日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

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日本では高校を卒業するときや就職する時には英語を完全に習得していることが必要とされる(1)

 

 

 

 

『近未来シュミュレーション 2050 日本復活』

クライド・プレストウィッツ  東洋経済新報社 2016/7/22

ニッポンは三度目の復活を遂げる! 米国発 衝撃の問題作

 

 

 

アベノミクスは効果なし>

・当初、アベノミクスはうまくいっているように見えた。円は25%下落して輸出が急増し、それに伴って輸出企業の雇用や利益も増加した。日経平均株価は数年ぶりという水準に上昇した。建設ブームが到来する兆しも見え、国民の間に明るい希望の波が広がった。ところが時が経つにつれ、問題も浮上し始めた。健康保険や年金制度を維持し、巨額の財政赤字を削減するため、消費税が引き上げられると成長の勢いが鈍化したのだ。さらには円安に対する反作用も出始めた。

 

・国民の財産の大半が国債に注ぎ込まれていたため、貯蓄や退職金が目減りしかねないからだ。

 そんな恐怖から、年金基金投資信託、その他の投資家たちが日本国債をはじめ円建て資産を売却し始めた。政府は資金の流出を食い止めるための利上げには消極的だった。すでに歳入のほば30%が公債の利払いに消えていて、これ以上金利が上がれば政府そのものが破産する恐れがあったからだ。不幸なことに、これがさらなる資本逃避に拍車をかけた。あり得ないことが現実になりつつあった。日本は国際通貨基金IMF)からの借り入れに頼らざるを得なくなり、事実上、IMFの管理下に入ったのである。

 

<2017年 危機>

・2015年、最も新しい人口推計が公表されたとき、日本人は息をのんだ。2010年の国勢調査に基づく推計は、日本の総人口は2050年に1億2800万人から9500万人に激減し、47都道府県すべてで人口が減少するというものだった。最も深刻な秋田、青森、高知の3県では最大で3分の1も人口が減り、東京でも7%近い減少になるだろうとされた。しかし2015年の最新推計はもっと衝撃的だった。2050年には総人口がさらに減り、8800万人を下回るという。もっと深刻なのが高齢化だ。2010年の推計では、2040年には65歳の高齢者がすべての県で人口の30%以上を占めるようになり、秋田、青森、高知の3県では40%を超えるとされた。ところが、2015年の最新推計では、2050年には日本の総人口の40%が65歳以上の高齢者になるという結果が出たのだ。

 

<民尊官卑の国へ>

・もともとは中国からきた制度だが、高い教育を受けた官吏が天皇の名において絶対的権力を振るった。役人は名誉もあり報酬も良かったから、息子のうち1人ぐらいは偉い役人になってくれることを親は望んだものだ。役人がそんなに大きな力を持っていたのは、平民に何の権利も与えられていなかったからでもある。人々には反抗する術がなかったから、官吏は民を平気で踏みつけにした。

 19世紀後半から20世紀前半にかけての近代化の中で、日本は中央政府の官僚に権力を集中させる統治システムを導入した。

 

<地方改革>

・この抑圧的な状況に業を煮やし、地方の改革や再編に乗り出した地方の指導者もいた。第4章では子育てに関する横浜市の取り組みについて概要を述べた。東京都杉並区長だった山田宏は2000年代初め、行財政改革案「スマートすぎなみ計画」を打ち出して、さらに意欲的な取り組みを推進した。少ない資源を活用して効率サービスを提供する小さな区政の実現を目指そうとするものだった。手始めに学校給食の一部業務を民間委託した。公務員の労働組合とそれを支援する政党が強く抵抗したが、最終的に成功した。区の支出が大幅に節約されただけでなく、児童は好きなメニューをあらかじめ選択できるようになった。さらに山田は、区の出張所の一部を廃止して住民票等を自動交付機で発行できるようにし、さまざまな区の業務を民間に委託した。こうした政策によって、区職員を6000人以上を削減し、254億円を節約した。区の借金は半分近くになり、逆に預金は倍以上に膨らんだ。

 

・大阪を先例として地方分権の波が全国に広がったことで、日本は今再び、世界が注目する国家のモデルとなった。

 

