーの進歩で、個人や小さな団体でも大きな成果を挙げられる環境が整います。また、課題によっては自由自在に小さな団体同士が連携しあうといったことも簡単にできるようになります。大学などでは国境を越えた人材交流が盛んとなり、グローバル規模で“同窓生”が生まれるようになります。こうした人材が、非政府の団体や個人をつなぐカギとなります。

 

・世界規模でエリート層と中間所得者層が増加することで、グローバルな世論が形成されやすくなります。環境問題、貧困、腐敗撲滅といった課題に、世界中の人々が一丸となって取り組みます。

 

・非政府主導型の社会では、課題ごとにうまくいく場合といかない場合の差が大きくなりそうです。うまくいく場合には、政府が対応するよりも迅速に問題解決に取り組めますが、その一方では大国の反対にあって何も実現できないケースも出てくるかもしれません。

ほかの4つのシナリオと比べると、経済は「米中協調」型に次ぐ成長をみせます。また、「欧米没落」型や「格差支配」型よりも協調ムードが高く、国際社会は比較的安定したものになります。

 

・(中国)一党独裁体制の考え方から抜け出せずに、国際社会で孤立。