日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

コンタクティやチャネラーの情報を集めています。森羅万象も!UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象といわれます。

厳しい問い掛けだが、それに答えるなら一歩目は選挙制度の改正しかない。(2)

 

<迷走50年幕藩体制を引きずる日本の空港「非効率の極み」>

・「シンガポールや韓国は、チャンギ国際空港仁川国際空港に投資を一極集中し、アジアを代表するハブ空港を築いてきた。一方、日本は、国内に100を超える空港があるという異常さだ」

 

江戸時代の幕藩体制を引きずっている

(結論!)今後、日ロ平和条約が締結され、ロシアへの渡航条件が緩和される。そこでクローズアップされるのが、ウラジオストックまで2時間弱、ハバロスクまで2時間半の距離にある新潟空港だ。上越新幹線の終点を新潟空港に持って行くこともかねて提案している。

 

 

 

<●●インターネット情報から●●>

MAG2NEWSから引用  2018/7/27

 

中国「一帯一路」終焉が見えてきた。相手にするのはアフリカだけ

一時は世界中がその経済的勢いにひれ伏し、参加や協力を表明した中国の「一帯一路」構想ですが、ここに来て黄信号が灯っているようです。

 

中国は、資金や技術などの援助をすることを条件に、こうして地道に「一帯一路」の参加国を増やしていますが、これまでもこのメルマガで述べてきたように、国際的にはその実態を疑問視する声もだんだんと上がってきています。

 

中国のずさんな支援内容を、アメリカの華字メディア『多維新聞』の記事が紹介していますので、以下に一部引用します。

 

中国高速鉄道、国内では建設ラッシュも海外では頓挫ラッシュ

 

技術・規格・装備が一体となった本格的な中国高速鉄道輸出の第一弾として注目された、インドネシアジャカルタ─バンドン鉄道は、用地取得の問題により16年の着工式以降全面的な施工に至っておらず、開通のめどが立っていない。コメとの交換と言われるタイ高速鉄道プロジェクトは、タイ政局の混乱で再三遅延している。

 

そして、この状況は「一帯一路」沿線にとどまらず、米国西部のロサンゼルス─ラスベガス高速鉄道プロジェクトがご破算となり、メキシコからも「不明瞭、非合法、不透明」として高速鉄道協力を破棄された。トルコのプロジェクトは開通にこぎつけたが、大部分の装備や技術は欧州の規格が採用されている。ベネズエラのプロジェクトは、現地の経済情勢悪化に伴い建設現場が廃墟と化してしまった。

 

 

しかし今、習近平が掲げている「一帯一路」は、ヒトもモノもカネもすべて中国人が取り仕切ろうというわけです。ユーラシア大陸からアフリカまでの世界各地に、「パックスシニカ」という大風呂敷を広げており、その構想があまりに壮大すぎて、蜃気楼とさえ言われるほどです。

 

 

 

 

『世界が日本経済をうらやむ日』

浜田宏一   安達誠司   幻冬舎   2015/1/31

 

 

 

◎「インフレ目標」が最も重要

◎銀行貸し出しが増えないのに、なぜ景気が回復したのか

小泉内閣構造改革に欠けていたもの

◎非正規雇用が激増した理由

◎現在の株価はバブルではない

◎世界の投資家は日本の財政赤字を気にしていない

◎莫大な利益を得る投資の方法

 

時計の針を逆に巻こうとする人々を看過できない

・経済学の長い歴史によって明らかな貨幣経済のメカニズムを理解すれば、アベノミクスにより景気がよくなるのは当然のことである。

 それなのに、いまだに多くの経済学者、政治家、識者、メディアがアベノミクスについて誤解をし、日本国民の不安を必要以上にあおっている。

 なかには間違った金融政策が20数年間とられて、デフレが続いていた不況期に、時計の針を戻したいといわんばかりの意見が新聞や雑誌をいまだに賑わしている。失業者や自殺者が増え、生活に苦しんでいる国民が多かった時代のほうがいいというのか?

