日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

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2050年に世界人口の40%が深刻な水不足に陥る。(1)

 

『日本と世界を知るためのファクト図鑑』

偏見や思い込みを排して世界を正しく解釈する!

佐藤優 監修   宝島社   2019/11/27

 

 

 

キリスト教イスラム教は近い宗教だからこそ対立する

・(思い込み):現在、キリスト教国とイスラム教国が激しく対立していることから、両方の宗教はまったく異なる特質を持つ宗教なのだろう。)

 

・(検証):(キリスト教イスラム教も聖典旧約聖書

キリスト教イスラム教にユダヤ教を加えた三つの宗教は、アブラハムの宗教といわれる。三つの宗教はともに中東に起源を持っており、預言者アブラハムを始祖と信じている宗教である。ユダヤ人はアブラハムの二人の息子の中のイサクの子孫であると主張する一方、イスラム教徒はもう一人の息子イシュマエルの子孫であると主張している。また、三つの宗教はともに旧約聖書聖典の一つとしている。

長年にわたる対立の歴史はいつ終わるのか?

・イランをはじめとする多くのイスラム教国で、イスラム教以外の多くの布教活動は禁止されている一方で、キリスト教ユダヤ教は信仰を認められている。もちろん、そうした国ではイスラム教徒以外に選挙権がないなど、イスラム教徒と同様の権利を有していないが、特別待遇にある宗教だと述べることができる。

 

死刑制度がある国は世界の約3割を占める

(思い込み):(近年、日本では死刑廃止問題について活発な議論が行われている。また、EUは死刑の廃止を宣言しており、死刑がある国は遅れた国である。)

(検証):2018年現在、198の国と地域のうちで142の国が死刑制度を廃止・停止している。その割合は全体の7割を超える。だが、逆の側面から見れば、3割の国がいまだに死刑制度を廃止・停止していないという事実がある。さらに、通常の犯罪のみ死刑を廃止した8カ国と、制度として死刑はあるが過去10年の執行がない28カ国を、死刑存置国の56カ国・地域と合わせると92カ国となり、完全廃止した106カ国に迫る数字となるのだそのため、死刑廃止が世界の時流といい切ることはできない。

 死刑廃止の是非は一概にいえない問題であるが、死刑を廃止しない国がこれほど多い理由を考えた場合、一つには宗教的な理由が多い。

死刑を望む国民感情 死刑を巡る心情的な問題

・死刑が犯罪の抑止力になるという主張がされているが、その実証性は低い。だが、犯罪によって肉親を失った家族が、犯人に対して死刑を望む感情は理解できるものがある。

 

世界でもっとも民主主義指数が高い国はノルウェー

(思い込み):(世界の国でもっとも民主主義指数が高い国は、やはりなんといっても民主主義の象徴といっても過言ではないアメリカ合衆国だろう。

(検証):(子どもの頃から国ぐるみで民主主義への関心を育てる

・そのランキングで長年1位に輝いているのは、民主主義の代名詞ともいえるアメリカではなく、実は北欧のノルウェーなのである。なお、2018年の結果ではアメリカは25位、日本は22位だ。

 それでは、ノルウェーのどのような点が民主主義的なのだろうか。ノルウェーの人口はわずか533万人と国の規模は小さいが、民主主義への意識は比べものにならないくらい高い。たとえば、ノルウェーの教育現場では、小学校から民主主義の大切さを教えるだけでなく、各政党が子どものための政策をつくっているため、高学年の生徒は選挙小屋と呼ばれる施設を巡って質問をしたり、レポートをまとめたりする。

 また、ノルウェーの8割以上の高校では、生徒会が政党の代表を招いて討論会を催すという。こうした子どもの頃から徹底した教育が、民主主義への関心の高さを支えているのだ。

政治参加のしやすさは日本とは雲泥の差

ノルウェーは選挙運動もユニークだ。ノルウェーでは選挙期間中、前述の選挙小屋が通り沿いに建てられる。選挙小屋はカラフルでかわいらしいデザインの小屋で、子どもから大人まで気軽に訪れることができる。

 

