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新興国の人口爆発と温暖化による異常気象で21世紀は水戦争が深刻化する。(1)

 

 

『資源争奪戦』

最新レポート  2030年の危機

柴田明夫   かんき出版   2010/1/6   

 

 

 

<資源価格の乱高下は何を意味するのか>

・21世紀に入って上昇トレンドをたどり始めた原油や金属などの資源価格は、2008年前半にかけて歴史的な高値を記録したかと思うと、年の後半にはこれまた歴史的な暴落を見た。

 しかし、暴落したとはいえ、そのレベルは過去と比べるとはるかに高い水準へと移行している。ここ数年の資源価格の乱高下はいったい何を示唆しているのだろうか。

 

・筆者の考えはこうだ。

 ここ数年の資源価格の高騰の背景には、中国やインドなどの人口大国が工業化による本格的な経済成長軌道に乗ってきたことがあるそれによって、地球が「資源の枯渇」と「地球温暖化」という、誰にも止められない「2つの危機」を加速させてしまった。この延長線上には、ポイント・オブ・ノーリターンの世界、時間の流れのように後戻りができない地球の成長の限界、つまり「臨界点」が待ち受けている。

 我々にできることといえば、省エネ・省資源・環境対応の新エネルギーや代替エネルギーの開発を同時に進めることで「2つの危機」の進むスピードを緩和させることしかない。

 

おそらく2030年前後には地球は「臨界点」を迎えてしまう可能性が高いためだ。

 例えば、原油は楽観的見方に立っても30年には、「液体で濃縮され、生産コストの安い」原油は埋蔵量の半分を掘り尽くされ、生産のピーク・オイルを迎える。地球の平均気温が18世紀の産業革命前に比べ2度上昇してしまうのも、早ければ32~40年との見方がある。世界人口が地球の養える人口80億人を超えるのは25年だ。一見バラバラに進んでいる現象が30年前後にひとつに繋がって、ついに臨界点に達してしまう。

 我々は「地下系」から「太陽系」への移行を急がなければならない。

 

この「つなぎ」の期間をどうするかということも、重要な問題である。

・「つなぎ」といっても5年や10年の話ではない。めざす太陽系エネルギーに立脚した低炭素社会は早急には訪れないからだ。

 

・究極の脱炭素社会の構築に向け、太陽光発電、太陽熱発電、二次電池燃料電池の開発・普及を急ぐとともに、「つなぎ」として、地下系資源の省エネ・省資源・環境対応がこれまで以上に重要である。

 

一方、我々の地球では、「水不足」という新たな問題も深刻化しつつある。すでに、限られた資源をめぐって資源保有国と消費国、資源保有国同士の「グレートゲーム」が繰り広げられている。地球の「臨界点」が迫っている現在、そんなゲームをやっている場合ではない。

 

エネルギー関連の国際機関IEAが予測、2030年に原油200ドル突破の恐れ

原油価格が2008年に100ドルを上回ったことの意味は、世界の経済・産業構造をいち早く「省エネ・省資源。環境対応型」「新エネルギー開発促進型」に転換すべしとのメッセージである。

 まして、地球が「安い石油資源の枯渇」と「地球温暖化」という不可逆的な「2つの危機」の直面していることを考えれば、我々にできることは、一刻も早く、2つの危機が進む速度をできる限り緩めることしかない。

 これらの課題に同時に取り組むためには、これまでの安い資源価格では不可能で、高い原油価格の追い風が必要なのである。にもかかわらず、今回の急落は100ドルを超える原油に世界経済が耐えられないという形で生じた。

 実際、原油が08年5月に120ドルを突破してくると、米国議会などでは投機資金に対する規制強化の動きが強まり、市場も世界景気減速に伴う石油需要の減退観測が広がった。市場が悲観一色に染まるなかで、ヘッジファンド手仕舞い売りが加速した。

 その発想そのものが、1990年代までの安い資源価格時代の経済・産業構造を前提とした考え方である。そうである限り原油は、急落すれば過渡期の需要が拡大し、何度でも上値を試しては急落するといった同じことが繰り返される「閉じない」世界に陥ってしまうことになる。

