日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

コンタクティやチャネラーの情報を集めています。森羅万象も!UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象といわれます。

小規模事業者の場合、税制のインセンティブが働くので、労働者に賃金を払ったら、残りを自分たちの役員報酬として分配するところが少なくありません。だから70パーセント弱の日本企業は赤字なのです。(9)

 

女性に「甘い」日本経済

・ただ、断っておきますが、私は日本の生産性が高くないことの「犯人」が女性たちだなどと言っているわけではありません。かといって、女性たちがやっている仕事が正しく評価されない、もっと給料を上げるべきだと言っているわけでもありません。これまでの分析でも、男女間の収入ギャップを、単純な給料水準の「差別」ととらえるのは妥当ではないことは明らかです。

 私がここで強調したいのは、日本社会の中で、女性に任されている仕事が、そもそも付加価値が低いものが多いのではないかということです。

 

・いずれにせよ、女性にも男性と同様の福祉制度を導入した以上、女性も同一労働をするという意識改革が必要です。この福祉制度を男性だけで維持するのは、限界に近い計算となっています。女性の生産性向上は不可欠なのです。

 日本で女性の労働者は全体の43%を占めています。その女性たちの生産性が高くないのであれば、日本の「第27位」という低い水準を説明できる大きな要因になります。私の試算では、日米の生産性の差額の45%は、女性の生産性の違いによって説明できます。

 

 

 

『「0から1」の発想術』

大前研一  小学館  2016/4/6

 

 

 

なぜ「0から1」を生み出す力が重要なのか

一個人が世界を変える時代

・言い換えれば、現在の世界は「一個人のイノベーションによって変化する世界」なのである。「アップル」のスティーブ・ジョブズも、「マイクロソフト」のビル・ゲイツも、「アマゾン」のジョフ・ベゾスもそうだ。彼らは「個人」からスタートし、そのイノベーション力で世界を変えた。

 つまり、われわれビジネスマンは、1人1人が「個人」として戦わなければいけないのである。組織ではなく、個人で勝負しなければならに時代なのだ。

 

国民国家の終焉

・では、なぜ21世紀の初頭の今、イノベーション力が求められているのか。

 実は21世紀の世界は、これまで200年ほど続いた「国民国家」から「地域国家」に変貌してきている。さらに突き詰めて考えてみると、富を創出する源泉が「個人」に移ってきている。権力すら国家から個人に移行していると考える人もいる。

 

・いわば、「国>地域>個人」という従来の図式から、ベクトルの向きが逆になり、「個人>地域>国」へと変化し続けているのが、「今」なのだ。個人個人の創る富や生み出したアイデアが、世界経済に極めて大きな影響を与えているのである。そして現在は、この動きをインターネットがさらに加速しているとも言える。

 

カラオケ・キャピタリズム

個人のアイデアが最も重要

プログラミング言語を駆使して、自分で検索サイトを立ち上げるような、“創造”をした人間を「ITに強い」というのだ。SNSを使いこなす程度で自慢するのは、カラオケ上手と何ら変わらない。伴奏なしのアカペラで上手に歌えるのか?問われているのはそういうことなのだ。

 そのような時代に、ビジネスマンはどう振る舞うべきか。国が地域や個人に取って代わられるように、ビジネスマンもまた「会社」に取って代われる存在にならなければならない。そうでなければ、生き抜くことすら危ういだろう。

 私はビジネスマンが生き抜くために必要な最大のスキルは「0から1を創造する力」、すなわち「無から有を生み出すイノベーション力」だと考えている。

 

あなたが茨城県の知事だったら……

・一方、他のビジネススクールのケース・スタディは古いものが多く、すでにつぶれた会社や吸収合併された会社の事例を含め、答えが出ている問題を扱っている。私が教授を務めていたアメリカのスタンフォード大学でさえ、かなり古い事例を教材にして講義を行っていた。日本のビジネススクールにいたってはスタンフォード大学ハーバード大学が5年前、10年前に作った時代遅れのケース・スタディを使っているところが珍しくない。つまりケース・スタディと言いながら、最初から「解」がある事例を扱っているのだ。

