日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

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旧ソ連は、宇宙開発のトップを走った国であり、それを引き継ぐロシアの、しかも大統領経験者が語る事実だけに、とてもジョークでは片付けられない。(1)

 

『黒の雑学』

108の悪魔の囁き

ハップ   アントレックス    2020/2/18

 

 

 

<「宇宙人は存在する」とついにロシア首相が発言 UFOに搭乗した人もいる

2012年12月、ロシアのメドベージェフ首相(当時)がテレビ番組で「宇宙人は存在する」と証言した。インターネットなどでは話題となったが、なぜか大手メディアは報じていない。はたして、その真偽はどうなのだろうか。

 テレビキャスターのインタビューに応じた形で「初めてあなたに明かす」と前置きしたうえで、首相は「大統領が交代するとき、核兵器の発射ボタンと一緒に極秘ファイルを引き継ぐ」と発言。そしてこの極秘ファイルは「地球に来た宇宙人に関する資料で、専門チームが作成したもの」だというのだ。旧ソ連は、宇宙開発のトップを走った国であり、それを引き継ぐロシアの、しかも大統領経験者が語る事実だけに、とてもジョークでは片付けられない。

 

・翌年になると、極秘ファイルの一部ではないかという情報が、ロシアのニュース・サイト「プラウダ」に掲載された。それによると、旧ソ連時代、軍の装備や兵器の試験場に、特に軍備の増強時に必ず、UFOが現れたため、空軍はUFOの分析、研究を始めなければならなかったというのだ。

 研究の結果、「現代科学では理解できない」「アメリカまたは日本の偵察技術かもしれない」「宇宙人かもしれない」という結論に達し、さらに研究を重ねた結果、UFOを呼び出す方法を開発したという。その手法が興味深い。1980年代後半に、宇宙人と交信できるように人間の脳を調整する方法を研究し、実際に6名が宇宙人と物理的な接触を実現し、そのうちの2人がUFOに搭乗したのだという。

 

・メドベージェフ首相のインタビューは、動画サイトなどで見られる。

 

キリスト伝説はウソ?ホント? 新郷村に伝わる不思議な風習

青森県三戸郡新郷村にはキリストの墓がある。その伝説はこうだ。ゴルゴダの丘で処刑されたのはキリストの弟・イスキリで、本院は日本に逃亡。太郎天空坊(つまり天狗)と称して新郷村に住み、106歳まで生きたというのだ。

 1935年8月、戸来村と呼ばれていたこの地に茨城県皇祖皇太神宮の老神官とその一行が訪れた。老神官は竹内巨麿と名乗った。この竹内とは、のちに謎の古文書(現在は偽だと判定)「竹内文書」を広めた(吹聴した)人。竹内は、村にある2つの土塚を見て、「1つはキリスト、もう1つはイスキリの墓」と勝手に宣言した。その根拠は「そのことが古文書の『竹内文書』に記録されていたから」というかなり怪しいものだった。

 当初村人たちは誰も信じなかったが、その後、村の歴史をあらためて調べ直してみると、村にはキリストにちなんだ言葉や風俗・習慣がたくさんあることがわかってきた。たとえば、大昔には村では父親を「アダ」と呼び、母親を「エバ」と呼んでいたことが判明。これはアダムとイブではないのか。何より「戸来」という村の名前が「ヘブライ」からきているのではないのか。

 また、村で最も古い家である沢口家では2、3代ごとに西洋風の顔をした赤ちゃんが生まれるという。しかも、その生まれたばかりの赤ちゃんの顔には、魔除けのために黒汁で十字模様を描く風習がある。さらには、沢口家の戸袋にはダビデの足の文様(六芒星)がくっきりと彫られているのである。村人たちの作業服が独特。麻袋をそのまま被り、腰を紐で結わえ、両手は袖なしというスタイルは、映画『奇跡の丘』(1964年)などに登場する農夫とそっくりではないか。こうした奇妙な符合に気付いた村人は、キリストとイスキリの墓を竹内が宣言した場所へ建てたのである。

 

カジノが来なくても余裕 ‼ すでに世界一のギャンブル依存症大国NIPPON >

厚生労働省は、2020年度よりギャンブル依存症の治療を公的医療保険の対象とする方針を固めた。この決定には、言うまでもなく2018年7月に成立したいわゆる「IR整備法(カジノ法案)」が背景にある。カジノが開設されることによって依存症の増加が懸念されるからだ。

 