・また、選挙権および被選挙権は18歳以上と規定され、立候補の際の供託金もいらないので、なんとオスロ市議会には女子高校生の市議会議員ばかりか、高校生の国会議員候補までいるという。

 

先進国では就労後に学び直すリカレント教育が一般的だ

(思い込み):社会人になってから大学に入学して教育を受けるのは、日本だけでなく海外でも特殊な例である

(検証):(諸外国では一般的な社会人の大学入学

リカレント教育とは、スウェーデンの経済学者レーンが提唱した教育の概念で、生涯にわたって教育と就労を繰り返していく教育のことをいう。日本語では、「生涯教育」や「回帰教育」、「循環教育」などと呼ばれる。

 

・しかし、諸外国では日本人の想像以上にリカレント教育が普及しており、大学入学者の25歳以上の割合はOECD各国平均ですでに約2割に達している。一方、日本における社会人学生比率は1.9%に過ぎない。

日本でリカレント教育が定着しない理由とは?

・諸外国では、大学入学時の平均年齢も高い。アメリカでは大学入学年齢の平均は27歳で大学進学率は74%、ノルウェーに至っては大学入学年齢の平均が30歳で、進学率は76%となっている。18歳で大学に入学して22歳で卒業して就職するというのが常識となっている日本の大学入学年齢の平均は18歳(2017年)だという。

 この歴然たる差は、大学というもののとらえ方の違いから来ている。北欧では、高校を卒業したら、まずは経済的に自立することが最優先される。就職して社会経験を積んでから、資格取得やキャリアアップ、知的好奇心の充足のために大学へ進むのが一般的なのだ。しかも、大学の学費は自国民も留学生も無料だというから驚きである。

 

・また、リカレント教育が盛んな理由の一つに、離職のしやすさがある。リカレント教育が特に盛んなフランス、ベルギー、イタリア、スウェーデンでは「有給教育訓練制度」がすでに立法化されており、教育や訓練を受ける目的で一定期間離職することが認められているのだ。

 

アメリカは日本以上に学歴主義である

・(思い込み):自由と独立精神を重視するアメリカ社会では、どのような人であろうとも、実力さえあればチャンスは平等に与えられている

(検証):(アメリカの管理職のほとんどは高学歴

アメリカという国は実力主義の国であり、一人ひとりの人間が競争する社会であることは多く知られているが、実は日本以上の学歴社会である。個人の努力や実力以外の要素である学歴が人生における成功の鍵を握っているのだ。

 

アメリカの大企業の部長の最終学歴を表す統計によれば、大学院修了の人事部長は61.6%、営業部長は45.6%、経理部長は43.9%、四年生大学卒ではそれぞれ、35.4%、43.5%、56.1%となっている。2012年の日本における従業員500人以上の会社での役員の割合は、大学院修了6.3%、大学卒67.8%となっている。管理職と役員の比較であるので正確に対応してはいないが、それでもアメリカ社会において学歴がいかに重要であるかが端的に理解できる資料である。

ワスプから学歴重視へアメリカ社会秩序の変化

・かつてアメリカでは、「ワスプ(WASP」と呼ばれるアングロサクソン系の白人で、プロテスタントであることが社会的地位を築く上で、非常に重要なものとなっていた。その支配階級とも呼び得るワスプの師弟が通う学校が、ハーバード大、コロンビア大、プリンストン大などのアイビーリーグと呼ばれる名門校であった。

 

このようにアメリカ社会では学歴が重んじられ、どこの大学のどの学科を卒業し、どこの大学院や博士号を取ったかが社会的に非常に重要なものとなっているのである。こうした状況は、アメリカ社会が平等な社会に見えて、実は保守的なシステムを持つ社会であると批判されている原因となっている。

 

オーストラリアの国民の20人に1人は中国人だ

・(思い込み):(オーストラリアは移民国家として知られているが、その多くが欧米諸国の出身者で占められているはずだ。)