 

・具体的には、流行のB級グルメではなく、超A級の世界的な料理人を10人連れてきて、ミシュラン星つきクラスのレストランが建ち並ぶ街を造ってしまうのだ。美食の街として有名で世界中からグルメ客を集めているサン・セバスチャン(スペイン・バスク地方)の茨城版である。もし私が茨城県知事だったら、県の魅力度向上策は、この1点に集中する。

 

レーニングによって培われる発想力

・こうしたケース・スタディの要諦は、アイデアを思いつきで口にするのではなく、基礎データを自分自身で時間をかけて集め、類似例を分析して現状を把握した上で、事実を積み上げて論理を構成すること、そしてさらに、その論理から自分の想像力を駆使して発想を飛躍させることである。このトレーニングを何度も繰り返すことで、自分に役割が回ってきた時に、自然と問題解決とイノベーションの発想が出てくるのだ。

 

—―高速化した変化のスピードについていく方法

<デジタル大陸時代の発想>

・たとえば、言語ならばプラットフォームは「英語」だろう。パソコンのOS(基本ソフト)はマイクロソフトのウインドウズ、検索エンジンはグーグルが世界のプラットホームだ。それに加えて今は、クラウドコンピューティングSNSを含めたネットワークという要素が不可欠になった。

 

なぜデジカメの商品寿命は短かったのか

・たいていのプラットフォームをめぐる競争は、1人勝ちによって幕を閉じる。絶対的な勝者の周囲に、小さな隙間市場を埋めるニッチ・プレイヤーが数社残る、という状態に落ち着くのだ。

 

だが、デジカメ単体の存在感は、相対的に下がってきている。今や一般的な若いユーザーは。デジカメなど持たない。スマホ内臓のデジカメが、その役目を担っているからだ。デジカメは、スマホタブレット端末という「デジタル大陸」の一部となってしまったのである。

 

5年後の生活を予測する

・私が勧めている発想法は、「この商品をどうするか?」と考える「プロダクトからの発想」ではなく、たとえば「5年後にリビングルームはどうなっているか?」という全体像から考える方法だ。

 

・ここで予測すべきは「5年後の生活・ライフスタイル」そのものなのである。

 

・そこでアメリカの高校の一部では、「カンニングOK」にしてしまった。試験中にスマホで検索してもよいことにしたのである。その上で、知識を問うのではなく、レポートや論文を書かせる。ネット上の知識を駆使して、どれだけオリジナルの論を展開できるかに評価額を変えたのである。

 一方、試験にスマホ持ち込み禁止、と杓子定規にやるのが今の日本だ。しかし、その日本では、大学の卒論や博士論文で、平然とコピペが横行している。「カンニングOK」と「スマホ持ち込み禁止」、いったいどちらがデジタル大陸を生き残るだろうか。

 

任天堂の憂鬱

・つまり、必要なのは企業、世代、性別、国籍、宗教などを超えたコラボレーションなのである。

 

・かつて任天堂は、テレビゲームによってデジタル大陸を牽引していた会社の1つだったが、5年後、10年後の「生活」を発想しないばかりに、混迷を深めているのだ。

 

ソニーの黒字のカラク

・つまり、ソニーの久しぶりの黒字は、「デジタル大陸時代を生きる」方法論を見出したのではなく、単に、リストラや事業部売却などの固定費削減の効果が表れたということだろう。

 

デジタル大陸を進め

ソニー任天堂が苦しんでいるのは、「5年後の生活・ライフスタイルはどうなっているか?」という想像力がないからだ。全体像が描けていないのである。

 

・ここでのポイントは次の2つ。

  • 個々のデジタル機器がインターネットなどによってつながり、「デジタルアイランド」が、「デジタル大陸」になりつつあるという現実を認識する。

 

