日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

コンタクティやチャネラーの情報を集めています。森羅万象も!UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象といわれます。

じつは光学レンズを使って自分の目で天体観測をしている人間の間では、UFOが存在することはほぼ常識となっています。なぜなら、宇宙を観測していると、いやでもUFOを目撃してしまうことがあるからです。(5)

 

FRBの破綻

・最後に掲げるべき経済的リスクは、可能性は最も低いが、最もシステマティックなリスクである。それはアメリカの連邦準備制度が破綻するというリスクである。

 

・もしそうなれば、われわれは今まで経験したことのない未知の領域に踏み込むことになる。

 

2023年の世界は?

フランスでは、誰もが未来について不安になっている。今より悪くしかならないと確信している。この悲観主義は、リーダーたちの虚しさによってさらに拍車がかかる。リーダーたちには、21世紀の歴史に何の計画もない。フランスが世界に占める位置の見通しすらない。歴史を作ろうと欲しなければ、歴史においていかなる役割も果たすことはできないのだ。未来について語らないのは、未来においてすべてを失うのを与儀なくされるということだ。

 

<深刻なエネルギー危機――ピーク・オイルとシェール革命>

・近い将来、原油の生産量は「ピーク・オイル」によって、まずは一時的に、次に決定的に不足することが予想されている。一方、シェール革命に希望が託されている。現在、この両者は同時進行しているが、それぞれの進行具合によっては深刻な経済危機を引き起こす恐れがある。

 ピーク・オイルとは、二つの壁にぶつかることである。まず第一の壁は、「技術上のピーク・オイル」である。これは、油田探査に対する投資を減少することによって、原油の生産量が一時的に需要を下回る時期のことを言う。そして第二の壁は、「絶対的ピーク・オイル」である。これは、原油埋蔵量の半分が消費されると、原油が自噴しなくなるため産出量が減少するとともに採掘コストが大きく上昇してしまうことを言う。

 

絶対的ピーク・オイルが訪れる日を予想することは、かなり難しい。国際エネルギー機関(IEA)によると、2030年以前であるという。

 

ピーク・オイルの到来がいつであろうと、またその定義が何であろうと、原油の生産量は年率4%下落するであろう。したがって、一人当たりの化石エネルギーの使用量を今後20年で4分の1に減らす必要がある。そこで、自動車や飛行機など、現在のところ代替するエネルギーが見つからない部門だけで石油を利用するために、経済活動と各人の生活様式を大胆に見直す必要がある。

 

原油生産者や石油会社は、原油価格を吊り上げるためにピーク・オイルの到来が間近であると信じ込ませることで儲けられるので、ピーク・オイルが訪れる日の予測については、現在のところ不確かな面がある。しかし、本当にピーク・オイルが間近に迫ったとの認識が広がれば、原油相場価格は1バレル当たり100ドルを軽く突破し、地球規模の新たな景気後退を引き起こす恐れがある。

 

しかし一方で、現在、ピーク・オイルと同時並行で進んでいるシェール革命に、熱い期待が寄せられている。しかしシェールガス・オイルの採掘は、著しい環境破壊を引き起こす恐れも指摘されている。また、シェールガス・オイルが原油の不足をどのくらい補填できるかは未知数である。浮かれ気分だけでなく、注意深く見守る必要があるだろう。また、自然エネルギーの技術開発・普及も21世紀のエネルギー革命の重要な要素である。

 

<アジアの未来は?>

・経済的には、アジアは、ヨーロッパのような共通市場を創出するにはほど遠い。地政学的に見ても、アジア諸国はバラバラであり、軍事紛争の危険すらある。アジアは世界経済の成長の原動力だが、各国が政治的・経済的に合意できる条件を整えられないかぎり、次の段階に進むことはできないのである。

 

・一方、ソ連の解体によって“敵”を失ったアメリカの軍産複合体は、新たな敵を必要としている。想定される敵は中国である。アメリカが中国を敵としてみなすには、日本を守るという口実が必要であり、そのためには日本が中国と敵対しつづけなければならない。これがアメリカの基本的な戦略であり、今後も、中国とアジア諸国を対立させるための口実作りや紛争が増えていくだろう。

 

