日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

コンタクティやチャネラーの情報を集めています。森羅万象も!UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象といわれます。

どうも日本人は、専守防衛であれば小さい金額ですむと思っているようです。一方、攻撃能力の増強には莫大なお金がかかると思っているのですが、じつは逆なのです。(1)

 

『日本人だけがなぜ日本の凄さに気づかないのか』

ケント・ギルバート  石平  徳間書店   2017/8/31

 

 

 

日本は世界でもっとも素晴らしい国

・私は日本に住んで40年近くになります。石平さんは約30年。日本から見て片や東のアメリカ、片や西の中国からやって来て、長年この国に暮らしつづけてきた2人が、お互いの日本観はもとより、やっかいな隣国である中国と韓国の本質や、同盟国であるアメリカの思惑など、日本をとりまくさまざまな状況について縦横に論じあったのが本書です。

 

殺し合いの歴史だった中国と韓国

・(石平)中国も韓国も、歴史のなかで一族の殺し合いが頻繁に繰り返されてきました。これは中国と朝鮮の独特の文化ですよ。日本ではそんなことは戦国時代ですら滅多にありません。

 

西洋人から見た日中韓の違い

・(ケント)中国は儒教の悪影響だけでなく共産党一党独裁ですから、自由はないし、とにかく腐敗しきっています。それに人権なんて考えたこともない人たちが権力を握っている。だから中国に生まれたら、支配者側にまわって不正や弾圧を働くか、搾取される側に甘んじてビクビクしながら生きるしかない。

 

・それに比べて日本人は落ち着いている。ただし、自分が悪くないときでも、勝手に反省して謝罪する癖はやめたほうがいい。河野談話とか鳩山由紀夫元首相の韓国での土下座謝罪とかね。あの態勢で外交をやったら相手に利用されて、国民に迷惑をかけるだけだと、早く気づくべきです

 

「日本の常識は世界の非常識」などと言って卑屈になっている

・(ケント)日本のすばらしい点を挙げれば、枚挙にいとまがありません。東京は間違いなく世界一の都市ですし、そのほかの地方都市も美しく整備されていて、交通機関も格安・清潔で便利、しかも海外の大物アーティストのコンサートや、国際的な美術展なども年中行われています。一方、地方の田舎では四季折々の美しい自然、さまざまな伝統文化、郷土料理が楽しめます。

 

<増大しつづける中国の脅威と危機>

・(石平)ジニ係数は0に近いほど格差が少ない状態であり、0.4を超えると社会不安が広がるとされます。統計局の公表でもすでに危険水域に入っており、0.7を超えているとすれば、いつ暴動が起きても不思議ではないレベルです。実際に中国では大小あわせて年間20万~30万件の暴動が起きているとされています。

 

復讐の念がこもる中国のナショナリズム

・(石平)しかし、アメリカの愛国主義には、屈辱を跳ね返すとか、復讐するという要素はないでしょう?

 

<なぜ中国人は腐敗するのか>

・(石平)中国には「無官不貧」(腐敗しない官僚はいない)という言葉があるように、共産党幹部で腐敗していない人は誰もいません。これは中国の伝統文化でもあるのです。もともと歴史的に賄賂社会ですから、毛沢東時代にはこの賄賂社会が一時的に休止していた。貧しかったので、贈る賄賂もなかったからです。

 しかし、改革開放以後に腐敗が蔓延するようになり、政権に対する国民の不平・不満が高まると、逆に中華主義ナショナリズムというものを強くもちだして、対外的に強い中国を演じて見せるようになりました。

 日本にもアメリカにも上から見下すような態度を取って、強い共産党のもとで中国が屈辱を晴らしていることをアピールするわけです。 

 それは日本やアメリカに見せつけるというよりも、国民に見せるためのものです。腐敗社会だからナショナリズムをわざと高揚させる、という側面もあるのですね。

 

胡錦濤政権時代まで、インタ―ネットではかなり自由にいろいろな批判ができました。しかし、習近平政権になったいま、徹底的に取り締まられています。

 現在は技術が発達していて、インタ―ネットで政府を批判する人がいると、すぐ誰が書いたかを特定できますから、翌日には、警察が家まで取り調べにきます。

 

・加えて、3万人とも5万人ともいわれるサイバーポリスがネット上の投稿や発言を随時、監視しており、場合によっては逮捕、拘束されます。

 

