日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

コンタクティやチャネラーの情報を集めています。

こうした状況から判断して、アメリカ民主党はいま党体制を改善できたとしても、2020年の大統領選挙戦にはとても勝てそうにない。(2)

 

人工頭脳AIを狂信する北京

・中国の習近平は「2030年までに中国は人工頭脳AIの覇者になる」と豪語している。突出したAI技術を駆使して、アメリカを圧倒する軍事戦略をたてる野望を抱いているが、すでに述べたようにAI技術の軍事的な活用という面では、アメリカがはるかに先を行っている。

 

電子マネーと借金漬けの中国経済

・中国にはおよそ5万社の国営企業があるといわれているが、香港の金融機関の報告によれば、そうした国営企業の負債は、すでにGDPの159倍に達しているという。

 

・中国が共産党一党の独裁という政治体制をとり続ける限り、中国の経済体制は資本主義を基盤とする正常な経済体制にはなり得ない。さらに危険なのは、中国の経済が安い賃金によるダンピング貿易によって成り立っている。国際的にみるといわば不正行為を基盤にしていることである。不法な経済活動によって拡大してきた経済に支えられた中国は、いくら軍事力を持とうが、私に言わせれば、スーパーパワーになる資格がない。

 

・フーバー研究所は膨大な予算をかけ、大勢の研究者を動員して、中国が将来どうなるかを研究してきた。フーバー研究所は「中国はもはやスーパーパワーになれないだろう」と結論づけているが、習近平アメリカへの挑戦は完全に失敗に終わったのである。

 このフーバー研究所の報告は、つい先ごろまでアメリカでもてはやされていたハドソン研究所の学者による、「中国とアメリカの戦いは長いマラソンのようなものだ」という考え方を否定している。私はハドソン研究所の研究員だが、中国についてはフーバー研究所の結論をとる。

 

崩壊し分裂するアメリカ政治

ロシア疑惑に関わるすべての問題を閉じてしまわずに、さらにトランプ大統領批判を続けると、いま渦巻きになっているワシントンの流れが津波になり、反民主党の動きになる危険が十分にある。

 いまここでアメリカの国民が正しい判断をすれば、2020年の大統領選挙でトランプ大統領に大勝利を与え、トランプ大統領が強い政治力を行使して、アメリカの政治を正常に戻すことになる。

 

アメリカのマスコミの構造的な欠陥

アメリカのマスコミの構造的な問題とは、アメリカのテレビ局や新聞社などの経営の基盤が非常に弱いことであるアメリカのビジネスのレベルで考えると、テレビ局や新聞社のビジネスとしてのスケールは、ほかのアメリカの企業と比べると小さく貧弱で、収益性が悪い。

 

失敗したアメリカ官僚のクーデター

アメリカ政治だけでなく世界外交を混乱させてきたトランプとプーチンの密約疑惑は、FBIや司法省の官僚たちがでっち上げたものであることが判明した。この人々の大統領に対するクーデターは失敗に終わったのである。

 

アメリカ理想主義の混乱と矛盾

・こうした状況から、2020年11月の大統領選挙では、トランプ大統領が再選される可能性がきわめて強くなっている。今の段階ではトランプ大統領は再選されると言ってもよいであろう。

 

・「トランプ大統領が自ら自覚しているかどうかは明らかではないが、彼は歴史を変えようとしている」

 

私は50年にわたってアメリカを見てきたが、この間にアメリカは、官僚体制が恐ろしく進み、社会が完全に硬直化してしまった。

 

アメリカには、リヴォルビング・ドア、「回転ドア」と呼ばれる現象がある。回転ドアをくぐるように、役人がシンクタンクに入り、そこからウオール街に移ったり、ジャーナリストが官僚になったりする。

 こうした回転ドア現象は、アメリカ民主主義の優れた点であるとされてきたが、つまるところは官僚化が進んだ結果、官僚の周りにビジネスマンや学者、専門家、ジャーナリストが結集するという現象が出来上がってしまったのである。トランプ大統領はこうした状況を打ち壊そうとしている。

 これに対して民主党は、新しい政策や政治哲学が無いまま、「国家は貧しい人を助けなければならない」という、社会主義的な考えに取りつかれてしまっている。その代表がオバマ大統領とその周辺の政治家である

 

・こうした状況を見ると、民主党トランプ大統領からホワイトハウスを奪い返すことはほとんど不可能であると思われる。さらに民主党にとって悪いニュースは、最も有力な候補とされているバイデン前副大統領に中国絡みのスキャンダルが浮上していることである。

 

