日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

コンタクティやチャネラーの情報を集めています。森羅万象も!UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象といわれます。

宇宙船の中へと続いているタラップのところに立っていたのは、人間とトカゲの交雑種のような生き物で、緑色の皮膚をしており、さらにその宇宙船の反対側には毛むくじゃらの“ビッグフット”がいた。(1)

 

『エイリアンの夜明け』

コリン・ウィルソン  角川春樹事務所  1999/3/1

 

 

 

多すぎる解

・ハーブ・シャーマーなる警官のケースを伝え聞いてはいたから、まったく無知だったわけではない。この警官はネブラスカ州アッシュランドの十字路でUFOに出くわし、その後離陸するところも目撃したが、署にもどると思ったより遅い時間なのに気づいた。20分ほどの時間が消えてしまったようなのだ。催眠術師の逆行催眠にかかると、エイリアンにUFOに連れこまれ、人類にかかわるなんらかの播種計画をおこなっているところだと告げられたことを思い出した。そして記憶を消されたのちに解放されたという。

 しかしそれは1967年のことで、あれからもう30年近くにもなる。1970年代に巻き起こったアブダクション体験談の一大ブームについて、私は知らずじまいだった。

 しかし、ジョン・マックの本のおかげでようやく得心がいった。最初の一段落を読んだだけで、自分の無知を恥じることはないとわかったのだ。1989年にマックは、バッド・ホプキンズに会ってみる気はないかと知り合いの心理学者にもちかけられ、「そりゃあ誰だい?」と聞き返した。ホプキンズはニューヨーク在住の芸術家で、宇宙船に連れこまれたと信じている人々を助けようとしているのだと聞かされたが、そのマック自身、その男もその連中も気がふれているにちがいないと最初は答えているのだ。

 ただ、マックはもののわかった開けた心の持ち主だったので、数か月後にホプキンズに会うことに同意する。そこでわかった事実にマックは驚愕した。グレイの皮膚で巨大な目をしたエイリアンにベッドから連れだされてUFOに運びこまれ、医学的検査をなされたと主張する人々がアメリカ中いたるところに存在したのだ。

 

・ボストン一帯の事例にも触れておくべきだというホプキンズの提案に、マックも同意した。1990年から『アブダクション』出版にいたるまでの4年間に、マックは100人以上の“アブダクティー”に会っている。年齢は、下は2歳から上は57歳までにおよぶ。

 

・それに当然ながら、キャサリンのような人々は催眠がひき起こした“偽の記憶”症候群にかかっているのではないかという疑念もあった。

そうだとしても、この問題が不可解なままであることもまた明らかだ。ギャラップとならぶ世論調査機関ローパー・センターが1991年に3か月かけておこなった調査では、数十万人ものアメリカ人がアブダクションを体験したと信じているという結果が出ている。これがすべて偽の記憶だったとしても、ただ問題がすりかわっただけにしかすぎない。これほど多くの人間がアブダクション体験の妄想に取り憑かれるのはなぜかという問題になるのだから。

 

・女医とのカウンセリング中にポールは、3歳のころのアブダクション体験を思い出していた。エイリアンは部屋に入ってくると、ポールの手を取って“船”に引き入れた。そこでなにかを足に注射されたような感じがして、それからなにも感じなくなった。

 ポールはまた、6歳半のころ、夜「頭のなかで聞き覚えのある声」がして、外へ出るように言われたのを思い出した。ポーチに出ると頭上に“船”が見えた。巨大で丸く、眩しい光を放っていた。すると6歳くらいの背丈のエイリアン(一人はもっと背が高かったが)数人やってきて、そのときポールは自分がくつろぐのを感じた。UFO内でポールは長椅子に裸で寝かせられ、身体を調べられた。そののち、エイリアンの一人が制御装置を見せて「君はここの出身だ」と説明した。“浮かんだ”ベッドに連れていかれ、これはポールのものだとも言われた。たしかにその部屋は妙になじみがあり、何度も来たことがあるような気がした。

 

・ポールはさらに、エイリアンは何千万年も昔、いちばん高度な生物といえば爬虫類だったころの地球にやってきて、生物相に影響をおよぼす初期の試みをおこなったともつけ加えた。

 

・こうした説明はいかにももっともらしい印象を与えはするものの、どちらも疑念を完全に払拭しきれるものではない――とくにほかの同様な事例を考慮に入れた場合には。私は多重人格について多数の書を執筆しており、最初のうちは、“もう一つの自我”とは完全な人格から乖離した断片なのだという通りいっぺんの説明を鵜呑みにしていた。しかし、アダム・クラブトゥリーやラルフ・エリソン、そして(もっと最近では)デヴィッド・コーエンなどの精神科医が記している症例中にはこのパターンに当てはまらないものがあり、“霊憑依”説の可能性を考慮しなくてはならないという結論をしぶしぶ認めなくてはならなくなっていた。ポールに関しては、自分は一部分エイリアンであり、自分の属するのはこの地球ではないと感じているアブダクティーがいかに多いかという覚え書きを、マック自身も残している。

