日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

コンタクティやチャネラーの情報を集めています。森羅万象も!UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象といわれます。

一方、国会で法案が通過した法案は、「移民政策」や「カジノ法案」「水の民営化」「TPP」などと日本の富を海外に売り渡すようなものばかりである。(3)

 

憲法改正案について安倍首相は自分の言葉で語ってほしい

・駐留軍があわてて作成した憲法は今となっては読むに耐えない。原文が英語、というのもかなり大きな問題だ。これを直すべく私は『新・国富論』『平成維新』『君は憲法第8章を読んだか』などの著作で広範な提案を行ってきた。

 

「改正」や「加憲」ではなく「創憲」の視点を持ち、時間をかけるべき

・そもそも国民が憲法改正を火急の論点としてとらえているかといえば、決してそうではない。

 

医療崩壊を回避するためには医療制度改革も待ったなし

・日本の医療制度がまだ機能しているのはそれだけ金をかけているから。しかし、当然、国家財政の重荷になっている。

 

世界からヒト、モノ、カネを呼び込むための仕掛けづくり

・政府は2030年までに訪日インバウンド6000万人を目標に掲げて「観光立国」を目指すという。一方で規制の強い民泊法を通し、既存の旅館やホテルの権益を守ろうとしている。

 

・1000万人というとヨーロッパでは中堅国の人口規模に相当する。世界からヒト、モノ、カネを呼び込むための仕掛け作りにはそれぐらいのスケールが必要で、人口3万人規模の“地方創生”プランでは世界から見向きもされない。

 

・いかにして1000万人単位の受け皿をつくるか。その答えは私がかねて提唱してきた「道州制」にあると思う。

 

地方へ権限を委譲する「道州制」で世界から繁栄を呼び込むことのほうが現実的

道州制の肝になるのは中央から地方への権限移譲だ中央政府が何でもかんでも全国一律に決めて平均化しようとするから、地方の繁栄は抑えられてきた。地方のことは地方に任せる。地域の住民に決めさせる。そのためには今は中央政府が一手に握っている立法権の一部を地方に譲らないといけない。

 

・山手線の内側の面積に匹敵するパリの都心部は平均6階建て、ということは、パリ並みにしようと思えば倍以上の高さにできるわけだ。

 

土地ボーナスは日本に残された最後のチャンスと言っていい。それを活用することで都市の大改造が可能になり、10~20年規模の空前の大開発ブームが起きる

 

小選挙区制で限界が見えている。日本再生には選挙制度改革しかない

道州制、ゼロベースの憲法改正、移民政策、容積率の緩和など、私の政策提言のすべてはこの本から始まっている。

 

・あれから30年が経過した。2005年はとうに過ぎ去り、平成が終わろうとしているのに、私が平成維新から唱え続けてきた政策提言はほとんど何も実現していない。ということは、平成の30年間、私は空論を振り回していただけということになる。大前研一ぐらい平成をむなしく過ごした日本人はいないのではなかろうか。むなしい空論になってしまった最大の理由は、選挙制度が変わったことだ。

 

・しかし、小選挙区制が導入されて日本の政治はどうなったか――。風が

吹くと一気にブームが巻き起こるために振れ幅が極端に大きくなって、政治が不安定化した

 一番最悪なのは、目先の選挙のことしか眼中になくて「おらが村」に予算を引っ張ってくる小粒な運び屋ばかりになってしまったことだ。天下国家や外交、大局的な日本の論点を語れる政治家がすっかり出てこなくなった。

 小選挙区制を続ける限り、政治家に日本の将来を託すような政策立案及び議論は期待できない。小選挙区から出てきた政治家に、自ら選挙地盤を変えてしまう道州制のような統治機構改革ができるわけがない。ゼロベースの憲法議論や発議ができるとも思えない。

「大前さんの政策提言はよくわかった。でも日本の政治でそれをどうやって実現するんですか?」

 厳しい問い掛けだが、それに答えるなら一歩目は選挙制度の改正しかない。

 

世界最低レベルの休暇意識――日本人の“忖度”という病

日本の有給休暇消化率は世界最低レベル

・2017年2月24日からスタートしたプレミアムフライデー。政府の働き方改革と可処分時間の増加による個人消費の喚起、一石二鳥の呼び水にと期待されたが、現状は完全に企画倒れの感である。