<完全な地方分権

・再生委員会が日本経済の構造とシステムを徹底的に見直し、他の国について綿密な調査を重ねた。地方改革がもたらしたプラスの結果を検討し、日本が過去に経験した復興の経緯も分析した。そして、ある根本的な結論にたどり着いた。日本が抱えている問題は経済ではない。政治なのだ。日本が直面している最も重要な課題は統治、すなわちガバナンスの問題だった。日本人は自己責任に任せれば、驚くほど革新的で生産的な国民だ。だが、政府や官僚の厳しい管理下では全力を出し切れず、優れた素質を十分に発揮することができなかった。日本が将来に秘められた可能性を実現するためには、社会に深く根付いている中央集権的な政治構造から脱却し、地方分権的なシステムへ思い切って転換することが必要だと思われた。

 

・再生委員会が2017年末に発表した最後の提案によって、日本の地図は大きく塗り替えられることになった。長い間変化のなかった、かつての47都道府県は、現在では15の大きな行政区分である州政府に改編されている。米国やドイツの州政府と同様な仕組みだ。以前の都道府県と同様、それぞれの行政府には州法があり、知事がいる。ただし、知事(州政府)と議会には大きな権限があり、国防、外国、中央銀行の機能を除いて、ほぼ完全な自治体制を持つ。最も重要なことは、これらの新州政府の財政は自己資金調達によって賄われるという点だ。債務が累積し破綻する可能性もあるが、州政府は借り入れや地方債を発行する権限も与えられた。

 

<2050年 東京>

・2050年春、東京へ出張する。彼にとっては35年ぶりの東京だ。全日本航空機でワシントンを飛び立って2時間半、快適な空の旅も終わろうとしている。ミツビシ808型超音速ジェット旅客機は、ゆったりと弧を描きながら羽田空港へと降下を始めた。

 超音速旅客機なら昔もあった。だが、ミツビシ808は1970年代に英仏が共同開発したコンコルドとは比べものにならない。巡航速度はほぼ2倍、定員は3倍を超え、航続距離も3倍近い。

 

・ここで目にするのが、本当の先進日本だ。都心だけでなくどこへ行くにも、運転手がハンドルを握るリムジンバスやタクシーはいない。個人客であれ団体客であれ、ロボットが操縦する高速鉄道や無人自動車を利用する。もはや日本では、誰も運転などしない。

 

・スマート輸送は安全なだけでなく安いのも特徴だ。日本は、風力や太陽光、潮流・海流、メタンハイドレートなどのさまざまな低コストのエネルギー資源を開発し、さらにそのエネルギーを貯めておく装置も考案した。それを全国に張り巡らされたスマートグリッド(送電網)で結んでいる。これによって、発電コストは限りなくゼロに近づき、原子力化石燃料によるコストをはるかに下回った。その結果、原子力化石燃料というエネルギーミックスは時代遅れになった。

 

・超高層化によって都市空間が効率的に活用され、オフィスや住環境も快適になった。それだけではない。考えてもいなかった経済効果も数え切れないほど生まれた。高密度化がスマートシティ化の環境を生み、起業家の活動が活発になった。その結果、多くのイノベーションが急速に

進んだ。当然、世界中の都市も東京に追随して建物の高層化を進めたが、それでも日本は構造設計とノウハウの中心であり続けた。日本の建築設計会社は世界中から引く手あまたとなり、世界のほんとんどの大規模建築工事で中心的な役割を担っている。

 

・予約しておいたホテルに到着する。ホテルマンが非の打ち所のない美しい国際英語で彼を出迎えてくれる。(これは日本が完璧なバイリンガル国となったことを示すちょっとした証拠だ。日本では高校を卒業するときや就職する時には英語を完全に習得していることが必要とされる。テレビやインターネットの番組には英語の字幕付きが多いし、英語の放送で日本語の字幕がついてる番組も多い)。

 

・「すべてが電子的に処理される」というのは誤解を招く言い方かもしれない。人が利用することを考えれば「すべては音声で処理される」と言うほうが正確だろう。

 