 

・世界は、貨幣を扱う貨幣経済で成り立っており、実物経済と貨幣現象が互いに影響し合うことを無視しては、経済政策の正しい評価ができないのである。

 

マクロ経済学の教科書には欠陥があった

・このように、伝統的なマクロ経済学の教科書が波及経路だとしている「銀行の貸し出しの増加」は、リフレ政策の波及経路にとっては、ほんの一部にすぎない。

 その代わり、リフレ政策の波及経路のなかには、そういったマクロ経済学の教科書にはまだ書かれていないものが組み込まれている。それは「景気が回復し始める段階で企業が投資活動を高める場合、利払いが必要になる借り入れではなく、自社に蓄えたフリーキャッシュフローを取り崩すところから始める」ということである。

 そのことを理解していないから、量的緩和を「実体のない偽薬(プラシーボ)だ」と思い込んでしまうわけだが、現実に、企業は長引くデフレにより、膨大なフリーキャッシュフローを溜め続けてきた。

 そして、アベノミクスの発動によって予想インフレ率の上昇が起こった時、企業は実際にフリーキャッシュフローを使い始めている。これまで「偽薬だ」と言っていた人々も、ようやく金融緩和が正真正銘の薬だったことを理解し始めたのではないだろうか。

 

実は経済的弱者も救っているアベノミクス

・しかし、「アベノミクスで喜んでいるのはお金持ちだけ」「アベノミクスは意味がなかった」というのは明確な誤りである。

 アベノミクスによる金融緩和は、投資家の利益を増やす一方、景気回復効果を通して、デフレ時代に最も苦しい思いをしていた経済的弱者である失業者に、雇用の機会をもたらしているからである。

 

・具体的には、最も失業者数が減ったのは2014年5月であるが、この時、日本の失業者数は、233万人にまで減っていたのである。これはすなわち、苦しんでいた86万人もの失業者が、仕事に就くことができたということである。

 

賃金上昇のカギは「完全失業率の低下」

・言い換えると日本の場合、雇用環境が改善していても、完全失業率が継続的に約4%を下回らなければ、給料(名目賃金)は上昇しないということである。そして、完全失業率がいったん4%を下回ると、その後は完全失業率が低下するにしたがって、賃金の上昇率がだんだんと高まっていくのは、経済的事実である。

 

アベノミクスの発動以降、確かに景気が回復しながらも、庶民の給料はさほど上がっていないようなイメージが強いが、企業はようやく将来の業績について自信を取り戻しつつあり、そのための新規雇用を徐々に増やし始めた段階なのだ。

 したがって、このまま増税などの“邪魔”が入らなければ、次はいよいよ給料が上がる段階に入っていたと考えられる。

 

給料はすでに上がり始めている

・どちらがより正確に、日本人全体の給料(名目賃金)の動きをとらえているかといえば、これまでの理由から「雇用者報酬」のほうであると考える。

 これらが理解できると、2014年12月の衆議院総選挙の時に、野党がアベノミクスを批判する根拠として主張していた「アベノミクスの発動以降、非正規雇用は増えたものの、正規雇用が減っているため、アベノミクスは格差を拡大させている」という話のおかしさもわかるだろう。

 

・つまり日本経済は、「非正規雇用者数」が増える形での失業率の低下の段階から、「非正規雇用者」の正規登用の段階へと移行しつつあるのだ。そして、これは、企業が将来の業績に対して強気になってきたからこそ実現した現象であり、アベノミクスの成果だといえるだろう。

 

アベノミクスは金持ち優遇ではない

・「アベノミクスの効果は、我々庶民にまで回ってこない」などと多くのメディアが吹聴するため、不安に思うのも無理はないが、心配する必要はない。

 このまま適切な経済政策が続けられ、完全失業率の低下が順調に続けば、徐々に一般の人の給料が増え始めることは間違いない。「非正規雇用者」の一部もやがて正社員として登用され始める時が訪れるのは、データからも明らかである。

 

・デフレや円高などが引き起こしている問題には、貨幣経済が一番有効なのだということは明白である。

 そして250年以上をかけて、世界中の経済学者が脳漿を絞ってたどりついた結論も、ほぼ同様な処方箋を提示しているのである。

 

「中国発デフレ論」も正しくない

・「人口減少がデフレの原因」説以前に頻繁に言われていたのは、「中国経済の台頭により、価格競争に負けた日本がデフレに陥った」という説であった。さすがにテレビや新聞では語られなくなって久しいが、経済学者のなかにも支持する人がたくさんいた説である。