ですから、ネットで政府を批判するのはとても危険です。ひと言つぶやいただけで、すぐに特定されてしまいますから、インタ―ネットに対する徹底的管理です

 

<いつまでも中国が民主化できない理由>

・(石平)一般庶民の多くは、中国中央電視台に洗脳されています。そのプロパガンダ能力は、日本の左翼メディアの比ではありません。

 もちろん中国のエリート、知識人は、それが嘘だということはみんなわかっています。だから「もうこの国で生きていきたくない」という者は、海外に出ていきます。

 

そして残った知識人の大半は、自分の利益のために政権と妥協する。中国人は、知識人を含めて、正義感や国をよくするといった公徳心が薄いですから、最後は自分にとってこの体制のなかで利益が得られればいいのです。

 

絶望的な中国経済の様相

・(ケント)いま、日本企業が中国から引き揚げようとしているじゃないですか。そのとき、工場をそのまま置いておかなければならないとか、利益を持って帰れないとか、いろいろ聞きますね。

 とくに2008年、中国民事訴訟法231条(2013年かに改正され、現在は新民事訴訟法250条)ができてから、日本の経営者はひどい目にあっていると聞きます。

 これは「民事上のトラブルを抱えた外国人に対し、法的に出国を指し止めることができる」という内容の法律で、もともとは2007年に大量発生した韓国企業の夜逃げ防止のためにつくられたようです。それが恣意的に適用され、海外移転を考えていた工場経営者が、ある日突然、身に覚えのない罪で訴えられて出国できなくなるというケースが多発しているそうですね。恐ろしいチャイナリスクです。

 

<中国の不動産は危機的状況>

・(ケント)中国の不動産についてですが、インタ―ネットでさかんに指摘されているのは余剰住宅の問題で、実際に必要とされている住宅の数より1000万戸あるいは1億戸が余っているといわれています。

 香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は、2016年7月15日付の紙面で、同年5月末時点で計画されている新規都市開発計画は3500件で、仮にそのすべてが実現すると「中国には34億人分もの住宅が存在することになる」と報じています。

 

・(石平)有名なのは内モンゴル自治区のオルドス市のゴーストタウンですね。建設された100万人都市に住んでいるのは10万人しかいない。無人の高層マンションが100棟以上もあるとされています。中国全土には、こうしたゴーストタウンが100カ所以上あるといわれています。

 なぜこのようなことが起こるかというと、中国経済の大きな問題でもあるのですが、徹底的に個人消費が不足しているのです。

 たとえば、アメリカだったら、GDPに占める個人消費の割合は70%、日本は60%ありますが、中国は40%しかありません。

 

・(石平)残り60%の内訳は不動産と純輸出です。

 中国国民は消費しないから、輸出をどんどん増やして、外国人の財布をねらってアメリカに消費してもらう、あるいは日本に消費してもらうわけです。ただし、中国は輸入大国でもありますから、GDPに占める純輸出は2.7%しかありません。

 GDPにける最大の構成要因が固定資本形成、つまり、政府によるインフラ投資や民間の不動産開発、設備投資などで、これがGDPの45~50%近くを占めています。しかも、そのなかでも不動産開発がもっとも大きい。だから、中国では不動産が支柱産業だといわれています

 

・もう一つ大きな理由が、不動産開発による地方の財政の確保です。中国の地方政府は、税収のほとんどを中央政府に持っていかれるので、収入があまりないのです。そこでいま、地方政府は、土地を売って財政に充てているわけです。中国の土地はすべて国有地ですが、地方政府は、その使用権を売ることができる。その土地の使用権を開発業者に売って、地方の財政が成り立っているのです。

 

中国の経済が順調で、不動産が永遠に売れつづける、という前提

・(石平)中国政府はここ数年、住宅ローン金利を低く押さえて、不動産バブルを支える政策を行ってきました。ほとんど無制限に誰にでも貸し出すわけです。一時は、大学生にまで、不動産を買えと言っていましたし、2軒目を買う夫婦も増えています。だから最近では、一時的にゴーストタウンが減少していました。

 ただ、あまりにバブルが過熱しすぎているので、2016年末から住宅ローン金利を引き上げるなど、中国当局は金融引き締めに動いています。しかし、「ウォールストリート・ジャーナル」などの海外メディアは、最近、中国不動産バブルの崩壊予測をさかんに流しています。

 

不動産をつくっても、売ることができなければ、地獄

・(石平)ところが、近年は資金がだぶついているので、買い手も結構いました。2015年の上海株大暴落、そして最近の外貨持ち出し規制によって、行き先を失った大量の資金が不動産にまわって、2016年ごろからバブルを引き起こしたのです。