・日本人の体格が良くなっただけでなく、理由はまだほかにある。世界の主要国のうち、日本は全人口と労働人口が増加し続けている数少ない国の一つだ。合計特殊出生率は平均2.3人で人口置換水準の2.1を大きく上回っている。さらに、日本は遺民に門戸を開き、特に高等教育を受けて専門性の高い技術を身につけた人々を積極的に受け入れてきた。じわじわと進む人口減少にいまだに苦しんでいる中国や韓国、ロシアといいった周辺諸国を尻目に、日本の人口は2025年以降再び上昇に転じており、1億5000万人を超える日も近いと思われる。当然のことながら、人口増加は経済成長を促す。労働人口が増加することで、強力な生産性向上と技術進歩が相まって日本のGDP(国内総生産)はいまや毎年4.5%ずつ上昇を続けている。これは他のどの主要国もはるかに凌ぐ上昇率で、中国の2倍にも迫ろうという勢いである。

 

・日本企業の本社にやってきた外国人ビジネスマンは、なぜ日本で人口が増えて経済が成長するようになったのか、本質的な理由がすぐにわかる。オフィスにいる幹部のほぼ半分は女性や外国人なのだ。重役会議に出席すると、間違えて東京ではなくオスロストックホルムの会社にきてしまったのではないかと錯覚しそうになる。取締役会には女性役員がずらりと並び。北欧企業で女性役員が占める比率を上回る。当然、日本企業の方針や考え方、仕事の進め方、社風に大変革をもたらした。午後5時を過ぎるとオフィスはほとんど空っぽになり、バーや居酒屋では閑古鳥が鳴いている。

 

・「日経1000」(かつての「フォーチュン500」)に名を連ねる日本のビジネススクールが進化し、世界最高峰になったことにある。たとえば、ハーバード・ビジネス・スクールは世界のベストテンにすら入らない。トップ3は一橋大学、慶応大学、京都大学の各ビジネススクールであり、4位に欧州のINSEAD(インシアード)が続く。

 日本のビジネススクールが躍進し、新しい役割を担うようになった女性エグゼクティブが登場してきたことで、コーポレート・ガバナンスの革新的変化がもたらされることになった。長期的に持続可能な投資や、企業活動に必要で適度な利益という概念は、いまや雇用の維持といった古い目的を通り越して、利益条件を決める基本的な考え方となった。

 

・仕事や旅行で現在の日本を訪れた人々が目を見張るものの一つが、戸建て住宅や集合住宅の大きさと瀟洒た造りだ。広々とした居住空間は一般家庭にも住み込みの家政婦や介護ヘルパー用の部屋を設ける余裕を生んだ。2020年代、日本はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)のルールに則り、輸入品に対する関税と農業補助金を完全に撤廃した。ほぼ時を同じくして、土地利用や固定資産税、不動産譲渡に関わる法律も近代化し、オープンで透明性の高い制度になった。この結果、公正な不動産市場ができあがった。一連の規制撤廃によって小規模農地は宅地や商業的な大規模農地へと転換した。

 

・だが、この経済成長を支えた大きな要因は、日本にやってきた移民たちが始めたまったく新しい技術とそれに伴う新しい産業の創出だった。バイオテクノロジーやナノテクノロジー、エレクトロニクス、素材、航空、化学、ソフトウェアといった分野では、医療技術や航空機技術と同じように、日本の研究者や企業が世界をリードしている。いまや政府や民間企業による研究開発支援は、日本の国内総生産(GDP)の6%近くを占める。

 

・中国やドイツ、韓国、その他の主要諸国を悩ませていた高齢化と経済収縮の問題も、人口増加と好景気に沸く日本にとっては他人事だった。財政黒字が続いた結果、国の債務はGDPの240%から50%へと縮小し、2013年にはGDPの9%を占めていた総医療費は、今日ではわずか6%にまで減少した。

 

<日本の防衛費はGDPの1%から約3%に増えた>

・中国の軍備増強に対抗して日本は防衛力の強化を図り、核兵器や最先端のサイバー攻撃技術、さらに大陸間弾道ミサイルを抱える世界第3位の軍事大国へと変貌を遂げた。日本の艦船は西太平洋、マラッカ海峡、インド洋までパトロールしている。

 