  • その上で「5年後の生活・ライフスタイル」を想像し、そこからサービスや商品に落とし込む。

 

—―「兆し」をキャッチする重要性

早送りの発想

グーグルの動きを「ヒント」にする

・日本に鉄砲(火縄銃)が伝わったのは、桶狭間の戦いの17年前、1543年のことと言われている。ポルトガル人を乗せた南蛮船が種子島(鹿児島県)に漂着した際に手にしていたのが、当時の最先端の武器、火縄銃だった。

 当時の日本人は、この「兆し」を的確にとらえた。火縄銃はすぐに国産品が作られ、瞬く間に全国に広がった。戦国時代末期には、日本は50万丁以上を所持していたと言われており、これは当時としては世界最大の銃保有数だ。50年足らずで、世界のトップに躍り出たのである。

 日本は、いわば上手に「カンニング」してきた民族である。

 

・グルーグルはインターネットでもモバイルでも「プラットホーム化」し、マイクロソフトでも追いつけないようなスピードで動いている。もちろんアップルのiOSに匹敵するモバイルOSのアンドロイドを全世界に無償で提供していることも大きい。今後は定期的にグーグルウォッチャーとなって、変化の「兆し」を見逃さないようにしなければならない。

 

  

 

『「知の衰退」からいかに脱出するか?』

そうだ!僕はユニークな生き方をしよう!!

大前研一  光文社   2009/1/30

 

 

 

ウェブ2.0」時代の大前流「情報活用術」

・私が述べたいのはネットをうまく利用すれば、リアル世界の知の衰退に巻き込まれるのを防げるということである。「ウェブ2.0」時代というのは、むしろネットを利用しないでいるほうがバカになる時代なのだ。

 

・情報というものは、加工しないことにはなんの価値も生み出さない。いくら収集しても放置してしまえば、そこから何も生まれない。

 

・加工のプロセスを有効に働かせるには、まず、自分の頭の中に「棚」を造ることである。ようするに、情報を整理して置いておく場所である。

 

サーバースペースから情報を抽出する私の方法

・じつは、私は、10年ほど前から新聞を購読していない。新聞は、一面トップの記事の決め方など、紙面での取り扱いによって、情報をいくらでも操作できるからだ。

 

私は、新聞ばかりかテレビのニュースも見ない。とくに、NHKのニュースが人畜無害でなんの役にも立たないので、まったく見ない。

 

・雑誌はというと、これはあえて編集方針に偏りがあるものばかりを購読する。

 

・では、ニュースや情報はどこから仕入れているのかと言えば、それはほとんどがサイバースペースからだ。

 

私は、「世界経済」「日本経済」「地方自治の動向」「重要な国の地政学的な変化」など、自分が興味を持ち必要と思われるカテゴリー別にRSS(ウェブ上の記事や見出しを配信するシステム)を活用して、幅広い情報源から自動的に情報を収集する。

 

・具体的には、次のようなプロセスを踏む。

1、 RSSを使って毎日500、1週間で3500ほどの記事を読む。

 

2、毎週「自分の情報棚」に関係があるもの、重要だと思われるものをコピー&ペーストして、仕分けし、自分の情報管理に使っているメールアドレスと私のスタッフ全員に送る。

 

3、 スタッフがそれをパワーポイントでまとめて整理する。私は、もう一度読み直し、削ったり加えたり必要に応じてスタッフに分析の指示を出す。

 

4、 それを日曜夜に放送される「大前研一ライブ」で私が視聴者に向けて解説する。

 

5、さらに翌週、私が主宰する経営塾などの「エアキャンパス」というサイバークラスで、その情報についてディスカッションする。

 

・このように自分で加工して読み込んだ情報を4回見返すことを、私は、1998年の10月から10年間にわたって欠かさずに行ってきた。そのため、ほとんどの情報が記憶に残る。

 

・世界中どこに行っても、どんなテーマの取材中、講演の依頼を受けても、最新情報に自分なりの分析を加えた話ができるのは、このような自己流の情報活用術を実践してきたおかげだ。

