『正論』2020年6月号
<『四重苦抱える中華帝国の末路 評論家 石平』>
・中国武漢発の新型コロナウイルスは今、地球上で猛威を振るって人類全体に多大な苦難をもたらしている。この原稿を書いている4月15日現在、欧米諸国や日本での感染の拡大がいつになって終息するのかまったく見通せず、世界が混沌としている最中である。
<感染拡大、長期化の様相>
・どうやら今後において、新型コロナウイルスとの一進一退の攻防戦は「常態=常にある状態」として長期化していくのであろう。
<壊滅的な国内経済>
・彼の論述によると、今の中国では1月からの新型肺炎ウイルス拡散の影響で中小企業の倒産・廃業が相次ぎ、いわば「倒産ラッシュ」が現に起きているという。状況が特に悪いのは輸出向けの中小企業とサービス業の中小企業である。
・4月6日付の香港・南華早報が、中国国内にある「天眼査」という調査・コンサルタント会社の調査結果を紹介した。それによると、今年第一・四半期において、中国全国で46万社の企業が倒産・廃業で企業登録から消えたという。
<大量失業の発生は必至だ>
・相次ぐ企業の倒産・廃業が招く大問題の一つはすなわち失業の拡大である。中国では、製造業の中小企業で働く人々の数は9千万人に上っている。サービス業全体が3億7千万人も雇っているが、関連企業の大半は中小企業であることは言うまでもない。
・発表した論文で一つ驚くべき数字を披露した。曰く、新型肺炎の影響で中国全国の失業者数は何と2億5百万人に上るという。
中国の労働力人口はおよそ8億数百万人であるが、働く人の4人に1人が失業するような状況となれば、それはどう考えても、改革・開放以来の中国経済が陥る最大の危機的な状態、新型コロナウイルス蔓延以上の大災難である。
・しかも、大量失業の発生によって国内消費がどん底に落ちていくのは必至であるから、消費の低迷が当然、さらなる景気の悪化を招き、企業の倒産拡大と失業増加に拍車をかけることとなろう。つまり中国経済はこれで、蟻地獄のような悪循環の中に陥って沈没する一方の道を辿っていくのである。
そして、億人単位もの大量失業の発生がそのまま社会的不安の拡大につながって、深刻な社会危機と政治危機の発生を招きかねない。たとえ新型肺炎の感染拡大はある程度抑えられたとしても、習近平政権の直面する国内危機の深刻さはおそらく天安門事件以来の最大なものとなろう。
<もう一つの地獄>
・各国の中で中国に対する批判と責任追及がもっとも先鋭化しているのはアメリカである。
・その一方、アメリカ国内では新型肺炎ウイルスの拡散で大きな被害を受けたことで、加害者の中国に対する集団訴訟の動きが広がっている。アメリカ議会でも、情報隠蔽でウイルスを拡大させた中国の責任を問う法案が提出された。
そして4月上旬にアメリカで行われた世論調査の結果、米国民の約8割がウイルスの拡大について「中国に責任がある」と考えていることが判明した。
・世界でのウイルス拡散がいつ終息するのかはわからないが、それがある程度収まった段階からはおそらく、アメリカを中心に、各国政府と民衆による中国の責任追及と中国に対して賠償を求める運動が本格化していくのであろう。
そして、中国発のこの世紀の大災難に際し、このならず者国家の危うい本性と、中国と緊密な関係を持つことの危険性を身を以て知った多くの国々や世界企業は今後、中国との関係を見直してさまざまな分野での「脱中国化」を始めるのであろう。
・そして世界からの孤立化は当然、中国国内の経済危機と社会危機の拡大に拍車をかけることとなろう。
このようにして、内憂外患の中で大きく揺らいでいくのが、まさに2020年におけるならず者国家・中国の哀れな姿である。そして2020年はまた、中華帝国の本格的崩壊が始まる年となろう。
『クラリオン星人にさらわれた私』
超次元の扉
<クラリオン星人が教えてくれたこと>
▷死は存在しない。死は人類が抱く幻想の最たるものである
▷私たちが現実と認識しているものはすべて幻想である
▷本物の現実は多次元パラレル・ワールドに存在する
▷クラリオン星人はスターピープル、古代人、神として超古代より人類の歴史に介入した
▷クラリオン星人は水棲爬虫類を遺伝子操作して人類を作り上げた
▷クラリオン星人は、地底と海底に今も前哨基地を設けている
▷クラリオン星人は炭素ではなくケイ素を主成分とした生命系で光を吸収する
▷クラリオン星人は時間を操り多次元空間を自在に移動する
▷UFOには知性がありフォルム(形)の自由度が高い
▷UFOの内部は外観の大きさと比べてはるかに広大
▷UFOは次元を跨いだ航行ができ、タイムマシンとしても機能する
▷クラリオン星から地球までは時間を折り畳んだ航行で地球時間で約72日間かかる
▷宇宙には連合があり多くの惑星とそれに属する惑星人が加盟している
▷地球とその生命系は宇宙連合の重要な実験場として監視されている
▷そのほかピラミッドの機能など、これまでのコンタクト報告をはるかに凌駕するさらなる驚愕の事実が頻出!
