日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

コンタクティやチャネラーの情報を集めています。森羅万象も!UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象といわれます。

「この世界的パンデミックは9.11同時多発テロ(2001年)と3.11東日本大震災(2011年)に引き続き、イルミナティカード(1995年発売)に完ぺきに予告されている「災厄」である!」(4)

 

『シフト  2035年、米国最高情報機関が予測する驚愕の未来』 

マシュー・バロウズ  ダイヤモンド社  2015/11/20

 

 

 

迫りくるメガトレンドと、急速に変化する国際環境

日本では少子高齢化が急速に進んでいる。それは、高齢化が進んでも経済の活力が失われるわけではないことを世界に示すチャンスでもある。世界経済の成長が減速すれば、あらゆる国の未来は暗くなる。日本は、ロボット工学や自動化技術など新しいテクノロジーを考案し、実用化するリーダーだ。こうした技術は雇用の減少につながるおそれがあるが、日本、アメリカ、そして中国も含む先進工業国が現在の生活水準を維持するには、退職年齢の引き上げや、働く女性の増加、労働市場流動性確保や移民の受け入れ拡大など、より破壊的な改革が不可欠だ。西側世界の衰退を食い止めるには、日本とヨーロッパとアメリカが、高齢化問題に取り組むことが非常に重要だ。

 

中国の動向は、日本だけでなく世界じゅうに重大な影響をもたらす。中国は過去30年にわたり目覚ましい成長を遂げてきた。世界の歴史を振り返っても、これほど長期にわたり一貫した高成長を維持した国はない。しかしいま、その勢いは鈍化し、政府指導部は右肩上がりの成長に慣れた人民に、雇用などの経済的機会を与えるのに苦労している。

 

・こうした困難に直面したとき、多くの国の指導者はナショナリズムをあおり、人民の目を国内の問題からそらしてきた。ナショナリズムは、2度の世界大戦に先立つ帝国主義エスカレートさせ、20世紀半ばのヨーロッパを衰退させた。一部の専門家は、アジアが同じ道を歩むことを危惧している。東シナ海と南シナ界における中国と日本など近隣諸国の緊張の高まりは、危険な大戦争の前兆であり、21世紀のアジアの繁栄をむしばむおそれがあるというのだ。

 しかし歴史が繰り返すとは限らない。人類は過去の失敗から学ぶことができると、私は強く信じている。

 

・CIA本部のロビーには、聖書の一節が壁に刻み込まれている。「………されば汝は真実を知り、真実は汝を自由にする」。これこそが未来のトレンドを分析する目的だと、私は思う。未来について知識がありながら、それに基づく行動を起こさないなら、物事がうまくいかなくなったとき、私たちは自らを責めるしかない。

 

<軍事だけでは21世紀の競争を生き残れない>

・未来は予測できるのでしょうか――私はよくこう聞かれる。もちろん答えはノーだ。未来を映し出す水晶の玉はどこにもない。

 

ホワイトハウスの戦略顧問室は、オバマ政権にも引き継がれて、省庁横断的に戦略を見直し、「国家安全保障戦略」を定期的に作成している。しかしいまも危機管理計画には長期的な戦略が欠けている。国防総省には体系的な計画があるが、非軍事分野にはない。

 

フランス革命に匹敵する「シフト」

ディケンズが小説で描いたフランス革命産業革命が、ナショナリズム階級闘争と民主主義政治の新しい時代をもたらしたように、現在もこれまでとはまったく異なる時代をもたらすディープな構造変化が起きている。アメリカ原住民のことわざにもあるように、「新しい音楽には新しい踊りが必要」だ。

 

・未来がSF小説のようになるとは、私も思わない。確かに大きな構造変化はもう起きていて、SF小説家ウィリアム・ギブソンが言うように「未来はすでにここにある。ただ均一に広まっていないだけ」かもしれない。

 

<国家機密に関わり続けた半生>

・NIC(米国国家情報会議)は、1990年代半ばから、大統領選のサイクルにあわせて4年ごとに未来のトレンドを予想する大がかりな報告書を作成するようになった。NICのメンバーは、人口動態やグローバル化や環境の変化など、それまで十分な関心が払われていなかった要因が世界に変化をもたらしていることを認識していた。報告書作成のもう一つの目的は、これまでにない専門知識を情報コミュニティに取り込むことだった。こうして15~20年先を見据えた報告書『グローバル・トレンド』が誕生した。