急速に増える世界の核兵器

大きな円形の時計の針が零時2分前を指して世界を睨みつけている

 この円形の時計は、アメリカのシカゴにあるサイエンス・アンド・セキュリティ―委員会のロビーに掲げられ、世界の人々から「世界終末時計」ドゥームズディ・クロックと呼ばれている。

世界終末時計」は、核戦争が始まり世界が終末を迎える時を午前零時とし、それまであと何分かを示しているのである。

 

・その後冷戦が終わり、ソビエトが崩壊したこともあり、時計の針は17分まで戻され、世界の人々をほっとさせた。この時計の針が再び午前零時2分前に進められたのは、北朝鮮が水爆の実験に成功した2018年のことである。

 

そして2019年1月24日、時計の針は午前零時2分前にとどめられる決定がなされた。核戦争まであと2分という状態が2年も続いていることは、世界が危機的な状況にあることを示している。

 冷戦が終わって30年、世界は再び核戦争の新たな脅威に襲われている。このような状況になっているのは、アメリカとロシアに配備されている核兵器が急速に増えていることにあわせて、今後さらに核保有国が増大すると予想されるからである。

 

・「核戦争まであと2分」というのは、いつ核戦争が始まってもおかしくない状態であることを示しているが、さらに恐ろしいのはいまや、世界のどこの国であれ、核兵器を作ることが可能になっていることである。

 世界中に原子力発電所が普及して、核爆弾の材料である濃縮ウランや純度の高いプルトニウムを作ることが容易になっている。

 

・こうした状況をブロンソン博士らは、発展途上国である北朝鮮までが独自の力で高度な核兵器を開発してアメリカを脅かすという、これまで人々が経験しなかった「異常な核の恐怖の時代」と言っているのである。

 

核技術を盗み続ける危険な中国

・異常な核の時代、と言われる現在の危機的な状況のなかで、もっとも危険な現象の一つは核技術を盗み続けて核保有国になった中国が、核戦力の強化に突っ走っていることである。

 

・中国が1970年代の終わりから90年代、クリントン大統領の時代まで、あらゆる努力を傾け、アメリカから核兵器の技術を盗み取ったかを組織的に調査したのがアメリカ下院特別委員会で、1999年5月25日、その調査の内容を膨大な報告として議会に送っている

 この報告を見るかぎり中国の核戦力がすべてアメリカから盗んだ技術で作られたコピーであることははっきりしている

 

・いずれにせよ現在の中国の軍事力の根幹になっている核戦力はすべてアメリカから盗んだものであると言っても言い過ぎではない。トランプ大統領は、中国がアメリカから先端技術を盗んでいると非難しているが、核兵器をつくるために中国がやった盗みは、いまと比較にならないほど壮絶なものであった。

 

・サイエンス・アンド・セキュリティー委員会の核兵器碩学が言及してはいないものの、新しい核の時代に、もっとも大きな危機と脅威を世界に及ぼすのは中国であると言わざるをえない。

 いまブロンソン博士をはじめ世界の核の権威が注目すべきは、超大国であるとされている中国が実は遅れた脆弱な核国家であり、新しい核の脅威の時代には、もっとも危険な国であるという事実である。

 

核兵器が溢れる破産国家ロシア

いまや世界に核兵器が溢れているが、そのなかできわめて危険な事態は、政治的には破産してしまったロシアに大量の核兵器が溢れていることである。

 いかにロシアの状況が異常であるかは、15の社会主義共和国から構成されていたソビエト連邦が崩壊した後、あっという間にそれぞれの共和国が独立し、ソビエト連邦の中核であったロシアに核兵器がすべて残されていることに示されている。

 ロシアは冷戦時代、3万発を超す戦略核兵器と1万5000発を超す戦術核兵器保有していた。その核兵器のすべてが放置されているか、あるいは何らかの形で残されているのである。

 

アメリカや西側の核保有国と違っていたのは、核兵器を先制攻撃に使うと決めていたことである。つまり核兵器を先に使う戦略をたてて軍事訓練をくり広げていった。

 核兵器を先に使うというソビエトの考え方は、その後ロシアに引き継がれた。

 

核兵器を先に使うという戦略に基づいてロシア軍はあらゆる種類の核兵器保有している。ロシア陸軍は5キロトンという超小型の核弾頭を持った砲兵部隊を実戦配備して、数キロ先の敵を小型核兵器で攻撃する体制をとっているまた核地雷という恐るべき兵器も保有しており、実際に戦闘に使う体制をとっている。

 ロシア海軍核兵器に頼っていることはよく知られている。すでに述べたように魚雷に核弾頭を装備しているのをはじめ、海上艦艇は10キロトン程度の核弾頭を持つクルージングミサイルを搭載している。

 ロシア空軍がほかの国の空軍と際立って違っているのは、戦闘機が核爆弾を搭載していることである。

 

