『世界超能力百科 (下)』
<直立石と宇宙人>
<地の力>
・前にも述べたように、レスブリッジ教授は「地の力」という問題に深く魅入られた。地の力こそ宗教的な場所の「神聖さ」の根源と信じた。キリスト教の実に多くの教会が古代の異教の聖地に建てられている事実を、彼は繰り返し強調する。
<空飛ぶ円盤とレイライン>
・以来、UFOを見たという報告は数千件の単位にふくれ上がる。書店にはUFOの本があふれた。正統派の学者グループはこれを集団ヒステリーと唾棄した。
・ここでジョン・ミッチェルは一つの事実に着目する。空飛ぶ円盤が目撃された場所の多くは、「古代の聖地」でもある。しかも多くのケースで、円盤の飛行経路はレイ・ラインをたどっている。ミッチェルは、ワトキンズとアンダーウッドの説を調べ直した。たとえば、アイルランドではレイ・ラインは、「精霊の通り道」と呼ばれ、有史以前から知られていることなども確認できた。ミッチェルはこの研究成果をまず著書『空飛ぶ円盤の幻視』(1967年)で、さらに2年後には『アトランティス鳥瞰』で世に問うた。
<アトランティス大陸の伝説>
<天界の大戦争>
・まずレスブリッジはこれときわめて近い結論に到達していた。まず彼はこんな事実に着目した。「聖ミカエル」の名を冠する教会が聖なる場所を結ぶライン上に点々と存在している。何故か?レスブリッジはこう考えた。「キリスト教徒は異教徒の聖地を引き継ぎ、ケルト神ルフ(ルシファー、太陽神で光をもたらすもの)をその不倶戴天の敵である聖ミカエルで置き換えた」。
直立石の多くは、聖ミカエル(あるいは、それ以前の太陽神ルフ)に関係があるらしい。直立石と聖ミカエルに対する関心から、レスブリッジはもう一つの古代のミステリーへ導かれる。聖ミカエルと「ドラゴン(龍)」の「天界での大戦争」という伝承である。これも単なる神話として一蹴できない内容を含んでいるのではないか?
レスブリッジは、ミッチェルを魅了した問いと同じ問いから出発した。「なぜ『黄金時代』伝承が残った?後の青銅時代や白銀時代の人間は、先祖よりはるかに良好な暮らしを満喫していたはずなのに、なぜあの牧歌的な過去を郷愁をこめて回顧する?」。(訳注:ギリシャ神話に伝承の4つの時代がある。黄金時代、白銀時代、青銅時代、鉄時代で、この順に古い。黄金時代は人間が清浄・幸福の生活を送った時代。その後、人間は次第に堕落の度を深める)。
・彼は旧約創世記第6章の1節にも胸をおどらせた。神の息子たちが人間の娘に目をつけ、これに子を孕ませるくだりである。創世記はこう付け加える。「当時、地には巨人たちあり。人間の娘たちその子を成せり」。レスブリッジは聖ミカエルと敵ドラゴンの説話にも関心があったので、新約ヨハネ黙示録の12章の「天界での戦い」についても苦吟を重ねた。大天使ミカエルと天使たちがドラゴンを相手に戦う場面である。
ある日、突然啓示が訪れた。そのあまりの奇抜さに、レスブリッジは長い期間にわたって発表をためらった。啓示の内容はこうだ。「『神の息子たち』とは宇宙からの訪問者。『天界での戦い』は現実に起きた。原子の衝突とは、火星や月のあばたのクレーターを説明している。ストーンヘンジやメリー・メイドンズなどの立石群については、宇宙船の着陸の際に『目じるし』の役目を果たしたと考えることは不可能だろうか?」
レスブリッジの言い分をせんじつめるとこうなる。「黄金時代」――ミッチェルのアトランティス――とは、遠い過去に宇宙人が地球へ飛来し地球人に技術の使い方についてさまざまなことを伝授した時代である。その結果、この知識が地球の表面すべてに広まった。世界中で目にする文化遺物がよく似ているのはこの理由による。
<古代遺跡は宇宙人の作>
・『未来の記憶』でデニケンはこう断言する。「あらゆる種類の古代の文化遺物や記念碑――エジプトの大ピラミッドも含む――は、すべて宇宙人の仕事」。これには、ジョージ・ハント・ウィリアムソンという先駆者もいる。1958年という時点で出版された著書『獅子の秘密基地』でこう述べている。「宇宙からの訪問者はこの地球に1800万年前にやってきた。以来彼等は人類の進化に寄与し続けている」。1960年に出たフランスのボーエルとベルジュの共著『魔術師の朝』にも類似の説が繰り返し出現する。
