論客16人が予測する
『コロナ後の新ビジネスチャンス』
これから伸びる企業・市場、求められる人材・働き方
「THE21」編集部 PHP 2020/8/22
<ウィズコロナ/アフターコロナのニューノーマルは? 伸びる市場、新たなビジネスチャンスは? そのとき、どう働くべき?>
・新型コロナウイルスは、私たちの暮らしや働き方をどう変えるのか?
・それによって、伸びる市場や新たに生まれるビジネスチャンスはあるのか?
・そして、ウィズコロナ、アフターコロナの時代に働く人に求められるスキルやマインドとは、どのようなものなのか?
・ロックダウンなどによる経済活動の停止は、世界の実体経済に深刻なダメージを与えました。各国政府が緊急の財政出動を行なうなどをしていますが、長期にわたって不況が続くという見方が大勢を占めています。その中で業績を伸ばすためには、「新たな受容や商機」をいち早く見つけ、つかむことが重要です。
・予測というものは、必ずしもその通りになるとは限りません。人々が実際に行動した結果が、未来になっていきます。
<「活路」は必ずある!ピンチをチャンスに変える発想>
<星野佳路 収束後に伸びる新たな観光業の市場に備え準備する>
Q1、ウィズコロナ/アフターコロナのニューノーマルは?
基本的にはビフォアコロナに戻る。
Q2、伸びる市場、新たなビジネスチャンスは?
テレワークの普及による連泊需要。マイクロツーリズムの掘り起こしも重要。
Q3、そのとき、どう働くべき?
観光の大義と企業の責務を改めて認識し、次に起こる危機にも柔軟に対応すること。
・財務体力と人材を維持する18ヵ月の方針
・収束後に伸びる新たな観光業の市場に備え準備する
・コロナ禍で最も大きなダメージを受けた業界の一つが観光だ。観光業に新風を送り込み続けている星野佳路氏は、ウィズコロナ、そしてアフターコロナの観光業を、どう見るか?
<18ヵ月間の戦いに備え3大方針を発表>
・3大方針の一つ目は、キャッシュマネジメントの強化です。
緊急事態宣言が出て売上が9割減に落ち込めば、かなり厳しい状況になることは明らかでした。いかに売上げを維持し、コストを削減するのか。そのためにやるべきことをやっていこうと話をしました。
・二つ目は、人材の維持です。そして三つ目は、この期間に何を犠牲にするか、ということです。
<「3密回避」は現場がいち早く対応>
・当初から、ホテルや旅館など、接客の最前線では、3密回避が最重要課題になるだろうと予測していました。
<トップ自らブログで「倒産確率」を発信>
・もちろん、社内に動揺はありました。特に現場の社員は、普段なら80%以上の稼働率が10%に落ち込むのを目の当たりにして、「会社は大丈夫だろうか」「潰れるんじゃないか」と不安に思うのも当然です。
・こういう危機のときこそ、社員への情報発信は密にしなければなりません。会社の状況を率直に伝えるとともに、「我々はこのように乗り越えていく」という作戦と、そのために今何をすべきかを説明することが重要です。
・中でも社員の食いつきがよかったのは、「星野リゾートの倒産確率」というブログの記事です。私が独自の計算で生存確率を出し、それを「倒産確率」と言い換えてブログに書いたところ、「いいね」がたくさんつきました(笑)。皆が聞きたいことのど真ん中だったのでしょう。
<政府の施策の効果はどれほどあるのか?>
・インバウンドが期待でない今、GOTOキャンペーンの役割として、インバウンドが果たしていた需要の分散は補填することがすごく大事だと思います。
<テレワークの普及で「連泊需要」が期待できる>
・新型コロナの影響によるテレワークの広がりを機に、連泊の需要拡大に期待しています。
<集客のカギになるマイクロツーリズム>
・地元の人たちをターゲットにしたマイクロツーリズム市場は、もともとあったものです。
・もう一度、日本各地にあるマイクロツーリズムの市場を掘り起こすことで、ウィズコロナ期の需要をある程度確保できるだけでなく、アフターコロナにおけるリスク分散にもなります。
<社員のキャリアにも貴重な体験になる>
・ですから、今が頑張りどきですし、頑張ったぶんだけ、「あのコロナ禍を乗り越えたんだ」という自信につながります。
<松田公太 最新技術の導入コストを下げながら、お客様との関係が強い飲食店へ>
Q1、ウィズコロナ/アフターコロナのニューノーマルは?