・中国は広大な国土と莫大な人口を抱え、成長への潜在力を持った国だ。そして他国と同様に民主主義へと向かっている。現在の体制は、共産党による独裁という名のエリート支配の一形態だが、今後、民主主義の台頭に直面しながらこの体制を維持しつづけるのは、きわめて困難がともなうだろう。中国のように広大で不平等な国に民主主義が台頭すれば、社会的な混乱を招く可能性が高い。しかし中国が安定し統一された状態であることは、世界にとって望ましい。

 

 

 

『21世紀の歴史』   未来の人類から見た世界

ジャック・アタリ    作品社     2008/8/30

 

 

 

三つの波が21世紀を決定する

2050年の世界は、一体どうなっているのであろうか

・現状はいたってシンプルである。つまり、市場の力が世界を覆っている。マネーの威力が強まったことは、個人主義が勝利した究極の証であり、これは近代史における激変の核心部分でもある。すなわち、さらなる金銭欲の台頭、金銭の否定、金銭の支配が、歴史を揺り動かしてきたのである。行き着く先は、国家も含め、障害となるすべてのものに対して、マネーで決着をつけることになる。これはアメリカとて例外ではない。世界の唯一の法と化した市場は、本書で筆者が命名するところの<超帝国>を形成する。この捉えがたい地球規模の超帝国とは商業的富の創造主であり、新たな狂気を生み出し、極度の富と貧困の元凶となる。

 

こうして、人類は自らの被造物であることをやめ、滅び去る

・人類がこうした狂気にとらわれ、悲観的な未来にひるみ、暴力によってグロ-バル化を押しとどめようとするならば、人類は頻繁に勃発する退行的な残虐行為や破滅的な戦いに陥ってしまうであろう。この場合、今日では考えられない武器を使用し、国家、宗教団体、テロ組織、<海賊>が対立しあうことになる。本書において筆者は、こうした戦闘状態を<超紛争>と呼ぶ。これも人類を滅亡へと導くであろう。

 

・最後に、グローバル化を拒否するのではなく、規制できるのであれば、また、市場を葬り去るのではなく、市場の活動範囲を限定できるのであれば、そして、民主主義が具体性を持ちつつ地球規模に広がるのであれば、さらに、一国による世界の支配に終止符が打たれるのであれば、自由・責任・尊厳・超越・他者への尊敬などに関して新たな境地が開かれるであろう。本書では、こうした境地を<超民主主義>と呼ぶ。

 

今後50年先の未来は予測できる。まず、アメリカ帝国による世界支配は、これまでの人類の歴史からみてもわかるように一時的なものにすぎず、2035年よりも前に終焉するであろう。次に超帝国、超紛争、超民主主義といった三つの未来が次々と押し寄せてくる。最初の二つの波は壊滅的被害をもたらす。そして、最後の波については、読者の皆さんは不可能なものであると思われるかもしれない。

 

・筆者は、この三つの未来が混ざり合って押し寄せてくることを確信している。その証左に、現在においてもすでに、これらが絡み合った状況が散見できる。筆者は2060年ころに超民主主義が勝利すると信じている。この超民主主義こそが、人類が組織する最高の形式であり、21世紀の歴史の原動力となる最後の表現である。つまり、それは<自由>である。

 

未来の歴史を記述することは、可能か

・現在、未来について語られている物語の大多数は、すでに進行中の現象を演繹的に導き出したものにすぎない。

 

2035年―<市場民主主義>のグローバル化アメリカ帝国の没落

・まず、全ては人口の大変動から始まる。2050年、大災害が起こらない限り世界の人口は現在より30億人増加して95億人になるであろう。もっとも豊かな先進国では、平均寿命は100歳近くに達する一方、出生率は人口の現状維持率を下回ることになる。

 

・いかなる時代であろうとも、人類は他のすべての価値観を差しおいて、個人の自由に最大限の価値を見出してきた。

 

2035年ごろ、すなわち、長期にわたる戦いが終結に向かい生態系に甚大な危機がもたらされる時期に、依然として支配力をもつアメリカ帝国は、市場のグローバル化によって打ち負かされる。

 

・世界におけるアメリカの勢力は巨大であり続けるであろうが、アメリカに代わる帝国、または支配的な国家が登場することはない。そこで、世界は一時的に<多極化>し、10カ所近く存在する地域の勢力によって機能していくことになる。

 