 

・供給面では、最近の原油価格の上昇が投機資金によるマネーゲームとの見方が定着すれば、誰も危なくて開発投資をしようとはしないだろう。しかし、需要は中国などの新興国が先進国水準に向かう「過渡期」の需要だから毎年累積的に拡大し、結局、供給が逼迫し価格が高騰することになる。

 逆説的であるが、原油価格が100ドル近辺で底入れし、誰もが原油100ドル時代の到来を認識すれば、省エネ・省資源・環境対応、あるいは代替エネルギー、新エネルギーなどの投資が促され、高い原油価格に順応した経済・産業構造が構築されて落ち着くことになる。

 

今後は実体経済を見直す動きが強まり、あらためて新興国を中心に資源需要が拡大し、資源価格は再び上昇圧力が加わると見るべきであろう。

 とくに世界金融恐慌という最悪の事態を回避するため、日米欧の金融当局が利下げや流動性供給といった行動をとっていることから、あらたな過剰流動性の発生につながり、投資マネーが再び原油などの資源市場に流入する可能性も高い。

 

国際エネルギー機関(IEA)は、「08年版世界エネルギー見通し」で、原油価格が低迷すれば開発が遅れて新興国の需要増を賄うことができず、原油は10年にも100ドルを超え、30年には200ドルを突破する恐れがあると警告した。

 その後、「09年版エネルギー見通し」では、風力や太陽熱など再生可能エネルギーへの世界的投資が拡大すると見て、若干、予測を下方修正した。それでも中長期で新興国を中心に需要が拡大し、30年の原油価格は190ドル程度まで上昇すると大筋では予測を変えていない。

 

原油価格暴落で開発中止・延期が続発  資源ナショナリズム高揚で供給不安増す

・IEA(国際エネルギー機関)によると、2030年に向けて拡大する世界の石油需要に対して原油生産も拡大するが、在来型油田(すなわち液体で濃縮されて掘りやすい特定の場所にある生産コストの安い油田)からの生産は10年の手前でピークアウトしている。今後は、新規の油田やカナダのタールサンド(油砂)などの開発が不可欠だ。

 しかし、タールサンドは、「液体で濃縮されていない」資源であり、新規に発見された油田は、メキシコ湾やブラジル・リオデジャネイロ沖200キロの7000~8000メートルの深海にあるなど、開発・生産コストの高い油田である。当然生産が持続されるには限界生産コストがカバーされなければならない。価格が暴落すれば、これらの開発が難しくなる。

 

・ちなみに、大阪商業大学教授の中津孝司氏は『日本のエネルギー戦略』のなかで、産油国の経常収支を赤字にする原油価格について、ベネズエラで1バレル=90ドル、イラン57.3ドル、サウジアラビア43.6ドルと紹介している。

 また、産油国の国営石油企業が世界全体の埋蔵されている原油の8割近くを握っており、アメリカを中心とする石油メジャーが握っているのは1割程度でしかない。

 

GMが破綻、トヨタが大幅赤字転落、「新たな不確実性」の時代が始まった!

・現代は何が起こるかわからない「不確実性の時代」に突入した。とくに、リーマン・ショックを契機とした「未曽有の経済危機」を経験したことで、多くの人々の価値観も変わってしまった可能性が高い。まさに、「不確実性の世界」に突入したといえよう。

 この言葉は、1977年にカナダ出身の経済学者ガルブレイスが初めて、不透明で先の見えない時代の到来を予見したものだ。

 当時は、ドルと金のリンクがはずれ(ドル・金本位制の終焉)、あらゆるものの価格が変動する時代であり、二度の石油ショックの狭間であった。それでも当時は、世界は東西に分かれ、西側世界においての問題でもあった。

 これに対し現在我々が直面している「不確実性」は、地球規模の問題である。

 

