日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

コンタクティやチャネラーの情報を集めています。森羅万象も!UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象といわれます。

首都圏では、今後30年以内に70%の確率でマグニチュード7の地震が起きる。東京は自然災害リスク指数も世界1位。こうしたリスクもあり、首都圏以外に拠点を置いて二重生活をする人が増えている。(1)

 

2035年の世界』

高城剛   PHP    2014/10/23

 

 

 

<超健康……将来、人類の平均寿命は140歳に>

・最上級の完璧な健康を指す。「ダイナミックヘルス」ともいう。超健康状態になると、人間の身体は150歳まで持つ。アンチエイジングをしなくても自然に若さが保たれて、2050年には90歳の美魔女も登場する。

 

<ボディ・エリア・ネットワーク…医療費削減の切り札>

・自分の生体情報をリアルタイムで管理するネットワーク。体内に埋め込まれたデバイスが、心拍数や血糖値といった生体情報を計測して外部に送信。異常値が計測されると、医者が診察にきてくれる。さらに薬事ロボットと連携して、異常が発見されると体内で自動的に治療する。

 

<薬事ロボット……人の体内で働くロボット>

・体内で診察や治療を行ってくれる超小型ロボット。2014年段階で実用化されているものに、口から飲み込んで胃や腸を撮影してくれるカプセル内視鏡がある。10年後はさらに進化して、患部まで移動して薬を撒き、注射を打つロボットも登場する。

 

<リキッド化……フラット化する世界の次は?>

・世界はフラット化した後、リキッド化へと向かう。リキッド化は、水のごとく流動的で、緩やかに動き続ける状態を指す。たとえばある地域が国から離れたり、そうした地域同士がくっついてユニットを組んだりする。それも固定的なものではなく、絶えず離合集散を繰り返す。

 

<スマートパワー……日本が発揮すべきパワーとは?>

・アメリカの政治学ジョセフ・ナイが提唱する概念で、軍事力に代表されるハードパワーと、外交や文化といったソフトパワーの2つを組み合わせて、他国に影響力を与える戦略のこと。最近の日本はハードパワーに軸足を移していて、スマートパワーをうまく使いこなせていない。

 

<世界政府vs.イギリス金融機関……ウォール街を牛耳るのは誰か?>

タックスヘイブンを利用した企業の租税回避行動が問題になっている。この問題を解決するために、世界統一ルールにはじまり、その後世界統一政府をつくろうという動きが起きるだろう。それに抗うのは、世界の金融を実質的に握るイギリス。20世紀の東西冷戦と違い、21世紀は世界政府とイギリス金融機関との冷戦になる。

 

<成長しない世界……米国の最後の砦「インテレクチュアル・プロパティ」とは>

・米国はマイノリティがメジャーとなり、そうなると共和党は二度と政権を取れないことになり、民主党国家=大きな政府を維持せざるをえない。

 しかし、そのような財政はない。だから、どこかで一度リセットを考える必要が必ず生まれる。その前には、リベラルと保守の拮抗が崩れ、弱体化した保守の反撃する事態が起きることになる。時には大きな内戦や戦争が起きる可能性も否めない。これらは、成長できない大国アメリカの大混乱を意味する。また、イスラム人口がキリスト教を抜くのも時間の問題だ。すなわち、「成長」を前提にした西洋社会の価値観が大きく揺らぐことになる。典型的国家が米国だ。

 そんな混乱時の米国最大の逆転的資産とは、なんであろうか?それは、インテレクチュアル・プロパティ(知的財産)に他ならない。インテレクチュアル・プロパティは、軍備なき世界の国力そのものであり、ロボットが働いてもお金が入る仕組みからして、百年の計で見れば米国はふたたび日の目を見る日がやってくる。それは、ロボット・ルネッサンスと呼ばれるだろう。

 

<老国家……成熟せずに年を重ねる日本と中国>

・国として高齢期に入り、活力を失った国家を指す。人口がピークアウトしていて、国民の平均年齢が高い。経済は低成長、もしくはマイナス成長。歴史はあっても、必ずしも成熟度が高いわけではない。

 

・日本は、すでに老国家だ。現在、日本国民の平均年齢(中央値)は、45.8歳。今回、オリンピック招致でライバルとなったトルコは29.2歳で、日本より15歳以上若い。アフリカのケニアにいたっては18.9歳で、20歳を切っている。これらの国々と比べると、日本に残された成長の余地はとても小さい。

