日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

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このような倍率の高さから、中国は史上最悪の就職難に直面しています。

 

『清華大生が見た最先端社会、中国のリアル』

夏目英男   クロスメディア・パブリッシング 2020/2/28

 

 

 

中国の過去と未来、そしてイマ

・2000年7月、私は両親の仕事の都合上、中国・北京に移住しました。当時の中国は改革開放真っ只中で、外国人も少なく、皆さんが想像するような、古き中国でした。

 

・とくに2008年の北京オリンピック前後には、国全体が活気に溢れ、オリンピック効果に伴い加速する中国の経済成長と国際社会への歩み。日本のバブル景気を経験していない者としては、それは貴重な経験でした。

 ですが、日本に帰国するとその評価は一変。周りの友人からはなぜ中国に移住するのか。危険な国ではないのか、なぜ中国で引き続き進学するのかという質問が飛び交ってきます。メディアでも中国についての報道は一辺倒でした。大気汚染や水質汚染、食の安全問題、訪日中国人観光客のマナーなどが取り上げられるばかりであまりいい報道を聞きません。

 

・中国と日本は近年、政治・経済レベルでの交流が活発化し、距離が近づきつつあるが、その溝は深い。日本と中国。文化・地理的にも近い国。でもどこか遠い国。

 

・日本に留学経験もある思想家・梁啓超氏は、1900年「少年中国説」という散文を書き残しました。そこには“少年智則国智、少年富則国富、少年強則国強、少年独立則国独立、少年自由則国自由、少年進歩則国進歩”という言葉があり、直訳すると“若者が賢ければ国も賢く、若者が裕福であれば国も裕福、若者が強ければ国も強く、若者が自立すれば国も自立し、若者が自由であれば国も自由、若者が進歩すれば国も進歩する”。若者は国の未来の縮図であり、今後の社会を背負う人々です。筆者は中国で生活をする中、中国人学生と共に学びを進め、彼らの背中から多くの物事を学んできました。

 

中国を変えるチャイナユース――80後、90後とは?

80後、90後とは?

・日本やアメリカでは世代ごとに、その生まれた世代を指す言葉があります。アメリカではジェネレーションX、Y、Z(1965年~1980年、1981年~1994年、1995年~2010年生まれを指す)やミレニアル世代(2000年前後に社会進出する世代)が存在し、日本では時代背景ごとにバブル世代やゆとり世代などといった言葉があります。

「80後(バーリンホウ、1980年代に生まれた世代)や「90後」(ジウリンホウ、1990年代に生まれた世代)など中国でも同じく、世代を指す言葉が存在しますが、日本やアメリカよりシンプルに生まれた十年紀により世代を名付けています。

「80後」に生まれた若者は、他の世代に比べて、多くの社会変化を経験しています。1977年には、文化大革命により、10年間中断されていた中国版センター試験が当時の国務院副総理、鄧小平氏の鶴の一声によって復活し、この年から中国の高等教育が一斉に再開しました。1982年には“計画生育”、いわゆる一人っ子政策が打ち出され、「80後」以降に生まれた世代は原則すべて一人っ子となりました。

 

・前述のように「80後」は苦労知らず、身勝手などといった評価をされていますが、実際彼らは「高考」の復活により、初めて現代的な高等教育を受け取った世代でありながら、社会的競争率はとても高く、高学歴・低収入を強いられています。それと同時に不動産バブルや一人っ子政策最大の問題点である高齢化社会に直面し、夫婦で4人以上の家族を扶養しなければいけないプレッシャーが46時中伴っています。それでも、文化大革命の迫害を受けた世代を親に持ち、40年近い改革開放政策の歴史と中国の奇跡と呼ばれる経済成長を経験した世代は、どの世代よりも気骨精神に溢れており、社会のために働こうとする若者が多いです。

 

・「90後」は上記の「80後」が経験した波乱万丈の時代が一段落した後の世代であり、改革開放の恩恵を一番に受けている世代でもあります。1978年に始まった改革開放政策ですが、その経済改革の一環として計画経済から市場経済社会主義市場経済体制)への転換が1993年に実施されました。

 

・それでも「80後」同様、「90後」に対する世間の評価も変わりつつあります。改革開放の恩恵、市場経済への転換、中国のグローバル化などを受けて生まれ育った「90後」は“異質”と呼ばれながらも、よりオープンなマインドセットを保っており、歴史や伝統にとらわれず、しっかり自分の考えをもって行動している若者たちが多い世代です。

