日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

コンタクティやチャネラーの情報を集めています。森羅万象も!UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象といわれます。

誠に不思議な縁で、私はこれまで30年間、ほぼ毎日のように本を読み、その内容を紹介する、という人生を送ってきた。(1)

 

『ビジネス名著大全』

橋本忠明  日本経済新聞出版社  2017/11/7

 

 

 

<「時間を無駄にせず、確実に良書と出合いたい」>

・ビジネスエリートたちに支持され、30年間ビジネス書を厳選し、紹介し続けてきた著者によるベスト・オブ・ベスト。

 

<「一読の価値ある新刊書」を紹介する――>

誠に不思議な縁で、私はこれまで30年間、ほぼ毎日のように本を読み、その内容を紹介する、という人生を送ってきた。それも、いわゆるビジネス書を中心に。

 

・「“一読の価値ある新刊書”を紹介する」と謳った以上、看板倒れにならぬよう、毎日毎日、むさぼるようにビジネス書を読んだ。そうして雑誌を刊行し続けるうちに、経営者や管理職をはじめとする読者の方々から、ビジネス書だけでなく、国際問題や文化・思想、人生論をテーマとする本など、幅広く紹介してほしいという要望が高まり、扱うジャンルを徐々に拡げていった。

 

・こうして一応基準は定めたものの、過去に取り上げた書籍は、いずれもその時々で一読の価値ありと判断したものばかり。改めて読み返すうちに、「あれも紹介したい、これも紹介したい」と候補は膨れ上がり、当初は軽く200冊を超えてしまった。今回は、紙幅のこともあるので、90冊を選り抜いた。

 

・今でこそ、ネット書店などが普及し、本を探すのは容易になったが、30年前にはそうしたものはなく、図書館や大手書店へ出向き、調べるのが普通だった。そういう時代だったため、読者から本に関する質問が多く寄せられた。

 

<『マーケティング22の法則』>

アル・ライズ/ジャック・トラウト 東急エージェンシー

企業を成功に導く、マーケティングの「不変の法則」

売れるもマーケ、当たるもマーケ

 

マーケティングの「不変の法則」>

マーケティングの「不変の法則」を知らなければ、市場で生き残れない!世界的に知られるマーケティングの戦略家、アル・ライズとジャック・トラウトの両氏が、ビジネスの成否を左右する“22の法則”を提示する。

 

マーケティングの「不変の法則」>

マーケティング戦略家である著者らは、成功を手にするには、次のようなマーケティングの「不変の法則」を知る必要があるという。

 

〇一番手の法則;自社の商品やサービスが、先頭を切れる分野を創造する。

マーケティングとは、自社の商品やサービスが他より優れていると顧客に納得させることだ、と信じている人が多い。その考えは間違っている。マーケティングとは、先頭を切れる分野を創造することである。

 

〇カテゴリーの法則;顧客の心に最初に入り込めなかった場合、一番手になれる新しいカテゴリーを見つける。

・たとえ顧客の心に最初に入り込まなかったとしても、希望を捨ててはいけない。一番手になれる新しいカテゴリーを見つければいいのだ。

 

〇心の法則;顧客の心に最初に入り込めなかった場合、一番手になれる新しいカテゴリーを見つける。

・一番手の法則に誤りがあるわけではない。ただ、「心の法則」がこれに修正を加えるのだ。市場に最初に参入するよりも、顧客の心の中に最初に入り込む方がベターなのである。

 

〇集中の法則;ただ1つの言葉に焦点を絞り込み、見込み客の心の中に植えつける。

・会社が見込客の心の中に1つの言葉を植えつけることができれば、成功を収められる。

 

〇分割の法則

・1つのカテゴリーは単体としてスタートするが、時が経つにつれて分割されていく。

 

・業界のナンバーワンがその座を維持する方法は、新たに登場するカテゴリーに異なるブランド名を使用することだ。だが、会社はえてして、あるカテゴリーに使ったブランド名と同じものを、別のカテゴリーにも使うという過ちを犯す。

 

