日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

コンタクティやチャネラーの情報を集めています。森羅万象も!UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象といわれます。

もし70歳から受け取り始めて100歳まで生きたとすると、受け取れる年金の額はだいたいそれまでに受け取った給料の50%くらいになります。(1)

 

 

(2024/6/21)

 

 

『数字で話せ!』

「世界標準」のニュースの読み方

高橋洋一 エムディエヌコーポレーション  2023/11/17

 

 

 

はじめに ~「数字で話せ」が世界の常識

・私はいつも「世界標準」ということを頭において話をしています。

 

・世界標準とは、「世界の常識」ということです。

 

・「世界標準で物事を考える」とはどういうことでしょうか。政治、経済、安全保障といった局面それぞれに世界標準は各論としてありますが、その大元にはまず「数量化されていない議論は議論にならない」という前提があります。「数字で話せ」が世界の常識です

 

<●科学的根拠のない、中国からの「処理水」への批判

農林水産省の発表データによれば、中国が輸入停止した水産物の、2022年の日本から中国への輸出総額は871億円。

 

・ただ、問題は、作為不作為はともかく、中国側が処理水を科学的に評価しない、つまり「数字で考えることをしない」ことにあります。

 

・生体濃縮による公害としては、水銀中毒の水俣病が知られています。基礎的な科学的知識として知っておくべき水銀とトリチウムの決定的な違いは、前者は金属だから溜まるのであり、後者は水に似ている性質を持っているので溜まらない、ということです。

 

<●日本復興のカギは“数量的な思考法”>

・これはつまり、福島第一原子力発電所の処理水放出というアクションが世界標準に即し、世界の常識に適っているということです。

 したがって中国政府が、世界標準から外れた常識知らずであるだけです。

 

・日本人は「世界標準」を甘く見ているか、あるいはそういったものについて無知と言わざるをえません。数量的に物事を考え判断することをせず、世界の常識に鈍感です。

 

・2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻で、第2次世界大戦後の国際秩序の枠組みは一挙に破壊されました。ロシアの暴挙をどのように抑えるか、今後の国際秩序はどのように組み立てられるのか。今は誰もその答えを見出せずにいます。

 

・そのような状況のなか、日本にますます必要となるのは、世界標準を押さえた上での国内問題への取り組みと対外的問題への取り組み、そして国民の、それを「正しく数量的に評価するセンス」です。

 

日本経済を“数字”で再確認する

景気回復の世界標準は「増税」ではなく「財政出動

<●「国の借金1000兆円」を正しく理解する

・「日本にいま借金が1000兆円以上ある」などということは何の評価対象になるわけでもありません。問題は、この「日本の純資産はマイナス687兆306億5000万円」をどう見るかということです。

 

<●「統合バランスシート」で、国家財政を見るのが基本

・マイナスの約687兆円という数字はもちろん一般人にとっては途方もない数字ですが、政府の話として見ると実は問題のないレベルの数字です。さらに言えば、今まで見てきたのは政府のみの一般会計・特別会計です。ところが政府は、いろいろな「子会社」ともいうべき組織を持ち、いわゆるグループ企業となっています。つまり、政府のバランスシートにはこれらグループ企業のバランスシートを連結させなければならないのです。

 

・日銀の「資産」の中で際立って大きな数字は「国債」の526兆1736億9875万2394円です。そして、日銀の「負債」のなかで際立って大きな数字は「当座預金」の563兆1784億8687万9201円と「発行銀行券」の119兆8707億7589万8807円です。

 

・ポイントは、いずれにせよ「当座預金」は「発行銀行券」といつまでも代替でき、「発行銀行券」は日銀にとって「負債」ではあっても無利子・無償還である、つまり、「実質的な借金ではない」ということです。ですから、返す必要はありません。

 ということは、日銀のバランスシートについては、「負債」はほとんどゼロであると読むことができます。

 

・そして日銀のこの「資産」の数字は、日本政府のバランスシートに連結させることができます。日銀の「資産」約526兆円が、ほぼそのまま政府の「資産」に加わりますから、政府の「資産・負債差額」はマイナス約687兆円からマイナス161兆円まで下がります。

 なお、政府のバランスシートはマイナス、つまり負債が少し多いくらいであれば、まったく問題ありません

 

・このように、政府と日銀のような中央銀行のバランスシートを連結したものを「統合バランスシート」と呼びます。政府の財務状況は統合バランスシートで見るのが現在の世界標準です。

 

<●「政府の借金」と「個人の借金」はまったく違う

・そして国債については、知っておいた方がいいポイントが2つあります。日銀が国債を買い取ると政府の借金は消えるということがまず1つ。もう1つは、政府が日銀に払った国債の利払い費は納付金というかたちで日銀から戻ってくるということです。

 

・日銀はお札を刷り、そのお金で国債を買います。国債を買ったことで生じる利払いとの差額がまるまる日銀の収益となります。そして、政府はその収益を100%受け取ります。これがいわゆる「日銀納付金」と呼ばれるもので、「日銀は政府の子会社」という言い方の根拠となるものです

 

・元金については現金で償還するのが普通ですが、国債を持っているのは日銀ですから現金を使う必要はありません。どうするかというと、償還期限がきたら国債を渡します。いわば100%の借り換えをずっと繰り返すわけです。

 

・残る約587兆円の国債は確かに事実上民間からの借金ですが、一方で政府は500兆円を超える金融資産を保有しています。この金融資産で入ってくる利息は、国債の実際の利払いとトントンまたは黒字が出るくらいのものになります。つまり、政府の借金というのはたいした問題ではないということができるのです。

 

<●消費増税による景気悪化は実証済み

・現・岸田文雄政権はアベノミクスを潰して、財務省主導型の増税路線に舵を切ったように見えます。昨今、「ステルス増税」という言葉がよく使われるようになりました。

 

・日本にはこれまでインボイス制度がありませんでした。消費税非課税業者は、消費税を取りつつ、それを納税せずに自分の利益とすることが認められていました。いわゆる「益税」です。インボイス制度は、各取引において消費税を明記し、益税、いわば税のゴマカシを一掃しようという制度です。

 

インボイス制度のような、税の公平性が確保される制度は世界の常識です。公平性の確保によって増収になるのであればなお良いということになるでしょう。

消費増税で景気が悪化することは、2014年に消費税が5%から8%に、2019年に8%から10%に引き上げられたときの景気動向から実証済みです。

 

・消費増税は、「消費が落ちる」と「政府需要が上がる」の2点に対して大きな影響力を持ちます。

 

したがって、問題は「消費が落ちる」です。とにかく税金は強制ですから、消費マインドというものに大きく影響します。そこから波及するのは悪影響でしかありません。

詳しい説明は省きますがこの影響を経済の基本である需要と供給の関係図に落としこんでみると、明らかに「物価が下がり」「実質GDPが下がる」のです。これが消費増税で景気が悪化するメカニズムです。

 

・「長期的には、われわれはみな死んでいる」という名言を残したのはイギリスの経済学者・ケインズです。「長期的」とばかり言う経済学者や評論家の言説はまず疑ってかかった方がいいでしょう。

 

・世代間格差に限りませんが、格差を是正するのであれば所得税増税するのが適当です。

 

<●まったく問題がない、日本の国家財政

・矢野氏、そして財務省もまた、この「ワニの口」と称される一般会計収支の不均衡と債務残高の大きさだけを財政危機ないし財政破綻の根拠としているわけですが、これはデータとしては欠陥品です。

 

いずれにせよ、先にお話しした通り、日銀を連結したバランスシートで評価すれば日本政府の財政は危機ではありません

金融工学の立場で見てみましょう。企業や国などの破綻リスクを売買するデリバティブを「クレジット・デフォルト・スワップCDS」といいますが、日本国債の5年CDSの評価から換算すると、日本の5年以内の破綻確率は1%にも届きません。

 

<●財務省が脅しをかけ続ける理由

・その兆しさえないにもかかわらず、財務省はいまだに「財政破綻」を唱え続けています。

 

・そもそも国家財政を借金の側面だけで考えるのは、会計学金融工学から見ておかしな話です。世界標準の一般常識が財務省には通じないのです。

 

・財務官僚のなかには、国の財政状況は会計的な財務諸表ではわからない、と高を括っている人もいますが、企業会計から派生した「公会計」、つまり国や地方公共団体に特化した会計処理理論があり、そこでこそ会計原理がフルに機能しているのが世界の標準なのだ、ということを知るべきでしょう。

財務省はどうして財政破綻論を唱え続けるのでしょうか。それは、財務省が隙があれば増税に踏み切りたい人たちの集団だからです。財政破綻論は増税のために存在します。

 

増税にはほぼ必ず「例外措置」が設けられます。

 

・この例外措置がどこにどのようにとられるか、それは財務省のさじ加減で決まります。もちろん、そこにはもっともらしい理屈がつけられるわけですが、裏で働いているのは、特別扱いすることによって得られるその業界の利益計算です。目的は、その業界における“天下り先の確保”です。

 

<経済の基礎を学び、個人資産の運用を>

<●「借金」=「悪」ではない>

・中国の恒大集団は国営企業で、国営銀行があるからなんとか資金繰りされているのでしょうが、この負債はいつか誰かが負担しなくてはなりません。

 

・帳簿価格と実質価格に差があると損になる可能性があります。その差額のことを「不良債権損失額」といいます。「不良債権額」と「不良債権損失額」は違います。

 

・同様に、返済の方も現在価値化することができます。収入と返済の両方を現在価値化してバランスシートに足し算していくと、収入の現在価値の方が負債の現在価値よりも大きいということがわかるはずです。

世の中の多くの人は、資産とは何かということがよくわかっていません。したがって負債あるいは借金を問答無用でよろしくないものとして考えてしまいます。

 

<●そもそも「投資」とは何か

・2023年の9月頃、投資に関連して、よからぬ出来事がありました。私の名を騙って投資勧誘する、FacebookやLINE上でのSNS広告が出回ったのです。

 もちろん、これらは私に無断で行われたものです。

 

・また、そもそも私が投資のアドバイスをするはずがないことを知っていたので、これは詐欺広告だと判断した人もいたようです。私は日頃から、「本当に有利な投資情報を知っているなら、わずかな助言報酬で他人に教えるよりも自分が投資する方が合理的である」と公言しています。

 

・ただし、「貯蓄から投資へ」というのは、私に言わせれば、「何を言っているの?」という話です。多くの人は、おそらくは「貯蓄」と「投資」は違うものだと思っているはずですが、ここに誤解があるのです。

 

・これは経済学上の有名な原理です。「所得から消費を引いた数字が貯蓄であり、それは投資と同じ額である」という言い方をします。

 そういう意味において、貯蓄は投資と同じです。貯蓄はすべて投資となるわけです。したがって「貯蓄から投資へ」というのはわけがわかりません。経済学を勉強したことのある人はまずそう考えるでしょう。

要は、政府は、銀行に預金するよりも株式を直接買った方がいいと言っているわけですが、預金というかたちで銀行を経由して行う投資ではなく、銀行ではなく証券会社を経由して行う投資を勧めているわけです。これははっきりいって証券会社の回し者に近い言い方です。

 

・所得を増やせば、所得から消費を引いた数字が貯蓄ですから、自動的に貯蓄が増える、つまりは投資が増えるということになります。所得を増やすために一番最初にやらなければならないことは失業率の改善であり、失業率が下がれば賃金も上がって所得も増える、という話をしたのです

 

・本当は所得全体の倍増を目指すべきであるところが、結果的に証券会社の肩を持つだけの話になってしまっているといえるでしょう。これは、株式になじみのない官僚だからこそ陥りやすい間違いの典型例でもあります。

 

<●「おすすめ資産運用」の真実

・私は、私とまったく関係のない会社の社員を私のお金で養うような慈善事業をやるつもりはありませんから、基本的に、いわゆる投資はやりません。

 

・どうしても投資をやりたい人に対しては、私は国債を勧めることにしています。

 

国債の利回りが預金金利より高いという状況は他国ではありえないことです。世界のどの国を見ても、たいていは国債金利が一番低く、銀行預金の金利がそれより少しだけ高くなっています

 両者が逆転している日本は異例です。銀行は高い利回りの国債を買う一方、国債より金利の低い預金を受け入れて、その利ざやで儲けています。こんなやり方がまかり通っているのは日本くらいのものです。

 この話をするたびに各方面から抗議や脅しの類がくるのですが、私は誰が見ても明らかな事実を言っているだけです

 

<●企業の本当の顔を知る「PL」の読み方

・お金が余っているからという理由で株式市場に手を出すのはやめておいた方がいいでしょう。「割引率」といった用語の意味もよくわからない人であればなおさらです。

 

・日本の株価は、アメリカの株価と為替の動きでだいたい決まります。為替の変動がない限り、アメリカの株価の動きのみで決まるのです。

為替の変動は、ドルと円の関係であれば、アメリカと日本の金融政策の差で決まります。アメリカが金融緩和すれば円高傾向となります

 

有価証券報告書のなかで、ある企業が「いま起こっていること」に関連する企業であるのかどうかを調べるのに使えるのが「損益計算書(PL)」です。

 

<●「持ち家」と「賃貸」はどちらが得か

・「持ち家と賃貸はどちらが得か」という議論をよく聞きます。

 

・経済学的に考えた場合、どちらが明らかにお得なのであれば大多数はそちらを選びますから、「どちらが得か」に対する答えは、「大差がない」が正解です。「持ち家か、賃貸か」というのは、どちらが得かということではなく、最終的にはその人の生き方、リスクに対してどう考えて生きるのかによって決まる問題です。

 

私は、どちらかといえばそういうリスクは持たない方が楽であるというタイプです。借金をしてまでも資産を持つことはありません。

 

・固定金利と変動金利とどちらがお得かという話であれば、デフレムードにあって短期金利も低くコントロールされていた時期に定められた金利がそのまま続く固定金利の方が今後はお得になる確率が高いでしょう。

 

<●「保険商品」というものの考え方

・「年金は死亡保険と真逆の保険制度である」と言うと、ああそうか、とピンとくる人が多くいらっしゃるかもしれません。

 

・健康であればあるほど得で、早く死んでしまうのは絶対的に損であるのが年金という保険です。もし70歳から受け取り始めて100歳まで生きたとすると、受け取れる年金の額はだいたいそれまでに受け取った給料の50%くらいになります。

数式にすると、「30年×50%=1500%」となります。国民年金の保険料率は18.3%ですから、20歳から70歳まで50年間働いたとすれば、支払った年金額は「50年×18.3%=915%」ですから、受け取る年金の額の方がずっと多いことになります。

 これが年金の原理で、きわめて単純に設計されていますから、計算の間違いも少なく制度として破綻しにくいという性質を持っています。

 

・年金は法律で義務付けられていますから、現状では加入するほかありませんが、死亡保険をはじめとする保険商品は金融機関の販売商品であって、加入は個人の判断によります。

 

・そして、これは今でも変わることはありませんが、銀行をはじめとする金融会社が勧めてくる保険のほとんどは「変額保険」です。変額保険とは、生命保険のうち、支払われた保険料を金融機関が投資信託などで運用し、運用結果に応じて死亡保険金額や解約返戻金、満期保険金の額が変わってくる保険です

厳密にいえば、これは保険とはいえません。保険とは原則、「補償」と「投資信託」の2つを組み合わせてつくられる商品です。補償性が強くあってこその保険であって、「老後の備えになりますよ」というような貯蓄性をうたう背後で投資リスクを背負わせるようなものは保険ではありません。

変額保険には最低限の補償機能がありますが、これは投資信託とほぼ変わりません。それも、手数料の高いあくどい投資信託とたいして変わりがありません。

保険と言いながらお金を集めておいて、投資のリスクそのものは保険契約者が負うということになります。投資信託は当然上がり下がりもあり、損することも珍しくない世界です。

 

・私は保険には入っていません。「備え」ということであれば、自分の銀行口座に地道に積み立てていった方がリスクを負わずにすむからです。

 補償性があってこその保険であって、保険料の安い掛け捨ての死亡保険や損害保険に入るということは“アリ”だろうとは思います。

 

平和のために防衛力を強化する

戦争と平和は「確率」で考える

<●戦争には「起こる確率」がある

・2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻によって、第2次世界大戦後の国際秩序の枠組みが一挙に破壊されました。

 

ウクライナ戦争はすでに「数年間にわたる」という言葉が使えるくらいの長期なものとなっていますが、いまだにロシアの暴挙をどのように抑え、落とし所をどこに置くのか世界の誰も答えが見いだせていない状況にあります。

 

ラセットとオニールは分析結果を計算して、戦争が起こる確率、つまり戦争のリスクについて次のように整理しました

「有効な同盟関係を結ぶこと」で戦争のリスクは40%減る。

「相対的な軍事力が一定割合(標準偏差分)増すこと」で戦争のリスクは36%減る。

「民主主義の程度が一定割合増すこと」で戦争のリスクは33%減る。

「経済的依存関係が一定割合増すこと」で戦争のリスクは43%減る。

「国際的組織への加入が一定割合増すこと」で戦争のリスクは24%減る。

 この5つは現在の国際社会において、「平和の5要件」とも呼ばれています。

 

ウクライナは、よく知られているようにNATOには加盟していませんでした。ソ連崩壊時に独立へと向かうなかで非核化し、独立後は軍縮を行いました。

隣国のロシアは連邦共和制を採っているとはいえ事実上プーチン大統領の独立国家です。ウクライナの貿易相手はトップが中国で輸出入ともに全体の15%程度、ドイツ、ポーランドなどの後にロシアがあり、輸出6%、輸入8%程度でした。

 そして、安保理常任理事国のロシアが戦争を仕掛けてくるのですから国連は機能しません。つまり、ウクライナは、対ロシアということでは「平和の5要件」のことごとくが存在しないに等しい状態にあったわけです。

 

・こうして見てくると、2016年に集団的自衛権の行使容認を含む安保法制がなぜ施行されたのか、ということがわかってきます。アメリカとの同盟関係を強化することで、「有効な同盟関係を結ぶこと」を充実させ、戦争のリスクを減らそうとしているということです。

 

<●正しく使いたい、「リスク」という言葉

・リスクという言葉は、辞書的には、危険そのものを指す意味もあります。しかし、経済学や数量政治学で「リスクがある」と言った場合には確率の数字があるだけであって、そこに「危険や失敗の可能性がある」という意味はありません。

リスクという言葉には必ず確率の数値が伴います。そしてそこには、「危険か安全か」「良いか悪いか」といった価値観は存在しません。

 

・「リスクがある」と言った場合、そこには確率計算された数字が存在していることが必要です。

 

・政府・与党の「集団的自衛権は他国からの侵略のリスクを減らす」は、数字で話せば「個別的自衛権のみの場合において不測の事態に陥らないリスクは98/100=98%だが、集団的自衛権を加えた場合には96/100=96%となる。集団的自衛権を加えることで不測の事態に陥らないリスクは98%から96%に減る」ということになります。

 一方、一部野党側の「集団的自衛権の行使で自衛隊のリスクが高まる」は、数字で話せば「集団的自衛権を加えた場合に不満の事態に陥るリスクは、個別的自衛権の場合の2/100=2%から4/100=4%に増えてしまう」ということになるでしょう。

 

・専門家によってリスクは「あるかないか」ではなく確率であって、必ず0と1の間の数字になります。

 

<●なぜ非民主主義国は危険なのか

独裁国家は、選挙をはじめとする権力の相互抑制機能がありませんから、戦争という極端な行動も採用されやすい状況にあります。独裁者あるいは独裁政党が戦争の開始を決めてしまえば、それを止める仕組みはありません。

 

・なお、ロシアによるウクライナ侵攻の事実を見てもわかる通り、民主主義を採用しているからといって安心であるというわけではありません。

 

・ロシアはこの図からわかるように2013年時点で「Open Anocracy」に分類されていました。「Anocracy」は、完全な民主主義でも独裁主義でもない中間的な政治体制を指す言葉です。

 

・ロシアの民主主義指数は2.28で、「独裁政治体制」(指数4.00~0)に分類されます。ウクライナ侵攻はまさにこれが実体化したものといえるでしょう。

 

<●失われつつある、国際連合の存在意義

・ロシアを常任理事国から外す案も侵攻開始の当初から出ていました。1991年に崩壊したソ連から常任理事国を引き継ぐ際にロシアは正式な手続きを踏まなかった可能性があることを問題として地位を剥奪しようというものです。2022年の年末にウクライナの外務省が改めて同様の内容の声明を発表し、国連からのロシア追放を国連加盟各国に呼びかけましたが、その実効性はいまだに不透明なままです。

 

・国連安保理常任理事国の5カ国体制は、戦争のリスクの高い独裁政治体制の国を2つも含んでいる問題のある体制でした。この体制をもって調整されてきた戦後国際秩序が、ロシアのウクライナ侵攻によって現実として危機を迎えたわけですから、国連内外での変革が急務であることは間違いありません。

 

<●「同盟」によって左右される戦争のリスク

・同盟を組むことで、戦争に巻き込まれる確率、つまり戦争のリスクは間違いなく増えます。同時に、同盟を組むことによって戦争に巻き込まれない確率、つまり戦争のリスクは間違いなく減ります

 問題はどちらの確率が高くなるかということです。

 

<●自主独立防衛はハードルが高すぎる

いずれにせよ、戦争のリスクを減らすために一般人ができることは、平和の5要件のうち、特に「有効な同盟関係を結ぶこと」「相対的な軍事力が一定割合増すこと」「民主主義の程度が一定割合増すこと」に対して敏感で、何でもやるという意識を持った政治家を選挙で選ぶということです。

 

“ファクト”と“ロジック”で、国際社会を生き抜け

<●困った隣国・韓国との付き合い方

・2023年6月27日、岸田政権は韓国を、かつてはホワイト国と呼ばれていた「グループA」つまり輸出優遇国へ同年7月21日から復帰させることを発表しました。

 

・韓国はそう簡単には変わらない国です。

 

<●中国経済はもう発展しない ⁉

・経済で好ましくないのは、市場が疑心暗鬼になることです。崩壊や破綻というのはもちろん良いことではありませんが、瑕疵が明らかになり、その処理策・解決策が具体化されることで、市場は疑心暗鬼から解き放たれて次の段階へ進みます。民主主義先進国の場合にはそのシステムが確立されているわけです。

 ところが、中国にはそれがありません。ちゃんとした会計基準がないのです。

 

・債務のうちの債務超過の割合を債務超過率といいますが、通常、5%を超えれば経営再建は難しいとされています。10%を超えれば破産確定といったところですが、恒大集団の場合、12/48で、債務超過率25%であり、すぐにでも“死亡認定”してやらないとまずいことになるばかりといった状態です。

 

・中国の場合、消費ではなく投資が大きく、その内訳として不動産投資が多くを占めています。そして、GDPの30%が不動産関連で占められているとされています。

 

・そこでIMFが推計として発表した数字が2022年末時点で債務約1300兆円です。負債に対する資産はおそらくほとんどないでしょう。中国当局はもちろん反論を寄せていますが、IMFは、2027年には2000兆円の大台に乗るだろうとしています。

日本のバブル崩壊で発生した全銀行の不良債権の総額は、大雑把に言って約100兆円でした。今の中国の状態は桁が違います。

 

・ただし、中国において不動産およびその関連業界がダメになってくるということは、当然、中国の経済全体がダメになっていくということにつながります。不動産に限らず、中国を相手に取引している人は十分に考えて対策を取るべきでしょう。

 

<●ロシアに合理性を求めても無駄

ウクライナにおける戦争状態を外交的に解決するのは簡単なことではありません。

 

ウクライナへの軍事侵攻には、ロシアの正義、つまりロシアの言い分というものが当然あります。しかしロシアの行為は国際法違反であり、ウクライナが先制攻撃をしていない以上自衛にはあたらず、問答無用でロシアに非があるとするのが国際常識です

 

・また、「NATO加盟国は、われわれの話を聞く耳を持たなかった」あるいは「ドンバスでは、さらなる懲罰的な作戦の準備が公然と進められ、クリミアを含むわれわれの歴史的な土地への侵攻が画策されていた」というのは、NATOがロシアに攻め入る寸前だったから自衛権を行使したのだという主張ないし言い訳ですが、これもかなり苦しいものです。

 

<●アメリカとの健全な同盟関係とは?