 もっとも、国の老化は日本だけの現象ではない。ヨーロッパの国々も平均年齢は軒並み40代だ。成長著しい中国も2020年には生産人口がピークアウトして、老化現象が始まっていく。2035年には、大国と呼ばれる国の多くが老大国になっているだろう。

 

<アジアの時代は続く……世界のGDPの6割がアジアに>

・アジアの時代といわれて久しいが、21世紀前半にはアジアの成長が本格化する。2035年には、世界のGDPの6割以上がアジアになる。牽引するのは中国、インド、ASEAN諸国。日本は蚊帳の外に置かれる可能性が高い。

 

イスラムパワー……世界の勢力図を塗り替える宗教の力>

・ヨーロッパのイスラム系住民の出生率は、ヨーロッパ人の4~8倍もある。人数が増えれば国家のイスラム化が進み、民主主義とはなにかを考えはじめることになり、国際舞台でもイスラムの発言力が増すことになる。欧米を中心とした世界秩序にイスラムが割って入り、いま世界をリードしている西洋的価値観も揺らぎ始める。

 

<ビジブルマイノリティ……膨張し続ける「少数派」>

・カナダで有色人種を差す表現。ただし、すでに北米では有色人種がマイノリティ(少数派)ではなく、都市によっては過半数になっている。とくにスパニッシュ系住民になっているはずだ。

 

・LAでは、すでに生まれてくる子どもの過半数がスパニッシュだ。2035年には、イーストLAは完全にスパニッシュの街になっているだろうし、アメリカ全体でも人口の3分の1をスパニッシュが占めるようになっているだろう。民主主義が正しければ、2035年までには、スパニッシュ系の初の米国大統領も誕生しているだろう。すでに、スペインが発行するスペイン語新聞「EL PAIS」の発行部数は、本国より米国のほうが多い。

 アングロサクソン系のアメリカ人にしたら、自分の国が乗っ取られるような感覚がするだろうし、一部では右傾化が進むだろう。ただ、アメリカはスパニッシュ系住民増加の恩恵も受けている。日本はすでに人口減少時代に入ったし、中国もまもなく生産人口がピークアウトする。しかし、アメリカはスパニッシュ系住民を中心とした移民の増加で人口が増え続け、2035年には4億人に達する見込みだ。成長しきったはずのアメリカ経済にのびしろを与えているのは、スパニッシュなのだ。

 

<移民排斥運動……スイス、フランス、ドイツ……避けられない文化の衝突>

・移民が流入すると、そこで移民が独自のコミュニティを形成して、本来その地に住んでいた住民と衝突する。ヨーロッパではイスラム系やアフリカ系の移民が増えていて、排斥の動きも出てきた。移民が増えるにつれて衝突も増えていくことは避けられない。これは歴史の教えだ。

 

<スイス、フランスの原発停止……原発を停められない本当の理由>

・スイスは2034年にすべての原発を停止する。原発大国であるフランスも脱原発に舵を切り、おそらく2040年代には停止させる。きっかけは福島の事故だが、背景には自然エネルギー技術の進歩がある。

 

<ハードリセット……今後日本で経済恐慌か戦争が起きる!?>

・行き詰った状況を打破するために、これまで積み上げてきた者を破壊してゼロの状態からやり直すこと。国家レベルでいえば、戦争や経済破綻によるハードリセットが考えられる。

 

・今後20年の間に、日本はなんらかのハードリセットを経験するだろう。日本が抱えている閉塞状況は、先延ばしできる限り先延ばしされ、結果ハードリセットを迎えなければ解決できない状態に陥っているからだ。債権大国(対外純資産残高は世界1位)というが、戻ってこない債権なら話にならないし、金融ルールは、いつも一夜にして変わることになる。

 

・かつては世界もハードリセットを繰り返してきた。20世紀初頭、経済の中心がヨーロッパから新大陸アメリカへと移り、ヨーロッパの景気は冷え込んだ。その後にヨーロッパ発で起きたのが、第1次世界大戦というハードリセットだった。

 

・いまはインタ―ネットで情報が簡単に取得できる時代になり、機関投資家はもちろん、これまで投資に興味がなかった個人まで気軽に株を買っている。2014年現在、事実上政府が紙幣を増刷し、あらゆる手段を講じて株価を支えているので景気は一見よく見えるが、実際は、世界恐慌直前のラジオが普及した当時と酷似しているデータが次々とあがっている。