 この本を買った動機は、ジョン・マックがUFOについてどういう意見なのかを知りたいがためだった。だが読み終えたときには、妄想であろうとなかろうと、アブダクション体験は真面目に考慮しなくてはならない現象なのだと納得させられていた。

 ここで認めておかなくてはならないが、マックの本に出会うまで、私は未確認飛行物体に対する深い興味を自分のなかにかき立てることがどうにもできなかった。UFO目撃が最初に広く公表されたのは、私が16歳の誕生日を迎える2日前のことである。1947年6月24日、ケネス・アーノルドという事業家がワシントン州レーニア山のそばを飛行中のことだった。

 

・これだけの事件が起きながら、私はまったく興味を持てなかった。数日後には卒業を控え、また家族は私が職について家計を助けるものと期待していた。インペリアル・ケミカル社へ就職して科学者を目指すというのが私の希望だったのが、数学の単位を取り損なったおかげで採用される見込みはなくなってしまっていた。それはつまり、工場労働などのきつい仕事につくしかないということだった。

 

・その数年後、空飛ぶ円盤で金星に連れていかれたというジョージ・アダムスキーの証言を読んだときも、空飛ぶ円盤を信じたりするのは脳味噌の足りない連中にちがいないという思いを強くしたものだった。

 やがて、ひょんなことからわたしは視野を広げることとなる。1960年代に、超常現象についての執筆を依頼されたのだ。テレパシー、予知、千里眼、対外離脱体験などといった事柄に首を突っ込んだとたん、世迷い言として片づけることなどできるものではないと気づいた。

 

・拙著『オカルト』の最後のほうで、完璧を期すためという理由からではあったものの、一章を空飛ぶ円盤に割かなくてはならないと思った。私はケネス・アーノルドの目撃談とトーマス・マンテル機長のUFO追跡墜落事件について触れた。そのあとで触れた事例は、今にして思えば、当時思っていたよりはるかに重要な事例だったのである。

 

数年後、シュワルツは自分の“使命”に関するテレパシーのメッセージを受け取りはじめた。ある女性患者は金属的な声でシュワルツに話しかけ、お前は冥王星の出身で、自分――声の主――は金星人だと告げた。この金星人はリヌスと名乗り、金星に棲息する“ガス状”生物についての専門的な話を並べたてたが、それはこの女性患者の知的能力をはるかに超える事柄だった。その二か月後、また別の患者の口を借りてリヌスはシュワルツに話しかけた。さらにヴァンクーヴァーの心霊少女が、前夜アストラル体となって金星へおもむき、そこでリヌスと会ったとシュワルツに語ったりもした。

 さてここまでが、私が『オカルト』を執筆した当時のこの一件の進展状況である。

 

・この時点で、アンドリア・プハリックの『ユリ――ユリ・ゲラーの謎の日記』を読んで以来私を悩ませつづけていた疑問を本人にぶつけてみた。多くの人々と同じく私も、あの本は読み終えるのが極端に難しいと思っていたのだ。問題はじつに単純で、まるで信じられなかったからである。プハリックがとほうもない嘘つきだと思っているわけではない――たんにどうがんばっても私には内容を本気にできなかったのだ。

 私は、あの本に書かれていることがすべて本当にあったのかどうか知りたかった。そのときのゲラーがすでにプハリックと袂を分かっており、しかもゲラーがなんらかの反感を抱いていることも知っていたので、本当のことを答えてくれない理由もないはずだった。

 ところがゲラーはじつにきっぱりと、「何から何までアンドリアの書いたとおりだった」と答えたのだ。

 

・ゲラーは次に、1949年、3歳の誕生日のすぐあとで、テルアビブの庭でお椀型の光が空に見えたときの様子を話した。そして目の前に光る人影が現れた。頭の上にあげた両手には、なにか太陽のように輝く物体を頭の上に捧げもっていた。

 プハリックの本がおよそ信じられなくなりだしたのは、この部分からだった。というのも、それにつづけてプハリックは、催眠面接の途中でゲラーが口をつぐむと、空中から奇妙な、金属的な声が聞こえはじめたと書いているからだ。声は「3歳のとき庭でユリを見つけたのはわれわれだ」と言った。“彼ら”は目的遂行のためにユリをプログラムしたが、接触時の記憶は消しておいたという。目的とは世界戦争を回避することで、エジプトとイスラエルのあいだに起きることになっている。ゲラーはその目的のための、なんらかの道具となるはずなのだという。