人類壊滅の危機―国家の弱体化と、<超帝国>の誕生

・また、国家は企業や都市を前にして消え去ることになる。そこで<超ノマド>が土地もない、「中心都市」も存在しない、開かれた帝国を管理していく。本書ではこの帝国を<超帝国>と呼ぶ。超帝国では各人は自分自身に誠実であることはなく、企業の国籍も跡形もなくなる。また貧乏人たちは、貧乏人同士の市場を作る。

 

アメリカ帝国の滅亡、気候変動にともなう被害の深刻化、また人々の領土をめぐる紛争の勃発、数多くの戦争が起こる以前に、こうした事態は当然ながら悲惨な衝撃的事件なくしては進行しない。

 

・さらに、超帝国の出現により、個人間の競争が始まる。石油、水資源、領土保全、領土分割、信仰の強制、宗教戦争、西側諸国の破壊、西側諸国の価値観の持続などをめぐって、人々は争うことになる。軍事独裁者は、軍隊と警察の権力を両用して権力を掌握するであろう。本書では、こうした紛争のなかでも、もっとも殺戮の激しい紛争を<超紛争>と呼ぶ。超紛争とは、前述したすべての紛争の終結を意味し、おそらく人類を壊滅させることになる。

 

2060年―<超民主主義>の登場

・2060年頃、いや、もっと早い時期に、少なくとも大量の爆弾が炸裂して人類が消滅する以前に、人類は、アメリカ帝国にも、超帝国にも、超紛争にも我慢ならなくなるであろう。そこで、新たな勢力となる愛他主義者、ユニバーサリズムの信者が世界的な力をもち始めるであろう。

 

・これらの制度・機構は、無償のサービス、社会的責任、知る権利を推進し、全人類の創造性を結集させ、これを凌駕する<世界的インテリジェンス>を生み出すであろう。いわゆる、利潤追求することなしにサービスを生み出す<調和を重視した新たな経済>が市場と競合する形で発展していく。これは数世紀前の封建制度の時代に、市場に終止符が打たれたように実現していく。

 

市場と民主主義はいずれ過去のコンセプトとなるであろう

なぜ本書を執筆したのか?

・しかしながら本書の目的は、もっとも高い可能性をもって未来の歴史を予測することにあり、筆者の願望を記述するといったことではない。むしろ筆者の思いとしては、我々の未来が本書のようになってほしくない、そして現在芽生え始めているすばらしい展開を支援したいというものである。

 

・これまでにも筆者は、次に列挙するものを、世間で一般的に語られる以前から予測してきた。

 

1、 太平洋に向かう世界の地政学的変化。

2、 資本主義における金融の不安定

3、 気候変動

4、 金融バブルの発生

5、 共産主義脆弱性

6、 テロの脅威

7、 ノマドの出現

8、 携帯電話

9、 パソコン、インターネットといった現代のノマドが使用するオブジェの普及<ノマド・オブジェ>。

10、 無償とオーダーメイド・サービスの出現、特に音楽をはじめとした芸術の大きな役割、世界における多様性。

 

・本書は、筆者が長年の研究と思索、現実の経済・政治との実際的な関わりのなかからたどりついた結論である。

 

21世紀を読み解くためのキーワード集 <保険会社>

・アタリが重視する未来の産業は、娯楽産業とならんで保険業である。国家が衰退すると、個人は生活のリスクを保険会社にカバーしてもらうようになる。保険会社は被保険者に対して個人データから割り出した差別的保険料を適用し、徹底したリスク管理から巨額の収益をあげる。こうした息苦しい社会において娯楽産業は、人々に一抹のやすらぎを販売する。

 

・アタリの理念は、フランスを超過利得者の存在する社会から知識経済へ移行させることである。

 

・博学卓識のアタリは、毎日2時間半の睡眠で、好物のチョコレートを大量に食べながら、政治活動、ブログの更新、執筆活動、本書のキーワードの一つである「超民主主義」の実戦を含め、様々な活動に従事している。

 

 

 

『私は宇宙人と出会った』

 秋山眞人  ごま書房  1997年4月30日

 

 

 

宇宙人の未来予測(世界編)

(中国)  