・(検証):(オーストラリアに絶大な影響力を振るう中国

・オーストラリアは、1970年代から、さまざまな文化を持つ人々が共存できる社会を目指す「多文化主義」の旗印の下で各国からの移民を積極的に受け入れてきた。2019年現在、オーストラリアの全人口の約29%が国外で生まれているという。その内訳を見ると、かつての宗主国のイギリスからの移住者ももちろん多いが、特筆すべきは中国からの移住者の割合である。

 2018年に発表された統計データによれば、中国からの移住者は2018年までの5年間で平均して毎年約7~8万人増加しており、2019年現在、中国からの移住者の総数は130万人にも上ると推測されている。オーストラリアの人口は約2500万人なので、全人口のおよそ5%、20人に1人が中国人ということになるのだ。

静かに侵食されているオーストラリア

・ところが、中国人の移住者が増えることは、オーストラリアにとってメリットばかりではない。多くの中国人が投資を目的にオーストラリアの土地や不動産を購入したことで、国内の住宅価格が高騰し、オーストラリア人が住宅を買いにくくなるという現象が起きているのだ。

 

アメリカにおける銃による死者は、独立戦争以降の戦死者を上回る

(思い込み):(アメリカは大規模な戦争を経験しており、多数の戦死者を出している。その数はアメリカ国内の銃による死者とは比べものにならない

(検証):(簡単に銃が買えるアメリカでは銃は自由の象徴の一つである)

アメリカは銃社会である。自衛のための銃の所有を国民に認めている国はアメリカ以外にもあるが、西欧の先進国といわれる国で、国民が銃を所持できる国はアメリカだけだ。

 アメリカにある政治発言の信憑性をチェックするサイトであるパンディットファクトの2015年の記事によると、アメリカの独立戦争以降の戦死者の数は約140万人であり、1968年から2015年の間にアメリカにおいて銃によって殺害された人の数は150万人を超えているという統計がある。この数字はアメリカがいかに銃社会であり、銃による犯罪が多発している国であるかということをはっきりと示すものである

 

・また、かつてはアメリカ市民であればスーパーでも簡単に銃を買うことができたため、アメリカの4割の家庭が銃を所持しているという統計もある。

銃規制を阻止する強力な圧力団体の存在とやまぬ銃犯罪)

・毎年驚くほどの銃による犠牲者が出ているのにもかかわらず、なぜ銃規制が進まないのかといえば、政治的・経済的・社会的に強大な影響を持つ全米ライフル協会(NRA)の存在があるからである。この協会の会員数は約500万人、多くの著名人が加入しており、莫大な資金力があるといわれている。NRAは銃規制に関する法案が提出されるとすぐにアメリカ全土の会員による署名運動を行い、反対運動を展開する。

 

アメリカでもすべての子どもが学校に通っているわけではない

・(思い込み):先進国は学校教育が基本。公立にしろ、私立にしろ、学校での教育が必要不可欠であり、それはアメリカでも変わらない

(検証):(教育は学校以外でもできるという考え方

アメリカにおいては50州すべてで、学校に通わずに親が家庭で勉強を教えるホームスク-リングという制度が認められている。

 アメリカ全土で2~3%、つまりは、50人に1人以上の子どもがこの制度の下で勉強しているという現状がある

 

・また、アメリカの大学入試では単に学力だけが問題とはならないため、どのような教育をどのように学んできたのかという点も重視されるが、ホームスク-リングを受けてきた子どもたちが、学校教育を受けてきた子どもたちに比べて入試が不利になるわけではないという点も重要である。

社会集団の中にいることで背負うリスクも存在する)

アメリカにおいて学校教育よりもホームスク-リングを行う家庭が少なからず存在している理由の一つとして、銃問題がある。

 

・このようにアメリカの学校は絶対に安全な場所とはいえず、しばしば悲劇的な事件の舞台となっている。そのため、危険な学校よりも子どもたちを自分たちで守ることができる自宅で教育を行ったほうがよいと考える親がいるのも理解できるだろう。

 

・また、日本にも同様に存在している問題として、いじめを理由としたものがある。なんらかの形でいじめを受けている学校で教育を受けている子どもが、いじめを受けている学校で教育を受け続けるよりも家庭内で教育を受けたほうが、学力が伸び、精神的にもよい場合が多々存在する。そうした理由によってホームスク-リングが選択されることもあるのだ。