<エトルリア人<地下の人間>について>
・数日前、いつもの精神投影の方法で、また新しい一連の知識を得た。古代エトルリア人は、地球を襲った最近の大災害(1万5000年から1万8000年前)を生き延びた民族の一つであり、彼らは地下にある迷路のような通路の中に避難しなければならなかった。事実、エトルリア人の語源は――彼らによると――<地下の人間>という意味である。インカ人、アステカ人の後に続き、最後に地上に戻り文明復興を促した民族である。
<この幻想的な風景の都市は、どこにあるのか?>
・痛みを覚える半開きのまぶた超しに、おとぎ話のような幻想的風景が姿を現わした。見慣れない形をした建造物、丸くて継ぎ目のない建築物群が、見渡す限り聳えていた。それらは、黄色とオレンジ色の中間色のような、暖色系蛍光色の光を放っていたのだった。宙に浮かんだ未知のマシン群が、大きな円形の空き地で揺れ動いていた。とりわけ私の印象に残ったのは、あたりの景色を圧倒するような建物だった。極めて非現実的な形態なので、私のイマジネーションを大いに刺激したのだった。
<そこはアマゾンの中心部にあるクラリオン星人の地下基地だった>
・彼らは微動だにせず、鋭いまなざしで私を見ていた。様々な色の丈の長いチュニックを身につけ、肌は明るい色だ。年齢不詳の顔を長い白い髭が縁取っていた。
金属製のように見える幅広の四角いテーブルの中央には、ピラミッド型のモノリス(石柱状の物体)が高く聳えていた。彼らは、これを見るように私に促してきた。
彼らは、イメージや音を使って、私の心の中に入り込み話しかけてきた。私の過去の人生がすさまじいスピードで回想されていった。子供時代のことや、記憶の底から鮮やかによみがえる思い出だ。
こうして私は、アマゾンの中心部にある、彼らの地下基地の一つにいるのだと知った。
彼らは、長年私たちのことを観察していて、人類の歴史をその起源から知っているのだった。自分たちは(世界の監視人)で、様々な星の民族や種族を統合する銀河連盟に属しているのだと言った。ケンタウルス座アルファ星やオリオン座、レチクル座ゼータ星、プレアデス星団(牡牛座にある散開星団)の住民が、私たちの星に来ているというのだ。
彼らの中には(創造主)がいる。つまり、人間と呼ばれる生命体の原始的な生物学的構造を修正しつつ、原遺伝子コードを移植して、人間の進化と現在の人類誕生を促した存在だ。
・彼らは私の人生の歩みを知っていたし、子供時代から私を見守っていて、たぶん、この日のために準備してきたのだろう。けれど、なぜ私で、ほかの人ではなかったのか? 彼らが私の考えを読んでいるのは知っていたが、答えは決して返ってこなかった。今日もなお、それは謎のままだ。
・彼(チャマ)はずっと私の背後にいたが、脇には、その美しさを表現するには沈黙するしかないほど美しい人が立っていた。表現しようとするときその面影が台無しになってしまうのだ。その人は、ダーラという名だった。
・そうするうちに、驚愕の知識を私に授けた、10人から12人ほどいた長い白髪の人物たちは姿を消していた。今までの出来事、そして、現在進行中のこの出来事がなんであったにせよ、もうすぐそれは終わりを迎えるのだと感じていた。
<古代の種族スターピープルによって知らされた「人類の始源」と人類から失われた余りにも巨大な叡智>
・「宇宙の神々、エロヒム――おまえたちの祖先は創造主をそう呼んでいる――は、遺伝子操作を行い、海洋の霊長目(雌雄同体の水棲爬虫類の一種)の尾骨と下垂体に手術を施し、右脳半球と左脳半球の相互作用に不可欠な身体条件を整えた(中略)
彼ら星の神々は、人間に知性を授けそれを活用する自由を与えた。そして次の段階では、さらなる身体的修正が行われ、種の安定した成長が見込めるようになったあかつきには、雌雄異体へと変化させた。
こうして、創造の神話は生まれた。アダムの肋骨から作られたイブの話は、遺伝子操作プロセスについての寓話である」