・世界の中で日本の地位が再び高まると、もともと優れていた日本のソフトパワーは飛躍的に強まった。1990年代、日本経済が低迷しているときでも、重要な日本文化は国際的な地位を築いていた。スシは世界中で愛される食べ物になり「カンバン方式」(ジャスト・イン・タイム生産)は世界的な在庫管理技術になった。カラオケは世界共通の娯楽になり、そしてマンガは世界最高の暇つぶしとなった。今では日本の再生と活況を背景に、日本の革新的なデザインや芸術、食べ物、技術、科学、その他多くのものが世界の隅々にまで浸透している。政治・経済・社会のアナリストはもちろん、パフォーマーや大学教授、料理人、画家、作家、技術者、デザイナー、作曲家、科学者など、日本人のプロフェッショナルには世界中からのラブコールが止まない。21世紀は、「第二のアメリカの世紀」だと言う人もいた。多くの人は「中国の世紀」になると言った。だが、実際は「日本の世紀」になったのである。

 

<アメリカと世界にとって日本が重要である理由>

<グローバリゼーションとはすなわちアメリカナイゼーションのことだ>

・「グローバリゼーションはあらゆる国を豊かにする。そして、豊かになれば民主主義的になり、民主主義的になれば、戦争をしなくなる。なぜなら、民主主義国は互いに戦わないことを私たちは知っているからだ」。そしてその考え方はまるで呪文のようにあちらこちらで唱えられた。欧米のエリートたちはこぞって、資本主義が世界に広がれば民主主義と平和がもたらされ、苦境に喘いでいる国も救われると信じたのである。

 もちろん、そんな風に都合よくはいかなかった。実際のところ、世界はむしろ逆に進んでいるように見える。中国は、政治的に自由になり、自由市場経済になるどころか、独裁的な政治体制の下で国家資本主義に邁進しているかのようだ。

 

 

 

サピオ 2016年5月号』 小学館

 

 

<米国発衝撃の書が予測する近未来>

『2050年「日本は世界一の超大国になる」のか』

 

明治維新と戦後復興、そして日本は三度目の復活を果たす>

 

・『2050年の日本』は活力ある新型超大国として栄えるという大胆な予測の書『JAPAN RESTORED(日本復興)』がアメリカで出版され、話題となっている。

 著者のクライド・プレストウィッツ氏は、レーガン政権時に商務長官顧問を務め、自動車や半導体貿易交渉の前面に立ち、ジャパン・バッシャー(日本を叩く者)として知られた人物だ。その同氏がいまなぜ日本を礼賛し始めたのか?2050年、日本のGDP成長率は4.5%と中国を凌駕し、世界一の米国に経済規模で肉薄すると指摘した。日本復興の大シナリオの根拠とは?

 

<2050年、日本は奇跡の大復活を遂げている?>

・平均寿命が90歳以上になる

 

・総人口1億5000万人突破

 

・経済成長率4.5%を維持

 

・米国一国から集団同盟へ(日本が核兵器を保有する)

 

・英語力向上で競争力アップ(公用語に英語が加わる)

 

・ロボットや医療ビジネスで世界トップ

 

・本書が、根拠の曖昧な空想だと感じる向きもあるだろう。実際にアメリカの大手外交雑誌「フォーリン・ポリシー」の書評は「空想」という表現を使っていた。

 

・ただし同氏の予測は「こうなる」というのではなく、「こうすればこうなる」という条件つきである。2050年の光り輝く理想の超大国に向かって、身を切るような改革や刷新を断行しなければ、その目標は実現しないわけだ。

 

・「強く豊かな日本」はアメリカの国益に合致するのだと彼は強調する。この「アメリカの国益」こそが前述の謎を解くカギだと言えよう。

 

 本書の予測では2050年も日米同盟は健在とされる。アメリカの軍事態勢が縮小するとはいえ、日米の安保のきずなは強固なままだ。ただし、アメリカの日本依存がいまよりずっと強くなる。つまり「強く豊かな日本」は同盟相手のアメリカを逆に支えるようにとさえなるのだ。

 

