日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

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「第3次世界大戦」なんて言うと、大げさに聞こえるでしょうが、実務者の現実的なレベルではそういう認識がもう共有されている。(1)

 

 

『大直言』

青山繁晴   百田尚樹  新潮社   2017/1/31

 

 

 

共同通信社というのは左翼思想の非常に強い報道機関です

反日とまでは言いませんが、実質そう言われても仕方がないほど、日本の国益などは一切考えずに記事作りをしてきた通信社です。

 知らない人のために書くと、日本の地方新聞のほとんどが、政治や経済の記事は共同通信社の配信したものを載せています。政治的な社説もそうです。多くの地方新聞は共同通信社の書いた左翼的な社説を、そっくりそのまま載せるか、あるいは少し書き直して載せています。それを読む人はそんなことを知りません。「東京の全国紙のことなんか知らんが、おらが地元の新聞社が言っていることだから、本当のことだろう」と無条件に信じ込んでいます。現在、共同通信社の配信記事を載せている地方紙をすべて合わせると、1千万部以上になります。これは朝日新聞の実売部数の倍ですつまり敢えて言えば、日本の世論に最も大きな影響力を持っている「新聞社」は、朝日新聞でも読売新聞でもなく、共同通信社ということになります。

 

<平和を議論する>

すでに「第3次世界大戦」と覚悟すべきだ

(青山)これは一応、ぼくの本来の専門分野の話になるんです。日本で専門家というと学者や評論家のことを指すことが多いんですが、本当は実務者のことです。その実務者の間ではまさしく、百田さんがおっしゃったことに直結するのですが、「今は第3次世界大戦だ」といった議論が普通に行われています。

「第3次世界大戦」なんて言うと、大げさに聞こえるでしょうが、実務者の現実的なレベルではそういう認識がもう共有されている。

 1つは、サイバー空間の戦争。サイバー世界ではすでに世界大戦が起きている。中国はアメリカ人のアメリカ人の若いハッカーを雇って、人民解放軍の中にハッカー部隊を作っています。十代の少年にも巨額の契約金と特権や財産を渡している。そしてアメリカ国防総省のハッキングにすでに成功しています。

 

その当時の中国人民解放軍は、アメリカの軍や行政機関のネットに侵入するのが主な狙いだったけれども、そのうちターゲットを企業にも広げてきた。日本でも有名なシリコンバレーに限らず、テキサス州のヒューストンをはじめ次世代の最先端企業に次々ハッキングを仕掛けている。

 サイバー戦争の特徴は充分な防御ができないことです。ファイアウォールを築くと言いますが、現実的には妨げない。だから防ぐかわりに、アメリカ軍の側も徹底的に攻撃するようになったんです。

 

(青山)自衛隊にもサイバー部隊はありますけれども、この分野においてまで専守防衛だなんて、ありえないことです。サイバー空間において「やられてから初めてやり返せる」なんて意味がありません。だから自衛隊も、本当は攻撃能力を持ったサイバー部隊、あるいは、今よりもはるかに高いレベルのサイバー攻撃部隊を早急に持たないと、日本だけが第3次世界大戦の敗者になってしまいます。

 また、「第3次世界大戦」ということで言えば、パリ無差別テロについて、オランド大統領が事件を「第3次世界大戦だ」といったニュアンスで語ったことがありました。この時、専門家—―実務者のことです—―は誰も大げさだとは思わなかった。

 

(青山)冷戦が復活したとか、いい加減なことを評論家、学者は言うのですが、全然復活してないんです。冷戦は復活してません。なぜかというと、アメリカがプレイヤーではなくなっているから。

 今起きているのは冷戦、コールドウォーではなく、ホットウォーです。潰したはずのソ連がロシアとしてプーチンの下、蘇ってきて、トルコを最前線とするNATOと戦争に入りかけている状態だと見るべきです。

 こうした状況下にもかかわらず、日本の安全保障の議論はあまりにもレベルが低い。

 