 

・このように、海外で留学後に帰国し、新中国の発展を支えるのが「海亀」たちです。対日的にも、「90後」の多くは日本のアニメと共に幼少期を過ごし、成人後も日本のサブカルチャーをこよなく愛する人も多く、日本へ留学する人も少なくありません。

 

・「80後」や「90後」は時代の荒波に飲み込まれ、端境期のイマを難航する中、批判や否定なども多いですが、彼らは紛れもなく中国の新時代を背負う若者たちであり、間違いなくイマの中国を牽引していく主役たちです。

 

改革開放の恩恵と北京オリンピック中国経済の奇跡

・改革開放は中国の経済成長の支えとなり、北京オリンピックはその推進と中華民族の偉大なる復興を世界に発信するキッカケとなりました。この歴史背景において育った地位なチャイナユースは、今後の中国社会を担っていく人材として、愛国主義の教育を受けながらも、中国の飛躍を目の当たりにし、祖国のために奮闘していきます。未だに環境問題や社会問題などが多く存在する中国ですが、それでもチャイナユースが躍動できるような土壌は、まさに今後の中国の発展を支える重要な布石になります。ここに、現代の日本の若者に欠けている志や、日本人としての誇りが中国で垣間見られます。

 

日本の文化をこよなく愛する中国の若者

・筆者は家族や友人に、こういった質問を聞かれた時に決まって、“イマの中国人、とくにイマの若者はみんなが思っているより、日本に好意を抱いているし、日本の文化を好む若者がすごく多いよ”と答えます。

 

日本の漫画やアニメなどサブカルチャーによる影響

・今や日本のソフトパワーを代表する漫画とアニメ。第2次世界大戦後に急発展した漫画、そして1960年代に手塚治虫による日本初の商業用連続アニメ『鉄腕アトム』の放送などを皮切りに、数々の名作が誕生し、今ではメイド・イン・ジャパンのMANGAとANIMEが世界を席巻しています。

 

このように、1980年から39年の間――とくに日本のアニメは絶大な人気を誇り、一番初めに日本のアニメに触れた「70後」から「80後」「90後」まで幅広い世代が日本のサブカルチャーと共に成長してきました。文化的浸透によるイメージ改革は功を奏し、この世代の多くは日本に好意的な印象をもち、日本のことをよく理解しようと努力する世代でもあります。

 

英語に次ぐ第二外国語、“日語”

・日本のサブカルチャーを通して、日本のことを好きになる若者も多く、またそれをキッカケに日本語を勉強する若者も多数います。驚くことに、中国では“日語”、いわゆる日本語は英語に次ぎ、二番目に多く学ばれている外国語です。2019年9月付けで、512もの大学機関(大学・学院・独立学院などを含む)にて日本語学科が開設され、筆者が所属する清華大学や、北京大学などといった中国のトップ大学でも、同様に単独の日本語学科が設置されています。日本語や日本文学の研究で、修士学位や博士学位を授与する大学院や研究科などの数こそは大幅に減りますが、それでも修士学位を授与できる大学機関が84校、博士学位を授与できる大学機関が18校存在します。これ以外にも、中国には多くの

職業学校や言語学校が存在し、これらを合わせると、約2000校にも上るといわれます。

 中国での日本語教育は明代(1368年~1644年)に始まったとされます。

 

1980年には当時の大平正芳総理大臣が提唱した「在中国日本語研修センター」が開設し、日本語教育の第一次ブームを創造しました。また1980年には前述の『鉄腕アトム』の放送もあり、日本語学習ブームをさらに後押しました。

 あまり知られていないのですが、中国ではのちにご紹介する中国版センター試験――普通高等学校招生全国統一考試、通称「高考」でも日本語は、英語、ロシア語、フランス語、ドイツ語、スペイン語などと並び、正式な受験科目(外国語)として採用されています国際交流基金と日本国際教育支援協会が共催する、日本語能力試験JLPTの受験者数から見ても、毎年中国人受験者が圧倒的に多く、中国国内44都市の試験会場合わせて17万人2759人(2019年第1回試験)もの受験者が応募しました。2位の韓国や3位のベトナムを3倍差で、遥かに上回ります。

 日本語を習得した中国人が増え続ける中、日本との交流が一層増加するとされ、今後の日中関係に草の根レベルで良い影響を与えると思います。

 

チャイナユースが変える/見る、イマの中国社会とは?