 

・野口氏の説は、「デフレの原因は生産年齢人口の減少」説と同じく、「中国企業と競争している日本以外の国もデフレになっているのか?」を見れば、正しくないことは明らかだと思われる。

 

「デフレはモノが安くなるからいいこと」は本当か

・消費者であると同時に、労働者でもある国民は、「長引くデフレが引き起こした不況によって、収入が減り続けてきた」という事実を忘れないでほしい。

 

デフレになるほど失業者は増える

・「デフレは賃金を大きく引き下げる効果を持っている」こと自体が、多くの国民を生活苦へ追いやる大問題である。それだけでなく、「デフレ」が国民を苦しみへと追い込んでいくのは、「失業者が増える」からである。

 仕事は多くの国民にとって生きるための糧であり、尊厳であり、だからこそ貴重なものだ。

 読者のなかには、「たかだか年率1%未満の速度で物価が下落する日本のデフレは、そんなに問題ではない」と考えている人もいるかもしれない。実際、我々経済学者のなかにも、デフレの問題を過小評価している人は大勢いる。

 

・しかし、「1%程度のデフレは、大した問題ではない」という見方こそが、日銀の金融緩和政策発動を長らく阻害してきたのである。まさに「1%未満のデフレ」こそが大問題なのだ。

 なぜなら、「デフレは、たった1%未満の物価の下落であっても、日本の雇用状況を悪化させる」からである。

 

完全失業率が約3%上がるということは、約86万人の失業者が増えることを意味する。

 

デフレは自殺者を確実に増やす

・「1%程度のデフレ」の問題は、失業者数を増やすだけにはとどまらない。長引く日本のデフレは、自殺者数の増加とも概ねペースをともにしている。

 

<現在の株価はバブルではない>

・たとえば、アベノミクスの金融緩和政策について最初に寄せられた批判は、「バブルが生じる」「ハイパーインフレが起こる」というものであった。

 

「金融緩和をしても物価は上がらない」の嘘

「金融緩和で日本の物価は上昇しない」という主張は、多くの日本の専門家が賛同どころか強調し、長年、日銀が金融緩和政策を発動することの妨げとなってきた。

 

・ただ、日銀が金融緩和でいくら貨幣をつぎ込んでも、家計や企業にそれを使う気がなく、そのまま溜め込んでしまう状態になることもある。

 

あの手この手で国民を誘導する財政再建至上主義者

内閣府は、「景気が回復すれば税収も増えること」を知っていたにもかかわらず、「日本では、景気が回復しても、たいして税収は増えない」と発表したというのである。

 田村氏は同記事のなかで、それは政府が消費税を10%に引き上げるために、「増税は不可避である」ことを国民に説得する目的で発表したものであると推察している。

 

財政再建至上主義者の弊害>

財政再建至上主義者は「将来世代にツケを残してはいけない」という話を金科玉条のように持ち出すが、景気を沈滞させて税収を減らした彼らこそ、本当の意味で「将来世代にツケを残す」張本人なのである。

 財政再建への近道は、日本経済を回復させることである。次に、たとえば富める人も、そうでない人も、一様に利益を受けるような社会保障制度を改めて、スリム化することである。それでも間に合わない時に最後に俎上にのせるのが、増税の選択に他ならない。

 

<経済学の論争の歴史は「金融緩和は効くのか否か」だった>

・学者として世に立つためには、学術雑誌に論文を投稿し、審査員の審査を受けなくてはならない。「貨幣は実物に影響を及ぼさない」という主張が通説のようになったため、「貨幣は実物にも影響を及ぼす」という、本来なら現実的であるはずの論文はむしろ異端とされ、退けられるようになった。

・結局、近年の経済学の論争の歴史は、「金融緩和は効くのか否か」であったといっても過言ではない。

 

経済学に最大の害毒をもたらした学説

・このように「貨幣は効くか否か」という学説には、アダム・スミス以前からの古い歴史がある。ディヴィッド・ヒュームが「貨幣数量説」を主張し始めた頃から考えても、実に250年ほどの壮大な論争の歴史が存在しているのである。

 経済学者は、命までとはいわないが、少なくとも面子のすべてをかけて真剣に議論を重ねてきた。にもかかわらず、そういった歴史的背景も知らないであろう経済学の素人が、簡単に「金融政策は効かない」などと言うのを聞くと、私は激しい怒りを覚える。