<ついに拓かれた超古代史の謎――1億8千万年前、未開の惑星に宇宙の果てからやってきた古代人たち>
・現代の解釈で根本的に間違っている点がある。様々な宗教的伝説や武勲詩、叙事詩、伝説的年代記などで語られる出来事が、6千年前や8千年前、1万5千年前に遡るものであると考えることだ。実際の年代とは、言われているような年代から、少なくともさらに7千万から7千5百万年ほど昔のこととなるのだから。
<放浪の果て、たどり着いたピラミッドの神殿で、アカシャの番人を知る!>
・夜明けを告げる青白い霧にいまだ包まれている谷に、巨大な建造物が現れた。
黒っぽい岩で作られた壮大なピラミッドが、海を背にくっきりと浮かび上がっていた。
・荒れ果てた台地を今や引き裂く陽光の中に、ピラミッドの足元にいる群衆を見た。彼らが凝視する頂上付近には、貫禄のある威厳に満ちた人物が、白い服に金のベルトを身につけ立っていた。緩慢で反復的な動作をしているように映り、それは、緑色の海原の上空に揺れ動く太陽に向けた、劇的で荘厳な儀式のように見えた。
重苦しい空気に砕け、千々にこだまする角笛の音を耳にし、私は身震いをした。その音は、言葉へと変化したのだ。明確な文章は、穏やかにゆっくりと述べられる。それは、今や古代人の声のように聞き慣れた命題だった。
そのときだ、私がナーレフの主を知ったのは。いや、彼が主だとわかったといったほうがいい。なぜなら、アンタレス(時の誕生以前に生まれ出でし者)、すなわちアカシャの番人は、私の子供時代に庭で消えた白い服をまとった翁だったからだ。
<爬虫類の水棲生物から遺伝子コード操作により人類の母型が誕生した>
・そして、宇宙からやってきた知性は、原始時代の海で発生した生きものの遺伝子操作を決行し、尾骨と脳下垂体を手術し、DNA系統を変化させた。また、生殖器官を手術し、単為生殖をする雌雄同体の卵生類であった生物を雄と雌に分け、雌雄異体に生まれ変わらせた。さらに、大脳葉を切開し、2つの脳半球を作った。
・こうした修正が定着するのを待ち、生物学的にゆっくりと浸透していく過程を観測した。もちろん様々な種類の問題が起こり、とりわけ大変だったのは遺伝子コード操作による拒絶反応であったが、最後には、ラガシュ――現在の南極大陸――の砂漠地にある異星人の研究所でアダムが生まれた。しかし、彼はまだ神の姿をしているわけでもなく、似ているわけでもなかった。その後、複雑な作業工程が続き、なかでも地球生物の卵母細胞の生物培養と、その細胞を異星人女性の胎内に着床させるプロセスは困難を極めた。こうして異星人女性は妊娠期間を経て出産する。誕生した生物は、ゆっくりと気が遠くなるほどの長い時間をかけて、地球上に暮らす人類の原型となるのだ。
・宙と地球の出会いが、人間を誕生させた。
しかし、すべてがうまくいったというわけではない。時折、奇怪な生物が生まれてしまった。不安定な自然のプロセスは、途方もない生物を生み出し、そういった怪物たちの存在は神話や伝説に織り込まれてきた。全人類の記憶の片隅に残るゴルゴン、キメラ、そして多くの魔物たちは、こうしたぞっとするような突然変異の副産物にすぎないのだ。
そうした時代にルシファーの悲痛な伝説が生まれた。神と同じような存在になりたいと願った堕天使である。この寓意は論を俟たない明白なものだ。ルシファーは祖先の知性を象徴している。原始期の人間は<物質>を認識するようになり、意識を持つようになった。だが、使いこなさなければならないはずの<物質>に、反対に取り憑かれてしまったのだ。
<ピラミッドは宇宙中継器――生物発生の研究所と化した地球>
・約1億8千万年前、その大部分が水と氷で構成されている原始的な未開の惑星に、宇宙の果てから<古代人>がやってきた。唯一存在した陸地――一つの大陸であり、今日の南極大陸である――は、惑星の表面積の10分の1を占めるにすぎなかった。他の星の民族たち、つまり銀河連邦に属する様々な文明の人々は、地球という惑星に降り立ったのだ。彼らの巨大な宇宙船群は、2つの星の光に緋色に輝きながら滑空した。