 初回の2月24日にプレミアムフライデーを実施した企業・団体の割合は日本全体のわずか0.1%にすぎなかったそうだ。

 

・月末の金曜日という一番忙しいタイミングに早上がりを推奨するのもセンスがない話だが、そもそも国がかけ声をかけてやるべきことなのかと私は思う。

 日本人は「休暇」に対する意識が非常に低い。先進国としては遅れている、と言ってもいい。

 

日本の有給休暇の消化率は世界最低レベルなのだ

・他方で日本は祝祭日の日数が先進国の中でも抜きん出て多い。おおっぴらに休みやすい法定休日を政治家が量産してきたからだ。

 

・皆が横並びの祝祭日なら大手を振って休めるが、自分の都合を優先する有給休暇は取りにくい。プレミアムフライデーにしても、お上が号令をかけなければ働き方や休み方を変えられない日本人のしみったれた根性の産物なのだ。

 

日本人のバケーションは貧しすぎる

部下の有給休暇取得を阻んだらパワハラ

・しっかり休むことは大事なことで、仕事の生産性向上にもつながる。働き方改革とは、休み方改革でもある。

 

・「この仕事のオーナーは自分だ」というメンタリティを持てない人は、雇われ根性が抜けないから、会社としても「仕事を任せて安心」とはならない。

 

(結論!)雇われ根性が抜けなければ、休暇は取れない。そればかりか「仕事を任せて安心」という評価も得られない。休みが「取れない」のではなく「取らない」という忖度が大問題だ。

 

ブラックマンデーは何度でも起こる――乖離する金融経済と実体経済

・2018年2月5日月曜日、ニューヨーク株式市場のダウ平均株価が大幅に下落、1175ドル安というリーマンショックを超える過去最大の下落幅を記録した。

 

・さて金融経済と実体経済の乖離はなぜ起きるのか。理由は2つある。一つは古い経済学に基づいて景気を刺激するために、金利を下げたり、通貨の供給量を増やしたりする政治的な動きだケインズ以来、20世紀のマクロ経済的な景気刺激策、つまり世の中の金回りをよくする方法は金利を下げることとマネタリーベースを増やすことの2つしかない。

 だから安倍晋三首相もトランプ大統領もそこをいじりたがる。有効需要をつくるために金利を安くして借りやすくしたり、通貨供給をジャブジャブにしたりするのは政治的にもやりやすい。選挙のときも「景気対策を重視する」と言ったほうが倹約ベースの経済政策を主張するよりも圧倒的に民衆の受けがいいのだ。

 

経済政策「アベクロ・バズーカ」は時代錯誤だ

しかしばらまかれた資金が国内経済に吸収されて実需に向かうことはほとんどない。「アベクロ・バズーカ」と呼ばれる経済政策が低欲望の日本社会に対しては時代錯誤かつ実態把握不足で効果が見られないのも、これが原因だ。

 

トランプ大統領が推し進めているのも20世紀の古い経済政策で、減税したうえに予算を過剰に積み増しているので、不動産や株に余剰資金が回って実体経済との乖離がどんどん大きくなっている。日本でも実需がないので日銀は国債を腹いっぱい食べているし、年金積立金管理運用独立行政法人などの年金ファンドは株を大量に買っている。日銀はETP(上場投資信託)も買い付けるようになって、国を挙げてPKO(株価維持政策)を推進中だ。当然、金融経済と実体経済の乖離はアメリカと同じく大きくなっているわけだ。

 

スマホ経済が需要不足に拍車をかける

・先進国の需要不足に拍車をかけているのが、21世紀型のサイバー経済が加速したシェアリングやアイドル(空き)エコノミーだ。個人も企業も「所有から利用へ」と進んでいけば需要が減るのは当然。

 

労働力の安い途上国がそうした機械を買って良質な部品や製品をつくれるようになったから、供給力にはほとんど制限がなくなった。このように需要不足と供給過剰によって需給ギャップが広がるから、モノ余りになって実体経済の動きは鈍くなる。カネ余りで投資先を求めて過熱する金融経済とますます乖離していく。

 こうして考えてみると、需要不足は不景気だからではない。21世紀経済の構造的な問題なのだ。しかし政治家やマクロ・エコノミストはそうした事実を知らない。

 