・戦闘機が核弾頭を搭載した空対空ミサイルを装備していることは、軍事常識から言えばきわめて異常なことだが、ロシア政府の首脳はそうは思っていないようである。

 

・ロシアの戦略は、現在北朝鮮アメリカとのあいだで行っている騙しの戦略の原型とも言える。

 

・しかしながら私の見る限り、現在の核の危険な状態を作り上げたのは、アメリカが間違って結んだソビエトとロシアとの核軍縮協定であり、その軍縮協定を利用して作り上げた強大なロシアの核戦力である。

 

世界が異常な核の時代に入ってしまった理由の一つは、破産国家であるロシアに核兵器が溢れているという事実だが、世界の核問題の碩学たちは、この点を指摘することを忘れている。

 

(当ブログ註;)「広島に落とされた原子爆弾リトルボーイ)は、TNT換算で約15キロトンである」といわれます。

 

同盟国の信用をなくすアメリ

・2019年4月、日米安保条約の実施についての話し合いが日米の外交防衛専門家のあいだで開かれ、中国が日本に対してサイバー攻撃をしかけた場合には、日米安保条約の適用範囲の問題として、アメリカ軍が中国の攻撃基地を攻撃することを決めた。

 

・技術的にみて、日本に対する中国のサイバー攻撃の拠点を見つけることはきわめて難しい。私はハドソン研究所の研究の一環として、1990年代からこの問題を研究し続けているがサイバー攻撃というのは多くの場合、幾つかの発信拠点を経由して行われるのが通例である。つまり中国が北京にある拠点から東京の外務省や防衛省、さらには総理府対してサイバー攻撃をかける場合、直接攻撃を行うことは絶対にありえない。

 1990年代の初歩的な研究のなかで推定されたのは、次のようなルートであった。北京から発信された信号は中東の中国寄りの湾岸国家のどこかに転送され、そこから中国寄りのカタールオマーンに転送され、さらにアフリカの中国に近い腐敗国家マリやナイジェリアに転送される。そこからさらに、アジアのインドネシアや、あるいは中国側の島々に転送され、そこから日本を攻撃する。

 

・「サイバー攻撃の原点を攻撃中に見つけ、それに対して何等かの反撃を行うことは、不可能とは言わないが、想像を絶する難しい仕事になる

 

・「アメリカ側があらゆる技術的な問題を乗り越えて、中国の日本に対するサイバー攻撃の基地と現場を押さえたとしても、アメリカ側がその基地に対して簡単に攻撃を加えられるとは思われない。攻撃できたとしても中国が、アメリカ本土の同じような基地に対して報復攻撃を行うことは必至だと思われる

 

日本に求められる強力な抑止力

そうした状況が変わり、北朝鮮が核を保有し、イラン、さらにはサウジアラビアなどといった国々が核兵器を持つことになれば、偶発戦争的な核戦争が起きる危険が高まり、世界が不安になってしまう。確かに非常事態であり、まさに異常な核の時代である。

 

・少し乱暴な結論とは思うが、アメリカとソビエトが互いに核兵器を持ったことによって紛争が起きないという現象も世界各地にみられる。インドとパキスタンが核保有になった結果、これまで戦いをくり返してきた南西アジアの軍事情勢が安定し、インドとパキスタンが銃火を交えることはなくなってしまった。

 

人類の歴史を紐解いてみると、現在のように科学技術が発達し、遠く離れた国と国の対立や戦争が重要になってくる以前、少なくとも第1次大戦に至るまでの世界は、国境を接した国家同士の戦いが争いの主流であった。この国境を接する国と国の対立では、常に相互の軍事力が拮抗している、つまりある種の相互抑止が働いているあいだには戦争にならなかった。だがそういった相互抑止が崩壊した場合には、必ずと言っていいほど軍事力で優位にたつ方が侵略戦争を始めた。逆にまた抑止を破られたが方が奇襲攻撃をかけるというのが通例であった。

 こうした相互の力の均衡に基づく抑止力が破れるには幾つかの原因があった。軍事技術の向上、指導者たちをめぐる対立や内紛、経済や食料供給の問題といったものが、安全保障上のバランスの崩壊をもたらした。

 

世界の核問題の碩学たちは、そういったアメリカの帝国主義的な体制が崩壊してしまった混乱を異常だと指摘しているのである。そういった状況のなかで、日本の安全と世界の秩序を維持するためには、これまで日本がまったく考えてもみなかった抑止力を日本が自らの力で持つことが重要である。日本が独自の抑止力を持たなければ、日本の国そのものが徐々にではあるが、崩壊してしまうことになる。

 