 

「米中戦争」の現実的な可能性

・未来の国際関係を語る場でも、最後は中国とアメリカの関係が話題になった。ある人物は次のように語った。「新冷戦が起きるとは思わない。ゼロサムの競争にはならないだろう。アメリカも中国も最悪のシナリオを避ける戦略を取っている。ただ、その最悪のシナリオの可能性が両国で高まっていることが心配だ。最悪のシナリオを目立たないようにし、協力のチャンスを逃さないようにする必要がある」

 

・だが、悲観的な見方もあった。「当然の帰結として、中国とアメリカが対決するときが来るだろう。軍事的な衝突でなくても、一方が相手に自分の意志を押しつけようとする。紛争になれば、地域と世界の安全保障を著しく脅かすことになる。中国の台頭が米中関係のハードルになると考えるアメリカ人もいるようだ」。

 

<遠のくアジアでの覇権的地位>

・私がこうした意見を聞いたのは、2012年5月のことだ。それ以降、中国は東シナ海で日本と、南シナ海でフィリピン、ベトナム、マレーシアと領有権争いを繰り広げ、東アジアの緊張を高めた。また、これらの国はアメリカと接近し、中国がアジアで覇権的な地位を固めるチャンスは遠のいた。アメリカがいわゆる「軸足」を東アジア地域に置くと宣言したことは、世界経済の新しい中心で国益を守ろうとするアメリカにとって大きな「押し」となり、東アジア諸国は中国と距離を置く「引き」につながった。中国指導部は、愛国主義的な主張をすれば、人民の目を国内の問題からそらし、新たな経済目標に動員できると考えているようだ。しかしその代償は大きい。

 

・だがアメリカでは、中国に対する不信感が大きくなっている。2013年半ばのビューの世論調査では、アメリカの中国に対する意識が2011年以降急激に悪化したことがわかった。中国を好ましくないと考える人は52%にも上り、好ましいと答えた人は37%しかいなかった。

 

<世界に関わらないわけにはいかない>

・ただし現実的に可能性が高いのは、中国が強くも弱くもなく、しばらくは移行に苦しむシナリオだ。中国は今後も世界最大の経済大国の座に向けて成長を続けるだろうが、1人当たりの所得の伸びは鈍化し、既得権益層の反発で経済改革が進まず、一般市民の不満は高まるだろう。そのはけ口として愛国主義は今後も利用されるだろうが、大戦争が勃発するきっかけは見当たらない。このシナリオで大きく懸念されるのは、愛国主義が高まって、政府がその暴走を食い止められなくなることだ。とりわけ日本が関係している場合は難しくなるおそれがある。中国ではいまでも、日本は第2次世界大戦中に中国でやったことに対する反省が足りないという意識が強い。

 

<日本は「過去」の国になる> 

日本は中国との差が拡大しているが、「中の上」程度のパワーを維持するだろう。ただし大規模な構造改革を実行すれば、という条件がつく。日本は政治、経済、社会の改革を進めて、少子高齢化、産業基盤の老朽化、不安定な政治情勢に対処する必要がある。人口が減るため、出稼ぎ労働者に対する長期滞在ビザの発給など、新しい移民政策を検討する必要にも迫られるだろう。ただ、日本人は外国人の受け入れに消極的なため、この問題はなかなか乗り越えられないだろう。

 

・日本の労働年齢人口は絶対数が減る反面、10代後半~20代には仕事がない未熟練労働者が大勢いる。このことはホワイトカラーの人手不足をもたらすだろう。女性の社会進出(企業幹部への登用を含む)推進政策は、人手不足を補う助けになるかもしれないが、それが出生率のさらなる低下をもたらしたら元も子もない。日本ではいまも文化的に、母親が家にいることが理想と考えられており、女性が家庭と仕事のバランスを取るのは難しい。しかし実は、日本の女性の労働力参加率はさほど低くない。61%という数字は、アメリカ(62%)。イギリス(66%)、ドイツ(68%)と大差ない。

