日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

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正しい財政金融政策で日本は「コロナ以後」に大復活する。(1)

 

 

『ポスト・コロナ「新しい世界」の教科書』

高橋洋一 、 渡邉哲也  徳間書店    2020/5/29

 

 

 

コロナ収束後から始まる世界の地殻変動

スペイン風邪の流行(1918~20年)から約100年の時を経て、世界は新型コロナウイルスの猛威に襲われた。

 スペイン風邪では世界中で5億人が感染し、1700万から5000万人の死者が出たと言われている

 

・そして2020年、世界で中国発の新型コロナウイルス感染症が猛威をふるった。その結果、各国は国境を閉じ、ヒトとモノ、カネの動きが滞る事態となっている。

 

・日本企業はローテク技術を新興国や中国に移すことによってコストダウンを図ってきたが、今回の新型コロナ問題によりサプライチェーンが分断されることによって、ローテク製品がないがゆえにハイテク製品がつくれないという状況になることの危うさに、日本の多くの人たちが気づくようになった。

 

嘘で被害を拡散させた中国への制裁が始まる

統計学が見抜いた中国の嘘

(高橋) いやもう、中国の発表は全てウソですよ。ウソだということがすぐにわかる。

 たとえば、武漢からチャーター機で帰国した日本人は600人弱ですが、感染者は14人で感染率は2.3%くらい。これらの日本人が武漢で感染者と接触した率は中国人と同じか、少し低いぐらいだという推定をたてます。

 武漢の人口は1089万人。先の感染率を当てはめると少なくとも20万人以上は感染者がいるはずです。また、先の数字から致死率はだいたい5%と見積もると、少なくとも武漢だけで1万人は死者が出ていないとおかしい。そういうことがわかるわけです。

(渡邉) 武漢市は4月29日現在で、感染者累計5万333人、死者は3869人。明らかに少ないですよね。

 

これから中国へ向かう全世界の怒り

(高橋) 新型コロナウイルスについては、武漢のウイルス研究所から漏れた、あるいはウイルス研究所でつくられた人工ウイルスだという話もあります。

 その真偽についてはわかりませんし、眉唾な情報もありますが、少なくとも初期段階において世界に向け正しいディスクロージャーをきちんとしなかったというのは確かです。

 

中国に接近した国ほど被害が拡大

(高橋) 先ほども少し話が出たように、中国は他国にマスクや防護服などを売りこんだりしていますが、これが不良品ばかりで非常に評判が悪い。

 たとえばオランダは中国から医療用のN95マスクを輸入しましたが、3月に到着した130万枚のうち、60万枚が不合格だったため、全量を不良品として返品しました。

 3月中旬にはスペインとチェコに送られた数十万枚の新型コロナウイルスのテストキットも不良品ばかりだったということです。

 フィンランドでは、中国から購入した200万枚の外科手術用マスクと個人用防護具23万個の全部が不良品だったため、国家緊急供給庁の責任者が辞任する騒ぎとなっています。あまりの中国の対応に、どの国も怒りだしている感じがします。

 

・(高橋) イギリスは完全に中国に対して敵対的になりそうな感じが するし、マクロンも同様で、これでメルケルまでもそうなってしまうと、中国がこれまでヨーロッパで影響力増大に努めてきたことが、みんな崩れてしまうかもしれない。実際、中国と親密だった国ほど、被害が大きいですからね。

(渡邉) さらに言うと、政治的に中国と接近していた国ほど、実は国民の不満は大きかったのです。

 イタリアでは、革製品や工場や縫製工場などを中国企業が買い漁り、そこへ中国人労働者を送り込んで製造技術を盗んで、「made in Italy」として世界に輸出していた。つまり、イタリア人の雇用を奪っていたわけです。

 イタリアはヨーロッパでも中国人移民の多い国で、合法的な中国人移民は30万人以上ですが、不法滞在中国人はそれ以上存在すると言われます。

 とくに人気ブランドが多く存在する北イタリアのミラノは「イタリアにおける中国人の首都」と言われているそうです。

                                                                                                                                                   

ようやく真実の数字に近づいた中国のマイナス6.8%

(高橋) この新型コロナ・ショックの影響で、中国は2020年1~3月のGDP成長率をマイナス6.8%と発表しました。

 