・日本が独自の抑止力を構築するには莫大な経費が必要である。アメリカや中国が作り上げている安全保障体制を持つには、日本のGDP10年分という膨大な経費が必要となる。そのうえ日本は国土が狭く、核戦争になった場合の被害吸収能力、つまり攻撃に耐える力がきわめて弱いところから不利な立場に立たされている。

 

我々はまず、敵に使わせないために使える核兵器を維持する必要があること、核兵器が最終的な抑止力としての兵器であることを理解しなければならない天皇制をはじめ日本の仕組みを守るために、使えない核兵器を抑止力として持ち、邪悪な国々が日本に対して核兵器を使えない状況を作らなければならない。

 

 

 

『AI時代の新・地政学

宮家邦彦   新潮社   2018/9/13

 

 

 

AI兵器

AI時代を迎え、従来の地政学の常識は大きく書き換えられていく。戦略兵器となった「AI兵器」が核にとって代わり、熱い戦争ではなく「水面下の刺し合い」が主戦場となる可能性すらある。

 

国際情勢分析を仕事とする身としては、現在起こりつつあるAI革命が伝統的な地政学的思考に如何なる影響を及ぼすのか、考え続けざるを得ない。

 

・伝統的地政学とは、ある民族や国家の地理的状況や歴史的経緯に着目し、当該国家・民族や関連地域への脅威およびその対処方法を考える学問だ。

 しかし、特定の国家が有する地理的・歴史的状況はそれぞれ大きく異なる。安全保障上の利害関係に関しては、全世界共通の傾向や法則などそもそも存在しない。

 

・でも恐れる必要はない。これは日本にとってピンチであると同時にチャンスでもある。世界の一流国として21世紀に生き残っていけるかもしれない。逆に、この大変革期に及んでも従来の不作為と受動的対応を繰り返せば、人口減少による二流国への転落が確実に待ち受けている

 

AI革命で激変する地政学

・しかし、筆者が懸念するのは、日本での主たる関心事がAIのビジネスに与える影響であるのに対し、他の主要国では政治・軍事に与える影響についてもその研究に多大な人的・財政的資源が投入されていることだ。

 

第5次中東戦争はもう始まっている

・ところが、最近の情報通信処理・AI技術の飛躍的進展は、伝統的地政学が示す優位・劣位の環境を逆転させつつある。従来の強者が弱小集団に簡単に敗れる可能性が出てきたのだ。

 

・その典型例が、カタルに対するハッキングやレバノンのサイバー戦遂行能力の向上だ。例えば、昔ならレバノンからカタルに直接攻撃がなされる可能性はほぼゼロだった。が、今やレバノンのような人口の少ない貧乏国でも、サイバー空間では相当程度の攻撃力を得ている。なぜこんなことが可能になったのか。

 

・サイバー戦の世界では防衛よりも攻撃の方が遥かに安上がりである。

 

・特に、攻撃ソフトを扱う闇市場では入手コストが大幅に下落している。

 

だから最近は、伝統的優勢国でも弱小国の攻撃を抑止できなくなっている。

 

巷では「AI技術が経済やビジネスを変える」といった議論が盛んだが、AIには伝統的国際情勢分析の常識を破壊する力もある。

 

AIが作る芸術には創造性はあるのか

・結局、人間は進化したAIに支配されてしまうのか。そこで問題になるのは、AIが人間の能力を超える、いわゆる「シンギュラリティ」の概念だ。シンギュラリティが本当に現実となるか否かについても議論がある。

 

AI革命はダークサイトを変えるか

・ラッダイド運動から50余年後の1864年、ロンドンで第一インターナショナルが結成されたが、AI革命の結末は2つ、第1はダークサイドの拡大と過激化であり、第2はネオ社会主義の台頭の可能性だ。10年後の世界は大量の失業者の不満と怒りを誰が吸収するかにかかっている。

 

AI革命と米中の地政学

・AI技術による米中の力関係の変化は日本の安全保障に直結する重大問題だ。日本もAIの軍事応用を本気で始める必要がある。

 

AI革命と米露の地政学

・ロシアがAI分野で米国に勝つことはなさそうだが、ロシアが米国以上に、他国を実際に攻撃・占領することの政治戦略的意味を熟知していることだけは間違いない。米露競争は今後も緩むことなどあり得ない

 

AIと日韓、日朝、日中の地政学

・問題は対中関係だ。既に触れた通り、中国のAI技術革新は目覚ましい。しかも、その多くは中国国内の社会管理や言論統制など独裁体制を維持するための活動に応用されている。個人のプライバシーを保護することなく、10億人以上ものビッグデータを活用できる中国が国内の管理統制体制を完成させれば、次のターゲットは潜在的敵性国家である日本となるだろう。

 