核兵器に関する理論としてよく知られているものにMAD理論(相互確証破壊理論)があります。

 

・簡単にいえば、核を持つ国に対して核を持つ国が戦争を仕掛けることはない、というのがMAD理論で、実際、1970年代から冷戦崩壊までの20年間ほどは、米ソ間の軍事衝突はありませんでした。

 

・2009年の段階でベルギー、ドイツ、イタリア、オランダ、トルコが核シェアリング政策の一環としてアメリカの核兵器を受け入れました。

 

G7のなかで、MAD理論が成立しないのは日本だけです。

 

強い同盟、つまり健全な日米同盟のために、日本は今、核の保有、少なくとも核シェアリングは考えざるをえない段階にあるといえるでしょう。

 

理系思考で日本社会を改革する

「AI化」に正しく対応せよ

<●文系アタマに多いAIへの誤解

・2020年に小学校、2021年に中学校でプログラミング教育が必修化されましたが、いいことだと思います。現代人は、スマートフォンをはじめ、大量のコンピュータ機器に取り囲まれる生活を送っています。

 

<●AIで変わること、変わらないこと

・AIに世界を乗っ取られることはありませんが、AIが人間の仕事の一部を奪ってしまうことはありえます。

 

・コンピュータの優れた計算能力を生かしやすいのは、ルーティン作業と呼ばれるような定型的な繰り返し作業です。これはたとえば、弁護士、公認会計士、税理士など、「士」の文字がつく、いわゆる仕業も含まれます。

 

日本の中央銀行である日銀の仕事も、かなり簡単に定義できます。ということは、AI化しやすいということです

日銀の仕事は、「失業率とインフレ率の関係を一番いい状態にする」ということです。失業率が最も低く、インフレ率が最も低い状態を目指すのが日銀の仕事です。

国によって違うのですが、これ以上失業率は下がらないという失業率の下限の値をNAIRU(ナイル)といいます。先にも述べましたが、失業率をNAIRU以下に下げようとするとインフレ率は加速度的に上がってしまいムダなインフレ率となります。

 

・NAIRUという数字があり、目標は「NAIRUまでは金融緩和・積極財政、NAIRUに達したら金融引き締め・緊縮財政」というシンプルさですから、AI化は簡単です。現在、金融政策は、日銀委員の多数決によって決められていますが、「経済政策は失業率とインフレ率のみ」と割り切って定義するべきだろうと思います。

 

・「NAIRUを目標に、失業率が最も低く、インフレ率が最も低い状態を目指す」というのが先進国の経済政策の常識です。失業率とインフレ率だけの単純プログラムのAI化は、世界標準の考え方でもあります。

 

・エンターテインメント分野においては、2023年の5月、アメリカの脚本家を中心に約1万1500人で構成される全米脚本家組合が、ウォルト・ディズニーやネットフリックスなどが加盟する業界団体「全米映画テレビ製作者協会」に対し、AIに脚本を書かせたり、過去の作品を学習させて新たな作品づくりに利用したりしないよう求めて大規模なストライキを行いたいへんな話題になりました

 

・要は、AIが作成したものであろうとなかろうと脚本には脚本家という人間が介在しなければならず報酬が発生しなければならないということです。

 

・一方、アメリカの俳優約16万人が加入する全米映画俳優組合も、2023年7月13日から、報酬引き上げとネット配信プラットフォームにおける報酬確保と並んで、AIを通じた画像の不正使用に対する保護策の設置を訴えてストライキに入っていましたが、こちらは2023年10月現在、スト続行中です。

 

<●ChatGPTで注意すべきこと

・ChatGPTは、簡単にいうと世の中に転がっている話を集めてきて回答しているだけですから、その答えは当然、平均的なものになります。

 

<●「少子高齢化」「人口減少」でも経済成長できる

・先進主要国の児童手当や税制支援を見てみると、たとえばイギリス、フランス、ドイツ、スウェーデンには所得制限なしの第一子月額2万円程度の制度があります。アメリカにはこうした制度はありません。

 ただし、アメリカには児童税額控除があり、イギリスにも児童税額控除、フランスには世帯単位で課税するN分N乗方式、ドイツには児童手当との選択制で児童扶養控除があります。スウェ-デンには児童税額控除はありません。

 先進諸国ではこのように、児童手当は児童税額控除と一体運営されるのが普通です。所得制限がないのはそのためです。一方、日本では、児童手当は第一子原則1万円で所得制限があり、税制支援は扶養控除が担います。つまり児童手当と税制支援は併存していて一元化されていません

 

・欧米で児童手当と税制支援が一体となっているのは、税と社会保障が一体運営で、税と社会保険料は一体化されて歳入庁で運営されているからです。児童手当は社会保障関連支出として解釈し、税と一体運用する方が合理的だから、こうした体制がとられていますちなみに先進国のなかで、税と社会保障を一体運営する歳入庁が存在しないのは日本だけです。

 

・いわゆる「異次元の少子化対策」は「異次元の消費増税」につながる可能性があるわけですが、私はそもそも少子化対策の必要性自体に疑問を持っています。

 

・人口が減少し続けないためには最低でも1.8の出生率が必要だとされていますが、この水準は、出産を希望する女性が全員出産できた場合に達成される数字で、現実的なものではありません。出産は自然の摂理で、1を割ることは珍しく、1.5くらいでも問題はないとされています。

 

その国の生産力を見るときには、その国のGDPを見るのが普通です。GDPは簡単にいうと「平均給与×総人口」です。

したがって、人口が減ればGDPが減るのは当たり前だと言うことができるのですが、重要なのは、厚労省の前提に従えば「予想通り2070年に8700万人に人口が減るとすれば、GDPは実際にどれくらい減るのか」ということです。

私が持っている計算式に従って先に結論を言ってしまうと、人口が8700万人に減少した場合に、それがGDP成長率に与える影響は最大で0.7%です。人口の増減と一人あたりGDPの増減はほとんど関係がありません。人口の増減はマクロ経済指標にはほとんど影響しません

 

・人口減少が経済にマイナスに作用する要因になるという理論は確かにあり、「人口オーナス」によるGDPの押し下げ効果がよく知られています。

 オーナスとは「負荷、重荷」といった意味ですが、これはたとえば、まだまだ働きたいという高齢者を積極的に登用すればいいし、それこそAIを利用して生産性を上げればいいだろうという話になります。

 

・人口減少が経済に影響するというのは単なる思い込みです。身近な生活にも影響はありません。経済の基本からすればそう結論せざるをえず、世界のなかで人口減少している国は20カ国程度ありますが、経済成長率を見たとき、日本はここ30年ほどのデフレ不況で最低の成長率にあるものの、他の国々はちゃんと経済成長しているのです。

 

<●外国人労働力は本当に必要か

・2023年9月28日に、日本商工会議所が7月に全国の中小企業3120社を対象に行ったアンケートの結果を発表しました。人手不足状態を確認するためのアンケートで、約7割、68%の中小企業が「人手不足である」と回答したのですが、これは2015年の調査開始以来最悪の数字であるとのことでした。

 

・移民に関するコストについては、企業の便益は安価な労働力、それにより経済成長のマクロ便益はありますが、日本人の労働を奪うのでマクロ便益は軽微になります。一方、安価な外国人を受け入れるので社会保障はかなりマイナスとなり、日本全体ではマイナスです

 

一般に人手不足は悪いことではありません。人手不足によって賃金アップがうまれるからです。また、「人口オーナス」という理論があるのと同時に、人口減少を「人口ボーナス」として捉える理論もあります。

 

簡単にいうと、人口減少が経済成長に影響があるとしたところで、それは人間の発想で克服することができるということです

 

・人口減少は数字で明らかなように確かに起こっていることですから、社会問題と関係づけて説明することで危機を煽り、一般人の興味を惹くことができます。しかしそれは、因果関係を科学的に説明することなどできない手前勝手な理屈にあるにすぎません。

 

<●AIが国家運営をすれば、戦争がなくなる?

・もしもAIが国家運営をすることになれば戦争はなくなります。

 

・歴史的に見ると、戦争は少なくなってきています。

 

そうしたところにロシアのウクライナ侵攻が起きたわけです。ロシアの行為がいかに暴挙と呼ぶにふさわしいかということでもあるでしょう

 

・政治家の仕事はAIにさせてしまえというのは一理あります。しかしAIはどこまでいっても人間がプログラムするものであるにすぎませんから、当然バイアスがかかります。

 

政治家は、今の国家運営体制が間接民主主義だから存在します。

 

・政治家が暴走する可能性は常にあります。そしてAIはどこまでいっても不完全であり、政治家に政治を委ねる仕組みが残ります。委ねられた政治家にはある程度の自由裁量権がありますから、戦争の可能性も常にあり続けるということになります。

 

行政を叩くだけでは進展なし

<●マイナンバーカード騒動から見えること

・2023年に入って以降、マイナンバーカード問題なるものが世間を騒がせているようです。

 

・実際、今までの保険証では本人確認のミスが年間約500万件あり、その処理コストに1000億円ほどかかっているという厚労省のデータもあります。

 

マイナンバーカードは、リアルの身分証であり、かつネット上での身分証です。

 

・また、返納することのデメリットとして、政府の情報をチェックするのがたいへんになるということが挙げられます。

 

マイナンバーカードの返納は、意味がないのと同時に、享受すべき利便性を失うという大きなデメリットを負ってしまう行為であるといえるでしょう。

 

<●「官僚が悪い」という思考停止に注意

・よく「官僚」という言葉が権力の横暴といったイメージをかぶせられて使われることがありますが、官僚は決められたルールに従って仕事をこなしているだけです。

 

しかし日本は、憲法に非常事態条項が書かれていないたいへん珍しい国です憲法上の規定がない以上、世界各国が速やかに行ったような個人の行動制限、あるいはロックダウンと呼ばれる都市封鎖はできません。

 

・新型コロナ禍当初に速やかに鎖国できなかったのは官僚の怠慢だとか業界に対する忖度だとかという声も一部に聞かれましたが、それは妥当ではありません。有事対応の憲法改正ができていないところにその根本の原因はあります。行政の不具合をなんでもかでも官僚ないし役人のせいとするのは思考停止であり建設的なことではありません。

 

<●本来、政治家の仕事は“立法”である

・問題はここです。立法府である国会あるいは地方議会の議員であるにもかかわらず、法律を書くことができない政治家が数多く存在するというところに問題があります

 

今のところは8割以上が閣法ですから、官僚が自らに都合の良い法案ドラフトを書くことができるチャンスが多いというだけの話です議員立法に優れた法案が多くなって取り扱われる数が増え、いずれ内閣提出の法案がなくなってしまうようなことになれば、裏の権力者などと言われてきたような官僚のパワーは終息します。

 

<●地方分権の原則「ニアー・イズ・ベター」

地方分権の基本的な考え方として、「ニアー・イズ・ベター」という原則があります。国民の身の回りのことは国民に身近な行政機関、つまり地方自治体が行った方がいいという意味です

 

・2000年に施行された地方分権一括法で、従来よりも国が自治体の事務に対して関与する度合いが減り、自治体による法律の解釈権や条例の制定権は大きく拡大したと言われています。

 

・よその国が決めるのはおかしいと考えるのが普通で、アメリカ合衆国建国の契機となったアメリカ独立戦争(1775~1783年)は、アメリカに住む自分たちの税金をイギリス本国が決めているのはおかしい、ということから起こった戦争です。

 

・イギリスは民主主義国家ですが、意外に中央集権的です。税金のほとんどは中央政府が決めます。イギリスに地方税はほとんどありません

 

・イギリスに言わせれば「日本の地方議会は、無駄事だから解散しなさい」ということになるでしょう。

 

<●意味がない、「年金が破綻する・しない」議論

・つまり、現役世代1.8人に、「高齢者1人」の年金を払っても困らないくらいの所得があればそれですんでしまう話です。問題になるのは人の数ではなく、あくまでも個々の所得なのです。

 

結論を先に言っておきますが、人口が減少しようが高齢化が進もうが年金はめったなことでは破綻しません

 

・年金制度は、どれだけ多くもらえるかとといったことよりも、「制度として安定している」ことが重要なのです。制度的にに安定していれば年金は確実にもらえます。

 

・お金の問題である限りは、年金制度の安定性については、そのバランスシートで考える必要があります。

 

賦課方式は、制度がずっと続くことを前提とします。そして、「負債」と「資産」は必ず一致するように計算されますから、「年金制度に債務超過は発生しない」ということになります。

 

・未来永劫合わせた年金資産と年金負債でつくられたバランスシートは《「保険料」=「給付額」》という式によって、「資産」と「負債」は必ず一致することになります。

 

あらゆる面で、国民皆年金を積立方式でスタートすることは難しかったのです

 

・ともあれ年金破綻を主張する人たちは、右記の実情を知らないまま主張しているか、あるいは都合の悪いところをあえて無視してミスリーディングしているといえるでしょう。

 

・年金に関して議論するとすれば、議論のポイントは、年金は破綻するのかしないのかではなく、「不足額を減らすスピ―ドを上げるのか下げるのか」という制度改正でしかありません。

 

公的年金は「ミニマム」つまり最低限の保障です。

 

・年金制度は、負担額の低さと給付額の低さのバランスがとれていることが重要なのです。このバランスがとれていれば、日本の年金制度はそう簡単に破綻するものではありません。

 

真実を見抜くための、ニュースの見方

<●「0点か100点か」でしか報道できない、マスコミの罪

・1994年まで2%台にあった失業率はその後20年間以上、3%台、4%台、5%台を行き来するまでに悪化していましたが、2017年には2%台に回復しました。

 

・マスコミは「0点なのか、100点なのか」という極端な意見にしか興味がない、というよりもそういう考え方でしか理解できないのです。

 

アベノミクスを採点するのであれば、「マクロ経済で重要なこととは何か」というところから始める必要があります。マクロ経済で重要なのはまず「雇用」です。

 

・したがって経済政策を評価するとき、私は「雇用」に6割のウェイトを持たせます。

 

・給料の採点は50点ですが、給料のウェイトは全体の4割ですから点数としては20点です。「雇用」の60点と「給料」の20点を足した80点が、私の採点ということになります。大学の、Aは85点以上、Bは75点以上、Cが60点以上、あとはDというABCD評価で言えばアベノミクスはB評価です。

 

・したがって、インフレ率についてアベノミクスはだいたい60点と採点することができます。60点は大学で言えばCの合格ラインです。

 

実はこの、100点ではないけれども落第点ではないというのが「数字で見る、読む、考える」ということです。

 

<●科学や経済学を知らない文系マスコミ

・文系の、特に左派政党を支持する人たちは、そのイデオロギーのために思い込みの強い人が多いものです。

 

・理系に代表される、物事をロジカルに考える人たちにとってはイデオロギーなど邪魔なものでしかありません。

 

・オークンの法則は「経済成長率と失業率の間に負の相関関係がある」という法則です。

 

・経済成長不要論は環境問題や公害問題とセットにしてよく語られます。

 

・経済成長は国の基礎体力です。経済成長によってすべての問題が解決するわけではありませんが、経済成長しないでいる場合よりも問題解決できることは確かです。

 

<●日本のマスコミ人には“学歴”がない ⁉

・はっきり言ってしまえば、日本のジャーナリストの書くものは、ほとんどが他人のデータと意見のパクリです。ほとんどが参考文献のパクリによってできあがっています。日本のジャーナリストはそのレベルである、ということも知っておいた方がいいでしょう

 

<●「円安」=「国力低下」とはかぎらない

・2022年10月20日に一時150円台、1990年8月以来およそ32年ぶりの円安水準を記録して以来続いている円安傾向を、日本の国力と結びつけて論じるマスコミやジャーナリストが少なからずいます。これは自分の無知をさらけ出しているだけです。

 

昨今の円安は国力うんぬんではなく、マネタリーベースで説明できる範囲の円安で、ひどいものではありませんGDP増加のチャンスと捉えるべきですが、円安で苦しむ企業や個人がいることも確かです。

 

国債の評価について、世界標準として何が見られているかというと、先にもお話したCDSを見ます。国や企業の破綻リスクを売買するデリバティブ金融派生商品です。

 

・数字で議論できない人ほど「格付け」などといったふわりとした話に飛びつきます。CDSにおいて日本の国債は、常時トップ10にいるくらいの安全度です。これは「数量的に見て日本には国家破綻する要素はほとんど存在しないと世界は考えている」ということを意味してます。

 

<●国際情勢認識の甘さ ~ハマスパレスチナの混同

ハマス公安調査庁ウェブサイトによれば「注目される国際テロ組織、世界のテロ・ゲリラ組織」に分類されている「武装闘争によるイスラム国家樹立を目的とした設立した武装組織」です。イスラエル殲滅を目標としているハマスパレスチナを代表しているわけではありません。ガザ地区を実効支配し、むしろパレスチナ人を抑圧している組織です。

 

そもそもパレスチナハマスを一緒にすること自体、間違っています。会談を行うのであれば、パレスチナ自治政府アッバス議長ではなく、ハマスの代表者を相手にしなければなりません。

 

・状況はいよいよ民主主義対専制主義であり、第3次世界大戦前夜という表現は絵空事ではありません。

 

おわりに ~激動の時代に大切なのは「数字で話す力」

・日本はこれによって、核を持っている非民主主義国3国を相手に3正面作戦をとらなければならないことになります。従来の対中国としての防衛費はGDP1%、高まる北朝鮮の危機に対して予定されているGDP2%の増額は、おのずと3%と高くなっていくでしょう。 

 これは世界情勢を見た場合、不可避の流れです。

 

そこで、「世界が標準としている考え方」と「世界の常識」を知ること、「数字を読んで考え、数字で話す力」ということが今後ますます重要になるといえるでしょう。

 

 

 

円高・デフレが日本を救う』

小幡績  ディスカヴァー携書  2015/1/31

 

  

 

21世紀最大の失策

・しかし、やったことは間違っている。現実経済の理解も間違っている。戦術的に見事である以外は、最悪の緩和だった。

 結果も間違い。現実認識も間違い。最悪だ。

中央銀行としては、21世紀最大の失策の一つとも言える。なぜか?

 

・まず、原油下落という最大の日本経済へのボーナスの効果を減殺してしまうからだ。

日本経済の最大の問題は、円安などによる交易条件の悪化だ原油高、資源高で、資源輸入大国の日本は、輸入に所得の多くを使ってしまい、他のものへの支出を減らさなければならなくなった。これが今世紀の日本経済の最大の問題だった。交易条件の悪化による経済厚生の低下として経済学の教科書に載っている話そのものだ。

 

・その結果、他の支出へ回すカネが大幅に減少した。雇用が増え、勤労所得が増えても、資源以外は買えるものが減り、より貧しくなったという生活実感だった。

 この実感は、数字的にも正しく、輸入資源以外への可処分所得が減少したのである。これが実感なき景気回復である。

 

・影響は原油だけではない。円安が急激に進むことによって、多くの生活必需品、原材料が高騰した。パソコンや電子機器の部品を含めて輸入品はすべてコスト高となった。我々は貧しくなった。

 

・そして、さらに根本的な誤りがある。テクニカルだが、将来の危険性という意味では最も危険で致命的な誤りがある。

それは、誤った目的変数に向かって戦っていることである。

誤った目的変数とは、期待インフレ率である。期待インフレ率とはコントロールできない。

それをコントロールしようとしている。不可能なことを必死で達成しようとしている。

この結果、政策目的の優先順位まで混乱してしまった。期待インフレ率のために、あえて日本経済を悪くしてしまっている。

 

・異次元緩和という、長期にはコストとリスクを高める政策をわざわざ拡大して、わざわざ日本の交易条件の悪化を目指している。長期のコストとリスクを拡大することにより、短期的に日本経済を悪くしている。しかも、それをあえて目指している。

 21世紀中央銀行史上最大の誤りだ。

 

量的緩和による中央銀行の終焉>

・ここで、量的緩和のリスクについて触れておこう。

 量的緩和とは、現在では、実質的には国債を大量に買い続けることである。これはリスクを伴う。国債市場がバブルになり、金融市場における長期金利、金融市場のすべての価格の基盤となっている価格がバブルとなるのであるから、金融市場が機能不全になる。

 それを承知で、すなわち、バブル崩壊後の金融市場の崩壊のリスクは覚悟のうえで、国債を買い続けている。中央銀行が買い続けている限りバブルは崩壊しないで、そのバブルが維持されている間になんとかしよう、という政策である。

 

・この最大のリスクは、財政ファイナンスだと見なされることである。それによって、中央銀行に対する信頼性、貨幣に対する信任が失われることである。

 財政ファイナンスとは、政府の赤字を中央銀行が引き受けるということである。実質これが始まっている、という見方もあり、アベノミクスとは異次元の金融緩和に支えられた財政バラマキであるという議論も多い。 

 

・財政ファイナンスに限らない。貨幣およびその発行体である中央銀行に対する信任が失われるのであれば、その原因は、きっかけは何であれ、中央銀行は危機を迎える。危機と言うよりも終わり、中央銀行の終焉である。

 量的緩和は、あえて、自己の信用を失わせるような手段をとりつつ、信用を維持することを目指すという綱渡りのような、非常に危うい政策なのである。

 

<米国FEDと日銀の根本的違い>

・実は、国債などを大量に買い入れるという、この「量的緩和」は米国も行ってきた。

しかし、「量的緩和」は前述のようなリスクを伴う危うい政策である。このような危うい政策は、どこかで脱出しないといけない、できれば、勝ち逃げして逃げ切りたい、つまり、景気刺激といういいとこどりをして逃げ切りたい……。

 

・米国中央銀行FEDは脱出に成功しつつある。出口に向かい始めたのだ。しかし、日本は脱出に失敗するだろう。なぜなら、米国FEDとは根本的に考え方が違うからだ。日銀は、達成できない目標を掲げ、その達成に向けて全力を挙げているからだ。

 

・なぜ、米国が成功し、日本が失敗するのか?