 いずれにせよ、ホームスク-リングという制度がアメリカでは公的に認められており、そのことによって学力が伸びている子どもも間違いなくいることは事実である。

 

2050年に世界人口の40%が深刻な水不足に陥る

・(思い込み):温暖化で北極の水が溶け、海面水位が上がるほどなので、将来的に地球の水資源は豊かになるだろう。

(検証):(このまま行けば人類の4割以上が水不足に

・我々は普段、水道から飲料として、または生活用水として当たり前のように水を得ている。水は、人間の生活にとっても、生命維持活動にとっても、絶対に必要不可欠な資源だといえる。しかし、その水が、将来的には地球規模で不足するかもしれない。

 OECDの調査によれば、2000年時点で世界の水需要は約3600k㎥だったが、2000年から2050年までの間に製造業に使われる工業用水が+400%、発電用の水が+140%、生活用水が+30%ほど増加し、水需要全体で55%も増加すると見込まれており、その結果として2050年時点で深刻な水不足に陥る河川流域の人口が、世界人口の4割以上である39億人にも達する可能性があるというのだ。将来的に人類が水不足に見舞われるかもしれないという予測は、OECD以外にもユネスコアジア開発銀行なども発表しており、信憑性が高い。

安定的に水を供給できる体制づくりが急務)

・今後、地球上の多くの人々が水不足に陥ることになれば、それが紛争の火種になる可能性もある。実際に2010年からナイル川の水資源を巡ってエジプトとエチオピアが対立を続けている。人類は、今後数十年をかけて地球上のできる限り広い範囲に対して安定的に水を供給できる体制を整備する必要がある。

 

研究開発費の対GDP比率がもっとも高い国はイスラエル

・(思い込み):(研究開発費のGDPに対する割合がもっとも高い国は、もっとも研究開発費の高いアメリカだろう。)

・(検証):(研究開発に巨額を投じるイスラエルの真意

・国の研究開発費の多さを比べた場合、アメリカが毎年計上している額は5400億ドル以上に上り、約4960億ドルの中国と差が縮んだものの首位となっている(ちなみに、日本は約1760億ドルで3位。いずれも2017年の統計データによる)。しかし、研究開発費の対GDP比となると、その順位は大きく様変わりする。なんと首位は、イスラエルなのだ。イスラエルは、これまで研究開発費のGDPに対する割合がもっとも高い国に何度も選ばれており、2015年のデータによれば、研究開発費が対GDPの4.27%に上っていたという。

 研究開発費自体の規模は、2016年で130億ドル程度とアメリカや日本に比べればかなり少ないが、それでもイスラエルの人口がわずか902万人、国土面積は四国とほぼ同じ大きさしかないことを考えれば、イスラエルという国の予算がどれほど研究開発に傾斜しているかがわかる。

世界中から研究者が集まる新規事業国家)

・また、イスラエルは「新規事業国家」としてもよく知られている。つまり、ゼロからイチを生み出すスタートアップ企業を多く生み出しているのだ。あまり知られていないが、私たちの身の回りには、イスラエルで生まれた技術が溢れている。たとえば、VR、自動運転車画像認識チップ、ZIP圧縮技術、CT診断装置、USBメモリ、ドローン、プチトマト、3Dプリンター、レーシックなどは、実はイスラエル発の技術なのだ。

 そのため、イスラエルには世界中から優秀な技術者が集まっているだけでなく、多くのグローバル企業が最先端の技術を求めてイスラエルに研究拠点を置いており、今やシリコンバレーにも匹敵する技術力を誇っているといわれる

 イスラエルと周辺のアラブ諸国との間の緊張関係が続く限り、イスラエル国民は自分たちの国と民族を守るために、常に経済成長を続けて国力を維持しようと、小国ながらも人類の最先端を行く技術を生み出し続けていくのかもしれない。

 

世界のCO2排出量は減っていない

(思い込み):(国際会議の場でCO2削減問題が話し合われており、大気中のCO2量を減らすため、各国は最大限の努力をしている。)