・中国はこれからの地球の変化の大きなポイントになっていく。とくに内乱が起こる可能性が強く、それが引き金となって第3次世界大戦へと進むかもしれない。香港の返還によって思想的・経済的な大きな遅れがあり、アメリカとの対立構図が更に強くなる。これは東洋文明対西洋文明の対立といってもいい。

  また、2015年から2030年の間に4つの国に分割される可能性もある。

 

 

 

『こうして世界は終わる』

すべてわかっているのに止められないこれだけの理由

ナオミ・オレスケス  エリック・M・コンウェイ

ダイヤモンド社   2015/6/25

 

 

 

文明崩壊をシュミュレーションする

・設定は西洋文明(1540~2093)の終焉から300年後。ここに示されているジレンマは、「知の申し子」である私たちが、気候の変化に関する信頼性の高い情報を持ち、いずれ危機的状況が訪れることを知りながら、なぜ適切に対処できなかったのかということだ。

 語り手である歴史家は、西洋文明は第二の暗黒時代に突入していて、そこに渦巻いていた“自由主義”という強迫観念に根ざした否定と自己欺瞞のために、大国が悲劇を前にして何もできなくなっていたと結論を下している。

 

ではここからは、第二次中華人民共和国に住む未来の歴史研究家が、大崩壊・集団移動の時代(2073~2093)を導くことになった「暗雲期」と呼ばれる時代(1988~2093)の出来事について語る。

 

北極で氷がなくなるのは「時間の問題」

・夏に北極の氷がなくなるのは時間の問題であり、それは深刻な事態だと、科学者は理解していた。しかし実業界、経済界では、それがさらなる石油やガス開発のチャンスと見なされた。

 

気温上昇4℃で、熱波と干ばつが状態になる

・2001年、気候変動に関する政府間パネルは「大気中の二酸化炭素濃度は2050年に倍になる」と予測した。

 実際は2042年に、そのレベルに達してしまった。科学者は気温が2℃から3℃上昇するマイルドな温暖化を予想していたが、実際には3.9℃上昇した。

 もともと予測自体は単に議論のための数字で、物理学的な意味は特になかった。しかし二酸化炭素濃度が倍になったのは、非常に重要だった。

 それに対応して気温上昇が4℃に達したとき、急激な変化が起こり始めたのだ。2040年には、熱波と干ばつは、ごくふつうのことになっていた。

 

・しかし海面の上昇は、この時点では地球全体で9センチから15センチにとどまり、海岸地域の人口はほとんど変わらなかった。

 

<「虫の大発生」で病気が爆発的に広がる>

・そして2041年の北半球の夏、かつてないほど熱波が襲い、世界中の作物が枯れ果てた。

 人々はパニックに陥り、大都市ではほぼ例外なく食料をめぐる暴動が起きた。栄養不良、水不足による大規模移民、そして虫の大量発生が重なって、チフスコレラデング熱、黄熱病、さらにそれまで見られなかったウィルスやレトロウィルス性因子による病気が広く流行した。

 また虫の大発生によって、カナダ、インドネシア、ブラジルで大規模な森林破壊が引き起こされた。

 

エネルギー・インフラはすぐには変えられない

・また世界のエネルギー・インフラを変更するには10年から50年かかるが、そこまではとても待てない、ましてや大気中の二酸化炭素が減るのに必要な100年も待つのは無理だという声があがった。

 

永久凍土が解け、シロクマが絶滅する

・はたしてこれが急激な温度上昇によるものか、すでにぎりぎりの状態だったのかはわからないが、温室効果が世界的な臨界点に達した。2060年には、夏季の北極で氷が見られなくなっていた。

 

海面上昇で、地球の「大崩壊」が起こる

・その後の20年間(2073年から2093年)で、氷床の90パーセントがばらばらになって融解し、地球のほとんどの地域で海面が約5メートルも上昇した。

 そのころ以前から南極氷床より不安定と考えられていたグリーンランド氷床が、同じように解体し始めた。夏季の融解がグリーンランド氷床の中心部まで達し、東側が西側から分離した。その後に大規模な分裂が起こり、平均海面がさらに2メートル上昇した。

 

「人口大移動」から全生物の7割が死ぬ

・海面が8メートル上昇すると、世界の人口の10パーセントが住む場所を移動せざるを得なくなると予想されていた。しかしそれは過小評価だった。実際に移動したのは20パーセント近くにのぼった。