飲食店の売上はビフォアコロナよりも下がる
Q2、伸びる市場、新たなビジネスチャンスは?
ITやAI、RPAを導入して、損益分岐点を下げた飲食店が生き残る
Q3、そのとき、どう働くべき?
常連客との関係性を、より強化すべき
<情報開示こそが社員の不安を取り除く>
・私も、常に情報を隠さずに開示することで、経営層と現場との間で信頼関係を築き、スタッフも「一緒に会社を経営していく」という意識を持ってほしいと思っています。
<飲食店の売上は1年は元に戻らない>
<売上が10%落ちれば飲食店は赤字になる>
・飲食店の損益分岐点比率は非常に高いのが現実です。10%売上が落ちるだけで、赤字に転落する店舗が大半でしょう。
・飲食業界は、新型コロナが終息しても元の状態には戻らないでしょう。そうした中で生き残っていくためには、「サービスへの満足度は維持しながらコストを下げる方法」を編み出すことが今後ますます重要になります。
<在宅勤務が広がれば外食の需要が減る>
・つまり、新型コロナの流行がひと段落すれば飲食業界も自然と息を吹き返すわけではなく、アフターコロナにおいても、生き残りをかけて知恵を絞ることが求められるのです。
<サービスを維持しながらコストを上げる工夫を>
<POS導入以来の新たな大転換期にある>
・しかし、POS以降、飲食業界ではイノベーションが起きていません。
<「セルフ」と「フル」の中間のサービスを目指す>
・ウィズコロナの時代においては、ムダな接触は避けなくてはいけません。けれども、一方で、お客様に温かみを感じていただけるサービスは残しておく必要があります。それがお客様満足度にもつながります。
<「常連のお客様」がより大切な存在になる>
・私は、アフターコロナにおいても、飲食業はお客様がコミュニケーションを求めて来店される数少ない業種になるだろうと思います。
<冨山和彦 企業も個人も「トランスフォーメーション」が求められる時代に>
Q1、ウィズコロナ/アフターコロナのニューノーマルは?
リモートワークが一般化。「毎日の通勤」「根回し文化」などがなくなる。
Q2、伸びる市場、新たなビジネスチャンスは?
「リモート&リカーリング」モデルがさらに伸びる
Q3、そのとき、どう働くべき?