“彼ら”とは、のちに明らかになるのだが、“ナイン”と呼ばれる超人グループだった。プハリックがはじめて“ナイン”を知ったのは、ヴィノド博士というヒンドゥー教の超能力者を研究中のことだった。ヴィノドはだしぬけにまったく別人のような声で、しかも訛りのない完璧な英語を話しはじめた。その存在は言語明瞭にして高度の知性をそなえ、自分は“九つの原理と力”のメンバーであり、人類進化の一助となることがその使命だと説明した。

 

・その4年後の1956年、プハリックは知り合いになったチャールズ・ラフェッド博士夫妻というアメリカ人から、“九つの原理と力”からの長文のメッセージを受けとったが、そこにはヴィノド博士を介して伝えたメッセージの内容が言及されていた。二番目のメッセージがなんらかのトリックでもないかぎり、“ナイン”、あるいは少なくともその代弁者とは一種の肉体をもたない知性であるようだった(しかし、のちにラフェッド博士自身が、“チャネリング”によるメッセージに惑わされる危険を、身をもって示すことになる。ある特定の日に世界の終末がくると公言したものの当日なにも起こらず、けっきょくミシガン州立大を辞職する憂き目にあったのだ)。

 こうした出来事すべてが、テルアビブで金属的な声を聞いたプハリックがまたもや“ナイン”が現れたと早合点した説明になる。

 

・その日、のちほどゲラーが催眠状態にあったっとき、ふたたび金属的な声が話しかけてきて、いま「スペクトラ」という宇宙船で「5万3069光年の彼方にいる」と説明した

 

無理もないことだが、こうした出来事のおかげでプハリックは自分が相手にしているのは地球外の知的生命体にまちがいなく、町ほどの大きさの宇宙船で地球を800年間見守ってきたというその言葉もおそらくは本当だろうと思いこんでしまった。不可思議な出来事をたてつづけに目のあたりにして、ゲラーのトリックではないかという疑念はすべて吹き飛んでしまったのだ。

 

・誰しも納得するところだろうが、こうした状況下では大半の人々が、この“超自然的”(あるいは地球外の)力は本物であり、幻覚やトリックなどではないと思うことだろう。日ごとに自然法則が否定され、目前でさまざまな現象を“声”の能力を証明されては、どんな頑固な懐疑論者も信じこんでしまうはずだ。

 目撃できるのは当事者にかぎられている場合が多い。砂漠を走行中にゲラー、プハリックともう一人が巨大な宇宙船を目撃するが、フロントシートにいた三人の軍人には見えなかった。宇宙の知性は明らかに、人心を操る不思議な能力を有しているのだ。

 

不思議度の高い話

・パスカグーラのアブダクションとほぼ同じころ、ジムという名の元空軍警備士官が、ジョンという会社役員とその妻バーバラ、それに夫妻の十代の子供たちとともに、コロラド州の牧場で隠居生活を送ることに決めた。

 

さて、彼らはコロラドに選んだ牧場が奇怪な現象に絶えずつきまとわれているのに、移ってすぐ気づいた気が消えたり、家の外を誰かが歩いている足音が聞こえたり、森に“ビッグフット”タイプの生き物を見たりしたのだ。

 1975年10月16日、牛が急に鳴いて騒ぎ出し、番犬が家の中に入ろうと必死になった。そこでジョンがライフル銃を持って外へ出ると、大きな光る物体が空中に止まっているのを見た。ジョンは急いで家の中に戻ることにした。ジムはこのころすでに、高額の賞金がかかっていた家畜の解体殺害者を“狩りに”行こうと決心して、12口径のショットガンを用意していたのだが、なぜかソファーから立ち上がれない自分に気づいた。まるで身体が麻痺してしまったようで、麻薬を飲まされたかのようだった。

 

その後しばらくして、雪の降る日、家の近くで雄牛がばらばらに殺害されていた。18インチの巨大な足跡が、雪面と牛小屋の中にも残されていた。

 雌牛の乳房が外科的な精密さで切除されていたうえ、片目と片耳もなくなっていた。血もすっかり抜かれていた。

 事件は最寄りの隣り町の警官に報告された。この警官は調査すると約束したが、一度もやって来なかった。

 

・しかし、数日後、ジムは本当にそうだろうかと疑うようになった。家に遊びに来ていた友人たちが水貯めのほうでしていた物音を調べに行って、大きな黒い人影が有刺鉄線の柵を超えてこちらに向かってきたと青くなって逃げて帰ってきたのだ。ジムは長い毛の束を見つけ、それをデンヴァー遺伝子工学者に見せると、毛はこれまで知られているどの生物種のものとも一致しないとのことだった。