・2017年に厚生労働省が発表した実態調査によると、成人のうち3.6%が生涯のうちにギャンブル依存症と疑われる状態になったことがある、と回答。国勢調査のデータに当てはめた場合、その人数は約320万人にのぼる。

 一方、2000年から2011年までに行われた海外における同様の調査では、ドイツ0.2%、スイス0.5%、フランス1.2%、オランダ1.9%となっており、いずれの国もすでにカジノが設置されている割合は1.9%にとどまり、調査時点や調査方法が異なるとはいえ、日本は群を抜いてギャンブル依存度が高く、世界一であることは明らかなのだ。

 

カジノがまだない日本がギャンブル依存度世界一になる理由、それは全国に9102ヶ所もの店舗があるパチンコ・パチスロである。2018年におけるパチンコ産業の売上高は20兆7000億円。うち粗利は3兆3800億円。市場規模が縮小し続けているといわれながらも、世界一の売上高を誇るマカオのカジノの売上高約3兆4790億年(2015年)をはるかに超える。言うまでもなく、ギャンブルはパチンコ・パチスロだけではない。競馬などの公営競技、最近ではソーシャルゲームなどによるギャンブル依存症患者も増えているという。

 

西部劇の中だけじゃない‼ アメリカでは、今も賞金稼ぎがいる

・現代のアメリカにも賞金稼ぎは実在するのだ。

 多くの場合、賞金を提供するのは金融業者だ。裁判中の被告人に保釈金を貸し付けるのを生業としている。彼らの商売が難しいところは貸した金の回収だ。保釈金は高額になるケースが多いので、多くの被告人が金融業者から借りるのだが、被告人の中には保釈されると別の州に逃げて姿をくらましてしまう者も多い。アメリカの警察は、州ごとに独立しているので州と州の連携には時間がかかり、うまくいかないケースも多い。そうなると、自力で被告人を連れ戻さなければならず、そこで、賞金稼ぎの登場となるのだ。

 賞金稼ぎの仕事は、時間との戦いでもある。アメリカでは、当局から保釈中の被告人に出頭命令が下ったとき、すぐに出頭しないと保釈金が没収されることになる。そうなると、金融業者は貸したお金が戻らなくなるので大損だ。なんとしても期限内に被告人を捕え、連れ戻さなければならない。そのため賞金稼ぎには、追跡・捜査の高いスキルが求められており、元警察官や専門の探偵らがほとんど。免許を必要とする州もあれば不要の州もある。成功報酬は保釈金の5~10%程度。

 

日本人の死亡原因の1位はがん、2位は心疾患。その次に多いのは、なんと妊娠中絶だった

厚生労働省が発表している「平成30(2018)人口動態統計」の死因別死亡数によれば、2018年度の日本人の死因のランキングは、1位が悪性新生物(がん)で37万3547人、2位が心筋梗塞狭心症などの心疾患で20万8210人、3位が老衰で10万9606人となっている。

 それに対して、同年度の人工妊娠中絶件数は、厚生労働省「平成30年度衛生行政報告例」によると、10万1741件と発表されている。3位の老衰より多くの命が中絶によって失われているのだ1日当たり約450件もの人工妊娠中絶が行われている計算になるが、同年度の出生数が約92万人であることを考えると、胎児(含胎芽)のおよそ6人に1人が中絶で命を落としているということになる。

 

がん細胞は人間の体の中で毎日大量に作られている。遺伝子の突然変異からは誰も逃れられない

・人間の体は約60兆個の細胞で構成されており、その大部分に有効期限があり、古くなった細胞を新しい細胞に交換し続けなければならない。その数は1日当たり約5000億個。そして膨大な数の細胞のDNA情報が新しい細胞にコピーされる際に、わずかながらエラーが発生してしまう。このエラーががん細胞だ。がん細胞は1日当たり約5000個発生している。

 正常な細胞は体からのコントロールによって増えたり、増えるのをやめたりすることを繰り返している。たとえば、ケガをすれば傷口を修復するために細胞が増え、治るとそれ以上増えない。しかし、がん細胞は命令を聞かず、近くの組織に広がったり、血管を通して移動し、離れた組織でもがん細胞のかたまりを作ったりする。人間の体には出来たばかりの癌細胞を退治する免疫という機能が備わっている。ところが免疫力が低下していたり、がん細胞の数が増えると、「免疫細胞」と呼ばれる白血球やリンパ球が対処しきれなくなる。免疫細胞からの攻撃から逃れて、生き残ったがん細胞は隠れて増殖を始めるのだ。