AI革命は戦争をどう変えるのか

・80年代にはIT革命が米ソ冷戦の終焉とソ連邦崩壊をもたらしたが、2020年代のAI革命は一体何を引き起こすのだろうか。

 

・しかし、民間主導で急速に発展しつつあるAI技術の軍事転用を条約などで規制することは、航空機や核兵器と同様、事実上不可能だろう。

 AI軍事技術のもう1つの問題点は、議論が兵器システムという戦術面の核心に集中していることだ。AI軍事技術の最大の問題は無人兵器運用の是非などではなく、それが国家軍事戦略を根本から変えてしまう可能性である。

 

AI革命で変わる国家戦略論

  1. AIが国家軍事戦略を変えるということは、AIが核兵器に代わり、「戦略兵器」になり得ることを意味する。戦略兵器とは、それだけで敵の戦意を喪失させ、自らの勝利を保証する究極兵器だ。
  2. AI兵器が敵の戦意を喪失させるとは、核兵器を使わずに、AI兵器だけで、敵国の「大量破壊」が可能になるということだろう。
  3. 現在、核兵器は「使いにくい」兵器となりつつあるが、AI兵器は従来タブーだった「大量破壊」をより容易に、かつAIだけの判断で、実行し得るようになるのだ。
  4. これを阻止するには、敵のAI軍事能力を減殺する「対AI軍事技術」を実用化していくしかない。

 

・そんな未来を議論している米国と比べ、日本は今もAIの軍事応用はタブー、「対AI軍事技術」の議論も皆無だ。これも背筋がぞっとする話ではないか。

 

AIを悪魔にするのは人間である

・当面は「AI」対「人間」の戦いにならない

・AI同士の戦いで優れたAIが勝利する

・AIを悪魔にするのは機械ではなく人間である

 

<AI革命時代に日本がすべきこと>

・(AI時代に日本が何を考え、何を実施すべきか。論点は4つある。)

・AI革命の影響・効果は経済分野だけではない

・AI革命は短期的に社会的格差拡大を助長する

・AIは軍事・安全保障分野でも革命を起こす

今、重点投資すべきは「対AI軍事技術」である

 

・(では日本は何をすべきか。幾つか提言しておきたい。)

・戦後空想的平和主義からの脱却

・AI技術の軍事応用に関する研究者の養成

・AI技術の軍事応用に対する予算配分

・対AI兵器技術の重点的な研究・開発

 

歴史の大局観を磨く

大局を読む直観力を養う方法

・筆者が直観力に拘わるのには理由がある。

 今の日本は国家としての大戦略を欠いている。大戦略を立案するには、20~30年後の世界の国際政治・軍事戦略環境についての冷徹な見通し・シナリオを持つ必要がある。

 

・歴史の大局が発生するためには、それに至る一連の流れが必ずある。その流れを左右するのが歴史の「ドライバー」という概念だ。

 

歴史の大局を左右する「ドライバー」とは

英国の戦略思考家は、国際情勢を左右する主な要因を「ドライバー」と呼んで重視するが、森羅万象の中からこれを見付けるのは意外に難しい。

 

・「ドライバー」「エピソード」「トリビア」に分類する癖をつける

 

・歴史を学び、常に過去と照合する癖をつける

 

・知ったかぶりは厳禁、「知的正直さ」こそが武器になる

 

・では現在の筆者は一体何を「ドライバー」と見るのか。キーワードは、欧州ではロシアのクリミア侵攻、中東では米軍のイラク撤退、東アジアでは中国公船の尖閣領海侵入。ロシアの侵攻でポスト冷戦期は終わり、米軍の撤退でイラクとシリアが破綻国家化し、中国が東シナ海の現状を変えた。いずれも地域情勢を左右する力があると思うからだ。

 

・あるファンドマネージャーが書いたこんな記事を見付けた。「過去の値動きを現在と照合すれば、大局を見失わず冷静に判断できる」――。なるほど、市場と歴史は似ているようだが、1つ違いがある。市場の大局が読めれば大富豪だが、歴史の大局を読めても大儲けはできない。

 

「力の真空」理論と北朝鮮情勢

・「力の真空」状態では、基本的に、最強の部外者が最大の分け前を得る。

・最大強者が動かない場合には、弱い部外者でも分け前に与れることがある。

・部外者が介入しない場合には、破綻国家となるか、新たな独裁者が生まれる。

 

ということだろう。この仮説を北朝鮮に当てはめると何が見えるのか。北朝鮮の「終りの始まり」は「力の真空」を暗示する。中国にとって核武装する北朝鮮はもはや緩衝地帯ではなく、むしろお荷物になりつつある。

 