 ただ、中国人にとっては不動産は自分が住むために買うものではありません。とくに富裕層ですが、投資や投機のために何十件と家を買うんです。

 

中国経済は、不動産神話に支えられている

・(石平)だから34億人分もの住宅建設計画が出てくるのですよ。

 ところが、バブルが過熱していますから、政府はこれを抑えようと躍起になりはじめています。2017年5月にも住宅ローン金利を上げました。

 しかし、2017年6月に中国国家統計局が発表したデータに基づき「ロイター」(2017年6月19日付)が算出したところによると、5月の中国主要70都市の新築住宅価格は前年比で10.4%上昇と、不動産価格は相変わらず伸びています。

 不動産バブルが崩壊すれば、建設中のものも含めて、再び一気にゴーストタウン化でしょう。

 

逃げていく中国人富裕層

・(石平)とくに中国の富裕層の人たちが、日本の不動産を買いあさっていますから。

 彼らが海外で不動産を買う理由は二つあります。一つは、中国はすべて国有地ですから、中国で不動産を買っても決して自分のものにはなりません。土地使用権を買うのです。しかも住宅用地の使用権は70年という期限があります。期限がきたら、また、一定の使用権代金を支払わなくてはならない。しかし、日本やアメリカで買えば、土地も自分の財産になります。

 二つ目はやはり、富裕層ほど中国の不動産市場の内幕を知っていますから、いずれ崩壊することがわかっているのです。だからいまのうちに、彼らは海外へ逃げ出そうとしている。国内で不動産投資をするよりも、安心ですから。

 中国人は日本でも不動産を購入していますが、いちばん人気なのはアメリカです。

 

・(石平)中国人が海外の不動産を買う場合、とくにアメリカでは住むケースが多いですね。富裕層たちは中国で稼ぎながら、家族や子供たちを海外に住まわせるというパターンです。とくに腐敗官僚は、妻子と不正蓄財を海外に送り、自分は中国で汚職にいそしんでいます。

 つまり、中国の未来をいちばん信じていないのが中国人なのです。だから人も金も海外へどんどん出て行っている。

 

<アメリカ人をバカだと思う中国人>

・(石平)そこはアメリカ人ともっとも異なる部分で、中国人は5000年の歴史ののなかで、常に心の中で思っていることとは違うことを言ったり、やったりする。

 中国の兵法「三十六計」の計略の一つに「指桑罵槐(しそうばかい)」というものがあります。これは字義としては、「桑の木を指差して、槐(えんじゅ)を罵る」ということになりますが、つまり、本当に批判したい相手を直接罵るのではなく、別の人を批判することで、間接的に本当に批判したい相手の心をコントロールする。

 中国人は、そういったやり方をするのです。それでも中国人は心のバランスを保つことができる。アメリカ人には、真似できないことですよね。

 

・(石平)だから中国人の基準からすれば、アメリカ人はみんな馬鹿だということになる。

 たとえば、私の友人にもアメリカに移住した中国人がいます。彼らの共通した意見は、「アメリカという国は、文化も技術も進んでいるし、自由に発言もできるからすごい。しかし個々人のアメリカ人は馬鹿だらけだ」というのです。騙しやすいし、嘘もつけない。あくまで、中国人の基準からすれば、ということですよ。

 

・(石平)彼らからすると、アメリカ人のほうが騙しやすいようです。簡単に人の話を信用するといいます。

 もちろん、ディベートをすればアメリカ人のほうが強い。日本人も中国人も。ディベートではアメリカ人には、なかなかかなわない。ディベートというのは論理の組み立てですから。

 しかし、中国人にとっては論理の世界はどうでもいい。中国人は論理についてはまったく無頓着なのです。だから、アメリカに対して論理で勝負しようとは絶対に考えません。

(ケント)なるほど。先ほど触れましたが、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所で、中国の主張する南シナ海の領有権が完全否定されたときも、中国は「紙くずだ」と切り捨てるだけで、論理的な反証などいっさいしませんでしたね。

 

・(ケント)アメリカは善悪の社会なのです。

 アジアは善悪よりは、生きるうえでの技術を重視している感じがしますね。

(石平)それはアジアというよりも、とくに中華圏、中国と韓国のことです。善悪の判断はどうでもいい、自分が生きるためには嘘も平気でつくし、悪とも手を組む。場合によっては善の顔もする。すべて自分が生きていくためです。