・我々が今日、クフの大ピラミッドと呼んでいるものは、実際には、放射機能を持つ灯台の基部である。宇宙緩衝装置であり、重力波を発生し放射する装置である。これを用いれば、惑星の両極にある地場の本来の威力を増幅させて地場逆転を起こし、地球全体にシールドを張ることが可能となるのだ。
・こうする間にもいくつもの時代が過ぎ去っていった。宇宙ではタイタンたちの壮絶な戦いが絶えることなく繰り広げられ、壮麗な宇宙船は、宇宙空間をパトロールして回っていた。新しい天体バランスが確立され、平穏が訪れるのを待っていたのだ。
また、金星――木星から最後に分裂した灼熱の岩の塊と、後年、人間が呼ぶことになる――の軌道は、恐ろしいことに、私たちの惑星に接近しつつあった。この段階で、地球はすでに巨大な生物発生学の研究所と化していた。新たに数百年が過ぎ、エデンの園では、古代神たちが生み出した生物が動き出し始めていた。生い茂る植物群の合間に、スターピープルの都市に聳える荘厳な建造物が、新しい太陽の下で輝いていたのだ。すべてが平静だった。廃れてしまった星々の沈黙に包まれて、世界は、新たなる暗黒時代の幕開けを迎えようとしていた。
<古代人>は、地球にある自然の地下道や空洞を生かして、地下にトンネルや大規模な地下道を掘り、地球の深部に巨大都市を築き上げた。また海底には、支援基地や海底基地を建設した。
ようやく新しい軌道に乗った火星では、大きな円形のビルや街が聳えるようになっていた。
<神々の大地――泥炭に埋もれた古代の栄華>
・彼らの巨大な宇宙船は惑星の軌道の外側に停泊し、せわしない新星のように輝いた。とりわけ、その大きさと輝きで敬意の的となったのは、銀河艦隊の旗艦であった。それはまさに、宇宙の目に見えぬ波間に揺れる大都市で、星の闇に輝く小さなオパールの太陽のように浮かび上がったのだ。
新しい天空は、宇宙船の絶え間ない往来に賑わうようになった。多彩な光が夜の帳に航跡を残し、昼間には小型船が大型船と惑星の間を行ったり来たりして、透明な水晶の輪のように見えた。
<地球は金星との衝突から復活を開始していた>
・彼らは聖書で語られた巨人であり、シュメール人によってネフィリムと呼ばれていた者たちである。だが、彼らをアヌンナキに関連づけて考えるのは、誤りである。アヌンナキは、羽を持った神々、もしくは、偉大なる<古代人>である。アヌンナキは創造主であり、ネフィリムは被造物であるから、同じ者であるはずがない。
さらに、もう一つの誤りは、シュメール人が、その存在を完全に把握していた12の惑星のうちに、太陽と月が入ると考えていたとする仮説だ。月に関しても、その当時は、現在の月よりも小さな天体がさらに2つ存在したのだ。つまり、合計で3つの月があったということだ。
・よって、シュメール人の文献にあるニビルとは、惑星を意味するのではなく、地球の大気圏外に停泊する巨大な宇宙船を指しているということだけを述べるにとどめておこう。ニビルとは、文字通りに言えば<輝ける大地>である。その後は、エジプト人にとって<ラーの船>となり、さらに時代が下ると、ヘブライ人は<天空のエルサレム>と呼んだ。
<過去と未来が共存する場所 火星での前線基地の様子>
・頂上にたどり着いた私の目の前に開けた光景は、想像を絶するものだった。私が見たものはあまりにも理解不能であったし、説明不可能でもあった。その衝撃的な光景に打ちのめされていると、ダーラの声が聞こえてきた。彼女の思考や知識、記憶が再び私のものとなったのだった。
・私たちは火星にいた。目前に限りなく立ち並ぶ巨大で複雑な建造物を判別しようとする間に、私は火星についての知識を得た。