 米国は、インフレターゲットは手段であり目的ではない、ということをわかっているからだ。

 彼らは、2%のインフレターゲットを掲げながら、インフレ率が2%に達していなくても、出口に向かい始めた。なぜなら、目的は米国経済だからだ。失業率が十分に下がれば、インフレ率がターゲットに達していなくとも、異常事態の金融緩和を解消し、正常化に向かい始めるべきだ、と判断したのだ。米国は手段と目的を取り違えていないのである。

 

<期待インフレ率を目的とする致命的誤り>

・なぜ「期待インフレ率」を目標とすることが、そこまで致命的に誤っているのか?もう少し詳しく述べておこう。

 第一に致命的なのは、目標を達成する手段を持っていないことである。

 期待インフレ率という目標を達成する手段を中央銀行は持っていない。手段のない目標は達成できるはずがない。だから、これは永遠に達成できない目標であり、たまたま運良く経済インフレ率が2%に来て、そこにたまたまとどまってくれることを祈るしかない。これは祈祷である。祈祷だから、異次元であることは間違いがない。

 

 

<●●インターネット情報から●●>

ウィキペディアWikipediaによりますと、

小幡績 日本の経済学者・投資家>

<主張>

 

  • 量的緩和をすればするほど、金融商品は値上がりし、実物市場のフロー・実需は減り、実体経済の景気は悪くなると主張している
  • 期待に働きかけるインフレターゲット政策は、金融資産市場では資産価格を動かす可能性はあるが、財市場には影響しない。したがって、リフレ政策ではインフレはもちろん、インフレ期待も起こせないのであると述べている。
  • 期待に働きかける日銀の政策は、インフレ期待を上げることによって投資行動が変わり、それが実際にインフレをもたらすという経路を期待している。それは理論的にはありうるが、日本では起こりえない。国内物価の決め手は賃金であるため期待名目金利は上昇するが、インフレ率自体は動かないからだと分析している
  • アベノミクス批判あるいは支持は、政治的な論争にすぎない。我々経済学者とは関係がないだけでなく、経済学に対する不信を招き、本来行うべき経済学の論争の機会を失ってしまっている。こうした形だけの経済政策論争は、政治的な論争、さらに悪いことに、似非経済学者の売名行為、社会的地位獲得のための争いとなってしまう。これらは、アベノミクスがもたらした経済政策アリーナにおける最大の罪である。実質的にわれわれが議論すべきは、金融政策・クロダノミクスである。
  • 世界の経済構造変化の中で、物価は上昇しなくなり、低金利は永続し、経済は成長せず、技術革新が起きたとしても、実質的な経済厚生の改善はあっても、名目で経済が拡大することはない、という現実を認めなくてはならない。誠実なエコノミストとして、政策では経済を拡大できない、拡大しない経済の中で、経済厚生を高め、人々の生活を豊かにしていく方法を提言していくべきとと主張している。
  • 2015年7月時点(4-6月期のGDPは年率-1.2%)で「景気が良すぎる」と主張しており、2015年12月時点(11月の家計支出は3ヶ月連続のマイナスとなる前年同月比-2.9%)で、消費税を上げるのは「経済を立て直すため」と主張している。
  • 北神圭朗財務省同期であり、財政再建派の一人。
  • 2011年8月時点では「2013年に日本国債の売りが仕掛けられる」「財務省的に財政再建に多少舵をきるのは、実はプラス」「野田さん財務省のいいなりにはならない」「日本銀行総裁またはナンバー2は財務省のドンの方が財務省の影響力を抑制しやすい」と述べている。日銀の人事に関しては、いわゆる財務省日銀のたすきがけ人事の存在を強く否定している。
  • リーマンショックで変更になった「時価評価をしなくていい」というルールなどの影響で国内の金融機関は国債損切りしないと踏んでおり、新規市場で国債を買う投資家を維持するために国債の発行を減らすことができれば好転するとみている
  • リフレーション政策の批判で知られ、リフレ政策については、日本は企業間競争が激しくインフレーションになりにくい社会であるから無理に紙幣を増刷すると資産バブルが発生し、国債価格を下落させる引き金になると考えている。また「インフレはモノの値段が上がって困るだけ」「1ドル80円がたとえば100円になったとすると輸入インフレ率は2.5%、インフレ率は3%程度になるかもしれない」と述べている。
  • 2011年8月の時点では「日銀の量的緩和は世界の最先端であり米国も追随したが、投資家にとっては株・債券の買い支えになっても米国の雇用には結びついていない。」「先進国の政府は前向きにできることはほとんどない。唯一(やり方を工夫した上での)増税ぐらい。」「欧州や米国は新興国需要をとりいれて株価が上がっているが、その中で日本だけ下がっているのはAppleのようなスキームがないから」「ユーロやドルが安くなっているのは、日本はこれ以上悪くなりようがないのでリスク資産にならないから」「ユーロやドルは(豪州などより)成長力が低いので通貨が安くなる」と述べている。
  • 株価の水準は何事も表していないし、毎日の反応自体も、実体や情報とは何の関係もなく、株価は何の意味もないと述べている。
  • 1ドル85円であった2012年12月時点において「これ以上の(円安への)動きは危険だ」と語っている
  • 2014年7月の時点において、日本銀行総裁である黒田東彦の代弁をするという文体で「(これまで日本経済の問題は需要の問題だと思われていたが)今、需要超過となり、需要の問題はなくなった。」と述べている。9月には、景気下ぶれリスクが意識される中「景気は、まだ悪いと言うよりは良い」と明言している。
  • 1990年代の日本経済の低迷は、住宅金融専門会社が悪者扱いされ大蔵省主導での税金投入が出来なくなってしまったことと自由民主党の議員が東京、大阪、名古屋以外に公共事業をばら撒いたことが原因とみている
  • 民主党のばら撒きは現金が中心であるため効率的だったが、財政が厳しくばら撒きが十分実現しなかったことは幸いだったと考えている。
  • 安倍晋三の経済政策であるアベノミクスについて「日本の経済に必要なのは構造改革である」「財政政策金融政策で解決するものではない」と述べている
  • 政治家たちは必ず経済政策を誤る」「経済学者は嫌いだ」と政治家・経済学者の双方に否定的である
  • 著書「リフレはヤバい」(ディスカバリー携書)では、アベノミクス国債暴落、ハイパーインフレの危険があると指摘、特に20代以下の若い世代が購買力の低下により苦しむと主張。
  • 金融政策で賃金を上げるのは不可能であると述べている。
  • アメリカはこれまでの利上げ、出口戦略を着実に進めてきた。量的緩和も終了し、金融政策の正常化が終了していた。その一方で、日本は過剰な景気対策で景気が過熱したにもかかわらず、デフレ懸念・物価のモメンタムが損なわれる懸念といった無駄な概念に縛られ、金融緩和の出口に向かえなかった。このまま景気後退の局面が来てしまったら、日銀は何もできなくなるという見通しを述べている。

 

 

 

週刊東洋経済』  2014.12.27

「危機  著名投資家ジム・ロジャーズ」

 

 

 

世界規模の破綻が2020年までに来る

<行きすぎた紙幣増刷は世界に何をもたらすか>

(――東京オリンピックまでの世界経済をどう見ていますか。)

安倍晋三首相がおカネを大量に刷らせているから、日本経済は当分の間、景気がいいでしょう。しかし、東京オリンピック前に状況が悪化し始め、日本のみならず、世界のほぼ全土で経済が破綻するでしょう。2020年までに、少なくとも1回は世界規模の破綻が起こります。米国や欧州など多くの国々で、今後6年の間に問題が起こるでしょう。正確な時期はわからないが、たぶん16年か17年でしょう。

 

(――つまり国債が暴落すると?)

・そうです。国債が大暴落し、金利があがります。株価も暴落します。今すぐにというわけではありませんが、20年までに起こるでしょう。世界規模の経済問題が発生し、ほぼすべての人が影響を被るでしょう。

 

安倍首相は円安誘導で日本を破滅に追い込む

(――なぜ破綻が起こるのですか。)

・大半の国々では4~6年ごとに経済問題が発生しています。だから、もうじき、いつ起こってもおかしくない状態になります。

 今の景気浮揚は、日本や米国、英国など欧州の国がおカネを大量に刷ったことによる人為的なものです。

 

(――破綻を回避する道は。)

・今のところ、防ぐ手立てはありません。(何をしても)非常に悪い状態になるか、少しましなものになるかの違い程度でしょう。いずれにせよ、世界経済は破綻します。

 

日本は減税をし、大型財政支出を打ち切るべきです。人口問題対策も

講じなければなりません。どうせやらないでしょうがね。仮にやったとしても、問題は起こります。しかし、(何もしないと)16~18年に事がうまく運ばなくなったとき、問題が表面化するでしょう。

 

安倍首相は、「日本を破滅させた男」として、歴史に名を残すでしょう。投資の世界の人たちや、(金融緩和)でおカネを手にしている人たちにとっては、しばらくは好景気が続くでしょうが、安倍首相が過ちを犯したせいで、いずれはわれわれ皆に大きなツケが回ってきます。

 

(――日本は、東京オリンピックがあるから、少しはマシ?)

・いや、逆かもしれません。オリンピックで大量におカネを使い、債務が増えていくため、状況が悪化する可能性があります。1億2000万人強の日本の人たちを、オリンピックで救うことはできません。

 

(――円安誘導が間違っている?)

最悪です。短期的には、一部の人が恩恵を受けますが、自国通貨(の価値)を破壊することで地位が上がった国はありません。この2~3年で、円は対ドルで50%も安くなりました。このことが日本にとってよいはずはありません。

 

『日本を破滅させた男』として安倍首相は歴史に名を残すでしょう。>

(――以前「米国は世界の警察をやめるべき」と言っていました。オバマ大統領は実際そう宣言しました)

・米国がおカネを大量に刷るのをストップし、(世界の)人々に対し何をすべきか、あれこれ言うのをやめるとしたら、世界にとっても米国にとっても素晴らしいことだと思います。しかし、私はオバマ大統領のことは信じません。

 

・多くの米国人は「米国が他国にあれこれ指図すべきだ」と思っています。私は、そう考えない少数派の一人です。「米国の言うことを聞くべきではない」と考える人たちが世界中に増えているのに、大半の米国人は今でもそう思っています。

 日本でも「米国に指導してもらうべき」だとみんな考えているのでしょうが、それは間違い。自分で考えるようにしなければなりません。

 

 

 

(2024/3/20)

 

 

『日本の常識は世界の非常識!』

高橋洋一   徳間書店  2023/6/2

 

 

 

まえがき

・岸田政権は経済オンチともいえる反アベノミクスの姿勢を示し、「国債でというのは、未来の世代に対する責任として採り得ない」などと「防衛増税」や「異次元の少子化対策増税」に走ろうとしているように見える。

 

そもそも、アベノミクスの理論的基礎となっているのは、2022年にノーベル経済学賞を受賞したバーナンキ氏の理論である。マスコミや官僚、一部専門家など反アベノミクスを煽る人たちは、マクロ経済の政策でも日本流ですべて通用すると思っているのだろうか。「埋蔵金」を使わせない財務省の論理によって、日本の外貨準備は先進国で突出した多さとなっている。また少子化対策として児童手当の増額が考えられているが、税と社会保障が一体運営されていないのも日本だけだ。そもそも、消費税を社会保障目的税としている国はない。

 まさに「日本の常識は、世界の非常識!」と言えることがまかり通っている。

 

日銀総裁交代で、日本経済はどうなる

日銀・植田新総裁の「煙幕会見」 やはり雇用より金融機関重視の姿勢か

・植田日銀は、安倍政権の大規模マクロ政策発動の遺産もあり、インフレ目標がすぐに手に届く位置にいるが、それでも「達成は難しい」と煙幕を張っている。これは政府による財政のサポートはないと観念しているのかもしれない。当面の動きはないということだろう。

 

「賃上げ要請」で経済オンチぶりを現した岸田首相

<●「トリクルダウン」という俗説

・だがこうした経済理論は存在せず、俗説に過ぎない。実証分析でも、トリクルダウンはほとんど検証されていない。

 

<●どうすれば賃上げは可能か

・まず教科書的な説明から始めよう。大前提として失業率とインフレ率の間には逆相関関係があるという、いわゆるフィリップス曲線がある。

 

・安倍政権時のデータでは、それは失業率2.5%程度、インフレ率2%程度だ。この下限となる失業率は、経済理論では、NAIRU(インフレ率を上昇させない失業率)として知られており、筆者の推計では日本では2%半ば程度だ。

 

アベノミクスの根幹になっている異次元の金融緩和は、2%・2倍・2年。すなわちインフレ目標を2%とし、そのためにマネタリーベースを2年間で2倍にするとされていた。

 

・どの程度の賃金上昇になるかといえば、インフレ率プラスその国の実力で賃金上昇率は決まるが、プラスアルファ部分は、資本・労働生産性や技術進歩などによる。

 

<●増税と利上げ」では、「賃金上昇」には向かわない

・こうした経済状況に呼応するが、GDPギャップがまだ相当額存在している。

 現存するGDPギャップを前提とすれば、必要な政策は「追加財政政策と金融緩和政策を行い、GDPギャップを解消させた上で、若干の需要超過状態を維持する」ことだ。それを半年程度継続すると、失業率が下限となり賃金が上昇し始める。

 

・筆者の言うことは、失業率についてインフレを加速させない程度の下限に維持するとのマクロ経済原則を言っているにすぎない。しかしそれに至らずに、望ましい追加財政政策と金融緩和政策とはまったく方向の違う「増税と利上げ」をしようとする岸田政権は、まさに経済オンチだ。これでは賃金上昇は期待できない。

 

・そうなると、一定期間後に、失業率がちょっとずつ上がってくる。失業率が上がるとどうなるか。企業経営者からみれば、余っている労働力を使えば良いわけだから、賃上げをしなくて済む。

 

岸田首相は、経済の好循環というが、初手で増税と利上げでは「悪循環」になってしまう。

 

岸田首相の失策で、アベノミクスは潰えた

<●アベノミクス10年を振り返る

・安倍・菅政権では、民主党政権で決めた消費増税以外は、極力増税を回避してきた。新型コロナ対策の100兆円予算も、政府・日銀の連合軍により、増税せずに行った

 

アベノミクスの最大の成果は、雇用の確保だった

 

・そうしたマクロ経済を評価する筆者の基準もシンプルで、雇用の確保が出来れば60点、その上に所得の向上があれば40点を追加して100点満点とするものだ。

 アベノミクスでいろいろなことを言う人がおり落第点という人も少なくないが、その評価基準は筆者にはさっぱりわからない。

 

したがって、安倍政権の評価をすれば、雇用60点、GDP20点で、計80点だ。

 

<●アベノミクスの方向性が大転換

・岸田政権では、金融政策でもアベノミクスと真逆の政策が実施されようとしている。

 

・また、筆者が再三指摘したように、円安は日本経済全体のGDP押し上げ要因だったが、日銀の政策変更で円高になったので、株価が急落したのは当然だ。

 円安で企業の経常利益は過去最高となっており、円高が景気悪化につながるだろう。生産拠点の国内回帰の動きにも冷や水を浴びせかねない。

 今後、住宅ローンの金利も上昇し、企業が融資を受ける条件も厳しくなるだろう。一方で、利上げは銀行など金融機関の経営には恩恵が大きい。今回の事実上の利上げは、雇用、GDPなどマクロ経済よりも金融機関を優遇した政策だといえる

 

いよいよアベノミクスから舵が切られた、筆者の予感は、再びデフレ、失われた20年の再来だ。

 

黒田日銀10年は雇用確保は歴代最高 海外紙は評価するも、残念な日本のマスコミ

・14年4月の消費増税があっても、強力な金融緩和のおかげで19年にはデフレ脱却の環境が整っていた。もっとも、この期待は19年10月の消費増税と20年かららのコロナ禍で吹っ飛んでしまった。

 それでも、雇用の確保という金融政策の主目的からみると、歴代最高のパフォーマンスだ。金融政策は「2つの責務」といい、物価の安定と雇用の確保を目的とする。

 

・しかし、詳しく見ていけば、15~64歳人口は一貫して減少している。民主党時代には、就業者数が減少し、それを上回るペースで労働力人口も減少したために、見かけ上、失業率が低下した。しかし、安倍政権では、就業者数が猛烈に増加し労働力人口を上回ったので失業率が低下した。それぞれの中身はまったく異なるものだ。

 

・黒田日銀の業績について、雇用に着目するマスコミを探したが、残念ながらあまりなかった。ただし、海外紙は黒田日銀を評価しているものばかりだ。

 雇用が確保されると、その後に賃金が上がり始め、インフレ率も上がる。マスコミの論調は、黒田氏が「インフレ目標を達成できずに残念だ」と言ったところだけを切り取り、雇用を400万人作ったということは無視している

 そもそもインフレ目標を達成していないではないか、というのは、金融政策の2つの責務をしっかり理解していないために出てくる批判だ。

 

元大蔵次官が『安倍晋三回顧録』に反論  財務省の「省益追求」の正体>

・政府の財政状況を見るには、BSの借金残高を見るので不十分で、左側の資産も考慮し、具体的には資産を控除したネット借金残高で見なければいけない。これはファイナンス論・会計論のイロハのイである。

 

・一般論として言えば、資産の中には、天下り先の「米びつ」である出資金や貸付金が多く含まれている。増税は資産が温存されるので、官僚にとって好都合だ。逆にいえば、借金は返済せざるを得ないから、資産売却となれば天下りもできなくなる。民営化は資産売却の典型例なので、官僚が民営化を否定するのは、天下りを維持したいためであることがしばしばだ。

 安倍さんが、財務省が「省益」を追求していると言うのは、例えば借金返済のために増税を主張するが、一方で、資産売却を渋り、天下りに拘泥することを言っている。

 

・もちろん、増税することで財務官僚の差配するカネが増えるのも財務省の「省益」だ。

 

バーナンキ」のノーベル賞受賞を、メディアがあまり触れない理由

<●アメリカは彼がいたから乗り切れた

・この一件をバーナンキに話したら、「君が正しい」と言われ、「金本位制固執した国では十分な金融緩和策がとれず、デフレが深刻化した」という彼の論文を見せてくれた。それで、金本位制を放棄した国では思い切った金融緩和が可能となり、恐慌から早く逃れることができた。金本位制から早く離脱した国ほど、世界大恐慌から早く抜け出していることがわかった。

 

FRB理事時代の2003年、バーナンキは「名目金利ゼロ」に直面していた日本経済の再生アドバイスを行った。具体的な手法として、国民への給付金の支給あるいは企業に対する減税を国債発行で賄い、同時に中央銀行がその国債を買い入れることを提案している

 

中央銀行国債を買い入れると通貨が発行されることになるので、中央銀行と政府のそれぞれの行動を合わせてみれば、中央銀行の発行した通貨が給付金や減税を通じて国民や企業にばらまかれていることになる。これが、いわゆる「ヘリコプターマネー」だ。

 これは、日本では酷く揶揄されたが、ノーベル経済学賞を受賞したフリードマンも提唱していた由緒正しい政策だ

 アメリカはバーナンキのおかげでリーマンショックもコロナ危機も乗り切れた。

 

<●アベノミクスの理論的基礎はバーナンキ

・いずれにしても、アベノミクスの理論的基礎はバーナンキにあるといってもいい。バーンナンキも議会証言などでアベノミクスを高く評価していた。

 

・いずれにしても、もし安倍さんが生きていたらバーナンキノーベル賞受賞をさぞかし喜んだだろう。

 

「円安になればGDPが増える」当たり前の事実

「32年ぶりの円安」が日本にとって大チャンスである理由

<●メディアの印象操作に欺されるな

・2022年10月21日、為替が1ドル150円近辺と、1990年以来の円安水準と報じられ、マスコミでは円安が大変と大騒ぎになっている。

 

そもそも、円安はGDPを増やすプラス要因だ。古今東西、自国通貨安は「近隣窮乏化政策」として知られている

 通貨安は輸出主導の国内エクセレントカンパニーに有利で、輸入主導の平均的な企業には不利となる。しかし全体としてはプラスになるので、輸出依存度などに関わらずどのような国でも自国通貨安はGDPのプラス要因になる。

もしこの国際経済常識を覆すなら、世紀の大発見だ。

 

・このため、海外から文句が来ることはあっても、国内から円安を止めることは国益に反する。

 

・しかしマスコミ報道は、こうしたマクロ経済ではなく、交易条件の悪化などごく一部の現象のみを取り上げて「円安が悪い」という印象操作をしている。

 

円安はトータルでプラス!一番儲かっているのは政府!儲かったお金を困っている人や中小企業に回せ!

 

<●バブル期は酷いインフレではなかった

・そもそも、今回の円安は32年ぶりだという。32年前というと1990年でバブル絶頂・崩壊時だ。

 その当時のマクロ経済指標はどうだったのか見ると、名目GDP成長率7.6%、実質GDP成長率4.9%、失業率2.1%、CPI(消費者物価指数)上昇率3.1%だ。文句のつけようもない数字だ。バブル期というと酷いインフレと思い込んでいる人もいるが、そうではない

 

・当時、マスコミは金融引き締めを行った日銀の三重野康総裁を「平成の鬼平」ともてはやして後押しし、日銀も従ったが、それは間違いだった。筆者の見解では、日銀はこの間違いを「正しい」と言い続け、その後も間違いが繰り返され、「平成不況」となる失われた30年の元凶になった。

 

<●むしろ円高・デフレがまずかった

・そしてメディアの論調に押されて、バブル潰しのために金融引き締めをして、それが正しいと思い込んで日銀は金融引き締めを継続した。

 

・ちなみに、カネの伸びが低いとモノの量は相対的に多くなり、その結果、モノの価値が下がり、デフレになりがちだ。バブル潰しの結果、金融引き締めを継続したのが、デフレの原因である。

 アベノミクスは、それを是正するものだった。カネの伸びは世界最低級からは脱出したが、まだ十分とはいえない。

 

<●いまは円安メリットが大きくなっている

・GDPをドル換算して日本のGDPランキングが下がったと言い、円安を悪いものとして煽る論調があるが、円払いの給与がほとんどの日本人には無意味なことだ。むしろこれまでの円高・デフレで成長が阻害された結果を表していると見たほうがいい。

 

その中でも最大のメリットを享受しているのは外国為替資金特別会計(外為特会)で、外貨資産を保有する日本政府だ

 筆者からみれば、外為特会は霞が関埋蔵金の一つであり、かつて小泉政権の時に、財源として捻出した経緯がある。

 

・含み益を実現益にするためには、ドル債の売却は金融機関相手でなく、政府内の特別会計間取引でもいい。

 

いずれにしても、外貨債を持っている日本人にとって円安メリットは現実のものだ。最近の円安によるGDP増加要因で、日本経済は1~2%程度の「成長ゲタ」を履いており、他の先進国より有利になっている。1990年の失敗を繰り返さず、この好機を逃してはいけない。

 

「円安で儲かった37兆円」を経済政策の財源に充てよ

<●経済論戦すれば、野党は攻めどころ一杯だった

・GDPギャップが残ったままだと、余分な失業が残り、人手不足にならないので、賃金の上昇も期待できなくなる。その結果、構造的な賃上げもできなくなる。

 最終消費者における負担軽減という観点から言えば、事務的に容易なのは消費税減税や社会保険料減免で、効果も大きい。

 

<●埋蔵金」論争の再燃を警戒する財務省

・かつて「埋蔵金」論争が起こったとき、世論は財務省の批判に向かったので、その再来を財務省は警戒しているのだろう。

 実は、外為特会については、筆者はかつて小泉政権の時にやったことがある。

 

・岸田首相の主張する「外貨を円貨に替えるのは実質的に為替介入」という論理はおかしい。円高に対応するためにドル債を購入するのが為替介入だ。ドル債は有期なので、例えば3年債なら3年後に償還されるので、その際に外貨を円貨に替える。これは、どこの国の介入でも行われる通常の行為だ。それをやらずに再びドル債を購入したら、それこそ為替介入になってしまう。

 

・筆者の言うことを確認するのは簡単だ。先進国は変動相場制であるが、その外貨準備高のGDP比を見ればいい。外貨準備を持っている国でも数%以下だ。つまり、一時的に介入しても、ロールオーバーせず、途中売却か償還になっているのだ

 

マスコミが理解していない「円安になればGDPが増える」当たり前の事実

<●なぜ企業の業績がここまで伸びているのか

マスコミでは、円安が大変という報道が溢れている。そこで筆者は、円安はGDPを増やすので、必要な対策はやりやすいと話した。

 これは、読者であればご存じだろう。そもそも円安がGDPプラス要因なのは、古今東西、自国通貨安は「近隣窮乏化政策」として知られている。海外から文句が来ることはあっても、国内から止めることは国益に反する。

 

・もちろん、輸出比率が低く輸入比率が高い中小企業には逆風だが、大企業は逆に追い風である。

 

・中小企業には、増えた税収で景気対策を行えばよく、GDP増加要因の円安を抑えてしまっては元も子もない。

 

・このままいけば、税収もかなり増えるだろう。経常収益がよければ、法人税収は当然伸びるが、給与所得も伸びるので、所得税収も伸びることになる。

 

<●円安と日本の国力は関係ない

・これまで何回も書いてきたが、日米の為替は円とドルでどちらが相対的に多いか少ないかがポイントだ。多いほうの通貨は希少価値がないため安く、少ないほうの通貨は希少価値が出て高くなる。これは、理論ではマネタリーアプローチ、実務経験則ではソロスチャートと同じだ。

 

・円ドルレートは、日米の通貨の交換比率であるが、それぞれのマネタリーベース総量の比になっているとは、何と単純・明快な話ではないか。もちろん、為替を決めるのは、日米のマネタリーベースの現在値ではなく、それぞれの予想値なので、現在値の比だけで説明できないが、現在値の比は大いに参考になる。

 

・そのとき、大きくマネタリーベースの比が変動するが、それを後追いして為替レートが動いている。これが、マネタリーベースの予想値で為替が動くという意味だ。

 

<●為替を理解していないマスコミ

プラザ合意の前については、プラザ合意で1ドル240円くらいから1ドル130円への調整が2年間くらいで行われているが、その前はいわゆるダーティフロートという管理された「変動相場制」だ。見方を変えると、円ドル比率から計算される「理論値」である1ドル130~150円と比較して、1ドル200~250円くらいに円安誘導していたわけだ