ホワイトカラーは危機に。「地方に行って第一線で経営経験を積む」のも一案。
・「コロナショックは確かにピンチだが、日本企業が変化するチャンスでもある」
<コロナショックの影響はリーマン以上 ⁉>
・コロナショックによる経済危機は、前回のリーマンショック以上に幅広い産業と地域を巻き込み、長期にわたって影響を及ぼす恐れがあります。
具体的には、「L(ローカル)」→「G(グローバル)」→{F(ファイナンシャル)}と時間差で危機が襲ってくるというのが私の予測です。
今回の危機はまず、観光や飲食、小売など、国内のローカル経済圏を顧客とする中堅・中小のサービス業に大きな打撃を与えました。
<この戦いは長期戦に。働き方も大きく変わる>
・この危機を食い止められるのか。影響はいつまで続くのか。正直、私にも読めません。
ただ、仮にコロナウイルスの勢いが収束し、世界各国で外出や渡航の制限が緩和されても、人々の心理が完全に元に戻るのはかなり先になるでしょう。新型コロナウイルスが厄介なのは、「無症状」の人を介して感染が広がること。そのため、いつ危機が収束するかが極めて見えにくいのです。
<「都心から地方へ」の流れがついに実現する>
・都心から地方へという流れはこれまで、なかなか進まなかったのですが、コロナ禍を機に一気に進む可能性がありますし、また、そうなるべきだ。
<日本企業が合理的組織に生まれ変わるチャンス>
・今回のコロナショックは大変な危機でありますが、働き方はもちろん、ビジネスモデルから組織体制まで会社の基本的な形を根底から転換する「コーポレート・トランスフォーメーション」の大きなチャンスでもあるのです。
<「物を作る」だけの企業は淘汰される!>
・「顧客が本当に望んでいるものを実現するには何をすべきか」という、ニーズありきの発想へ転換すべきです。
<野球チームで戦ってもサッカーでは勝てない>
・ただし、その大前提として組織体制を大きく変える必要があります。少なくとも、プロダクトデザインやマーケティングの決定権を中高年の社員が持つような組織からは、変革は生まれません。
・ゲームのルールはすでに変わっています。今の日本企業はいわば「野球の組織のままでサッカーをやっている」ようなもので、これでは勝てるはずがありません。
<観光業やイベントは復活。ただしモデルチェンジが必要>
・確かに、リアルな人の動きは、しばらくは制限されるでしょう。しかし一方で、Zoomを使って海外の人と気軽に会議をしたり、Netflixで世界各国のコンテンツを楽しむなど、デジタル空間でのグローバル化はコロナショックによりむしろ加速したといえます。
こうしたDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れは、今後ますます盛んになっていくでしょう。
・「高価格で高品質のサービスを提供する」というモデルに変わることができるかが、コロナ後に生き残れるかどうかの条件になるでしょう。
<ローカルな中小企業へのキャリアチェンジ>
・むしろ心配すべきなのは、大企業のホワイトカラーです。特に長年同じ職場で務め上げた管理職が一番危ない。
・仕事でもキャリアでも「トランスフォーメーション」を畏れず、ぜひ、チャンスをつかんでほしいと思います。
<新たな「ビジネスチャンス」、ここにあり!>
<藤野英人 消費者の価値観が「損か得か」から「ハッピーか否か」に変わった>
Q1、ウィズコロナ/アフターコロナのニューノーマルは?
「ハッピーか、ハッピーでないか」が新たな行動原理に
Q2、伸びる市場、新たなビジネスチャンスは?
人々が幸せな生活を送るためのモノやサービスの需要が伸びる。工場の無人化、省力化も新たなビジネスチャンス
Q3、そのとき、どう働くべき?
自分がハッピーになる仕事や働き方を選択しよう
<「ステイホーム」が家族回帰の流れを生んだ>
<過度な「ゴージャス」「贅沢」は時代にそぐわない>
・コロナ後の新しい工場では、密を避けるためにも、無人化、省力化が推進されるでしょう。これは日本の得意分野です。しかも、大企業が中堅、中小企業まで、幅広くチャンスが巡ってきます。
<自然豊かな地方で生活の質を上げる流れも>
<日経平均株価が好調な理由とは?>
・すると、ロボットやマハテン(マテリアルハンドリング)機器を取り扱う企業の売上げが増えます。IoT技術の関連企業も、さらに成長するでしょう。
<多様化が加速するが、「マッチョの反乱」も>
・とはいえ、全体を見れば、タテ社会の解体は不可逆的な流れです。
<仕事の選択も「ハッピー」が新たな基準に>
<田所雅之 非接触・バーチャルへのシフトで、ビジネスチャンスは数多く生まれる>
Q1、ウィズコロナ/アフターコロナのニューノーマルは?
健康や命、生活の安全のため、非接触のサービスの利用が増える
Q2、伸びる市場、新たなビジネスチャンスは?