<中国を待ち受ける悲惨な未来

・(渡邉) 中国のGDPは、地方政府が報告してくるGDPを全部足し合わせたものと、中央政府が発表するGDPが数十兆円規模で乖離していることは有名です。とくに地方政府が自らの手柄のためにGDPの水増しをしている。

(高橋)先述したように、私は2016年に刊行した本のために中国のGDP成長率を計算して、マイナス成長だと書きました。

 ところがその本を出したら、中国政府の関係者から大学に文句が来たのです。さらには、日本人の中国研究者からも大学にものすごい抗議がありました

 

なぜ中国に騙されるのか

(高橋)私が中国の本当のGDP成長率を計算してみようと思ったのは、ソ連ソビエト連邦、1922~91年)の統計のインチキというところから始まっているのです。ソ連は、建国以来70年間、統計をごまかし続けてきたのですが、それがソ連崩壊によってわかった。崩壊後に、あれも違う、これも違うというのが山のように出てきた。

 それで、中国の国家統計局のシステムと組織は、現在もソ連の国家統計局と同じなのです。だから、同じようにごまかしているのが普通だろう、ということで、見直してみたわけです。

 中国の輸入量は世界各国の中国への輸出量とだいたい一緒だと推論し、その数字をもとに、消費税とGDPが連動するという経済学理論を組み合わせて推計したところ、中国のいまの経済成長率はマイナスになったというわけです。

 実は失業率統計があるとGDPの統計が正しいか嘘かが検証できるのですが、中国は失業率統計を隠しているのです。中国も賢いから、嘘がバレる材料となる数字は、ソ連の経験に学んでみんな隠すわけです。

 ソ連の統計の嘘というのも、ソ連が崩壊してようやく資料が出てきてわかったことであって、それまではアメリカの経済学者が寄ってたかって計算しても、誰も嘘だと証明できなかった

 

・(渡邉) 旧ソ連に騙された学者も多いですが、中国に騙される学者も多いですよね。

 情報統制していて、しかも国有企業を株式市場に上場させるという、資本主義ではありえないことをしているのに、それを誰も不思議だとは思わない。

 少数民族弾圧も知らぬ素振りで日中友好を声高に主張する「親中学者」も少なくありません中国市場への魅力なのか共産主義というイデオロギーに夢を見ているのかわかりませんが、そういうパンダハガーが日本にはとても多い。

 

中国式資本主義の不気味さ

(渡邉)中国は共産主義国というより、中国共産党が支配する開発独裁国家ですよね。開発独裁国家の裏側に軍部があって、軍部=共産党なのです。だから軍部は共産党一党独裁体制を終わらせるような武力の使い方はしないと思うのですよ。

 そして、先進国になっても、巨大な開発独裁国家であり続ける。実際、いまも国有企業を中心とした開発独裁国ですしね。

 そもそも、株式会社ではない国有企業が、株式市場に上場している。

 

死刑で会計データの正しさを担保する中国

(高橋) 以前、中国で、OECD主催のコーポレートガバナンスについての会議が開催されたことがありました。私は当時アメリカにいたのですが、中国でコーポレートガバナンスとは面白いと思って、アメリカ人と一緒にアメリカ国として会議に参加しました。

 アメリカ側からは、「きちんとした会計制度もなければ、情報公開制度もない中国で、コーポレートガバナンスなどありえないでしょう」と問題提起したのですが、そのときの中国側の答えがすごかった。

「いや、中国でもし会計を不正操作したら、みんな死刑ですから。会計データの正しさはディスクロージャーではなくて、死刑によって担保されます。会計不正で死刑などという国が他にありますか? だから私たちのほうが正しいのです」と、開き直ってすごい言い方をしていました。

 アメリカ代表やヨーロッパ代表の人たちと、「ディスクロージャー違反で死刑はないよな」とコソコソと話しましたが、みんなも唖然としていました。そのときに、中国は資本主義ではないと思ったのです。

(渡邉) 経済犯で死刑というのは、普通の国家ではありえませんからね。それだけ中国は命の値段が安いということでもあります。

しかも、それでも中国では統計数字が捏造される。上から下まで、摘発する側もされる側も「みんなやっている」から摘発しない。つまり数字の捏造などない、ということになるからです。