「平和の使途」が戦争を起こす

(百田)日本を利用したい、あるいは、日本を占領したい、あるいは、日本を痛め尽くしたいという国にとっては、日本はものすごく楽な国でしょう。スパイはし放題、あらゆる軍事機密は盗み放題。特定秘密保護法ができたとはいえ、刑はきわめて軽い。しかも軍隊はまったく動けない。仮に、日本の離島がどこか取られたとしても、動けないですよね、まったく。

 

<「平和を愛する」で思考停止するな>

(百田)よく「日本の平和国家としての評価は高い」というけど、実際はそうでもないんじゃないでしょうか。日本の研究家、日本をすごく研究している学者とかは、たぶん評価していると思うんです。しかし残念ながら、おそらく、国全体として見た場合は、まったく評価されてないと思います。というのは、どこの国もそうですけど、まず、第一に考えるのは自分のところの国益ですから。そうすると、日本の、いわゆる平和主義というのは、逆に、諸外国から見ると、いいように利用されている感じがします。

 

<政治家を議論する>

<政治家は覚悟を持て>

(青山)「青山さんは本気で拉致被害者を取り戻そうと考えているんですよね。本気でメタンハイグレートを日本の自前資源にしようと考えているんですよね。でも、それを言うだけなんですか。本気でやるんなら、ぼくたちと同じように血を浴びる覚悟でやったらどうですか」

 そんなふうに言われて、ちょっとムカッとしたんですよ。ぼくら民間人だって血を浴びる覚悟で実務を遂行している。リスクだって実際、山のように背負っていますから。

 百田さんが本を出すのだって、リスクを負っているわけでしょう。なのに、何を偉そうに政治家だけが特別であるかのようなことを言っているのかと、思いましたし、そんなふうに言い返しました

 

・それからの1週間は本当に苦しい時間でしたよ。絶対に出たくない。おのれを売り込む選挙が嫌だし、出たらどこかから叩かれるのも目に見えていました。実際にすぐに『週刊文春』にまっ赤な嘘記事で攻撃と妨害をうけましたね。

 また、公費で生活の一部でも賄うことにも抵抗がありました。

 

国会議員に資格試験を導入せよ>

(百田)わたしはいまの政党でいえば、自民党を支持していますが、ただそれは、他の政党が酷過ぎるから、というところがあります。実際には自民党にも醜い議員はたくさんいるんですよ。国益を考えていないような議員もいます。自分のことしか考えていない。いや、自分のことならまだマシです。中国、韓国の国益を優先しているようなのもいます。売国的な政治家もいます。

 

・(青山)ぼくは自民党から出馬するといっても、自分の存在意義は自民党の「腐っている」部分を打ち破るところにあると考えていました。だから組織、団体の応援もすべてお断りしたし、安倍総理の応援演説もお断りしました。組織、団体に支えられて当選すればどうしてもその既得権益を守る議員活動に堕してしまう。

 ぼくは、本来、参議院議員はボランティアでやるべきだと考えているんです。現状、歳費などで年間2144万円、それに加えて毎月、文書通信交通滞在費百万円が支払われています。ぼくが議員になって辛い気持ちを感じる理由の一つは、こういうお金を税金から頂いていることです。食うや食わずの方が納めた方々の税金をこういう形で頂くのがとても心苦しい。

 実ところ、全額返上したいと申し出たのですが、それをやると憲法違反ですと総務省に指摘されました。また当選後に寄付すると、まさしく違法な議員の寄付行為です。だから頂いているのですが、本当にこれは心苦しいんです。ぼくが居るあいだに参議院のボランティア化は無理でしょうが、いずれ実現してほしいと思います。

 

・(百田)調理師には調理師免許があります。弁護士になるには司法試験、医師になるには医師国家試験に受からないといけない。多くの仕事で資格試験があるわけです。医師あたりは人の命を預かる仕事なんだから、厳しい試験があって当然でしょう。

 ところが、国会議員になるには、何の資格も要らない。そのことをあまり不思議に思わない人が多いけれども、国会議員は国の命運を左右する仕事ですよね。当然、国民の命を左右する仕事と言えます。ですから、ある意味で医師や弁護士よりも責任の重い仕事なはずです。