<地に落ちたデニケン説>
・デニケンは、大ピラミッドも古代の宇宙人によって建造されたに違いないと主張する。「当時のエジプトではロープは未知の道具」がその論拠だ。だが現実はデニケンに味方しない。墓所の壁画の多くにロープを使う人間が描かれている(デニケンは、ピラミッドの重量を実際の5倍に計算している)。
<アフリカ・ドゴン族の宇宙観>
・ロバート・テンプルに『シリウスの秘密』という著書がある。非のうちどころのない学問的労作である。テンプルはまずこう問う。「ドゴンというアフリカの部族は、シリウスが連星であること、およびその伴星シリウスBは白色矮星であることを知っている。何故?」。シリウスが連星であることは、天体望遠鏡を使ってはじめて観測できる。白色矮星のシリウスBは巨大な密度の「陥没」星で、自転しながらシリウスAを50年の周期でめぐっている。きわめて高いレベルの知識である。この問いに対するテンプルの答はこうだ。「ドゴン族はこの知識を古代エジプト人から得た。古代エジプト人はこの知識を『宇宙の訪問者』から得たに違いない」。
<紀元前4千年の文明>
・このピリ・レイスが航海で使った海図は、イスタンブールのトプカピ宮殿に長く保存されていた。この海図にも、氷に閉ざされる前、つまり6000年前の南極大陸の湾が示されている。一方、航海が始まるのは紀元前2000年頃からである。
そこで結論はこんなことになるらしい。「紀元前4000年にはすでに航海文明が存在していた」。
・だが、さらに不思議な地図も存在している。ハミー王の海図として知られるもので、ベーリング海峡が陸のブリッジでつながっている地図である。ベーリング海峡は12000年前にすでに海峡の地形を構成している。とすれば、この地図はそれ以前のもの?……。
<レスブリッジの「宇宙訪問者」説>
・レスブリッジは空飛ぶ円盤のことをかなり詳しく述べ、こう示唆する。「これは宇宙からの訪問者とも考えられるし、なんらかの異次元の存在とも考えられる」。
・「体外離脱という現象がある。これは人間の心が地上の『震動速度』を脱し、より高い速度へ移行できる証明である」
<ジョン・キールのUFO研究>
・「空飛ぶ円盤」にかかわった研究家の多くもこの問題に遭遇した。ジョン・キールというアメリカのジャーナリストもその一人。1952年という早い時点でUFOのラジオ・ドキュメンタリー番組を制作し、この現象に世間の注目を促した先駆的人物である。
・これでキールは次のような認識に到達する。「空飛ぶ円盤の目撃件数はあまりにも膨大。そのすべてを錯覚あるいは嘘として退けることはとてもできない」。1953年、彼はエジプトで初めてUFOをその目で見た。白昼に一つの金属の円盤が縁の部分を回転させながら、アスワン・ダムの上に浮いている。それでも彼は慎重に事を進めた。1966年に初めて空飛ぶ円盤の本格的研究を決意し、新聞の切り抜き業者に仕事を依頼した。その結果、彼をまず驚愕させたのは件数そのものだった。多い日には150枚もの切り抜き記事が送られてくる。一方、この件数でさえ全体のほんの一部で、現実には数千件の目撃が記録されないままに発生していることが明らかとなった。(現実の発生件数が圧倒的迫力となる現象を、少数の例で代表させなければならない苦衷を、ここで筆者は読者に告白しておきたい。懐疑論者は、ほんの百件でもいい、目撃記事に次々に目を通していただきたい。「錯覚・幻像」論がいかに脆弱か実感されるはずだ)。UFOを車から
見た目撃者の多くは、その後に自宅の窓からもふたたび見ているが、これもキールにとっては胸おどる新発見だった。これは、「宇宙人」が異なる星から飛来し定められた調査作業に従事するだけの科学者または探検者ではないことを示唆する事実と考えられた。
・翌1967年、キールはロングアイランド高速道路をドライブ中に空に1個の光る球体を認めた。自分の車と平行して移動している。ハンティントンに着くと、多数の車が道路沿いに駐車していた。数十人が群がって空を見上げている。その空には4個の光る物体が、上下し左右しながら遊弋していた。キールを追随してきた物体もこれに合流した。キールはフィリップ・バックハーストという科学者に面会にいく途中だった。その前日の夕方、バックハーストは自宅に近い数本の樹木の上にUFOが浮かんでいるのを見ている。双眼鏡で観察した。銀色の円盤で数個の光が明滅していた。近くのサフォーク空軍基地はこれについてなんの知識も持ち合わせていない様子だった。