 この先、何らかの形でハードリセットは起きるだろう。それは歴史の必然だからである。

 

<人生100年時代における「第二の人生」……いかに死ぬか、それが問題だ>

・人生100年時代に入ると、60歳でリタイアするという現在の常識が崩壊して、第二の人生をどう生きるのかということが社会問題化する。好奇心を持って最期まで輝く人生を送るのか、人生に退屈して暇を持て余しながら過ごすのか。それによって第二の人生に大きな格差が生じるだろう。

 

・平均寿命が82歳のいまでも、すでにリタイアした人たちは暇を持て余している。これが人生100年時代に入ったらどうなるのか。おそらく第二の人生の過ごし方が、いまよりもっと深刻な社会問題になるだろう。

 ただ、裏を返せば、人生100年時代は、人生を従来の2回分楽しめる時代だといえる。僕が思うに、まずリタイアという概念がなくなる。60代で会社を定年退職してもまだピンピンしているのだから、おそらくその年齢から起業したり就職し直す人が激増する。国も年金を払いたくないから、その流れを後押しする。そうした国の思惑はともかく、身体が元気で寿命も長いLED型になるのだから、必然的にそうなっていく。

もちろん同じ第二の人生を送るにしても、生活のためや暇だから仕方がなく働く人と、好奇心を持ってアクティブに動く人では充実感が違うのは、言うまでもない。

 

<水戦争……人類は皆、足りないものを奪い合う>

・世界の水不足は深刻で、将来は石油などのエネルギー資源より貴重な資源になる可能性がある。そうなると、水資源を巡る紛争が続出する。もっとも危険なのは、ヒマラヤ水系をめぐる中国とインドの争いだ。すでに小競り合いが始まっているが、両国とも多くの人口を抱えているため、一歩も引く様子がない。

 

・戦争には、資源の争奪戦という側面がある。過去には石油をめぐって仕掛けられた戦争も多かった。では、21世紀に各国が血眼になって奪い合う資源とは何か。それは「水」である。

 日本は水資源に恵まれているのでピンとこないかもしれないが、世界は砂漠化や人口増の影響で深刻な水不足に陥っている。地球上にある水で、飲めるのはわずか3%しかいない。そのうちの約4割はブラジルとアルゼンチンにある。つまり残りの約2%の水を世界各国で奪い合っている状況だ。

 

・そして、中国とインドの間には豊富な水源がある。ヒマラヤ山脈を水源とする水系だ。両国はいまこの水系を奪い合っていて、小競り合いが起きている。今後、水不足が深刻化すれば一気に火を噴く可能性もある。

 

・一方、世界的な水不足は、日本にとってチャンスでもある。じつは水道水をそのまま飲める国は世界で5カ国しかない。その中に日本が入っているのは、浄水技術が優れているからだ。日本の水道インフラ輸出は、産業として十分に期待できる。2014年現在の日本は、原発を世界に売りたいようだが、それよりずっと将来性が高いのは、こちらだと思う。

 

<フラッキング……シェールガスがもたらす負の未来>

・アメリカではシェールガスをどちらかというとネガティブに表現するとき、「フラッキング」という。水圧で岩を割る採掘方法(ハイドロ・フラッキング)から転じた呼び方だが、この採掘方法は問題が多く、採掘現場周辺では観測史上最大の地震が頻発したり、深刻な地下水汚染が報告されている。シェールガス革命の未来は、けっして明るいばかりではない。

 

シェールガスの採掘が可能になり、世界最大のエネルギー輸入国だったアメリカは、近いうちに輸出国になる。まさにシェールガス革命と呼ぶにふさわしい大変化だ。 

 しかし、このまま順調にいくかは不透明だ。シェールガスの掘削によって、周辺環境が激変しているからだ。

 

<大地震が起きる日……マグニチュード7というリスク>

首都圏では、今後30年以内に70%の確率でマグニチュード7の地震が起きる。東京は自然災害リスク指数も世界1位。こうしたリスクもあり、首都圏以外に拠点を置いて二重生活をする人が増えている。人気ナンバーワンは山梨県だ。

 