 ニクソンショック以前は1ドル360円だから、かなり円安に設定されていた。そうした円安が輸出競争力を高め、日本の高度成長の原動力になっていたというのが筆者の見解だ。

 こうした見方は、日本の技術力が高度成長の要因という常識とは異なる。

 

・ともあれ、為替レートの50年の歴史から見れば、今の円安はマネタリーベースで説明できる範囲であり、それほど酷いものではない。GDP増加のチャンスであるととらえるべきだ。

 もちろん円安で苦しい企業や人もいるので、GDP増加の果実である税収増をそうした人たちにふり向ければ、すべての人が幸せになることが可能だ。その意味で、政府の経済対策に注目したらいい。

 

景気回復、給料アップのためにも積極財政と金融緩和が必要だ

内閣府資料には、インフレかデフレかを見るために最適といわれる「GDPデフレーター」が掲載されているが、四半期デフレーター原系列の前年同期比をみると、前7―9月期の▲0.4%から、プラスになったものの1.1%しかない。これが安定的に2%を超えるまでは積極財政、金融緩和が必要だ。

 

欧米が追加利上げする理由 日本の引き締めは時期尚早

・こうした金融政策の基本フレームから見れば、失業率がNAIRUまで下がっていて、インフレ率がインフレ目標より高ければ、金融引き締めとなる。この意味で、FRBイングランド銀行の利上げは、セオリー通りだ。

 

・ただし、日本では、雇用調整助成金で失業率が低めに出ているので、まだNAIRUを達成しているとはいえない。その意味で日本の利上げは時期尚早だ。

 

埋蔵金」は使わせない。あくまで「増税」に走る財務省の奇妙な論理

岸田「30兆円」経済対策の裏で、財務省の「大増税」誘導

<●経済対策の規模は結果オーライだが……

・実際に経済生産を押し上げる効果のある「真水」はどの程度か。詳しくは補正予算書を見ないとわからないが、内閣府の経済効果試算でGDPを4.6%押し上げるというのであれば、真水は25兆円程度以上になる。

 

・野党の案は、規模において政府案より少ないもので、情けない。もう少しマクロ経済を勉強してもらいたい。このままでは、財務省の応援団になってしまい、失業を容認するなど国民生活に害悪となる存在になってしまう。

 

<●「減税系」がなく「補助金系」ばかりなのはどうなのか

・これまで筆者は「埋蔵金」について50兆円程度使えると発言してきた。外為特会で30兆円、国債整理基金などで20兆円がその内訳だ。しかし、GDPギャップを意識しているので、そのすべてを経済対策に充てろとは言わない。

 

・執行率の差は、「補助金系」と「減税系」を比較すると、後者のほうがはるかにいい。

 

<●増税の前に、埋蔵金と「増収」という手がある

・さらに、「増収」では、インボイス導入という手もある。インボイス導入については、市民グループや左派政党の反対があるが、消費税が導入されている国ではどこでも導入されている普遍的な制度だ

 

このまま財務省の言いなりで終わるのか? 「埋蔵金」活用の手もあるのに

<●埋蔵金」と「消費増税

・ということは、未消化分はまた「埋蔵金」になる可能性があるということだ。

 このように埋蔵金は、その時々の財政運営や経済環境によって変わりうる。

 

<●埋蔵金は使っても支障がないもの

埋蔵金というのは、筆者は特別会計における資産と負債の差額で、使っても特別会計運営に支障の出ないものとしている。

 

・それにしても、財務省補正予算のやり方は酷い。標準的な手法なら、使い残しを集めてきて、できるだけ国債発行を抑えるのだが、そうなっていない。

 

埋蔵金」を使わせない、財務省の世にも奇妙な法解釈

<●ドル債の売却・償還をすると、介入になる?

・さらに、外為特会で保有しているドル債の償還時期が到来したとき、償還し償還金を円転せずに、ドル債をロールオーバーして再投資するほうが、「介入」になるとも指摘しておいた。

 

<●突出した外貨準備を生む財務省の珍妙なロジック

このロールオーバーがあるために、日本はG7諸国の中で、突出した外貨準備になっている。他の先進国で外貨準備がないということは、ドル債の売却や償還時に、「介入」になるのでアメリカ政府との関係でできない、との財務省の対外的な説明が正しくないことを示している。

 

・しかし、外為特会では現実にロールオーバーしており、外貨準備を先進国で例がないほどに肥大化させておきながら、売買差益は計上していない。

 

<●この法解釈が本当に正しいか?

・それでも、頭の体操であるが、特会で保有しているドル債を全部売れれば、全額政府短期証券の償還をできて、その上で差益が剰余金になる。

 

防衛費増額の財源に、ついに「埋蔵金」活用か? 財務省の「増税悪あがき」の行方

<●もともとは「防衛国債」が有力視

・政府は防衛費増額について、2023年度の一時的な財源確保策として、新型コロナ対策で厚労省所管の独立行政法人に積み上がった剰余金や外国為替介入に備えて管理している特別会計の剰余金の転用案の活用が浮上したと報じられた。

 

<●さすがに財務省も抵抗できなくなった?

・筆者のところに多くの与野党議員から問い合わせて来たので、小泉政権以来のこれまでの埋蔵金支出の経緯、その際、財務省の問題となっていた法解釈などを忌憚なく話させてもらった。そして、コラムでもそれらを公開してきた。

 

・今の為替水準だと、少なくとも30兆円程度の「評価益」があるが、剰余金だと、財務省が会計操作を行った後に出るので、評価益そのものが剰余金になるわけではない。いずれにしても、筆者から見れば少なくとも30兆円くらい捻出できるが、複数年でその半分くらいになれば御の字

だろう。

 

<●自然増収でも防衛費増をかなり賄える

・いずれにしても、実質的に建設国債対象、その他収入(埋蔵金)がポイントで、当面これで決着が付けば、増税とは政治的にはならない。

 

防衛費増額で財務省にまんまと乗せられた岸田首相

<●増税を主張するための「試算」のカラク

・岸田首相は、2022年12月5日夜、今後5年の防衛費として43兆円とし、あわせて財源措置の検討も指示した。

 

・前述のように予算づくりの一般論として、新規予算があるとき、(1)他の歳出カット、(2)建設国債対象、(3)その収入(埋蔵金)、(4)自然増収、(5)増税、で対応する必要があることを紹介した。検討される順番は、それぞれの番号通りだ。

 

<●まともに検討されなかった「埋蔵金

建設国債対象は、安倍元首相が提唱していた「防衛国債」のことで、安倍元首相が亡くなってから、財務省は官邸に有識者会議を作り、防衛国債議論を封じて増税への地ならしを行ってきた。

 

埋蔵金は必ずしも外為特会に限らない。一般会計に計上されている債務償還費は、他に流用しても国債償還にはまったく支障がない。そもそも債務償還費を予算で計上しているのは先進国では日本だけだ。

 

<●セオリーを無視する財務省

東日本大震災後、大震災が稀に起こるのであれば、課税標準化理論から復興費用は長期国債で賄うのが、財政学からの結論だ。これと同様に考えれば、有事が稀に起こるのであれば、防衛費用を長期国債で賄うのが筋だ。課税標準化理論からも防衛国債を正当化できる

 東日本大震災についで今回も財務省はセオリーを無視した。

 

習近平独裁体制になった危うい中国

北朝鮮のミサイルと日本の防衛 トマホーク配備で「2倍、3倍返し」は可能か

北朝鮮は核ミサイルで、第一撃で同時に多数を撃ち込む飽和攻撃をしてくると見るのが軍事常識だ。はたしてトマホークで相手を抑止できる2倍、3倍返しができるのか。核シェアリング(核共有)を検討せざるを得ない段階だろう。

 

思いつきの「少子化対策」、欺瞞だらけのエネルギー政策

思いつきの「少子化対策」議論に財務省がほくそ笑む

<●人口減少しても1人当たりGDPは低下しない?

・まず、天の邪鬼な筆者にとって、少子化対策はその必要性が胸にストンと落ちない。人口減少しても、1人当たりGDPが必ずしも低下するとは言いがたいからだ。

 

学術会議「改革議論」の不可解 独立保つなら民営化 世界と比較しても奇妙な日本のアカデミー

・ただし、欧米諸国のアカデミーは、ほとんどが独立の法人格の団体である。

 

・独立性のためには民営化するのがいいはずなのに日本のアカデミーはどうして反対なのか、筆者にはさっぱりわからない。

 

・2000年の省庁再編もそろそろガタが来て見直しの時期だが、誰も言い出さない。本件のほか、厚労省分割、歳入庁創設、放送独立委員会創設、海上保安庁改組などやることが山積みだ。

 

  

 

(2023/9/12)

 

 

中国経済崩壊宣言』

石平、高橋洋一  ビジネス社  2023/8/1

 

 

 

数字が証明する中国経済崩壊宣言!

・劉教授は「ポストコロナ」において中国の経済回復は思うとおりに進んでいないことを認めたうえで、その問題点として次の「5つの20%」を指摘した。

①  若年層失業率が20%を突破したこと

②  工業企業の利益が前年同期比で20%近く落ちたこと

③  地方政府の土地譲渡金収入が前年同期比で20%減ったこと

④  不動産の新着工面積が前年同期比で20%減ったこと

⑤  消費者信頼感指数が20%以上も落ちたこと

それらの問題点を根拠に、劉教授は「中国経済はすでに自己回復能力

を失っている」と分析し、中国経済の今後に対しては極めて悲観的な見方を示した。

彼のいうとおり、「中国経済はすでに自己回復能力を失っている」の

であれば、この巨大国家の経済沈没は最早避けられないのではないか

 

・こうしてみると、現在の中国の経済状況といえば、輸出もダメ投資もダメ、失業者が溢れて消費が消失している最中であり、まさに絶対絶命的な状況に追い込まれ、崩壊の真っただ中にいるのである

 

崩壊しかない無残な中国経済の数字

簡単なごまかしさえ放置する統計局

・石平:高橋先生との対談本は今回で4作目となりますが、先生には以前から「中国経済崩壊論をいうのは10年早すぎた」と言われていました(笑)。

高橋:そう、中国経済崩壊論じたいが間違いなのではなく、言うのが早すぎたということです。しかしここのところの中国経済を見ていると、まさしく石平さんの言うとおりになりつつある。今こそ中国経済崩壊論を唱える絶好のタイミングです。

 

・石平: 自分たちの数字のウソを辻褄の合うようにするという最低限のことさえやらなくなりました。

 

中国財務省が23年第1四半期のマイナス成長と発表

・石平:この一連の財務省の数字は国家統計局より信憑性があります。どう考えてもマイナス成長でしょう。

高橋:確かにマイナス成長っぽいですね。

 

投資が中国のGDPの半分近くを占めるカラク

高橋:中国の統計が異常なのは、消費税の割合が異様に低いことです。普通の国なら消費はだいたいGDPの6割。それが4割にも達しないことを中国は投資が大きいからと解説する向きがありますが、無理がある。

石平:中国ではこの20年間、消費率はずっと4割未満でした。

高橋:途上国の経済問題を分析する経済学の一分野に「開発経済学」という学問があります。途上国の貧困や飢餓、栄養失調、失業、低賃金労働、低教育水準、女性差別、乳幼児や妊婦の高い死亡率、HIVマラリアなどの感染病の蔓延、環境問題や水問題、汚職、貿易政策や債務問題など、幅広いトピックを扱うのですが、この学問からすると、中国では国内消費が十分に育っていないと見なせるわけです。

 

・高橋:単純に一国が豊かになるということは国民の消費が増えることとイコールです。国民が貧しい国を豊かとは誰もみなさないでしょう。したがって、消費の割合はだいたい6割ないとおかしい。

石平:中国経済の持つ歪な構造がここでわかりますね。

高橋:だから中国経済は投資で持たせているように見える。

石平:22年の固定資産投資総額は57兆2130億元。全体のGDPに占める割合は約47%になっています。

高橋:投資のほうは普通の国なら2割ぐらい。消費も投資も割合が異様です。

 

・石平:現に中国の投資のなかでいちばん大きかったのはやはりインフラ投資。22年のインフラ投資は9.4%でした。ウソか本当かは別として、何とか中国経済を3%成長させようとすると、結局、インフラ投資に頼らざるをえないわけです。

高橋:とすると公共投資をがんがんやって無駄なものをどんどんつくっていることになります。本来、公共投資では社会便益が投資コストを上回るものしかやらないのが大前提です。

 

・石平:ゴーストタウン(鬼城)をせっせとつくっているわけです。

 

中国経済の実態をつかむには貿易統計がいい

・石平:中国では消費と投資と輸出の3つが中国経済を引っ張っていく「3台の馬車」と呼ばれています。

 

・高橋:輸出が大きくなることはときどきあるのでまだわかります。自国通貨安に誘導して輸出ドライブをかければいい。それはありえるとしても、やはり投資の割合がそんなに大きいのは、異常です。裏を返すと、消費がそこまで少ないということもありえません。

石平:構造的に見たら、やはり中国の消費が徹底的に不足している

 

・高橋:いずれにせよ、中国の統計であっても輸出入の数字だけはけっこう信頼できる。というより、唯一信用できるのが輸出と輸入の貿易統計しかないということです。

 

失業率の高さで成長率の低さはまる見え

・高橋:GDPと深い関係があるのが失業率です。「オークンの法則」といって、経済成長がないと失業率が高まることを証明したのです。

 

・石平:共産主義の中国が「失業者」の存在を認めていることじたいが、前進だといえるかもしれません(笑)。

 

・高橋:やはり正しい失業率は発表できないと思いますね。中国では、GDPも失業率も国家統計局が発表していますが、失業の統計を出すセクションとGDPの統計を出すセクションを分けるのが国際基準です

 

・高橋:GDPと失業率の場合、独立している別々の役所の発表する統計がオークンの法則で連動しているからこそ、どちらの統計も信用できることになります。中国の場合、GDPと失業率の数字はやはりオークンの法則からちょっとずれている。それで私は中国の失業率にはちょっと怪しいところがあると言ったのです。

 

働き場を失った若者たち

・石平:国家統計局は23年第1四半期の成長率を4.5%増だとする一方で、同時期の16歳から24歳までの失業率を19.6%、4月は20.4%と発表しました。4月の数字は2018年以降で最も高い失業率です。オークンの法則からしたら矛盾する数字です

 さすがに中国政府も失業率に関しては、多少は真実に近づいている数字を発表するようになったのではないでしょうか。

高橋:それでもまだごまかしている感じがあります。とはいえ、20%前後の失業率は間違いなく高い。ごまかしてもそのレベルになっているとしたら、中国の失業はかなり深刻です。オークンの法則によれば、若者の失業率の高さからすると、成長率がマイナス成長になっていても不思議ではありません

 

・石平:いずれにせよ近年、中国では毎年1000万人もの大学生が卒業していますが、そのうち就職できる大学卒業生はおそらくその3分の1になるかならないかというところです

 

・石平:毛沢東時代なら失業の解決策として都市部の知識人や知識青年たちを農村で働かせるという「下放運動」が行われました。習近平自身も下放されたことは周知の事実です。

 実は今、広東省がこれを行っています。23年から30万人の若者たちを動員して農村に行かせる「下郷運動」です

高橋:しかし若者が送られる農村でも失業問題に悩んでいる。

石平:むしろ失業問題が最も深刻なのが農村部なのです。農村部の若者たちは、ほとんど耕す土地もないため、いわゆる「農民工」となって大量に都会に出ています。農民工は今の数字でも2億5000万人くらいいる。

 

・石平:中国では再び「露店経済」が脚光を浴びてますよ。露店経済というのは、2020年にコロナ感染が始まって経済が悪化したときに、当時の首相だった李克強が言い出したことです。「失業者には仕事がないから、みんな勝手にどこかに露店を出して、何でも売って食べていけ」と。

 

・石平:露店経済は大量の雇用を生むこともないし、安定した収入や安定した仕事を保障するものではありません。だから、このままでは経済が落ち込んでいったら、中国では大変な社会的大動乱が起こるでしょう。

 

粉飾統計は中国の国技

ソ連も6割水増ししていたGDP

・石平:中国がGDPでいったんウソをついた以上、その後もずっとウソの上塗りをし続けなければならない。いわば無間地獄です。

高橋:共産主義国の実態を見破るのは非常に難しい。ソ連のときもそうでした。ソ連は70年間、統計をごまかし、それがウソだったことはソ連が崩壊してようやく明るみにでました。

 

・石平:逆に言うと、ソ連が崩壊するまでノーベル賞を取った経済学者ですら、統計の偽造がわからなかった。その意味では偽造は完璧だったわけで、ソ連が出した数字が全部ウソであっても、専門的にはウソの辻褄がきちんと合っていたということでしょう。

高橋:やはり偽造統計を見破るのは非常に難しい。騙されるのが普通ですよ。しかもソ連が行っていた偽造は半端なレベルではありません。ソ連が崩壊してみて初めてわかったのは、そのGDPは実は偽造統計の4割ほどしかなかったということです。つまり偽造統計の数字の6割減が正しい数字だったのです。

 ソ連の公式統計によると、1928年から1985年までの国民所得の伸びは90倍。ところが実際には6.5倍しかありませんでした。平均成長率に至っては8.3%も成長しているとされていたのに実際には3.3%しかなかったのです。こうした事実もソ連が崩壊して明るみに出たのです。

 

・高橋:ソ連のGDPは全部ウソだったため、ソ連の後継国家となったロシアにもソ連時代のGDPのデータが全くないのです。つまり、ソ連ではずっとGDPのデータはあったのにロシアではそれを全部消してしまいました。ロシアのGDPのデータは1992年以降のものしかありません。

石平:とすると、ロシアのGDPのデータは約30年分しかないわけですね。

 

中国は偽造統計のやり方をソ連に学んだ

・高橋:そのまま残ったソ連式のシステムの1つが統計のやり方です。中国は統計のやり方を社会主義国家の先輩であるソ連に学んだのです。

 当然ながら、ソ連の統計のやり方には偽造統計も含まれていた。

 

・石平:ソ連のように中国共産党による政治体制が崩壊しない限り、中国政府の発表するGDPがどの程度正しいのかはわからないということですね。

 

ウソの統計で自らの首を絞める中国政府

・高橋:中国の統計にはそういう数字の手直しがよくあります。コロナの統計でも患者の数などをいつもこっそりと直しているんですよ。しかもコロナ患者の集計方法もころころ変えます。本来、そんなことをしてはいけない。

 

・高橋:GDPに話を戻すと、中国の場合は6割増しをしている可能性が高いでしょう。10と言っているのが4だとすると、中国政府はGDPを倍以上に膨らませてきたのです。ソ連もそうでした。

石平:改めて言うと、統計では中国もソ連と全く変わらない。だから中国のGDPの成長率の数字はウソであって、当然、毎年の成長率で計算した中国経済規模もウソであるということですね。

 

習近平に忠誠を誓う日本人・中国研究者の異常な反応

・高橋:私は中国の統計がウソであることは以前からわかっていました。それで『中国GDPの大嘘』という本を書いて2016年4月に出版したら、抗議がどんどん来た。

 

単身での訪中はハニートラップOKの合図

・高橋:やはりハニートラップですね。私はいろいろなところで、中国のハニートラップに引っかかった日本人の話を聞いてきました。中国によく行っているのに中国の女性の話だけはしない人を知っています。だから私は、その人はハニートラップにはまっているかもしれない、怪しいと睨んでいるのです。

 

・高橋:また、自民党には中国人の女性を秘書にしている参議院議員もいます。その中国人の秘書は国会の通行証を持っているので、国会のほとんどの場所に自由に行くことができます。

 

夜の明かりで中国のGDPのウソが見抜ける

・高橋:中国の発表するGDPはウソだという話をしてきました。関連した話をすると、中国のような独裁国家が自己申告しているGDPの数字が正しいのかどうかが、衛星で測ったその国の夜間照明から判断できる、という研究も行われています

 

・高橋:今も衛星から夜の地球を見ると、アメリカ、日本、韓国などが明るいのに対し、北朝鮮には全く光がなく、中国もそれほど明るくありません。

 

不動産バブル、本当の恐怖

使用権だけで取引する異常

・石平:去年の中国経済の異変では不動産投資が大幅にマイナス成長となったことが挙げられます。前述のように22年1年間の不動産投資は前年比で10%減でした。どうして不動産投資が減っているのかと言うと、特に住宅が売れなくなってしまったからです。

 国家統計局の発表では去年1年間で中国全国の住宅の販売面積は24.3%減、売上総額は26.7%減。どちらもいきなり20%以上減っています。これがけっこう大きいのです。

高橋:大きいですね。経済のマクロ的な崩壊かもしれないという感じがします。

石平:中国では不動産業が中国経済の支柱産業だと呼ばれてきました。

高橋:ただし中国の土地は全て国有ですね。だから中国の不動産業は土地の使用権の販売だけ成り立っています。

 

日本とは全然違う不動産バブル

・高橋:中国でも不動産バブルが起こりました。

石平:最初はみんな自分が住むために不動産を買ったのです。ところが、しだいにお金を生む道具として不動産をとらえるようになり、2軒も3軒も買い始めました。

 

・石平:中国の不動産市場が繁栄してきたのは、個人の家計がみんな銀行から借金して住宅を買うようになったからです。

 

・高橋:一応、中国の人口は14億人とされていますね。それなのに34億人分の住宅があるなんて、中国らしいと言えば中国らしい。しかし必ず限界が来てしまいます。

 

・石平:本当の土地の取引かどうか同じ不動産バブルでも中国と日本では様相がずいぶん異なりますね。日本ではいくらバブルが崩壊しても土地は残ります。中国はもうバブルそのものです。

 

・石平:しかし最近では新規分譲マンションがもう売れなくなってきました。同時に価格ももう上がりません。経済状況も悪くなって、値上がり期待で2軒、3軒も買っている人もそのローンを払いきれなくなっています。それで、仕方なく値下げして売ろうとしても、今度は誰も買ってくれません。

高橋:弾けるときが必ず来るからバブルなのです。

 

全国民が「負債の時代」

・石平:中国のバブルは債務問題の視点からも見ることができます。

 中国社会科学院の研究員で国内でも著名な経済学者が今年4月11日に、「今の中国経済ではデフレがすでに始まっており、これから衰退の局面に入る」と発言し、「全国で7億人が負債を持っており、中国が全国民の負債の時代になった」ことをデフレになる最大の理由に挙げています

7億人の負債というのは老人や子供などを除いた普通のサラリーマンみんなが負債を負っているということです。

 また、彼は「今の中国の家計の負債率(収入に対する債務)は137.9%にも達している。負債が多いとされるアメリカ人でさえ負債率は90%程度だ」と述べています。

 

・石平:みんながどんどん借金をしてきたのも大半は不動産購入のためでした。それでも不動産価格はまだ非常に高い。だから負債に対する名目上の財産もまだあるわけです。しかし不動産価格が大幅に落ちてしまったら、もう負債だらけの世界になってしまう。

高橋:遅かれ早かれ、そうなりますね。

 

バブルが弾けない理由

・高橋:しかし不動産バブルを維持することは可能なのです。銀行のほうで不動産開発業者にずっとお金を貸し続ければいい。中国では銀行は国有です。だから国有銀行がずっと貸し続ければバブルは維持できます

 

・高橋:不良債権があっても中国政府が「不良債権など一切ない」と言い、銀行も「不良債権はない」と言い切るのであれば、砂上の楼閣がずっと続いていくはずです。

 

・石平:日本では背任になる方法でも中国では許されているから、それで何とかバブルを維持できるということですね。

高橋:維持できるはずですよ。

 

マンション建て替えという不動産市場維持の苦肉の策

・石平:実際、中国の不動産の新規の販売面積は激減しています。22年は前年比で19.9%、さらに23年1月から3月の販売面積は、前年比で26.8%も減少しました。もうみんな買わなくなってきています。

 

・高橋:新規の不動産がほとんどなくなると、GDPも減る。

石平:例えば2020年を例に取ってみても、1年間の不動産投資がGDPの14%をつくり出しました。波及効果も大きいわけです。

 