中国人とアラブ人の5つの共通点

・カイロ、バクダッド、北京に合計8年住んだ体験で申し上げれば、両者のメンタリティは驚くほど似通っている。典型的な共通点を5つ挙げよう。

  1. 世界は自分を中心に回っていると考える
  2. 自分の家族・部族以外の他人は信用しない
  3. 誇り高く、面子が潰れることを何よりも恐れる

アラブ人を怒らせる最も簡単な方法は公の場で相手を非難し、その面子を潰すことだが、この手法は中国でも十分通用する。但し、効果は覿面なので、あまり多用しない方が良い。

  1. 外国からの援助は「感謝すべきもの」ではなく、「させてやるもの」

流石に今このようなケースは少なくなったが、2000年当時の北京国際空港は日本の経済協力により建設されたものだった。当時中国政府は「日本政府の支援に感謝する」なる一文を空港内に掲げることに強く抵抗していた。恐らくアラブ諸国ではこうしたメンタリティが今も残っているのではなかろうか。

  1. 都合が悪くなると、自分はさておき、他人の「陰謀」に責任を転嫁する

アラブ人は米国とシオニストの「陰謀論」が大好きだが、中国も同様。何かといえば、「歴史問題」と「抗日愛国戦争勝利」を持ちだすあたりは、アラブの独裁政権とあまり変わらない。

 

<中国人と中東人はここが違う>

・まとめてしまえば、中東のアラブ人とアジアの中国人の共通点は、①自己中心、②部外者不信、③面子重視、④援助不感謝、⑤陰謀論好きとなる。だが、筆者がアラブ人気質と信じたこれらの性格は、実は中国人だけでなく、開発途上国の国民が共通して持つ「劣等感」の裏返しなのだ。

 

ユダヤ陰謀論に陥るな

・その典型例が「ワシントンやニューヨークなどにいる在米『ユダヤ人』の陰謀」論ではなかろうか。これらの陰謀論が如何に間違っているかを具体例と共に説明しておこう。

 2016年、全米ユダヤ委員会(AJC)の年次世界大会にパネリストの1人として招待された。

 AJCの活動を知る日本人は少ない。ウィキペディアの日本語版もあまり詳しくない。AJCは1906年設立の国際ユダヤ弁護団体だ。その監視対象は米国内の反ユダヤ主義に止まらず、国内及び世界での様々な差別や人権侵害行為に広がる。

 

・大会に参加して強く感じたことがある。第1は、世界の現状と将来に対する彼らの強い危機感だ。

 

・第2は、国際ユダヤ運動の多様性である。

 

・第3は、彼らの圧倒的な知的力量だ。差別というキーワードで彼らは世界各国の情勢を詳細に分析、議論している。この膨大な知的活動がAJCを支えている。これだけでも、今も巷に流布する「ユダヤ陰謀論」の空虚さが判るだろう。

 

・AJ(アメリカン・ジュー)は何よりもユダヤ人の故郷イスラエルの利益を優先する。米国市民でありながら、イスラエルに冷淡なオバマ政権には批判的だ。

 

ユダヤ・ロビーとイスラエル・ロビー

・2000年に当選した息子ブッシュ大統領はこれを一変させた。ユダヤ票の獲得が目的ではない。彼は親イスラエル傾向の強い3000万票以上とも言われる「キリスト教右派」「福音派エヴァンジェリカル)」の票が欲しかったのだ。

 この傾向はトランプ政権で一層顕著になった。トランプ氏を熱烈に支持した層は「白人、男性、ブルーカラー、低学歴」だといわれるが、そこには多くの福音派キリスト教徒が含まれる。彼らは聖書を厳密に解釈し、「神は、シオンの地をアブラハムの子孫に永久の所有として与えられた」という教義を字義通り信じている。こうしたキリスト教シオニストにとって、エルサレムイスラエルの首都であるのは教理上、当然だ。トランプ氏が内政上必要とするのは、こうした福音派キリスト教徒の支持なのである。

 

「核の脅威」の本質

・そもそも北朝鮮を如何に見るべきか。あれは国家などではなく、従業員2500万人以上の巨大な超ファミリー・ブラック企業だと考えた方が良さそうだ。

 

北朝鮮「売り家と唐様で書く三代目」

・社員たちはなぜかくも従順なのか、それがブラック企業の恐ろしさだ。オーナー一族の独裁は強大だから、抵抗すれば直ちに捨てられる。再就職は不可能だから服従するしかない。

 

・だが、この三代目の弱点は、致命的に世間知らずなことだ。思い上がった三代目、唐様ばかりが得意のようで、創業者とは月とスッポンである。

 

北朝鮮「宥和政策」は機能するのか

・歴史の教訓は無慈悲である。強硬策を決断した敵対者に宥和政策は通用しないのだ。

 