 ところが、現実には、そこらで歌を歌っていたような姉ちゃんや、スポーツしかやってこなかった人がなっている。もちろん、そういう職歴がいかんというんではないですよ。もっとレベルの低い人もいるでしょうから。

 だから、わたしは国会議員になるには、ペーパーテストを課してもいいんじゃないか、と思っているんです。歴史観、国際状況、最低限の法律知識等々。何も上位何人だけを合格にしろと言っているわけじゃない。ある一定の知識を得ている者だけが、国政に出られる権利が与えられる。

 こういうことを言うと、必ず「差別だ」と言う人が出てくる。学歴の低い人に不利じゃないかとか、全部の人を平等に扱えとか、ね。でも、それを言い出したら、医者になるには大学の医学部を出ないといけないのに、それを誰も差別とか言いませんよね。国会議員が無試験というのはおかしいと思う。

(青山)たしかに差別だと言う人もいるかもしれませんが、他の多くの仕事が資格を要求しているんだから、当然ですね。もしも配慮をするのであれば、議員になるための学校があってもいいかもしれません。中学しか出ていなくても知識が足りないのだけれども、国政を目指したい、というような人を養成する機関のようなものをつくればいい。

 

二重国籍の政治家は論外だ>

(百田)もう一つ、国会議員の「資格」ということで触れておきたいのは、民進党の代表になった連坊さんの二重国籍問題です。私はもう「政治家の二重国籍は絶対に駄目」だと考えています。

(青山)同感です。

 

・(青山)敗戦後の日本の特徴として、国会議員の中にも残念ながら国家を否定するような思想の人がいますからね。また、たとえ自民党の議員であっても、国家観も何もないような人もいる。こんなことは他国ではありえません。左右いかなる立場であっても、国家というものを土台として考えない議員がいるなんてのは日本くらいです。

 

政治家は一度は民間で働け

(百田)もう一つ、議員の人に希望したいのは、民間で一度は働いたうえで政治家になってほしい、ということです。これは制度化が困難なのはわかっているんですが。

 税金、仕事、金融の問題等に関して立法するにあたって、民間で働いたことのない人はズレてしまうと思うんです。一般社会のことがわかりませんから。

 その典型が民主党政権のときの公約でした。彼らは随分バカな公約をしましたが、なかでも酷いと思ったのが「高速道路無料化」ですね。そんなことをしたらどうなるか、民間で働いたことのある人ならわかるはずなんです。

 当然、高速を使う車が激増する。渋滞が頻発する。そうなると、日本の物流が一挙に壊滅的なダメージを受けますよ。東京だけで1千万以上、首都圏で3千7百万人もの人がいます。

 

そんな想像力すらないのは、民間での経験がない議員が多いことと関係している

(百田)少し前にパナマ文書が明るみに出て、タックスヘイブンが話題になったことがありましたね。あの時、タックスヘイブンを利用している日本人は少なくて、しかも政治家の名前は出てこなかったけれども、それは別に日本の政治家が清潔だからではありません。タックスヘイブンを使わなくてもいいシステムが日本にあるということです。要は、親の後援団体、政治資金団体を子供が、まったく税金を納めずにそのまま相続できるようになっているから、わざわざタックスヘイブンを利用する必要がないというだけ。このこと自体も大きな問題ですが、結局こういうシステムがあるから、世襲議員が多いのです。

(青山)ちなみにぼくは後援会も作っていませんし、言いましたように組織や団体の支援も一切、受けていませんからご安心ください。

 さきほど参議院議員は本来はボランティアと言いましたが、議員は自分の知識や経験を使って公に奉仕する仕事だ、ということが前提です。他の議員にそうしろと押し付けることはしませんが、ぼくはそうします。ぼくが6年間それを貫いたくらいでは、全体が変わるわけではないでしょうが、そういう議員が増えていって、いつか色々な職業の人が、議員として己の知見を無償で提供するような日本であればいいな、と思います。

 