 

<世界が日本経済をうらやむ日>

<日本ほどいい国はない>

・しかし、(需要不足が解消されることになる)完全雇用が達成されても、(景気はよくなるが)日本経済のすべての問題が解決するわけではない。

 完全雇用に近い状態になると、財政刺激や金融緩和を行っても、実質GDP成長率は増加しにくくなる。そのため、それ以上の成長を目指すためには、潜在成長力を上げる必要がある。したがって民間企業が経済活動を自由に行える環境を整えるための「成長戦略」が非常に重要になるのだ。

 成長戦略に多くの政策があるが、あえて要約すると、「規制緩和」「女性の活用」「TPPの推進」「大幅な法人税減税の実施」の4つの柱になる。

 

<1 規制緩和

・過去34年間、一部の医療関係者の反対によって、医学部の開設は1校も認められていない。また、羽田空港に国際線が発着すると、都民は大いに助かるが、羽田便を増やすなという千葉県議会の抵抗があったという話が新聞に出ていた。さらに日本の農業は事実上、法人経営ができない仕組みになっている。

 こういった政府の規制は、氷山の一角にすぎない。細かな規制が民間企業の経済活動を阻害し、発展の邪魔をしている。これらは日本の大きな損失になるのである。

 

ケネディ大統領がイェール大学で行った有名な演説に、「国に何をしてもらおうかと問わずに、国に何をしてあげられるかを問え」という一節がある。この言葉を私流に言い換えるならば、「政府に何をしてもらうかを考えずに、政府がやらないでもすむのは何かを考えよ」ということになる。

 安倍政権は、規制改革をさらに推進していくべきである。

 

<2 女性の活用>

少子高齢化が進むなかで、出生率を上げることはもちろん必要だが、それによって働き手の数を増やすのには20年以上かかるだろう。

 だからこそ日本では、女性の活用が重要な課題である。諸外国と比較すれば、日本女性の就業率は、今の状態から10%ぐらいは上がる余地がある。それを向こう5年間に実現するだけでも、少子高齢化による就業者不足に対する短中期的な解決には役立つ。

「子育てと両立できるのなら働きたい」―—そう考える女性の数は、現在の日本では決して少なくない。したがって、まずは女性が安心して働けるような環境を整えること(同時に好景気を持続させ、女性にも多くの職がある状態を保つこと)が重要である。

 

<3 TPPの推進>

・TPPの推進も成長戦略の重要な柱である。国同士の関税を引き下げ、貿易のハードルを低くすることは、日本経済が貿易による利益を享受するために欠かせないことである。

 一方で、「米の輸入は認めない」など、輸入だけを規制するのは筋が通らない。浅川芳祐氏の「日本は世界第5位の農業大国」(講談社)によれば、日本には輸出できる有望な農産物がたくさんあり、日本食ブームの昨今、質のよい新鮮な野菜や生花などを世界に向けて売って行けば、大きな産業に育ちうるという。

 そもそも日本は米の輸入に700%以上の関税をかけているため、日本人であっても世界の水準から8倍ほど高い値段でしか米にありつけないのである。

 

・農業保護政策は農家のためとは限らず、むしろ農協や農林官僚のためにも行われている場合が多い。

 TPPにおいて米を聖域にせず貿易を自由化していけば、日本にも必ずその恩恵がもたらされるはずである。

 国家間の経済取引、すなわち貿易によって比較優位の原則が働けば、2国間、ひいては世界経済に大きな利益がもたらされることは、経済学の初歩の知識である。

 

<4 大幅な法人税減税の実施>

・各国が法人税率の引き下げ競争を行っているなかで、日本も他国並みに法人税率が低くなるよう、改革を断行するべきである。

 

法人税率を下げると、税収が減って困るのではないかと考える人もいるかもしれない。

 しかし、伊藤元重氏など経済財政諮問会議の民間議員が提示しているように、欧州諸国の法人税の平均が1998年の36.9%から、2007年に28.7%に引き下げられたにもかかわらず、欧州諸国の名目GDP中に占める法人税収は、2.9%から3.2%に増加している。これは「法人税の逆説」と呼ばれる現象であるが、理論的に考えれば至極当然の話で、「逆説」ではなく「正論」である。