・今後30年の間に、首都圏でマグニチュード7クラスの直下型地震が起きる確率は70%と言われている。政府の中央防災会議の試算によると、死者は最悪で2万3000人。東日本大震災クラスの災害が首都圏を襲う確率は高い。

 

・自然災害の危険性については、自然災害リスク指数というものもミュンヘン再保険会社から発表されている。この指数は地震津波、台風の発生危険度から算出され、それに住宅密集度や危険にさらされる経済価値などをあわせて数値化しているが、それによると、世界1位は東京で、指数は710.。23区内に限れば、さらに危険度が増す。ちなみにロンドンの指数は30で、ニューヨークは42と、東京と比べ、遥かに低い。東京の自然災害リスクが、いかに突出しているかがわかるだろう。

 

小惑星アポフィス……原爆3万4000発分の衝撃>

・2004年に発見された小惑星アポフィスは、その後の観測の結果、2029年と2036年に地球に接近することがわかった。いずれも衝突は避けられる見込みだ。ただし、2036年以降は不明。2042年から2105年にかけて17回最接近するが、このときの軌道はまだわかっていない。

 

 

 

『日本3.0』   2020年の人生戦略

佐々木紀彦  幻冬舎   2017/1/25

 

 

ガラガラポン革命のキーワードは、「移動」と「下剋上」だ>

・2020年の東京オリンピック団塊世代の卒業式となる。その後は、リスクを恐れず、挑戦する30代にチャンスが来る。大きな成功を掴むのは、デジタルとアナログ、世界と日本、地方と東京、大企業とスタートアップといった境界線を越えていける人間だ。

 

<第3のガラガラポン革命を引き起こす「10のファクター」>

明治維新と敗戦という2つのガラガラポン革命により生まれ変わった日本。では、「第3のガラガラポン革命」はいつ起きるのでしょうか。

 

「第1のガラガラポン革命(18687年)」と「第2のガラガラポン革命(1945年)」は、およそ70~80年の周期で起きています。その法則を当てはめると、敗戦70周年の2015年は、「第3のガラガラポン革命」が始まる節目になるのではないか、というのが竹内氏の見立てです。

 

・では、「第3のガラガラポン革命」において、何が「移動」と「下克上」を引き起こすのでしょうか。私は次の「10のファクター」が複合的にガラガラポンをもたらすと読んでいます。

 

1.年功序列の終わり

2.正社員と非正規社員の格差解消

3.男女逆転

4.外国人労働者の登用

5.難民

6.業界再編・伝統企業の倒産

7.スタートアップの隆盛

8.第4次産業革命

9.交通革命

10.グローバル化

 

<遂に平成にも身分改革と黒船がやって来る>

(1)の「年功序列の終わり」は、戦後のGHQによるパージと似た効果を生むはずです。今後は、先進的な企業ほど年功序列を廃止し、30代役員の誕生など若手の抜擢が進むでしょう。そうでないと国際競争に勝てないからです。政府は法律で「同一労働同一賃金」を徹底するなどして、その流れを後押しできます。

 また、「同一労働同一賃金」の推進は、(2)の「正社員と非正規社員の格差解消」にもつながります。これは明治維新によって打ち破られた「上士と下士のアンフェアな格差解消」と似たインパクトをもたらすはずです。

 安倍政権もすでに「年功序列の見直し」と「同一労働同一賃金」を政策メニューに掲げており、問題意識は十分持っています。

 

(3)の「男女逆転」は、一言で言えば、女性がどんどん地位と影響力を高めるということです。「男女逆転」社会がリアルになっていきます。

 法律の後押しもあります。2016年4月より、女性活躍推進法が施行され、労働者301人以上の大企業は、女性の活躍推進に向けた行動計画の策定などが新たに義務づけられました。欧州でのクオータ制(女性役員比率などを法律で義務づける制度)に比べると緩やかな政策ですが、企業社会での女性の活躍を多少は促すはずです。

 

<今後、既得権を失う「おじさん」と、時代の追い風をうける「女性」の出世争いが過熱していくはずです>

・しかし、やっと女性登用の機が熟しました。女性の層が厚くなってきたのです。日本の大企業において、女性の総合職が一気に増え始めたのは、1976年生まれの“ナナロク世代”からですが、その世代が40歳を迎えました。