〇製品ライン拡張の法則:製品ラインの拡張は、短期的には成功しても、長期的には失敗する。

マーケティングの不変の法則のうち、断トツに破られているのは、「製品ライン拡張の法則」だ。製品ラインを拡張する方法は星の数ほど存在する。例えば、新しい“風味”を作り出すことは、マーケットシェアを奪う一般的な方法である。風味を増やせばシェアも増える、というわけだ。だがこれは、実効の上がる方法ではない。

 

・製品ラインの拡張は、短期的には成功することがあっても、長期的には失敗するのだ。

 

〇正直の法則:商品のネガティブ面は正直に認める。正直は、顧客の心を開かせる。

・顧客の心の中に入り込む一番効果的な方法は、まずネガティブ面を認めて、それをポジティブ要素に変えることだ。正直は、相手の心を開かせる。

 

〇成長促進の法則;短期的な利益を追わない。それが重要を長く維持する秘訣である。

・一流のエンターテイナーは、ところかまわず出演することはない。人気を食いつぶさないよう心がける。商品への需要を長く維持する方法の1つは、その需要を完全には満足させないことだ。

 

・本書は合計22個の「不変の法則」を紹介している。初版は1994年(日本語版)と古いが、今なお読み継がれているロングセラーである。

 

『ビジネスで失敗する人の10の法則』

ドナルド・R・キーオ  日本経済新聞出版社 2014年

 

・会社がうまくいかない理由は、経営者や社員の個人的資質にある!コカ・コーラの社長として12年間、全世界で事業展開を指揮してきた著者が、長年にわたるビジネス経験から導き出した「失敗の法則」を伝授する。

 

・成功の法則を説く本は多い。だが、コカ・コーラ社の元社長である著者は言う。ビジネスのようにダイナミックで変化が激しい分野で、成功の法則など導くことはできない。

 

事業を失敗に導く10の法則

・ビジネスのように変化が激しい分野では「普遍的な成功の法則」を見つけ出すのは難しい。だが、どうすれば失敗するかなら明らかである、と。

 

<柔軟性をなくす>

・「状況が変わった時に、頑固にそれまでの流儀を守り通す。そうしていれば、失敗する。」

 

<自分は無謬だと考える>

・1999年、ベルギーで何人かの子供が体調を崩し、その前に飲んだコカ・コーラが原因ではないかと話題になった。コカ・コーラ社は少し検討しただけで、自社の商品に病気の原因になるものは入っていない、と結論を下した。自社は無謬だと考えたのだ。だが、親や医者はそうは考えなかった。その後、コカ・コーラ社の売上は急減し、経営陣は危機が起きたその日にとるべきだった行動をとらざるを得なくなった。問題の商品を全て回収したのだ。コークが汚染されていたわけではない。だが、世間の見方ははっきりしていた。この見方を否定する証拠が示されない限り、それが事実になる。傷ついた評判を回復するには長い時間がかかり、巨額の損失を被った。

 

・「失敗する確率を高めたいのなら、自分の判断はいつも完全に正しく、間違っている可能性などないと主張すればいい。」

 

<考えるのに時間を使わない>

・人間は感情の生き物なので、何かを始めると興奮状態になって止めるのは難しくなる。そして、意思決定にあっては、全員が目標を達成しようと熱心になるあまり、まともに考えられなくなることがある。それを端的に示すのが、M&Aの分野における最近の組み合わせである。ダイムラークライスラータイム・ワーナーとAOL、Kマートとシアーズ………。満足できる結果にならないことは容易に予想できたが、当事者は皆、案件の興奮に押し流されて、結果がどうなるかを冷静に考え抜こうとしなかった。

 「考える時間をとらないのは、失敗をもたらす確実な方法である。」

 

<専門家とコンサルタントを全面的に信頼する>

コカ・コーラ社の幹部が「ニュー・コーラ」を提案してきた時、本社経営陣は真剣に検討した。コンサルタントと専門家の意見を受入れて行った味覚調査の結果を見た経営陣は、味を一新する根拠は十分にあると考えた。内心では米国の伝統を象徴する商品を変えるべきではないと思っていたが、専門家が示す証拠には有無を言わさぬ力があった。そして1985年、全米でニュー・コーラを発売した。