 

ヒマラヤのイエティ(雪男)は実在する‼ 国際会議でその実在確立を95%以上と認定

イエティは、ヒマラヤ地方に住むといわれているUMA(未確認動物)で、地元民族の間では「不幸をもたらす不吉な存在」だと恐れられている。古くから目撃談があり、全身が毛で覆われ、直立歩行する。体長は2~3メートルともいわれ、最大の個体では5メートルに達するものも目撃されているという。

 1951年にイギリスの登山家が発表した足跡の写真は世界中にインパクトを与えた。そのサイズは、長さ32センチ×幅20センチもあり、体長の大きさを示す証拠だとされた。ただしこの写真は、現在では信憑性が高いものとは考えられない。

 その後、1954年には、ヒマラヤの寺院からイエティのものとされる頭皮と手の骨が発見される。しかし調査の結果、この頭皮はカモシカの皮であると判明。また、手の骨とされていたものはDNA鑑定の結果、なんと人間の骨であることがわかった。

 

1975年には日本人の探検家がヒマラヤ山脈で集団のイエティを目撃。彼はその後もイエティを探し続けたが、発見できないまま遭難死している。その後、別の日本人が調査を続けた結果、探検家がイエティを目撃した場所から1000メートルほど登った地点で、謎の足跡を発見している。

 その後の目撃談は多いが、その存在については謎が多い。しかし、2011年にロシアで開催された国際会議には、世界各国から多くの科学者が集結。議論の結果、「イエティが存在する確率は95%である」との宣言を採択した。

 

日本では廃れてしまった「夜這い」 現代でもあの国ではアッケラカンと行われている

・「夜這い」を辞書で調べると、「夜、恋人のもとへ忍んで通うこと。特に、男が女の寝所に忍び入って情を通じること」「結婚を求めて言い寄ること。求婚すること」とある。『万葉集』には「他国によばひに行きて、大刀が緒もいまだ解かねばさ夜そ明けにける(よその国に妻問いに行って大刀の緒を解きもしないうちに夜が明けてしまった)」と詠まれている。当時は、男性が女性のところに夜出かけて行って、一緒に寝て明け方帰るという、いわゆる通い婚が普通だったので、このような歌が詠まれているのだろう。

つまり、夜這いは、1200年以上も昔から行われていた由緒正しい(?)習俗なのだ。もちろん、一夫一婦制が確立されたことなどによって徐々に廃れ、大正から昭和の初期にはなくなったと伝わる。

 さて、日本では表立った夜這いはなくなったのかもしれないが、“世界一幸せな国”ブータンは「夜這い天国」とまで言われているそうだ。「週刊ポスト」(2011年12月9日号)には、ノンフィクション作家、片野ゆか氏のブータン旅行体験談として以下のような出来事を紹介している。それによると、滞在先のホテルで、夕方5時ぐらいに自室の部屋をノックされた。そこには初対面の男性が立っていて「入っていい?」と言われたというのだ。当然、片野氏は断り、その場を収めたが、30分後、またもドアをノックする音が。そして一晩でなんと6人もの男性が、片野氏の部屋のドアをノックしたのだという。片野氏によれば、一連の行動は「ナイトハンティング」と呼ばれるブータンの文化で、都市部では自粛されているようだが、地方ではまだ残っている習俗なのだとか。

 

国内の子どもの行方不明事件は1万7620件 世界ではアメリカがダントツに多い

・警視庁によると、平成29年度の行方不明者状況は、届け出件数が8万4850件で、うち男性が5万4574件、女性が3万2763件。これを成人と少年で分けると、成人6万7450件数、少年1万7610件だという。総数の推移は、この10年間、ほぼ横ばいだ。

 では、これを世界規模でみるとどうだろう。集計対象が子どもに限定されてしまうが、民間NGO児童失踪・児童虐待国際センター(ICMEC)によれば、全世界では毎年800万人以上の子どもが行方不明になっているのだという。単純計算だが1日あたり2万2000人にものぼる。国別にみてみると、アメリカ46万人、イギリス14万人、ドイツ10万人………以下略……。この数字には、解決済みのものもあれば、そうでないものも含まれている。