 だから、中国も韓国も歴史上、内ゲバが非常に多い。朝鮮半島でも中国でも、「朋党の争い」という派閥による殺し合いが続きました。

 とくに中国の場合は、一族意識が強いので、一族のためになるものは善であり、邪魔になるものは悪になる。そのときどきで善悪が入れ替わるのであって、普遍的な哲学はないのです。

 

トランプ大統領で高まる日本のチャンス

・(ケント)彼に投票した理由は、変革をもたらす力があると思ったからです。何をやるかはわからない。しかし、必ず何かをやってくれるだろうと。ある意味、ギャンブルなんです。

 トランプ大統領候補が掲げた政策の一つに、アメリカとメキシコの間に壁をつくるというものがありますが、壁をつくっても、つくらなくても、どちらでもいいのです。要するに、不法移民問題を解決できれば、それでいい。メキシコからの不法移民の問題は、麻薬や治安悪化の原因としてかなり深刻ですから、それを解決してほしいと願うアメリカ人も多いのです。

 

<中国の「一帯一路」はいずれ失敗する>

・(石平)たしかに、中国が世界で進めているインフラ投資では、現地の住民との間でトラブルが頻発していますね。

 

発展途上国を借金漬けにして、地元の権益を奪うというやり方が、各国で問題になっています。

 

・(ケント)中国は、結構、自滅的なこともやっているのですよね。

 ケニアで、2017年5月に、中国が出資した長距離鉄道マダラカ・エクスプレスが開通しましたが、収入が見込めず、巨額債務を返済するめどがたっていないといいます。債務を抱えるケニアもつらいが、中国にとってもありがたくない。

 

・(石平)ケニアの鉄道建設では、2016年8月に、雇用や賃金が十分ではないということで、現地の若者200人が中国企業を襲撃する事件も起きています。アフリカ各国で、こうした中国人や中国企業の襲撃事件が多発しています。

 

外国人が見ても矛盾だらけの日本国憲法を改正せよ

・(ケント)どうも日本人は、専守防衛であれば小さい金額ですむと思っているようです。一方、攻撃能力の増強には莫大なお金がかかると思っているのですが、じつは逆なのです。

 むしろ、攻撃能力を高めるための軍事費のほうが、それほどかからない。実際、北朝鮮は核実験やICBMの発射実験を繰り返していますが、同国の経済力からして、軍事費はさほど突出した額とは思えない。それでも世界が大騒ぎになっています。

 一方、敵の攻撃を防ぐための防衛網を構築するには、その何倍もの費用がかかるのです。

(石平)しかも、攻撃能力が弱ければ弱いほど、防衛にさらにお金を使わなくてはならなくなります。

 強力な敵地攻撃能力の保有を見せつけることが、いちばんの防衛力、抑止力になる。「もしも攻撃したら、お前を叩き潰すぞ」という姿勢を示すということですね。

(ケント)受け身型の防衛というのは、相手の動きに合わせなければならない。しかも相手は何をやってくるか予測できない。これに対応するには、ものすごくお金がかかる。しかし、日本はそこまで十分な防衛予算を計上していないですよね。では日本に攻撃能力があるかといったら、それもない。だから不十分なのです。

(石平)攻撃能力を高めるということは、つまり、敵地攻撃が可能な軍事力を持つということですよね。ところが日本は専守防衛主義ですから、敵地攻撃ができるだけの武力や兵器を持ってこなかった。

 

・(ケント)しかし、昨今の北朝鮮情勢もあって、これから日本では憲法改正論議の対象となってくると思います。

 個人的には、憲法9条をまず改正して、あとは10年程度かけて全条文を見直せばいいと思います。どのように改正するか。すでに述べたように。問題があるのは9条の第2項です。

 

・(石平)私は、いますぐ核を持たなくてもいいけれど、準備をしておく必要はあると思っています。万が一、日米同盟が破綻した場合、一夜にして核兵器を持てるような準備だけはしておく、「いつでもつくれるぞ」ということを示すことも、中国や北朝鮮に対する一種の抑止力になると思うのです。

 先ほどの核保有国についてですが、インドは、中国が核を持ったことに対抗するために核開発を行いました。そうするとパキスタンも国家戦略上、持たざるをえなかった。要するに、敵対する周辺国が持つと、やはり自国も持たざるをえなくなる。