土地譲渡金がなくなって地方政府の財政も大打撃

・石平:中国の地方政府の大半が財政の半分以上を土地譲渡金で賄っています。不動産開発業者が不動産をつくらなくなると、当然、土地もいりません。土地譲渡金を払わなくなって、地方政府も破綻します。

 

・高橋:バランスシートの問題で、資産があれば債務が大きくても別に大したことはありません。資産と債務の差が問題であり、GDP比は重要ではない。けれども、たぶん中国の地方政府には資産がないでしょう。資産がなくて借金だけでGDPの3倍もあるとすれば問題です。

 

・石平:地方政府の財政収入に対してそれほどの債務があるうえ、さらに今後収入が大幅に減るのはやはり収入の大部分が土地譲渡金だからです。

 

・石平:中国でいちばん大きな税金である増加税のほとんどは中央政府が持っていきます。そうしたお金は中央政府が軍備拡大や治安維持などに使い、一方、都市の維持や最低限のインフラの維持、ライフラインの維持などの費用は全部、地方財政が負担しなければなりません。

 にもかかわらず、土地譲渡金が減少の一途となれば、地方政府の財政は火の車。今や地方政府が破綻したら中国全体が完全に行き詰まるというところまで来ています

 

卵を産む鶏を殺すような政策をとる地方政府

・高橋:しかし地方政府を破綻させるかどうかも中央政府で決めることができてしまうのではないですか。これもバブル同様、地方政府が破綻していても破綻していないという言い方になるでしょう。おそらく中央政府はすでにそう決めていると思いますね。

 

・高橋:現に中国の企業には共産党員が派遣されています。はっきり言えば、地方政府はその共産党員を通じて民間企業から資金を召し上げる仕組みをたくさんつくれるわけです。

 

外資からの収奪で延命

・石平:ここまでの対談をまとめると、大事なポイントの1つは中国のGDPはウソであることがほぼ確定したということです。成長率自体もウソで、おそらく本当の経済規模は発表の数字よりも何割かは少ないのです。

 もう1つは中国は不動産バブルが支える経済で、そのバブルは日本と全く違う次元のものだということです。

石平:しかも経済を崩壊させないためにはバブルを維持する以外ないのに、その一方で不動産投資も完全にダメになります。あるいは14億人の、その打撃はさらに大きい。ならば、中国経済はほぼ永久にマイナス成長になるしかありません。

 

・高橋:確かに今までは外資企業が入って来ています。

石平:中国では目下、外資を含めて民間企業が中国の雇用の7割くらいを生み出しているのです。国有企業あるいは国家部門の雇用はせいぜい3割くらいなので、これから習政権の直面する最大の致命的な問題は大量失業ということになるでしょう。

 

<人口減少はごまかせない決定的証拠

中国人の利用急増で日本の国民皆保険が破綻

・石平:中国の社会保障制度は1つが医療保険で、もう1つが年金です。ただし都市部と農村部でも違っていて、農村部には社会保障制度はほとんどありません

高橋:医療での日本のような国民皆保険制度もないわけですね。

石平:医療保険に関しては、中国の体制内の人々、つまり社会主義体制の国家公務員や共産党幹部にはちゃんと適用されています。都市部の国有企業の従業員もそうです。

 

・高橋:不正利用は論外ですが、正規の制度でも、普通の国では、外国人の短期滞在者にはその国の公的保険を使わせるのではなく民間保険を利用してもらう。そうでない日本は、短期滞在の外国人に皆保険が食われています。

 恐らく今後、日本の皆保険目当てに安い航空運賃で日本に来る中国人がどんどん増えていく

 

・高橋:日本でもそれがこれから問題になるでしょう。やはり他国のように外国人には民間保険に入って日本に来いと言うべきです。

 また日本では年々、社会保障制度の維持コストが重くのしかかっています。しかし社会保障制度が未熟な中国ではそれがかからないでしょう。イギリスは、外国人の社会保障制度利用が契機となって、EU離脱まで追い込まれました。日本も相当注視しないといけません

石平:日本に比べると維持コストが軽いのは確かです。けれども中国には国家公務員や国有企業の社員、軍人にはそれなりに充実した年金制度があるので、この維持コストはバカにできません。だから、中国政府では年金の負担が重くなっているということで、なるべく定年の時期を伸ばす方向になっています。

 中国の民間企業については年金のプール自体があるのかどうかもよくわかりません。

 

人口減少の速度は日本の4倍

・石平:今後の中国の10年後、20年後がどうなるかを考えるとき、いちばん大きな問題はやはり出生数が激減している問題です。

 

・高橋:中国の人口は去年61年ぶりの減少になりました。それは多くの人々が死んだというよりも出生数が極端に減ったことが大きいのでしょう。

石平:そうだと思います。では今後、出生数が回復するかどうかと言うと、おそらく回復しません。1つの理由はやはり一人っ子政策を長年やってきたために、今の中国では一人っ子というものがもう文化になってしまったからです。

 

・もう一つの理由は、若者たちの失業率が高いために若者たちも将来に対して希望が持てなくなっている。となると結婚や子供をつくるどころではなくなっています。

 

・高橋:確実に人手不足になります。だから老人に働いてもらうしかないですよ。

 

・高橋:年金を手厚くして老人が働かなくても済むようにするというのが普通の国の考え方なのに、中国ではそうではないので老人は大変ですよ。

石平:中国の年金制度はもう確実に破綻するのです。

高橋:年金なしで働けと言われると同時に、公的医療保険も整備されていないのだから、中国社会は今後すごく不安定になりますね。

 

出産一時金や児童手当は効果がない

・高橋:子供を産むかどうかは個人の自由なので政府も誘導策しかできません。誘導策と言っても出産一時金や児童手当くらいしかないのはどこの国も一緒。

 

・石平:とはいえ中国政府であれば、また変なことをやらないとも限らない。例えば今、中国の一部の専門家が政府に提案しているのがコンドームの販売禁止です。

 

もはや機械で代替するしかない

・石平:今は若者の就職先がないから、農村では多少人気がありますよ。人民解放軍に入ると、とりあえず食ってはいけますから。

 また、通常は農村の若者は農村戸籍都市戸籍には変えられません。しかし農村の若者でも戸籍を変えられる可能性のある方法が2つあります。1つが大学を卒業し都市部で就職すること、もう1つが人民解放軍に入って幹部になることです。

 

・石平:いや、弱いですよ。人民解放軍に入るためには高額の賄賂を払わなくてはいけません。賄賂を払って軍に入ったような人間がまともに戦うことなどできないでしょう。戦うことよりも賄賂の元を取ることのほうがはるかに大事なんです。

 

中国に大衝撃を与えた婚姻件数の激減

・石平:中国では習政権が発足した11年前から婚姻件数の減少が大きな社会問題になっていきました。

 

・婚姻率は2013年は9.9%でした。しかし2021年には5.8%へと大きく減りました。現象としては、どういうわけか、習政権になってから若者は結婚しなくなったのです。

 

・石平:最近、中国でよく言われるのは若者たちの「不恋愛・不結婚・不生育」です。この「恋愛しない、結婚しない、子供をつくらない」という「3つのしない」が一種の価値観となって中国社会に定着し常態化し始めています。

 

オフィスビルの空室率上昇に表れた香港の衰退>

・石平:ブルームバーグが今年6月5日、香港全体のオフィスビルの空室率がすごく上昇しているという取材記事を掲載しました。

 

・石平:香港のデモ鎮圧と一国二制度の破棄のために外国企業が香港からどんどん離れていっています。それによって空室率が3倍以上にも跳ね上がってしまったのです。

 

・石平:もともと香港には資源もないし大した産業もありません。それでもこれまで資本と人材の2つがあったから、国際金融センターおよび貿易センターとして成り立ってきたのです。

 ところが今、香港の資本と人材の両方が徐々に失われつつあります。

 

習近平一強体制がトドメの一撃

共産党一党独裁から1人独裁に

・石平:いずれにしても、彼の終身独裁政権の道が開かれてしまいました。今回、わざと後継者もつくらなかったので、3期目に終わるつもりも全くないし引退するつもりもありません。

高橋:対抗勢力も中国共産党内にはいなくなってしまいましたね。

 

中央財経委員会と国務院の合体で迷走する経済政策

・石平:李強はもともと浙江省習近平の部下でした。だから彼に抜擢されて上海トップを2年間勤めたのです。しかしその2年間で上海は完全に沈没しました。というのも、特にゼロコロナ政策で2ヵ月間ロックダウンしたことが大きな打撃となったからです。

 

・高橋:いきなり国の運営に携わるというのは、ちょっとあり得ません。外電によれば、李強は「ミスターマイナス13.5」と言われていると聞いています。上海時代の成長率がマイナス13.5%だったからです。それは象徴的なことです。

 

・石平:今回、李克強を追い出して子分の李強を首相にしたとき、当初は多くの人々は、習近平が中央財政委員会の主任を李強に渡して仕事を全部任せるのではないかと思いました。

 ところが、5月に中央財経委員会の会議が開かれたら、相変わらず習近平が主任で、李強はその下で副主任を務めるという形になったのです。この会議で最初に持ち出された経済運営の方針は、共産党の経済に対する指導を強化するということでした。そんな方針で経済を運営できるはずがありません。

 

習近平にただ従うのが官僚の仕事

・高橋:中国の政治構造の特殊性は共産党の下に政府があることです。政府が共産党の下にくっついている。とはいえ他国との交渉もやらなければならないから、実務的にはそこそこの力がないと政治運営などできない。

 

・高橋:そんなことをしていたら国の経済を回すことなどできないですよ。経済官庁の財務部などは現実に基づいて動かないとダメなのに、現実を無視して共産党の指導だけに従って動くことになったら、ソ連が崩壊したときと同じような状況になります。

 本当に今回、国務院のいろいろな部署を共産党の下にくっつけたのはちょっと信じがたいですね中央銀行や財政部門、金融部門のような専門性の高いところは、政府のなかでもある程度独立させて専門的にやらせるというのが国際水準ですよ。

 

愚か者がトップになる最悪な独裁制

・石平:しかし習近平にとっては成長よりも分配のほうが大事なんです。

高橋:それは本当に「角を矯めて牛を殺す」ことであり、経済を全部ダメにしてしまいます。逆に、成長すればいくらでも分配できる。こんな当たり前のことが、彼にはわかっていないのでしょう。

 

日本はデリスキングへの流れに用心せよ

・高橋:先端半導体は軍事にも直結しているため規制は緩められません。

 ただしトランプ政権は「デカップリング」と言っていたのに、バイデン政権は「デリスキング」という言い方をするようになりました。デカップリングが「分断」なのに対し、デリスキングは「リスク軽減」ということです。

 

親中派をスパイで拘束し自滅

ある日突然スパイ容疑で拘束される外国人

・石平:習政権は2014年に「反スパイ法」を施行しました。これにより「国家安全」を名目にした外国人の取り締まりを一貫して強化してきました。

 

・高橋:中国で活動している日本人は、いつ何時拘束されるかわかりません。本当に大変ですよ。

 

親中派ほど当局に捕まりやすい

・高橋:日中青年交流協会の理事長はその立場から言っても親中でした。アステラス製薬も中国が発展して規制緩和があるというので中国への投資を積極的に行ってきました。拘束された社員はもとよりこの企業自体も親中なのです。

 石平さんの言うように、やはり中国人との接触が多い親中の人ほど中国では危ない。親中の人ほどスパイ容疑のターゲットとされやすいと言えますね。

 

何でもかんでもスパイ容疑にできる改正反スパイ法>

・高橋:これまでの反スパイも酷い法律でした。ところが、それを改正して酷さがバージョンアップした改正反スパイ法が成立しましたね。

 

・石平:例えば外国企業が中国でビジネスのために資料を収集したりデータを集めたりする行為もスパイ行為と見なすことができるのです。

 

・石平:改正反スパイ法に基づくと中国にいる日本人を含めた全ての外国人は「誰でも、いつでも、どこででも」スパイとして拘束されても不思議ではありません。

 

・石平:さらに第16条では、スパイ行為の通報・密告を全国民に義務付けると同時に、通報・密告用の電話番号、メールボックス、ネットワーク・プラットフォームの開設と運用を国家安全機関に求めています。しかも通報・密告者に対する表彰・報奨・保護の規定も付け加えられました。

 これは明らかに「反スパイ人民戦争」の発動とその恒久化を図ったものです。しかし、嘘の通報に対する処罰を定めた条項はありません

 となると今後、報奨金目当て・ライバル潰し・恨み晴らし・嫌がらせなどの邪な動機による虚偽の通報・密告が全国で多発することも予想されます。

 

投資の誘いとスパイの摘発という大矛盾

・石平:李強はあちこちで外資に「中国はこれからも開放します。どんどん入って来て投資をしてください」と呼びかけています。しかし一方で習政権は改正反スパイ法によって外資を脅かしているのです。

 

中国外交には日本も相互主義で対抗せよ

・高橋:外交の世界では「相互主義」というものがあります。相手がやっていることと同じことをやる、ということです。ざっくばらんに言えば、「やられたらやりかえす」。この相互主義は外交の世界では当たり前なのに、日本政府はほとんどやったことがありません。

 

・高橋:ところが、日本では相互主義が非常にやりにくい。というのは、どこの国にもスパイ防止法があるのに、日本にはないからです。

 

・高橋:ただし日本でスパイ防止法をつくろうとすると、親中の人たちがさらに激しく抵抗するでしょう。日本には親中の人たちがたくさんいます。日本政府もよほど腹を決めないと、スパイ防止法を成立させるのは難しい。

 

第三世界のATMと化した中国外交

AIIBと一帯一路は完全に失敗

・石平:鳴り物入りで登場した「一帯一路」構想と「AIIB」は今や見る影もありません。世界経済における中国の凋落を象徴しています。

 

・高橋:AIIBはダメだという見通しは当りました。私は日本国には全然悪いことを言っていません。日本はAIIBのような地雷を踏まないで本当によかった。

 

共産党体制では絶対に人民元通貨圏の拡大はできない

・高橋:中国は人民元の販路を拡大したくても一帯一路もAIIBも行き詰まってきているから難しくなってきています。

 

・高橋:国際決済取引での人民元のシェアは3%程度にすぎません。

 

高橋・要するに、資本取引の自由化については中国が社会主義体制である以上、全くできません。だから人民元も国際通貨に絶対になれないのです。

 

半導体産業も崩壊に向かう

・石平:米中対立による先端半導体サプライチェーンを中国から切り離すという動きになっています。半導体関連の外資も中国から出ていくのは間違いないですね。

 

台湾のTPP加盟を早く進めよ

・高橋:日本としては台湾のTPP参加をできるだけ早く進めることが重要でしょう。

 

暴言を吐いた中国の駐日大使をなぜ国外追放しないのか

・石平:中国のネット上では普段、「日本が我らの祖国統一を妨害したら、日本列島全体を火の海にしてやる!」「台湾解放のついでに大和民族を根こそぎ滅ぼしてやろうではないか」といった過激な言論が溢れています。

 しかし中国の外交官でしかも駐日大使が公然と「日本民衆が火の中に」と発言し、日本国民全体に対して大量殺戮のニュアンスの軍事恫喝を行ったのは前代未聞ですよ

 

中国の戦略は西側の切り崩し

・高橋:政治の観点では今日でも(合従連衡策は)通用する話ですね。

石平:十分に通用します。この故事が21世紀の我々に伝える最大の教訓とは、現代の秦である中国の連衡策に乗せられて西側の団結が乱れたら、災いが我々全員に降りかかってくるということです。

 

どの国も本音は中国はATM

・石平:特にアフリカ諸国の首脳はみんなわかっています。彼らにとって習近平は自動ATMのようなものなので、暗証番号まで知っている。すなわち、「1つの中国を支持する」「台湾独立に反対する」という暗証番号を入れたら、中国からどっとお金が入ってくるのです

 

中国にロシアとウクライナの仲介は不可能

・高橋:もともと中立的ではない中国に、ウクライナとロシアの仲介役などできやしません。

 

平和が破壊される確率は高い

戦争のリスクを避ける「平和の3要件」>

・高橋:「民主主義国は戦争しない」という非常に素朴な理論です。哲学者のカントの主張にも通じています。

 

・高橋:統計分析の結果、まず平和を保つ要素には3つあることが明らかになりました。「自国と相手国の民主主義度を高くすること」「相手国との相対的な軍事力の差を小さくすること」「有効な同盟関係を結ぶこと」です。そのうえで、各要素ごとに戦争のリスクを避けられる確率を出すと順に33%、36%、40%となりました。

 この3つの要素は「平和の3要件」と呼べるでしょう。

 

軍事力のアンバランスが戦争を誘発

・高橋:互いの国の軍事バランスが取れなくなってくると、均衡状態が崩れて戦争発生のリスクが高まってしまいます。

 

子供でも分かる強者の論理

・高橋:最後の「有効な同盟関係を結ぶこと」は2つの国が同盟関係を結べば他国から攻撃される可能性が低くなるということです。

 

日米同盟の強化につながった安倍首相の平和安保法制

・高橋:安倍首相は多大な労力をかけて平和安保法制を制定しました。それによって米国との間での集団的自衛権の一部を実現したのです。集団的自衛権は同盟を強くするための基礎なので、平和安保法制によって日米の同盟関係が強化されたことになります。

 

ウクライナが侵攻されるのは必然だった

・高橋:米国との間で核シェアリングまですると、かなり強くなります。だから私は安倍首相に「核シェアリングをしてください」と言ったのです。今のところ、残念ながら核シェアリングは実現していません

 

憲法9条改正で軍隊ができれば日米は完全な同盟となる

・高橋:私は平和安保法制は日本の戦争の確率を減らすと一貫して説明してきたし、巻き込まれ論の人には「巻き込まれるのではなく、強い国と組んだらちょっかいを出されることがなくなる」という言い方をずっとしてきました。

 

米軍原潜を買うか借りるか

・高橋:日本の核シェアリングのいちばん簡単な方法は、退役した米軍の原潜を日本が買うか借りるかだと思います。原潜を自前で開発するのはすごく大変なので、退役した原潜を買うか借りるのが合理的なのです。借りる場合は乗員込みで借りればいいでしょう。

 

崩壊の道しかない中国は台湾有事を起こす

・石平:かつて鄧小平は、改革開放で経済を発展させようとしたのです。ある程度は成功するのではないかと思われた矢先、習政権が出現して改革開放は逆行してしまいました。それで今や中国経済は落ち込んでいます。

 

・石平:しかし習近平は鄧小平路線を止めて、かつ中国経済を先祖返りさせているのです。

高橋:そのお陰でわかりやすくなったじゃないですか。だから、これからは中国には本当に崩壊する道しかなくなってきました。こういうときには海外に活路を求めるしかなくなるというのが人類の歴史なのです。

石平:中国は台湾有事を起こすということですね。

 

台湾が「戦わずして負ける」可能性

突然全面的に大転換した中国の農業政策

・高橋:台湾有事ですね。今は「台湾有事がいつ起こってもおかしくない」と言う人も増えてきました。

 

・石平:前提から話すと、胡錦涛政権時代から農耕地の開発をやりすぎて自然が破壊され大洪水などが起こるようになりました。そこで今から20年前に始められた政策が「退耕還林・還草」(農耕地を森林・草原に戻す)です。あちこちで農耕地をやめて森林に変えていくというもので、これによって再び緑地が増えていった。

 また、当時は穀物をつくっても全然お金にならなかったため、お金になる換金作物の栽培も奨励されたのです。それで農民は田圃を潰して花を植えるなど経済価値の高いものをつくるようになり、現金収入も増えていきました。

高橋:緑化で地域の災害を防ぎ、農民の所得を増やすというのは真っ当な政策ですよね。

石平:ところが、23年になって突然、習政権は全国で退耕還林・還草とは正反対の「退林・退草還耕」政策を全面的に始めたのです。今まで植えた木を全部伐採して再び農地に戻させ、農民たちは、今までつくってきた換金作物を全部捨てさせられ穀物の米や小麦をつくらされることになりました。しかも、かつての大躍進政策と同様に行政命令によって強制的にやらされています

高橋:大躍進政策は、毛沢東の主導で1958年に実施した鉄鋼、農作物の大増産運動ですね。しかし餓死者が2000万人前後も出たとされ、大失敗に終わりました。

 

・石平:となると、ただでさえ農村は貧乏なのに、換金作物が禁じられてますます貧困化してしまいますね。

高橋:貧困化はどんどん進むでしょう。共同富裕どころか、まさに共同貧乏ですよ。

 

戦争に備え食糧輸入を拡大

・石平:習政権が退林・退草還耕を実行する理由に挙げているのが食糧の確保、つまり食料安全保障なのです。

 

・石平:中国は爆食しているのだから食糧を止められると非常に苦しい。それで国内は食糧危機に陥る危険性があります。

 

自衛隊、1個師団全滅という危機 ⁉

共産党エリートの最大の悩みは海外の個人資産の凍結

・高橋:中国人は、家族とか資産とか個人的なところが弱い。中国に対しての制裁では個人的なところを突くことが欠かせません。米国は金融の力が強いので資産凍結もできます。

 

・高橋:死活問題の前では祖国統一の大義名分などどうでもよくなります。だから、みんなの目の前のお金でけっこう動くことがあります。台湾人にとっても食うことが優先されるという話をしました。中国の本土の人だって同じ。食うためにはお金が何より大事なのです。

 

それでも最後に勝つのは民主主義

・石平:台湾有事になると日本にも戦争が迫ってきます。それなのに日本の政界や経済界には危機感があるようには見えない。

高橋:防衛費をGDPの2%に上げるというところで政界には危機感が出始めています。

 

・石平:民主主義には何をやるにも時間がかかりますね。

高橋:仕方がないですね。民主主義では物事はゆっくりゆっくり進み、しかも障害を1つずつクリアしていかないといけません。しかし、民主国家のほうが、経済成長も達成でき、戦争を妨げる可能性が高いのです。

 

<おわりに>

今世紀に入ってから多くの日本人が中国崩壊論を唱えるようになった。特に勢いを増してきたのが2010年をすぎてからである。

 

とすれば中国崩壊論が現実味を帯びてくるのはまさにこれからだと言える。それでも何せ巨大な国だから崩壊まで短い期限を定めるべきではない。少なくとも10年くらいは時間的な余裕を持たせておいたほうがいいと思う。

 

ウクライナ戦争を見てもわかるようにウクライナ人が必死に戦っているからこそ、軍事同盟を結んでいないため派兵できる国はないものの、多くの国が兵器や支援物質をどんどんウクライナに送っているのである。同様に日本人が頑張らないと米軍が来るはずがない。

 だから自衛隊は単独で人民解放軍と戦うことになる。それで自衛隊が1個師団くらいの犠牲者を出したときに初めて、日本政府の求めに応じて米軍が参戦することになる。1個師団の兵力は数千人だ。

 なお、中国には自国が崩壊する前に台湾を併合するというインセンティブも生まれ得る。台湾併合で中国経済も多少は持ち直すかもしれない。台湾有事は中国経済とも深く関係しているのである

  

 

(2020/8/28)

 

 

新型肺炎 感染爆発と中国の真実』

中国五千年の疫病史が物語るパンデミック

新型コロナウイルスはなぜ中国で発生し拡大したのか

黄文雄  徳間書店  2020/2/29

 

 

 

2020年1月末の春節から感染が拡大し続けている

・私は、今回の新型肺炎の世界的流行は、独裁国家が国際的な影響力を持つことのリスクが表面化した事態だと考えている。独裁国家にとって、情報統制は必要不可欠なものだ。

 

新型コロナウイルス「COVID-19」が中国で発生、拡大した歴史背景とは

・中国発パンデミックを警告し続けてきた著者が、疫病の発生・拡大を繰り返してきた中国五千年の社会・政治・民族的宿痾を解説。世界の歴史を動かしてきた中国疫病史をもとに、新型肺炎感染拡大の行方と影響を分析する。

 

・私は2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)が世界的流行を見せた際、『中国発SARSの恐怖』(光文社)という書籍を上梓し、中国の隠蔽体質や事実捏造を告発した。本書の執筆にあたり、17年前のこの著書を読み返したが、当時の中国政府の対応は驚くほど今回と酷似している。