 それにしても、アメリカの46万人はダントツだ。いったい何が原因なのだろうか。それは、家族による誘拐が割合的に高いのだというアメリカでは離婚率が高く、子どもの親権をめぐって争うケースが少なくない。しかし、別れた親同士だけならともかく、その親族も加わっての奪い合いに発展するというのだからややこしい。それでも、この場合は、犯人が父親か母親、子どもにとって身近な存在であることがせめてもの救いだと思いたい。もちろん、親権問題だけでなく、家庭内暴力や性的暴力といったケースで引き離された子どもがさらわれるケースもあるだろうから一概には言えないが。

 しかし、そんな家族の問題ではないケースも多いという。人身売買や児童ポルノ、臓器売買などの犠牲になってしまうことだ。これらの犯罪についての情報が乏しいため、ここで詳しく述べられないのが残念だが、特に児童ポルノに関しては、現象は男女不明だということもあり、これが誘拐の総数を押し上げている要因の1つと考えられている。

 

 

 

『外国人ヒットマン

一橋文哉  KADOKAWA  2019/9/19

 

 

 

日本の国はいったい、どうなってしまったのだろうか

・世の中ではこれまで、店舗の事務所に押し入って、高校生ら女性従業員3人を縛り上げるなどして抵抗を奪った直後に射殺したり(1995年の八王子スーパー強盗殺人事件)、幼い姉弟2人を含む一家4人を皆殺しにした後、メロンを皮ごと齧り、アイスクリーム5個を貪るように食べ、大便までして去ったり(2000年の世田谷一家惨殺事件)、本社の前で車で出勤してきた叩き上げの老社長の胸や腹に至近距離から4発の銃弾を浴びせて殺害したり(2013年の「王将」社長射殺事件)……など、手口は凄まじいのに、大金を奪うだけでもなく、深い怨恨などの犯行動機も見当たらない不可解な事件が頻発している。

 しかも、こうした、まるでギャング映画に出てくるシーンを思わせる残虐な犯行は、すべて平成に入ってから起きた事件で、大半が未解決のまま今日に至っている。

 年号が令和に変わって、過ぎ去りし平成の世を「戦争や大きな問題もなく、豊かで平穏かつ幸せな時代だった」と論じた学者たちがいたが、とんでもない。

 犯罪はますます凶悪化し、前述した以外にも、思わず目を覆いたくなるような冷酷非道な事件が山のように起きている。

 

こうした凶悪犯罪はなぜ起きるのか

・私は、この短い「まえがき」でそうした犯罪の分析を行うつもりはないが、これまでに日本になかった凶暴な手口の犯行が増えた要因としてもう一つ、犯罪の国際化、つまり外国人による犯行が増えたことを挙げたい。

 

・新聞記事を読んだり、テレビのニュースやワイドショーなどを観ても、毎日のように外国人による犯罪が取り上げられている。詐欺や窃盗といった知能・技術型犯罪から殺人や強盗といった凶悪犯罪まで、その範囲は幅広い。

 決して外国人ばかりが悪い訳ではないのだが、あまりそうした事件が続くと、不安を覚える市民が多くなることは間違いない。

 

・前述した八王子スーパー強盗殺人事件や世田谷一家惨殺事件、ライブドア「懐刀」怪死事件、「餃子の王将」社長射殺事件……など、私はこれまで多くの未解決事件を取材して、新聞や雑誌に執筆し、書籍にまとめてきた。

 そして、それらの多くが、動機を持った主犯とカネで雇われた実行犯の二者に分かれた犯行であることを突き止めた。しかも、各事件の実行犯が外国人である可能性が高いことが分かり、そうした事がなぜ起きたのかを様々な視点から暴いてきた。

 

・なぜなら、各事件の犠牲者や被害企業の身辺捜査を進めていくうちに、それらの周辺に必ずと言っていいほど外国人犯罪者の影がチラついていたからである。

 さらに中国、韓国など近隣諸国の捜査当局から実行犯に関する幾つかの有力な情報提供がもたらされたことも影響している。

 

外国人犯罪者に対する捜査がなかなか進展しないのと同様に、外国人犯罪者に対する取材もかなり難航を極めたからである。

 決して本名を名乗らず、正体や出生地、家族構成、学歴も不明。近くに家族や友人はいないし、仮にいても口が固くて何も分からない。

 もちろん、自ら犯行を誇示してペラペラ喋ったり、指紋や顔写真など「決定的な証拠」を残す筈もない。

 大がかりな犯罪組織の支援を受けて、偽造パスポートで入国し、アッという間に犯行に及び、主要道路での検問や組織的な聞き込み捜査が行われる前にさっさと海外に逃亡してしまう。事件が大々的に報じられる頃にはとっくに国外にいるのだから、犯人の正体はおろか、その行動や背景事情を探ることは困難と言わざるを得ない。