 

<ドイツはイギリスより先に没落する>

・経済が好調なドイツは、当面はEUのリーダーの役割を果たすだろうが、少子高齢化という時限爆弾を抱えている。現在、ドイツの人口はフランスやイギリスよりも多いが、2050年までに逆転する可能性がある。フランスとイギリスのほうが移民が多いからだ。最新のCEBR(ロンドンの経済経営研究センター)の予測では、イギリスは2030年までに西ヨーロッパ最大の経済大国になりそうだ。イギリスの人口動態がドイツよりも好ましいことがその一因となっている。

 

アメリカは日本を守らない>

・日本は20年にわたる経済停滞を経て、安倍晋三首相が思い切った措置を取り、緩やかな衰退とは異なる未来をつくろうとしている。日本は少子高齢化に伴うきわめて難しい問題に直面しているが、依然として世界第3位の経済大国であり、技術的にも最も進んだ国の一つであり、世界的な企業を数多く生み出してきた。高成長は実現できなくても、今後の経済は一部で言われるほど悪くならないかもしれない。

 

・日本にとって最大の課題は、国際情勢の急速な変化にどう適応するかかもしれない。中国は世界最大の経済大国に躍り出る勢いで、アジアにおける牽引力も大きい。そしてこれまでの新興国と同じように、中国は今後ますます自己主張を強める可能性が高い。もし中国と衝突しても、アメリカが自動的に日本の味方をしてくれると、日本の指導者たちは誤解しているようだが、現実にはアメリカは自国の利益と中国の利益の間に折り合いをつけ、紛争は回避しようとする可能性が高い。アジア情勢の急速な変化と新しい国際秩序のなかで、どのような舵取りをしていくかは、日本の取り組みが遅れている領域であり、今後の大きな課題となるだろう。

 

 

 

『2030年 世界はこう変わる』

アメリカ情報機関が分析した「17年後の未来」

 米国国家情報会議       講談社  2013/4/19

 

 

 

本書を誤読する人と精読する人では大きな差がつくだろう(立花隆

アメリカの国家戦略を策定する者、ならびに、アメリカの国家戦略に関心を持つ者が基本的に頭に置いておくべき、近未来(15~20年後)の世界のトレンドが書かれている。

 

・米国国家情報会議は、このような中・長期予測のために作られた機関だ。前身は1947年に作られたCIAの内部部門だった(1979年に現行の組織に改組)。作成する報告は、第一義的にはアメリカ大統領のために作られる。

 

おそらく大統領には別バージョンのディープ版報告書が渡っている。

 

・未来予測は外れることが多いから、ちがう未来展開の可能性がたくさん書いてある。

 

・最悪のシナリオと最善のシナリオではまったくちがう世界が生まれる。日本は最悪のシナリオなら滅んだも同然だが、最善のシナリオならまだいける。

 

 2030年の世界  国家を滅ぼす災害の可能性

 1飢饉   干ばつや穀物の伝染病などが長期間続き、不作が長期化する事態です。火山の噴火により大気に二酸化炭素が拡散すると、気温が下がり農業に悪影響を与えます。 

 

2津波   津波の影響は、海抜が低いところにある大都市で深刻です。例えば、ニューヨークやボストンなどの米東海岸の都市や、東京などがこれにあたります。こうした世界的な大都市が壊滅的な被害を受ければ、世界経済にも打撃を与えます。

 

21世紀じゅうにプエルトルコ近海で大地震が起きる可能性は10パーセント超といわれています。

 

3土壌劣化   近代農業は土壌の質の低下を招きます。劣化のスピードは、自然回復できるスピードの10~20倍といわれています。健康な土壌を維持するための根本的な解決策なしでは、今後、農業にかかるコストは莫大なものになってしまいます。

 

4磁気嵐  送電網や衛星、あらゆる電化製品を不能にする威力を持ちます。大規模な磁気嵐が起きる可能性は100年に一度といわれています。

 