・だがそんな複雑な読みはどうでもいいとも思う。とにかくわが日本が34年後にすばらしい大国になれるというのだ。だったらそのための処方箋を素直に指針として、バラ色の未来に向けてべストを尽くしてみてもよいではないか。

 

<『日本復興』で描かれた「21世紀の超大国・日本」の可能性と課題を探る>

・それでも目の前の現実を見ると、「経済成長率4.5%」「出生率2.3」など、実現にはほど遠いと思える数字が並ぶ。

 

<経済 成長率4.5%には外国からの高度人材受け入れと大胆な投資が必要>

・『日本復興』では2050年の日本は、「経済成長率は毎年4.5%を維持」「GDPは世界一のアメリカに迫り、中国の2倍近くになる」と描かれている。

 

・「OECD経済協力開発機構)加盟諸国の過去40年のデータを見ると、人口増加率と経済成長率には何らの関係がない。私は日本の成長のためには移民の受け入れが必要と考えています。ただしそれは人口増加のためではなく、発展に多様性をもたらす高度人材の積極的な受け入れです」

 

・「多くの日本企業が過去最高益をあげる一方、その多くは内部留保に回され、日本企業全体で300兆円超まで膨らんでいる。仮に年間10兆円投資に回せばそれだけでGDPの2%分に相当する。波及効果を含めれば、投資の大幅増と抜本的な規制緩和で4%台の成長も不可能ではありません。経営者に求められるものは“貯め込むこと”ではなく積極投資する姿勢です」

 

<医療・人口 出生率2.3にはスウェーデンをモデルにした少子化対策が必要>

・日本の出生率は2.3に伸び、総人口は1億5000万人。『日本復興』に描かれた日本は少子高齢化から見事に脱却している。

 

・同じく成熟国であるスウェーデンも、専業主婦率2%と多くの女性が働く社会でありながら、「出産費用無料化」「給料の8割が支給される産休制度」などで出生率は2.0近くを推移している。日本も抜本的な少子化対策が必要だ。

 

・ただし、出生率が回復してもすぐに人口が増えるわけではない。「人口1億5000万人」は、『日本復興』にある通り移民を受け入れなければ難しいだろう。

 

・また、著者は日本の平均寿命が男性90歳、女性95歳に延びると予測。その主要因として、厚労省が25年には7000万人超と推計する認知症患者が減り、医療技術も日本が世界のトップに躍り出るとする。

 

<科学技術 「自動運転」ほか世界一の技術先進国は十分実現可能な未来だ>

・12種類の破壊的技術のうち、日本企業は「進化したロボット技術」「自動運転車」「次世代ゲノム」「エネルギー貯蔵」「3Dプリンティング」「ナノテクノロジーを含む新素材」「石油・ガスの探究・回復技術」「再生エネルギー」で世界を席巻すると著者は予測する。

 

<安全保障 憲法9条改正の議論より前に「平時からの安保への備え」が必要>

・同書では、日本の防衛費はGDPの3%に達し、(現在約1%)、核兵器と弾道ミサイル、サイバー兵器などを保有すると予測されている。憲法9条を改正して米国に代わってアジア太平洋地域の安全保障に責任を負い、自国や同盟国の国益が脅かされたら戦争も辞さない「普通の国」になっているというのだ。

 

<資源 エネルギー面での自立のカギは徹底的な「電力自由化」にあり>

・2050年に日本は低コストのエネルギー自立を果たす、と『日本復興』では書かれている。その背景として「日本は30年までにすべての原発を閉鎖し、安全性の高い新たな15基の一体型高速炉(IFR)に入れ替える」「現在地域ごとに分かれている送電網を統合し、さらにアジア域内で電力を融通するアジアスーパーグリッドを実現」「太陽光、風力、潮力、波力、地熱といった再生可能エネルギーのほか、日本近海に眠るメタンハイグレードの開発を進める」などを挙げている。

 

<社会・教育 国民総バイリンガルは難しくとも日常会話力向上は期待大>

・英語によるコミュニケーション能力を検定するTOEICの国別スコアでは、日本は44か国中35位(14年)。日本の英語力のお寒い状況はよく知られている。しかし、今世紀半ば、日本人はバイリンガル化していると『日本復興』は述べる。その予測通り、飛躍的に英語力がアップしているのだろうか。