 それでもまだジムは、どこかの不動産屋が彼らをこの土地から追い出し、誰かほかの買い手に売りさばこうとしているのだと思おうとした。そして、ショットガンを持ってドアのそばで寝ることにした。ある日、ブーンという音がして目が覚め、急いで外へ出てみると、円盤形の物体が飛び去るのを目撃した。またある夜には、目にした毛むくじゃらの生き物めがけて発砲し、相手がひるむのを見たが、血痕は残っていなかった。

 

・ある日の夕方、家から見える距離に9機もの円盤が着陸した。ジムはそちらに向かって歩いていった。そのときバーバラが窓から見ていると、いきなり額に衝撃を受け、倒れて無意識状態に陥った。ほかの家人が周りに集まっているあいだに、円盤は消えうせていた。

 

・その直後、ジムはまた別の光を見て、そちらに向かって歩いていった。すると、ぴったり身体にフィットした服を着た二人の金髪の男が待っていて、そのうちの一人が言った。「ようこそおいで下さいました」(それはまるで、外国語慣用句集からでも英語を学んだかのようだった。「ようこそおいで下さいました」などというのは、こんな状況にはまるで相応しくないお笑いぐさの言い方だ)。丘の下に円盤があった。光はどこからともなく射してきているようだった。そしてそこにはビッグフットもいた

 男たちはまったく普通の話し方で、自分たちが引き起こしている不都合を詫び、“もっと公平な契約”をしようと言った。彼らはジムが黒い箱に近寄らなかったのは分別のある行動だったと言い、ビッグフットに箱に近づくよう命令して、その意味を示した。近づいていくと、ブンブンという音の調子が変わり、ビッグフットは倒れてしまった。「ご覧のとおり、致命的なものなのだ」

 ジムは心に浮かんだいくつもの質問を、一つも発しなかった。まだエイリアンたちと話をしているという気がせず、どこかの政府筋が関係しているのだろうと思った。5分後、“行かなければ”という気がして、なぜか“とても安心した気分で”そこを去りながら、彼らはなぜ自分と話したがったのだろうと不思議に思った。

 研究者たちと話をした三人は、真実を語っているという印象を相手に与えたのだが、三人ともこの奇怪な話全体に困惑を感じたと語った。ジムなど、自分は幻覚を見ていたのではないかとさえ思った。何かが故意に彼らに幻覚を見させている疑いがあるという意味でだ。これは確かにあり得ることである。

 この話全体が、ティモシー・グッドの『エイリアン・コンタクト』の中に詳しく述べられているが、あまりにも奇想天外(そのもっとも正確な意味で)なので、ジムとその友人たちは嘘つきか狂人だと考えるのが、いちばん簡単な扱い方だろう。しかし、心理学者と人類学者、地震学者がそろったAPROの研究者たちは、ジムら三人が真実を言っている。あるいは目撃したことが真実だということにすこしも疑いを持たなかったし、また近隣の空軍基地も“ビッグフット”の目撃報告があまりにも多いので、証言を記録するための正式な調査機関を設けていたほどなどである。

 

・アニマル・ミューティレーションの目的に関して言えば、ティモシー・グッドはある研究者の言葉を引用している。「……酵素やホルモン分泌物の抽出が関与しているミューティレーションは、エイリアンたちの生命維持に欠かせないと言われている

 

・そして1979年、アニマル・ミューティレーションに関する番組の制作を検討しはじめた。奇妙なことに、一般の人々は事件がいまだに引き続き起こっていることをほとんど知らなかった。以前の報道もしだいに風化してほとんど完全に消え去っており、事件について一度も耳にしたことのない者さえいた。

 そのつい2年前に知ったことだが、コロラド州スターリングの住民は、空に巨大な白い発光体が一つと、そこに出たり入ったりする小さな光体がいくつかあるのをあまりしょっちゅう目撃するため、それを“ビッグ・ママとベビーUFO”と呼ぶようになっていた。ビル・ジャクソンという現地のレポーターはあるとき、今にも平原に着陸しようとしている異様にばかでかい飛行機のようなものを見て、車を道路わきに寄せた。そして彼の真上を音もなく飛んでいったのは、フットボールの競技場ほどもある巨大なマシンで、そこに何百という緑、白、オレンジに赤のライトが並んでついていた。郡保安官テックス・グレイヴスはその物体を飛行機で追跡しようとしたが、5マイル以内に近づくことができなかった。

 現地の住民と家畜ミューティレーションやUFO目撃について話しているうち、リンダ・ハウはすぐに両者はつながりがあるのではないかと思いはじめ、その後おこなった調査がこの考えをますます強めることとなった。

 