 

サイバー道とは厳しいもの、が、慣れれば楽しいもの

 

 

 

『(SAPIO   2016.5)人間力の時代  (大前研一)』

 

 

 

「0から1」の発想術を身につければ新しいビジネスのアイデアが次々生まれてくる

・「無から有」を生み出すという意味の「ゼロイチ」「ゼロワン」という言葉が、ビジネスマンの間で注目されている。

 

・私は最近、興奮が止まらない。今ほどビジネスチャンスがあふれている時代はないと考えているからだ。

 

・なぜなら、スマホ・セントリック(スマートフォン中心)のエコシステム(生態系)が出現し、まさに「いつでも、どこでも、何でも、誰とでも、世界中で」つながるユビキタス社会が広がっているからだ。

 

・資金はクラウドファンディングで集めることができるし、人材はクラウドソーシングを利用すれば自社で抱える必要がない。大きなハードウェアを保有しなくても、使いたいだけコンピュータが使えるクラウドコンピューティングもある。つまり、発想ひとつで新しいビジネスを生み出せる時代が到来したのである。

 

・今の時代は「0から1」、すなわち「無から有」を生み出すチャンスが山ほどある。そういう時代に巡り合った若い人たちを、うらやましく思うくらいである。

 

・さらに、知識は蓄えるだけでは意味がない。「使ってナンボ」である。ビジネスにおいては具体的な商品やニーズを見ながら、自分が学んだ知識を駆使して自分の頭で考え、目の前の問題を解決していかねばならないのだ。

 

コンビニに○○を置くと………

・私ならこんなビジネスモデルを発想する。

 まず、顧客一人一人のありとあらゆるニーズに無料、ないしは安い月額料金で対応する「バーチャル・コンシェルジュ」を雇い、商品の取り置き、保管、配達はもとより、航空券や電車の切符、コンサートや映画のチケットなどの手配を請け負う。あるいは、コンビニでは取り扱っていない商品(たとえば家電など)も、ネットで最も安い店を検索して取り寄せるサービスを展開する。寿司や蕎麦やラーメンなどの出前を取りたい時は、近所で一番旨いと評価されている店を探して注文してあげる。そういうバーチャル・コンシェルジュ・サービスを展開すれば、既存の顧客の支出の半分以上を握ることができるだろうし、新たな顧客も獲得できるはずだ、

 

・IT弱者、サイバー弱者、スマホ弱者と言われている高齢者も、近くのコンビニに親しいコンシェルジュがいれば、その人を介することで各種のネットサービスやネット通販などを安心・安全に利用することができるだろう。地域の人々に頼りにされる有能なバーチャル・コンシェルジュなら、時給3000円払っても十分ペイすると思う。これは顧客の会費で簡単に賄うことができるはずだ。

 

 

 

『稼ぐ力』

仕事がなくなる時代の新しい働き方

大前研一   小学館    2013/9/5

 

 

 

韓国やドイツに学ぶグローバル化の“起爆剤

・まず韓国では、1997年のアジア通貨危機の際、IMF国際通貨基金)の管理下に置かれた屈辱から、国策でグローバル化を推進したのに合わせて、サムスンや現代などの大企業が英語力を昇進の条件にした。たとえばサムスンはTOEICで990点満点中900点を入社、920点を課長昇進のラインにした。これに大学側も呼応し、難関校のひとつの高麗大学では受験資格を800点、卒業条件に半年以上の海外留学経験を設け、英語の重要性をアピールした。

 

憧れの企業・大学がつけた火に、わが子の将来の安定を願う保護者が機敏に反応し、英語学習熱が燃え広がった。英語試験の超難化で受験生の激減が懸念された高麗大学には、前年の倍の受験生が押しかけた。この保護者パワーに圧倒されるように、高校や中学も英語教育に力を入れ、国全体が英語力アップに突き進んだのである。