周辺の大国に翻弄される「朝鮮」外交

朝鮮は、常に強国に朝貢することで周辺の大国間のパワーバランスを維持し、自国の独立を守ろうとした。

 

・中華は、朝貢を続ける朝鮮を保護しつつ、恭順を示さない朝鮮に対しては常に厳しい態度を取った。

 

・朝鮮への地政学的脅威は女真や日本など非漢族の異民族であり、中華は必ずしも脅威ではなかった。

 

朝鮮内部ではエリート間権力闘争が長く続いたが、対外政策はそうした政策論争の重要な要素だった。

 

半島「力の真空」ゲームを各国は如何に戦うか

・トランプ政権以降、米中露間競争は新段階に入る。

北朝鮮で「終わりの始まり」「力の真空」が生じる。

・「真空」では最強部外者が最大の分け前を得る。

・最強部外者が不介入なら、次なる部外者に益する。

・部外者が不介入なら、破綻国家か新独裁者が生まれる。

 

ちょっと変わっているが、素晴らしい国

外務省を辞めて分かった格差の拡大

・この「官民」でまず大きく違うのはカネの出入り。当然と言われようが、官僚は国民の納税「義務」に支えられているのに対し、民間には物品の消費「義務」などないから、人々は自力で収入(売上)を確保せねばならない。

 

長々と昔話をした理由は他でもない。10年以上前に感じたこの「官民」「民民」の格差は、今や解消するどころか、逆に一層拡大しているように思えるからだ。

 

 

 

『米中戦争 そのとき日本は』

渡部悦和  講談社  2016/11/16

 

 

 

ライバルを必ず潰してきた米国

・日米関係について言えば、1970~90年代における米国の経済面での最大のライバルは日本であった。ハーバード大学エズラ・ヴォーゲル教授が1979年に書いた『ジャパン・アズ・ナンバーワン』は有名だが、多くの米国人が日本に脅威を感じていた。とくに日本経済の黄金期であった1980年代の米国人は日本を最大の経済的脅威として認識し、日本に対してさまざまな戦いを仕掛けてきた。その典型例が日米半導体戦争である。半導体分野で首位から転落した米国のなりふり構わぬ日本叩きと熾烈な巻き返しは米国の真骨頂であった。こうした米国の仕掛けが成功するとともに、日本の自滅(バブルを発生させてしまった諸政策と、バブル崩壊後の不適切な対処)も重なり、バブルを崩壊後の失われた20年を経て日本は米国のはるか後方に置いて行かれたのである。そして今や中国が米国にとって最も手強い国家となっている。

 

スコアカード・5つの提言

ランド研究所では「紛争開始時の米軍の損害を減少させ、勝利を確実にする」ための、5つの提言を行っている。

  • バランス・オブ・パワーの変化は米国に不利なトレンドではあるが、戦争は北京にとっても大きなリスクであることを明確に認識させるべきである。
  • 兵器調達の優先順位においては、基地の抗堪性(余剰と残存性)、高烈度紛争に最適なスタンドオフ・システムで残存性の高い戦闘機及び爆撃機、潜水艦戦と対潜水艦戦、強力な宇宙・対宇宙能力を優先すべきである。
  • 米国の太平洋軍事作戦計画策定においては、アジアの戦略的縦深(地理的な縦深性、日本などの同盟国が米国の緩衝地帯を形成することに伴う縦深性)を活用する。米軍がこうむる当初の打撃を吸収し最終目標に向かっての反撃を可能にする(積極拒否戦略)を考慮すべきである。その結果、中国近傍の地域を静的に防護することは難しくなるであろう。
  • 米国の政治・軍事関係者は、太平洋の島嶼諸国及び南東アジア南部の諸国とも連携しなければならない。これは、米国により大きな戦略的縦深と、米軍により多くの選択肢を提供することになる。
  • 米国は戦略的安定・エスカレーション問題において、中国に関与する努力を続けなければならない。

 

スコアカードに関する筆者の評価

日本の安全保障に与える影響

  • 本報告書には日本防衛に影響を与える記述が随所にあり、その記述を詳細に分析する必要がある。例えば、「嘉手納基地に対する比較的少数の弾道ミサイル攻撃により、紛争初期は緊要な数日間基地が閉鎖、より集中的な攻撃の場合は数週間の閉鎖になる可能性がある。米国の対抗手段により、その脅威を減少させることができる」などといった記述である。

 とくに台湾危機シナリオは日本防衛に直結する。台湾の紛争が在日米軍基地への攻撃などの形が我が国に波及すれば、日本有事になる。南西諸島の防衛をいかにすべきか、在日米軍基地を含む日本の防衛態勢をいかにすべきかを真剣に考える契機とすべきである。台湾や南シナ海の危機は日本の危機でもあるのだ。