・一方、これまでのように商品市況が経済活動に連動するかたちで循環的な動きをしている時代にあっては、将来の価格変動リスクはある程度軽量化ができた。また、価格が大きく変動すれば裁定が働き、マーケットは安定に向かった。

 しかし、前述した5つの新しい不確実性の時代は、それこそ何が起こるかわからない「何でもありの世界」の出現を意味する。このため、将来のリスクが軽量化できず、それだけ市場のボラティリティ流動性)が高まることになる。

 

・新たな不確実性は、商品市況でいえばより大きなボラティリティ価格(変動幅の拡大)となって現れる。それは、メーカーなどの当事者にとっては、価格変動リスクを先物市場でヘッジし第三者(スペキュレーター)に移転するニーズが強まることであり、スペキュレーターにとっては、大きな利益追求のチャンスをもたらすことも確かだ。

 

世界の投資資金は資源市場に再び回帰 実物経済が強まり「マネー」から「資源」へ

・実物経済における為替リスク、天候リスクなどは、原料から中間加工品、最終製品に至る間に、価格リスクが雪だるま式にふくれあがる。それをヘッジするのが、商品先物市場なので、そこでは実物相場のブレが数倍に拡大して反映されることも頻繁に起きる。

 先物市場に参加する資金は元来、ヘッジ機能を期待する当事者が中心だった。当然、市場としては規模が小さい。時価総額は、株式市場よりひとケタ小さな規模でしかない。

 

とくに米国証券大手ゴールドマン・サックスが、「向こう6~24ヵ月の間に原油価格が150~200ドルに達する可能性がある」との見通しを発表したことも投機筋の買いを誘った。

 

・当時は、商品価格そのものが高騰しているため、高いパフォーマンスを求めて年金基金や政府系ファンドが相次いで商品市場での運用を開始した。

 ただ、個人の投資家からみた場合、商品価格がパラダイム・シフトすることによる問題は、価格変動のボラティリティ(変動幅)が極めて大きくなることだ。最近の原油価格は1日で10ドル前後変動してしまう。資金に限りがある個人としては、危なくてこの値動きについていけない。

 

・開発投資の遅れによる資源価格の下方硬直性が、相場の下落という形で探られるもみ合い状態が一段落したとき、投資資金が堅調な成長分野としての資源市場へ再び回帰することは容易に予想される。それは08年7月を大きく上回る資源高騰につながる危険があると思う。

 サブプライムに端を発する金融危機は、デリバティブ証券化による高度なレバレッジ金融によってマネー経済(金融経済)が極大化した末のバブル現象だった。

 今後の世界経済は、ファンドへの規制などを通じて投機的マネー経済の影響力が低下するとともに、資源価格の下方硬直性などに基づく実物経済の影響が強まるというのが大方の見方である。

「マネー」から「資源」へ、時代は大きく転換を迎えたといえるだろう。

 

ミッシング・バレルが原油価格低迷の原因 過去最大の減産でも製品在庫増大

・2008年から09年にかけての原油価格の低迷には、金融危機に伴う需要減退があるが、もうひとつの要因として、「ミッシング・バレル(失われた石油樽)」の問題が指摘できよう。この言葉は1999年2月に原油価格が11ドル近辺まで急落したとき、英エコノミスト誌が「原油5ドル説」を唱えた際の根拠として取り上げられた言葉である。

 当時の原油市場を振り返ると、アジア通貨危機で世界の石油需要が大きく減少しているにもかかわらず、OPECが08年11月の総会で日量250万バレルの大増産を決定し、それまで25ドルであった原油価格の暴落を招いてしまう。

 こうした状況下で、同誌は、世界には生産は確認されたが消費が確認されていない「ミッシング・バレル」が大量にあり、OPECが減産に転じたとしても原油価格の上昇は期待できず、原油は5ドルに向かう、というものであった。今度もよく似ている。

 

燃料使用量や温暖化ガス排出量を減らし排出量規制に対応する日本企業の技術

・EUが域内に離着陸するすべての航空機に対し、その運行会社の国籍に関係なく温暖化ガスの排出量規制をかける方針であることは、すでに述べた。

 アメリカや日本など、各国政府が規制免除を求める姿勢を明らかにしたのとは対照的に、アメリカの航空機メーカー・ボーイング社は、主力の中型機787の燃費を、従来の同型機比で2割改善する方針を打ち出した。