「996」問題や「副業剛需」「低欲望社会」など、チャイナユースを取り巻く環境はここ数年を境に劇的に変化しています。

 その最たる変化が「996」に代表する中国の勤務状況でしょう。2019年3月27日に、ソフトウエア開発プラットホームであるGitHubに、「996・ICU」と名付けられたプロジェクトが立ち上がりました。「996・ICU」プロジェクトとは、“午前9時から午後9時まで、週6日の勤務”という意味合いの「996」と、集中治療室を意味する「ICU」が合わさり、「996・ICU」と名付けられました。この「996」の勤務状況は、同年4月11日に中国共産党の機関報である人民日報より「強制的に残業を求めることは企業文化となるべからず」という記事が掲載されましたが、その翌日にはアリババ創始者である馬雲(ジャックマー)氏がアリババの創業史を振り返り、見解を発表しました。“人より努力せず、時間をかけずに成功を収めようとするのは不可能”と、「996」を擁護する姿勢を示しました。

 日本では、働き改革が推進される一方で、中国では過酷な「996」勤務体制が一般化され、アリババやテンセントなどといったIT業界ではとくに厳しい状況に置かれます。しかし、このような過酷な勤務体制でも、トップのIT企業へ入社希望をする学生は後を絶たず。それも多くの学生は修士や博士を卒業したエリートたちです。そこには、中国の就職氷河期事情があります。

 

日本と同じゆとり世代の競争率は最高

・「996」勤務体制は中国労働法に違反しているにもかかわらず、トップのIT企業(アリババを例に取ると)求人倍率は約1000倍と、熾烈な争いになります。その中でもとくに人気の役職に関しては、1000倍以上の倍率となり、出身校に関しても985/2113工程(のちにご紹介する中国の大学ランクを示す国家教育プロジェクト)に属する大学や海外の名門大学(企業ごとに定義が違う)を最低基準としているため、これらの大学の出身でない場合、書類審査の時点で落とされることが多いのです。国家公務員試験においても、中国の国家公務員試験の倍率は2019年で約63倍と、日本の令和元年度国家公務員試験の17倍を遥かに超える数値となります。

 

このような倍率の高さから、中国は史上最悪の就職難に直面しています。

  • 国内外の経済情勢変動――中国の国内総生産(GDP)成長率は米中貿易摩擦や、国内の景気減速などを受けて2019年に0%と減速し、これは29年ぶりの低水準とされます。
  • 過去最多の大学/高等専門学校卒業者数――中国の大学/高等専門学校卒業者数は年々記録を更新しており、2018年は過去最多である8万人となりました。日本の大学卒業者数である56.5万人とくらべてもその規模は一目瞭然。今後数年間も増え続ける見込みです。
  • 海外留学帰国者(海亀、ハイグイ)の増加――海外留学をする中国人学生は年々増えていますが、同じく海外留学を経て帰国する中国人数――いわゆる海亀(ハイグイ)も右肩上がりで増加しており、国内の就職状況を圧迫しています。
  • 就職率の低下――中国の学部卒業生の就職率は91%と、2014年の6%と比較すると1.6%低下している他、大学院進学する学生が増えています。

 

上記の原因以外に、中国では学歴面においても、日本とは全く異なる就職事情があります。日本では文系であれば学部卒、理系であれば学部もしくは修士卒で就職するのが一般的であり、文系で大学院進学をすれば“就活逃避”といったレッテルを貼られることがあるほど、学部新卒を重視し、キャリア年数を求める傾向にあります。博士課程まで進めば、研究者として見られることが多く、普通の就職をするのは困難とされています。

 

ところが、中国はれっきとした学歴にヒエラルキーがあり、学歴と専門性は高ければ高いほど良しとされる社会です。文系でも、大学院進学する学生が多く、学部→就職よりも、学部→修士→就職という公式の方が多く当てはまります。その結果、大学院人気が高騰し、とくに修士課程に進学する学生が激増。博士課程に進学するより、修士課程に進学する方が難しいといういびつな進学状況が生まれつつあります。

 また意外と思う方も多いかもしれませんが、就職氷河期につれ、多くの学生が民間企業よりも安定した国家公務員を目指しますが、この国家公務員においても学歴ヒエラルキーが存在しており、多くの学生が修士または博士卒の学生となります。