 

・しかし、小刻みの法人税減税では、企業の行動にほとんど影響を与えないだろう。相手国の税率引き下げに対抗した大幅な減税によって、日本への投資をうながし、歳入ペースの拡大を狙わなければならない。具体的には、現在35%である法人税を、短期間に少なくとも20%台“前半”にまで引き下げなければならない。

 

・このような4つの施策を成し遂げるのは、相当難しい。

 官僚は規制があるからこそ、その権威と権力を保っている側面がある。にもかかわらず規制緩和を断行することは、その鎧を脱がせる行為に等しく、様々な既得権を持つ団体からの強烈な抵抗が予想されるからである。

 

成長戦略や構造改革の、仮に全部でなくても8割がた実現できれば、日本経済はさらに飛躍するだろう。

 そうなれば「世界が日本経済をうらやむ日」が間違いなく訪れるのである。

 

・消費税の引き上げなど、国民はすでに犠牲を払っている。TPPが実現すれば、農業関係者にも何らかのしわ寄せが生じる。お役所が規制改革で痛みを感ずるべきことはすでに説いた。

 構造改革実現のためには、国民の各層が薄く広く何らかの犠牲を払わなければならない。企業は時代遅れとなった租税特別措置法国税についての特例を定めた法律)の根本的な改革を我慢しなければならないし、政治家も納税者番号制度を着々と実現しなければならない。

 

 

<●●インターネット情報から●●>

「NHKのウェブ」によれば

 

高齢者世帯の約3割 18年後には生活保護水準下回るおそれ

 

2017年5月22日 4時55分

 

18年後の2035年には、高齢者世帯のおよそ3割が収入や貯蓄が不足して生活保護の水準を下回るおそれがあるという推計を民間の研究機関がまとめました。

 

この推計は、日本総合研究所が国の人口推計や消費に関する実態調査などのデータを基にまとめました。

 

それによりますと、18年後の2035年には、収入が生活保護の水準を下回り、貯蓄が不足して平均寿命まで生活水準を維持できない「生活困窮世帯」が、394万世帯余りに上るとしています。

 

また、平均寿命を超えたり、病気で入院したりした場合に、生活保護の水準を維持できなくなるおそれがある、いわゆる予備軍は167万世帯余りに上り、これらを合わせるとおよそ562万世帯となり、高齢者世帯の27.8%を占めるとしています。

 

生活困窮世帯すべてに生活保護を支給した場合の給付額は、2015年度のおよそ1兆8000億円から、4.9倍に当たる8兆7000億円に増加するということです。

 

日本総合研究所調査部の星貴子副主任研究員は「バブルの崩壊やリーマンショックなどで老後の蓄えができなかった人が少なくないと見られる。国は、社会保障だけではなく、定年の延長や就労支援など、高齢者の収入確保に取り組む必要がある」と指摘しています。

 

 

 

『2020年  世界経済の勝者と敗者』

ポール・クルーグマン浜田宏一 講談社 2016/1/25

 

 

 

<TPPは日本の問題かアメリカの問題か—―浜田>

・かつて、私はTPP(環太平洋経済連携協定は日本の問題だと思っていました。しかし実際のところ、TPPをもたつかせていたのは、アメリカの政治のように思えるのです。

 私はいままで民主党の政治上のバイアスがどれほど強いかを把握する機会が多くなかった。ですが、共和党のほうがより市場志向型のものを信じている傾向があることは、何回も確認することができました。富裕層に有利な政治を志向しているということでもあります。

 

TPPに半信半疑なアメリカ人――クルーグマン

・TPPについては、私は「どっちつかずの反対者」です。これは「どっちつかずの賛成者」ということではありません。そういう人は、決して少なくない。

 TPPは、それを支持しているだろうと思われる人の間でも、それほど支持を得ていません。NAFTA(北米自由貿易協定)の強力な支持者でも、TPPについては半信半疑なのです。

 ラリー・サマーズもTPPを支持すると自分ではいっていますが、その道理は非常に弱い。『フィナンシャル・タイムズ』紙に出た彼の論説には「TPPは可決すべきだ」と説明している部分がありますが、残りの部分では、TPPがあまりいいアイディアではない理由も説明しています。