・それから5年たって、ジュディはあのときいったい何があったのか思い出そうと催眠治療を受ける決心をした。そして、一頭の子牛が一条の光の中をUFOへ吸い寄せられていくのを見たことを思い出した。

 

・“不思議度”は次の話で突然アップする。1983年7月、ミズーリ州マウント・ヴァーソンに住むロンとポーラ・ワトソン夫妻は、道路の向かいの牧草地に、明るい銀色の光が閃くのを見た。双眼鏡で覗くと、一頭の黒い雌牛が腹を横にして倒れており、二人の銀色のスーツを着た生き物がそれに手を触れていた。見ていると、牛は草地から浮かび上がり、円盤型の宇宙船へと吸い込まれていった。宇宙船は鏡のような表面が木々の葉や草地、それに空を映していたために、ほとんど見えない存在のようになっていた。

 宇宙船の中へと続いているタラップのところに立っていたのは、人間とトカゲの交雑種のような生き物で、緑色の皮膚をしており、さらにその宇宙船の反対側には毛むくじゃらの“ビッグフット”がいた。全員がUFOに乗り込むと、宇宙船は消え去った。ポーラは目にしたことの不思議さはともかく、すべてがあまりにも不安をかき立てるできごとに思えたので、夫にどうか関わらないでくれと頼んだ。

 

ジーン・ロビンソンの“メッセージ”によると、“グレイ”たちは“大規模に製造された複製”あるいはロボットのようなものだという。しかし、それ以外の“カマキリ”タイプとときおり描写される種類のエイリアンは“古代種”で、“多くの種を生んだ大母神”だ。彼らは今では繁殖できなくなったため、合いの子を作り出すことによってしか祖先の遺伝子を伝えていくことができない。

 “爬虫人”は、ジーンを通して“交信してくる者”たちによれば召使いであり、身体力が非常に強く、「もし今でも生き残っていたとしたら、ちょうど地球の恐竜がこれに相当するだろう」

 またこのほかにも、何千年も地上に存在してきた金髪の“北欧人種”タイプがいる。「彼らはあなたたちの古代の祖先だ」という。“カマキリ”タイプが繁殖に人間の遺伝子を必要としているのに対し、ノルディックたちは今でも正常に生殖をおこなうことができる。「彼らはあなたたちの精神進化により大きな関心を持っている」感情が豊かでより優しい人種であり、その性格は人間が起こす暴力と同様、“古代種”の連中を困惑させるものだ。

 メッセージはこう説明する。「われわれは自分たちが生き残るために欠くことのできない生化学的処理に、雌牛から採った物質を使用している。家畜から入手する材料には生化学的吸収に必要なタンパク質が適量含まれているのだ………われわれとてあらゆる生命を尊重するが、ときには犠牲も必要なのだ………」

 またアニマル・ミューティレーションは、どうやら“光子エネルギーの濃縮ビーム”によっておこなわれているらしい。

 

・『かいま見る別の現実』の第二巻『不思議度の高い事象』で、リンダ・ハウはシアトルの造船所作業員でスティーヴ・ビズマークという仮名を希望する一人の男の体験を語っている。1977年のイースター前の土曜日、スティーヴはエヴァレット近郊の父親の農場でツタカエデの根を抜き取っていて、森からビッグフット、あるいは別名サスクワッチが出てくるのを見た。背の高さはおよそ8フィート、円錐型の頭をしていて長く黒い毛に覆われていた。彼はとっさにかがみ込み、その生き物が自分に気づかないでくれるように祈っていると、相手は木々の中に消えてしまった。慌てて家に帰ると、父親に詰問された。「この野郎、今までお前どこに行っていやがった?」ほんの15分ほど出ていただけだろうと言い返すと、父親は外はもうすっかり暗いじゃないか、数時間いなくなっていたんだぞと指摘した。

 スティーヴは仕事場の友人にこの話をしたが笑われてしまった。だがその後、記憶の断片がちらちら戻りはじめた。小さな生き物たちと一種のUFOの記憶だった。郡保安官事務所に連絡をとると、そこの研究者が催眠術師に紹介してくれた。

 催眠状態で、彼はその体験がまず、“きらきらする青いメタリックスーツ”を着た身長4フィートほどの小さな男を見たときから始まったことを思い出した。この生き物は、最上部にヘリコプターの羽根のような装置のついた透明な卵形の乗り物の中に入っていった。もう一人、同じような生き物が森から出てきて、二人してこの一人用ヘリコプターで上空に飛び立った。それから一機の大きなUFOが舞い降りてきたのだが、そのスピードがあまりにも速くて、一瞬墜落するのではないかと思った。が、それは森の上空でぴたりと止まり、そのおかげで下には旋風が巻き起こった。それから、古い白黒のテレビが現れる“ちらつき”のような“ぼつぼつとした点”が空中に現れるのに気づいた。その点が突然一か所に集まってきて一匹のオオカミのような形になり、それがすばやく自分のほうに向かってきて、ぶつかると電気ショックを受けた。それでオオカミと見えたのは目の錯覚であることに気づいた。同じことが何度か起きたそのあとで宇宙船からケーブルを伝ってサスクワッチが降りてくのを見た。おそらく自分を脅かすためなのだろう(何百という目撃証言が、UFO乗員たちが人間に対して神経質になっていることを明らかにしている)。