地方議員は無給にせよ

(百田)国会議員も酷いけれども、本当は地方政治家も酷い。やはり家業になっていて、世襲が横行しています。しかも、国会議員よりもはるかに暇で、仕事がない。

 このことを言うと、地方議員出身の国会議員の人は怒るんです。「あんた、どれだけ仕事が多いか知らないだろう」と。

 でも、「嘘つけ」と言いたいですね。そもそも市会議員や県会議員には大した権限はない。条例はつくれますが、それは別に彼らでなくてもいい。市長、県知事でもつくれるから議員である必要はない。

 では、何のためにいるのか。建前としては、首長の暴走を止めるためだ。チェック機関だ、と言っています。しかし、本当にそれをきちんとやっている議会がどれだけあるか。

 そのくせ政務活動費まで含めると、大変な高収入です。たとえば神戸市の議員報酬は政務活動費も含めると約2千万円。大都市はみんなそんなものです。

 それでどれだけ働いているかといえば、議会の会期は年間80日程度。その労働時間だけでいえば、パートタイマーの年収くらいでもいいはずなんですよ

 実際にヨーロッパでは地方議員はボランティアというのは珍しくありません。ほとんど無報酬でせいぜいわずかな必要経費、月に数万円程度が出るだけです。功成り名を遂げた地元の名士、裕福な人がリタイアしたあとに無償で議員をやることが多いんですね。アメリカはヨーロッパよりも高いのですが、それでも1千万円には満たない。

 ところが日本では小さな町や村の議員ですら、その地方に住んでいる人の平均年収の倍くらいもらっているのがザラです。欧米と比較しても、明らかに日本だけ高すぎる。これはおかしいですよね。

(青山)おかしいです。本来は、少なくとも参院議員は無償にするやり方もあるんじゃないかというのは前にもお話しした通りです。

(百田)それで、その仕事が家業になっていて、何代も続いている。こういうのを誰が直してくれるんやろうか、と本当に歯がゆく思います。

 問題は、彼らの給料を下げるには、彼らの同意が必要だという点です。だから全然改革は進まず、下手をするといまだに上げようとしているところまである。その点、橋下徹大阪市長や、松井一郎大阪府知事は偉いと思いますよ。自分たちの給料をどんどん下げていったわけですから。

 

・(百田)いや、他の人は次の選挙のためにお金を集めないといけませんからね。もう1つ、国会議員について不満なのは、国会を休むやつが多いという点です。酷いやつは半分以上休んでいて、3分の1くらいしか出ないといいます。それでも歳費は他の議員と変わらずにもらえる。

 

・(百田)平気で地元にこもりきりで次の選挙対策ばかりやっている。こんな議員はクビにすべきでしょう。ちなみに一番国会に真面目に出ているのは、わたしの嫌いな共産党です。

 

・(百田)選挙区ひとつとっても、どういう形が正しいのか難しいですよね。小選挙区制も中選挙区制も一長一短で、それぞれ欠点はある。ただ、わたしは小選挙区制は死に票が多くなる点で問題があると思っています。それと小選挙区制は、何かのブームが起こった時に、極端な結果となってあらわれる。2009年の政権交代がその典型ですね。

 

<シルバー民主主義に対抗せよ>

(青山)さきほど歳費を頂くことが、しんどい、辛いと言いましたが、議員になってしんどい、辛いことはあって、それは「1票入れたんだから、言うことを聞け」という人がとても多いということです。当選後、大量にメールなどで要望がきます。

 それも政策の提言などならいいんです。政治家にそれを伝えるのは当然でしょう。けれども、個人的なことも多いんですよ。隣の家との境界の問題とか。「青山さんなら偉そうにせず、庶民の気持ちがわかってくれると思って1票を入れました。私は会社でも大変な思いをしており、家に帰れば境界線の問題で苦しんでいます。青山さんであれば高い所からものを言わず、わかってくれると思い………」という調子で、とても丁寧に要望を寄せてくださる。ご期待はありがたいのですが、こうしたものに全部目を通して、それを基に対応していると、ぼくもどんなに無理をしても1日24時間しかないですから、本来の公の仕事ができなくなります。