「集団移動」の時代と呼ばれているこの時期については不完全な記録しかないが、世界中で15億人が移動したと考えられている。

 海面上昇による直接的な影響による移動もあれば、気候変動の他の影響によるものもあった。

 

・このときの集団移動は、第二の黒死病流行の一因となった。新しい系統のペスト菌がヨーロッパで発生し、アジアと北米に広がったのだ。中世にペストが流行したとき、ヨーロッパには人口の半分を失った地域もあった。この第二の流行においても同じくらいの被害があった。病気は人間以外の生物にも広がった。

 20世紀には地上の生物種の目録をつくっていなかったので、正確な統計は不足しているが、全生物種の60から70パーセントが絶滅したという予測も、非現実的とは言えないだろう。

 

なぜ中国は切り抜けられたのか?

「中央集権国家」が生き残った皮肉

・「大崩壊」の破壊的な影響が現れ始めたころ、民主主義国家(議会制も共和制も)は、次々と起こる危機への対処を渋っていたが、やがて対処が不可能となった。食料不足、病気の流行、海面上昇といった現象が起こっても、これらの国家には市民を隔離したり移動させたりするインフラも、組織的な力もなかった。

 しかし中国ではやや事情が違った。他のポスト共産主義国家と同じく、中国も自由主義への道のりを歩んでいたが、強力な中央集権政府は残っていた。

 海面が上昇して海岸地域が危険にさらされたとき、中国はいち早く内陸に都市や村をつくり、2億5000万人を安全な高地へと移動させた。

 

・生き残った人々の多くにとって――これはこの話の最後の皮肉といえるが――中国が気候変動による災害を切り抜けたことは、中央集権政府の必要性の証明となった。そのことが第二次中華人民共和国(「新共産主義中国」と呼ばれることもある)の誕生につながった。

 立て直しを図った他の国々も、同じようなモデルを採用した。

 

フィクションとして書く利点はたくさんある。

・本書の語り手を第二次中華人民共和国の住人にしたのは、中国では一定期間、自由化と民主化に向かったあと、気候変動による危機に対処しなくてはならないという理由で、専制的な権力者が再び現れるという想像からです。

 

中国文明は西洋文明よりはるかに歴史が長く、数多くの困難を乗り越えてきた。今の中国政府が持ちこたえるかどうかはわからないが、――国内情勢はかなり緊張している――中国と呼ばれる場所がなくなっている未来は想像できない。

 

・フィクションとして書く利点はたくさんある。一つには、ふつうの歴史研究家にはできないやり方でテーマをみせられること。フィクションはそれほど出展に縛られない。

 

・――本書の最大の皮肉の一つは、最終的に新自由主義体制では気候変動による災害を防ぐための行動を適切なタイミングでとれなかったこと、そして指揮統制という政治文化を持つ中国が、組織的に大規模な措置を行うことが可能で、国民を救えたということでしょう。このシナリオはかなり大胆な推測ですね。

 

・本書『こうして、世界は終わる』はどんなジャンルの本なのか、ひとことで説明するのは難しい、時代設定は西暦2393年。温暖化による海面上昇で西洋文明が崩壊してから、300年の時間がたっている。第二次中華人民共和国の歴史研究者が20世紀から21世紀(つまり私たちが生きている今現在)を振り返って近未来SF小説のように聞こえるが、災害のドラマチックな描写も、SFにはつきものの新しいテクノロジーもない(一つだけ、大気中の二酸化炭素量を減らすあるものを、日本人の女性科学者が開発したということになっているが)。

 

 

 

『いま、眼の前で起きていることの意味について』

―行動する33の知性

ジャック・アタリ   早川書房   2010/12/17

 

 

 

現実に意味を与える

・事件であれ自然現象であれ死であれ、あらゆることを説明のつかないままにしておけないのが人間の本質である。人間はみずからの歴史に理解できない要素があると、それがどんなに些細なつまらないものであっても、容認できたためしがない。理解しないとは予測できないことと同義であり、さらに言えば脅威を予測できないことを意味する。これではあまりにも心もとない。

 

・目の前の現実にどのような意味を与えるか、それを決めるのは、この世界の最終的な当事者である人間にほかならない。

 