 

化石燃料に代わる新エネルギーとして期待が大きいのが太陽光エネルギーだ。太陽光エネルギーの設備容量において、日本はドイツに次いで世界第2位。しかもドイツとの差は接近している一方、3位以下を大きく引き離している。

 

風力は太陽光と並ぶ、究極の再生可能エネルギーだろう。世界で最も風力発電が進んでいるのはドイツだが、日本はなかなか進まない

 ドイツだけでなく、ヨーロッパはアルプスから強風が吹き降りるため、風力発電には適している。これに対して日本の場合は、一方向から常時安定的に強風が吹く場所がほとんどない。

 

新興国人口爆発と温暖化による異常気象で21世紀は水戦争が深刻化する>

世界各地で水不足が深刻化している。

 新興国における人口爆発や都市化による水の消費量が急増する一方、供給面では地球温暖化による異常気象が頻発しているためだ。「21世紀は水の世紀」といわれる。水不足は国家間の争奪戦を引き起こすのみならず、水質汚染にもつながる。反面、水問題は様々な水関連ビジネスを生み出している。

 地球上の水のうち、我々が利用できる淡水は0.6%にすぎない。しかも水は、石油と違って代替するものがない。

 一方、人口増や経済発展に伴い世界の水使用量は年率1.4%で増加している。これは40年間で2倍のペースであり、世界人口の増加ベースに匹敵する。

 世界の水の消費量の約7割は食糧を生産するために使われている。拡大する食糧消費に応じて生産を増やすためには、灌漑整備をして大量の水を使い、品種改良した高収量品種を導入し、農薬・肥料を多投し、農業機械化体系にもっていくことが必要だ。

 

・しかし、今食糧を生産するための水の制約が強まっている。

 この背景には、中国やインドなどの新興国が工業化による急速かつ持続的な成長段階に入ったことで、工業用水や生活用水の需要が急速に高まっていることがある。今後、新興国の工業化によって、工業部門と農業部門での水の争奪戦が強まりそうだ。

 

今後水不足は、アジアでより先鋭化する可能性が高い。アジア地域は、世界人口の約6割を占めるが、降水量は世界の36%にとどまっている。しかし、世界で最もダイナミックに成長しているのがアジアである。

 とくに争奪戦が強まるのは、中国においてであろう。

 急速な工業化が進む中国では、すでに北部を中心に水不足が深刻化している。09年に入ってからも、中国の穀倉地帯である北部や内陸部の小麦地帯で干ばつが深刻化し、数百万人の飲料水の不足が伝えられている。

 

治水・利水・環境のバランスをとり水環境の高度化に向けたビジネスが拡大中

・水をめぐる問題が深刻化するなか、水関連ビジネスが急拡大している。それらは大きく、治水・利水・環境のバランスをとりながら、質と量の両面から、水資源を効率的に確保・利用するために、水環境の高度化を進める取り組みである。

 これらのうち、水関連ビジネスの本命は、水道事業や海水淡水化関連事業などの淡水供給市場である。

 世界では「水道事業の民営化」の流れを背景に、フランスのスエズ社、ヴェオリア社、イギリス本拠のテームズ・ウォーター社が、世界のすべての地域をターゲットに水供給事業を拡大している。

 

もともと上下水道事業は、公共セクターが担う性格のものである。

 しかし、欧州をはじめとする先進国では、財政難のため老朽化した施設への対応ができなかった。

 こうしたなかで、イギリスでは当時のサッチャー首相が1980年代に、電力・ガスに続き、上下水道事業の規制緩和を行った。これら公的セクターに民間活力を導入することで効率化を図り、サービスを向上させることが狙いであった。