生き残るのはUX(ユーザーエクスペリエンス)が優れたサービス
Q3、そのとき、どう働くべき?
インプットしたことを文章や資料にまとめて発信するなど、常にアウトプットを意識する
<「非接触」ニーズを捉えたビジネスも拡大>
・コロナで様々なサービスが登場していますが、今後は淘汰が進むでしょう。生き残るのは、UX(ユーザーエクスペリエンス)が優れたサービス。オンライン会議のサービスが数多くある中で、Zoomが一人勝ち状態になっているのも、まさにUXが優れているからです。
<新しい市場の細分化もビジネスチャンスになる>
<変化に順応するためにアウトプットの習慣を>
<スタートアップアイディアを考えるための10のフレームワーク>
- 中間プロセスの排除、②バンドルを解いて最適化する、⓷バラバラな情報の集約、④休眠資産の活用、⑤戦略的自由度(既存の枠からあえて外れる)、⑥新しいコンビネーション、⑦タイムマシン(別の市場で検証済みのモデルやプロダクトを他の市場に持ち込む)、⑧アービトラージ(供給不足の市場に供給過多の市場からリソースを持ってくる)、⑨ローエンド型破壊(過剰な部分をそぎ落とした安価な製品を提供する)、⑩As s service化する(売り切りではなく、サービス化・サブスク化する)
<前田裕二 「夢を描くリーダー」と「その夢の中に入るメンバー」から成る『夢中組織』の時代へ>
Q1、ウィズコロナ/アフターコロナのニューノーマルは?
接触機会の減少やテレワークの普及により、心の中の「寂しさの空洞」が社会的に広がる
Q2、伸びる市場、新たなビジネスチャンスは?
単なる「時間の向け先」ではなく、人々の「心の向け先」足り得るサービスや人。夢中を生み出す人、夢中になっている人の周りには、誰かにとっての「心の向け先」が生じやすい。
Q3、そのとき、どう働くべき?
一つは、自分自身が夢や希望を与えるリーダーになること。あるいは、他の人の夢の中に入り、その夢の実現のために、夢中になること。いずれの場合も、「心の充足」がテーマとなる時代において、「夢中を見つけること」が最善の戦略となるだろう。
<リアルライフが停止する中でデジタルが果たすべき役割とは>
<単純に「代替するだけ」では心許ない>
・感染収束後も、テレワークが定着すると人と会う頻度が減り、寂しさや不安が生み出す「心の空洞」は広がり続けるでしょう。すると、この穴を埋めるべく、心の充足欲求が(無意識のうちにも)一気に肥大化するはずです。この観点から、これからのビジネスにおいても、ユーザーの可処分時間に加えて、「可処分精神」の取り合いレースに勝つ者が強者になると予測します。
<オンラインサロンのような体温を感じる組織が増えていく>
<これから活躍する人材、求められる働き方>
<山口周 「ノーマル」がない時代に求められるのは、人生をデザインする力>
Q1、ウィズコロナ/アフターコロナのニューノーマルは?
ノーマルがない「ノーノーマル」になる
Q2、伸びる市場、新たなビジネスチャンスは?
コロナ禍で起こった「デタッチメント」が、新たな「アタッチメント」の契機になる。そこにビジネスチャンスが生まれる
Q3、そのとき、どう働くべき?
これまでのキャリアで磨いたスキルと、もともと自分が好きだったことを掛け合わせて、ユニークネスを作る
<「普通」が存在しない多様性の社会になる>
・そうなると「週に何日出社するか」だけでも会社によって様々で、「普通」なんてどこにも存在しなくなります。これからの社会は多様性が増すということです。
<東京からの移住者のため各地域で再開発が進む>
・これからの時代は「普通」がなくなっていくでしょう。つまり、ニューノーマルではなく、「ノーノーマル」の時代です。そうなると人生をデザインする力が決定的に重要になります。
<ユニークネスがないと、誰からも呼ばれない!>
・「週に2日働く正社員」といった募集も珍しくなくなり、副業や兼業を認めない会社は労働市場での価値が下がるでしょう。
<真子就有 これから勝つのは「ハードウェア」と「テクノロジーを使った体験」、そして「変人であること」>
Q1、ウィズコロナ/アフターコロナのニューノーマルは?