 しかも、本書で取り上げた外国人たちは単なる犯罪者ではなく、政財界の要人や事件などある種の出来事の真相解明の鍵を握る人物=キーパーソンらを暗殺する「外国人ヒットマン」であるから、簡単に分かるわけはないのだ。

 

・これまで私が挑んできた事件ノンフィクションの分野では、詳細かつ正確な捜査情報をはじめ、緻密な現場検証報告、被害者を中心とした事件関係者の証言など、客観的な「証拠」類を丹念に拾い集めたうえで、慎重に報じるしかなかった。

 例えば犯行動機に繋がる何らかの事情を抱え、事件当時のアリバイがないなど、いくら怪しい人物がいても、それだけで容疑者扱いするわけにはいかない。

 まず、本人から直接、事情を聴かなければならない。

 

・もちろん、そこでは関係者の供述だけではなく、犯行現場の状況や遺留品の有無、犯行のきっかけとなった出来事や予兆の確認、事件に至るまでの経緯と背景事情………など様々な要因を考えて取材し、相互の因果関係や影響などを踏まえていかなければならないことは言うまでもない。

 これは「言うは易く行うは難し」そのものであり、プロの捜査員を百人以上集めて捜査本部を立ち上げる警察当局でも難しいくらいだから、ジャーナリスト一個人の取材範囲や能力では到底出来るものではない(と言いながらも、懸命に裏付け取材を行ってはいますが………)。

 まして取材相手が、存在そのものがトップシークレットである「外国人ヒットマン」であり、その予想もつかない(あるいは予想をつかせない)行動を、一つ一つ確実に辿っていくことは、ハッキリ言って不可能である。

 最初から客観的に辿ることなど出来ない対象なのだ。

 

・しかし、世間から姿を隠して行動し、他人とは決して接しない「外国人ヒットマン」の正体や行動を客観的証拠から明らかにするのは至難の業であり、出来る限り「外国人ヒットマン」のことを知る人物を探し出し、その証言をもとに、闇に包まれた「外国人ヒットマン」の存在を浮き彫りにすることが精一杯だ。

 そこで、彼らの存在を白日の下に晒すことに意味があると考え、それこそが何より重要ではないかと思い、ノンフィクションに必要不可欠な確実性や客観性を少々犠牲にしてでも、本人や関係者の証言をもとに捜査資料などと照らし合わせながら、この本を書いたというわけである。

 各章で詳らかにした「外国人ヒットマン」の行動や犯行に至る経緯は、ヒットマン本人や支援組織のメンバーなどへのインタビューをもとに、出来る限り客観的な資料と照合しながら再現したものである。

 

これまで世の中を騒がしてきた、あの著名な未解決事件が外国人ヒットマンの犯行だったことが分かり、まさに驚きの連続となるに違いない。

 

韓国 世田谷一家惨殺事件の謎

韓国グルメ街にあった暗殺組織の拠点

・そのチャジャンミョンの発祥の地として知る人ぞ知る土地が、韓国・仁川市にあるチャイナタウンの一角にある。

 韓国の表玄関・仁川国際空港から車で約30分ほど走った場所に、その街はあった。

 

・そのメインストリートを北に向かってしばらく歩き、三つ目の角を左折して裏通りに出ると、極端に人通りが減ってきて、うら寂しい雰囲気が漂い始める。そんな裏町の少し先に建つ古びた5階建てビルの4階の一室に、目指すオフィスはあった。

 

・観光施設や飲食店を経営する興業会社風の名前が中国語で書かれた看板が表の出入り口付近の壁に掲げられていたが、古過ぎて文字が消えかかっていてよく読めない。

 何より、誰もそんな看板など見向きもしていない感じがありありと伝わり、物悲しい感じと言うよりも、何やら不気味で恐ろしい雰囲気さえ漂って来る。

 過去にこのオフィスを訪れたことのある人間の証言によると、外見はいかにも古びているのだが、内部はコンピュータなどのIT機器がズラリと並び、外見と違って「おシャレな外資系貿易商社」のように見えるという。

 ただ、常駐している者はわずか数人しかおらず、それも一癖も二癖もありそうな男たちばかりだというのである。

 