問題は、そのようなやり方の国を、自由主義、民主主義の経済体制に入れておいていいのか、という話ですよ。

 米中貿易戦争、そして今回の新型コロナ問題によって中国を世界から分離するデカップリング(切り離し)論が出ていますが、世界もようやくそのことに気づき始めたといえますよね。

 

・(高橋) 結局、我々とはルールや考え方が全く違う。中国に輸出している企業の人たちには、「外国人はディスクロージャー違反で死刑になってしまうかもしれない国だから、気をつけたほうがいいよ」とよく言っています。すごい国ですよ。

(渡邉) まあ、中国は法律をいくらでも恣意的に運用できますからね。当局の思惑ひとつで有罪にも無罪にもなる。

 やはり中国は異質な国です。しかし、これまで世界はそのことにあまりにも鈍感だった。新型コロナ問題ではそのことを改めて認識させられたのだと思います。

 だから中国を世界から隔離しようという、デカップリング論が今後の世界的潮流になるのだと思います。

 

<「コロナ文化人」の怪しさ

(渡邉)「文部科学省事務次官研究」として、歌舞伎町に研究に行ったらどうですか?

(高橋) 前川喜平事務次官のことですね。官僚時代に出会い系バーに頻繁に出入りしていたことを報道されて、「貧困女性の調査のためです」と言っていましたけれど、私はツイッターで前川さんに「研究は絶対に公表しないとダメです」と呼びかけました。

 学者として、何を研究するかという自由はあります。ただし、公表しないと研究は意味がない。その公表の仕方はいろいろある。もちろん自分の大学で発表してもいいし、査読付きのジャーナルでもいい。また、商業誌に出してもいいし、それでもダメならネット上で公表してもいい。

 だから、ぜひ前川氏の研究は見たいですね。

 

統計学からみたPCR検査の限界

(高橋) ただ、私の博士号は実は経済学ではないのです。ポリシースタディーズといって、日本ではあまりない学位なのですが、統計などを使っていろいろな分析を行う学問で博士号を取ったのです。論文にしても、いままで統計学のものばかりではありません。

 それで、実は私が感染症の元研究者だと言うと、みんなが「え?」と驚く。

 どうして感染症研究ができるのかというと、統計の話だからです。

 

新型コロナを政権批判の道具に利用する人たち

(高橋)立憲民主党と国民民主党を比べると、まだ国民民主党のほうがましですね。玉木雄一郎代表は、支援金を一律配布すべきだと言っていたし、消費税減税にも言及しています。

 

日本の国会は三密状態

(高橋) テレワークを国会でやったらいい。質問者と関係答弁閣僚だけがやり取りする。そしてその様子をテレビなりインターネットで流す。それで十分でしょう。むしろそのほうが、真面目なやり取りになるのではないですか。

 

リモート・アクセス時代だからこその「中国排除」

(高橋) 私の家には有線、無線のLAN網を構築していますが、つい最近まで、防犯カメラも数台設置していました。ところが、説明書を読んでみたら、防犯カメラのサーバーの所在地がすべて中国だったのです。これには驚きました。

 それを知って、防犯カメラをすべて取り外しました。安い中国製の防犯カメラだったのですが。

 

戦時体制だからこそ起こる人種差別

(高橋) だからこういうときには早く逃げなくてはならない。まったく戦争と一緒なのです。

 私の娘はサンパウロの高級住宅地に住んでいましたが、周りの日本人はあっという間にいなくなったそうです。現地に残っていたら、本当に何をされるかわからないから。

 

・(渡邉) 私もこれは戦争と同じだと思っていますけれども、そういう認識を持っている政治家がどの程度いるか。

 国会議員にいろいろ質問すると、国防族はかなり危機感を持っていますが、規制緩和出入国管理について、厚労族や法務族などによってかなり温度差があるようです。

 

<「中国発」への警戒心を高めよ

(高橋) やはり中国が発生源だということだけで、もっと警戒しなければならないと思いますよ。そもそも情報隠蔽の国だから、正確な情報が伝わらないわけですし。だからもっと身構えなくてはならなかった。