 欧州をはじめ各先進国がこれに続いたが、新興国発展途上国でも、急速な経済発展や都市化にインフラの整備が追いつかず、公的資金も不足しているなどの実情から、国連や世界銀行などの水問題に関する政策に、民営化手法が織り込まれるようになった。

 

<海水淡水化と再処理水利用の2つの造水ビジネスが急成長!>

・深刻化する水不足・水汚染といった問題に対して期待されるのが、2つの造水ビジネスだ。海水淡水化と、使用した水を再処理して中水として利用することである。

 一般に海水淡水化には、「蒸発法」と水処理幕を使った「逆浸透膜法」がある。

 

・これに対し、近年注目を浴びているのが逆浸透膜法だ。これは、1ナノメートル(10億分の1メートル)以下の細かな穴が開いた膜に、高い圧力をかけて海水を通し、塩分やホウ素などを取り除き、真水に変えるというものである。

 

エタノール生産はアメリカとブラジルが中心 原油高騰で代替エネルギーへの期待>

バイオエタノールの生産が急増し始めたのは2000年以降である。世界のエタノール生産量は、01年の約310億リットルから07年には約640億リットルへと、6年間で倍増している。

 この中心はアメリカとブラジルであり、同期間における世界のエタノール生産量に占める両国のシェアは、46%から75%へと急上昇している。

 

<日本は「つなぎ」の期間をどうするか>

筆者は、ここ数年の資源価格の高騰は、「安価な資源の枯渇」と「地球温暖化」という「2つの危機」に対し、対応を急げというシグナルと見ている。中長期的に過渡期の需要が拡大する一方、それに必要な開発投資が不足しているとなれば、投機マネーが入ってくる。

 

 

 

<●●インターネット情報から●●>

 

国際エネルギー機関、2018年世界エネルギー展望で世界のエネルギーシステムの今後を分析

 

発表日:2018.11.13

 

国際エネルギー機関(IEA)は「世界エネルギー展望2018年版」を公表し、世界のエネルギー傾向と、それが今後の需給・炭素排出・大気汚染・エネルギーアクセスへに及ぼす影響の見通しを報告した。世界のエネルギー市場は、輸送等の電化や再生可能エネルギーの拡大、石油生産の変動、天然ガス市場の拡大など大きく変化しており、政府の適切な政策選択が極めて重要だという。エネルギー消費の中心がアジアに移行する中、石油市場は2020年代初めに供給不足となる可能性があり、天然ガスの需要も増加太陽光発電は急増しているが、他の低炭素技術や省エネ政策の促進も必要だと指摘する。現行及び計画された政策を実施するシナリオでは、エネルギー需要は2040年には25%以上増加する見込みで、新たなエネルギー供給への投資に年間2兆ドル以上が必要となる。電力市場では、2040年には発電量に占める再生可能エネルギーの割合が現在の25%から40%以上に拡大するが、電力安定供給に向けた市場改革、送電網への投資、スマートメーターや蓄電など需要応答技術の向上が急務だという。

 

 

 

『世界がもし100億人になったなら』

スティ-ブン・エモット  マガジンハウス  2013/8/26

 

 

 

わたしたちはこれから、どうなるのでしょう。>

(食料)現在の農業のやり方と消費のペースで、100億人を食べさせられる手段は、今のわたしたちにはありません。

 

・(水)今世紀末までに地球上のかなりの場所で、使える水が満足に手に入らなくなり、数十億人が極度の水不足で暮らすことになります。

 

・(エネルギー)エネルギー生産を今のまま石油、石炭、天然ガス中心にするなら、3万6000基の火力発電所が必要です。

 

・(病気)日々、数百万人の人が世界中を移動することで、感染性の疾患の新たな大流行が起こりやすくなっています。

 

・(気温)世界の平均気温は4~6℃上昇する可能性があり、そうなったら、地球は地獄と化すでしょう。

 

・よほどの馬鹿でないかぎり、地球が支えられる人口には限度があることは否定しないでしょう。問題は、それが70億(現在の人口)なのか、100億なのか、280億なのか、ということです。もう限度を超えている、とわたしは思います。それを大きく超えていると。

 