 ところが発売から数週間で、40万を超える電話と手紙が殺到した。全てがニュー・コーラに反対するものだった。反対のデモに5000人が参加するなど、集団ヒステリーの様相を呈しても、専門家は「騒ぎはすぐに収まる」と主張した。

 

・消費者は、コカ・コーラは自分たちの商品であり、自分たちに返してほしい、と訴えていたのだ。そこで、以前のコークを「コカ・コーラ・クラシック」として復活させた。消費者はこれを歓迎し、コカ・コーラ社には感謝の手紙や花束が大量に送られてきた

 

・「専門家を崇めているために深刻な間違いに陥ることがあり、ときには間違いが広範囲に広がることもある。」

 

<一貫性のないメッセージを送る>

・「一貫性のないメッセージや混乱したメッセージを従業員や顧客に送ると、競争力が損なわれ、失敗につながることになる。」

 

<ビジネスがうまくいかない理由の「10の法則」>

  • リスクをとるのを止める(現状に満足して、リスクをとらなくなる)
  • 柔軟性をなくす(状況が変わっても、頑固にそれまでの流儀を守り通す)
  • 部下を遠ざける(社長室にこもり、少数の側近や“ゴマすり”で周囲を固める)
  • 自分は無謬だと考える(誤りがあっても認めず、自分の判断は常に正しいと考える)
  • 反則すれすれのところで戦う(倫理を無視して、行動する)
  • 考えるのに時間を使わない(感情に流されて行動し、じっくり考える時間をとらない)
  • 専門家とコンサルタントを全面的に信頼する(外部の専門家の意見を鵜呑みにする)
  • 官僚組織を愛する(生産的な仕事をしない。社内の“官僚”を放置する)
  • 一貫性のないメッセージを送る(混乱した、ばらばらのメッセージを従業員や顧客に送る)
  • 将来を恐れる(将来を悲観的に考えて、無気力になる)

 

 

パラダイムの魔力』

成功を約束する創造的未来の発見法

ジョエル・バーカー  日経BP社  1992年

 

・人の考えを縛る足かせにもなれば、将来を見通して成功へ導く魔法の杖にもなる「パラダイム」。このパラダイムの概念をやさしく解き明かし、多くの人に気づきを与えてきたロングセラー。

 

パラダイムとは何か?>

・本書『パラダイムの魔力』は、パラダイムについて様々な事例を挙げ、わかりやすく説いた名著である。その導入部で著者のジョエル・バーカーは、パラダイム・シフト――将来の方向を察知することがいかに重要か、時計市場の例を引き、説明する。

 長年、世界の時計市場は、スイスが支配してきた。1968年には、世界の腕時計市場のシェアの65%以上を握っていた。だが、1980年になると、10%以下に激減する。一体、何が起こったのか?スイスが直面したのは、腕時計つくりのルールが根本から変わる「パラダイム・シフト」だった。機械時計の時代から電子時計の時代へ移行したのだ。

 スイスにとって残念なのは、同国の時計メーカーに「将来を見通す力」があれば、この悲劇は避けられたことだ。

 

・スイスのような過ちを犯さないためには、将来を予見する能力を高める必要がある。そのためのカギとなるのが、「パラダイム」の概念だ。

 パラダイムとは、ルールと規範であり(成文化されている必要はない)、①境界を明確にし、②成功するために、境界内でどう行動すればよいかを教えてくれるものである。

 

パラダイム・シフトとは、新しいゲームに移行すること、ゲームのルールがすっかり変わってしまうことである。

 パラダイム・シフトの好例は、組織における分権化のトレンドである。古いゲームでは「組織を中央集権化し、ヒエラルキーを作っていく」ことを求められた。だが、このゲームは多くの問題を生み出した。そこで、違う方法で問題を解決することを思いついた。組織を分権化し、構造を単純化する――それはルールの変更だった。その結果、中央集権化から分権化へというパラダイム・シフトが起こったのである。

 

<誰がパラダイムを変えるのか?>

・では、誰がパラダイムを変えるのか?本書によれば、それは「アウトサイダー」だ。つまり、現行のパラダイムをよく理解していない人で、次の4タイプに分かれる。

  • 研修を終えたばかりの新人
  • 違う分野から来た経験豊富な人
  • 一匹狼
  • よろずいじくりまわし屋

 