<オルターナティブ・ワールド>

<「2030年」4つの異なる世界>

 <2030年のシナリオ1 「欧米没落型」 アメリカ・欧州が対外的な力を失い、世界は大きな混乱期に移行>

・「政治的にも経済的にも世界を牽引するエンジン役を果たしてきた米国と欧州が、その能力を完全に失ってしまう」というのがこのシナリオです。

 窮地に陥った欧米諸国は内向き姿勢を強め、グローバル化の動きは止まってしまいます。ここで紹介する4つのシナリオのなかでは最も悲観的な予測です。

 

第三次世界大戦”が始まるというような、より最悪のシナリオを想定できないわけではありませんが、確率は極めて低いと思われます。第一次・第二次世界大戦が勃発した時代とは異なり、世界各国間の相互依存関係がとても強くなっているからです。本格的な戦争に突入して益を得る国はほとんどありません。

 

・とはいうものの、「欧米没落」型のシナリオが予測する世界像は、かなり悲惨なものです。4つのシナリオのなかでももっとも楽観的な「米中協調」型と比較すると、2030年の世界が稼ぎ出す収入は27兆ドルも小さくなってしまいます。この数値は、現在の米国経済とユーロ圏経済を合わせた規模に匹敵します。

 

このシナリオでは、米国も欧州も世界のリーダーとして振る舞う能力、もしくはその役割を果たすことへの関心を失います。

 

2020年までに、自由貿易圏はほとんど姿を消してしまいます

 

・一方、中国やインドのような新興国は経済成長を続け、世界経済成長の約4分の3を担うようになります。ただし、中国もインドも政治と経済システムの近代化に失敗します。政治腐敗、インフラ基盤や金融システムの弱さなどが仇となり、経済成長に急ブレーキがかかります。例えば、中国の場合、経済成長率は現状の8パーセントから2030年には3パーセントに落ち込んでしまいます。

 

・(米国の役割)内向き姿勢を強める。アメリカの世論は自国が世界のリーダー役であることに関心を失う。疫病発生後は、孤立主義も台頭する。

 

・(中国)政治、経済の構造改革に失敗。政治腐敗や民衆暴動が重荷となり経済成長は落ち込む。政府は国粋主義排他主義の色を強める。

 

・(不安定地域)中央アジアや中東で統治力が低下。疫病の拡散で東南アジア、インドやアフリカの一部、湾岸諸国などが情勢不安に陥る。

 

 <2030年のシナリオ2   「米中協調」型 第3国で勃発した地域紛争への介入を機に、米中の協力体制が確立する>

 「米中協調」型は、4つのシナリオのなかでもっとも楽観的な予測です。米国と中国がさまざまな場面で協力できるようになることで、世界経済全体が押し上げられるという筋書きです。

 世界経済の収入は2030年までに約2倍の132兆ドルに拡大します新興国が高成長を維持しながら、先進国経済も再び成長期に入ります。米国人の平均収入も10年で1万ドル増え、「アメリカンドリームの復活」が語られるようになります。

 

・(中国)ソフトパワーが強化され、民主化が進む。世界機構でもアジア地域の仕組みでも重要な役割を果たす。

 

 <2030年のシナリオ3   「格差支配」型  経済格差が世界中に広がり、「勝ち組」「負け組」が明確に。EUは分裂>

・このシナリオは、国際情勢が世界中で広がる「経済格差」に左右されるというものです。

 国内でも国家間でも、経済格差が広がってしまいます。2030年に向けて、世界全体としては豊かになりますが、人々の「幸福度」は下がります。「持てる者」が富を独占し、「持たぬ者」はますます貧しくなるからです。こうした環境下では、政治や社会は不安定になります。

 国家間では、「勝ち組」の国と「負け組」の国が鮮明化します。米国は、勝ち組の代表格です。ほかの国々が弱体化するなかで、安価な国産シェール系燃料の恩恵で経済が回復するからです。ただ、孤立主義的な傾向を強め、「世界の警察官」としての役割には関心を示さなくなります。

 

・(中国)都市部と農村部の経済格差が拡大し、国民の不満が高まる。共産党政権は支持を失う。毛沢東主義が再台頭し、党は分裂の危機に瀕する。

 