 

私は、今回の新型肺炎の世界的流行は、独裁国家が国際的な影響力を持つことのリスクが表面化した事態だと考えている。独裁国家にとって、情報統制は必要不可欠なものだ。為政者にとって都合の悪い情報は絶対に出てこない。

 

・だが、このような体質が、中国国内はもとより世界への感染拡大を招いている。中国人も世界の人々も、中国共産党の被害者なのだ。だが、情報統制をやめれば、それは一党独裁の終わりを意味する中国共産党にとって、言論の自由は絶対に容認できない。いまなお1989年の天安門事件すら公には語ることができないという事実が、それを証明している。

 

本書では、中国が歴史的につねに疫病の発生地であったこと、その感染拡大が世界の歴史を大きく動かしたことについても解説している。なぜ中国から拡散した疫病が厄介なのかということについても、歴史、民族性、文化、政治など、さまざまな観点から考察している。

 

感染拡大が止まらない新型肺炎の脅威

・そもそもウイルスとは、生物の細胞内でのみ増殖する感染性の病原体である。植物性ウイルス、動物性ウイルス、細菌ウイルスと感染する生物ごとの分類と同時に、遺伝情報である核酸によってDNAウイルスとRNAウイルスに分類される。

 コロナウイルスは人や鳥などに感染する動物性で、冬の軽い鼻風邪の原因となるものなど、従来からいくつかの種類の存在が知られている。有名なところでは広東省で発生し、2003年にはアジア各国に感染が拡大したSARS(重症急性呼吸器症候群)や、2012年に中東で発生し、韓国にまで拡大したMERS(中東呼吸器症候群)などが挙げられる。

 SARSのときは、野生動物を食べる習慣のある中国・広東省が発源地となった。ウイルスの起源として、当初はハクビシンが疑われていたが、その後の調査で、自然宿主はキクガシラコウモリだということが判明し、そのフンを媒介してほかの動物に伝染し、それが人間に感染したことが判明している。

 一方、武漢肺炎では、武漢の華南海鮮卸売市場がウイルスの発生源とされた。この市場では、通常の加工肉のほか、鶏、ブタ、ヒツジなどに加えて、ロバ、ラクダ、キツネ、アナグマ、タケネズミ、ハリネズミ、ヘビといった動物が食用として生きたまま売られていたという。

 

やはり中国は情報を隠蔽していた

・しかし、武漢で最初に原因不明の肺炎患者が報告されたのは、2019年12月8日だったが、当局はそのことを公表せず、12月30日に内部文書がネットに流出したことで、ようやく新型の肺炎が拡大していることが噂にのぼるようになったのである。

 しかも新型肺炎の情報を流したネットユーザー8人が、「デマを流した」ということで警察当局に逮捕されている。

 

中国で疫病が発生、拡大する9つの理由

・加えて、中国ならではの事情が、歴史的にかの国を疫病の発生源にし、また、世界中にパンデミックを拡散し、歴史を変えてきたといえる。その理由や原因については本書で述べていくが、項目をあげると以下のような点になる。

①  希薄な衛生観念

②  儒教からくる家族主義・自己中心主義

③  ニセモノ文化

④  多すぎる人口

⑤  何でも食べる食文化

⑥  農村などでの人畜共棲

⑦  秘密主義、情報隠蔽

⑧  皇帝制度、一党独裁

⑨  不完全な医療制度

 

・もちろん、ニセモノ業者がニセモノをつくるのは儲けるためであるから、そのニセモノによってどのような被害が出ようと知ったことではない。だからニセ薬による死者が多発するのだ。

 水道水が飲めない中国では、ミネラルウォーターを購入する家も多いが、得体のしれない湧き水や川の水を汲んで入れただけのニセモノも多い

 

・また、中国では人口増加を抑えるために、1979~2015年のあいだ、一人っ子政策を行ってきた。子供を二人以上もつと罰金や昇給・昇進の停止などといった罰則があるため、二人目の子どもが生まれても出生届けを出さなかったり、人身売買業者に売ったりしてしまうことが頻発した。

 こういった子供は戸籍をもたない「黒孩子(闇っ子)」と呼ばれるが、当然ながら、医療は受けられない。中国政府はこうした黒孩子の数を1300万人と推定し、彼らに戸籍を与える制度を推進しているが、実際には把握できていない黒孩子の数も多いとされている。こうした黒孩子の存在も、疫病を拡大させる一因となっている。

 

・2003年にSARSが流行した際には、ウイルスの宿主であるキクガシラコウモリから感染したハクビシンが市場で売られ、それを食べた中国人が感染したと考えられている。

 また、MERSもヒトコブラクダから人に感染したとされているが、中国の食品市場ではこうしたラクダも売られている。

 

とくに現在において、中国共産党は「絶対無謬」の存在であり、憲法でもすべてを「党の指導に従う」と明記されている。その絶対無謬の共産党にとって、「疫病被害の拡大を防げなかった」という失態は、絶対にあってはならないし、あっても人民に知らせてはいけないことなのだ。だから実態は隠蔽しなくてはならない。それが中国の「国のかたち」なのである。

 

・そして、⑨についてだが、儒教の影響が現在も色濃い中国では、医師の社会的地位は非常に低い。たとえば、日本と台湾では、通常、成績がいい学生が大学の医学部へ進むが、中華の世界ではまったく逆で、成績の悪い学生が医師になる。だから、中国では現在も医者は軽んじられる存在なのだ。

 

・さらに、中国の医療保険制度はまだ未整備状態で、基本医療保険加入者は都市・農村合わせて8億7359万人(2017年末)であり、約5億人がまだ未加入である。

 加入者にしても、たとえば北京市では診療費の自己負担率は45%と高い。とくに農村部の農民や都会で働く農民工は、掛け金を惜しんで加入していないケースがまだまだ多く、加入していても、前述のような自己負担率の高さから、病気になっても病院に行かないことが多い。そのため、疫病が拡大してしまうのだ。

 以上のように、現代中国には「闇」の部分が数多く存在し、それが結果的に疫病の発生と拡大を招いているのである。

 

各国の対応と遅すぎる日本の処置

・訪日中国人も、2003年は44万9000人だったものが、2019年は959万4300人と、こちらも20倍以上に伸びている。

 世界のグローバル化、そして中国人が豊かになるにつれ、中国人海外旅行者数は年々増加している。

 

中国人の衛生環境

衛生管理がよくない地域からさまざまなウイルスが各都市へ運ばれて蔓延する危険性は、なにもいまに始まったことではない

 そのなかで、ウイルス感染の主因とされているのが、食用の野生動物である。

 

・2003年に流行したSARSの場合も、野生動物を好んで食べる習慣がある広東省から感染者第1号が出て拡散した。卸売市場には「家禽蛇獣総合市場」があり、50種を超える食用動物が生きたまま売られている。

 それから17年後の2019年末に発生・拡散した新型肺炎も、感染源とされる華南海鮮卸売市場から新型コロナウイルスが多数検出されており、ここで売られていた野生動物から人へと拡散したことがほぼ裏付けられている。

 

・加えて、中国の公衆衛生において、大きな問題となってきたのがトイレである。中国式の公衆トイレといえば、扉も囲いもなく、隣でしゃがむ人と顔を合わせるため、「ニーハオ・トイレ」と呼ばれてきた。また、水洗ではなく、いわゆる「ボットン式」が多いことから、外国人には非常に不評であった。

 上海では、1988年に約30万人がA型肝炎にかかったことがある。これはA型肝炎にかかった人のウイルスが排泄物とともに垂れ流され、それを食べた魚介類をさらに人間が食べたことで被害が拡大したといわれている。

 

・また2015年には、日常業務で人民元札を数えている銀行員が、手を洗わないままトイレに行ったことで、性病に感染するという事件もあった。露天の公衆トイレなどでは、手を洗う場所がないところも多く、紙幣を媒介にしてさまざまな菌が全国に運ばれていると考えられている。

 とくに、農村部では人と家畜の排泄物の衛生問題が深刻化しており、農村部で発生する伝染病の8割が糞便や飲料水が原因とされている。

 そこで習近平国家主席は2015年から国家観光局に指示し、観光都市にきれいなトイレを整備する「トイレ革命」を行ってきた。2015年から2017年にかけて16億4000万元を投じて、観光地などのトイレ7万カ所以上を新築・改修。さらに2019年には70億元を投入して全国3万の村で1000万世帯のトイレを改修する計画を打ち出した。

 

台湾をWHOから排除する中国の姑息

・もちろんWHOのこうした態度の裏には、台湾をあらゆる国際組織から追放することを公言している中国政府の力が働いている。中国は「あらゆる国際組織」、台湾が加盟するスポーツや文化に関する国際組織でも、台湾の名義を恣意的に改名させている。

 

・だが、前述したように、パンデミックは中国だけの問題ではない。むしろ政治的理由で感染国を国際機関から除外する姿勢こそが、感染を拡大させている元凶なのだ。

 

言論統制の国としての歴史と実態

・2003年のSARS隠蔽をめぐる世界の非難と共産党内部の力関係の変化もあり、新型肺炎の流行にあたって、あからさまな嘘だけはなくなった中国だが、それでも国民は政府の言うことを信用していない。

 

・そしてそれは、悲しいかな、中国を抜きがたい人間不信社会へと育ててきた。国民は政府も国内のマスコミも信用しない。政府も国民を信用しない。だから、政府に不利になるような報道はしない、させない。この悪循環が繰り返されている。中国ではネットですら指導者批判は禁じられていて、指導者支持の発言は、実は批判の裏返しだとさえいわれている。

 

中国政府の情報隠蔽体質が絶対なおらない理由

1、    銃以上に人心を掌握することが重要だが、この国の場合、その人心掌握と人間操縦をする手段が、情報統制によるマインドコントロールなのである。

2、    「民は之に由らしむべし、之を知らしむべからず」というのが、孔子以来の伝統的な愚民政策である。

3、    中国人の思考様式のもっとも典型的なパターンが「戦略的」であること。

4、    中国は人間不信の社会であり、極端な場合は夫婦でも互いに信用しない。

5、    中国は軍事絶対優先の社会であり、教育も衛生も置き去りにされている。

6、    現体制の権力構造は、利益誘導型にして政策迎合型。かつての「大躍進」時代の数字捏造がいまでも続いている。

7、    中国の民族性のもっとも大きな特徴の一つは、「馬々虎々(マーマーフーフー)(でたらめ)」といわれるいい加減な性格で正確性が乏しく、しかも誇大あるいは夜郎自大の傾向があることだ。

 

 以上、述べてきた七つの理由から、私は、中国の情報隠蔽の体質は、少なくとも21世紀中に改善されることは絶対にありえないと断言するのである。

 

中華の中原は世界の疫病拡散地

・中国における疫病の流行は、中華帝国の歴史よりも長い。有史以前あるいは信史(確実な歴史)以前から、中国には疫病が存在していたのである。

 

・これだけ長い疫病の歴史をもつ中国だが、医療衛生が制度化されたのは、なんと20世紀になってからのことである。清末、立憲君主制への移行を目指す変法派の官僚によって、義和団事変以後の1902年に天津に衛生総局が設立されたが、医療衛生制度化の始まりだった。

 やはり、この当時も疫病が大流行しており、その対策のために医療が制度化されたのだ。このときはやっていたのはペストである。

 

・1918年秋、全世界でインフルエンザが猛威をふるった。通称「スぺイン風邪」と呼ばれたそれは、1917年に中国の南方で発生したものであり、最初は中国に駐在していたアメリカ人が感染し、ヨーロッパに従軍後に発病したことでフランス軍が感染し、その後ドイツ軍にも感染、そして全世界に拡散されたものであった。 

 感染者は5億人以上で、当時の地球の人口の20~40%にも達し、感染からわずか4カ月で2000万人が死亡した。最終的な死亡は5000万~1億人、死亡率は約2.5%であった。

 

・インフルエンザの病原菌は、1933年に確認されたものの、現在に至っても有効な治療薬はまだ開発されていない。

 中国では、1930年に国際連盟の援助を受け、政府が各海港に設けていた検疫機構を接収し、検疫権を得て対外的な衛生管理を「制度化」した経緯がある。しかし、近代になっても、中国は疫病の拡散地のままでありつづけている。

 国内で疫病を発生させては、周辺諸国、そして世界へと疫病をばらまいているのだ。19世紀末にはペストやコレラを、中華人民共和国成立後の1950年代にはアジアインフルエンザを、1960年代には香港インフルエンザをまき散らしてきた。

 ことに香港インフルエンザは、世界的に大流行し、それによる死者は計400万人にものぼった(アジアインフルエンザでは死者約7万人)。そして2000年代に入ってからはSARS、鳥インフルエンザ、さらに新型肺炎の拡散である。これまで、中国がいったいどれだけ世界に伝染病を拡大してきたかは、人類の疫病史が如実に物語ってくれている。

 

中国の疫病による死亡者数は「無算」

・日本ではやった疫病の多くは、中国から渡ってきたものである。元寇の襲来以来、日本は中国からくる伝染病にしばしば悩まされたものだった。

 

中世ヨーロッパを襲ったペストの伝染病は中国だった

ヨーロッパにとっても中国大陸にとっても、歴史上もっとも大きな悩みだったのは黒死病(ペスト)の蔓延だった

 

・その後、ヨーロッパの人口は社会の成熟とともにだんだん増加していき、1300年には7300万人にまで膨れ上がった。中世ヨーロッパ社会は、これから迎えるべき大航海時代に向けて、すべてが順調にいっていたかのように見えた。

 しかし、ここでヨーロッパの人口が激減する出来事が起こる。1348年のペストの大流行である。あっという間にヨーロッパを襲った恐るべき伝染病ペストは、1351年までの3年間で、人口の3分の1を死に至らしめたのである。

 ヨーロッパに大打撃を与えたペストが、ヨーロッパに伝わった経路については諸説あり、北インドから伝わったという説もある。しかし、もっとも現実的で有力な説は、中国大陸から伝わったという説だ。

 まず、中国の南宋王朝で流行し、それがモンゴル軍へと伝わった。

 

・近代に大流行したペストの発源地は、中国の雲南省がほとんどだった。1855年雲南軍の反乱を征伐した清国軍は、ペストについてはまったく無知であったため、感染した状態で帰還した。

 

海を渡って大陸から日本へやってきた大疫

・どちらにしても、歴史を振り返れば、疫病は中国からやってくるものと考えていいだろう。その証拠に、古代日本では、中国や朝鮮との窓口になっていた福岡の大宰府が疫病の発源地だった

 

戦後の台湾を急襲した中国の「疫病神」

国府軍が入ってくる前から、台湾人はすでに日本統治時代を通じて衛生観念をもっていたが、野卑な中国人は衛生観念などという近代的なものはもちあわせていなかった。そんな中国人が台湾に入ってきたことから、疫病はいっきに全島に拡散したのである。

 台湾ではすでに絶滅していたコレラ天然痘、ペスト、チフスマラリアなどといったあらゆる伝染病が、中国人と一緒に再び台湾に入り、爆発的に広まったのだ。このときは、国連の指導と救援で、なんとか疫病撲滅に成功したが、被害はじつに大きかった。

 

水・旱・疫・蝗の循環が中国の歴史をつくった

・日本の歴史上の大規模な自然災害といえば、地震か台風が多かった。天明の「大飢饉」のような飢饉が起こったこともあったが、その原因は火山の噴火によるもので、ごくまれな例である。

 一方、中国や朝鮮半島では、飢饉が周期的に起こっており、中国ではそのつど数万から数百万、場合によっては1000万人以上の餓死者を出していた。

 これは、島国である日本と大陸である中国との、自然条件の違いからくるものだろうか。もちろん、中国でも地震、雹、大雪といった天災もよく見られるが、それよりも頻繁で被害が大きいのは水害、旱魃、大疫、蝗害である。

 この四つは周期的に、そして連鎖的に起こるものである。水害のあとは疫病が大流行し、旱魃に見舞われれば、蝗が異常繁殖して人に害を及ぼすというように、悪循環の繰り返しである。

 

前1766~1937年までの3703年間のうち、中国で起こった水害、旱魃、蝗害、雹、台風、地震、大雪などの天災は、合計5258回もあっという。

 これを平均すると、6カ月に1回の割合で何かしらの天災が起こっていることになる。旱魃だけでも、3703年間で1074回も起こっており、平均3年4カ月に1回の割合である。

 

疫病史が語る中国歴代王朝衰亡の悲劇と惨状

・世界史における文明衰亡の原因は、異常気象による自然災害の発生か、あるいは疫病の大流行ということが多い。ことに中国史では、「大飢」や「大疫」によって王朝が滅亡するという例が多い。

 

・そして、中華帝国の人口は、1200年には1億3000万人といわれているが、ペストの大流行によって、1331年の時点ではその3分の2が失われてしまった。さらに1393年には6000万人にまで減少し、最盛期の人口の約半分になっている。

たしかに、元来のユーラシア大陸では、全体的に異常気象が続き、大疫病と大飢饉が猛威をふるっていた。これらによる被害と食料危機が、元の衰亡を決定づけたのである。

 

・西ヨーロッパでペストが猛威をふり、4000万人の人々が倒れたのも、モンゴル帝国がペストに苦しんでいたころとほぼ同時期の14世紀であった。

 

明王朝滅亡の原因は連年の大疫だった

孤立無援の皇帝に追い打ちをかけた疫病

明王朝の衰亡は、万歴の時代からそうなる運命だと決まっていたともいわれている。明王朝は、崇禎帝が嘆いていたような政治腐敗のほかに、「大疫」や「大飢」に間断なく襲われ、病死者や餓死者があふれていた。流民、流賊、流寇も暗躍していた。

 このような社会背景があったからこそ、李自成は農民軍を引き連れ北京に入城することができたのである。

 明王朝末期の万歴・崇禎の間(1573~1644年)、華北地方では疫病が猛威をふるい、少なくとも1000万人の死者が出た。ペストや天然痘コレラが主だったという。明王朝は、この大疫によって倒れたのであり、清に滅ぼされたわけではなかった。

 

中国を待つ大破局の悪夢

・中国はいま、人口過密と過剰開発によって自然が崩壊しつつある。山河の崩壊ぶりは前世紀以上に加速度的なものであり、黄河の断流や長江をはじめとする各大水系の大洪水が頻繁に起こっている。

 

清朝末期と多くの点で共通する中華人民共和国新型コロナウイルスの出現は、中国崩壊の予兆となる可能性が大きい。

 

疫病の猛威が突きつける中国の文明史的課題

中国発疫病への警告が現実に

・著者は、2003年のSARS騒ぎの際にも、「今回のSARSをきっかけに中国人の衛生観念が改善されなければ、今後また同じことが繰り返されるだろう。これは、中華文明の大きな課題のひとつである」と書いたが、結局、新型肺炎というさらに強力な疫病の発生と拡大を招いてしまった。

 

<世界は中国を切り離しはじめた>

<あらためて確認されたチャイナリスク

・すでに米中貿易戦争で進んでいた各国の脱中国が、さらに加速していくことは避けられない。

 

<外国企業にとっては中国撤退の好機となる可能性>

中国経済の致命的な弱点が一挙に露呈>

・共産圏には絶対にないといわれた売春も、いまでは中国大陸のどこでも盛んであり、人民解放軍のなかにさえホステスや売春婦がいるという。

 さすがの中国政府も汚職や不正行為の摘発に乗り出したが、いずれも一時的なもので終わっている。2012年に最高指導者に就任した習近平は、汚職追放運動を展開し、5年間で25万4000人の全国の公務員と、120人を超える閣僚級以上の幹部を汚職事件で立件したと強調している。

 

習近平政権は、今後、感染拡大を防ぐ方策を講じると同時に、経済上の大打撃と政治的な失策について対処しなくてはならない。まさに国家存亡の危機を迎える可能性がある。

 

<悲鳴があがる観光業界>

・中国の場合、立派な観光施設ほど外資との合弁や借金に依存しての先行投資であるから、この騒動が長引けば長引くほどその損失は大きくなる。2015年に習近平が「トイレ革命」の大号令を発したのも、海外からの観光客を増やすためだった。

 

<欧米を恐怖に陥れる新型コロナウイルスという名の横禍>

黄色人種の勃興で白色人種が禍害を被る……日清戦争が終わったあと、ドイツの皇帝・ヴィルヘルム2世が唱えた「黄禍論」。いわばアジア全体への差別的な感情で、以降も何度となく消えては表れてきた。

 新型肺炎をめぐる欧米諸国の反応も、この意識とまったく無縁ではないようだ。

 

<軌道修正を迫られる中国>

・ここ十数年、軍事力も経済成長も、中国政府の正式発表では驚異的な伸び率を示していた。それが中国国民の誇りと国家の威信に直結していただけに、新型肺炎による精神的、経済的打撃は大きく、国際関係も従来の強気一本から軌道修正を迫られることは確実である。

 

エマージング感染症人獣共通感染症

・21世紀の感染症を語るキーワードとして、「エマージング感染症」がある。これは、環境や生態系の変化などにより、人や動物の集団に突如として表れた感染症あるいは以前から存在していたものが急激に発生、増加、拡大する感染症であり、そのほとんどがウイルスによるものだ

 こうしたウイルスを「エマージングウイルス」というが、エボラ出血熱、ラッサ熱、SARS、MERS、そして今回の新型コロナウイルスもその一種ということになる。

 また、エマージング感染症以外に人獣共通感染症というキーワードもある。人獣共通感染症は、もともと動物にある細菌ないしウイルスがなんらかのきっかけで人間にうつり、生物学的、政治経済学的に大きな被害を起こす感染症である。

 エマージング感染症人獣共通感染症の両者には概念のオーバーラップがあるが、前者は病気出現の速度と様相を重視したもので、後者は動物間種を超える感染症を強調したものである。

 人獣共通感染症には古くから狂犬病、ペストなどがある。狂犬病、ペストは世界から絶滅したわけでなく、アジアでは日本、台湾など島嶼国のみが絶滅に成功しているが、インドや中国など大陸国では風土病として根づいており、WHOが引きつづき調査・監視している。

 比較的新しい人獣共通感染症には、マールブルグ病、エボラ出血熱ハンタウイルス肺症候群鳥インフルエンザなどがある。

 

<「陰謀説」の裏側>

軍関係施設からウイルスが流出したという説は、SARSのときにもあった。

 

・真実がわからないにしても、疑惑の火が消えないことは事実だ。では、それはどこからくるかといえば、中国人のBC兵器への関心の高さだろう。中国毒殺史から見るかぎり、毒盛りは中国の歴史と同様に古い。戦場や宮廷内部をはじめ、日常生活でも毒盛りが盛んだ。毒殺は中国文化の一大要素と言って過言ではない。

 

日中戦争時、日本軍がもっとも悩まされたのは、中国軍がソ連軍から提供された細菌兵器による攻撃だった。当時の中国軍がもっとも常用していた生物兵器コレラ菌炭疽菌、腸チフス菌、パラチフス菌などである。もちろん、それらが使われるのは戦場だけではない。現在でも中国社会では、政敵、商敵、情敵に対する毒殺がはやっており、これによる死者は年間6万~7万人ともいわれている。ことに夫婦や三角関係の情敵に対する毒殺事件は多い。

 

・2002年9月には、南京の食堂で殺鼠剤中毒による死者40人を超える「南京大毒殺」が起こっている。この事件は当局の隠蔽工作もあり真相はよくわかっていないが、水道水にネコイラズが混入された疑いがあり、台湾では中毒被害者は1000人以上、死者も100人近く出たと報じられた。

 疫病が起こるたびにもちあがる「BC兵器説」は、中国の「毒殺文化」の理解からくる疑惑であると言えないだろうか

 

疫病が出たら村ごと「清郷」

・ところで、中国では瘟疫流行は日常的である。すでに史前からあり、甲骨文はその瘟疫の吉凶についての占いから生まれた神のお告げでもある。だいたいにおいて瘟疫はかわるがわるはやるので、もっとも手っ取り早い手段が「清郷(チンシャン)」だ。清郷は「村つぶし」として政治的解釈は多いが、疫病が発生する場合にも見られ、古代から現代まで続いている。