 

生物兵器の有効性を証明してしまった新型コロナウイルス

(高橋)  昔から言われていたことですが、ABC兵器(Aは原子兵器、Bは生物兵器、Cは化学兵器)のうち、Bが最も安価でできるとされてきました。今回の新型コロナ感染拡大は、それを証明することになってしまったとも言えますね。

 

日本のセキュリティはザル

(高橋) 電話といえば、官邸にいたときには、携帯電話は使いませんでした。携帯電話は電波を取られて盗聴されるからです。官邸に入るときには、そういう注意を受けるわけです。

 また、官邸で会議をしているときには、みんな携帯電話やスマートフォンを冷蔵庫の中に入れる。ハッキングされて、勝手にオンされて盗聴されることを防ぐためです。

 官邸ではそういう備えをしていますが、しかし、国会議員などは、国会でスマートフォンをいじっている人もいますね。

 

・LINEは電話番号を抜かれますが、アレはまずいのではないかと思います。抜かれた結果は韓国系企業に情報が行きます。韓国の人もLINEは使わないと言います。とくに日本の国会議員だと、もっとまずい。

(渡邉) いろいろセキュリティ的にヤバいことを普通にやっていますよね。セキュリティが甘いというより、ない

 

官邸の情報もダダ漏れ

(高橋) 官邸の中には、ランクによって行けるところが決まっていて、それはきわめて重要なセキュリティ情報なのですが、民主党時代に、そういったものがみんな漏れてしまった可能性がある。

 私も2006年に首相官邸政策スタッフになったとき、官邸内から外を写した写真は撮るなと、ものすごく注意を受けたものでした。内部構図がみんなわかってしまいますからね。

ところがいまでは、みんな平気でそういった写真を表に出している。官邸のセキュリティが甘くなったのかもしれませんね。

 

民主主義の力を示すためにも憲法に緊急事態条項を入れよ

(高橋) せめて憲法に緊急事態条項ぐらいは入れるべきだということになればいいと思います。なにしろ、外出自粛にしても強制力がないから、非常に困ってしまったわけですから。なにも、戒厳令みたいな話をしなくてもいい。戦争ではなくても、こういったパンデミックのときにも私権制限は必要だと。それは国民の命を守るためには仕方がない。

 そういう話をするしかないでしょう。

 

日本人はもっと「カネで解決」を学ぶべき

(高橋) もっともそうしたことは、要はお金を出せば解決するはずですけれどね。もうちょっと合理的に割り切って、お金で解決するということに注力すればいいのにと思いますが、なぜか、日本ではそういう考え方がダメですよね。

 教条的に個人の権利とか財産権とか言い出すのですが、そういう権利もお金で換算したほうが後腐れないですよ。

 

「世界はカネで動いている」が国際常識

(高橋) とはいえ、政治家はみんな丸め込まれてしまいますけれどね。財務省はスーパーパワーの役所ですから、いろんなものを握っている。だから強い。

 なにしろ、「政界のドン」ともいわれた元自民党副総裁の金丸信すら失脚させましたから。私はそれを目の当たりにしました。最後は税金で追い詰める。そうなると政治家はぐうの音も出なくなる。だから政治家を殺すのは簡単なのです。

 財務省がそれほど強いことは、日本にとっていいことなのかと、私はいつも疑問に思っています。

 

景気対策時に出てくる「日本破綻論」に気をつけろ

(渡邉) そこで警戒すべきなのは、財務省の意向を汲んだマスコミなどから「国民の借金が大変だ」などという財政規律の話が出てきて、景気対策が邪魔されることです。国債発行残高が増えると、マスコミはすぐ「国の借金1100兆円、国民1人あたり863万円」などと煽る。国家が破綻して円が暴落、ハイパーインフレがやってくるなどと言う評論家もいるくらいです。

 

なぜ国のバランスシートは世の中に出ないのか

(渡邉)通常の企業でも、財務分析を行うときは連結でやりますよ。

 親会社が子会社に対して50%以上の出資を行っている場合、その子会社は連結対象となります。日本銀行の資本金の55%は日本政府が持っていますから、連結決算に組み入れることが普通です。

 