 

・その後、彼は宇宙船に乗せられ、弱い電流のようなもので身体を麻痺させられたことを、ぼんやりとだが思い出した。そこにはラジオがあって、英語やロシア語を含むたくさんの言語が聞こえていた。それから頭を剃った一人の男がスティーヴの眼球を取り出して検査した。次にはっきり覚えていたのは、自分は地上に戻っていて、サスクワッチが木々のあいだから出てくるところである。明らかに、ほかのすべての記憶は消されていたようだ。

 

確かに『不思議度の高い事象』は、UFO問題に関連して書かれた本の中でもっとも異常な部類の本であるその驚きあきれさせる主張のいくつかは、冒頭の章「軍の発言」の中ですでに予感される。この第一章は、エイリアンに遭遇したと主張し、軍情報部からもしばしば報告を要求された軍関係者とのインタビューを含んでいる。そのうちの一人は、1980年のクリスマスに起こったある有名な“接近遭遇”事件のさい、イギリスの旧サセックス州レンドルシャム・フォレストにあるベントウォーターズ空軍基地にいた特務軍曹だ。このときUFOが間近に目撃されたということは、基地副司令官のチャールズ・ホールト中佐により公に認められている

 特務軍曹ジョームズ・ペニトンはUFOを間近に目撃したばかりでなく、機体表面の浮き彫りになったシンボルに触わってまでいて、そのシンボルから、ある種の情報を得ていた。これはテレパシー的に受け取られたようだ。ペニトンは催眠状態で、UFO搭乗者たちが調査に従事していることを思い出した。「何に役立てるためだ?」と聞かれて、ペニストンはこう答えた。「彼ら自身にです。彼らはタイムトラベラーなのです。彼らはわれわれ自身なのです……未来から来た」。ペニストンによると、彼らは主に胃から染色体を採取するためにここにやって来ているのだという。なぜかとの問いに、「問題が起きているんです」

 UFO搭乗者たちが未来からのタイムトラベラーだという考えは、『不思議度の高い事象』の中で何度も現れる

 

・リンダ・ポーターによると、ETたちの言語はわれわれのものよりずっと正確でコンパクトであり、“感情を生み出す記号文字”から成り立っている。このシンボルは三次元のホログラフィー彫刻のように見える。宇宙自体は「音型的にできていて、そのために同一空間にこれほど多くの異世界や異次元が存在できるのだ。それぞれが異なった周波数で存在していて………同じ空間を占める異世界や異次元は数えきれないほどあるのだが、それぞれが固有のオクターブを持っているために、お互いに気づかないでいる」。

 

・多くのアブダクティーやコンタクティーと同じく、リンダ・ポーターもエイリアンたち自身や彼らが話す目的を完全には信じはしなかった。「それでもまだ、どうもうさん臭いものを感じるのです。私たちは知ってほしくない何かがあるって

 また、ミステリーサークルはサブリミナルなメッセージだと“本能的に感じる”とも語った。

 アブダクションの目的の一つは、恐怖を通してアブダクティーを情緒的に成熟させることではないか彼女は考えている。

 

・家族の他の者はこのことをすっかり忘れてしまいたがったが、ワンナと娘はヒューマノイドたちに生体検査をされたというぼんやりした記憶があった。二人は催眠治療を受け、ワンナはガラス容器にヒューマノイドの身体がたくさん並んでいる大きな部屋を思い出した。リンダ・ポーターもこれと同様なことを描写している。

 

その目的には人類により高次の種の“種を播く”事業が伴っているらしく、そのためにワンナのような、実際にはエイリアンである特定の人間たちを一種の生まれ変わりの形で何度も地上に戻しているのだ。彼女の言う“人間の監視者たち、人間の創造者たち”の目的は“下位生物を使って、人類を(彼らの)レベルにまで進化させる”ことだ。ただ目下遭遇している一つの問題は、“人間たちの中には非常に邪悪で、私たち「エイリアン」をほとんど近づけさせない者がいる”ことだという。

 

・ワンナ・ローソンに出会った直後のUFO会議で、リンダ・ハウはアブダクティーたちとのインタビューの中で遭遇した生き物の種々のタイプに関して、講義をおこなった。それはカマキリ型、トカゲ型、ビッグフット、ブロンド、グレイなどであるが、会議に出席していた人々のじつに多くが、自分もそのうちのどれかに出会ったと主張していることに驚いた