 いま、中国と北朝鮮という日本と敵対する国があるわけですから、やはり日本としてもそれに備える必要があるとは思うのです。ただ、たしかにいますぐ持つというのは、現実的ではないでしょうし、日米同盟が有効なうちは必要はないとは思います。

 

<日本人だけがなぜ日本の凄さに気づかないのか>

脱洗脳で輝ける日本へ

・(ケント)石平さんは日本人が知らない中国の真実の姿を発信し、私はアメリカのWGIP(占領軍の情報統制のこと)から始まった日本の歪みを指摘する。洋の東西からやってきたわれわれだからこそ、日本人に示せることがあると思います。

 

 

 

エコノミスト 2018.4.17』

《中国の統計水増し問題 相次いだ地方政府の「自白」 補助金制度の変革が引き金に  徐一睿》

・「政治選抜トーナメント」と呼ばれる中国の人事制度が、統計データを水増しするインセンティブとなっている。

 

中国では長年にわたって、中央と地方の間で統計数値の食い違いが生じており、国際社会が中国の統計に対して不信感を抱く原因にもなっている。

2003年以来、全国31の省の域内総生産を合計した数値が、中国統計局が発表する国内総生産(GDP)を上回る状態が続いている。16年にはその差額が3兆6484億元(約58兆円)に達した。

 

・こうした中、中国の国家統計局は17年10月、国と地方のGDPの算出方法を19年をメドに統一することを発表し、国と地方でデータのつじつまが合っていなかったことを公式に認めた。

 一方、地方政府では、経済統計水増しの「自白」が相次いでいる。

 

遼寧省がマイナス成長に

遼寧省の主要統計指標の推移を確認してみよう。14年の遼寧省の一般公共予算収入(日本の一般会計予算に相当)の対前年比はマイナス圏に落ち込み、15年は対前年比マイナス33.4%となった。

 

・今のところ、遼寧省内モンゴル自治区天津市の3つの地方政府に続く新たな自白は出てきていない。

 

<「責任状」の成果主義

・人事権による統制とは、中央政府をはじめとする上位政府が「責任状」という具体的な数値目標を立て、成果主義にもとづいて選抜することで下位政府の幹部に強いインセンティブを与えることである。上位政府は事前に策定した評価基準にのっとって、下位政府に対する人事評価を行う。こうした人事権による統制は、「政治選抜トーナメント方式」と名付けられる。

 経済至上主義を掲げている中国において、統計の水増し問題は政治選抜トーナメント方式に従う昇進レースによる必然的な産物と言っても過言ではない。

 

<「一般補助金」増加が影響>

・もう一つの統制方法である財政移転とは、文字通り、中央から地方へ一定額の財源を交付することだ。この財政移転の制度改革が、水増しの自白を誘発した。

 

<財源と事務量の均衡必要>

水増し問題発覚は、今日の中国の課題をあぶり出したという意義もあった。地方政府による自白・修正は、今後の地方財政の適正化に寄与することだろう。

 

 

 

『2010年中国が牙をむく』

石平   PHP    2008/11/7

 

 

 

2010~2012年、中国は牙をむく

石;先生が台湾に対し、そういうお考えであれば、もう一つの問題として、台湾が自然に中国に飲み込まれる可能性が少ないほど、逆に中国共産党がいわゆる平和的に統合することを断念し、最終的には力ずくで統合に導くこともありますか?

 

中嶋;その可能性は十分にあります。

 

石;2010年か2012年か。台湾関係はかなり現実的な危険に立ち向かわざるを得なくなるということですね。

 

石;日本もこの数年間でいろいろな意味で「準備」をしておかないと手遅れになるでしょうね。

 

中嶋;そのためにも、やはり当面の外交政策の立直しをきちんとやらないといけないと思います。

 

中嶋;根本戦略と、それからやはり外務省の手腕がものをいいます。中国と日本外交官を比較すると、中国の外交官は実に巧みにロビー活動を根回しもうまくこなしている。日本の外交官はまったくダメだ。しかもストラテジー(戦術)がない。もう一つの日本の外交官の難点は英語力だといっているのです。英語力がもうぜんぜんダメだ、と。

 

深刻化する社会の歪みと爆発寸前の中国社会

時限爆弾としての失業問題と貧富の格差

・それにしても「都市部5000万人失業、農村部2億人失業」というのは、十分に深刻な事態である。すでに深刻化している中国の失業問題は2008年からさらに深刻化していくのが避けられない成り行きである。