 

パラダイムの開拓者になれ!>

パラダイムを変える「パラダイム・シフター」が発見した未開の道を、真っ先に突き進むのが、「パラダイムの開拓者」だ。リスクは大きいが、パラダイムの開拓者になれば断然優位に立てる。

 新しいパラダイムを発見するのが得意な国は米国である。VTR、パソコン、コピー機……。皆、米国人が発明した。だが、パラダイムを開拓する――つまり、パラダイム・シフトを取り入れ、アイデアを商品化するのが最も得意な国は日本だ。

 

・予想外の事件は常に起きる。しかし、あらかじめ十分に考えておけば、その時になって茫然とすることもない。パラダイムの原理が大いに役立つ理由はここにある。

 激動の時代には、パラダイムの動向に常に気を配り、柔軟に対応していくことが最も重要になる。すなわち、新しいアイデアを容認しなければならない。自分とは違った考え方をする人に寛容でないといけない。それが、パラダイムの原理が教えてくれる大切な教訓――そう、筆者は語る。

 

<本書のポイント>

パラダイムとは、「ルールと規範であり、①境界を明確にし、②成功するために、境界内でどう行動すればよいかを教えてくれるもの」である。

パラダイム・シフトとは、「新しいゲームに移行すること、ゲームのルールがすっかり変わってしまうこと」である。これをいち早く察知できれば、大きなチャンスが開ける。

パラダイム・シフトは、「アウトサイダー」によって引き起こされる。

パラダイム・シフトに従い、未開の道を進む「パラダイムの開拓者」になれば優位に立てる。

パラダイムの動向に気を配り、十分に考えておけば、何が起きても慌てることはない。

 

新版『1回のお客を一生の顧客にする法』

顧客満足度No.1ディーラーのノウハウ

カール・スウェル/ポール・B・ブラウン  ダイヤモンド社 2004年

 

<本書のポイント>

□顧客が困っていることがあれば、できるだけ無料で助ける。そのことによって、「一生の顧客」になる可能性がある。

□全ての人を顧客にすることはできない。自社の客層を明確にし、その顧客が求めているものを提供することが大切である。

□ビジネスにおいて最も重要なことは「顧客が何を欲しているか」であり、それを正確に知るには「顧客に尋ねる」必要がある。顧客の求めるものを、推測で決めてはならない。

 

『ビジョナリー・カンパニー③』  衰退の5段階

ジム・コリンズ   日経BP社    2010年

 

<本書のポイント>

□偉大な企業が衰退していく過程は、次の5段階に分けることができる。

【第1段階:成功から生まれる傲慢】成功したことで自分たちの能力を過大評価してしまう。

【第2段階:規律なき拡大路線】傲慢から生まれるのが、規律なき拡大路線である。

【第3段階:リスクと問題の否認】拡大路線を続けていると、様々なリスクや問題が生じる。だが、それらを直視せず、リスクや問題を否認する。

【第4段階:一発逆転策の追求】指導者が一発逆転狙いの救済策にすがろうとすると、衰退への道を突き進むことになる。

【第5段階:屈服と凡庸な企業への転落か消滅】経営陣はこのまま戦い続けるより、売却した方が良いと考えるようになる。あるいは、戦いを続けるものの、選択肢が尽き、消滅する。

 

『なぜ高くても買ってしまうのか』

売れる贅沢品は「4つの感情スペース」を満たす

M・J・シルバースタイン/N・フィスク/J・ブットマン

ダイヤモンド社   2004年

 