・それもそのはず。この部屋は実は、日本の暴力団関係者や中国のチャイニーズマフィア幹部、地元韓国の暗黒組織幹部らが共同で営む暗殺請負組織の拠点があるビルで、その4階のワンフロアを占めているのが、ヒットマンを操る「司令部」と呼ばれるオフィスだった。

 公式の法人登記や約款などは存在しないので、関係者の証言などから組織の特色や活動内容などごく簡単に説明すると、こんな組織であることが分かる。

 地元韓国や日本、中国、北朝鮮など東アジアをはじめフィリピン、マレーシア、インドネシア、東南アジア諸国などを中心に、地元の暗黒組織を通じて依頼主から、復讐したい相手や利害が対立する者などを標的とする殺害依頼を受け、十分に下調べや監視をしたうえで、ゴーサインが出たら標的を素早く捉えて暗殺し、その直後には殺害場所から国外に離脱する、という仕事である。

 

・因みに、暗殺に掛かる費用や成功報酬などの料金は、標的の状態や凶器の選定、殺害場所の地理的かつ環境的条件などが一件ずつ違うため、その都度、依頼主との交渉で細部まで決めることが多い。

 ただ、中国人ヒットマンを一人派遣して普通の市民クラスの人間を殺害するというごく一般的な暗殺行為の場合、ヒットマンの成功報酬は一人当たり3百万から4百万円が相場だと言われている。

 もちろん標的がSPやボディガードに囲まれているVIPクラスになれば、料金は1千万円単位に跳ね上がることが多い。暗殺が実行されるまでの期間がどうしても長くなりがちだし、現場の下見や闘争支援態勢などの人員も増え、それだけ必要経費も嵩んで、料金に上乗せされることになるからだ。

 

・中国人の暗殺請負組織の場合、通常の例で言うと、依頼主がまず自分のいる国や地域の仲介代理人を通じて、成功報酬の半分を中国大陸にいる暗殺請負組織のボスに送金する。そうすると組織がいろいろと調査したうえで、了解・合意に達すれば、直ちに標的の状況や殺害方法などの条件に応じた中国人ヒットマンを送り込んでくる、という仕組みなのだという。

 

・いずれにしても、ヒットマン自身は標的や依頼主とは全く直接的な関係を持たないし、標的を殺害した後は直ちに出国するため、アシがつく心配はまずない。

 あとは依頼主がちゃんと残金を振り込めば、何の痕跡も後腐れもなく一人の人間がこの世から消え去り、依頼主懸案の“問題”は解決するという訳である。

 

「世田谷の事件は俺の仲間のヤマだ!」

・この韓国の暗殺請負組織は第二次大戦中から存在する老舗グループで、そこに所属するヒットマンや支援スタッフにそれぞれの活動を語らせたら、何冊もの自伝が書けるほど多数かつ多彩な話が提供され、おそらく収拾が付かなくなるだろう。

 それは韓国や中国、台湾など東アジア諸国における犯行だけではないということで、彼らは東南アジアやインド、豪州、そして欧米諸国にまで活躍する舞台を広げているという。そこで、対象をアジア諸国としたうえ、さほど古くない時期の代表的な犯行に絞って興味深い話をこの組織の責任者の一人にリクエストしたら、何と2000年12月末に日本国内で発生した、戦後を代表する未解決事件である世田谷一家惨殺事件の話が飛び出して来た

 「世田谷の一家皆殺しの事件は、俺たちの組織のヒットマンがやった犯罪と聞いている。当時、手際の良さが評価され、仲間内の話題になったと聞いている」

 インタビューに応じた在日の仲介代理人の男は、そう言い切った。

 平和に暮らしていた、どこにでもいそうなごく普通の一家4人が、何か大それたことを仕出かしたとは思えないし、もし彼に何か特別な事情があったとしても、2人の子供を含め一家皆殺しにすることはないだろう。いったい、誰が何のために殺害しなければならなかったのか――犠牲者4人の無念極まりない気持ちを思うと、やり切れなさと同時に、犯人への憤りを抑え切れなくなる。

 

だが、発生から約19年が経過した現在でも、犯人は捕まらないどころか、有力容疑者さえ浮かばず、2010年に改正された刑事訴訟法が施行され、殺人事件の公訴時効が撤廃されたため、捜査は未だに続行されている。

 この事件については、拙著『世田谷一家殺人事件――韓国マフィアの暗殺者』(角川文庫)で詳述しているので是非、そちらをお読み頂きたい。

 私は韓国人ヒットマンを実行犯とにらんで本人に直撃インタビューしたほか、被害者家族やヒットマンの周辺を徹底取材し、犯行の依頼主を浮かび上がらせることに成功して厳しく追及するなど、事件の全貌に迫ったつもりである