 この女性は、結婚、出産後も仕事を続けるのが普通です。多くの総合職の女性は、ワーキングマザーとして働く道を選んでいます。もちろん、保育園の不足や、家族のサポート不足により、ハンデを背負っている面もありますが、着々と存在感と実力を高めています。ビジネスパーソンとして一番脂がのっているこの世代の女性から、新時代のロールモデルが次々と生まれてくると私は確信しています。

 

(4)の「外国人労働者の登用」は、高度人材と単純労働人材の双方がありますが、まず優先すべきは、高度人材に日本に来てもらうための取り組みです。とくに、AIやソフトウエア開発など日本が弱い分野は、日本人だけでは世界競争に絶対勝てません。

 

・(5)の「難民」とは、ズバリ、北朝鮮と中国からの難民です。今後、北朝鮮の体制が崩壊した場合、数万人、数十万人単位で北朝鮮の国民が日本に押し寄せることもありえます。さらに、中国がバブル崩壊や権力争いで大混乱に陥った場合、中国人が日本に大挙してやってくるかもしれません。難民問題は日本にとって対岸の火事ではないのです。

 

<「第2の開国」で日本は浮かぶか>

・次にマクロな要因を見ていきましょう。

 まず(6)の「業界再編・伝統企業の倒産」はかなり高い確率で起きるでしょう。「失われた20年」の間に再編が進んだ業界もありますが、まだ手付かずの業界がたくさんあります。とくに、規制や言語や文化の壁で、世界との競争に晒されなかったセクターはその典型です。たとえば、建設業、流通業、農林水産業、メディアなどは、これから再編が本格化するはずです。都政の混乱からもわかるように、公的セクターの多くもいまだ昭和モードのままです。今後は地方議会不要論も出てくるはずです。特殊法人などを含む行政セクターも再編を強いられるでしょう。

 

・きっと今後10年の間に、有名企業の倒産がいくつも起こるはずです。

 業界再編が吹き荒れる中、(7)「スタートアップの興隆」も起きるでしょう。ただし、第3章で詳しく述べますが、スタートアップの過大評価は禁物です。日本はどこまでも大企業支配の国であって、スタートアップが成功するのは容易ではありません。

 ただ、死屍累々とはいえ、大企業や海外企業の力をうまく借りながら、急成長を遂げるスタートアップもいくつか出てくるはずです。

 

・そして、スタートアップを含む日本企業の大きなチャンスとピンチになるのが、(8)の「第4次産業革命」です。これも第4次産業革命とは、簡単に言うと、AI、ロボット、IOT(モノのインターネット)、ビッグデータの4つのテクノロジーがもたらすビジネス界の大変革です。

 

・(9)の「交通革命」は、まさしく、国内外の人の移動の流れが変わるということです。とくに注目すべきプロジェクトが2つあります。

 ひとつ目は、2027年始動予定の東京(品川)――名古屋間のリニア中央新幹線です。

 2つ目は、羽田空港の国際ハブ化、拡張です。

 

南海トラフ地震

・4つ目の「自然災害」の中で、もっとも恐れるべきは南海トラフ地震です。南海トラフとは、四国から静岡県の南の海底にある水深4000メートル級の深い溝のことであり、大規模な地震発生帯としても知られています。政府の地震調査委員会は、南海トラフ地震の発生確率を次のように予測しています。

 

・今後50年以内に90%以上

・今後30年以内に60~70%

・今後20年以内に40~50%

・今後10年以内に20%程度

 

マグニチュード9.1とも言われる巨大地震が発生すれば、被害想定は、最大で死者32万人、被害総額は220兆円。もっとも被害を受けるのは静岡県で、10.9万人もの死者が出ると推計されています。地震が起きれば、国債も売り浴びせられ、財政危機も同時に到来するかもしれません。

 

<「日本3.0」時代は30代が主役になる>

・では、第3のガラガラポンによってもたらされる「日本3.0」の主役となるのは誰でしょうか。

 結論から言うと、今の30代だと思います。

 先ほど「2020年は団塊世代の卒業式」と書きましたが、卒業する団塊世代からバトンを受けるのが、団塊ジュニア以後の世代の「大人への入学式」でもあるのです。

 

・では、なぜ30代がカギを握るのでしょうか。それには主に3つの理由があります。

 ひとつ目に、30代は、いつの時代においても経験と無知のバランスが最適だからです。

 