 お気持ちはすごく伝わります。ただ、有権者の方も政治に対する考え方がすこしズレている場合があるのではないかと感じます。

 

 

 

『世界はこう激変する』 

 2016-17長谷川慶太郎の大局を読む

◎米国利上げで浮かぶ国、沈む国 ◎悪貨(中国元)が世界を脅かす

◎IS不況のヨーロッパ ◎好調な米国、堅調な日本が世界を牽引する

長谷川慶太郎   李白社  2016/2/12

 

 

 

<結局、イランとサウジとは実害のない範囲内での争いに終始するだけである>

・宗教指導者の処刑に対して中東各地でシーア派の人々によるサウジへの抗議デモが巻き起こり、イランの首都テヘランでは抗議デモの民衆の一部が暴徒化してサウジ大使館を襲撃し火炎瓶などを投げ付けた。そのため1月3日にサウジはイランとの外交関係を断絶すると発表、翌4日にはバーレーンスーダンもイランとの外交関係を断絶すると表明し、UAEも駐イラン大使を召還して外交関係の格下げを決めた。サウジとイランの両国はそれぞれシリアとイエメンで代理戦争を繰り広げている。それが今回の問題で面と向かってぶつかる様相となってきた。両国の外交関係が緊迫化すれば全面的な紛争に発展するとの報道も出始めた。

 

中国経済についていえば、きわめて悪くなっているのは確かだ。だが、2014年のドルベースの名目GDPで世界全体に中国の占める割合は13.4%でしかない。たとえ中国経済がゼロになっても世界経済に対する影響は13.4%のショックに留まる。とすれば世界経済も中国経済の崩壊で一時的短期的には沈んでも、それが長期化することはありえず、すぐに再浮上する。

 日本についても中国の隣国だから中国経済が崩壊すれば日本経済に悪影響が及ぶという錯覚を世界の投資家が持っているだけだ。確かにそれで一時的には日本の株価も大きく下がるだろう。しかし日経平均は短期間のうちに必ず元に戻る。中国のパニックで株価が下がれば、むしろ押し目買いのチャンスなのである。

 

・水爆実験に成功したと称している北朝鮮はもはや断末魔である。崩壊したら北朝鮮難民が韓国へと押し寄せて来るが、そのとき、韓国は日本から援助を受けなければならない。だから最近の慰安婦問題でもわかるように韓国も日本に歩み寄ってきているのだ。北朝鮮の難民問題では日韓両国のほかアメリカをはじめとする国際社会で対応していけば解決の方向に持っていけるだろう。

 

回復してきたアメリカ経済が世界経済を力強く引っ張っていくし、日本経済もアベノミクスが第二ステージに入って徐々に勢いをつけてきている。先行きには何も心配はない。

 

<新三本の矢と1億総活躍社会>

アジア諸国のなかでさらに高い地位を占めていく日本>

・2016年は中国経済の失速によって東アジアの政治構造と経済活動の基盤が変わる可能性があって、東アジアにとって決定的な年となりうる。

 だが、日本は東アジア周辺諸国で何が起ころうと安泰だ。それは第一に日本が世界で最も多くの余裕資金を保有している国だからである。しかもそれは長期にわたる融資の対象となる資金だから、その下で日本経済にも揺るぎがない。第二には、日本経済が世界で最も高い技術水準を身に付けているということだ。その結果、日本から特許を買わずには世界のどの国も経済活動を満足に行うことができない。第三には、日本の科学の水準が世界的に高いということだ。その証拠に2000年以降ではノーベル賞における自然科学3部門の受賞者は16人(アメリカ籍取得の2人も含む)を数え、これはアメリカに次いで2位である。イギリス、ドイツ、フランスを抜き去っており、今後もこの3ヵ国については日本が追い抜かれるどころか、逆に引き離してしまうだろう。

 以上の3つはいずれも他の東アジア諸国には存在しない大きな財産である。この3つをうまく活用することによって日本経済は東アジアでの政治危機、経済危機の進行と関係のない安定した成長ができる。