 ここでは、その韓国人ヒットマンと、背後に見え隠れする韓国の暗殺請負組織を中心に様々な角度から事件の真相や背景を考えてみたい。

 

・家中の壁には血が飛び散り、床は血の海と化すなど宮澤家は凄惨な状況になっていたのである。

 

未だに残る事件をめぐる七つの謎

この事件には、警視庁特捜本部が懸命の捜査を行ったにもかかわらず、19年経った今でも解決出来ていない七つの謎が存在する。

 まず、①侵入経路だ。即ち犯人はいったい、どこから宮澤家に侵入したのか、という点が定まっていないのだ。

 

・次に、②殺害の順番。犯人は宮澤家の人々をどういう順番で殺害したのか、という点である。

 

・これは後述する犯行動機面の謎にかかわることだが、この事件最大の謎とも言える③犯人はなぜ、小さな子供を含めた一家4人を皆殺しにしなければならなかったのかに繋がってくる。

 

誰がパソコンを操作したのか?

四番目の謎は、④犯人はいつ逃走したのか、であろう

 つまり、現場検証や周辺の聞き込み捜査から、犯人が逃走した時刻は31日午前10時過ぎと見られ、かなり遅くまで(と言うより、朝が来て明るくなるまで)宮澤家にとどまっていた可能性が出てきた。

 犯人は、1階の仕事部屋に置いてあったデスクトップ型のパソコンを操作した形跡があり、みきおさんの勤め先などにアクセスしたことが通信記録で明らかになっている。

 その通信記録によると、犯行後の31日午前1時18分と午前10時の2回、インタ―ネットに接続しており、マウスからも犯人の指紋が採取されている。

 つまり、犯人は犯行後10時間以上も殺人現場の宮澤家に居座り、4人の遺体が発見される約50分前までパソコンを操作していたことになる。

 犯罪者、特に殺人など凶悪犯罪を行った者は一刻も早く、そして、出来るだけ証拠を残さずに現場を離れたいと考えるのが普通で、この犯人は明らかにそうした犯罪者心理と矛盾する不可解な行動を取っていたのだ。

 

・それなのに、犯人は悠然とパソコンの電源を切り、玄関の鍵をきちんと掛けて(母親の「玄関の鍵を開けて入った」との証言を信じるのであれば………だが)、堂々と現場を去っていったと見られ、決定的な目撃証言も出ていない。

 いったい、なぜ犯人はそんな“ヤバい行動”を取ったのであろうか。

 これについては後に詳述するが、ここで言えるのは、犯人は⑤こうした不可解なパソコン操作でいったい、何を調べようとしていたのか――であり、これこそ五つ目の謎と言っていいだろう。

 もっとも不可解な行動を取ったという意味では、警察当局も同様であった。事件発覚当時、何と、現場の捜査員たちは犯人が31日午前10時過ぎまでパソコンを操作していたという重要情報を上層部の判断で知らされていなかったのだ。

 

・さて六番目の謎は⑥4人を殺害した後の犯人のおかしな行動である

 犯人はまず、キッチンの冷蔵庫を開け、2リットル入りペットボトルの麦茶に直接口をつけてラッパ飲みした後、今度はメロンを取り出し、皮を剥かずにそのまま齧りついたほか、ハムも丸齧りし歯形がくっきり残った食べ残しをキッチンに放置している。

 

・また犯人は家中を激しく物色しており、⑦何を探していたのかが七つ目の謎だ。

 

刃物を取り替え母娘の止め刺す

・犯人が宮澤さん一家と知り合いだったという仮説が成立すれば、これらの犯行は十分に可能であるし、私が実行犯と目する「李仁恩」を取り巻くグループなら文句なく出来るだろう。

 宮澤さん一家の周辺には、言葉の発達が遅れ気味の長男の教育問題に絡んで親しく交流している「金田秀道」(仮名)氏という宗教団体に関係する在日韓国人の男性がいて金田氏の間で金銭貸借をめぐりいろいろとトラブルがあったことが、世田谷一家惨殺事件の起きる原因となっている。

 この辺の事情については拙著『世田谷一家殺人事件――韓国マフィアの暗殺者』(角川文庫)をお読み頂きたいが、事業の失敗などで金に困っていた金田氏が宮澤家の財産を狙って、幼い頃から育ててきた「李仁恩」という若者に宮澤さん一家の殺害を命じたのが事件の始まりだった。