 清郷は山西や陝西などの西北地方に多い。村に瘟疫が発生すると、まず政府は情報を封鎖する。そして、人民解放軍が村を包囲して焼き打ちをかけるほか、村自体を地下深く埋める場合もある。手荒な方法と思われるが、中国は社会安定が最優先の国であり、それは民族の生存権を守ることでもあるのだ。

 

<同じことは何度でも起こる>

・つまり、中国は情報公開ができないということだ。国内の情報管理によって、ようやく国家としての存在が守られているからだ。公開すれば、それだけでも「亡党亡国」の危機に陥る。現在の中国は、まさにこのようなジレンマのなかにある。

 世界は、中国発の新型肺炎にどう対処して克服していくのか。その鍵は、まさに中国にこそある。

 同時に、新型肺炎が終息しても、中国の抱える問題が解決されたわけではないことを、世界は肝に銘じるべきである。中国がこのままの体制であるかぎり、同じことは何度でも起こる。

21世紀は人類が中国問題に直面する世紀となる」と私はつねづね主張してきたが、今後の世界は中国をめぐり、米中対立、香港・台湾問題、南シナ海東シナ海問題、ウイグル人の人権問題などに加え、疫病問題のリスクにも備えなくてはならないことが明らかになったといえるだろう。

 

<疫病拡散の温床となる中国の社会風土>

いまだに劣悪な中国の社会環境

・一方、中国人の寿命が短いのは、医療制度の遅れと改善されない生活環境、人体に被害を及ぼすほどの自然破壊など、さまざまな人的要因が挙げられる。

 

九大苦に蝕まれる中国農村社会の断末魔

 

・多くの農民は、都市に出稼ぎに行っている子弟の送金でなんとか生活しているのが現状だ。中国の農民には「九大苦」があるとよくいわれ、その苦痛は世々代々続いていく。農村の九大苦とは次のとおりである。

 一つめの苦痛(一苦)は、党の支配や、政府組織による搾取と略奪の構造だ。村役場に大量にあり余る党の役人を、農民が養わなければならない。

 二苦は、教育を受けるのが難しいことだ。

 三苦は、移動や移住が難しいことだ。

 四苦は、社会保障がないことだ。

 五苦は、時代や世界に関する観念が落後しており、変化についていけないことだ。

 六苦は、資源の欠乏である。

 七苦は、地域間あるいは同業間での意思疎通が難しいということだ。

 八苦は、創業や貯金が難しいことである。

 九苦は、つねに凌辱されているという悲哀だ。中国の農民は無学・無知であるがゆえに、優越意識をもつ都市住民によって差別され、蔑視されてきた。農民は、中国最下層の水呑百姓として凌辱されるべきで、不可触賤民として虫けらのように扱われているのだ。

 政府は、中国が目下抱えている最大の問題は農業、農村、農民問題の改善だと認めていながら、それを解決する手段を見つけられないでいる。これだけ、問題が深刻化してしまうと、さすがの中国共産党も手も足も出ないのだ。

 

死に神が手招きする「一窮二白」(すかんぴん)の中国農村

環境汚染がもたらす中国国民の自家中毒

・中国人は5000年の歴史を通して、絶えず自然環境破壊を行ってきた。そして、近年の改革開放路線がそれに拍車をかけ、凄まじい勢いで環境破壊が進んでいることは、すでに世界の常識となっている。

 北京では2000年代後半からPM2.5によって、昼でも真っ白なスモッグで視界不良となる日が年間を通して何日も続くようになった。

 

・大気汚染同様に中国社会で深刻化しているのが水質汚染や土壌汚染だ。こちらも工場排水が垂れ流されてきた結果だ。

 

新型肺炎での暴動を恐れる中国政府

その実態は、日本人が想像しているようなものでは決してないということを、日本人もそろそろ認識したほうがいいだろう。中国の農村は牧歌的なものではなく、役人の腐敗はもちろん、窃盗や強盗が跋扈し、農村対農村の殺し合い「械闘(かいとう)」も頻発している。

 

<儲けのためなら死者が出ても構わないニセ食品の商人>

・中国では、「無奸不成商」という格言がある。「奸悪でなければ商人にはなれない」という意味だ。これは中国人の自称であるが、中国に進出している外資ビジネスパーソンたちの多くが抱いている、中国商人観でもある。

 

<とまらないニセ薬の被害>

・人命に関わる可能性のある薬品でさえ、中国ではニセモノがよく売られている。台湾の観光客はよくニセ薬を買って帰るが、健康被害などが頻発するため、台湾政府は繰り返し注意を呼びかけている。

 

<疫病輸出国としての中国脅威論と崩壊論>

・中国脅威論や中国解体論は、現時点では現実性がないように思えるかもしれないが、歴代の中華王朝が繰り返してきた衰亡の誘因が重なれば、社会主義中国の体制崩壊も例外ではなく現実のものとなるにちがいない。新型肺炎も、そのきっかけの一つとなる可能性がある。

 

グローバリズムの終焉

・感染拡大だけではなく、各方面への影響が収束するにはかなりの時間を要するだろう。

 とくに中国経済の減速に拍車がかかることは避けられない。また、チャイナリスクを目の当たりにした世界は、中国離れを加速させていくだろう。

 ただでさえ、米中貿易戦争の余波から、西側諸国は中国との関係見直しや中国からの企業撤退、サプライチェーンの再構築を進めようとしていた。その矢先の新型肺炎の感染爆発である。

 

 

 

新型コロナウイルスは細菌兵器である!』

パウロ   ヒカルランド 2020/4/30

 

 

 

<衝撃検証  狙いはどこにあるのか? 

この世界的パンデミックは9.11同時多発テロ(2001年)と3.11東日本大震災(2011年)に引き続き、イルミナティカード(1995年発売)に完ぺきに予告されている「災厄」である!

 

終わりの日に向かって着々と歩をすすめる者たち!その計画は『聖書』が下敷きであり【イルミナティカード】そのほかで律儀にも予告しながら実行されている!

 

・メディアは武器だ!矢継ぎ早に伝えられる事件劇場。この刺激の中で正常な思考を奪われて、われわれが連れていかれるその先は大惨事世界大戦である!沈黙の兵器の巨大体系の中に叩き込まれても魂を明け渡してはならない!自らの魂の輝きに焦点し、学び、備えよ!

 

新型コロナウイルスパンデミックは何年も、何十年も前から計画されていた。その狙いは? 私たちの格闘は血肉に対するものではなく、主権、力、この暗闇の世界の支配者たち、また、天にいる諸々の悪霊に対するものです。

 

コロナ騒動は、やはり予告通りに起こされていた!

ディーン・R・クーンツの小説『闇の目』(1981年)とは?“武漢―400”というウイルスが登場!

・私は今心が騒いでいます。

  またしても悪の闇組織イルミナティは自分たちの邪悪な計画に従って大罪を犯したからです。

 人工的な新型コロナウイルスを研究所や化学工場爆破によって、中国武漢からばらまき、世界中を苦しめています。

 多くの人は3・11東日本大震災、あの大国難が人工地震と意図的な複合災害であったことを今でも知らないのです。

 今日もマスクをして道行く人々は、やがて時間とともにワクチン開発で終息するであろう今回の新型コロナウイルス騒動について、またしても気付いていない

 立ち止まって考えるべき重要なチャンスであるのに、全てを単なる陰謀論だと片付けてしまい、心に深く留めない。

 聖書預言では、こんな陰謀が世の終わりまで延々と行われると書かれているのです。

 

・本書で数々の状況証拠を提示したい。結論から言うと、今回の新型コロナウイルス騒動説は、サウジアラビア人男性から採取したウイルスをオランダ、カナダ経由で中国の産業スパイ3人が盗み出し、武漢ウイルス研究所で培養して遺伝子組み換え技術により毒性をさらにパワーアップさせたものです。

 

・本物の化学兵器は、細菌もすぐに消えて感染源も証拠も残らないのです。新型コロナ騒動は予行演習で、本当の生物化学兵器が2030年までに撒かれ、世界人口を現在の数から3分の1に人口削減したいようです。実にその数も聖書を真似た通りの想定数です。

ゼカリヤ13:8「全地はこうなる。主の御告げ。その三分の二は絶たれ、死に絶え、三分の一がそこに残る。」

 

・中国は、世界初の量子衛星打ち上げに成功済で、世界中で使われている数字ベースの暗号化を打ち砕くことが理論的に可能な強力な量子コンピュータの構築方法を研究していて、量子通信衛星の実現による電子的スパイ活動がまもなく可能になるまで成長しています。世界の軍事力を無力化されるまであと1年くらいでした。ですから、急ぎで闇組織は30憶人大移動の春節時期に合わせて、大混乱を招くように新型コロナをばら撒いたのです。

 

アングロサクソン・ショック

・「イルミナティ地球支配計画の目撃者による証言

これは新型コロナウイルスパンデミックが15年以上前から計画されていた有力情報です。イギリス人で長年、英国軍に勤務し、退役後はロンドン市で非常に高い地位についていた人物が、2005年6月にロンドンのシティでの上級メイソンたち25~30人の集う会合に出席しました。

 

・「第三次世界大戦が計画されている。それは核兵器生物兵器を用いた戦争となるであろうそれはまず初めにイスラエルがイランを攻撃することで戦争開始となる計画です。応酬として、イランまたは、中国のどちらかが、核で反撃するようにと仕向けられるでしょう。短期間での双方からの核攻撃の応酬のあと、停戦が持ち込まれるでしょう。世界中が恐怖と混乱の渦へと投げ込まれるでしょう。全てのことが彼らによって注意深く創出されるのです。緊張による極限状態が創り出され、全ての西側先進諸国で、厳しい社会統制、軍事統制を敷くことが正当化されるでしょう。そのための様々な準備計画が、すでに着々と各国で進行中です。核戦争の停戦中に、こっそりと中国で生物兵器をばら撒く作戦が計画されています。彼らは中国の国民を遺伝子的に標的にしたインフルエンザのようなウイルスを撒くつもりです。この生物兵器は初めは人種的に中国人をターゲットにばら撒かれるでしょう。これは山火事のように拡散するべく大量の中国人が罹患すべく計画されているのです」

 

・生物戦争はさらに広がっていくでしょう。西側諸国へと。拡散ルートは突然変異があるため予測不可能。そしてその結果、社会インフラは決定的に弱められるでしょう。これはほんの始まりにすぎません。このあと全面核戦争が引き起こされる可能性があります。つまり、第三次世界大戦です。破壊が広範囲に広がり、多くの命が失われるでしょう。以上のような事態の組み合わせにより計画されている人口削減は、現人口の50%減、とこの証言者は言いました。彼はこの数字が述べられるのをその会合で聞いたのです。まるでこの全てがまだ十分ではないかのように、この証言者は、「全ての準備は来る“地球物理学的できごと”を前提として配置されていっているようだ」と推測します。

 

・ホラーとサスペンス小説で名高い米国の人気小説家ディーン・R・クーンツ氏は、『ファントム』や『ファンハウス』など多くのベストセラーを発表しています。

 1981年の作品『闇の目』(The Eyes of Darkness)では、「武漢-400」(Wuhan-400)というウイルスに言及しています。39年も前の小説であるにもかかわらず、現在進行形の武漢から蔓延した新型コロナウイルス、そしてこれによる肺炎。現実とそっくりです。小説内容を抜粋すると以下になります。

 

・「ちょうど、そのころ、リ・チェンという中国の科学者が合衆国に亡命してきたんです。この十年の間の中国で一番重要で危険な細菌兵器のマイクロフィルムのファイルを持って。中国側はこれを“武漢-400”と呼んでいます。開発されたところが武漢市の近郊のRNAとDNAの実験室だったものですから、そう名づけられました。

 これはその武漢の研究室で作られた400番目の人工微生物の生存種なのです。武漢-400は完ぺきな兵器です。

 

・現在の低い死亡率や長い潜伏期間を持つ新型コロナウイルスと小説は違いますが、この細菌兵器の製造目的が以下の文章に表われています。

武漢-400にはほとんど細菌兵器を上回る重要な利点が他にもいくつかあるんです。まず、ウイルスに感染してからわずか4時間後にはもう、他人にうつせるキャリアになっている。これは驚くほど短い潜伏期間です。

 一度感染すると、24時間以上は生存できない。12時間で死亡するというケースも多い。殺人率は100パーセントです。だから生きのびることができない。

 中国人たちは、いったいどのくらいの数の政治犯に試してみたことか。彼らはこれに対して有効な抗体も抗生物質も発見することができませんでした」

 

・この細菌兵器は「中国人たちの政治犯」を粛清するため開発され、実用化されてきたと書かれています。しかし、この小説の日本語翻訳版ではなんと、中国が「ソ連」と置き換えられて、武漢が「ゴーリーキー」と書き換えられています。

 それにしても、偶然とは思えない。これと同様に他にも小説や映画に表れた新型コロナそっくりの内容がありますので、さらにご紹介します。

 

ロス・イルミナドスが生物兵器開発に関与⁉ 「バイオハザード」のケース

・2002年公開のアメリカ・イギリスの合作映画「バイオハザード」というホラー映画シリーズにも、一連の疫病騒動をテーマに順番通り犯行予告しています。

 ピンポイントにあらすじをご紹介すると、製薬会社アンブレラ社で働いていた特殊工作員のアリスは地下研究施設を警備する任務でしたが、ウイルス兵器の研究が極秘に行われているのに気付き実態を暴こうとします。

 ある日、ウイルスが漏れる500人の研究員が死亡したが、T-ウイルスにより生き返り、死者たちはゾンビ化します。

 アンブレラ社の開発した生物兵器T-ウイルスの蔓延で街がゾンビ化した市民で溢れかえる異常事態のため、この巨大企業がラクーンシティという街全体を封鎖します。

 また、映画の原作となったゲームシリーズの4作目「バイオハザード4」では、カルト集団「ロス・イルミナドス」がこの生物兵器開発に関与していたとされています。「ロス・イルミナドス Los Iluminados」の意味はイルミナティ」をそのままスペイン語にした言葉です

 

<イルミナティカードもパンデミックを予告!

ビル・ゲイツが深く関わっている⁉

ビル・ゲイツはネット動画配信のスピ―チで、「パニックになる必要はないがウイルス対策を始めるべきだ。なぜならもう時間がない」と言っています。

 そして、実際にホワイトハウスを訪ねて当時の大統領顧問ボルトンウイルス対策を取るべきと訴えていたようです。きっと、「もう時間がない」発言に込められた思いとは、近い将来の武漢発、新型コロナウイルスの感染拡大計画をよく知っていたのでしょう。

 なぜなら同じ闇組織の一員だったから。極秘情報は内部で幹部同士で相談して決めて共有します。ビル・ゲイツは過去に事もあろうに「ワクチンで人口削減できる」とまで不謹慎にも明言しています。子宮頸がんワクチンが不妊ワクチンであることを暴露していたのです。

 

イルミナティカードは彼らの計画の犯行予告!

・その日のことを事前に犯行予告していたのが、この武漢商貿職業学院の上空にコウモリが多数飛びかい、地を行き交うモンスターたちが描かれた気持ち悪い絵のイルミナティカードなのです。

 イルミナティカードは、闇組織によってつくられたカードゲームです。彼らは世界を卓にゲームして遊んでいる大富豪の連中です。富と時間を持て余すから、こんなことをしています。普通の精神ではないです。

 普通なら仕事が忙しくて、こんな危ない犯罪計画をやってられないし、もっとやるべき自由で明るい自分たちの楽しい時間があるはずなのに、悪いことばかり考えている。少なくとも1995年のカード発表時点で2020年に武漢から疫病発生、やがて死者多数と知っていたなら、それだけでも25年後を考えて大変気になるし、秘密を守り続けるのも疲れるし、夜も寝られないはずです。それを耐えて長年待ち望むから異常な精神です。カードは500枚以上。どれだけたくさんの悪さを秘密裏に考えているのでしょうか?

 ゲームには必ずルールがあるもので、彼らの定めた独自ルールは「今から自分たちのしようとしていることを人々に事前に知らせること」です。

 

コウモリが感染源とする論文とカード

・2020年2月15日、科学者向けのSNS「Research Gate」で一本の論文が公開されました。中国・華南理工大学のシャオ・ボタオ氏と同・武漢科技大学のシャオ・リーの連名で発表されたその短い論文は「The possible origins of 2019-nCoV coronavirus」と題されており、「武漢疾病予防管理センター(WCDC)」が、現在流行中の新型コロナウイルスの漏洩元ではないかと名指ししています。

 

・WCDCは、初期の感染者が集中していることから新型コロナウイルス感染の震源地と疑われている「武漢華南海鮮卸市場」と、わずか280メートルほどしか離れていません。

 論文によれば、この研究所では病原体に感染した実験動物や野生動物が飼育されており、その中には605匹ものコウモリが含まれていたという。

 これまでの研究で、新型コロナウイルスのゲノムは在来種のコウモリが保有しているコロナウイルスによく似ていることが指摘されています。研究所にコウモリが飼われているのは、ウイルスに特段強い動物のため、感染させることで長期保存や培養、各種の実験材料にふさわしいからのようです。

 

・また、WCDCは医療関係者への感染が最初に確認された病院にも隣接しているのです。

 武漢ウイルス研究所では2003年頃に流行したSARSを研究しており、SARSコロナウイルスを人為的に改変したキメラウイルスの作成も行われていたという。著者らは、新型コロナウイルスがこれらの研究所から流出した可能性もあると指摘する。この論文は現在、「Research Gate」から削除されており、アーカイブだけが残っています。著者らに何があったのかは不明です。

 

今回の目標3300万人の削減も失敗している!

研究所爆発のカードには武漢経済圏が描かれている!

・忌まわしい悪の枢軸イルミナティカードは、彼らにとって闇のバイブル。このカードには英語でLab Explosion「研究所爆発」と書いています。そして地図は武漢経済圏です。

 爆発の絵の中央部分、爆心の形は武漢と周囲に取り囲んだ隣接の街々を含んだ武漢経済圏の地図の縮図で形が同じです。探し物あてクイズのようですが、彼らはそうやって密かに楽しんでいます。

 カードは武漢研究所から爆発するぞという意味です。武漢市だけでなく周囲の街々も全部含めた地図がカード爆心と同じ形です。

 

コロナウイルスはエボラ、SARS、エイズなどの人工的混合でつくられた!

・以前、私の1冊目の人工地震本を見たレオ・ザガミなる自称イルミナティ幹部に頼まれて、英語でやりとりしながらヒカルランド社で彼の本を出版するように、つないであげたことがありますが、彼は、「日本は150年来、いつも彼らの組織の計画の邪魔をしている」と言っていました。彼だけでなく、闇組織の多くが日本を憎んでいるのがよくわかりました。

 ちなみに、私は普通のプロテスタント教会の牧師でメイソン・イルミナティ会員ではなく、闇組織に入れば有名な牧師となり、敵対者を巧妙に倒し、うまく金持ちになれる悪のルートまで縁あって知っていますが、今後も絶対に入りません。

 悪魔から一時的に利益を得て自分の魂を売ったら、後は永遠の地獄に落ちるからです。肉の欲目の欲、暮らし向きの自慢を通じて誘惑する悪魔に完全勝利した罪なき神の子、救い主イエス・キリストをほめたたえます。

 

・闇の反対勢力の陰謀に打ち勝って、日本の富士フイルム富山化学の製品アビガンが一般普及することを祈り願います。

 実はMERSやSARSの原因ウイルスは、今回蔓延中の「SARS-CoV-2」なる新型コロナウイルスと構造が似ています

 なぜなら、MERSやSARSを組み込んで最悪のウイルスを人工的に培養したからです。

 タイ保健省は2日、新型コロナウイルスに感染した中国人女性に、インフルエンザとエイズウイルス(HIV)の治療に使われる抗ウイルス剤を混合して投与したところ、症状の劇的な改善が見られたと発表しました。新型コロナウイルス感染者の症状はエボラとSARSに似て、エボラとエイズの成分もハイブリッドしていますですから、結論は、

 

新型コロナウイルス=MARS+インフルエンザ+エボラ+SARS+エ

イズ。

こうなると、あの武漢のカードに描かれた5色5種類のモンスターたちが成り立ちます。

 

まだまだ出てくる! 新型コロナ・パンデミックの犯行予告‼ >

漫画『カイジ』のギャンブル船エスポワール(希望の船)

・1996年2月。上京後、定職にも就かず自堕落な日々を過ごしていた伊藤開司(カイジ)は、ある日、金融業者の遠藤により、かつて自分が保証人になっていた借金を押し付けられ、法外な利息により385万円にまで膨らんでいることが知らされる。

 遠藤に誘われるままカイジは1か月後、負債者に借金一括免除のチャンスを与えるという、フランス語で「希望」の名を冠すギャンブル船「エスポワール」に乗り込む。

 

・この映画のカジノ船エスポワール号も、漫画の表紙のカジノ船も、現実のダイヤモンド・プリンセス号にそっくりです。

 

犯行予告するさらに6つの映画

・さて、新型コロナ攻撃に対する犯行予告はイルミナティカードだけでなく、治外法権のカジノ船ダイヤモンド・プリンセス号を模した賭博映画『カイジ』、ゲーム「バイオハザード リベレーションズ」そして以下の6つの映画にも表れていて、実はこれらすべての映画をミックスした複合災害だったのです。

 ちょうどかつての日本が東日本大震災のとき、地震以外に津波放射能、爆発火災、風評被害、訪日客減少、汚染水、停電、食料難、株暴落、会社倒産などなど複合的に災害が襲ったようにです。

 

<「カサンドラ・クロス」>

・あらすじは、細菌を浴びた過激派がヨーロッパ大陸横断列車へ逃れた。車内には伝染病が広まり、機密の漏洩を恐れた軍は秘密裏に列車をポーランドへ運び隔離しようとした。

 

<「ザ・クレイジーズ」>

・あらすじは、街に防護服に身を包んだ兵士たちが現れ、伝染病の発生を理由に住人たちを強制的に連行し始めた、包囲された街の話。告知画像には「狂気が感染する――ここは細菌兵器に襲われた街。」と書いています。

 

<「復活の日」>

・あらすじは、猛毒の新型ウイルス「MM-88」が東ドイツの科学者によって持ち出されマフィアの手に渡る。マフィアの乗った小型飛行機は吹雪に遭ってアルプス山中に墜落し、ウイルス保管容器は砕け散る。やがてMM-88は大気中で増殖を始め、全世界に広まった。

 

<「ドゥームズデイ」>

・あらすじは、死のウイルスが数百万人の命を奪った2008年から27年後に、再び同じウイルスが蔓延。その直後、政府は27年前にウイルスを封じ込めるべく隔離した街に、いまだ生存者がいる事実を知る。治療薬の存在を確信した政府は、リーダー率いる一流のスペシャリスト・チームを隔離した街に送り込む。

 

<「コンテイジョン」>

・2011年のアメリカのスリラー映画。高い確率で死をもたらす感染症の脅威とパニックを描く。あらすじはこうです。香港への出張旅行を終えたベスが、空港で電話をしながら時折咳き込んでいました。風邪の引き始めのようにも見えるが、その2日後に突然はげしい痙攣を起こして意識不明に陥る。彼女の夫であるミッチは彼女を急いで病院に連れて行くが、未知の病気で劇症型脳炎を発症しており、そのまま死亡してしまう。

 

<「ミッション:インポッシブル2」>

・あらすじは、バイオサイト製薬会社の研究員である博士は、自身が開発した感染すれば20時間で治癒不可能となり死亡するキメラウイルスと、その治療薬であるベレロフォンを護衛のもとシドニーからアトランタへ旅客機で輸送するはずであったが、IMFメンバーに殺害され、強奪されてしまう。これに対しIMF本部はチームを組み盗り返す。キメラウイルスのキメラの語は、動物と人間が合体した偶像が多く出るギリシア神話に登場する生物「キマイラ」に由来する。

 

 

 

『日本と世界を知るためのファクト図鑑』

偏見や思い込みを排して世界を正しく解釈する!