 

・「北上广深」(北京、上海、広州、深セン)と呼ばれる中国の主要都市では、月収の大半を家賃に当てても、1人部屋を借りるのは難しく、ルームシェアをする若者が大勢います。彼らは高学歴の大学卒業者であり、好条件の仕事に就くことができず、家賃節約のために狭い部屋で多数のルームメートと暮らす若者を、「蟻族」と呼びます。賢く向上心もありながら、まだまだ社会的地位は低く、群居していることからアリに例えられます。

 

・もちろん、上記の都市で就職した学生の平均月収は、地方都市で就職した学生よりも高い傾向にはありますが、それでも厳しい状況に置かれているのは同じです。新卒で就職した大半の学生は、節約生活を送り、給料が上がるのを待つか、親に支援してもらうかの二択。最近は新たに副業という選択肢が誕生したものの、「996」体制を続けながら副業するのは困難極まりないです企業からしても、労働力の安さはコスト削減になり、競争力を維持できることから、「996」の勤務体制を敷きます。労働者側からすれば、給与が低くても、いずれか昇進し、今の給料を大幅に超える状況を期待した上で懸命に働き、その時を刻々と待ち続けます。

 低賃金が促したもう一つの結果が、「副業剛需」と「低欲望社会」です。「副業剛需」とは、2019年の下半期にインターネット上で流行したネット用語であり、低賃金が続く中国社会において、80後や90後は会社における業務時間外に、副業をするのは、生活をするのにあたり必然的な需要となることから、「副業剛需」と名付けられました。人材が氾濫している中国において、副業は業務以外のスキルセットを習得することとしては、最適な方法であり、自分の趣味を生かせる副業も多く、趣味を通じて生活の支えになることから、若者の人気を博しています。インターネット上でも、副業に関するコラムが次々と立ち上がり、中国人の若者がいかに業務時間の合間を縫って副業に従事するか、副業にかける思いなどが書いてあり、チャイナユースの勤勉さと向上心にただただ脱帽するばかりです。

「低欲望社会」とは、今の日本が経験している社会状況と類似しています。若者がいろんな欲望に関して無頓着になり、社会に対する期待感を失い、家庭も作らず、低欲望のまま独身を貫き、お一人様生活を楽しむことです。

 

中国経済が「新常態」(ニューノーマル)に突入し、経済が高速成長期から、中高速成長へと変動する中、チャイナユースを取り巻く環境も日々劇的に変化しています。改革開放の恩恵により、社会全体が成長し、経済成長に伴い物価も高騰するも、低賃金が続く。その中で、筆者が見たチャイナユースは、この険しい環境下でもめげずに努力し、生き抜くことでした。清華大学の友人で、今はアメリカの大学院の博士課程に在学している学生に、今後の進路を聞いても彼は就職難、生活難が続いても中国に帰国したいと言います。中国は母国であり、就職難、生活難、就職しても低給料でも、中国で働けばいつかは成功を手にすることができ、また自分の祖国に育ててもらった恩返しをすることができると。

 時代の荒波に飲み込まれそうになっても、負けじと高い志を保ち、荒波に向かって突き進むチャイナユースから学ぶことはとても多いです。

 

“起業”という新たな選択肢

史上最悪の就職難に直面する「90後」を中心としたチャイナユースですが、就職や大学院進学以外にも、新たに起業という選択肢が学生の間に生まれています。中国経済は「新常態」に突入し、経済成長率が高速成長期である10%前後から、7%前後の中高速成長期へと鈍化する中、年間800万前後の大学卒業者の就職事情を解決するため、中国政府は起業という新たな選択肢を設け、イノベーションの創出を戦略的に支援します。その支援策こそが、「大衆創業、万宗創新」(大衆の起業、万人のイノベーション)です

 

・「大衆創業、万宗創新」のスタートアップ支援策により、中国の起業界隈は急激に成長を遂げ、とくに北京や上海など大学や研究機関が多く点在する地域、そして深センといった「改革開放」を牽引し、とくにイノベーションに対してオープンだった地域では、起業案件やベンチャーの投資金額も大幅に増加しました。

清華大学が所在する北京市海淀区を例に取ると、清華大学北京大学、中国科学院などの多くの高等教育機関及び研究機関が所在するこの地域では、起業やイノベーションの創出もとても盛んであり、「中関村科学園」(中関村サイエンスパーク)、「中関村創業大街」(中関村イノベーションストリート)など、起業とイノベーションに特化した区域を設置し、スタートアップを育むエコシステムをここに設けます。上記のスタートアップ特区では、独自の制度として、この地域で起業またはイノベーション関連の事業に従事する場合、一時給付金やオフィスの提供、投資ファンドとのマッチングや、人材面での特例措置などが存在します。

 

次の世代、「00後」とは?