<ナナロク世代の破壊力と新たな価値観>

・30代がキープレーヤーとなる2つ目の理由は、今の30代はそれ以前の世代と価値観が違うからです。おおまかに、1976年生まれあたりを分かれ目として、価値観に大きな溝があります。

 その最大の要因のひとつは、インターネットとケータイです。ナナロク世代は、若い頃から、インタ―ネットやケータイを当たり前に使いこなしてきた世代です。ネットが自然と体に染み込んでいるのです。

 

団塊ジュニア、最後の「下克上」>

・最後に3つ目の理由として、30~45歳の世代はとにかく数が多いのです。政治でも、経済でも、社会でも、やはり数は力です。

 これまで、日本で多数派を占めてきたのは団塊の世代です。2015年時点で、団塊の世代を中心とする60~74歳の世代は約2600万人もいます。それに続くのが、団塊ジュニアを中心とする30~45歳であり、人数は約2550万人に上ります。

 

団塊ジュニアは、就職氷河期とバッティングしたため、就職などで苦労した人も多く、上の世代や社会への不満も大きいはずです。その構図が、昔の下級武士に似ているように思えます。

 

・2020年以降の「日本3.0」は、この世代が下克上を起こすチャンスなのです。

 

・上の世代と同様、30代は、先祖の遺産を食いつぶした無責任世代として歴史に刻まれるか、それとも、「日本3.0」をつくった祖として記憶されるか、その勝負をかけたチャレンジがこれから始まるのです。

 

<若いときに基礎を固め、よいクセを身につけておけば、それは一生の財産になるのです>

<ハーバードの最先端教養教育>

・ハーバード大、スタンフォード大ともに、伝統的に教養教育を重視してきましたが、近年、教育プログラムの大改革に踏み切っています。世の中が大きく変わる中で、時代に合った新しい教養教育を模索しているのです。

 

<安寧の日々が続くのもせいぜい2020年まで>

・それに前後して、日本にほぼ確実に修羅場が訪れます。それは、数年に一度のものではなく、数十年、おおげさに言えば、100年に一度と言ってもいいインパクトのあるものとなるでしょう。

 

・2020年前後から始まる「日本近代の第3ステージ」、通称「日本3.0」は、これまでとはまったく異なる思想、システム、人を必要とします。

 

<ターニングポイントとなる「4つの節目」>

・とくに大きなターニングポイントになるのは2020年です。この年に日本は4つの節目を迎えます。ひとつ目は、東京五輪です。

 

・2つ目は、安倍政権、アベノミクスの終わりです。

 予定通り、安倍首相は自民党の総裁任期を3年延長したことにより、2021年まで首相を続けられることになりました。安倍首相は五輪を花道として、遅くとも20201年には政権から去ることになるでしょう。

 安倍首相は、近年の首相の中では、稀に見るリーダーシップを発揮し、賛否両論があるものの、外交面を中心に実績を残してきました。その点は大いに評価できます。

 しかし、経済面では辛口にならざるを得ません。金融緩和はもはや燃料切れ。アベノミクスの「第3の矢」である規制改革もうまく進んでいません。このままでは、金融緩和、財政出動というカンフル剤が切れた後、日本経済は一気に勢いを失うでしょう。つまり、政府主導でGDP拡大を目指した「戦後型日本経済」もフィナーレを迎えるのです。

 

・3つ目の節目は、東京の人口減少です。

 成長の最後の砦である東京でも人口減少が始まります。最新の推計によると、人口減少のXデーは当初予定の2020年から5年延期されました。

 

<2020年は団塊世代の卒業式>

・そして4つ目の節目は、団塊世代の引退です。戦後日本の象徴であった「団塊世代」が、日本の主役から完全に引退するのです。いわば、2020年の東京五輪は、団塊世代の卒業式になるのです。

 

<「政界再編」。2021年までは安倍政権が続いたとしても、その後を担うリーダーたる人材がいません>

・一気に世代を飛び越えて、小泉進次郎氏がトップに立てば面白いですが、安倍政権以後、自民党は求心力を失い不安定になるおそれもあります。対抗軸となるべき民進党もまず復活の芽はないでしょう。(2020年まで存続しているかどうかすら怪しい)。となると、自民党の改革派、民進党の良識派、改革派首長などが合流して、新党を結成するシナリオを考えられます。その新党が軸となり、日本の政界が流動化する可能性は小さくありません。

 自民党の大幅な若返りか、第三極の新党結成か。このいずれかのシナリオに進まないかぎり、日本の政治はデッドロックに陥るはずです。

 

 

『100年経営』    世紀を超えるマネジメント

若松孝彦    ダイヤモンド社       2011/3/18

 

 

 

<7つの経営プログラム>

・100年先を見つめて、会社存続のために何をするべきか、「7つの経営プログラム」で会社の未来をつくる!