わたしたちが今置かれている状況は、まさにかつてない危機と呼ぶにふさわしいものです。>

現在、10億人以上の人々が、深刻な水不足の状況のもとで暮らしています。

・その一方で、わたしたちの水の消費は急激に増えています。

地球上で手に入る真水の実に70パーセントが、農業用の感慨に使用されています。

 

・この水の多くは、「帯水層」と呼ばれる地下の水脈から来ています。この地下水がいまや、補充される量をはるかに上回るペースで消費されています。しかも、わたしたちは今世紀中に、大幅に灌漑を増やさなければなりません。

 

・100年前の世界の水使用量は、年に約600立方キロメートル(㎦)でした。現在は(控えめに見積もっても)年に4000㎦です。2025年には、少なくとも年に6000㎦に達するとみられます。水の使用量は、人口増加の倍のペースで増加しています。

 

・わたしたちの水の使用は、べつの形でも急激に増えています。重要でありながら、あまり知られていない水使用の増加の要素に、「仮想水(バーチャルウォーター)」というものがあります。

 

・「仮想水」とは、わたしたちの消費する鶏肉や牛肉、綿、自動車、チョコレート、携帯電話など、ふつうは水を含んでいると考えられていないものをつくるために使われる水のことです。

 

・たとえば、ハンバーガーを1個つくるのに、およそ3000リットルの水が必要です。2012年には、イギリスだけで約50億個のハンバーガーが消費されました。つまり、イギリスだけで15兆リットルの水がハンバーガーのために使われたということです。アメリカでは、2012年に約140億個のハンバーガーが消費されました。ハンバーガーをつくるために、アメリカでおよそ42兆リットルの水が使われたのです。たった1年間で。

 

・食用のニワトリを1羽育てるのに、およそ9000リットルの水が必要です。2012年には、イギリスだけで約10億羽のニワトリが消費されました。

 

・1キログラムのチョコレートをつくるのに、およそ2万7000リットルの水が必要です。板チョコ1枚あたり、約2700リットルの水が使われるということです。

 

・ところで、パジャマについても残念なお知らせがあります。綿のパジャマを1着つくるのに9000リットルの水が必要なのです。

 

何より皮肉なのは、1リットルの水を入れるペットボトルをつくるのに、およそ4リットルの水が必要だということです。2012年、イギリスだけで90億本の水のペットボトルが買われ、飲んだあと捨てられています。

 

半導体チップをひとつつくるのに、約72リットルの水が必要です。2012年にはざっと30億個ほどのチップがつくられました。半導体チップにおよそ2000億リットルの水が使われたのです。

 

<ようするに、わたしたちは食料と同様、明らかに持続不能なペースで水を消費しているということです。>

ピークオイル」という言葉をよく耳にするようになっています。>

・これは石油の採掘量が最大(ピーク)に達する時点のことで、それを過ぎると、石油のとれる量は減少していくと言われます。

 

・一般には、ピークオイルはすでに過ぎていて、まもなく石油や天然ガスが枯渇し、世界的なエネルギー危機が到来するという説が信じられています。しかし、これはほぼ確実に誤りです。

 

・まだ膨大な量の石油と天然ガスが残っています。しかも、ブラジルや北極で、毎年のように大規模な油田やガス田が新たに発見されています。さらには、世界のエネルギー情勢に革命を起こしたシェールオイルシェールガスもあります。したがって、わたしは化石燃料が尽きてしまうことは心配していません

 

石油や天然ガスの消費量が世界的に増えているだけではありません。石炭の使用量も増えていますイギリスでさえ、エネルギー生産に使用する石炭の量を2012年に31パーセントも増やしています。

 

・政治家と企業のせいで、そしてわたしたち自身の愚かさのせいで、わたしたちがこれからも、石油や天然ガスや石炭への致命的な依存をやめられないだろうと思える一方で、数億人という人々が毎日、生活のために木を燃やしていることも指摘しておくべきでしょう。

 