 

自由貿易の利点というものは、すでにほとんど実現されているものばかりです。過去の一連の協定によって、関税その他の貿易障害は、既に非常に低いものとなっているではありませんか。

 仮に貿易摩擦アメリカの貿易に影響を及ぼすことがあったとしても、それは貨幣価値の変動といった別の要因によって意味がなくなるくらいに低い水準です。

 つまりTPPは、実際には貿易に関するものではないのです。

 TPPによって、既に低い関税がさらに低くなるかもしれない。しかし提案されている協定の主眼は、薬品の特許や映画の著作権などの知的所有権を強化すること。そして企業や国がそれに関する紛争を解決する方法を変えることにあります。いずれの変更も、それがアメリカにとって望ましいことかどうかは自明ではありません。

 

<TPPの実態たる2つの協定とは――クルーグマン

・TPPの実態が何かといえば、主に2つのことについての協定だといえるでしょう。一つは紛争解決。もう一つが知的所有権に関する協定です。そして、このどちらにも問題があります。

 

民主党議員のなかには「なぜ、これが我々のプロジェクトなのか」という人もいました。何のためのプロジェクトなのかという十分な説明もないのに、そのことで選挙区から非難を浴びることが不本意だというわけです。

 

金融はTPPで弱体化するのか――クルーグマン

・他の問題については率直だったオバマ政権ですが、TPPに関してはそうではありません。これは、現政権が率直な態度で懸念に向き合っても、TPPを正当化できないということでしょう。それ自体、TPPを支持しない理由になります。

 

クリントンのアドバイザーの仰天コメント――クルーグマン

・とはいえ、進展を見るのは興味深いものがありますが、私も含め、サマーズやジャレド・バーンスタインなど、リベラルなエコノミストの文章を読んでみると、誰もがこのTPP交渉が起きていなければいいと思っているような書き方をしています。

 サマーズは可決すべきだといっていますが、あまり自信がなさそうなのです。私はといえば、「TPPには反対だ」と、しぶしぶいっている状況です。どうしてもTPPについては熱が入らないのです。

 TPPについて、私が聞いたベストなコメントは、ヒラリー・クリントンのトップ・アドバイザーのものです。オフレコかどうか分からないのですが、ある会合でその人は、「TPPを消滅させることはできないのか?」といったのです。これには笑ってしまいました。

 

TPPのプラス点とマイナス点――浜田

・したがって、TPPが紛争解決に働くようになるとすると、国際法もオブラードに包まれた力の対決だけではなく、ルールによる解決のために使われるようになる。その点では大きな進歩です。ただ、ポール(クルーグマン)やバグワティが心配しているように、解決のルールが、ウォール街の金融マンや弁護士だけに都合の良いものにならないよう留意しなければなりません。

 知的所有権を教化すること自体は問題ではありません。少なくとも、アメリカの弁護士やビジネスマンのプラスにはなるでしょう。

 ただ、エイズと闘う知識が存在しても、知的所有権が強化されると、開発途上国の人々は新しい治療法で治療を受ける権利を奪われるかもしれません。

 

経済学者も説明できないのがTPP———クルーグマン

・リベラルな経済学者でTPPに熱心な人は誰もいません。民主党下院リーダーである院内総務のナンシー・ペロンも、なぜTPPが政治的に重要なのかという問いを発していますし、私の支持する民主党、その幹部もTPPをよく思っていません。経済学者でさえも、なぜTPPが重要なのかということについて、きちんと説明できないからです。

 疑問なのは、なぜ政治的資本をTPPのようなものに費やさないといけないのかということです。

 

石油価格とシェールガスの開発――クルーグマン

・さて、原油価格について、原油価格が底値を打ったかどうかについては、誰にも分かりません。供給カーブについて、原油価格が底値を打ったかどうかについては、誰にも分かりません。供給カーブは弾性曲線になっており、多くのシェールオイル採掘のフラッキング(水圧破砕)計画がキャンセルされています。

・つまり、以前起こったことを参考にしてもあまり意味がないわけです。

 言い方を換えれば、いま起きていることは過去に例がないということシェールオイルのフラッキングは過去の例とはかなり異なります。アメリカにシェールオイルという非在来型のオイル部門があるという事実は、以前よりも事を複雑にしています。