 <2030年のシナリオ4   「非政府主導」型  グローバルな人材がネットワークを駆使して世界を牽引する時代に>

・このシナリオでは、政府以外の機関や人々が、世界のリード役となります。例えば、非政府団体(NGO)、大学などの教育機関、富裕な個人などです。

 テクノロジーの進歩で、個人や小さな団体でも大きな成果を挙げられる環境が整います。また、課題によっては自由自在に小さな団体同士が連携しあうといったことも簡単にできるようになります。大学などでは国境を越えた人材交流が盛んとなり、グローバル規模で“同窓生”が生まれるようになります。こうした人材が、非政府の団体や個人をつなぐカギとなります。

 

・世界規模でエリート層と中間所得者層が増加することで、グローバルな世論が形成されやすくなります。環境問題、貧困、腐敗撲滅といった課題に、世界中の人々が一丸となって取り組みます。

 

・非政府主導型の社会では、課題ごとにうまくいく場合といかない場合の差が大きくなりそうです。うまくいく場合には、政府が対応するよりも迅速に問題解決に取り組めますが、その一方では大国の反対にあって何も実現できないケースも出てくるかもしれません。

ほかの4つのシナリオと比べると、経済は「米中協調」型に次ぐ成長をみせます。また、「欧米没落」型や「格差支配」型よりも協調ムードが高く、国際社会は比較的安定したものになります。

 

・(中国)一党独裁体制の考え方から抜け出せずに、国際社会で孤立。

 

 

 

『2030年世界はこう変わる』

アメリカ情報機関が分析した「17年後の未来」

米国国家情報会議       講談社  2013/4/19

 

 

 

<特に、高齢化は日本とドイツの2カ国で深刻>

<最も不安な国・日本>

・いままでみてきたように、西側先進国のほとんどの国が、“頻発する経済危機”に対して強い抵抗力を持っているとはいえません。

 その中でも特に不安なのが日本です。急速な高齢化と人口の減少で、日本が長期的に経済成長を実現させる潜在力は極めて限定的です。例えば、2025年までに年金暮らしの高齢者1人を労働人口2人で支える社会が到来します。こうした高齢者社会を政府が財政的に支えるのは簡単ではありません。

 

国際通貨基金IMF)は、たとえ、一時的な政治的混乱を招いたとしても、日本は「財政上のバランスを長期的に保つ大規模な政策転換を実地すべき」と進言しています。短期的には経済成長を犠牲にしないと、膨らむ一方の負債を解決することは出来ないとみています。

 

<失速する中国経済

世界銀行の試算によると、2025年までの世界の経済成長の約3分の1を中国一国だけで担うことになります。もちろん、その貢献度はほかのどの国よりも大きなものです。

 

・順調にみえる中国経済ですが、中国もまた、危機を頻発する世界経済の打撃からは無縁ではいられません。中国経済が抱える弱点をみていきましょう。第一に、中国は経済先進国と同様、高齢化の問題に直面しています。現在、65歳以上の人口比率は8パーセントですが、2030年には16パーセントを超えます。

 

・経済が成長すると、国民は生活水準が上がることを期待します。豊かさを充分に感じられないと、国民の不満が爆発する危険が出てきます。景気が急失速し、政情不安が広がると、中国政府が内向き志向を強める可能性も高まります。経済がうまく回らない理由を国外に求めて国民を納得させようとするからです。

 

<インドの躍進>

世界銀行は、2025年までにインドが中国と並ぶ世界経済の「成長の柱」になると予想しています。成長の柱が1本から2本に増えることで、世界経済はより安定したものになるかもしれません。

 15~20年後、インドは日本やドイツを追い抜く、中国、米国に次ぐ経済大国に成長しているはずです。2025年、中国とインドの経済力を合わせると、その世界経済への貢献度は米国とユーロ経済圏を合わせた規模の約2倍にあたる見通しです。

 

<再生エネルギーは不発>

天然ガスの生産量が増えることで、2030年までに石炭から天然ガスへの切り換えが進みます。

 