気候をめぐる諸問題

気候変動について分かっていることは何か

・いまわかっているところでは、今世紀末までに地球の気温はおよそ2℃から6℃上昇する見込みです。2℃なら対処可能ですが、6℃となると影響は甚大です。

 気温が6℃高い地球がどのようなものか、我々にはまったくわかりません。さらに、これはあくまでも平均気温であって、地域によってはより深刻な危険にさらされるおそれがあります。簡単に言えば、北極または南極に近づけば近づくほど、温暖化が顕著になるのです。

 

・温暖化の概念が、現在問題となっている気候変動をやや単純に要約したものであることも忘れてはなりません。現実には暴風雨や熱帯低気圧といった異常気象の増加、少なくともこうした現象の深刻化が数多く付随しています。熱帯低気圧は年々勢いを増してヨーロッパを襲っているし、海面は予想を超える速さで上昇しています。加えて我々は、たとえば、“奇襲型気候”に備えておかなければなりません。暖流のメキシコ湾流の流れに変化が生じれば、フランスは温暖化ならぬ寒冷化に向かうおそれがあります・・・。

 

気候の将来

・今日では、化石燃料の燃焼によるCO2の排出と気候の変化とが関連していると考えられる。原因が何であれ、結果については一般に知られているとおりである。

  気候変動によって北極の流氷が消え、北極圏が深刻な変質を被るおそれがある。やがては移住を強いられる住民も出てこよう。他方、淡水の水源が発見されるとともに、石炭の鉱脈や油田が利用可能になるだろう。

 

・そして、地球の北と西を結ぶ交通が開け、中国・ヨーロッパ間、ヨーロッパ・カリフォルニア間の航路が大幅に短縮される。カナダ、ノルウェーアメリカ、ロシアを含む沿岸8カ国は激しい競争を繰り広げるだろう。ナタリー・コシュスコ=モリゼが言うように、気候変動はまた北半球の海の寒冷化を引き起こし、その影響でメキシコ湾流が、そしてヨーロッパが寒冷化へと向かうかもしれない。

 

・標高の低い国々は洪水に見舞われるおそれがある。まずモルジブ共和国が犠牲になる。次いで、ヒマラヤ山脈とガンジス、プラーマプトラ、メグナの三河川とベンガル湾に挟まれ、もっとも高い地点が海抜47メートルしかない。約3億人の人口を抱えるバングラデシュの大部分が地図から消える。さらに、とりわけサハラ以南のアフリカの国々が水没すると考えられる。これによって2億人から20億人の“環境難民”が生じるという予測もある。

 

・気候が様変わりして温度が上がれば、水の(農業、人間、動物、自然、産業のための)需要は増える。だが水の一人あたりの可能供給は減っている。人口が増大し、農業に大量の水を使い(現在使用される水の70%以上)、水資源は増えず、人間は豊作物を直接口にするよりもそれを飼料として肉に変える事がほとんどだからだ。水の必要量は消費するカロリーに比例する。産業の場合も同じである。

 

・したがって、イスラエルをはじめとする国がすでに着手しているような農業用水の管理を採用し、海水を淡水化する技術を活用しなくてはならない。これからの問題は水が手に入るかどうかではなく、水に不自由する人々に水を買う経済的余裕があるかどうかになる。

 

・50年から100年先には、温暖化によってロシアと中国とのあいだに軍事衝突が起こる可能性がある。イスラム教を信仰する中央アジアの民族はすでにある程度、中ロ間の火種になっている。

 気候に及ぼす二酸化炭素の影響を減らすために、国あるいは国際機関によって炭素税が課され、その税収で世界のインフラを整備するしくみが実現するかもしれない。

 

・この先何が起ころうと我々が必要とするエネルギーの20から30パーセントは、30年後には代替エネルギーになるだろう。だが問題もある。提言に従って洋上に風車を建設していくと、フランスの海の景観は惨憺たるものになる。

 いま我々が持ち合わせている選択肢は、二酸化炭素で大気を汚すか、原子力発電によって生じる放射性廃棄物で地下を汚すか、の二つしかない。

 

・いまから50年もすれば、太陽光発電の技術は他のさまざまなエネルギーに完全に取って代わるだろう。現在の技術水準でも、サハラ砂漠の一部を太陽光パネルで覆えば、アフリカ全土にエネルギーを供給できる。