・(検証):(急ピッチの工業化がCO2排出量を増やしている

・世界のCO2排出量は増加し続けているが、その一例として気象庁が2018年に発表した岩手県大船渡市三陸町綾里における統計を展示しよう。綾里での1987年度のCO2量は351.4PPMであったものが、2018年には412.0PPMと過去最大の数値となっている。

 さらに、ほかの観測場所においてもCO2量は増加し続け、過去最大の数値となっている。もちろん日本だけではなく、この状況は世界でも同様である。大気中のCO2は温室効果ガスとして作用し、温暖化現象や異常気象を引き起こす大きな要因である。

 

・では、なぜこのようにCO2量が増え続けているのだろうか。その原因の一つとして中国やインドといった国の急激な工業化を挙げることができる。先進国によるCO2排出量が規制によって少なくなっても、今まで多くのCO2を排出することがなかった国がCO2を大量に排出するようになり、世界全体では排出量が増えているのだ。この状況を打破するためには新興工業国のCO2排出量の削減が絶対的に必要となる。

十分な対策を取らずにCO2を大量に排出している国がネック

EUなどの先進諸国は地球環境問題に真剣に取り組み、CO2排出量の削減を行っているが、アメリカはトランプが大統領になってから、CO2排出量削減対策を放棄する方向に向かっている。

 さらに、中国、インド、ブラジルなどの新興工業国は急速な工業化のみを進め、環境問題を二の次にしている現状がある。

 

・だが、各国がエゴを押し通すことによってCO2排出量は確実に増加し、早急に世界的な対策を取らなければ取り返しのつかない状況に陥る一歩手前にあることを、我々はしっかりと理解しなければならない。

 

2100年以降は、人口は増えない

・(思い込み):(発展途上国がこのまま経済的に豊かになり続ければ、世界人口は際限なく増加するはずだ。)

(検証):(世界人口は2100年までに109億人まで増加

・1927年には20億人だった世界人口は、その60年後の1987年には50億人に、2019年には77億人に達するというペースで急速に増え続けている。さらに国連は2019年に、世界の人口は2050年までに97億人、2100年までに109億人に増えるだろうという推計を発表した。この推計を聞くと、誰もが「増えた人口に耐え切れず、地球上の全資源は枯渇してしまう!」と一抹の不安を感じざるを得ないだろう。

 ところが、上述の国連による推計では、次のように続く。サブサハラ・アフリカでは2050年まで人口が倍増するが、世界人口は2100年頃にはピークを迎え、少子高齢化などの影響によって人口増加率はゼロ成長となり、その先は減少するようになるというのだ。

 ちなみに、その頃には、人口減の国や地域は約6割に上るようになるという。

 将来的にある時点から世界人口が減少し始めるのは間違いなさそうだが、だからといって安心はできない。2050年までの人口の5割超を、インド、ナイジェリア、パキスタンなどの9カ国の人口が占めるという。特に人口増加が著しく、21世紀を通じて人口が増え続けると見込まれているのは、サブサハラ・アフリカである。

人口の増減は国によって偏りが生じる

・つまり、サブサハラ・アフリカのような後発開発途上国の多くの地域では急速な人口増加が続く一方で、先進国においては少子高齢化の影響によって次第に人口減に傾く国が増えていくことになる。

 推計によると、2100年にはアフリカで人口が0.61%増加する一方、アジアは0.39%減、ヨーロッパで0.14%減となるという。その場合、人口が増え続ける途上国と、人口が減り続ける先進国との間の経済面や衛生面における格差をどうするのかという問題が浮上することになるのだ。

 

電気を使えない人は全世界人口の約20%しかいない。>

(思い込み):(世界にまだ後進国も多く、いまだ電気を使えない人々が大勢いる。

(検証):(電力消費量は一貫して伸び続けてきた

・宇宙から夜の地球を眺めた写真を見たことがあるだろうか。夜の闇の中で、都市部や道路沿いが明るく輝いている映像だ。

 