国際エネルギー機関(IEA)は、2007~2050年の間にエネルギー全体に占める再生可能エネルギーの割合は4パーセントしか増加しないと見積もっています。2050年でもその状態ですから、2030年の世界では再生可能エネルギーが大きな存在になっているとは考えにくいのです。

 

 2030年の世界  異常気象は増加傾向に

・最近、洪水や干ばつ、竜巻(トルネード)や熱波などの極端な気象異常が頻発しています。こうした異常気象は、2030年に向けて増加する見通しです。

 

・気象変動は“食料の安全保障”にも重大な影響を及ぼします。最新の科学調査で、気温の異常変動や干ばつが穀物の収穫量に大幅なマイナスの影響を与えることが立証されました。食糧不足が続くと、各国が主要穀物の輸出制限などに乗り出す危険があります。

 

・氷塊や氷河が溶け出せば、海面が上昇します。専門家の試算では、21世紀が終わるまでには今より1メートル上昇するとみられています。しかし、最近の傾向を加味すると、この試算を上回って海面が上昇する事態を想定せざるを得ません。

 

・現状の排出ペースが続けば、2050年までに大気中の温室効果ガスの量は2倍に増加してしまいます。これは気温が約2°C上昇することを意味します。

 

 <メガトレンド  権力の拡散  アメリカを始め欧米各国の力が衰え、世界は「覇権国家ゼロ」状態に

・2030年までには、国際社会の権力構造も大きく変わります。権力は「独占」状態から「分散」されていくようになります。具体的には、発言権を持つ国家の数が増える一方、国家ではない非公式な団体やネットワークの発言力も増すでしょう。

 

2020年代のどこかで、中国は米国を抜き世界第1位の経済大国になります。相対的に、低成長を続ける欧州や日本、ロシアの経済力は弱まります。

 

ゴールドマン・サックスは、今後高成長が期待できる国家11ヵ国を「ネクスト・イレブン」と呼んでいます。含まれるのは、バングラデシュ、エジプト、インドネシア、イラン、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、韓国、トルコ、ベトナムです。我々独自の試算によると、2030年までにこの11ヵ国の国力の合計は、EU27ヵ国の合計を抜くことになります。

 

中国の覇権は短命?

・それまでに中国はアジアのトップとしての地位を不動のものにしているでしょう。2030年には、中国のGDPは日本のGDPを140パーセント上回るとみられています。

 

・ただし、「世界一の経済大国」としての中国の地位は意外にも短命となる可能性があります。

 

2030年のインドは、「世界景気の牽引役」と呼ばれる現在の中国のような存在になっているでしょう。2030年の中国にとって、年率8~10パーセントの経済成長を続ける現在の中国は「遠い過去の栄光」になっているはずです。

 

・世界のあらゆる地域内で覇権国の交代が起きます。

 

・2030年までにはブラジルが「南米の巨人」としての地位を確立するでしょう。EU27ヵ国の間では、ドイツが安定的にリーダー役を務めるでしょうが、ドイツは高齢化社会とどう向き合うかという難問を抱えています。

 

抜かれる先進国

・旧モデルでは、2030年ごろに米国と中国の国力が並ぶとみられていましたが、新モデルでは中国はまだ米国に追いつけていません。米国が中国にトップの座を譲るのは、2040年以降になります。

 また、どちらのモデルでも日本の国力がじりじりと低下していく点は見逃せません。米国や欧州など、すべての先進国のグラフが右肩下がりです。

 

前例なき「覇権国ゼロ」時代へ

・2030年までに、一国で国際社会をリードするような「ヘゲモニー=覇権国」は消滅します。米国も中国もその役割を果たせません。その一方で、国家ではない団体やネットワークが国際社会での発言力を増すようになります。

 

・すでに、米検索サイトの「グーグル」や、「フェイスブック」といった巨大ネット企業が、政府よりも巨大でリアルタイムの情報を保有していることはご存知の通りです。人々はネットの情報から知識を得て、行動を起こすようになっています。そのため、こうしたネットの系の民間企業が、政府に負けない民意を動かす力を持つようになっています。

 

メガトレンド 個人の力の拡大  貧困層が激減し、アジアを中心に10億~20億人もの新たな中間所得者が誕生する

・今後15~20年間に世界が直面する多くの課題を解決するうえで、個人の力の拡大という要素はとても重要な役割を果たすでしょう。

 