 この間、わずか10年。現在、ソウル国立大学や私が教鞭を執る高麗大学梨花女子大学では、英語で講義をし、学生との質疑応答もすべて英語である。

 

日本でも今後、楽天ファストリの成果を待つまでもなく、トヨタ自動車やキャノン、パナソニックのような世界企業が英語を社内公用語に規定する決断を下せば、雪崩を打つような英語ブームが巻き起こるに違いない。

 

墓穴を掘った「トラスト・ミー」

・ところで日本人の大いなる勘違いとして根強くあるのだが、「英語がよくできる」=「ネィティブのように喋れる」というイメージだ。この固定観念ゆえに欧米人に対して無用のコンプレックスを抱き、面と向かうと借りてきた猫のように萎縮してしまう。私に言わせれば“悲しき誤解”もいいところで、今や世界の標準語は英語ではなく、文法も発音も不正確なブロークン・イングリッシュだと思ったほうがよい。

 

・インドに行けばインド独特の、シンガポールにはシンガポール独特の(「シングリッシュ」と呼ばれる)ブロークン・イングリッシュがある。

 

身につけるべきは「成果を出す」ための英語

・こうした正しいニュアンスを含め、日本人とビジネスパーソンが身につけるべき英語とは、「プラクティカル・イングリッシュ」である。「プラクティカル(実践的)」とはすなわち、「成果を出す」ということだ。

 

慣れない英語で結果を出す「4つの秘訣」

・1つ目は、当然のことだが、相手の感情を不必要に害するような表現を使わないこと。

 

2つ目は、相手のやる気や自分に対する共感を引き出すこと。

 

3つ目は前任者との違いを行動で示すこと。これが最も大事である。

 

4つ目は、自分の“特技”を披露するなどして人間として親近感を持ってもらうこと。私の場合、けん玉の妙技を見せたところ、面識のない相手でも一気に距離が縮まった経験がある。芸は身を助く、は本当だ。

 

相手の国を知り、文化を理解する

・そしてニュアンスが皮膚感覚でわかれば、ブロークン・イングリッシュでも十分なのである。だから日本企業も、英語の社内公用語化は入り口にすぎず、これからは、海外勤務歴や現地での実績を昇進や査定の大きな評価基準にしていくことが求められるだろう。

 

リスニングは“ながら族”、スピ―キングは“実況中継”――一人でもできる3つの学習法

和文英訳」は英語じゃない

・日本人は中学・高校で6年、大学も入れれば10年の長きにわたって英語を学ぶ。世界で最も長い学習時間を費やしているにもかかわらず、これほど英語を苦手とするのはなぜなのか?その原因は、日本の英語教育に浸透している3つの“勘違い”に起因する。誤った学習法として銘記されたい。

 1つは、英語力は「和文英訳」「英文和訳」できる能力だという勘違いだ。だが極端な話、和文英訳(された栄文)は、英語ではないと思ったほうがよい。和文を英訳してみたところで、「そんな英語表現はあり得ない」というものがゴマンとある。

 

「減点教育法」では英語は身につかない

・極めつきは“減点教育法”だ。英語教師はスペルやカンマ、大文字や小文字などのミスを理由に不正解とするが、この採点法が生徒から学ぶ意欲を奪うのである。

 

「1年間・500時間」が分岐点

・海外を相手にビジネスをする、あるいは社内で外国人と問題なく仕事を進めるためには、最低でも、TOEICなら700点は欲しい。そのための学習法は、すでに600点台以上のスコアを有する場合とそうでない場合とで大きく分かれる。

 まず、600点台に達していない場合、やるべきことは2つ。語彙や文法など、基本をしっかり覚えることと徹底的にリスニングをすることに尽きる。これに1年間で500時間を充てる。

 

秋葉原でボランティア」が一番安上り

・では、600点以上のスコアに達した人は、次に何をすべきか?まずスコアを上げるという観点からのアドバイスは、市販のTOEIC攻略本で出題傾向や解答テクニックを獲得することである。