<「国の借金1100兆円」という嘘

・(渡邉) 要するに、日本政府と日銀は親会社と子会社の関係にあるわけで、親会社の政府が子会社の日銀から500億円借りたところで、親会社と子会社ですから、全体として借金が増えたわけではない。

 政府が1000兆円の国債を発行する一方で、日銀がそのうち600兆円を買っていれば、実質的な借金は400兆円しかないということです。さらに、親会社・子会社の資産部分も計上すれば、さらに借金は減るし、場合によってはプラスになる。

 ちなみに平成30年度の政府の連結財務諸表によれば、資産合計が338兆2000億円、負債総額が259兆3000億円で。差額78兆9000億円のプラスです。

 つまり、日本政府はいま約79兆円のプラス資産だというのです。 

 

格付け会社は競馬の予想屋と同じ

日本の格付け会社も五十歩百歩

・(渡邉) 日本の格付け機関もひどいですよね。財務省系のJCR(日本格付研究所)と日本経済新聞系のR&I(格付投資情報センター)が有名ですが、本当にこの格付けでいいのか? というものが多々あります。

 たとえばソフトバンクグループなどはS&Pやムーディーズから投資不適格のジャンク債扱いを受けていますが、JCRでは「Aマイナス」で投資適格になっている。

 

デリバティブ商品に手を出すな

(渡邉) 結局、金融工学を使って商品化するところまではまともだけれども、それを売る際にいろいろな詐欺的手法が使われて、場合によっては商品を組み立てる際に格付け会社という競馬の予想屋みたいのが入ってきて、無茶苦茶になっていくと。

 リーマンショックのときに売られていたサブプライムローン債券などは、その典型ですね。非常に信用力の低い商品まで混ぜ込まれていて、しかも格付け機関がそれに高い格付けを与えていた

 その他、ハイブリッドCDSなど、いろんな商品を細分化してごちゃまぜにする商品まで出てきたおかげで、さらに複雑怪奇になって訳がわからなくなっていった。

 

新型コロナ問題で壊滅的になるベンチャー投資

(渡邉) 今回の新型コロナ災禍によって、世界経済が大きなダメージを受けるのは不可避ですが、とくにこれまでの世界的なITバブルを牽引してきたベンチャー投資が、大幅に縮小されると思います。

 

甘すぎる日本の証券取引規制

新型コロナ以降、日本の親中勢力への攻撃が始まる

・(高橋) 今回の新型コロナ問題で米中対立がより激化するのは間違いないでしょうが、実は財務省はかなり親中なのです。幹部に親中派が多い。中国へのODAをバンバン出したことで、中国側からかなりの厚遇を受けて、ウハウハだった人も少なくない。

 中国側もよく知っていて、国会議員の訪中団などでも、政治家は無視して財務官僚を優遇したりする。

 

・(高橋) アメリカは最後、人民元の自由化を言えば、中国が終わりになることを知っています。人民元が自由化されれば、資本移動も自由となり、中国共産党は国内経済をコントロールできなくなる。それは共産党の指導体制の終焉を意味します。すると中国共産党が潰れざるをえない

 

新たな世界秩序の勝者は誰か

浮き彫りになった中国の異質さ

(渡邉) 一応、民間企業もあることにはなっていますが、企業内に中国共産党支部を設置することが義務づけられていて、そこで党の指導に従うようになっています。そのため、たとえ民間企業でもあっても、実質的には国有企業です。

 

・(渡邉) しかし中国は逆で、すべてにおいて共産党が最上位の概念にある。だから、社会主義共産主義の理念には反さないということになるわけです。取締役会より共産党が上位だということは、生産設備はすべて実質的に固有であり、社会主義共産主義の基本理念通りだということになる。

 さらに撤退や清算する場合、取締役全員の合意が必要であり、合弁なので中国側の代表者が必ず入っているわけです。ですから、自由に清算も撤退もできないのです。多くの場合、撤退する際に、日本側が持ち分すべての提供を要求される。また、撤退に際して債務があれば、逮捕され、一種の人質となり債務の完済を要求されるケースも多い。

 こうした中国企業を西側の資本主義市場までもが「民間」として受け入れてしまったことが間違いだった。それが、この30年間の答えだったと思うのです。

 