<本書のポイント>

□近年、多くの一般消費者がワンランク上の商品・サービスを求めるようになりつつある。このワンランク上の商品・サービスを「ニューラグジュアリー」と呼ぶ。

□消費者がニューラグジュアリー商品を購入する動機は、「自分を大切にする」「人とのつながり」「探究」「独特のスタイル」という4つの感情から生じている。

□ニューラグジュアリー商品を生み出すには、次の3段階で消費者の心をとらえる必要がある。

①デザイン面かテクノロジー面、またその両面で技術的な差異があること。

②技術的な差異が実際に性能の向上に役立っていること。

③技術面と性能面でのベネフィット、ブランド価値や企業理念などの要因を組み合わせて、消費者に思い入れを抱かせること。

□これまで経済学では「価格が高くなるほど販売量は少なくなる」といわれていた。だが、ニューラグジュアリー商品はそうした常識を覆し、大量に売れている。

□この現象は「平均的な消費者の消滅」を意味している。これから先、企業は中途半端なポジションでは生き残れなくなるということだ。

 

 

 

ドラッカー 霊言による国家と経営』  日本再浮上への提言

大川隆法    幸福の科学出版 2011/3/9

 

 

 

<総理になる人材の養成を怠ってきた日本>

・今の政治の中心にいる人たちは選挙に勝つことのみに執念を燃やしてきた方々であるようなので、やはり、「政策の実現に命を懸けている」とは言い難い状況ですね。

組織全体のバランスと情報機能が十分に働いていないことなどを見ると、「人を使う」という意味でのマネジメントが十分にできていないと思うし、経営理念に当たる部分のつくり方が、少し情緒的で独断性に富んでいるのではないかと思われます。

 

まあ、民主主義の悪い面が出てきているような感じですね。民主主義が悪い方に出ると、「大勢で決めているから正しい」というふうに見せられて、真の支配者の姿が見えなくなってきます。今、そういう面が出ているでしょう?

 

・アメリカでは、州知事になって行政経験を積むことが大統領の登竜門のようになっているけれども、日本では、そうした議会対応をしながら政策を推し進めていく経験を、なかなか得られません。そこが厳しいところですね。

 

政治家に力がないなら、民間主導で国を立て直せ

・政治家のほうに景気を回復させる力がないのなら、民間のほうで、努力して景気回復をやればいいのです。政治のほうでやっていいことと悪いことの区別がつかないのなら、もう余計な法律をつくらないに限りますね。法律をつくって統制をかけると失敗するので、そういうことは、しないほうがよろしいかと思います。

 

・そういう意味では一般の会社なら行われるべきことが、政治でも行われなければならないのかもしれません。いわゆる「政治家のリストラ」をやらなければいけないのかもしれませんね。「能力がない」と思う人には、やはり辞めてもらわないと、何も動かなくて困るのではないでしょうか。

 

 

 

『近未来シュミュレーション 2050 日本復活』

クライド・プレストウィッツ  東洋経済新報社 2016/7/22

ニッポンは三度目の復活を遂げる! 米国発 衝撃の問題作

 

 

 

アベノミクスは効果なし>

・当初、アベノミクスはうまくいっているように見えた。円は25%下落して輸出が急増し、それに伴って輸出企業の雇用や利益も増加した。日経平均株価は数年ぶりという水準に上昇した。建設ブームが到来する兆しも見え、国民の間に明るい希望の波が広がった。ところが時が経つにつれ、問題も浮上し始めた。健康保険や年金制度を維持し、巨額の財政赤字を削減するため、消費税が引き上げられると成長の勢いが鈍化したのだ。さらには円安に対する反作用も出始めた。

 

・国民の財産の大半が国債に注ぎ込まれていたため、貯蓄や退職金が目減りしかねないからだ。

 そんな恐怖から、年金基金投資信託、その他の投資家たちが日本国債をはじめ円建て資産を売却し始めた。政府は資金の流出を食い止めるための利上げには消極的だった。すでに歳入のほば30%が公債の利払いに消えていて、これ以上金利が上がれば政府そのものが破産する恐れがあったからだ。不幸なことに、これがさらなる資本逃避に拍車をかけた。あり得ないことが現実になりつつあった。日本は国際通貨基金IMF)からの借り入れに頼らざるを得なくなり、事実上、IMFの管理下に入ったのである。

 