谷底に巨大なメトロポリスが輝いていた。貴石にも似た建築物が聳える広大な空間で、隣接するそれぞれの建物が見事な象眼細工のようにぴったりと組み合わさっていた。そのときになってようやく、私は、その素晴らしいパノラマの上に浮かぶ高原の端にいることに気づいたのだ。
遠くにぼんやりと映る太陽の光が、地平線に沈みかけていたが、惑星の大気を包んでいた燃えるような色彩が、損なわれることはなかった。
夕暮れであったが、その場所の明るさが衰えることはなかった。
・氷に閉ざされ、窒素の多い大気に包まれていたころから数えきれないほどの年月を経て、火星は宙の神々が築いた最初の前線基地となった。
それ以来、緋色の空を神々の黄金の船が数多く飛び交い、地球の基地兼研究所とターリン平原(シドニア地区)に配置された輝く砦の間を往復するのだ。
・私の目の前にあるもの、クラリオン星の生物学者の目の前にあるものが、火星の過去なのかどうか………。時空の組み合わせが異なるポイントにいるとはいえ、私は現在の惑星の光景を目の当たりにしているのだろうか?それとも、もう存在しない世界の太古の景色が私の精神に投影されているのだろうか?
・今回も、答えが情け容赦もなく返ってきた。
「そのどちらともいえます………両方とも正しいのです!」と彼女は言った。
「あなた方が火星と呼んでいる惑星、火星のすべて、その地表や地底の奥底に生きているものすべてが、次元の宙づり状態に置かれているのです。つまり、様々なレベルで一種の原子浸透作用が起こり、過去と未来が共存しているのです。透明な球体が、別の同じように透明な球体の中に入っていると想像してごらんなさい。この惑星では昔、銀河の悲劇が起こりました。太古の時代にここに移住してきた民族とその文明が、一瞬にして滅びるおぞましい死があったのです。瞬時にして深い海は干し上がり、不毛の荒廃した世界が広がりました。惑星はエネルギーの猛威にさらされ、複数に分裂しました。本来の軌道から投げ出されてしまい、安定性のある新しい均衡を得るまでに数千年を待たねばなりませんでした。しかしながら、あなた方にはまだ理解できない理由と番人たちの最高議会の意向により、火星が栄光の世界として選ばれ、聖なる地となったのです。死んでしまった人々は生き返り、破壊されてしまったものは再建され、永遠の命が与えられました。古代神殿や街、植物、海水は、太陽系の辺境にまで響き渡った栄華の歌によみがえったのです。球体が球体を包み込んだのです。死と悲劇は、永遠に克服されたのです。今日あなた方の目で見えることのできるものと、地球の技術で撮影できるものとは、岩や砂漠だけです。つまり、崩壊と荒廃のイメージだけです。それは、内部の球体、過去の球体の状況なのです」
・「地球上にも、次元が宙づり状態に陥っている場所があります。地球にも聖なる場があり、そこでは、過去と現在、未来が共存しています。こうした場は、次元の扉で、無限へと通じているのです。私たちが出会ったあの空き地も、その一つなのです」
<私の体は分子レベルで高速化され、ダーラの惑星に適応化されていった>
・うっとりと聞いているうちに、景色が揺らいだ。再び、形と色が交じり合いながら、急速に回転した。すべては一瞬の出来事だった。次の瞬間には、私たちは街の巨大な城壁の近くに立っていた。
透明でなめらかなその壁は、オパールのように輝きつつ高く聳えていた。材質の堅牢さがみてとれた。
・そのクリスタルの要塞をのぞくと、人影が動き回るのが見えた。様々な仕事に従事しているようだった。建物から出入りする人々を見ていると、人間の顔をしているのが確認できたので、彼らの容貌に気をとられてしまった。彼らは男性と女性で、身長の低さから、子供のように見えた者もいた。
みんなが同じような多色遣いの、法衣にも似た、裳裾(もすそ)を引くような長い衣服を身につけていた。
<黒い羽の生えた空飛ぶ生き物――それは次元間の見張り番だった>