 

粗利益率40%・経常利益率10%・連続10年

☑1T3Dナンバーワンブランド戦略

究極の資源配分、承継こそ最大の戦略

社長を10人育てるサテライト組織

語り継ぐ経営システム

☑100年カレンダーをつくる

STSで変革をマネジメントする

 

<100年後、私はこの世にいない>

・私は経営コンサルタントとして、20年間で約1000社の会社に経営アドバイスをしてきた。中小企業から中堅・上場企業まで、企業再生や成長戦略の策定など、多くの経営の修羅場や戦略の現場を経験してきた。また潰れる会社、勝ち組企業、老舗企業など、企業の栄枯盛衰をそばで見てきた。「会社」とは、本当に不思議な生き物だと思う。

「会社は操業50年で老舗、100年で時代、200年で歴史になる」

 

<老舗企業の研究本ではない>

・「存続するために会社は何をすべきか」この悩みを少しでも持っているなら、その「問い」には真剣に答えたつもりである。

 

<変化をマネジメントできる会社>

・成長の前に変化ありき、経営資源の再配分のない成長は膨張である。100年経営を実現するためには、「変化をマネジメント」しなければならない。これが、会社存続の絶対的な経営技術となる。脱皮できない会社は消えるのである。

 

<会社を変えるチャンスは3回訪れる>

・「赤字」「不況」「継承」。会社を変えるチャンスは、3回訪れる。好況時の変化は、膨張である可能性が高い。不況時やピンチのときの変化が、真の成長である。

 

<日本経済の100年経営プログラムを考える>

・経営の現場から日本経済や地域経済を眺めたとき、大きな危機感が生まれてくる。本書で述べる100年経営プログラム(無借金経営システム、存続エンジンの開発、承継戦略のシナリオ、自律する組織デザイン、ミッションマネジメント、後継者育成カリキュラム、100年経営の階段)を、日本経済の運営に当てはめながらお読みいただくと、経済政策的な学び方ができるかもしれない。

 

・例えば、7つの経営プログラムでアプローチしたとき、「無借金国家経営システム(現実は借金漬け)」「存続エンジンとして3つ以上の世界ナンバーワン産業づくり(従来の競争力産業の地盤沈下)」「100年先まで世代継承できるシナリオ(人口減少と高齢化社会)」「ナンバーワン産業を生み出し続ける国と地方の組織デザイン(中央集権の組織体制)」「あるべき姿を描いた経営資源の再配分(使命感なき目先重視の政策)」「次代のリーダーを輩出して育成する仕組みづくり(頻繁に変わるリーダーたち)」「将来も日本が成功者であるための階段(破綻国家への下り坂)」となる。

 

・残念ながらカッコ内が現実であり、本書で提唱している100年経営プログラムとはあまりにもかけ離れている。これは何を意味するのか。このままでは、「日本経済の寿命が、会社の寿命を決める」ことになる。

 

<会社寿命はいつの時代でも「四択」>

・会社の運命は、4つのコースから選択しなければならない。存続、売却、廃業、倒産である。会社は「続けるか、売るか、やめるか、潰れるか」と常に隣り合わせの運命にある。その運命はリーダーの腕前、舵取り次第で決まる。

 

・私の約1000社の経営アドバイスの記録や記憶をたどると、およそ60%は事業承継が経営課題の本質であったように思う。

 

タナベ経営の創業者・田辺昇一は、「会社は事業に成功して50点、承継ができて100点」と言った。事業承継は本当に難しい。将来を左右する重要事項でありながら、5年から10年に一度しか発揮しない経営技術だからである。同族企業であれば、20年に一度である。

 

<日本企業が直面する5つの新しい現実>

現実1 創業200年以上の会社は0.07%、100年では0.5%

現実2 創業5年以内に35%が消え、50年を迎えるのは5%

現実3 社長の高齢化

現実4 20年間で約100万社が消えている

現実5 倒産、廃業、売却の増加

 