・政治家とマクロ・エコノミストが21世紀の経済圏に移住してこない限り、証券会社や不動産業界が従来のトーンで「お買い得品」を煽り続ければ、いつ大規模調整が入ってもおかしくない。最近の4~5%もの(肝を冷やすような)株価下落は今後何回も繰り返されるだろう。

 

(結論!)需要不足は不景気だからではない。21世紀経済の構造的な問題なのだ。だから市中のマネーサプライが増えても実需に結びつかず投機に向かう。金融経済と実体経済の間に大きな隙間が生じているのは、ブラックマンデー直前と同じ状況だ。

 

物申せない空気の中「ポスト安倍」に最も近い男は誰か

(結論!)安倍一強の物申せない空気の中で、正論を吐ける小泉進次郎氏は器が大きいのだろう。地味な役職を労を惜しまずにこなしてきたから党内でも人気も高い。総裁選に立候補すれば勝ち切る可能性も低くない。そのタイミングに注目だ。

 

「服を買う必要がない」――アパレル市場の“3分の1”が消滅した理由

なぜデート着がまったく売れないのか?

・国内アパレルの不振が続いている。販売不振で大手アパレルメーカーでもブランドの廃止やリストラ、大量閉店を余儀なくされ、百貨店の撤退も相ついでいる。国内アパレル市場規模は1990年代には15兆円を超えていたが、今や10兆円を割り込んでいる。

 

・(結論!)“デート着”という「おめかし」カテゴリーは消滅し、もはや服を買う必要すらなくなった。新しいプレーヤーが国内アパレルの変革をリードする一方、従来の百貨店やブランドショップは起死回生への道がなかなか見えない。

 

大阪の衰退は1970年に開催された「万博」から始まった

イベント経済を期待してしまう関西の政財界

・東京一極集中が加速して関西、大阪の没落を招いたのだが、大阪万博の頃には新幹線の輸送力はさらに増強され、山陽新幹線が72年には岡山、75年には博多まで延びた。同時期に航空業界でもジャンボジェットが登場して大量輸送時代を迎える。関西、大阪が頭越しにされる条件をどんどん整っていったのだ。

 

・もはやインフラをつくっただけでレガシーになる高度成長期ではない。ネットでも何でも見られる時代に万博をやる価値がどれだけあるのか。

 マッキンゼーの日本支社長をしていた80年代に大阪を拠点にしていたからよく知っているが、大阪は「自分の町をつくる」という発想と気合に乏しい。にぎにぎしくイベントを引っ張ってきては、公共事業にありつく、ゼネコンが強いこともあって、どうしてもイベント経済を志向しやすい。

 

大阪市の人口は約270万人。人口規模で立派なメガシティだが、「毎日人がくる、企業がくる、情報がくる、お金がくる」というメガシティ繁栄の4要件は見事に欠けている。

 

働く場所、飲む場所、住む場所がバラバラだ

・大阪がイノベーションシティを目指すなら、よそ者にきてもらうしかない。よそからきた人たちが繁栄するのを歓迎するような雰囲気を醸成して、法律と条令を整備することが大切だろう。

 

・(結論!)大阪はもっと栄える。職住近接を念頭に置いた町づくりに取り組み、あわせてイノベーションシティへの脱皮を目指すべきだ。万博のような一過性のイベントに過大な期待をするのは無駄な努力だ。

 

独裁の基盤を確立した習近平体制の「末路」

なぜ習近平は李国強を生かしておくのか

・大会最終日には党の最高規則である党規約の行動指針に「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」という文言を盛り込む改正案が「異議なし」の全会一致で採択された。指導者の名前を冠した「思想」が規約に掲げられた前例は、「毛沢東思想」のみ、つまり習国家主席毛沢東並みの権威を手に入れて、ほぼ神格化されたことになる。

 

・習国家主席と李首相の関係もよく似ている。国民の批判を一手に引き受ける中国のメドベージェフが李首相なのだ。中国の国会に当たる全国人民代表大会全人代)で延々と年次計画を発表するのは李首相で、うまくいかなかったら彼自身の責任になる。全人代のような席では、習国家主席毛沢東のような顔で大所高所から見下ろして「反腐敗」などと国民受けしそうなことを言っているだけだ。

 なお今回の党大会では習体制の5年間で153万人超を規律違反で処分したと腐敗撲滅キャンペーンの成果を誇示したが、要するに153万人超が不正を働く組織というのは上から下まで性根が腐っているのだ。