・ダーラは私にさらに新しい知識を送り込んできた。今見たものについてのコメントだった。
「あれは、夢の地の守衛で、あなた方が悪夢やハルピュイア(妖鳥)、ラミアなどと名付けているものです。あなた方の時代には、誰かが、モスマンという新しい名前も付けました。膨大な数の次元をそれぞれ繋ぎ、宇宙的精神をも連結している、広大な宇宙領域の案内兼守衛なのです。
<7つの巨大なサファイアの王座で、7人の巨人――眠れる創造主たちと出会う>
・暗闇の秘密を光線の中に明かしてみせる。黄色っぽい炎の淡い光に照らされて、異常に大きく恐ろしいものが姿を現した。それは、7つの巨大なサファイアの王座で、そこには人間の姿をした7人の巨人が微動だにせず座っていた。彼らは、眠っているようで、畏敬の念を禁じ得ないような気高き面立ちをしていた。目をしっかり閉じていて、軽くうつむき加減だったため、深い眠りに落ちていることは明らかだった。
<脳内で聞こえるアンタレスの声――神は怠惰な孤児>
・呆然としたまま、私は側廊の一つの中央に、薄明かりを見た。暈光はゆっくりと広がり、だんだん明るく強くなっていった。内部に、輪郭のぼけた人影が見えてきた。徐々にその姿は鮮明さを増し、確固とした現実なものとして映るようになってきた。衣服は純白で、足が隠れるほど長い。とび色の髪を肩に垂らし、両腕を脇に添えているその姿から、威厳のある高貴な人物だということが窺えた。
穏やかな表情をした面立ちには、何ものをも超越するような精神の調和が見て取れ、形容し難い色をした瞳は、澄み切った水をたたえた深い池の水面のようだった。
私の心臓は激しく鼓動していた。その鈍い響きを聞きながら、私は、額に金の帯を巻いているその姿が誰であるかわかった。アンタレスだ。私の子供時代の幻に登場した神、ナーレブの神、時の誕生以前に生まれ出でし者が、私の前に立っていた。
「ようやく私が見えたな」と彼は言った。
・我々はこうしたおまえたちの神を信じてはおらぬ。我々が信じるのは、<生成の光>や<名もなき一者>、<目に見えぬ神>だ………私はそのお方の尊顔を拝したことはない。監視人たちや起源の聖なる主でさえそうだ。
<大神官アンタレスが伝授してくれた死の概念と宇宙叡智の粋>
・クラリオン文明も加入している世界連邦には、宗教や信教などはない。物理的現実と非物質的次元には、何の違いもないのだ。
・我々の崇拝の対象とは、現在も未来も、<不可視の神>、<日々の古代人>だけなのだ。
・そのとき、本能的に、私は明らかな矛盾を感じた。アンタレスはそんな私の考えを一蹴するべく、次のように続けた。
「おまえが入ることを許された場所は神聖だ。あれは、7人の眠れる人々の神殿であり、いかなる時間や空間にも属さない場所だ」
・完全に混乱しつつも、私の脳は悪戦苦闘をしていたのだが、再びアンタレスの言葉が力強く聞こえてきた。
「創造主の意志により賢者となった幾人かの人間たちは、石の神殿を建立し、そこに神秘の秘密を封印した。その外形には、古代叡智への鍵が隠されている」
・今起こりつつあることは、恐ろしいほど魅力的だった。アンタレスの言葉は、計り知れないほど旧い時代の憧憬を私の中に映し出していた。
話がなされる間、私はありとあらゆる場面や場所に投げ出されていくのだった。私自身が、テンプル騎士団と馬を並べて見知らぬ街道を進んでいたり、ゴシック様式の大聖堂にある大理石造りの尖塔の上を浮遊していたり、また、数千年来の闇に紛れて地底の奥底でさまよっていたりするのだ。
「いかなる神も聖なる書物を書き記し、人間に口述したことはない」とアンタレスはゆっくりと付け加えた。
<宇宙のすべてが眠る創造者たちの夢の中の存在?>
<彼らが夢を見ている限り、宇宙や銀河、星、惑星は存在し続けるのだ>
・右に動いた大神官アンタレスの視線を追う。彼は、恐ろしい人物たちが休んでいる、7つの巨大なサファイアの王座を見つめていた。