新型コロナ以後、中国陣営と自由主義陣営に分裂する世界

(渡邉) 中国は韓国に対して、優先的に入国を認めるファストレーンを認めるということを言い出していますね。他国からは中国への労働者は受け入れないけれど、韓国だけはOKだということにすると。

 しかし、これが西側陣営にとって、今後、大きなリスクにもなってくると思いますよ。韓国を通じて技術がかなり流出してしまう可能性がありますから。

 

中国化していく韓国

(高橋) 韓国がいま社会主義化・全体主義化へと向かっているのは、地政学的に中国の影響力が及びやすいという、独特の理由があるのかもしれません。

 いずれにせよ、新型コロナによって、文在寅政権の立ち位置がよりよく見えてきたということなのでしょう。

 

「中国なき世界」はやってくるか

(高橋) その可能性は大きいですが、それでも旧ソ連のように、共産主義が潰れたケースもあります。旧ソ連の場合は、アメリカとの軍拡レースに敗れ、当時のゴルバチョフ大統領がグラスノスチ(情報公開)、ペレストロイカ(改革)を進めるなかで共産主義の放棄と連邦制の崩壊へと至りました。

 中国もアメリカとの対立と今回の新型コロナ問題で、国家存続の危機に陥る可能性も、まったくないとは言えないと思います

 とはいえ、おっしゃるとおり、ゴルバチョフのように、中国を改革へと導こうとする人物はいまの中国にはいない。

 となると、中華人民共和国の前の中国、すなわち、それぞれの地方で軍閥が群雄割拠したように分裂状態になるというのも、10年、20年のスパンで考えると、ありうるシナリオだと思います。

 

中国大分裂の可能性

・(高橋) 歴史上、独裁体制で突っ走れた大国はないと考えると、中国もどこかで民主主義になるという可能性はあると思います。

 

・先にも述べたように、10年、20年のスパンで考えたとき、中国がバラバラになって、そのうちのいくつかが民主国になるというシナリオも、十分にありうると思うのです。

 

(渡邉) かつて1918~1920年にかけてスペイン風邪が流行し、その後、1929年からの世界大恐慌、そして1939年からの第ニ次世界大戦と、約10年ごとに大きな出来事が続きました。それと同じような流れになりそうな気配もあります。

 

習近平に迫る危機

・(渡邉) これまでも習近平の暗殺未遂事件は何度もあったと言われています。

 

・(高橋) 肉親を失った悲しみは万国共通ですから、武漢で1万人以上死者がいるとしたら、その恨みたるやかなりのものでしょう。

 もしも習近平が暗殺されたら、結構、中国社会はかなり不安定になるのではないでしょうか。

(渡邉) それがきっかけとなって、中国大分裂時代に突入するかもしれませんね。とくに現在、権力者が不在になることで、共産党内が内乱状態になる可能性はあるかもしれません。

それは中国がつねに繰り返してきた歴史でもあります。

 

「新たな世界」のトップリーダーになる日本

(高橋) 今回の新型コロナウイルスの災禍によって、世界は中国という国の異質性を、改めて認識させられることになったと思います。

 これまでは米中対立を傍観し、そのときどきでアメリカ側と中国側を行ったり来たりしていた国々も、身の振り方を固めなくてはならない時期が迫っている。

 

その一方で、日本は感染者の致死率が先進国のなかでもきわめて低い。その理由については、先にいろいろ類推しましたが、今後の世界情勢の変化において、その点は日本の優位性につながると思います。

 

(高橋) 100年前にスペイン風邪が流行し、その後、大恐慌が到達しましたが、そのとき日本は高橋是清大蔵大臣が金融引き締め政策と緊縮財政政策をやめ、日銀引き受けを伴う積極財政と同時に金融緩和も実施したことで、先進国の中でも、恐慌から比較的早く脱出しています。

 

(渡邉) 今回も、日本がきちんとした経済対策を打てば、このコロナ災禍のダメージを世界でもっとも低く抑えることが可能かもしれません。ポスト・コロナの時代を日本がトップリーダーとなって牽引するということも不可能ではないでしょう。それだけのポテンシャルが日本にあると思います。