 

・ただし日本は東アジアでの冷たい戦争を遂行するうえでアメリカをサポートし、冷たい戦争に打ち勝つための西側世界の中核でもある。2016年は東アジアでの冷たい戦争が終結するかもしれない。そのときには東アジアの政治情勢、経済情勢は激変を遂げていくだろうが、東アジアで何が起ころうと日本は我関せずの態度を取るべきだ。すなわち東アジアの政治情勢、経済情勢の激変を対岸の火事として静観することが求められる。

 今後、日本は東アジアだけでなく東南アジアや中央アジアにおいても、現在のドイツがヨーロッパで占めている以上の高い地位を占めるようになる。なぜなら今や日本からの資金援助なしには東南アジアや中央アジアのどの国も公共事業投資ができないからだ。

 

<ハードランディングしかない中国経済

<ボディーブローのように中国経済を弱らせていく天津での爆発>

中国経済は悪化の一途をたどると予測される。上海株の乱高下の一つの背景にはまず中国経済全体にわたる金融の拘束、すなわち金詰まりがある。加えてもう一つが中国の北半分の物流が大きく支障をきたしているということだ。

 原因は2015年8月12日深夜に起こった天津市での爆発である。

 

・こうした状況はいわば徐々に効いてくるボクシングのボディーブローのようになっており、当然ながら中国の経済危機を一段と深刻化させ、金詰まりを一層厳しいものにしていく。天津港を含む浜海新区の復旧が終わらない限り、そのボディーブローは終わらないどころか、どんどんきついものになっていくだろう。

 となるといずれ華北の広範な地域で企業の大量倒産が起こりうる。それは即大量の失業者の量産につながる。2016年はこのような中国の経済危機に端を発した社会不安がどこまで広がるか、言い換えれば、それは習近平政権がどこまで抑えることができるかが問われる年になる。

 

ダンピング輸出向け鉄鋼の減産で国有企業のリストラが始まる>

・輸出量が増えるうえに輸出価格は安いというのだから、中国のダンピング輸出に対して反ダンピング課税などの措置を取る国も増えてきているが、各国の鉄鋼メーカーには生産量を落として耐え忍ぶしかないというところも少なくない。生産量を落とすためには操業短縮だけでは不十分なので、高炉の閉鎖や従業員のリストラに追い込まれるところも出ている。

                                                  

・であれば中国政府としても、いよいよ鉄鋼生産で1億トン分を減らすということだ。それはまた同時に中国の鉄鋼業界で働いている30万人の労働者のうち少なくとも1万人前後のクビが飛ぶということにほかならない。

 1億トン分の鉄鋼生産を減らすというのは、これまで強気だった中国政府も急失速する中国経済の現実に向き合わざるをえなくなったことを示している。日本の経済界の訪中団と李克強首相との会談の模様を見て、中国に進出している日本企業も現地法人の本格的なリストラに乗り出したのだった。

 

<中高速成長の維持と一人っ子政策の放棄は何をもたらすのか>

・中国もデフレ時代に入っている。もはや安かろう悪かろうの時代は終わったのだ。だから中国でもこれまでのような量的な拡大は不可能であり、また量的な拡大を目的にする経営計画も成功しない。必ず過剰生産が生まれて売れ残りが大量に発生する。しかし少しずつでも良い製品をつくっていきさえすれば必ず生き残る道が開けるから、技術の研究開発が不可欠となる。

 

・ただし中国のバブルは弾けてしまった。となったからには6.5%以上の中高速成長は無理だ。中国経済についてはもはやハードクラッシュしかない。問題はハードクラッシュの後で中国企業がデフレ時代に対応して生き延びていけるかどうかということなのである。

 

・人口減少となれば、当然ながら世界の工場としての中国の役割は終了するばかりか、中国の経済成長もおぼつかなくなる。けれども少子高齢化が始まっている中国において、一人っ子政策の撤廃が人口増に結び付くということもない。このまま少子高齢化が続いて中国経済が落ち込んでいくのは避けられないのである。