「おまえは世界の運命が生まれる領域を見た。おまえは、古代人、<宙の眠れる者たち>、つまり夢見る神々の前面にいる。我々は彼らの夢の中に存在するのだ。惑星や星、過去現在未来の森羅万象は、彼らの夢の産物であり、夢の中に存在するのだ」
・「我々はいつもおまえのそばにいる」
それが、アンタレスの姿が水銀のような明るい暈光の中に消え始めたせつな、私が最後に受け取った彼の思考だった。
<宇宙人たちの生活スタイル>
・また、彼女とドゥーシャは(夫婦)であり、その婚姻関係は、任務遂行上の偽装であるとのことだった。(彼らの惑星での結婚には、結婚式はない。婚姻関係は、知的、霊的、物理的な類似性のうえに成り立つ。カップルの間で、常に発展し続ける周波数に差異が生じたときには、平和裡に結婚生活は終結する。いずれにせよ、子供たちはコミュニティーに保護されているのだ)。彼らは共通の事柄に興味を持ち、気の合う仕事仲間なのだった。
地球にはもう80年近く住んでいるとのことだった。
『プレアデス星訪問記』
上平剛史 たま出版 2009/3
<UFOに招かれる>
<宇宙太子との再会>
・それは、私が故郷である岩手県に住んでいた16歳のときのことである。
<葉巻型巨大宇宙船へ>
・「葉巻型母船は長さ4キロメートル以上で、太さは一番太いところで、直径7、8百メートル以上あります」
・「この母船はひとつの都市機能を持っており、ありとあらゆるものが備わっています。生き物のような船であると言っても過言ではないでしょう」
・なんと、これでも中規模程度の母船らしい。10キロメートル、20キロメートル、さらにそれ以上の大きさの地球人類には想像もできないほどの巨大な母船も存在するという。この母船では縦横およそ50メートルおきに道路が設けられ、階層は最も厚いところで40~50層になっているそうである。母船の中に公園や山河まであるらしい。この母船で生まれ育ち、一生を過ごす者もいるそうである。
・宇宙人にはそれぞれ母星があるが、母船には母星の都市機能が備わっており、母星の社会がそのまま存在している。母船の惑星としての役目を果たすため母船が故郷となる者もいて、そういった者は、ある意味で、母星で暮らしている人間よりも精神的に進化しているらしい。
・「この母船には我々プレアデス星人だけでなく、様々な星人が協力のために同乗しています。地球人類がグレイと呼んでいる宇宙人もいます。もっともグレイは我々が遺伝子工学、バイオ化学、宇宙科学を駆使して造ったロボットでしたが、今では宇宙や特定の星の調査など、さまざまな分野で活躍しています。他にも爬虫類、鳥類、魚類、昆虫、植物などの生態から進化した人間もいます」
・「この母船は、最大収容能力は5千人ですが、現在は4千人くらいでしょう。ただ、乗せるだけならば、1万人は乗せられるでしょうが、常時生活して長く滞在するとなると5千人が限度です。食料やその他の問題がありますからね。この母船には、ここで生まれた子供たちを教育する係もちゃんといるのですよ。子供達が大きくなれば、母星の学校や他の進んだ星へ留学する場合もあります」
・UFO研究家で有名な韮澤潤一郎氏も「微に入り細に入る教訓的宇宙オデッセイであり、近頃には珍しい詳細な本物の体験記であると思う」と記している。
・だれしも、ある時夢での宇宙をさまよったこともあるのだろうが、本書によって、しばし宇宙旅行を楽しまれることをおすすめする。
<惑星化された母船内部>
・私は船長に言われたとおりに宇宙太子に従い、自走機で艦内を案内してもらった。艦内のどこを回っても、光源がないのに真昼のように明るい。壁全体から光が出ているようだが、影は映らなかった。小型宇宙船の駐機場、公園、スポーツクラブ、談話室、宇宙パノラマ室、図書館、レストラン、健康クラブ、プライベートルームなどを早足で回った。駐機場にはざっと数えただけで宇宙船が30機以上あり、宇宙太子に聞くと、「全部で100機あるでしょう」ということであった。