基本的にはビフォアコロナと変わらないが、人は一度取った行動に肯定的になるため、コロナ禍で初めてやったことで、今後もやり続けることもある。
Q2、伸びる市場、新たなビジネスチャンスは?
ハードウェアとソフトウェアを組み合わせたビジネスと、テクノロジーを使った体験、個人のスモールビジネス。
Q3、そのとき、どう働くべき?
個人のスモールビジネスも伸びるが、そこで勝負するためには、超エリートでなければ、他の人がやらないことをやるしかない。
<リアルな場に集まることの二つのメリット>
・一つ目は、集中力が生まれること。もう一つは、感情報酬が得られること。
<オンライン移行で学習の進捗状況が改善した>
<リアルな場が持つ意味を改めて考えた>
・自分のようなエリートではない人間は他の人がやっていることをしていても、永遠に勝ち目はありません。僕が学生時代に起業したのも、経営者なのにYou Tubeを始めたのも、「人がやらないことをやる以外に勝つ道はない」と考えたからです。
<ウェブやアプリのビジネスは飽和している>
・でも、コロナ禍とは関係なく、時代の変化によって、今後伸びるビジネスなら、いくつか考えられます。僕が注目しているのは、「ハードウェア」と「テクノロジーを使った体験」の二つです。
<「小さなインフルエンサー」にビジネスチャンスがある>
・これからは個人によるスモールビジネスも伸びていくと思います。
<柴田陽子 素直に流れに乗って顧客心理を理解すれば新しいアイデアが生まれる>
Q1、ウィズコロナ/アフターコロナのニューノーマルは?
各企業が自社に合った新しい働き方を模索し、その先に、その働き方に合った暮らし方が定着する
Q2、伸びる市場、新たなビジネスチャンスは?
オンラインでの商品やサービスの販売。自宅にいる時間を豊かにする商品やサービス
Q3、そのとき、どう働くべき?
世の中の人たちが経験している様々な変化を自分も経験し、変化を実験として楽しむ
<人にとって良い変化はコロナ後も定着する>
・週2日の出社するチームの組み合わせを毎回変えることで、密を避けながら、社員同士が交流できるように工夫しました。
<リモート環境で新しい人を迎える難しさ>
・社員同士が顔を合わせる機会が激減する中で、新しく入った人がどのようにして自分たちの仲間になっていくのかは、これから検証が必要です。
・人間が何に幸せや豊かさを感じるかは時代が移っても変わりません。この源流の価値観さえおさえておけば、それまでの商品の売り方や届け方にこだわることなく、変化にも柔軟に対応できるはずです。
<自宅時間を豊かにするサービスに商機がある>
・例えば、オフィスビルの下層階に入居する飲食店やサービス業の店舗などは、今のままでは事業が成り立たなくなり、ビジネスのあり方が変わっていくでしょう。
<コロナでも「伸びる企業」の条件>
<青野慶久 働き方を積極的に変える企業は成長し、元に戻そうとする企業は衰退する>
Q1、ウィズコロナ/アフターコロナのニューノーマルは?
「変わる人や企業」と「変わらない人や企業」に二極化する
Q2、伸びる市場、新たなビジネスチャンスは?
「変わる企業」が若手のビジネスパーソンの支持を受けて成長する。また、「変わる企業」の働き方を支えるサービスの市場が伸びる。オンライン教育の成長の余地が大きい
Q3、そのとき、どう働くべき?