 

不良債権を抱えた国有企業の処理で窮地に立つ習近平政権>

・それで習近平政権は今回の中央経済工作会議の方針でも国有企業の再編ということで御茶を濁している。この再編とは国有企業を合併させるだけのことにすぎない。そういう生ぬるいやり方ではいずれ国有企業がいくつも潰れていくだろう。となるとやはり大量の失業者が発生する。

 ハードランディングでも御茶を濁しても大量の失業者が生まれるということだ。大量の失業者は社会不安を引き起こす。今や習近平政権は国有企業の問題で窮地に立っているのである。

 

<爆発の可能性が大いにある人民解放軍> 

南シナ海の人工島領海を自由に航行し始めた米ミサイル駆逐艦

・したがって中国海軍は最初から米海軍はもとより海上自衛隊とも戦争がする気がないということだ。負けるとはわかっている戦争をする軍人はいない。中国海軍もそういう状態である。

 

<陸軍中心の軍構成を改めて7軍区を4戦区に統廃合する>

・廃止された3軍区は4戦区のなかに吸収されることになるが、組織改革とともに軍縮も同時に進め、現在の兵力230万人から30万人が削減される予定だ。

 

人民解放軍の大規模改革は習近平の危険な賭け>

<この大規模改革は失敗する可能性がきわめて高いのである>

・しかし空軍の力の拡大も陸軍には許せるはずがない。もし陸軍が完全に習近平首席および中国共産党に反旗を翻したらどうなるか。人民解放軍の最も基本的な役割は国内の治安の確立である。中国経済は急速に落ち込んできているから企業のリストラで多くの失業者が生まれて収入のないホームレスも増えていく。ホームレスが増えていくとそれが社会不安につながって国内の各地で激しい暴動が頻発するに違いない。そのとき、中国共産党に背いている陸軍が、お手並み拝見とばかりに何の動きもしなければ国内の治安は回復できないだろう。中華人民共和国も崩壊の淵に立つことになるはずだ。

 

 

 

自民党ひとり良識派』

村上誠一郎   講談社   2016/6/15

誰よりも自民党を愛するからこそ覚悟の正論!

 

 

 

日本をおかしくした5つの法律

・私は最近の自由民主党の方向性を非常に心配しています。

 昔と違ってなぜ自由闊達な議論のできない「不自由民主党」になってしまったのか。

 

私の自民党衆議院議員生活30年間、自民党が国会に提出した法案で、私が猛然と反対を表明した6つの法案があります(うち一つは廃案)

 

1987 スパイ防止法(廃案)

1993 小選挙区比例代表並立制

2005 郵政改革法案

2013 特定秘密保護法

2014 公務員法改正案

2015 集団的自衛権の行使容認

 

 これらの6つの法案によって自民党は徐々に変容し、現政権による集団的自衛権の行使容認」という、解釈改憲立憲主義の否定に至るのです。

 

小選挙区制導入で劣化した議員の質>

・国民の支持率が高いあいだは官軍ですから、政権の言いなりになって、ウケのいい政策だけを言っている方が楽ではないでしょうか。自らあれこれと政策を考える必要がない。ただ、党の言うことに、従っていればいい。

 逆に従っていないと、次の選挙では公認はもらえないし、比例代表では、よい名簿順位をもらえなくなります。

 小選挙区比例代表並立制とはそのように政治家が選挙とポストだけを考えてしまうようになる制度なのです。その結果、選挙とポストのすべてが官邸や党幹部次第ということになるのですから、時の権力者の言いなりになってしまう危険性をはらんだ選挙制度だと私は思います。

 

言うことを聞けないのなら自民党を辞めろ!

・「自民党をぶっ壊す」

 というのが、その時のセリフですが、実は特定郵便局というのは、自民党田中派以来の経世会の有力な支持母体です。「自民党経世会支配をぶっ壊す」というのを感じました。

 ともかく、小泉政権郵政選挙で「郵政民営化」に反対した自民党の政治家はすべて公認を取り消され、その上に刺客まで送り込まれました。

 郵政民営化反対を言ったら政治家が政治生命を奪われたのです。「俺の言うことを聞けないのなら自民党議員を辞めろ!」と。

 

小選挙区比例代表並立制は即刻廃止せよ!