・公園は中央の中段上にあり、綺麗に整備されていた。樹木や草花が咲き乱れ、とてもいい芳香を放っている。植物の色合いはとても濃く、元気である。自然の中に小川が流れ、散策路やベンチがあった。歩くと心が癒される素晴らしい公園に作られていた。ここからさらに農場や150メートルほどの山岳に連なっており、まさに自然そのものが存在していた。
・「プレアデス星人は、現在では本を使いません。家にいながら世界中のことを見たり、知ったりできるからです。子供達が勉強するのにも本は使いません。年齢によって脳に知識を植えつけていくシステムがありますから、記憶装置を使ってどんどん知識を増やしていけます。子供達はやがて自分の得意分野へと進んでいき、個性を活かした社会奉仕へと向かっていくのですよ」
<すべてをリサイクルするシステム>
・続いて、プライベートルームに案内された。ここは寝室のある個室で、寝泊まりができるらしい。石鹸やシャンプーを使わないため風呂場はなく、シャワールームのようになっていた。そこで霧状のシャワーを浴びるだけだが、波動の加わった特殊な水なので、肌の油や垢がきれいに洗い流されるのだという。トイレは私たちのよく見るような便器ではなく、シャワールームの壁側にある人形の凹みに腰かけるようになっていた。私もためしに用を足してみたが、用が終るとその思いを感知するらしく、終ったあとのお尻に気持ちのいい温風が流れて乾かしてくれる。そのあとは軽やかな音楽が流れ、香水の香りが漂った。あまりにも不思議だったので、私は宇宙太子に質問してみた。
「大便や小便の始末はどうなっているのですか。それから、おならのガスはどうなるのですか」
「大便や小便は完全に分類し、利用しています。宇宙生活ではすべての物を再利用するシステムが完全に備わっており、ムダになる物はひとつもありません。おならのガスだけでなく、我々が呼吸で吐き出す炭酸ガスも空調システムで完全に集めて分類し、活かしているのですよ。循環システムが完全に稼働しているために、我々は星で生活しているような錯覚さえ起こすのです。母船は星と都市の機能を備えているのです」
・私がさらに驚いたのは洗面台である。歯ブラシを使って歯を磨いたり、カミソリでヒゲを剃ったりする習慣はないのだという。壁側に顔形の凹みがあり、そこに顔を当てると顔が洗われ、ヒゲもきれいに剃れるのだ。その装置の中のちょうど口にあたる部分には出っ張りがあり、それをくわえると口の中がきれいに洗浄されるのである。
「この装置はどういうシステムになっているのですか」
「ヒゲは、簡単に言えば特殊な電気でヒゲだけをきれいに焼いてしまうのです。顔の皮膚は火傷しないようにそれとは違う電気システムを使っています」
「皮膚が焼けないシステムといっても、睫や眉毛、髪の毛はどうなるのですか」
「もっともな疑問点です。我々の装置は人間の思考を感じ取って、人間の思い通りに働いてくれる完璧なシステムに作られています。ですから、本人がすることを完全にこなしてくれるわけで、髪の毛や、眉毛、睫まで焼いてしまうということはないのです。念のため、システムの中に髪の毛、眉毛、睫、ヒゲのサンプルを入れて記憶させていますから、完全に区別できます。このように、百パーセント安全なシステムでなければ、日常生活に使用しないですよ」
・「地球にあるほとんどの食物は、実はその昔、我々の祖先がプレアデスから持っていったものが多いのですよ。地球で生活するために持っていったものが地球で野生化したり、地球人が改良を加えたり、混ざり合ったりして、新種ができて今日に至っています」
・「人工太陽も利用しますが、自然の太陽の光を天井から農場まで引いて照射しているのですよ。太陽の光と熱を貯蔵して利用し、効率よくしています。また、成長ホルモンをコントロールして高単位の栄養を与え、成長を速めているのです」