 

・もし社内や近所に英語を話す外国人がいれば、積極的にお茶や食事に誘って、英語を使う機会を増やすことだ。

 

「問題解決」を行う学習法を

・さらに、1人でもできる学習法として3つのことを勧めたい。1つ目は、とにかく英語に耳を鳴らすこと。赤ちゃんが3歳になる頃には自然と母国語を話せるようになるのは、意味がわからなくても親の話す言葉を毎日聞いているからだ。この万国共通の原則に倣い、自宅にいる時はテレビでBBCやCNNをつけっ放しにしておくのがよい。

 

英語の「論理」と「ニュアンス」を理解せよ――日本人が海外でビジネスで成功する条件――

欧米人は「Yes」「No」が明確――とは限らない

・英語はあくまでも信頼関係を築き「結果を出す」ためのコミュニケーションの道具に過ぎない。それでは本当の“世界共通の言語”は何かというと、実は「論理(ロジック)」である。ロジックとは、客観的なデータや分析に裏打ちされた、思考の道筋である。

 

「社内公用語化」の副次的効果

・その言語体系の違いから、英語は論理的に考える上で、日本語よりも適している。実はここに英語の「社内公用語化」の副次的効果がある。

 

<英語に不可欠な「婉曲表現」>

ベンチマーク(指標)を明確にせよ

・私のところに来ているTOEICで900点以上を取っている人の半数以上が、ビジネスの現場での会話に自信がない、と言っている。

 

ロジカル・シンキングの次に問われる“第3の能力”――IQではなく心のこもったEQ的表現を目指せ――

 <官僚の採用試験にも「TOEFL」>

・政府もキャリア官僚の採用試験に、2015年度からTOEFLなどの英語力試験を導入する方針を固めた、と報じられた。

 

・しかし日本では、英語力試験としては留学向けのTOEFLよりも、主にビジネス向けのTOEICのほうが一般的だ。

 

英語学習にも“筋トレ”が必要

・TOEFLとTOEICは、どちらも同じアメリカの英語力試験だが、かなり大きな違いがある。TOEFLは英語力だけでなく、英語を使って論理思考ができるかどうかを見るための試験である。かたやTOEICはリスニングとリーディングで英語によるコミュニケーション能力を判定するための試験だ。つまり、そもそも目的が異なり、そこで試されるものも自ずと異なるわけで、「英語で考える力」が求められるTOEFLは、日本人は非常に苦手にしているし、アメリカ人でも良い成績を取れる人は少ない。

 

EQ(心の知能指数)を表現できる能力

・たとえば、M&Aで海外の企業を買収する交渉、あるいは現地の工場を1つ閉鎖してこなければならないといった仕事の場合、「TOEIC的な英語力」と「和文英訳・英文和訳」に熟達しているだけでは不可能だ。

 

・そのためには、自分の気持ちの微妙なニュアンスまで正確に伝える能力、言い換えればEQ(心の知能指数)を英語で表現できる能力が必要だ。

 

ユーモア溢れるバフェット流の表現力に学ぶ

・この3番目の問題を認識して対策を講じないまま、単にTOEFLやTOEICを採用試験や大学受験に導入しても、対外交渉で“撃沈”する日本人を量産するだけである。真のグローバル人材育成には、もう少しEQの研究をしてから提言をまとめてもらいたいと思う。

 

 

 

『闘う政治』   手綱を握って馬に乗れ

長妻昭     講談社  2008/9/18

 

 

 

民間企業の常識と、永田町や霞が関の常識が余りにもかけ離れている

・35歳、生まれてはじめて献金をいただいたとき、驚き、そして感動した。政治家は信用できない職業―。政治家を目指す中で、そんな視線を感じていたからだ。

 

・勤勉で、真面目に税金を払っている皆様の顔を見ると、税金をドブに捨てている日本の現状に、申し訳ない気持ちで一杯になる。

 