・そんな写真を見たことがある人の多くが、世界にはいまだに電気を使えない人が大勢いるのだという感想を抱くかもしれない。しかし、実際には現時点で世界人口の約80%が電気を使うことができているのである。

電気を使える地域にはいまだ偏りがある

・世界の国や地域がどの程度「電力化」されているのかを見る電力化率はどうだろうか。

 先進国全体ではすでに99.9%が電力化されており、無電化地域に暮している人の数は100万人程度である。それに対し、南米は電力化率が95%で無電化地域人口が2400万人、中東は電力化率が91%で無電化地域人口が1900万人、アジアの発展途上国は電力化率が83%で無電化地域人口が6億1500万人、アフリカの北アフリカは電力化率が95%で無電化地域人口が100万人と、極めて高い割合で電力化されているものの、サハラ砂漠以南のアフリカ(サブサハラ・アフリカ)は、電力化率はわずか32%、無電化地域人口は5億9900万人にもおよぶ。実に、サブサハラ・アフリカの68%の人口が電気のない暮らしを余儀なくされているのである。

 

特にサブサハラ・アフリカにおける電力化率の改善は、同地域における人口増加率や水資源の不足などと合わせて、人類にとっての大きな政策課題の一つとなっている。

 

アメリカにおける政権交代は経済政策の違いから起きる

・(思い込み):(アメリカでは大統領の力が強大だ。そのため、有権者は大統領候補者を基準に政治政党を決めている。)

(検証):(二つの政党の経済政策の違いが投票行動に影響を与える

アメリカの二大政党の経済政策はまったく異なる特徴を持っている。民主党の経済政策は基本的に経済に国家が介入し、経済的流れを政府がコントロールし、企業よりも国民一人ひとりの利益を優先する。それに対して共和党は政府が経済に介入することをなるべく避け、企業の成功が国家の繁栄につながると考える。さらに、経済格差は当然と考え、企業への統制は行わない政策を取る。

自由経済優先の共和党と平等主義優先の民主党との差異

共和党は経済的自由主義を優先するため、国内の企業に対しても税率を低くし、経済発展を促そうとする。一方、民主党は税負担の公平を主張し、利益の上がっている企業はそれだけ多くの税を払い、貧しい国民はより少ない税で済むようにすべきであると考える。こうした違いは経済政策全般におよぶ。

 

・自由競争の勝者が個人として多くのモノを所有すべきであると考えるのが共和党の経済的自由主義政策である。それに対して民主党は自由よりも平等を優先するために、経済への国家介入を行って格差社会をなるべくなくそうとする。

 つまりは、共和党民主党の経済政策の違いは、自由を優先すべきか、それとも、平等を優先すべきかという民主主義の二つの根本原理のヘゲモニー問題という側面もあるのである。

 

教育を受けられる子どもは増加している

(思い込み):(発展途上国ではいまだ学校に通えない子どもが多く存在している。

(検証):(国連が掲げた就学率向上という目標

・2000年9月、ニューヨークの国際連合本部で開催された、189の国連加盟国が参加した国連ミレニアムサミットにおいて全会一致で「ミレニアム宣言」が採択された。人類が21世紀を迎えるにあたって「平和で繁栄した公正な世界をつくり出すこと」や「貧困をなくすこと」などを目標として、世界各国が団結して取り組んでいくことが宣言されたのである。

 

・「ミレニアム開発目標」では、「極度の貧困と飢餓の撲滅」や「ジェンダー平等の推進と女性の地位向上」などが定められた。その中で、教育に関して定められたことは、「2015年までに、すべての子どもが男女の区別なく初等教育の全課程を修了できるようにする」というものだった。

 1991年時点では、初等・中等教育への就学率は先進地域で96.3%、開発途上地域で79.8%、サハラ砂漠以南のアフリカ(サブサハラ・アフリカ)地域で53.5%と、先進国と途上国との間には大きな隔たりがあったのだ。