 

一端の特殊部隊兵士に成長して

・李は韓国京畿道出身だが、生まれつき頭の回転が遅かったらしく、韓国陸軍に入隊後は上官や古参兵に訳もなくいじめられた。そのため、次第に性格までおかしくなり、上官の一人が見るに見かねたのか李に除隊を勧め、彼も自らの意志で軍隊を辞め、故郷に戻ってきたと言われている。

 

・そんな彼はなぜか銃やナイフの扱い方に秀でたところがあり、身体能力も優れていたため、見事、傭兵部隊の入隊試験に合格し、傭兵部隊の一員となった。

 そこで連日、銃撃や格闘技、さらには特殊部隊の訓練を受けた際、李の性格や特技を理解し生かしながら指導してくれる上官に恵まれ、各種能力はメキメキ上達し、気がつくと一端の特殊部隊兵士として活躍するようになっていたという。

 

その後、地元韓国の暗殺請負組織からリクルートされ、組織が誇る有望なヒットマンとして注目され、その座を揺るぎないものにした

 李が世田谷事件の発生する10日前に日本に渡り、事件の翌日に台湾に出国していたことは、日本の入国管理局(現・出入国在留管理庁)の記録で確認出来ている。本人は私の直撃インタビューで犯行にかかわったことを否定しておらず、彼こそが「韓国から来たヒットマン」である可能性は極めて高いと言えるだろう。

 

・韓国内にはこの暗殺請負組織とよく似た新手のグループが次々と誕生し、お得意様である日本に上陸している。かつてのオウム真理教のように殺し屋候補を韓国の宗教団体に入れて洗脳するための学校とか、顔形だけではなく指紋まで変える裏整形業者、韓国の退役軍人が創設したボディガード研修所と称する私兵組織……などいかにも怪しい組織や団体が現れ、鎬を削っているのが現状だ。

 

宮澤さん一家と悪夢の接点があった………

・世田谷一家惨殺事件が持つ何とも言えぬ不可解さの所以は、宮澤さん夫妻に恨みを抱いたり、その金品を狙う者が何とも言えぬ不可解さの所以は、宮澤さん夫妻に恨みを抱いたり、その金品を狙う者が直接手を下さず、李のような第三者に殺害を実行させるという二重構造になっている点ではないか、と思っている。

 

・金田氏が所属する宗教団体の信者らに取材すると、金田氏は宗教団体内でかなりの実績を挙げたが、独断専行のきらいがあり、信者の評判は芳しくなかった。しかも自分の勢力拡大に必要な事業に失敗し、団体上層部への上納金確保に苦しんでおり、カネが欲しいという犯行動機を持つ金田氏は十分に主犯になり得る立場にあった。

 

・コリアンマフィアは日本国内でもパチンコ、スロット業界に加え、産業界にも積極的に進出。芸能活動を通じて、さらに政財界へと繋がっていくといわれる。

 

中国 「王将」とスーパー襲う悪い奴

大東社長射殺の裏に東北マフィアの影

・その事件は2013年12月19日午前5時45分頃、京都市山科区西野山射庭ノ上町にある企業の本社前で起きた。

社名は「王将フードサービス」だ。「餃子の王将」チェーンを全国展開するなど同社のやり手経営者として知られた大東隆行社長(当時72歳)が、本社前で何者かによって射殺された事件である。

 

君臨する台湾・香港マフィア

歌舞伎町は犯罪組織のオールスター

・もっとも、メンバーの団結力を誇る中国人犯罪組織、特にチャイニーズマフィアの台頭と活躍は、暴力団にとって物凄い脅威となった。

 

・歌舞伎町は彼らにとって「宝の山」であり、悪と欲の巣窟と化した。

 ピーク時には台湾マフィアやチャイニーズマフィアなどが経営するパブやクラブ、ディスコなどで不法に就労していた外国人女性は、留学生のバイトを含め5千人を超えており、外国人の売春婦の国籍は三十か国以上に上っていた。

 

女殺し屋「抱きつきのリン」

・日本国内にかかわる中国人ヒットマン派遣組織として、日本の警察当局が密かに把握しているものは四系統あると言われる。

 各組織のボスは上海や北京、大連など中国大陸にいることが多いため、在日中国人の代理人を通じて、依頼主からの要請や注文を受け付けるシステムが確立している。