 

<人類史上かってない規模の深刻な事態>

・これからの中国は、毎年、就職できずに労働市場から吐き出された百数十万人の大学卒業生と、1年間で1200万人増える都市部の新規失業者数と、常に失業状態にある農村部の2億人単位の「余剰労働力」と、5000万人も都市部の失業者が溢れているという史上最大の失業大国となっていくのであろうが、このような国に社会的安定を期待するのは最初から無理な話であろう。

 

・中国における「動乱の時代」の到来は、まさに失業問題の深刻化を背景とするものである。

 

・大富豪の一人の背後には、数千人かあるいは数万人の貧困層の人々が存在していることを忘れてはいけないのだ。

 

・「仇富」という新造語が数年前から流行っているのである。文字通り「富む者を仇とする」、「富む者を憎む」という意味で、要するに金持ちたちは貧乏人である民衆たちの憎むべき対象となり、その「仇」となっているわけである。このような心持が一種の社会心理として普遍化していることは、社会の安定化にとっては大変危険な要素であることは言うまでもない。

 

<金融と不動産、どちらが先に死ぬのか>

・「中国における不動産価格の暴落はやがて金融危機を引き起こし、いわゆる中国版サブプライムローン危機を引き起こすことになるだろう」との警告を発している。

 

・あたかも中国における「金融」と「不動産市場」の「死」はすでに確定事項となっており、「どちらが先に死ぬか」だけが問題となっているかのような風情である。

 

彼らの論旨からすれば、中国の不動産市場の「死」はもはや避けられない趨勢になっているから、討論会の関心点は、もっぱらいつ「死ぬ」のかに集中している。

 

 

 

『2010 長谷川慶太朗の大局を読む』

 民主不況、米国製造業消滅、北朝鮮崩壊

長谷川慶太朗  李白社   2009/10/16

 

 

 

「世界の工場から市場」へと転換した中国経済

<「家電下郷」という政策に転換した中国>

・中国政府は、今回の世界的な不況で思い切った決断を下した。すなわち、輸出を伸ばすことで沿海部を中心に繁栄を目指すという従来の路線から、農民の消費意欲を刺激して内陸部の市場を確保するという路線への転換である。

 

・そのために現在、最も力を入れているのが「家電下郷(家電を農村に)」政策で、これは、農村部の消費者が家電製品を購入するときに、政府が販売価格の13%の補助金を出すというものだ。

 

・いずれにしても国営銀行が補助金用のお札をどんどん刷っているわけで、中国政府は今後それによって物価が上がろうと、不動産バブルが発生しようとまったく意に介していない。

 

・そこにお札を刷ってジャブジャブと流し込めば、流し込むほど、マーケットが広がっていくのである。

 

・中国が商品を供給する工場ではなく消費する市場へと転換するためで、必要な資金は文字通り無制限の融資によってつくっていくということなのだ。

 

<中国がウイグルを武力鎮圧しなければならなくなった理由>

新疆ウイグル自治区は、中国にとって天然ガス生産で80%、原油生産で60%を占めるエネルギーの供給源になっている。

 

新疆ウイグル自治区の住民約2000万人のうち約半分はウイグル族

 

・中国の統制下に置くためにウイグル族の反乱は断固として鎮圧する方針だ。

 

<市場化を突き進むしかない中国共産党

新疆ウイグル自治区で大暴動が起こったのも失業者が増えたことが原因だった。

 

・中国政府が地方経済を改善する努力を行わないと、彼らの不満は溜まり続けていずれ爆発してしまうだろう。

 

・中国政府にとって、一番大事なことは共産党に対する大規模な反乱を防ぐという事だ。どんなにお金がかかっても反乱を全力で阻止する、そんな決意が「家電下郷」には込められているとも言える。

 

・同じ意味合いから、中国政府は今、海外から大量の穀物を輸入している。河南省、河北省、山西省が今年1月から大干ばつに見舞われて、小麦が大減産になったため、半年分の食糧が確保できなくなっているからだ。この3省には中国の全人口のほぼ3分の1に当たる約4億人が住んでいるので、そんな大人口が飢えて騒ぎ出したら、とても中国政府の手に負えなくなる。

 

・中国政府は、国内で人民元をどんどん刷って、海外から大量に穀物をドルで買い付けるという、外部から見れば危うい経済運営を行っている。中国政府もそんなことは百も承知だが、これからも少なくとも「家電下郷」は続けざるを得ないのである。