<ブラックカーボン>

・現在、煮炊きへの薪の使用が、アフリカの一部では深刻な森林破壊の原因となっています。アフリカやアジアで薪や炭が広く煮炊きに使われているせいで、いわゆる「ブラックカーボン」、つまり煤がかつてない量で発生しています。現在、毎年発生するブラックカーボンの量は、中世全体で発生した総量を上回ります。

 

<短期的な気候不順と長期的な気候変動の両方の重要な一因>

・しかし、ブラックカーボンは、毎日の生活のために薪や炭を燃やしている貧しい国の貧しい人々からだけ発生しているのではありません。豊かな国(イギリスやドイツやアメリカやカナダやオーストラリア)の豊かな人々(つまりわたしたち)が、自動車や船や飛行機で移動したり、様々な品物を運ぶことによっても発生しています。

 

<「褐色雲」>

発展途上国で薪や炭を燃やすことにより発生するブラックカーボンと、先進国で自動車や船や飛行機や工場により発生するブラックカーボンが合わさって、「褐色雲」と呼ばれる大気汚染物質が生まれています。

 

・この褐色雲は、呼吸器系の疾患や寿命の短縮という形で、人の健康にきわめて重大な悪影響を与えています。褐色雲による汚染の影響を受けている人は、世界中で約30億人とも言われます。

 

・主要な二酸化炭素排出源のひとつである石炭の使用量は、年々増えています。わたしたちが消費するさまざまな品物をつくって運ぶために使われているのです。アメリカから中国への石炭輸出量は2011年から2012年にかけて倍増しました。アメリカ人が消費するものをつくる工場に電力や動力を供給するためです。できた品物はアメリカに輸出されます。ようするに、アメリカは二酸化炭素排出を輸出しているのです。わたしたちはこれからも、石炭、石油、天然ガスに依存し続けるでしょう。

 

<1900年以降に製造された自動車の総数は、20億台を越えます>

・そして、現在の需要に基づくと、今後40年で、さらに40億台の自動車が製造される可能性があります。

 

車1台にどれだけのコストがかっているのか見てみましょう。

・まず、自動車の車体の原料となる鉄鉱石を、オーストラリアかどこかで掘ってくる必要があります。次に、それを大きな汚染のもととなる巨大な船で、インドネシアやブラジルに運び、鉄鋼を生産します。

 

・タイヤも製造しなければなりません。ゴムはマレーシアやタイやインドネシアで生産されます。生産されたゴムは、タイヤを製造する国に運ばれます。

 

・車のダッシュボードの原料となるプラスチックは、もとをたどれば地中の石油です。

 

・車のシート用の革は、動物からとられます。革をとるために牛には、多くの水と多くのえさが必要です。

 

・バッテリーが使われる鉛は、まず中国などで掘り、それから輸送して、バッテリーを製造する必要があります。

 

<1台の車が組み立てられる前に、これだけのことが起きています。>

・しかも、これはあなたがその車に1リットルのガソリンも入れず、気候問題のさらなる悪化に手を貸していないうちの話です。

 さて、車1台にどれだけのコストがかかっているでしょう。間違いなく大金です。

 

車1台を生産する本当のコストは、いずれ誰かが払わなければなりません

・しかし、あなたは本当のコストを、つまり環境悪化、鉱物の採取や生産加工や輸送による汚染、それによる生態系の破壊と気候変動によるコストを払う必要はありません。それは経済学者の言うところの「外部性」というものです。

 

<どの方面に目を向けても、人口100億人の地球は悪夢以外の何ものでもありません。>

・さらに心配なことに、地球の生態系が壊滅的なティッピング・ポイントを迎える可能性があるというだけでなく、すでにそのような域に近づきつつあるという有力な証拠もあります。

  

科学とは、つまるところ理解することです。>

わたしたち人間(現生人類)が種としてあらわれたのは、約20万年前のことです。これは地球の歴史でいうと、つい最近です。

 

・わずか1万年前、地球の人口は100万人しかいませんでした。

 

・200年と少し前の1800年には、それが10億人となりました。

 

・約50年前の1960年には、30億人となりました。

 