リンダがケン・ローズという仮名を当てて身元を伏せたある男性は、宇宙船に乗せられ、ガラス・ケースの中に収められた三人の女性の人体を目撃したが、その身体には胃のあたりに穴が開いていたと言った。人体はバクテリアから守るために金色の粉で覆われており、どうやら製造過程にあったようだった。

 

スパークスが「なぜ私なのだ?」とエイリアンたちに聞くと、彼らは自分たちが教えた書き方で質問を書き出させた。言うとおりにすると、ホログラフィーによって再生された第ニ次世界大戦中とおぼしきある場面を見せられた。ドイツ人とイタリア人の将校たちがなにかのクーデターを企てており、そのイタリア人のうちの一人が前世の自分であることに気づいたスパークスはイタリア人だ)。この場面を見て、彼はなぜか人類をとても恥ずかしく思った。

 次に見せられたシーンは、19世紀後半か20世紀初期のようだった。ある工場の建物の前に一頭立ての軽装二輪馬車が止まっており、その馬車の中に自分がいて、黒いスーツにシルクハットをかぶっていた。自分はこの工場のオーナーなのだと感じた。

 それから、おそらく15、6世紀ごろだろうと思われる場面を見た。一人の男と一人の女が海を見下ろす高台の土地で、作物を耕していた。男は自分を思わせた。このあと中世の宿屋が現れ、粗末な木のテーブルを数人の男女が囲んでおり、白目製のマグでビールを飲んでいた。またしても、スパークスには男たちのうちの一人が自分と思われた。

 次のシーンでは、古代ローマ元老院を目にしており、ある重要な討論でほかの連中が話すのを、“まるで自分が全権力を握っているかのような”感じで耳を傾けていた。

 自分の家系をどこまで追っているのかと尋ねると、点々とする木々やサルのような生き物がいるアフリカのサヴァンナシーンを見せられた。このことからスパークスは、エイリアンたちが人類の創造に手を貸してきたと言っていることを理解した。これはリンダ・ハウが前述の書の第一巻の冒頭ですでに持ち出していたテーマだった。

 

スパークスはまた、彼の見たところ、アメリカ政府には三つのレベルがあると説明した。第一は通常の合衆国政府、第二はロズウェルの宇宙船回収のような機密を包み隠すレベル、第三はスパークスが“ブラック・バジェット委員会”(略してBBB)と呼ぶ“秘密クラブ”で、その存在はほかの二つのレベルにも知られていないという。

 スパークスは、エイリアンたちがすでに何千年ものあいだ人類の中にまぎれ込んでおり、“われわれを耕してきた”のだと信じている。

 

ジム・スパークスは1996年から2006年までの10年が、人類が生き延びられるかどうかの問題にとって重大な期間であると感じている。UFO現象の表出そのものである現在のエイリアンと人間の相互作用が、彼の信じるところでは、この破局を防ごうとするエイエイアン側の試みなのだ。

 スパークスの見解は、比較的に言って楽観的だ。ほかのアブダクティーたちは何ものも破局を防ぐことはできず、地球の一部は破壊されるだろうと言っている。人類は生き延びるだろうが、ずっと小さな規模になるという。スパークスには、状況はまだそれほどにはひどくはなく、何かができるはずだが、現在のように危険に気づかずにいる自己満足から脱し、目覚めることが急務だと強く感じている。

 

・リンダ・ハウの著作には、この時点まで私がわざと触れないできた別の面がある。それは彼女が、エイリアンとアメリカ政府とのあいだには

これまでにすでに接触があったのに、“ブラック・バジェット委員会”はその事実を大衆から故意に隠していると確信していることだ。

『不思議度の高い事象』の冒頭で、彼女はドアンルド・キーホー少佐の1960年の著作『空飛ぶ円盤トップシークレット』から長い一節を引用してる。同書は、軍がUFOの実在に完全に気づいており、慎重な事実隠しに従事しているということを非常に明確に打ち出した本である。

 

番組はまた、軍関係者と国防省その他の省庁の職員全員に、UFOの話題に関して、罰金や禁固刑の脅しを後ろ盾に口止めする公式の命令があったことも認めていた

 驚くまでもなく、この番組はキャンセルとなった。このような番組が放送までこぎ着けることができるなどと、どうしてこのディレクターが思いこんだのか察しがたい。しかし、その空軍の台本はキーホーが長々と引用しているのだから、この話は疑いなく真実なのだ。