・個人の力は強まりますが、職を得るための競争は激しくなります。そのため、個人の力は高まっているにもかかわらず、多くの人が将来や政府への不安を抱えたままの状態になる懸念もあります。

 

貧困層は5割(5億人)減る?>

・現在、世界で約10億人が「極度の貧困」状態にあり、栄養失調であるとされています。極度の貧困とは、1日の収入が1.25ドル以下の状態と定義されています。

 

・極度の貧困層の現象は、東アジア、特に中国で顕著です。現在のジアの経済成長から推測すると、今後もこの減少傾向が続くことは間違いないでしょう。

 

<台頭する新・中間所得層>

・ひかえめに見積もっても、世界の中間所得者数は現在の約10億人から20億人超に増えるといわれています。2030年までに30億人を見込む試算もあります。

 

購買力が衰えていく米国と日本

・中間層の台頭は、政治へも影響を与えます。歴史的にみて、中間層が増えると民主主義を求める声が高まるとともに、ポピュリズム大衆迎合型の政治)や独裁政治が生まれやすくなります。一方で、1人あたりのGDPが1万5000ドルに達すると民主主義が定着し、独裁政治に戻る可能性はなくなるといわれています。

 

・米国や日本の中間層の購買力は、将来的にはとても小さなものになります。

 

・北米や欧州の中間層の購買力は今後十数年、年率0.6パーセントしか伸びません。

 

<なくならない男女格差>

・2012年に世界で男女の経済格差は60パーセント、政治参加格差は20パーセントしか改善されていません。男女格差の撲滅に成功した国はまだありませんが、女性の社会進出に一番積極的に取り組んでいるのは北欧の国々です。

 

・残念ながら、2030年の段階でも男女格差は残ります。

 

<広がる「外部」との交流>

スマートフォンスマホ)と呼ばれる高機能携帯端末のような第二世代の携帯技術の登場で、個人の力はますます強くなります。特に、こうした技術が発展途上の国々に導入されたときの影響力は図り知れません。

 

2030年までにはイスラム社会に住むさらに多くの女性がソーシャル・メディアを通じた情報交換に参加することになるでしょう。そうなれば、保守的なイスラム教社会やそうした価値観を標榜する政府などが変革を求められる可能性があります。

 

<人類は、より健康に>

・2030年までに、人類の健康問題はより改善するでしょう。特に、高齢者の生活の質はますます向上するはずです。

 

・最新の医療が届きづらいサハラ砂漠南アフリカでも。2030年ごろには感染症による死者数と、(心臓病のような)感染症以外の死者数が逆転するとみられています。

 

・幼児の死亡率も劇的に減っています。ただ、豊かな国と貧しい国の間にある寿命の格差は、2030年になってもなくなることはないでしょう。

 

<「イデオロギーの衝突」が不安材料>

・経済のグローバル化に伴い、欧米流の考え方が世界のあらゆる地域に浸透していきます。例えば、「科学的な立証」「個人主義」「政教分離」「法の順守」などが欧米を代表する価値観ですが、西欧的な豊かさを求める非・西欧国の多くがこうした理念を取り入れようと試みることでしょう。同時に、地元独自の文化や政治風土と相容れないと分かった場合に、こうした欧米化を拒否する可能性もあります。

 

ナショナリズム国家主義)の高揚にも注意が必要です。特に、未解決の領土問題が多く、急速な経済発展が進む東アジア地域の動向などが懸念されています。

 

 

 

 『私は宇宙人と出会った』

秋山眞人  ごま書房    1997年4月30日

 

 

 

宇宙人の未来予測(世界編)

(中国) 

・「中国はこれからの地球の変化の大きなポイントになっていく。とくに内乱が起こる可能性が強く、それが引き金となって第3次世界大戦へと進むかもしれない香港の返還によって思想的・経済的な大きな遅れがあり、アメリカとの対立構図が更に強くなる。これは東洋文明対西洋文明の対立といってもいい。た、2015年から2030年の間に4つの国に分割される可能性もある」。