<2017年 危機>

・2015年、最も新しい人口推計が公表されたとき、日本人は息をのんだ。2010年の国勢調査に基づく推計は、日本の総人口は2050年に1億2800万人から9500万人に激減し、47都道府県すべてで人口が減少するというものだった。最も深刻な秋田、青森、高知の3県では最大で3分の1も人口が減り、東京でも7%近い減少になるだろうとされた。しかし2015年の最新推計はもっと衝撃的だった。2050年には総人口がさらに減り、8800万人を下回るという。もっと深刻なのが高齢化だ。2010年の推計では、2040年には65歳の高齢者がすべての県で人口の30%以上を占めるようになり、秋田、青森、高知の3県では40%を超えるとされた。ところが、2015年の最新推計では、2050年には日本の総人口の40%が65歳以上の高齢者になるという結果が出たのだ。

 

<民尊官卑の国へ>

・もともとは中国からきた制度だが、高い教育を受けた官吏が天皇の名において絶対的権力を振るった。役人は名誉もあり報酬も良かったから、息子のうち1人ぐらいは偉い役人になってくれることを親は望んだものだ。役人がそんなに大きな力を持っていたのは、平民に何の権利も与えられていなかったからでもある。人々には反抗する術がなかったから、官吏は民を平気で踏みつけにした。

 19世紀後半から20世紀前半にかけての近代化の中で、日本は中央政府の官僚に権力を集中させる統治システムを導入した。

 

<地方改革>

・この抑圧的な状況に業を煮やし、地方の改革や再編に乗り出した地方の指導者もいた。第4章では子育てに関する横浜市の取り組みについて概要を述べた。東京都杉並区長だった山田宏は2000年代初め、行財政改革案「スマートすぎなみ計画」を打ち出して、さらに意欲的な取り組みを推進した。少ない資源を活用して効率サービスを提供する小さな区政の実現を目指そうとするものだった。手始めに学校給食の一部業務を民間委託した。公務員の労働組合とそれを支援する政党が強く抵抗したが、最終的に成功した。区の支出が大幅に節約されただけでなく、児童は好きなメニューをあらかじめ選択できるようになった。さらに山田は、区の出張所の一部を廃止して住民票等を自動交付機で発行できるようにし、さまざまな区の業務を民間に委託した。こうした政策によって、区職員を6000人以上を削減し、254億円を節約した。区の借金は半分近くになり、逆に預金は倍以上に膨らんだ。

 

・大阪を先例として地方分権の波が全国に広がったことで、日本は今再び、世界が注目する国家のモデルとなった。

 

<完全な地方分権

・再生委員会が日本経済の構造とシステムを徹底的に見直し、他の国について綿密な調査を重ねた。地方改革がもたらしたプラスの結果を検討し、日本が過去に経験した復興の経緯も分析した。そして、ある根本的な結論にたどり着いた。日本が抱えている問題は経済ではない。政治なのだ。日本が直面している最も重要な課題は統治、すなわちガバナンスの問題だった。日本人は自己責任に任せれば、驚くほど革新的で生産的な国民だ。だが、政府や官僚の厳しい管理下では全力を出し切れず、優れた素質を十分に発揮することができなかった。日本が将来に秘められた可能性を実現するためには、社会に深く根付いている中央集権的な政治構造から脱却し、地方分権的なシステムへ思い切って転換することが必要だと思われた。

 

・再生委員会が2017年末に発表した最後の提案によって、日本の地図は大きく塗り替えられることになった。長い間変化のなかった、かつての47都道府県は、現在では15の大きな行政区分である州政府に改編されている。米国やドイツの州政府と同様な仕組みだ。以前の都道府県と同様、それぞれの行政府には州法があり、知事がいる。ただし、知事(州政府)と議会には大きな権限があり、国防、外国、中央銀行の機能を除いて、ほぼ完全な自治体制を持つ。最も重要なことは、これらの新州政府の財政は自己資金調達によって賄われるという点だ。債務が累積し破綻する可能性もあるが、州政府は借り入れや地方債を発行する権限も与えられた。

 

<2050年 東京>

・2050年春、東京へ出張する。彼にとっては35年ぶりの東京だ。全日本航空機でワシントンを飛び立って2時間半、快適な空の旅も終わろうとしている。ミツビシ808型超音速ジェット旅客機は、ゆったりと弧を描きながら羽田空港へと降下を始めた。