2020年に入り、「90後」世代の一期生が20代に突入した中、新たに「00後」(リンリンホウ、2000年代に生まれた世代)が歴史の舞台に立ちます。「00後」は、21世紀以降に生まれた世代であり、「80後」が改革開放のもと、初めて現代的な高等教育を受け、中国のデジタル化を経験し、「90後」はデジタルリテラシーが高く、テレビやインターネットなどの情報化社会に順応してきた世代であれば、「00後」は生まれた時からハイスピ―ドで成長するデジタル社会を目の当たりにし、デジタル社会と共に成長してきた世代となります。他の国では、5年の差でも、そこまでジェネレーションギャップを感じないものの、社会が劇的に変動している中国であれば、ほんの数年でも社会状況が全く違う様相を見せるため、ジェネレーションギャップは日常茶飯事です。

 

・21世紀の新人類として、「00後」は情報が錯綜する社会においても、しっかりと自分の軸を保ち、デジタル社会を生き抜くことができるといわれています。その理由として、彼らは波乱万丈の時代を生き抜いた世代から直に学びながらも、デジタルネイティブとして多くの情報を入手し、批判的思考力をしっかりと身につけ、情報に対する峻別ができることから、中国国内でも最も「理性的」な世代とも呼ばれています。

 

デジタル革命がもたらす中国社会の変化

シェアバイク

・中国のシェアリングエコノミーと聞いて、真っ先に脳裏に浮かぶのはシェアバイクの元祖とも言える黄色の「ofo」や、そのライバルであるオレンジ色の「Mobike」でしょう。シェアバイクのサービスがリリースされた当初は、瞬く間に全国へと広がり、日本でもその様子は多く報道されたと思います。

 

・今ではシェアバイク最大手であったofoは事業を大幅に縮小し、ofo

との消耗戦に明け暮れていたMobikeもメイトゥアンに買収され、「美団単車」としてメガプラットフォーマーの一サービスとしてメイトゥアンに買収されました。

 

起床から就寝までアプリ三昧

・起床後、若者のみならずほぼすべての人が必ずと言うほどチェックするアプリがウィーチャットです。常時月間アクティブユーザー10億超えのウィーチャットは、中国のアプリランキングでも常にトップを飾っており、幅広い年齢層に使用されています。また、同じくテンセントのQQも、全体のランキングでは2位にランクインするなど、依然として根強い人気を誇り、ウィーチャットとQQ合わせると月間アクティブユーザー16億人を数えます。

 

中国教育と海亀たち

「高考」という悪夢

・中国版センター試験、「普通高等学校招生全国統一考試」、通称「高考」は2日間に渡り実施され、2019年の高考は6月7日と8日に行われました。2019年度の高考は、歴代でも最多参加人数となる、1031万人もの学生が参加しました。2日の間に自分の人生をかけて、受験戦争に臨み、学歴ヒエラルキーが根づいている中国では、高考の結果次第で自分やその家族の人生が決まります。とくに地方貧困地方や、農村部からの学生にとっては、一世一代の勝負であり、“戦争”でもあります。“現代の科挙”との呼ばれるこの高考は、1952年に始まるも、1966年から1977年文化大革命により中止され、1977年10月21日に、鄧小平氏の鶴の一声によって復活しました。

 

キャンパスという街、キャンパスライフという学内生活

中国のキャンパスライフについても、同じイメージをする人も少なからずいるとは思いますが、実際のところ日本のキャンパスライフとは全く違った学生生活を送っています。

 まず、中国の大学ではほぼ全学生が学内、または大学の近辺に併設されている大学寮に入居します。もちろん大学によって、寮の規定などは異なりますが、清華大学の場合、大学1年生には自動的に寮が割り当てられ、入居手続きをする必要性があります。

 