 

「一帯一路」とは新しい植民地政策

・日本に3社、ヨーロッパには実質1社しかない鉄鋼メーカーが中国には国有企業だけで100社ある。その過剰な生産力をいかに収束するのか。

 そして過剰なインフラ投資によって建設された住宅街や商業施設が方々でゴーストタウン化しながら、それでもなお建設が続いているという問題もある。習国家主席は「一帯一路」という経済圏構想を提唱しているが、これは過剰な生産力を海外に振り向けるためのものであって、新しい植民地政策にほかならない。

 

・それからもう一つ、地方自治体の破綻状況にも言及していない。中国の地方都市は大きなところを除いてほとんどが財政破綻している。過剰なインフラ投資と不動産バブル崩壊に加えて、融資を手控えた金融機関に代わって高利の中国版ノンバンクから金を借りるようになったために、各自治体の借金は雪だるま式に膨れ上がった地方自治体の借金を全部足し合わせた額は中国のGDPに相当するとも言われている。

 

情報統制が利かなくなり真実が明るみに

・つまり若い世代も含めて、怒りを封印して自己正当化する術を覚えてしまったのだ。民主化運動は完全に下火。今は政府に逆らわないで、自分の得になることだけやる。いざとなったらカナダかオーストラリア辺りに1億円円盤ぐらい持って脱出すればいい。中国政府は変わらない。だったら自分が選んだ政府のところへ行けばいい。だからさっさと蓄財しようという発想なのだ。

 

・中国が永遠に一党独裁の単一国家を維持することはできない。6つか7つに分裂したうえで連邦制を模索するのが次のステップだと私は思っている。ただし、そのシナリオが見えてくるのは、「強固」な現体制が10年くらい続いた後のことだろう。

 

・(結論!)天安門事件も今は昔。中国における民主化運動は完全に下火。若い世代も含めて、怒りを封印して自己正当化する術を覚えてしまったのだ。

 

92歳が首相に返り咲くマレーシアの「危機」

・(結論!)ICT(情報通信技術)構想やAIがもたらすシンギュラリティー、たとえアドバイスしたとろで、マハティール氏に比べ日本の政治家の反応は鈍い。今こそ、人間の能力開発を目指した教育が国家戦略の要となる。

 

 

 

日本の論点  2018~19』

大前研一  プレジデント社  2017/11/30

 

 

 

・近年、大衆の不安や不満を利用するポピュリストが台頭し、世界は右傾化、独裁化の傾向を強めてきたが、そろそろ揺り戻しが出てくるのではないかと私は見ている。先駆的な動きが見えるのはヨーロッパだ。

 

 

<AI時代こそ、自分の人生に対し自らハンドルを握れ>

2000日以上続いた安倍政権の側近政治ゆえの「忖度」

・「民主党政権だけはもう懲り懲り」という前政権に対する国民の強い失望感と安定志向を背景に安倍政管は誕生した。

 

・しかし、長期政権は必ず腐敗、堕落する。「お友達か思想信条が同じ人かイエスマンの3パターン」で固めた安倍政権の驕り、緩みが一気に露見したのが、17年に吹き出し森友学園問題であり、加計学園問題である。いずれの問題も震源地は安倍首相自身であり、「家庭内野党」を標榜していた総理夫人だ。

 

・「この道しかないというのだからやらせておこう」と一任ムードだったアベノミクスが奏功して日本の経済状況が好転していれば、あるいは許容範囲だったかもしれない。しかし、三本の矢(デフレ脱却)も新三本の矢(1億総活躍時代)も的を射ることなく、アベノミクスのまやかしが誰の目にも明らかになりつつある状況で、安倍首相と思想信条を同じくする学校経営者と「腹心の友」の学校経営者ばかりに「神風」が吹けば、疑惑の目が向けられるのは当然だろう。

 

・「忖度」が17年の流行語大賞に選ばれるかどうかはわからないが、ノミネートは間違いなさそうだ。「忖度」とは相手の心を推し量ること。安倍首相が口に出さなくても、周囲が安倍首相の気持ちを推し量っていろいろな配慮をする。お友達と思想信条が同じ人とイエスマンで固めた側近政治が2000日以上も続けば、ここまでいってしまうということなのだろう。

 