就学率は向上しているがいまだ課題も残る

・しかし、国際的な努力の結果、世界の初等教育を受けられない児童数は着実に減っていき、2000年に1億人だった児童数は2012年までに5800万人に減少させることができた。開発途上地域全体の初等・中等教育への就学率は200年には83.5%だったものが、2012年には90.5%にまで上昇。約9割の子どもたちが初等・中等教育を受けられるようになった。

 また、特に劇的に就学率が向上したのがサブサハラ・アフリカ地域で、2000年には60.3%の児童しか初等・中等教育を受けられなかったのが、2012年には77.9%にまで上昇している。

 

世界は殺人犯罪に溢れていない

世界人口の7割以上が神を信じている

カンガルーはオーストラリアでは害獣として駆除されている

世界でもっともプレーされているスポーツはサッカーではない

日本バレーボール協会によれば、全世界でもっとも競技人口が多いのはバレーボールだという

 

・競技人口1位はバレーボールの約5億人、2位がバスケットボールの約4億5000万人、3位は卓球の約3億人、4位はサッカーの約2億6000万人。

 

 

 

『未来の中国年表』

超高齢大国でこれから起こること

近藤大介   講談社   2018/6/20

 

 

 

2018年  中国でも「人口減少時代」が始まった

・長年にわたる「一人っ子」政策が、少子高齢化時代を大幅に早めてしまった。しかも日本と違って、国の社会保障制度が十分に整っていないまま少子高齢化へと突入することになる。

 

(出生数が1786万人から1723万人へ)

少子高齢化が世界で一番進んでいるのは日本だが、中国は日本に遅れること約30年で、同じ道を歩んでいる。

 

・ところが、全面的な「二人っ子政策」元年とも言える2017年に出生数は増えるどころか、63万人も減少してしまったのである。

 

(「子育てする20代女性」が600万人も減っている!)

・出生数が減少した主な原因は、ひとえに一人目の子供の出生数が減少したためだ。

 

・それにしても、一人目の子供の出生数が、日本の3年分近くに相当する年間約250万人も減少するというのは、尋常な社会ではない。いったい中国で何が起こっているのか?

 

(人口激増を懸念した鄧小平)

・そして食糧を豊富にするためには、できるだけ多くの人々を、農作業に従事させる必要があった。古代から中国大陸において戦争が絶えなかったのは、一つは土地の争奪が原因だが、もう一つは人間の争奪戦だった。

 

こうして中国は、憲法で家庭の出産数に制限を設けるという、世界でも稀有な国家となったのだった。

 

(日本の人口よりも多い「中国の一人っ子」)

・2010年の時点で、全人口13億3972万人中、一人っ子の数は、すでに1億4000万人に達していた。これは日本の総人口よりも多い数だ。

 

(親と祖父母が子供を徹底的に甘やかす)

・一般に、中国が日本を反面教師にしている事柄が二つあると言われる。一つは日本のバブル経済の崩壊で、もう一つが日本の少子高齢化である。

 

・特に、中国の人口規模は日本の11倍にあるので、近未来に人類が経験したことのない少子高齢化の巨大津波が襲ってくるリスクがあったのだ。

 

(激論!「二人っ子」は是か非か)

・こうして2016年元旦から、「人口及び計画出産法」が改正され、中国は全面的な「二人っ子政策」の時代を迎えたのだった。

 

(子供を生まなくなった3つの理由)

・①子育てコストの上昇、②公共サービスの欠如、③出産観念の変化(夫婦二人きりの生活を楽しみたい)

 

(病院の診察整理券を狙うダフ屋たち)

・私が北京に住んでいた頃は、病院の「挂号」(診察の順番を示す整理券)を確保するために夜明け前から並んだり、「挂号」を高く売りつける「黄牛」(ダフ屋)が病院内に跋扈したりということが起こっていた。

 

(貧富の格差が定着する)

だが中国は、依然として世界最大の発展途上国であり、あらゆるものが未整備のまま、少子化に突入したのだ。

 

2019年  首都・北京の人口もごっそり減る

・自然減に加え、習近平政権の複雑な思惑と極端な政策により、この年から北京は大きく姿を変えていく。

 

(2万2000人の減少)

・21世紀に入って17年目にして、初めて北京市の人口が減少したのだ。

 

(北京の人口が減る本当の理由?)