・現在は70億人以上の人口がいます。

 

・2050年には、あなたの子どもや孫は、少なくとも90億人の人々がすむ星に暮らしていることでしょう。

 そして今世紀の終わりまでに、世界の人口は少なくとも100億人に達するでしょう。あるいはもっとかもしれません。

 

人口はどうやってこれだけ増えたのでしょう。>

・人口がこれだけ増えるまでには、文明の発達があり、社会を一変させるようなできごとがいくつもありました。なかでも重要なのは、農業革命、科学革命、そして欧米における公衆衛生革命です。

 

1800年までに、地球の人口は10億人に達しました。>

・人口増加のおもな原因のひとつは、農業の発明にありました。農業革命によって、わたしたちは狩猟採集の生活から、きわめて体系的に食料を生産できるようになりました。

 この発展こそ、数千年を超えて存在してきた飢餓のサイクルを断ち切るために不可欠であり、それによって急速な人口増加が可能になったのです。

 

農業革命は、大きく分けて4つありました

・第1の農業革命は、1万3000年ほど前に起きた、動物の家畜化です。

 

・第2の農業革命は、13世紀に始まった、農作物の品種改良です。

 

・第3の農業革命は、15世紀から19世紀にかけて起こったもので、これが学校で習う、いわゆる「農業革命」です。これは農業生産性の革命、とりわけ食料生産の機械化が特徴でした。

 

・第4次農業革命による「緑の革命」。これは農薬と化学肥料を大規模に使用し、食料生産システムを広く工業化した。

 

2000年には、地球の人口は60億人になりました。>

・このころには、世界の科学者にとって、あることが明白になってきました。農業や土地利用の拡大、わたしたちが消費するありとあらゆるものの生産と加工と輸送のせいで、大気中にたまった二酸化炭素やメタンやその他の温室効果ガスが、地球の気候を変化させているということ、そしてその結果、深刻な問題が起きているということです。

 

・1998年は、観測史上もっとも気温の高い年でした。

そして観測史上もっとも気温が高かった上位10年は、すべて1998年以降の年です。

 

わたしたちはどうすればいいのでしょうか。>

・考えられる方法はふたつあります。ひとつは、科学技術の力で乗り切ること。もうひとつは、わたしたちの行動を根本から変えることです。

 

科学技術の力で乗り切る。>

・そもそも、科学技術がわたしたちを今の窮地に追いこんだということはおいて、科学技術で問題を乗り切るための現時点でのアイデアについて見てみましょう。

 大きく分けて5つのアイデアがあります。

  1. グリーンエネルギー
  2. 原子力
  3. 海水の淡水化
  4. 地球工学(ジオエンジニアリング)
  5. 第2の緑の革命

 

グリーンエネルギー」とは、風力、波力、太陽光および太陽熱、水力、バイオ燃料などのことで、再生可能エネルギーとも呼ばれます。

 

・現実には、現在のグリーンエネルギーの技術が、地球規模で実現可能な解決策となる見込みはかなり低いと言わざるをえません。はっきり言って無理でしょう。

 

・既存のグリーンエネルギー技術で、大規模なエネルギー需要を満たせるとは、想像しにくいからです。たとえば、次世代のシリコン太陽電池には、多くの金属やレアアースの大規模な採掘が必要であり、これらの金属などを採掘する過程は、環境にいいとはとても言えません。

 

・第2に、たとえ既存のグリーンエネルギー技術が世界的な解決策になるとしても(実際にはなりませんが)、わたしたちは今すぐに全世界でグリーンエネルギー化に取り組まなければなりません。しかし、そうしていません。

 

・仮に、わたしたちが全世界で大規模な取り組みを始めたとしても(始めていませんが)、グリーンエネルギーで世界のエネルギーをまかなえるようになるには数十年かかるでしょう。

 それまでのあいだ、わたしたちの使うエネルギーのほぼすべてを、石油、石炭、天然ガスといった化石燃料に頼り続けることになり、したがって気候問題を悪化させ続けることになります。