主体的に自分の生き方や働き方を選択し、その選択に責任を持つ
<人も企業も二極化が始まった>
・新型コロナウイルスは、「変わりたい人」と「変わりたくない人」の二極化をもたらしました。二極化が起きたのは、個人だけではなく、企業も同じです。
<働く時間も自由化が進み、給与改革へとつながる>
・アフターコロナは、日本社会が長らく保持してきた慣習やメンタリティーに変化を要求します。その要求に応えられた企業は成長を、応えられた個人は幸福で充実した人生を、手に入れることができるのです。
<主体的に働き方を選択し、選んだことに責任を持つ>
・小さな変化を積み重ねるうちに、10年経って振り返ってみると、大きな変化が起きていた、ということになるのではないかと予想しています。
<大山晃弘 経営とは「変化対応業」。即断即決できる体制を普段から整備>
Q1、ウィズコロナ/アフターコロナのニューノーマルは?
リモートワークが広がる。欧米でもマスクの着用が一般化する
Q2、伸びる市場、新たなビジネスチャンスは?
感染防止、巣ごもり需要、テレワークの関連商品の需要は、今年いっぱい続く
Q3、そのとき、どう働くべき?
ピンチのときに、お客様のために迅速な対応ができる体制やマインドを持つべき
<コロナ禍で売れた3種類の商品とは?>
・一つ目は、言うまでもなく、感染防止に関係する商品です。
二つ目は、巣ごもり消費に関する商品です。
三つ目は、テレワークに関する商品。
<突然生まれた商機をいち早くつかめ>
・当社では、会社の売上高のうち新商品(3年以内に発売した商品)が常に50%以上を占めることを目指して、新商品を開発し続けています。
・新商品を大量に出すのは、売れるかどうかは出してみなければわからないからでもあります。最近はネット通販で簡単にデータが取れるので、試し売りをしない手はありません。
・コロナのようなピンチのときは、その振る舞いによって会社の真価が問われます。それだけに、お客様からの信頼を得るチャンスであり、自社ブランドのイメージをチェンジするチャンスでもあるのです。
<ピンチはお客様からの信頼を得るチャンス>
<生活様式や仕事のやり方はこれからも変化する>
<田口一成 小規模事業の集合体である「スイミー」のような組織が生き残る>
Q1、ウィズコロナ/アフターコロナのニューノーマルは?
都市部の企業に努めながら、地方で暮らす人が増える
Q2、伸びる市場、新たなビジネスチャンスは?
「一本足打法」の経営は危険。小さな規模の事業を数多く展開することで、変化に迅速に対応できる。強いのは「顔が見える」ビジネス
Q3、そのとき、どう働くべき?
マッチョな上昇志向ではなく、人との関係を大切にしながら、「足るを知る」を意識する
<オンライン化が進み、地理的制限がなくなった>
・今度は、「東京でなければ何もできない」というのは幻想だと気づく人が増えていくでしょう。アウトプットさえ出せば、オンラインで仕事をしていい。
<都心の会社への勤務と田舎暮らしの両立が可能に>
・東京の会社に勤めながら湯沢に住むというライフスタイルも、これからは十分に考えられます。
<東京に住んでいると社会課題に気づかない>
・コロナ禍によって経済が停滞したのではなく、本来の適正なサイズに戻っただけではないでしょうか。むやみやたらに経済成長を追い求めるのは、そろそろ終わりにしてもいい頃ではないでしょうか。
<選ばれる人材は優秀な人か「良い人」>
・「良い人」とは、人のために動ける人、人との関係を大切にできる人です。
<社長を降りるという選択も自然なこと>
・ビジネスをゲームや戦いとして捉えるのではなく、世の中に必要とされていることを、必要なだけ提供する。
<「日本経済の未来」はどうなる?>
<藻谷浩介 データの示す日本経済の未来はコロナ前もコロナ後も「停滞」で変わらない>
Q1、ウィズコロナ/アフターコロナのニューノーマルは?