・基本、中国人学生は4人1部屋ですが、これも大学によって異なり、地方の大学だと最大で8人1部屋です。修士になると3人1部屋、博士は2人1部屋で、研究がメインとなるため、これらの寮でも消灯時間を設けません。

 

中国の寮事情からも、お察しできるように、中国の大学ではキャンパスがひとつの街と化しています。学生や教員宿舎以外にも、すべての教学施設や実験施設などがキャンパス内に集約されており、用事がある時以外には、基本大学から外出することはありません。清華大学の面積は392.4万㎡であり、実に東京ドーム84個分の面積に匹敵します。このキャンパス内には、5万人前後の学生と4千人前後の教職員が住んでおり、清華大学附属幼稚園から高校、銀行や派出所、病院、郵便局、工場、食堂、ホテル、博物館などが揃う学園都市になっています。食堂の数も、大学の敷地内には17箇所ほど点在しており、多種多様な(中華)料理が提供されています。一食あたり6元(100円前後)と価格もとてもリーズナブルです。

 

 

 

 

『未来の中国年表』

超高齢大国でこれから起こること

近藤大介   講談社   2018/6/20

 

 

 

2018年  中国でも「人口減少時代」が始まった

長年にわたる「一人っ子」政策が、少子高齢化時代を大幅に早めてしまった。しかも日本と違って、国の社会保障制度が十分に整っていないまま少子高齢化へと突入することになる。

 

(出生数が1786万人から1723万人へ)

少子高齢化が世界で一番進んでいるのは日本だが、中国は日本に遅れること約30年で、同じ道を歩んでいる。

 

・ところが、全面的な「二人っ子政策」元年とも言える2017年に出生数は増えるどころか、63万人も減少してしまったのである。

 

(「子育てする20代女性」が600万人も減っている!)

・出生数が減少した主な原因は、ひとえに一人目の子供の出生数が減少したためだ。

 

・それにしても、一人目の子供の出生数が、日本の3年分近くに相当する年間約250万人も減少するというのは、尋常な社会ではない。いったい中国で何が起こっているのか?

 

(人口激増を懸念した鄧小平)

・そして食糧を豊富にするためには、できるだけ多くの人々を、農作業に従事させる必要があった。古代から中国大陸において戦争が絶えなかったのは、一つは土地の争奪が原因だが、もう一つは人間の争奪戦だった。

 

こうして中国は、憲法で家庭の出産数に制限を設けるという、世界でも稀有な国家となったのだった。

 

(日本の人口よりも多い「中国の一人っ子」)

・2010年の時点で、全人口13億3972万人中、一人っ子の数は、すでに1億4000万人に達していた。これは日本の総人口よりも多い数だ。

 

(親と祖父母が子供を徹底的に甘やかす)

・一般に、中国が日本を反面教師にしている事柄が二つあると言われる。一つは日本のバブル経済の崩壊で、もう一つが日本の少子高齢化である。

 

・特に、中国の人口規模は日本の11倍にあるので、近未来に人類が経験したことのない少子高齢化の巨大津波が襲ってくるリスクがあったのだ。

 

(激論!「二人っ子」は是か非か)

・こうして2016年元旦から、「人口及び計画出産法」が改正され、中国は全面的な「二人っ子政策」の時代を迎えたのだった。

 

(子供を生まなくなった3つの理由)

・①子育てコストの上昇、②公共サービスの欠如、③出産観念の変化(夫婦二人きりの生活を楽しみたい)

 

(病院の診察整理券を狙うダフ屋たち)

・私が北京に住んでいた頃は、病院の「挂号」(診察の順番を示す整理券)を確保するために夜明け前から並んだり、「挂号」を高く売りつける「黄牛」(ダフ屋)が病院内に跋扈したりということが起こっていた。

 

(貧富の格差が定着する)

だが中国は、依然として世界最大の発展途上国であり、あらゆるものが未整備のまま、少子化に突入したのだ。

 

2019年  首都・北京の人口もごっそり減る

・自然減に加え、習近平政権の複雑な思惑と極端な政策により、この年から北京は大きく姿を変えていく。

 

(2万2000人の減少)

・21世紀に入って17年目にして、初めて北京市の人口が減少したのだ。

 

(北京の人口が減る本当の理由?)