 超音速旅客機なら昔もあった。だが、ミツビシ808は1970年代に英仏が共同開発したコンコルドとは比べものにならない。巡航速度はほぼ2倍、定員は3倍を超え、航続距離も3倍近い。

 

・ここで目にするのが、本当の先進日本だ。都心だけでなくどこへ行くにも、運転手がハンドルを握るリムジンバスやタクシーはいない。個人客であれ団体客であれ、ロボットが操縦する高速鉄道無人自動車を利用する。もはや日本では、誰も運転などしない。

 

・スマート輸送は安全なだけでなく安いのも特徴だ。日本は、風力や太陽光、潮流・海流、メタンハイドレートなどのさまざまな低コストのエネルギー資源を開発し、さらにそのエネルギーを貯めておく装置も考案した。それを全国に張り巡らされたスマートグリッド(送電網)で結んでいる。これによって、発電コストは限りなくゼロに近づき、原子力化石燃料によるコストをはるかに下回った。その結果、原子力化石燃料というエネルギーミックスは時代遅れになった。

 

・超高層化によって都市空間が効率的に活用され、オフィスや住環境も快適になった。それだけではない。考えてもいなかった経済効果も数え切れないほど生まれた。高密度化がスマートシティ化の環境を生み、起業家の活動が活発になった。その結果、多くのイノベーションが急速に

 

進んだ。当然、世界中の都市も東京に追随して建物の高層化を進めたが、それでも日本は構造設計とノウハウの中心であり続けた。日本の建築設計会社は世界中から引く手あまたとなり、世界のほんとんどの大規模建築工事で中心的な役割を担っている。

 

・予約しておいたホテルに到着する。ホテルマンが非の打ち所のない美しい国際英語で彼を出迎えてくれる。(これは日本が完璧なバイリンガル国となったことを示すちょっとした証拠だ。日本では高校を卒業するときや就職する時には英語を完全に習得していることが必要とされる。テレビやインターネットの番組には英語の字幕付きが多いし、英語の放送で日本語の字幕がついてる番組も多い)。

 

・「すべてが電子的に処理される」というのは誤解を招く言い方かもしれない。人が利用することを考えれば「すべては音声で処理される」と言うほうが正確だろう。

 

・日本人の体格が良くなっただけでなく、理由はまだほかにある。世界の主要国のうち、日本は全人口と労働人口が増加し続けている数少ない国の一つだ。合計特殊出生率は平均2.3人で人口置換水準の2.1を大きく上回っている。さらに、日本は遺民に門戸を開き、特に高等教育を受けて専門性の高い技術を身につけた人々を積極的に受け入れてきた。じわじわと進む人口減少にいまだに苦しんでいる中国や韓国、ロシアといいった周辺諸国を尻目に、日本の人口は2025年以降再び上昇に転じており、1億5000万人を超える日も近いと思われる。当然のことながら、人口増加は経済成長を促す。労働人口が増加することで、強力な生産性向上と技術進歩が相まって日本のGDP(国内総生産)はいまや毎年4.5%ずつ上昇を続けている。これは他のどの主要国もはるかに凌ぐ上昇率で、中国の2倍にも迫ろうという勢いである。

 

・日本企業の本社にやってきた外国人ビジネスマンは、なぜ日本で人口が増えて経済が成長するようになったのか、本質的な理由がすぐにわかる。オフィスにいる幹部のほぼ半分は女性や外国人なのだ。重役会議に出席すると、間違えて東京ではなくオスロストックホルムの会社にきてしまったのではないかと錯覚しそうになる。取締役会には女性役員がずらりと並び。北欧企業で女性役員が占める比率を上回る。当然、日本企業の方針や考え方、仕事の進め方、社風に大変革をもたらした。午後5時を過ぎるとオフィスはほとんど空っぽになり、バーや居酒屋では閑古鳥が鳴いている。

 

・「日経1000」(かつての「フォーチュン500」)に名を連ねる日本のビジネススクールが進化し、世界最高峰になったことにある。たとえば、ハーバード・ビジネス・スクールは世界のベストテンにすら入らない。トップ3は一橋大学、慶応大学、京都大学の各ビジネススクールであり、4位に欧州のINSEAD(インシアード)が続く。