 

・「ただし、将来は日常会話能力はかなり向上している可能性が高いが、バイリンガルとなるとハードルは非常に高い」

 

・著者が英語とともに大胆な予想を掲げているのは女性活躍社会の到来だ。医師の75%、企業CEOの35%、役員の50%を女性が占めるというのだ。

 同書では日本の「特別国家活性化委員会」が、外国人女性を家政婦として受け入れ女性の就業を後押しし、04年に上場企業の役員4割を女性にすることを義務付けたノルウェーを手本に、30年までに女性役員50%を企業に課すなどの政策を取るとしている。

 

・現在、日本では、20年までに社会のあらゆる分野で指導的地位を占める女性の割合を30%に、という目標が掲げられていたが、昨年末に断念して下方修正された。今の女性比率は上場企業の役員2.8%、国家公務員課長級以上3.5%というのが現実だ。

 

・「保育園の待機児童解消、労働時間規制、政策意思決定に関わる女性国会議員の役割改善の3つの柱を複合的に取り組まねば無理です。政府は『女性活躍』を掲げているが、具体的な政策や財源が伴っていない。女性の登用は徐々に増えても50年の日本では良くても30%程度でしょう」「女性活躍」が看板倒れにならないような施策が求められる。

 

 

 

 

『(SAPIO   2016.5)人間力の時代  (大前研一)』

 

 

 

<「0から1」の発想術を身につければ新しいビジネスのアイデアが次々生まれてくる>

・「無から有」を生み出すという意味の「ゼロイチ」「ゼロワン」という言葉が、ビジネスマンの間で注目されている。

 

・私は最近、興奮が止まらない。今ほどビジネスチャンスがあふれている時代はないと考えているからだ。

 

・なぜなら、スマホ・セントリック(スマートフォン中心)のエコシステム(生態系)が出現し、まさに「いつでも、どこでも、何でも、誰とでも、世界中で」つながるユビキタス社会が広がっているからだ。

 

・資金はクラウドファンディングで集めることができるし、人材はクラウドソーシングを利用すれば自社で抱える必要がない。大きなハードウェアを保有しなくても、使いたいだけコンピュータが使えるクラウドコンピューティングもある。つまり、発想ひとつで新しいビジネスを生み出せる時代が到来したのである。

 

・今の時代は「0から1」、すなわち「無から有」を生み出すチャンスが山ほどある。そういう時代に巡り合った若い人たちを、うらやましく思うくらいである。

 

・さらに、知識は蓄えるだけでは意味がない。「使ってナンボ」である。ビジネスにおいては具体的な商品やニーズを見ながら、自分が学んだ知識を駆使して自分の頭で考え、目の前の問題を解決していかねばならないのだ。

 

<コンビニに○○を置くと………>

・私ならこんなビジネスモデルを発想する。

 まず、顧客一人一人のありとあらゆるニーズに無料、ないしは安い月額料金で対応する「バーチャル・コンシェルジュ」を雇い、商品の取り置き、保管、配達はもとより、航空券や電車の切符、コンサートや映画のチケットなどの手配を請け負う。あるいは、コンビニでは取り扱っていない商品(たとえば家電など)も、ネットで最も安い店を検索して取り寄せるサービスを展開する。寿司や蕎麦やラーメンなどの出前を取りたい時は、近所で一番旨いと評価されている店を探して注文してあげる。そういうバーチャル・コンシェルジュ・サービスを展開すれば、既存の顧客の支出の半分以上を握ることができるだろうし、新たな顧客も獲得できるはずだ、

 

・IT弱者、サイバー弱者、スマホ弱者と言われている高齢者も、近くのコンビニに親しいコンシェルジュがいれば、その人を介することで各種のネットサービスやネット通販などを安心・安全に利用することができるだろう。地域の人々に頼りにされる有能なバーチャル・コンシェルジュなら、時給3000円払っても十分ペイすると思う。これは顧客の会費で簡単に賄うことができるはずだ。

 

 

 

『稼ぐ力』

仕事がなくなる時代の新しい働き方

大前研一   小学館    2013/9/5

 

 