・私は、大学卒業後、日本電気に入社し、大型コンピューターの営業マンとなった。そこで経験した民間企業の常識と、永田町や霞が関の常識が余りにもかけ離れている。この思いが私の政治活動の原点だ。

 

・その後、経済誌である『日経ビジネス』の記者に転職し、経済・政治全般を鳥瞰する機会を得た。

 

評論家である大前研一氏が立ち上げた、市民団体「平成維新の会」の事務局長代理を務めた後、衆院選での一度の落選を経て、2000年に民主党衆議院議員になった。親が政治家でもなく、一からの選挙戦だった。

 

・日本の統治機構の問題点を痛感した。「こんなことが許されていいのか?」と怒鳴りたくなるような怒りと驚きの連続だった。この怒りと驚きが活動の原動力になっている。

 

・皆様の笑顔を願い、政府に対して、「徹底的な追求と提言」を繰り返すことで必ず道は開ける。

 

・初出馬から今も使っている私のキャッチフレーズは「もう、黙っちゃいられん!」だ。永田町の常識、霞が関の常識をひっくり返して、日本を変える。

 

手綱を握って馬に乗れ

・国会で総理や大臣から前向きな答弁を引き出しても、官僚は上司である局長や課長から直接指示がなければ、その答弁をほとんど無視する。局長も総理や大臣答弁すべてを実行するわけではなく、取捨選択をするのだ。

 

・現在の霞が関は、あくまで官僚組織のトップは事務次官・局長で、大臣、副大臣政務官はお客様扱いだ。大臣がいくら国会で答弁しようと役所は動かない。官僚は国会での総理や大臣の答弁はお飾り程度にしか考えていない。自分の担当分野の国会答弁すら聞いていない。それを許す政権政党も情けない。暴走する官、それをコントロールできない政治。今の政権政党は、「手綱を握らず馬に乗っている」状態である。統治機構の欠陥に輪をかけるのが、問題先送り政治だ。

 

・日本には国の中心に、税金浪費を自動的に生み出す代表的な5つのシステムが埋めこまれている。官僚の通常業務の中で浪費が積み上がっている。先進7カ国を調査すると、これほどの浪費システムを抱える国は他にない。

 日本の財政を立て直し、社会保障の財源を確保するためにも、まず、税金浪費システムに徹底的にメスを入れ、浮いた財源を社会保障に回すことを実行しなければならない。

 

・民衆の湧き上がる力で獲得したというよりも、明治維新や敗戦によって、上から与えられた民主主義ではなかったか。しかも、主権者たる国民が官僚をコントロールできないという疑似民主主義だ。

 

なぜ、私は闘うのか><官僚との大戦争―「消えた年金」「居酒屋タクシー」の本質><「不安をあおるな」と言われて

・権力に驕り、実体把握ができない官僚と、官僚から上がる報告を鵜呑みにする政治。日本は誰が最終責任者なのか。この言い知れぬ不安が、私を政治家へと進ませた。

 

・日本は、数限りない役所の不始末の尻拭いに、国会で取り組まざるを得ない国だ。役所が国民の信頼を得て、しっかりした仕事をしていれば、国会で問題にするまでもない。

 

年金問題の本質

・2回目に「不安をあおるな」という趣旨の言葉を受けたのは、「消えた年金」問題の国会審議だ。

 

政治に情報を上げない官僚、それをチェックできずに放置する政治。日本は統治機構に欠陥があり、官僚をコントロールできす、責任者が不在のまま国が運営されている。

 

・二つの保障、社会保障と安全保障は、国家の礎だ。社会保障の代表格である年金の信頼が崩れ去ろうとしているとき、なぜ、政治主導で国家プロジェクトとして「消えた年金」問題の解決に取り組まないのか、人、モノ、カネを集中投下して短期間のうちに一定の成果を上げるのだ。

 

結果として官尊民卑が続いている

・例を挙げればキリがないが、先進国でこれほど官尊民卑の国はないのではないか。