<現実から見える未来>

・新しい5つの現実を線でつないでみると、次のような構図が浮かぶ。

「会社の業績が厳しい→経営の舵取りが難しい→現社長が経営せざるを得ない→社長の高齢化が進む→会社の将来性や魅力が乏しくなる→後継(候補)人材がさらに少なくなる→経営意欲の喪失→廃業(売却)

 私は、この悪循環の構図を「後継者不足の時代」と呼んでいる。「後継者不足」にはさらに3つの真因がある。「なり手不足」「少子化」「悲観論」である。

 

<社長業の「なり手不足」>

・業績の悪い会社は、例外なく借金が多い。特に中小企業の場合、会社を所有するオーナーと、会社を経営する社長が一体化しているため、社長には債務保証問題がついてまわる。

 同族・非同族にかかわらず、自宅を担保に差し出してまで会社を引き継ぐ人がいなくなっできた。この10年間で、中小企業と金融機関との取引スタイルが大きく変化したことも影響している。金融機関の不良債権処理の中、メーンバンクがそれにふさわしい役割を果たせなくなり、メーンバンクが会社を潰すことすら当たり前の時代になった。会社が倒産すれば社長は丸裸――。会社を起業しよう、社長になろう、社会を変えよう、という気概より、同族後継者ですら「社長という仕事は割に合わない」という意識が優先し始めている。後継経営者の「なり手不足」を招いている。深刻な原因である。

 

<「100年経営プログラム」を導入せよ>

・プログラム1 無借金経営システム。無借金経営――粗利益率40%・経常利益率10%を連続10年以上続ければ、実質無借金になる。

 

<2つのシェア20%以上>

・次に取り組むべき倍数の「20」は、自社が取り扱う製品・サービス領域で、「2つの市場占有率(シェア)を20%以上にすること」だ。2つのシェアとは、「ターゲット市場におけるシェア」と「得意先内におけるインストアシェア」のことである。

 

<存続エンジン 1T3D戦略(事業シフトの法則)>

・「単品たらふく病気になる、バラバラ少々健康」。おいしいからと言って単品ばかり食べているとバランスを崩し、病気になる確率が高くなる。事業も人間の体と同じである。儲かっているからと言って、一つの事業ばかりをやっていると、いずれ経営のバランスを崩すことになる。

 

・これを予防し、正しく変化(シフト)する戦略を私は「1T3D戦略」と呼んでいる。「1T」とは、1つの「テクノロジー」、すなわち固有技術(真の強み)を意味する。「3D」のDは、「ドメイン」、つまり事業領域の頭文字であり、3つのターゲット事業領域の創造を意味する。

 

・以上を考慮すると、1T3D戦略の推進は、まず、①水平展開である新規チャネルの参入可能性を検討し、次に、②垂直展開による川下攻略を意識して、③自社ブランドを開発できるよう川上から付加価値コントロール力を構築し、最終的に④川下へ参入してブランド確立を実現する戦略シフトが基本となる。

 

・100年経営を目指す存続エンジンは、「固有技術を生かしてニッチ市場を創造し、“開発見込型ナンバーワンブランド事業”を垂直と水平の展開力で”3つ以上“開発せよ」となる。「会社(事業)の寿命は30年」と言われて久しい。一つ目の事業の柱で30年、三つの事業で90年、限りなく100年に近づくのである。

 

<次の時代へ新規事業の種をまく>

・1T3D戦略を遂行するためには、存続エンジンとなる「新規事業の種」を市場や組織内にまき、育てなければならない。「まかぬ種は生えない」のだ。

 

<兄弟経営は3代目までに80%が失敗する>

<承継の無責任――兄弟仲よく、平等に>

<兄弟経営が派閥経営になるとき>

<承継こそ最大の戦略>

・戦略とは、持てる経営資源の再配分である。実は、経営の中で最も大切な資源配分は、会社寿命の90%以上を決める「トップ人事」という資源配分である。

 

・「戦略の失敗は戦術ではカバーできない。しかし、承継の失敗は戦略でもカバーできない」

 

・承継の失敗は、会社の成長を5年以上停滞させる。5年間が企業戦略遂行の命取りになることは容易に想像できる。「私のコンサルティング経験の約60%は、本質的には事業承継にまつわる課題であった」、と申し上げたのはこれを意味している。「承継こそ最大の戦略」なのである。