<韓国やドイツに学ぶグローバル化の“起爆剤”>

・まず韓国では、1997年のアジア通貨危機の際、IMF国際通貨基金)の管理下に置かれた屈辱から、国策でグローバル化を推進したのに合わせて、サムスンや現代などの大企業が英語力を昇進の条件にした。たとえばサムスンはTOEICで990点満点中900点を入社、920点を課長昇進のラインにした。これに大学側も呼応し、難関校のひとつの高麗大学では受験資格を800点、卒業条件に半年以上の海外留学経験を設け、英語の重要性をアピールした。

 

・憧れの企業・大学がつけた火に、わが子の将来の安定を願う保護者が機敏に反応し、英語学習熱が燃え広がった。英語試験の超難化で受験生の激減が懸念された高麗大学には、前年の倍の受験生が押しかけた。この保護者パワーに圧倒されるように、高校や中学も英語教育に力を入れ、国全体が英語力アップに突き進んだのである。

 この間、わずか10年。現在、ソウル国立大学や私が教鞭を執る高麗大学梨花女子大学では、英語で講義をし、学生との質疑応答もすべて英語である。

 

・日本でも今後、楽天やファストりの成果を待つまでもなく、トヨタ自動車やキャノン、パナソニックのような世界企業が英語を社内公用語に規定する決断を下せば、雪崩を打つような英語ブームが巻き起こるに違いない。

 

<墓穴を掘った「トラスト・ミー」>

・ところで日本人の大いなる勘違いとして根強くあるのだが、「英語がよくできる」=「ネィティブのように喋れる」というイメージだ。この固定観念ゆえに欧米人に対して無用のコンプレックスを抱き、面と向かうと借りてきた猫のように萎縮してしまう。私に言わせれば“悲しき誤解”もいいところで、今や世界の標準語は英語ではなく、文法も発音も不正確なブロークン・イングリッシュだと思ったほうがよい。

 

・インドに行けばインド独特の、シンガポールにはシンガポール独特の(「シングリッシュ」と呼ばれる)ブロークン・イングリッシュがある。

 

<身につけるべきは「成果を出す」ための英語>

・こうした正しいニュアンスを含め、日本人とビジネスパーソンが身につけるべき英語とは、「プラクティカル・イングリッシュ」である。「プラクティカル(実践的)」とはすなわち、「成果を出す」ということだ。

 

<慣れない英語で結果を出す「4つの秘訣」>

・1つ目は、当然のことだが、相手の感情を不必要に害するような表現を使わないこと。

 

2つ目は、相手のやる気や自分に対する共感を引き出すこと。

 

3つ目は前任者との違いを行動で示すこと。これが最も大事である。

 

4つ目は、自分の“特技”を披露するなどして人間として親近感を持ってもらうこと。私の場合、けん玉の妙技を見せたところ、面識のない相手でも一気に距離が縮まった経験がある。芸は身を助く、は本当だ。

 

<相手の国を知り、文化を理解する>

・そしてニュアンスが皮膚感覚でわかれば、ブロークン・イングリッシュでも十分なのである。だから日本企業も、英語の社内公用語化は入り口にすぎず、これからは、海外勤務歴や現地での実績を昇進や査定の大きな評価基準にしていくことが求められるだろう。

 

<リスニングは“ながら族”、スピ―キングは“実況中継”――一人でもできる3つの学習法>

<「和文英訳」は英語じゃない>

・日本人は中学・高校で6年、大学も入れれば10年の長きにわたって英語を学ぶ。世界で最も長い学習時間を費やしているにもかかわらず、これほど英語を苦手とするのはなぜなのか?その原因は、日本の英語教育に浸透している3つの“勘違い”に起因する。誤った学習法として銘記されたい。

 1つは、英語力は「和文英訳」「英文和訳」できる能力だという勘違いだ。だが極端な話、和文英訳(された栄文)は、英語ではないと思ったほうがよい。和文を英訳してみたところで、「そんな英語表現はあり得ない」というものがゴマンとある。

 

<「減点教育法」では英語は身につかない>

・極めつきは“減点教育法”だ。英語教師はスペルやカンマ、大文字や小文字などのミスを理由に不正解とするが、この採点法が生徒から学ぶ意欲を奪うのである。

 