 

  • ランドの研究グループは、作戦構想としてのエア・シー・バトルを採用しているために、「アジアの戦略的縦深を活用し、米軍がこうむる当初の打撃を吸収し最終目標に向かっての反撃を可能にする「積極拒否戦略」を考慮すべきである。中国近傍の地域を静的に防護することは難しくなるであろう」と提言しているが、この提言は重要だ。要するにこれは、「危機当初は米空軍・海軍が中国軍の打撃を避けるために後方に退避し、反撃を準備してから攻勢に出る」という意味である。米国の同盟国である紛争当事国は米軍の反撃が開始されるまで中国軍の攻撃に耐えなければいけない—―「積極拒否戦略」にはそのような意味が込められている。
  • 我が国においても、ランド研究所のシミュレーションを上回る分析が必要であり、詳細かつ妥当な分析に基づく防衛力整備、防衛諸計画策定がなされていくことを期待する。

 

キル・チェインとC4ISR能力

弾道ミサイルなど、長射程兵器の「キル・チェイン」と、それを可能とする指揮・統制・通信・コンピュータ・情報・監視・偵察{C4ISR}の能力はきわめて重要である。キル・チェインとは、ほぼリアルタイムで目標を発見、捕捉、追跡、ターゲティング(目標指示)、交戦(射撃)の効果を判定する—―という、一連のプロセスを指す。

 

東日本大震災時に軍事偵察を活発化させた中国・ロシア

筆者が最も恐れる最悪のシナリオは、同時に生起する複合事態である。2011年に発生した東日本大震災は複数の事態が同時に生起する複合事態であった。当時の自衛隊は、地震津波原子力発電所事故に同時に対処する必要に迫られた上、周辺諸国の情報偵察活動も続けなければならなかった。多くの日本人は知らない事実だが、当時、自衛隊が大震災対処で忙殺されている間に、その自衛隊の警戒態勢を試すかのように周辺諸国(とくに中国とロシア)が軍事偵察を活性化させた。その姿勢には強い憤りを感じたものだ。しかし、それが我が国周辺の厳しい安全保障環境であると改めて実感したことを思い出す。

 筆者が恐れる「同時に生起する複合事態」の一例は2020年に開催される東京オリンピック関連である。この大会に備えてテロやサイバー攻撃への対策が議論されているが、大会直前や開催中の首都直下地震の発生及び対処は考えられているだろうか。

 筆者がさらに恐れる同時複合事態は、首都直下地震(または南海トラフ大震災)の発生に連動した日本各地でのテロ活動、もしくは、尖閣諸島など日本領土の一部占領である。

 

日中紛争シナリオ

各シナリオ共通の事態

・いかなる日中紛争シナリオにおいても、非戦闘員ないしは特殊部隊による破壊活動は必ず発生すると覚悟すべきであろう。平時から中国軍や政府機関の工作員、そのシンパで日本で生活する中国人、中国人観光客が、沖縄をはじめとする在日米軍基地や自衛隊基地の周辺に入っていると想定すべきである。

 

中国の準軍事組織による「尖閣諸島奪取作戦」

中国は常套作戦としてPOSOW(準軍事組織による作戦)を遂行し、米国の決定的な介入を避けながら、目的を達成しようと考える準軍事組織による作戦の特徴は、①軍事組織である中国軍の直接攻撃はないが、中国軍は準軍事組織の背後に存在し、いつでも加勢できる状態にある。②非軍事組織または準軍事組織が作戦を実行する。例えば、軍事訓練を受け、ある程度の武装をした漁民(海上民兵)と漁船、海警局 の監視船などの準軍事組織が作戦を実施するのである。この準軍事組織による作戦は、南シナ海—―ベトナム、フィリピン、インドネシアに対して多用され、確実に成果をあげている作戦である。

 

・以上の推移で明らかなように、この作戦には軍事組織である中国海軍艦艇が直接的には参加しない。日本側から判断してこの事態は有事ではなく、平時における事態(日本政府の言うところのグレーゾーン事態)であり、海上自衛隊は手出しができない。尖閣諸島に上陸した漁民を装った海上民兵を排除するためには大量の警察官などの派遣が必要となる。法的根拠なく自衛官を派遣することはできないからである。

 中国の準軍事組織による作戦は、日米に対してきわめて効果的な作戦となるだろう。なんといっても日本の法的不備をついた作戦であり、自衛隊は手出しができない。

 一方、米国にとっても準軍事組織による作戦に対して米軍が対応することはできない。つまり、こうしたケースの場合は米軍の助けを期待することができないため、これらの事態の対処は当事国の日本が単独であたらなければならない。