佐藤優 監修   宝島社   2019/11/27

 

  

 

キリスト教イスラム教は近い宗教だからこそ対立する

・(思い込み):現在、キリスト教国とイスラム教国が激しく対立していることから、両方の宗教はまったく異なる特質を持つ宗教なのだろう。)

 

・(検証):(キリスト教イスラム教も聖典旧約聖書

キリスト教イスラム教にユダヤ教を加えた三つの宗教は、アブラハムの宗教といわれる。三つの宗教はともに中東に起源を持っており、預言者アブラハムを始祖と信じている宗教である。ユダヤ人はアブラハムの二人の息子の中のイサクの子孫であると主張する一方、イスラム教徒はもう一人の息子イシュマエルの子孫であると主張している。また、三つの宗教はともに旧約聖書聖典の一つとしている。

長年にわたる対立の歴史はいつ終わるのか?

・イランをはじめとする多くのイスラム教国で、イスラム教以外の多くの布教活動は禁止されている一方で、キリスト教ユダヤ教は信仰を認められている。もちろん、そうした国ではイスラム教徒以外に選挙権がないなど、イスラム教徒と同様の権利を有していないが、特別待遇にある宗教だと述べることができる。

 

死刑制度がある国は世界の約3割を占める

(思い込み):(近年、日本では死刑廃止問題について活発な議論が行われている。また、EUは死刑の廃止を宣言しており、死刑がある国は遅れた国である。)

(検証):2018年現在、198の国と地域のうちで142の国が死刑制度を廃止・停止している。その割合は全体の7割を超える。だが、逆の側面から見れば、3割の国がいまだに死刑制度を廃止・停止していないという事実がある。さらに、通常の犯罪のみ死刑を廃止した8カ国と、制度として死刑はあるが過去10年の執行がない28カ国を、死刑存置国の56カ国・地域と合わせると92カ国となり、完全廃止した106カ国に迫る数字となるのだそのため、死刑廃止が世界の時流といい切ることはできない。

 死刑廃止の是非は一概にいえない問題であるが、死刑を廃止しない国がこれほど多い理由を考えた場合、一つには宗教的な理由が多い。

死刑を望む国民感情 死刑を巡る心情的な問題

・死刑が犯罪の抑止力になるという主張がされているが、その実証性は低い。だが、犯罪によって肉親を失った家族が、犯人に対して死刑を望む感情は理解できるものがある。

 

世界でもっとも民主主義指数が高い国はノルウェー

(思い込み):(世界の国でもっとも民主主義指数が高い国は、やはりなんといっても民主主義の象徴といっても過言ではないアメリカ合衆国だろう。

(検証):(子どもの頃から国ぐるみで民主主義への関心を育てる

・そのランキングで長年1位に輝いているのは、民主主義の代名詞ともいえるアメリカではなく、実は北欧のノルウェーなのである。なお、2018年の結果ではアメリカは25位、日本は22位だ。

 それでは、ノルウェーのどのような点が民主主義的なのだろうか。ノルウェーの人口はわずか533万人と国の規模は小さいが、民主主義への意識は比べものにならないくらい高い。たとえば、ノルウェーの教育現場では、小学校から民主主義の大切さを教えるだけでなく、各政党が子どものための政策をつくっているため、高学年の生徒は選挙小屋と呼ばれる施設を巡って質問をしたり、レポートをまとめたりする。

 また、ノルウェーの8割以上の高校では、生徒会が政党の代表を招いて討論会を催すという。こうした子どもの頃から徹底した教育が、民主主義への関心の高さを支えているのだ。

政治参加のしやすさは日本とは雲泥の差

ノルウェーは選挙運動もユニークだ。ノルウェーでは選挙期間中、前述の選挙小屋が通り沿いに建てられる。選挙小屋はカラフルでかわいらしいデザインの小屋で、子どもから大人まで気軽に訪れることができる。

 

・また、選挙権および被選挙権は18歳以上と規定され、立候補の際の供託金もいらないので、なんとオスロ市議会には女子高校生の市議会議員ばかりか、高校生の国会議員候補までいるという。

 

先進国では就労後に学び直すリカレント教育が一般的だ

(思い込み):社会人になってから大学に入学して教育を受けるのは、日本だけでなく海外でも特殊な例である

(検証):(諸外国では一般的な社会人の大学入学

リカレント教育とは、スウェーデンの経済学者レーンが提唱した教育の概念で、生涯にわたって教育と就労を繰り返していく教育のことをいう。日本語では、「生涯教育」や「回帰教育」、「循環教育」などと呼ばれる。

 

・しかし、諸外国では日本人の想像以上にリカレント教育が普及しており、大学入学者の25歳以上の割合はOECD各国平均ですでに約2割に達している。一方、日本における社会人学生比率は1.9%に過ぎない。

日本でリカレント教育が定着しない理由とは?

・諸外国では、大学入学時の平均年齢も高い。アメリカでは大学入学年齢の平均は27歳で大学進学率は74%、ノルウェーに至っては大学入学年齢の平均が30歳で、進学率は76%となっている。18歳で大学に入学して22歳で卒業して就職するというのが常識となっている日本の大学入学年齢の平均は18歳(2017年)だという。

 この歴然たる差は、大学というもののとらえ方の違いから来ている。北欧では、高校を卒業したら、まずは経済的に自立することが最優先される。就職して社会経験を積んでから、資格取得やキャリアアップ、知的好奇心の充足のために大学へ進むのが一般的なのだ。しかも、大学の学費は自国民も留学生も無料だというから驚きである。

 

・また、リカレント教育が盛んな理由の一つに、離職のしやすさがある。リカレント教育が特に盛んなフランス、ベルギー、イタリア、スウェーデンでは「有給教育訓練制度」がすでに立法化されており、教育や訓練を受ける目的で一定期間離職することが認められているのだ。

 

アメリカは日本以上に学歴主義である

・(思い込み):自由と独立精神を重視するアメリカ社会では、どのような人であろうとも、実力さえあればチャンスは平等に与えられている

(検証):(アメリカの管理職のほとんどは高学歴

アメリカという国は実力主義の国であり、一人ひとりの人間が競争する社会であることは多く知られているが、実は日本以上の学歴社会である。個人の努力や実力以外の要素である学歴が人生における成功の鍵を握っているのだ。

 

アメリカの大企業の部長の最終学歴を表す統計によれば、大学院修了の人事部長は61.6%、営業部長は45.6%、経理部長は43.9%、四年生大学卒ではそれぞれ、35.4%、43.5%、56.1%となっている。2012年の日本における従業員500人以上の会社での役員の割合は、大学院修了6.3%、大学卒67.8%となっている。管理職と役員の比較であるので正確に対応してはいないが、それでもアメリカ社会において学歴がいかに重要であるかが端的に理解できる資料である。

ワスプから学歴重視へアメリカ社会秩序の変化

・かつてアメリカでは、「ワスプ(WASP」と呼ばれるアングロサクソン系の白人で、プロテスタントであることが社会的地位を築く上で、非常に重要なものとなっていた。その支配階級とも呼び得るワスプの師弟が通う学校が、ハーバード大、コロンビア大、プリンストン大などのアイビーリーグと呼ばれる名門校であった。

 

このようにアメリカ社会では学歴が重んじられ、どこの大学のどの学科を卒業し、どこの大学院や博士号を取ったかが社会的に非常に重要なものとなっているのである。こうした状況は、アメリカ社会が平等な社会に見えて、実は保守的なシステムを持つ社会であると批判されている原因となっている。

 

オーストラリアの国民の20人に1人は中国人だ

・(思い込み):(オーストラリアは移民国家として知られているが、その多くが欧米諸国の出身者で占められているはずだ。)

・(検証):(オーストラリアに絶大な影響力を振るう中国

・オーストラリアは、1970年代から、さまざまな文化を持つ人々が共存できる社会を目指す「多文化主義」の旗印の下で各国からの移民を積極的に受け入れてきた。2019年現在、オーストラリアの全人口の約29%が国外で生まれているという。その内訳を見ると、かつての宗主国のイギリスからの移住者ももちろん多いが、特筆すべきは中国からの移住者の割合である。

 2018年に発表された統計データによれば、中国からの移住者は2018年までの5年間で平均して毎年約7~8万人増加しており、2019年現在、中国からの移住者の総数は130万人にも上ると推測されている。オーストラリアの人口は約2500万人なので、全人口のおよそ5%、20人に1人が中国人ということになるのだ。

静かに侵食されているオーストラリア

・ところが、中国人の移住者が増えることは、オーストラリアにとってメリットばかりではない。多くの中国人が投資を目的にオーストラリアの土地や不動産を購入したことで、国内の住宅価格が高騰し、オーストラリア人が住宅を買いにくくなるという現象が起きているのだ。

 

アメリカにおける銃による死者は、独立戦争以降の戦死者を上回る

(思い込み):(アメリカは大規模な戦争を経験しており、多数の戦死者を出している。その数はアメリカ国内の銃による死者とは比べものにならない

(検証):(簡単に銃が買えるアメリカでは銃は自由の象徴の一つである)

アメリカは銃社会である。自衛のための銃の所有を国民に認めている国はアメリカ以外にもあるが、西欧の先進国といわれる国で、国民が銃を所持できる国はアメリカだけだ。

 アメリカにある政治発言の信憑性をチェックするサイトであるパンディットファクトの2015年の記事によると、アメリカの独立戦争以降の戦死者の数は約140万人であり、1968年から2015年の間にアメリカにおいて銃によって殺害された人の数は150万人を超えているという統計がある。この数字はアメリカがいかに銃社会であり、銃による犯罪が多発している国であるかということをはっきりと示すものである

 

・また、かつてはアメリカ市民であればスーパーでも簡単に銃を買うことができたため、アメリカの4割の家庭が銃を所持しているという統計もある。

銃規制を阻止する強力な圧力団体の存在とやまぬ銃犯罪)

・毎年驚くほどの銃による犠牲者が出ているのにもかかわらず、なぜ銃規制が進まないのかといえば、政治的・経済的・社会的に強大な影響を持つ全米ライフル協会(NRA)の存在があるからである。この協会の会員数は約500万人、多くの著名人が加入しており、莫大な資金力があるといわれている。NRAは銃規制に関する法案が提出されるとすぐにアメリカ全土の会員による署名運動を行い、反対運動を展開する。

 

アメリカでもすべての子どもが学校に通っているわけではない

・(思い込み):先進国は学校教育が基本。公立にしろ、私立にしろ、学校での教育が必要不可欠であり、それはアメリカでも変わらない

(検証):(教育は学校以外でもできるという考え方

アメリカにおいては50州すべてで、学校に通わずに親が家庭で勉強を教えるホームスク-リングという制度が認められている。

 アメリカ全土で2~3%、つまりは、50人に1人以上の子どもがこの制度の下で勉強しているという現状がある

 

・また、アメリカの大学入試では単に学力だけが問題とはならないため、どのような教育をどのように学んできたのかという点も重視されるが、ホームスク-リングを受けてきた子どもたちが、学校教育を受けてきた子どもたちに比べて入試が不利になるわけではないという点も重要である。

社会集団の中にいることで背負うリスクも存在する)

アメリカにおいて学校教育よりもホームスク-リングを行う家庭が少なからず存在している理由の一つとして、銃問題がある。

 

・このようにアメリカの学校は絶対に安全な場所とはいえず、しばしば悲劇的な事件の舞台となっている。そのため、危険な学校よりも子どもたちを自分たちで守ることができる自宅で教育を行ったほうがよいと考える親がいるのも理解できるだろう。

 

・また、日本にも同様に存在している問題として、いじめを理由としたものがある。なんらかの形でいじめを受けている学校で教育を受けている子どもが、いじめを受けている学校で教育を受け続けるよりも家庭内で教育を受けたほうが、学力が伸び、精神的にもよい場合が多々存在する。そうした理由によってホームスク-リングが選択されることもあるのだ。

 いずれにせよ、ホームスク-リングという制度がアメリカでは公的に認められており、そのことによって学力が伸びている子どもも間違いなくいることは事実である。

 

2050年に世界人口の40%が深刻な水不足に陥る

・(思い込み):温暖化で北極の水が溶け、海面水位が上がるほどなので、将来的に地球の水資源は豊かになるだろう。

(検証):(このまま行けば人類の4割以上が水不足に

・我々は普段、水道から飲料として、または生活用水として当たり前のように水を得ている。水は、人間の生活にとっても、生命維持活動にとっても、絶対に必要不可欠な資源だといえる。しかし、その水が、将来的には地球規模で不足するかもしれない。

 OECDの調査によれば、2000年時点で世界の水需要は約3600k㎥だったが、2000年から2050年までの間に製造業に使われる工業用水が+400%、発電用の水が+140%、生活用水が+30%ほど増加し、水需要全体で55%も増加すると見込まれており、その結果として2050年時点で深刻な水不足に陥る河川流域の人口が、世界人口の4割以上である39億人にも達する可能性があるというのだ。将来的に人類が水不足に見舞われるかもしれないという予測は、OECD以外にもユネスコアジア開発銀行なども発表しており、信憑性が高い。

安定的に水を供給できる体制づくりが急務)

・今後、地球上の多くの人々が水不足に陥ることになれば、それが紛争の火種になる可能性もある。実際に2010年からナイル川の水資源を巡ってエジプトとエチオピアが対立を続けている。人類は、今後数十年をかけて地球上のできる限り広い範囲に対して安定的に水を供給できる体制を整備する必要がある。

 

研究開発費の対GDP比率がもっとも高い国はイスラエル

・(思い込み):(研究開発費のGDPに対する割合がもっとも高い国は、もっとも研究開発費の高いアメリカだろう。)

・(検証):(研究開発に巨額を投じるイスラエルの真意

・国の研究開発費の多さを比べた場合、アメリカが毎年計上している額は5400億ドル以上に上り、約4960億ドルの中国と差が縮んだものの首位となっている(ちなみに、日本は約1760億ドルで3位。いずれも2017年の統計データによる)。しかし、研究開発費の対GDP比となると、その順位は大きく様変わりする。なんと首位は、イスラエルなのだ。イスラエルは、これまで研究開発費のGDPに対する割合がもっとも高い国に何度も選ばれており、2015年のデータによれば、研究開発費が対GDPの4.27%に上っていたという。

 研究開発費自体の規模は、2016年で130億ドル程度とアメリカや日本に比べればかなり少ないが、それでもイスラエルの人口がわずか902万人、国土面積は四国とほぼ同じ大きさしかないことを考えれば、イスラエルという国の予算がどれほど研究開発に傾斜しているかがわかる。

世界中から研究者が集まる新規事業国家)

・また、イスラエルは「新規事業国家」としてもよく知られている。つまり、ゼロからイチを生み出すスタートアップ企業を多く生み出しているのだ。あまり知られていないが、私たちの身の回りには、イスラエルで生まれた技術が溢れている。たとえば、VR、自動運転車画像認識チップ、ZIP圧縮技術、CT診断装置、USBメモリ、ドローン、プチトマト、3Dプリンター、レーシックなどは、実はイスラエル発の技術なのだ。

 そのため、イスラエルには世界中から優秀な技術者が集まっているだけでなく、多くのグローバル企業が最先端の技術を求めてイスラエルに研究拠点を置いており、今やシリコンバレーにも匹敵する技術力を誇っているといわれる

 イスラエルと周辺のアラブ諸国との間の緊張関係が続く限り、イスラエル国民は自分たちの国と民族を守るために、常に経済成長を続けて国力を維持しようと、小国ながらも人類の最先端を行く技術を生み出し続けていくのかもしれない。

 

世界のCO2排出量は減っていない

(思い込み):(国際会議の場でCO2削減問題が話し合われており、大気中のCO2量を減らすため、各国は最大限の努力をしている。)

・(検証):(急ピッチの工業化がCO2排出量を増やしている

・世界のCO2排出量は増加し続けているが、その一例として気象庁が2018年に発表した岩手県大船渡市三陸町綾里における統計を展示しよう。綾里での1987年度のCO2量は351.4PPMであったものが、2018年には412.0PPMと過去最大の数値となっている。

 さらに、ほかの観測場所においてもCO2量は増加し続け、過去最大の数値となっている。もちろん日本だけではなく、この状況は世界でも同様である。大気中のCO2は温室効果ガスとして作用し、温暖化現象や異常気象を引き起こす大きな要因である。

 

・では、なぜこのようにCO2量が増え続けているのだろうか。その原因の一つとして中国やインドといった国の急激な工業化を挙げることができる。先進国によるCO2排出量が規制によって少なくなっても、今まで多くのCO2を排出することがなかった国がCO2を大量に排出するようになり、世界全体では排出量が増えているのだ。この状況を打破するためには新興工業国のCO2排出量の削減が絶対的に必要となる。

十分な対策を取らずにCO2を大量に排出している国がネック

EUなどの先進諸国は地球環境問題に真剣に取り組み、CO2排出量の削減を行っているが、アメリカはトランプが大統領になってから、CO2排出量削減対策を放棄する方向に向かっている。

 さらに、中国、インド、ブラジルなどの新興工業国は急速な工業化のみを進め、環境問題を二の次にしている現状がある。

 

・だが、各国がエゴを押し通すことによってCO2排出量は確実に増加し、早急に世界的な対策を取らなければ取り返しのつかない状況に陥る一歩手前にあることを、我々はしっかりと理解しなければならない。

 

2100年以降は、人口は増えない

・(思い込み):(発展途上国がこのまま経済的に豊かになり続ければ、世界人口は際限なく増加するはずだ。)

(検証):(世界人口は2100年までに109億人まで増加

・1927年には20億人だった世界人口は、その60年後の1987年には50億人に、2019年には77億人に達するというペースで急速に増え続けている。さらに国連は2019年に、世界の人口は2050年までに97億人、2100年までに109億人に増えるだろうという推計を発表した。この推計を聞くと、誰もが「増えた人口に耐え切れず、地球上の全資源は枯渇してしまう!」と一抹の不安を感じざるを得ないだろう。

 ところが、上述の国連による推計では、次のように続く。サブサハラ・アフリカでは2050年まで人口が倍増するが、世界人口は2100年頃にはピークを迎え、少子高齢化などの影響によって人口増加率はゼロ成長となり、その先は減少するようになるというのだ。

 ちなみに、その頃には、人口減の国や地域は約6割に上るようになるという。

 将来的にある時点から世界人口が減少し始めるのは間違いなさそうだが、だからといって安心はできない。2050年までの人口の5割超を、インド、ナイジェリア、パキスタンなどの9カ国の人口が占めるという。特に人口増加が著しく、21世紀を通じて人口が増え続けると見込まれているのは、サブサハラ・アフリカである。

人口の増減は国によって偏りが生じる

・つまり、サブサハラ・アフリカのような後発開発途上国の多くの地域では急速な人口増加が続く一方で、先進国においては少子高齢化の影響によって次第に人口減に傾く国が増えていくことになる。

 推計によると、2100年にはアフリカで人口が0.61%増加する一方、アジアは0.39%減、ヨーロッパで0.14%減となるという。その場合、人口が増え続ける途上国と、人口が減り続ける先進国との間の経済面や衛生面における格差をどうするのかという問題が浮上することになるのだ。

 

電気を使えない人は全世界人口の約20%しかいない。>

(思い込み):(世界にまだ後進国も多く、いまだ電気を使えない人々が大勢いる。

(検証):(電力消費量は一貫して伸び続けてきた

・宇宙から夜の地球を眺めた写真を見たことがあるだろうか。夜の闇の中で、都市部や道路沿いが明るく輝いている映像だ。

 

・そんな写真を見たことがある人の多くが、世界にはいまだに電気を使えない人が大勢いるのだという感想を抱くかもしれない。しかし、実際には現時点で世界人口の約80%が電気を使うことができているのである。

電気を使える地域にはいまだ偏りがある

・世界の国や地域がどの程度「電力化」されているのかを見る電力化率はどうだろうか。

 先進国全体ではすでに99.9%が電力化されており、無電化地域に暮している人の数は100万人程度である。それに対し、南米は電力化率が95%で無電化地域人口が2400万人、中東は電力化率が91%で無電化地域人口が1900万人、アジアの発展途上国は電力化率が83%で無電化地域人口が6億1500万人、アフリカの北アフリカは電力化率が95%で無電化地域人口が100万人と、極めて高い割合で電力化されているものの、サハラ砂漠以南のアフリカ(サブサハラ・アフリカ)は、電力化率はわずか32%、無電化地域人口は5億9900万人にもおよぶ。実に、サブサハラ・アフリカの68%の人口が電気のない暮らしを余儀なくされているのである。

 

特にサブサハラ・アフリカにおける電力化率の改善は、同地域における人口増加率や水資源の不足などと合わせて、人類にとっての大きな政策課題の一つとなっている。

 

アメリカにおける政権交代は経済政策の違いから起きる

・(思い込み):(アメリカでは大統領の力が強大だ。そのため、有権者は大統領候補者を基準に政治政党を決めている。)

(検証):(二つの政党の経済政策の違いが投票行動に影響を与える

アメリカの二大政党の経済政策はまったく異なる特徴を持っている。民主党の経済政策は基本的に経済に国家が介入し、経済的流れを政府がコントロールし、企業よりも国民一人ひとりの利益を優先する。それに対して共和党は政府が経済に介入することをなるべく避け、企業の成功が国家の繁栄につながると考える。さらに、経済格差は当然と考え、企業への統制は行わない政策を取る。

自由経済優先の共和党と平等主義優先の民主党との差異

共和党は経済的自由主義を優先するため、国内の企業に対しても税率を低くし、経済発展を促そうとする。一方、民主党は税負担の公平を主張し、利益の上がっている企業はそれだけ多くの税を払い、貧しい国民はより少ない税で済むようにすべきであると考える。こうした違いは経済政策全般におよぶ。

 

・自由競争の勝者が個人として多くのモノを所有すべきであると考えるのが共和党の経済的自由主義政策である。それに対して民主党は自由よりも平等を優先するために、経済への国家介入を行って格差社会をなるべくなくそうとする。

 つまりは、共和党民主党の経済政策の違いは、自由を優先すべきか、それとも、平等を優先すべきかという民主主義の二つの根本原理のヘゲモニー問題という側面もあるのである。

 

教育を受けられる子どもは増加している

(思い込み):(発展途上国ではいまだ学校に通えない子どもが多く存在している。

(検証):(国連が掲げた就学率向上という目標

・2000年9月、ニューヨークの国際連合本部で開催された、189の国連加盟国が参加した国連ミレニアムサミットにおいて全会一致で「ミレニアム宣言」が採択された。人類が21世紀を迎えるにあたって「平和で繁栄した公正な世界をつくり出すこと」や「貧困をなくすこと」などを目標として、世界各国が団結して取り組んでいくことが宣言されたのである。

 

・「ミレニアム開発目標」では、「極度の貧困と飢餓の撲滅」や「ジェンダー平等の推進と女性の地位向上」などが定められた。その中で、教育に関して定められたことは、「2015年までに、すべての子どもが男女の区別なく初等教育の全課程を修了できるようにする」というものだった。

 1991年時点では、初等・中等教育への就学率は先進地域で96.3%、開発途上地域で79.8%、サハラ砂漠以南のアフリカ(サブサハラ・アフリカ)地域で53.5%と、先進国と途上国との間には大きな隔たりがあったのだ。

就学率は向上しているがいまだ課題も残る

・しかし、国際的な努力の結果、世界の初等教育を受けられない児童数は着実に減っていき、2000年に1億人だった児童数は2012年までに5800万人に減少させることができた。開発途上地域全体の初等・中等教育への就学率は200年には83.5%だったものが、2012年には90.5%にまで上昇。約9割の子どもたちが初等・中等教育を受けられるようになった。

 また、特に劇的に就学率が向上したのがサブサハラ・アフリカ地域で、2000年には60.3%の児童しか初等・中等教育を受けられなかったのが、2012年には77.9%にまで上昇している。

 

世界は殺人犯罪に溢れていない

世界人口の7割以上が神を信じている

カンガルーはオーストラリアでは害獣として駆除されている

世界でもっともプレーされているスポーツはサッカーではない

日本バレーボール協会によれば、全世界でもっとも競技人口が多いのはバレーボールだという

 

・競技人口1位はバレーボールの約5億人、2位がバスケットボールの約4億5000万人、3位は卓球の約3億人、4位はサッカーの約2億6000万人。