北京市の人口がマイナス成長に転じたことは、北京市の人口は発展の変動の趨勢にマッチしたもの。

 

(3億人の出稼ぎ労働者)

農民工」の都市部での悲惨な状況は、たびたび社会問題となってきた。

 

彼ら全員に大都市の戸籍を与えていけば、大都市はすぐにパンクしてしまう。だがそうかといって、「現代版アパルトヘイト」と揶揄される中国の戸籍制度は、隣国の北朝鮮を除けば、世界に類を見ないものだ。

 

(「特大都市」「超大都市」への移転はより厳しく)

北京市の戸籍改革計画では、「中心部6区の人口を、2020年までに2014年比で15%減らす」としている。

 

自治体が住人を選抜する!)

習近平政権による戸籍改革で、もう一つ興味深いのは、「積分落戸」と呼ばれる新制度の導入である。これは、「特大都市」及び「超大都市」の戸籍を取得したい中国人を点数づけして、自治体が選別するというものだ。

 

(「第二首都」誕生)

・一つめは、「第二首都」の建設である。

 

(「低端人口」の一掃が始まる)

・その出稼ぎ労働者たちのことを、「低端人口」(下層の人々)と呼んでいるのだ。

 

・「低端人口」は、北京市内に数百万人いるとも1000万人近くいるとも言われた。

 

(本地人と外地人の分断)

・「『低端人口』を追い出さないから、北京の街は汚いし、人騙しは跋扈するし、治安も悪い」

 

(「拆拆拆」される人々)

・これによって、合法と違法の間のような、道路に少し張り出した店舗やレストランなども、すべて撤去させられてしまった。中国語で「撤去する」という動詞は「拆(チャイ)」と言うが、「拆拆拆」という言葉が、たちまち北京で流行語になった。

 

(20年前にタイムスリップ)

・つまり、北京の街並みは、20年前にタイムスリップしたのである。

 

・「低端人口がいないと、ゴミの回収から宅配便の配達まで何もできなくなってしまうことが分かった。それが春節の後、彼らを黙認するようになった」

 

2020年 適齢期の男性3000万人が「結婚難民」と化す

適齢期の男性が適齢期の女性よりも圧倒的に多い社会が到来する。「剰男」(余った男)たちが選ぶ3つの道とは?

 

(「一人っ子政策」最大の副作用)

・だが、そうした歪みの中でも看過できない「副作用」が、男女比率の歪みである。

 

(女性100人に男性118人)

嬰児の性別の話に戻ろう。中国の農村部では、女児が生まれた場合、役場に出生届を出さなかったり、間引いてしまったり、業者に売りつけてしまったりということが横行した。何と言っても、欲しいのは跡取り息子なのである。

 

・世界の出生数を見ると、男子が女子より多いのは各国に共通な現象で、国連では「102から107の間」を正常な国家と定義づけている。

 

・だが、時すでに遅しだった。

中国は2020年には、結婚適齢期とされる20歳から45歳までの人口で見ると、男性の数が女性の数よりも、3000万人も多い社会となってしまうのだ。

 

(「持ち家のない男」は話にならない)

・中国の女性は、マイホームを買えて、「家を成せる」男性と結婚したいのである。

 

(国策ドラマだった『裸婚時代』)

・2011年春、中国全土で『裸婚時代』というテレビドラマが大ヒットした。「裸婚」とは、何とも意味深な漢字だが、「裸一貫(無一文)で結婚する」という意味である。つまり、究極のジミ婚である。

 

(「お一人様の日」で大儲け)

・それは、「1」が4つ並ぶ11月11日を、「お一人様の日」と定めて、結婚できなかったり、彼女や彼氏がいない若者たちに、24時間限定の大規模なセールを行ったのである。

 

(「超男性社会」の近未来)

重ねて言うが、2020年の中国には、20歳から45歳までの男性が、同年齢の女性より3000万人も多いという、人類未体験の「超男性社会」が到来する。

 

将来は「アフリカ系中国人」という人々も、普通に目にするようになるかもしれない。

 

(同性愛大国への道)

・近未来の中国で起こるであろう二つ目の現象は、男性の同性愛者の増加である。

 

・「人民解放軍の若い兵士たちの中には、大量の同性愛者がいる」

 

社会主義国の中国では、例えば、人民解放軍などの組織では同性愛は禁止しているが、それでもいまどきの若者たちは、意外にあっけらかんとしている。そもそも中国人は他人に無関心なこともあって、同性愛の青年たちは徐々に表に出始めてきているのである。