小選挙区制はできるだけ早く見直すべきだと思います。

 小選挙区制が政権交代民主党中心の連立政権をもたらして失敗、さらに解釈改憲を許す遠因となったわけですから。

 衆議院選挙制度の抜本改革を目指す議員連盟は2011年に発足しています。中選挙区制の復活を議論する議連で、選挙制度に欠陥があるというのは、今や自民党民進党はもちろん、社民党共産党など各政党すべての共通認識なのです。

 

・そもそも、私が最初から反対していたように、斡旋利得罪と連座制の強化を行っていれば、選挙制度中選挙区制から小選挙区制にしなくても、金のかからない選挙ができたのです。

 

 ちなみに、私が考える選挙制度改革は、150選挙区定数3人は良いとしまして、実現は難しいでしょうが、一人2票制にするのはどうかと考えています。

 義理やしがらみで1票を投じる有権者も多いでしょうが、残った1票は、政党なり政治家の政策に対して投じてもらいたいのです。もちろん、2票とも、継続的に支持している議員に投票しても構いません。

 これによって、個々の政治家の政策の継続性がある程度、担保されますし、人の顔色、雰囲気、風頼みといった、およそ政策とは無関係な事柄が政治活動に悪影響を及ぼすことを排除できるのではないでしょうか。

 

派閥崩壊がもたらしたもの

・中曽根首相から、2回連続の当選の重要性を指導していただいたというわけです。

 さらに、中曽根首相自身が、初当選後からずっと、日本の今なすべき政策は何かを考え続け、これと思う政策や提言には真摯に耳を傾け、重要だと思う政策等はすべて大学ノートに書き留めてきたという話がありました。

 私は中曽根元総理の精神を取り入れ、今も政治活動のため収集した資料や、制作をパワーポイント化して、国政報告、講演の場ではすべてパワーポイントを使って説明することにしています。

 

<河本派に所属した理由>

・このような環境の中で育った私は、東大に進学したあと、司法試験を目指していました。ある日、農林大臣、郵政大臣、三木内閣の官房長官を歴任した、当時、三木派の重鎮だった井出一太郎先生が私に会いたいと言ってきました。

 井出先生は、私の顔を覗き込むようにしてこう言いました

「君は票が取れそうな顔をしているな」

 

・「政治家には休みはありません

 そのときに河本先生からは、座右の銘が“政治家は一本の蝋燭たれ”だということなどを伺いました。蝋燭は、わが身を焦し周囲を明るくするのだ、と話されました。

私は、この先生についていこうという決心をしたのです。

 

<議論するより携帯で撮影>

・初当選の頃、ある先輩が、

自民党は1回生でも10回生でも発言は自由であり、皆、黙って聞いている。しかしアナタが発言している間、頭のてっぺんからつま先まで人物鑑定しているんだよ。発言する場合はよく勉強して理論武装を完璧にしておけよ」

 と、忠告してくれたことがありました。

 徐々に、その助言が、先行きの政治活動に大きな影響を及ぼすことになることがわかってきたのです。政策をめぐって意見をするのは自由ですが、しっかりと勉強をしておかなければいけません。逆に何か問われてもきちんと反論や返答ができるようにしておかなければいけないのです。

 しっかりした議論ができて初めて、派閥や党の幹部に認められて大事な仕事を任されるようになっていくのですから、我々が若い頃は、部会や党の税制調査会等が言わば登竜門、大切な真剣勝負の場のひとつでした。

 

・若手の皆さんが自分のツイッターやブログなどの更新に熱心なようなのです。もちろん政策の議論がないとまでは言いませんが、どちらかというと勉強会や部会に参加したことを、有権者に情報発信することに重きを置いているような気がします。

 せっかくの真剣勝負の場、政治家としての質を高める場が十分に生かされていないのではないでしょうか。