<「1年間・500時間」が分岐点>

・海外を相手にビジネスをする、あるいは社内で外国人と問題なく仕事を進めるためには、最低でも、TOEICなら700点は欲しい。そのための学習法は、すでに600点台以上のスコアを有する場合とそうでない場合とで大きく分かれる。

 まず、600点台に達していない場合、やるべきことは2つ。語彙や文法など、基本をしっかり覚えることと徹底的にリスニングをすることに尽きる。これに1年間で500時間を充てる。

 

<「秋葉原でボランティア」が一番安上り>

・では、600点以上のスコアに達した人は、次に何をすべきか?まずスコアを上げるという観点からのアドバイスは、市販のTOEIC攻略本で出題傾向や解答テクニックを獲得することである。

 

・もし社内や近所に英語を話す外国人がいれば、積極的にお茶や食事に誘って、英語を使う機会を増やすことだ。

 

<「問題解決」を行う学習法を>

・さらに、1人でもできる学習法として3つのことを勧めたい。1つ目は、とにかく英語に耳を鳴らすこと。赤ちゃんが3歳になる頃には自然と母国語を話せるようになるのは、意味がわからなくても親の話す言葉を毎日聞いているからだ。この万国共通の原則に倣い、自宅にいる時はテレビでBBCやCNNをつけっ放しにしておくのがよい。

 

<英語の「論理」と「ニュアンス」を理解せよ――日本人が海外でビジネスで成功する条件――>

<欧米人は「Yes」「No」が明確――とは限らない>

・英語はあくまでも信頼関係を築き「結果を出す」ためのコミュニケーションの道具に過ぎない。それでは本当の“世界共通の言語”は何かというと、実は「論理(ロジック)」である。ロジックとは、客観的なデータや分析に裏打ちされた、思考の道筋である。

 

<「社内公用語化」の副次的効果>

・その言語体系の違いから、英語は論理的に考える上で、日本語よりも適している。実はここに英語の「社内公用語化」の副次的効果がある。

 

<英語に不可欠な「婉曲表現」>

ベンチマーク(指標)を明確にせよ>

・私のところに来ているTOEICで900点以上を取っている人の半数以上が、ビジネスの現場での会話に自信がない、と言っている。

 

<ロジカル・シンキングの次に問われる“第3の能力”――IQではなく心のこもったEQ的表現を目指せ――>

<官僚の採用試験にも「TOEFL」>

・政府もキャリア官僚の採用試験に、2015年度からTOEFLなどの英語力試験を導入する方針を固めた、と報じられた。

 

・しかし日本では、英語力試験としては留学向けのTOEFLよりも、主にビジネス向けのTOEICのほうが一般的だ。

 

<英語学習にも“筋トレ”が必要>

・TOEFLとTOEICは、どちらも同じアメリカの英語力試験だが、かなり大きな違いがある。TOEFLは英語力だけでなく、英語を使って論理思考ができるかどうかを見るための試験である。かたやTOEICはリスニングとリーディングで英語によるコミュニケーション能力を判定するための試験だ。つまり、そもそも目的が異なり、そこで試されるものも自ずと異なるわけで、「英語で考える力」が求められるTOEFLは、日本人は非常に苦手にしているし、アメリカ人でも良い成績を取れる人は少ない。

 

<EQ(心の知能指数)を表現できる能力>

・たとえば、M&Aで海外の企業を買収する交渉、あるいは現地の工場を1つ閉鎖してこなければならないといった仕事の場合、「TOEIC的な英語力」と「和文英訳・英文和訳」に熟達しているだけでは不可能だ。

 

・そのためには、自分の気持ちの微妙なニュアンスまで正確に伝える能力、言い換えればEQ(心の知能指数)を英語で表現できる能力が必要だ。

 

<ユーモア溢れるバフェット流の表現力に学ぶ>

・この3番目の問題を認識して対策を講じないまま、単にTOEFLやTOEICを採用試験や大学受験に導入しても、対外交渉で“撃沈”する日本人を量産するだけである。真のグローバル人材育成には、もう少しEQの研究をしてから提言をまとめてもらいたいと思う。