ほとんどの日本人はビフォアコロナと変わらない
Q2、伸びる市場、新たなビジネスチャンスは?
ニッチなニーズは生まれるが、経済全体は就業者数と連動するので大きな変化はない。インバウンドの再生は不可欠
Q3、そのとき、どう働くべき?
自分でデータを見て、固定観念か脱することができるか否かが、人生を左右する
<新型インフルも大震災も忘れた日本人>
・しかし、私の見解はまるで真逆。日本人の行動や生活様式は、「喉元過ぎれば」で、ほとんど変わらないと見ています。
<データを自分で見て他人の思考の轍から抜けよ>
・空気に惑わされることなく、冷静に物事を見極めるためには、自分の目で様々なデータを見て、真実と向き合うことが大切です。
・今回のコロナ禍を機に、一次情報を自分で確認し、自分の頭で考える習慣をつけてください。そうすれば、根拠なき「世の空気」に惑わされることなく、冷静に物事を判断できるようになります。
<市町村別の陽性者数を調べてみればわかること>
・より重要なのは、就業者数の微減が止まらない以上、国内消費の成長が見込めないことです。
消費税ゼロや量的緩和の拡大に消費増加の効果を期待する人は、人口増加時代の古い理論の轍にはまっているのです。
<インバウンドは高価格戦略を取るべき>
・新たなウイルスの流行や、南海トラフ地震などの天災、あるいはどこかの国での国際テロなどは、今後も不定期に襲うでしょう。
<固定観念から脱して東京から離れられるか?>
・人生は90代まで続きます。「老後」なく働く農山村の高齢者のほうが、都会の退職者よりもよほど豊かで元気だという事実をきちんと見れば、自分の人生をムダなリスクにさらすマネをしなくて済みます。
<中原圭介 地方企業は今こそチャンス!テレワークと感性が武器になる>
Q1、ウィズコロナ/アフターコロナのニューノーマルは?
本社機能を地方へ移転する大企業が増える
Q2、伸びる市場、新たなビジネスチャンスは?
大企業の地方移転が進むことで、地方企業に様々な商機が生まれる
Q3、そのとき、どう働くべき?
「感性」を磨くことがこれまで以上に重要になる。それには自然が豊かな場所に身を置き、アナログの情報を肌で感じること
<今後50年、税収は下がり、財政赤字は拡大し続ける>
<石川県に拠点を移したら子供の数が3.4倍に!>
<感染症の歴史から見えてくる次の脅威>
・コロナをきっかけに、本社機能の地方移転を検討する企業が増えるでしょう。なぜなら、経営者が「東京一極集中の怖さ・弊害」を改めて認識したからです。そして地方への移転は、地方で見ても日本全体で見ても良いことづくめなのです。
<創造性の高い企業は自然豊かな場所にある>
・日本企業を見ても、創造的な企業は地方に本社があることが少なくありません。その一つが、セイコーエプソンです。
<東京から長野に拠点を移した結果……?>
・東京の会社が、地方に研究拠点を移して成功した先行事例もあります。日本最大手の無線通信メーカーである日本無線です。
<地方企業は今こそビジネスモデルの転換を>
・地方企業のお手本と言えるのは、サッカーの鹿島アントラーズです。
<牧野知弘 都心のオフィスは賃料下落、住宅は「魅力ある街」に求める時代に>
Q1、ウィズコロナ/アフターコロナのニューノーマルは?
企業はオフィスの床面積を小さくし、分散。個人は街自体の魅力で住む場所を選ぶ
Q2、伸びる市場、新たなビジネスチャンスは?
様々の企業が手を組んでの、魅力的な街の開発。コワーキングスペースが設置されたマンションなど、リモートワークがしやすい住宅
Q3、そのとき、どう働くべき?