 

・だから、非常事態にどのような対応をするのか、どこまで私権を制限するのかということをあらかじめ緊急事態条項で決めておくべきなのです。

 

正しい財政金融政策で日本は「コロナ以後」に大復活する

渡邉哲也氏とは、インターネット放送局である文化人放送局の番組「怒れるスリーメン」でいつもご一緒しているが、その知識は政治・経済のみならず、ビジネス界の裏話や言論人の人間関係まで、非常に多岐かつ広範にわたっていることにいつも驚かされてきた。

 

さて、本書の主要テーマでもある新型コロナ問題だが、感染拡大の終息後こそが本当の正念場である。日本も世界も確実に大きく変化せざるをえないからだ。とくに米中問題は最大の焦点となるだろう。

 

新型コロナウイルスとの戦いは「見えない戦争」といわれているが、アメリカの歴代戦争での死者数と比較しても、すでにベトナム戦争を超える規模となっている。ちなみに各戦争でのアメリカ人の死者数は、南北戦争49.8万人、第ニ次世界大戦29.2万人、ベトナム戦争5.8万人、第一次世界大戦5.3万人、朝鮮戦争3.7万人である。

 

・このように、アメリカは過去の戦争や紛争において、介入する口実を見つけては実行することが少なくない。

 トランプ大統領は、中国を名指しして、世界での新型コロナウイルス感染の拡大の責任を追及するはずだ。武漢ウイルス研究所での人工兵器説から始まり、同研究所からの流出事故などのストーリーが流されているが、これも情報戦の一環だ。

 

本書中でも、アメリカをはじめとする世界各国で中国に対する訴訟が提起されはじめていることは述べているが、結果次第では、在米中国資産の凍結もありうるだろう。この場合、中国政府の代わりに特定個人の資産差し押さえも考えられるところだ。それらは、中国共産党への大きな打撃になるかもしれない。

 このように、今後、米中貿易戦争が再燃するどころか、「準戦争」になる可能性はかなり高い。これは必ずしもハードな武力行使ではなく、ソフトな経済戦争や情報戦争だろう。

 

そこで、日本の対応だが、まずこの新型コロナ問題を戦時体制と捉えていないことの危機感の希薄さは、本書で繰り返し述べてきたとおりだ。日本政府は新型コロナによる死者のみならず、経済による死者も減らす策を取らなくてはならない。

 私としては、少なくとも50兆~100兆円以上の有効需要が必要だと考えている。最初の緊急経済対策では「真水25兆円」程度なので、まだまだ足りない。

 

・私は著書などで何度も指摘しているが、大災害時の増税はありえない。大災害が100年に一度なら、復興費用は「100年国債」で調達するのが原則である大災害時の増税は経済学の課税平準化理論にも反するもので、古今東西行われたことがない愚策だ。

 「供給ショック」より、需要の喪失による「需要ショック」が大きい場合、デフレ圧力が高まるので、インフレ目標に達するまで、中央銀行による国債買い入れが可能になる。この状況では、長期国債発行による総需要創出と日銀の買い入れが最善手だ。この場合、政府の実質的な子会社である日銀が国債保有するので、利払い費や償還負担は事実上発生しない。その結果、財政状況を悪化させることもないので、将来の増税を心配することはない。

 

財務省は、当時の民主党政権政権運営に不慣れだったことに乗じて復興増税を盛り込んだ。これをホップとして、ステップで消費税を5%から8%に増税、ジャンプとして10%への税率引き上げを画策し、実際に安倍晋三政権で実行された。

 財務省としては、二匹目のドジョウを狙っているのだろう。新型コロナ対策で多額の財政支出を強いられるので、財政悪化を理由として新型コロナ増税を主張する。その勢いで、消費税率も12%、さらには15%へと、再びホップ・ステップ・ジャンプをもくろんでいるのではないか。

 世界の先進国では、中央銀行による国債の無制限買い入れや、減税、給付金など積極財政政策で一致している。そして、大災害での増税は行われない。

 新型コロナ・ショックでは需要が蒸発しデフレ圧力が高まっている。そうしたときに増税が行われたら、落ち込んだ経済への致命的なダブルパンチとなるだろう。