<世界の独裁者と共通する安倍首相の特異な挙動>

・側近で固める安倍首相の政治姿勢は、中曽根元首相や小泉元首相とはまったく異なる。言わずもがなも心遣いといえば日本人の美徳のようで聞こえはいいが、安倍首相に対する忖度はやはり尋常ではないと思う。

 忖度する人々が湧いて出てくるのは、実は独裁政権の特徴だ。

 

・近頃は北朝鮮や中国のような独裁国家ばかりでなく、民主的な手続きでトップが選ばれている国においても一強独裁が目立つ。ロシアのプーチン大統領然り、トルコのエルドアン大統領然り、フィリピンのドゥテルテ大統領然り、皆、選挙で選ばれているのだ。

 

・敵味方を選別し、自分を忖度してくれる側近で身の回りを固める。これは世界の独裁者と共通した挙動であり、安倍首相は戦後日本のリーダーとしてはやはり特異なタイプといえるだろう。

 

ポピュリズムの台頭と右傾化の波は揺り戻しが出始めている

国民投票前は「移民を制限できる」とか「ブリュッセル(EU本部)の言いなりにならないで済む」と離脱のメリットばかりが持ち上げられたが、ブレグジットが決まってからはあまりに大きすぎるデメリットが徐々に明らかになってきた。「出て行くのは勝手だが、支払うものは払っていけ」とばかりに滞納していたEU分担金7兆円の支払いを求められたり、「イギリスにいいとこ取りはさせない」というEU27ヵ国の強固な結束ぶりを目の当たりにして、イギリス人の心境は大きく変わってきたのだ。

 

・ドイツにとってアメリカは重要な同盟国だが、国防費や貿易問題でドイツを挑発的に非難したり、地球温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定から一方的に離脱を表明したトランプ大統領を評価するドイツ人はきわめて少ない。

 

独仏の良好な関係がヨーロッパの安定化に導く

・フランスをはじめ欧州各国でEUに対する向き合い方、移民政策や経済政策などをめぐって国民の分裂、社会の分断が浮き彫りになった。これを克服し、繕っていくためには、ヨーロッパが結束して立ち向かう必要がある。

 

この国をもっと素晴らしく!政治家の発想にない方法はないか

・安倍首相は経済を最優先課題に掲げている。しかし経済閣僚である財務大臣や経産大臣はそのまま留任。約5年間のアベノミクスで結果を出せなかったメンバーのままでは「経済優先」に説得力はない。しかも「仕事人内閣」と胸を張ったその内閣が仕事をする暇もなく解散、総選挙をする無責任ぶりである。理由は「国難突破」と言うから聞いてあきれるが、これは「僕難突破」としか聞こえなかった。

 

・最初の『日本の論点』のプロローグで、「安倍首相は改革者にはなれない」と私は記したが、その思いは今も変わらない。実際、5年に及ぶ安倍政治で日本がよくなったと思えることは皆無に等しいし、内閣改造で人心を一新しようが何も変わらないのは目に見えている。

 

・現在の小選挙区制の選挙区当たりの平均有権者数は35万人で、これは市長選レベルに等しい。市長選レベルの小さな選挙区から出てくるから、目線が低くなって、地元への利益誘導が政治活動の中心になる。天下国家を論じたり、外交、防衛、経済といった日本の長期的な課題に向き合う政治家が出てきづらいのだ。議員になることが目的化して、「この国をこうしたい」という情熱とエネルギーを持った政治家が本当に少なくなった。小選挙区制の弊害についても国政レベルの議案にあげるべき時に来ている。

 

・私が思うに緊急課題は2つあって、1つは北朝鮮の核やミサイルをいかに防ぐか。抑止力をいかに高めるかである。もう1つは大地震など自然災害に対する備え。3・11クラスの大地震が大都市を襲った場合の防災対策はまだまだ不十分だ。国民の安全と安心を守るという観点からすれば、この2つの課題はきわめて優先順位が高い。

 

・自動運転で動くなら課題も論点も必要ないかといえば、そうではない。日本はどんな状況下でも自律的に走れる完全な自動運転のレベル5ではない。私は政治家の発想では出てこないことを提言しているつもりだし、この国をもっと素晴らしくする方法はないものかといつも考えている。

 

公約はほぼ手つかずトランプ政権発足後100日の通信簿

・「トランプ大統領は、政権発足後も二重三重に識者が近寄りがたいような政権運営をしてきた。従って親身になって知恵を貸したり、人材を紹介したりするアドバイザーが乏しいのだ