 1983年、『奇妙な収穫』の放送から3年後、リンダ・ハウにUFOと地球外生命体の関与についての番組を作らないかとの声がかかった。当時二つのUFO団体が<情報の自由法>に基づいてUFOに関する情報を取得するためにアメリカ政府相手に訴訟を起こそうとしたものの、最高裁判所はこれを棄却していた。

 後日の情報によると、次に起こったのは、空軍が偽情報を流す一連の作戦に打って出ることで相手に手の内を出させようとする対策だったようだ。

 

・ドーティはガーステンに、アメリカ政府はエイリアンたちと接触を続けており、ある協定を結んでいて、それによるとエイリアンたちにはラスベガス近郊のグルーム湖の(エリア51として知られる)基地が与えられ、家畜解体と人間誘拐が許可されており、その代わりにエイリアンのテクノロジーアメリカの専門家に教えることになっているのだと語った。

 これは確かに決定的な情報に聞こえる。それとも、ドーティは陰謀説論者たちの過激な説の一部を蒸し返すことによって、わざと混乱を広げようとしたのだろうか?

 

・車で戻る道すがら、彼は話を進めて、リンダが最近聞いた別の話の信憑性を請け合った。ニューメキシコ州のホロマン空軍基地にUFOが実際に着陸したという話だった。

 

・事務所に着くと、ドーティは彼女の番組『奇妙な収穫』は「われわれが大衆に知ってほしくないと思っていることにかなり近いところまで迫り過ぎていた」と語った。それから、“合衆国大統領宛て概要説明書”と題されたある書類を見せたのだが、それは1946年に始まる数々のUFO墜落事件を認める文章で始まっており、それにはロズウェル(の二件とも)やニューメキシコ州アズテック、アリゾナ州キングマンの事件なども含まれていた。(有名な1947年のほうではなく)1949年にロズウェル付近で起きた後日のほうの墜落事件では、エイリアンの遺体と円盤が回収されており、分析のためにロスアラモスへ持ち込まれた。

 

・本書の執筆準備にとりかかったころの、私のUFOに関する知識と言えば、大半の新聞購読者よりは多少くわしかったものの、それにしてもたいして変わりはなかった。UFOに関するつつましいペーパーブックを1冊書いてはいた。だからといって、200冊あまりのUFO関係の書籍を読破する覚悟ができていたわけではない。

 

<「円盤の秘密」(オルフェオ・アンジェルッチ)>

・アンジェルッチは、コンタクティ(宇宙人会見者)で、自ら虚弱体質に悩む神経質な人間と語り、突如として、“空飛ぶ円盤ビジョン”の福音伝道者となった人物だ。

 

・アンジェルッチは、1952年5月23日、夜勤明けに車で、帰宅途中、意識がぼうっとなって夢を見ているような感覚に陥り、そのあと地平線上に赤い楕円形の物体を見た。その物体は、突然上昇し、二つの緑の光球を放ったが、そこから声が聞こえてきて、アンジェルッチに恐れることはないと告げた。車を止めると、声は、今お前と話をしているのは別世界から来た友人だと言った。アンジェルッチが急に喉が激しく渇くのを感じると、声がフェンダーの上にあるクリスタルグラスの中身を飲むように言った。美味しい飲み物だった。それから、二つの円盤のあいだの空間が白く光りだしてまるでテレビ画面のようになり、そこに超自然的な美しさの一人の男と一人の女の姿を見た。なぜかその二人をよく知っているように見えた。

 

・突然、画面が消えてなくなり、もう一度声がして(テレパシーだったようだ)。人間は何世紀も前から観察下におかれており、我々にとってはお前たち一人一人が貴重だ、なぜなら、「お前たちは、自分という存在の本当の神秘に気づいていないからだ」と教えた。

 

・声の説明によると、このUFOは一隻の母船からやって来ているのだが、実を言うと彼らには空飛ぶ円盤は必要ない、“エーテル”的存在だからだ。UFOはただ人間の前に形として現れるために用いているにすぎない。“宇宙法”によって、地球に着陸し、人間の運命に干渉することはできない。しかし、地球は今、大きな危険にさらされている。

 

・二ヵ月後の1952年7月23日、またもや同じことが起こったー夢のような感覚。そして巨大な半球体のシャボン玉のようなものの出現。

 

・アンジェルッチは伝道者となり、UFOの福音を説いて回ったが、人々は彼の努力をひどく嘲笑した。あるときUFOを見たあと、再びあのエーテル体の友人が現れて、自分の名前はネプチューンだと告げ、地球の問題と未来の救済についてさらなる洞察を加えた。

 

ユングが、アンジェルッチは真実を語っていると認めたのは明らかだ。しかし、アンジェルッチの話は、結局は“自然発生的な空想イメージ、夢、積極的想像力の産物”だとも感じていた。ユングは、夢のような現実感をおびる空想を指してそう呼んだのである。