 日本のビジネススクールが躍進し、新しい役割を担うようになった女性エグゼクティブが登場してきたことで、コーポレート・ガバナンスの革新的変化がもたらされることになった。長期的に持続可能な投資や、企業活動に必要で適度な利益という概念は、いまや雇用の維持といった古い目的を通り越して、利益条件を決める基本的な考え方となった。

 

・仕事や旅行で現在の日本を訪れた人々が目を見張るものの一つが、戸建て住宅や集合住宅の大きさと瀟洒た造りだ。広々とした居住空間は一般家庭にも住み込みの家政婦や介護ヘルパー用の部屋を設ける余裕を生んだ。2020年代、日本はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)のルールに則り、輸入品に対する関税と農業補助金を完全に撤廃した。ほぼ時を同じくして、土地利用や固定資産税、不動産譲渡に関わる法律も近代化し、オープンで透明性の高い制度になった。この結果、公正な不動産市場ができあがった。一連の規制撤廃によって小規模農地は宅地や商業的な大規模農地へと転換した。

 

・だが、この経済成長を支えた大きな要因は、日本にやってきた移民たちが始めたまったく新しい技術とそれに伴う新しい産業の創出だった。バイオテクノロジーやナノテクノロジー、エレクトロニクス、素材、航空、化学、ソフトウェアといった分野では、医療技術や航空機技術と同じように、日本の研究者や企業が世界をリードしている。いまや政府や民間企業による研究開発支援は、日本の国内総生産(GDP)の6%近くを占める。

 

中国やドイツ、韓国、その他の主要諸国を悩ませていた高齢化と経済収縮の問題も、人口増加と好景気に沸く日本にとっては他人事だった。財政黒字が続いた結果、国の債務はGDPの240%から50%へと縮小し、2013年にはGDPの9%を占めていた総医療費は、今日ではわずか6%にまで減少した。

 

<日本の防衛費はGDPの1%から約3%に増えた>

中国の軍備増強に対抗して日本は防衛力の強化を図り、核兵器や最先端のサイバー攻撃技術、さらに大陸間弾道ミサイルを抱える世界第3位の軍事大国へと変貌を遂げた。日本の艦船は西太平洋、マラッカ海峡、インド洋までパトロールしている。

 

・世界の中で日本の地位が再び高まると、もともと優れていた日本のソフトパワーは飛躍的に強まった。1990年代、日本経済が低迷しているときでも、重要な日本文化は国際的な地位を築いていた。スシは世界中で愛される食べ物になり「カンバン方式」(ジャスト・イン・タイム生産)は世界的な在庫管理技術になった。カラオケは世界共通の娯楽になり、そしてマンガは世界最高の暇つぶしとなった。今では日本の再生と活況を背景に、日本の革新的なデザインや芸術、食べ物、技術、科学、その他多くのものが世界の隅々にまで浸透している。政治・経済・社会のアナリストはもちろん、パフォーマーや大学教授、料理人、画家、作家、技術者、デザイナー、作曲家、科学者など、日本人のプロフェッショナルには世界中からのラブコールが止まない。21世紀は、「第二のアメリカの世紀」だと言う人もいた。多くの人は「中国の世紀」になると言った。だが、実際は「日本の世紀」になったのである。

 

<アメリカと世界にとって日本が重要である理由>

<グローバリゼーションとはすなわちアメリカナイゼーションのことだ>

・「グローバリゼーションはあらゆる国を豊かにする。そして、豊かになれば民主主義的になり、民主主義的になれば、戦争をしなくなる。なぜなら、民主主義国は互いに戦わないことを私たちは知っているからだ」。そしてその考え方はまるで呪文のようにあちらこちらで唱えられた。欧米のエリートたちはこぞって、資本主義が世界に広がれば民主主義と平和がもたらされ、苦境に喘いでいる国も救われると信じたのである。

 もちろん、そんな風に都合よくはいかなかった。実際のところ、世界はむしろ逆に進んでいるように見える。中国は、政治的に自由になり、自由市場経済になるどころか、独裁的な政治体制の下で国家資本主義に邁進しているかのようだ。