 

トランプ大統領を取り巻く三重の権力構造>

・さらにトランプ政権の権力構造の3層目にいるのが、軍人やウォールストリートの経済人たちだ。

 

・彼らのようなプロフェッショナルは政権発足後に調達された人材で、必ずしもトランプ大統領の言うことを「Yes Sir」とは聞かない。大統領選とは縁もゆかりもないから、キャンペーン中の大統領の発言も知ったことではない。彼らにとって重要なのは軍人としてのプライドや国益朝鮮半島有事に備えてカールビンソンを動かしたのも、トランプ大統領の判断ではないと私は思っている。

 

<トランプ側近バノン失脚の舞台裏>

・三重の権力構造のうち、2層目が完全に没落して、3層目のプロフェッショナルが側近のクシュナー経由で大統領に影響を及ぼすようになったというのがトランプ政権100日目の姿といえる。

 

結論!

トランプ大統領は就任100日以内に実現する「100日計画」を公表したが、実現できたことといえば、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)からの離脱と不法移民の取り締まりを強化したぐらい。戦々恐々としていた与野党の双方に「トランプ恐るるに足らず」という感触を与えてしまった。

 

トランプ大統領よ アメリカの一人勝ち現象は30年来、進行中だ

・「トランプ大統領を現代版アイアコッカと考えるとわかりやすい。その発言は嘘と思い違いの連続だ。彼の頭の中にある経済理解は30年前のものであり、『黄禍論』を想起させる

 

アイアコッカが振り撒いた「黄禍論」と同じ

この30年間で進行したのはアメリカの一人勝ち現象である

・図は2016年の時価総額上位10社のランキングである。一目瞭然、米国企業ばかりだ。しかも近年ますますその格差が開いている。ランキングを見ても1位アップル、2位アルファベット(グーグル)、3位マイクロソフト、4位バークシャー・ハサウェイ、5位エクソンモービル、6位アマゾン・ドット・コム、7位フェイスブック、8位ジョンソン・エンド・ジョンソン、9位JPモルガン・チェース、10位GE(ゼネラル・エレクトリック)でトップテン(12位まで)を米国企業が独占。ちなみに日本企業はトヨタの29位が最上位。この30年間で進行したのはアメリカの一人勝ち現象である。

 

・米国企業の今日の繁栄をもたらした原点はロナルド・レーガン大統領の経済政策、レーガノミクスにある。レーガン革命によって通信、金融、運輸などの分野を中心に規制緩和が進んだおかげで米国企業はグローバル化し強い企業が続々と生まれてきた。

 

レーガノミクスによる規制緩和と市場開放政策は、アメリカの企業社会に適者生存の競争原理をもたらし、米国企業を強靭にした。競争に勝った会社は生き残り、世界に出かけていった。負けた会社は市場から退出した。弱者への同情は一切なし。

 

トランプ大統領の中国やメキシコに対する攻撃は、30年前にアイアイコッカが振り撒いた「黄禍論」を想起させる。

 日米貿易不均衡がピークだった1980年代、米クライスラー社の会長だったリー・アイアイコッカは「イエローペリル(黄禍)」と呼んで日本車の大バッシングを展開した。「アメリカのクルマが日本車に負けている理由は、奴らがチープレイバー(安価な労働力)を使って、公害を垂れ流してクルマをつくっているからだ」と訴えて、日本車に対する関税や数量規制を政府に求めたのだ。一方で破綻寸前だったクライスラーを建て直したことでも名声を高めて、一時は業界の英雄アイアコッカを大統領候補に推すムーブメントまで巻き起こった。

 トランプ大統領を現代版のアイアコッカと考えるとわかりやすい。

 

トランプ大統領は中国がアメリカの雇用を奪っていると主張してきた。アメリカの中国からの輸入額は年間50兆円ほど。対中輸出が約10兆円だから、40兆円ぐらいの貿易不均衡があるのは確かだ。しかし内実を見ると、米国企業が中国でつくったモノを輸入しているケースが非常に多い。

 

トランプ大統領が文句を言うべきは国産に見向きもしないで、海外からの最適地から安易に調達してくる国内メーカーであり、ウォルマートコストコなのだ。

 そもそもアメリカの失業率は今や5%を切って完全雇用に近い。