北京市の人口がマイナス成長に転じたことは、北京市の人口は発展の変動の趨勢にマッチしたもの。

 

(3億人の出稼ぎ労働者)

農民工」の都市部での悲惨な状況は、たびたび社会問題となってきた。

 

彼ら全員に大都市の戸籍を与えていけば、大都市はすぐにパンクしてしまう。だがそうかといって、「現代版アパルトヘイト」と揶揄される中国の戸籍制度は、隣国の北朝鮮を除けば、世界に類を見ないものだ。

 

(「特大都市」「超大都市」への移転はより厳しく)

北京市の戸籍改革計画では、「中心部6区の人口を、2020年までに2014年比で15%減らす」としている。

 

自治体が住人を選抜する!)

習近平政権による戸籍改革で、もう一つ興味深いのは、「積分落戸」と呼ばれる新制度の導入である。これは、「特大都市」及び「超大都市」の戸籍を取得したい中国人を点数づけして、自治体が選別するというものだ。

 

(「第二首都」誕生)

・一つめは、「第二首都」の建設である。

 

(「低端人口」の一掃が始まる)

・その出稼ぎ労働者たちのことを、「低端人口」(下層の人々)と呼んでいるのだ。

 

・「低端人口」は、北京市内に数百万人いるとも1000万人近くいるとも言われた。

 

(本地人と外地人の分断)

・「『低端人口』を追い出さないから、北京の街は汚いし、人騙しは跋扈するし、治安も悪い」

 

(「拆拆拆」される人々)

・これによって、合法と違法の間のような、道路に少し張り出した店舗やレストランなども、すべて撤去させられてしまった。中国語で「撤去する」という動詞は「拆(チャイ)」と言うが、「拆拆拆」という言葉が、たちまち北京で流行語になった。

 

(20年前にタイムスリップ)

・つまり、北京の街並みは、20年前にタイムスリップしたのである。

 

・「低端人口がいないと、ゴミの回収から宅配便の配達まで何もできなくなってしまうことが分かった。それが春節の後、彼らを黙認するようになった」

 

2020年 適齢期の男性3000万人が「結婚難民」と化す

・適齢期の男性が適齢期の女性よりも圧倒的に多い社会が到来する。「剰男」(余った男)たちが選ぶ3つの道とは?

 

(「一人っ子政策」最大の副作用)

・だが、そうした歪みの中でも看過できない「副作用」が、男女比率の歪みである。

 

(女性100人に男性118人)

嬰児の性別の話に戻ろう。中国の農村部では、女児が生まれた場合、役場に出生届を出さなかったり、間引いてしまったり、業者に売りつけてしまったりということが横行した。何と言っても、欲しいのは跡取り息子なのである。

 

・世界の出生数を見ると、男子が女子より多いのは各国に共通な現象で、国連では「102から107の間」を正常な国家と定義づけている。

 

・だが、時すでに遅しだった。中国は2020年には、結婚適齢期とされる20歳から45歳までの人口で見ると、男性の数が女性の数よりも、3000万人も多い社会となってしまうのだ。

 

(「持ち家のない男」は話にならない)

・中国の女性は、マイホームを買えて、「家を成せる」男性と結婚したいのである。

 

(国策ドラマだった『裸婚時代』)

・2011年春、中国全土で『裸婚時代』というテレビドラマが大ヒットした。「裸婚」とは、何とも意味深な漢字だが、「裸一貫(無一文)で結婚する」という意味である。つまり、究極のジミ婚である。

 

(「お一人様の日」で大儲け)

・それは、「1」が4つ並ぶ11月11日を、「お一人様の日」と定めて、結婚できなかったり、彼女や彼氏がいない若者たちに、24時間限定の大規模なセールを行ったのである。

 

(「超男性社会」の近未来)

重ねて言うが、2020年の中国には、20歳から45歳までの男性が、同年齢の女性より3000万人も多いという、人類未体験の「超男性社会」が到来する。

 

将来は「アフリカ系中国人」という人々も、普通に目にするようになるかもしれない。