リモートワークが定着し、個人の成果や能力が明確に。「使えない」と判断されると「野良リーマン」化してしまう。
<テレワークのほうが出社するより成果が出た!>
<「やってる感」が通用しない時代に>
・やってみたらそれまで曖昧だった仕事の範囲や評価が明確になり、能力のある人がより力を発揮しやすくなるという思わぬ効用を、日本の会社にもたらしてくれたのです。
<使えない管理職は「野良リーマン」化する>
・テレワークによって、それまで夜しかいなかった家に、昼間もずっといることになる。そうなると、会社からの距離よりも、街の暮らしやすさや潤いといった要素がより大事になってきます。
<全員出社を前提とせずオフィスの床面積を縮小>
・その結果、都心の平均賃料は下落します。
<住む場所を選ぶ基準が「通勤しやすさ」でなくなる>
・通勤圏という概念も希薄になります。
<来るべき大変化が前倒しでやって来た>
・働き方に関しても、ここ数カ月かけて国を挙げての大規模な社会実験を行なったようなものです。
<デービッド・アトキンソン 「中堅企業」を徹底的に守ることが、日本全体の生産性を引き上げる>
Q1、ウィズコロナ/アフターコロナのニューノーマルは?
ビフォアコロナと変わらない。エピソードではなく、エビデンスで判断すべき
Q2、伸びる市場、新たなビジネスチャンスは?
小規模事業者が多すぎる産業構造のままでは、日本の生産性は上がらない。中堅企業へと成長させる施策を取るべき
Q3、そのとき、どう働くべき?
これからも訪れる危機に対抗できる優秀な経営者は大企業にいる。大企業への転職も視野に
・「生産性向上のためには産業構造の変化が不可欠であり、それがなければコロナ前の状況が続く」
<「コロナ禍でテレワークが普及した」>
・日本の全労働者のうち、大企業に勤めている人は約31%しかいません。残りは中小企業で働いています。労働者の大多数が働く中小企業のテレワーク導入率がこれだけ低いのに、それでも「テレワークが普及した」と言えるでしょうか。
<日本の有給休暇取得率が低い本当の理由>
・要するに、日本の有給休暇取得率が低い理由は、国民性の問題などではなく、単に「規模が小さい企業で働いている人の比率が高いから」に過ぎません。
<小さい会社の生産性が低くなる理由とは?>
・「日本企業は生産性が低い」とよく言われますが、その理由は企業規模の小ささにあります。本気で今の状況を変えたいなら、小規模事業者が中堅企業へと成長するための施策が必要です。
・「日本企業は生産性が低い」というのもよく聞く話ですが、大企業だけをみればEU28カ国と同程度です。しかし、中小企業の生産性はEUの78%、特に生産性が高い英国と比べると57%しかありません。
<企業数が減っても雇用は失われない>
・雇用を守りたいなら、本当に優遇すべきは中堅企業です。中堅企業は53万社と数は少ないものの、全労働者の46.5%、およそ半分が働いています。
<コロナ禍真っ只中に最低賃金を上げた英国>
・最低賃金を引き上げるべきだと言うと、「失業率が上がる」と反対する人がいますが、これも事実に反します。
<日本企業に決定的に欠けている2つの能力>
・しかし、震災や経済危機などの有事が頻繁に起こっている中で、のほほんとキャッシュをまったく蓄えていないとしたら、あまりに危険です。日本企業は、分析能力と想定能力が低すぎます。
<グローバル化の潮流はコロナ後も変わらない>
・しかし私は、多少の調整は行なわれるものの、グローバル化の流れが大きく変わることはないと考えています。
日本企業がグローバル化を進めた理由は、主に二つあります。
一つは、国内マーケットが縮小していくから。もう一つは、日本の最低賃金以下のお金で人を雇いたかいからです。
<危機の今は経営者の能力を確かめるチャンス>
・これはつまり、今が経営者の能力を見極める良い機会だということ。より良いキャリアを歩みたいなら、能力の高い経営者のもとで働くべきです。