・キールは目撃者たちの話に感銘を受けた。大部分がUFOに関して作り話をする必要も理由もない普通の人々である。文献類に出ている話について、キールはその98パーセントが怪しいと考えたが、個別の目撃者はほとんどが率直に事実を語っている。キールの原稿はやがて2千ページの本を満たす量に達した。彼はこれに厳選を加え『UFO・トロイの馬作戦』と題して出版した。
<7万人の目撃者>
・キールは、調査を進めるにつれてこう考え始めた。「UFOはこの数千年にわたって地球に来ている。聖書には火の戦車や火の玉の記述が随所に出てくるが、これもUFOに関連があるに違いない」。1883年、ホセ・ボニーリャというメキシコの天文観測者は、全天を移動する143個の円盤状の物体を写真に撮った。1878年にはジョン・マーティンというテキサス州の農夫が、大きな円盤状物体が頭上を飛行するのを目撃し、新聞のインタヴューで「円盤」という表現を使った。1897年には巨大な葉巻型の飛行物体が全米各地で目撃された(もちろん、飛行船が発明される前の話である)。
・キールは、「宇宙人」に関する各種目撃譚と超常現象を体験したと主張する人々の話の類似性にも関心を抱いた。モルモン教の創始者ジョセフ・スミスを導いて黄金の銘刻板を掘り当てさせた「天使」は、アダムスキーはじめ多くのUFO論者が書いている宇宙訪問者の記述に酷似している。第1次世界大戦中、ポルトガルのファティマの近くの野原で遊んでいた3人の子供が光る物体を見た。女の声がそこから聞こえてきた。(3人とも見たが、その声を聞いたのは2人だけという。これは、それが客観的事象ではなく子供の心の中の事柄だったことを物語っている)。「ロザリーのレディ」(女の声はそう自分を呼んだ)が3人の子供に現れた場所に、毎月人々が集まりはじめた。レディの姿を見、その声を聞くことができるのは子供だけと伝えられていた。しかし、1917年10月13日、レディは奇跡を行って世界中を信じさせると述べた。その瞬間、頭上を覆っていた雨雲が2つに割れた。その間から巨大な銀色の円盤が7万人の群衆の上にゆっくりと降りてきた。それから、キールが目撃したUFOとまったく同じに、ぐるぐる回りながら上下した。そのたびにそれが発する色は千変万化した。10分後にその物体は雲の彼方へ姿を消したが、その間、7万の人々がこれを見ていた。現場に来なかった同地区の人たちもこれを家から見た。
<不気味な訪問者>
・一方、UFOに関連してかなり不気味な話も伝えられ始めた。目撃者によると「政府の役人」が家に来て口を閉ざすよう警告したという。たいていは黒い背広だが、軍服のこともあるらしい。政府の各省庁はまったく心当たりがない様子だ。1953年、コネティカット州ブリッジポートのアルバート・K・ベンダーは、自分が主宰している国際空飛ぶ円盤協会を突然閉鎖した。「光る目と浅黒い皮膚の男が3人やってきて、調査を打ち切るよう圧力をかけた」とその理由を述べた。UFOマニアは口を揃えて政府を非難した。しかし、10年後にベンダーが出した本によると、かなり不気味な事情がからんでいたらしい。3人の男は、彼のマンションで自在に出没できたという。ベンダーは南極のUFO基地へ連行されたこともある。UFO現象に関心を抱いたジャック・ヴァレという科学者は、妖精と「元素霊」にかかわる中世の伝承とこの話に類似点があると指摘している。
・キール自身も妙な雰囲気を感じるようになった。ウェストヴァージニア州で、高速で走る自動車と同じ速度で飛ぶことができる有翼の巨大な鳥男を目撃したという話が伝えられた。この調査を開始した頃、曖昧であるが自分に敵対感情を持っているらしい相手が彼の周囲にちらつき始めた。人けのない路上でいきなり写真を撮られたこともある。撮った男はなぜか直ちに姿をくらませた。
・グレイ・バーカー女史というUFO専門家と会う約束をした直後、キールは共通の友人から変なことを耳にした。バーカー女史は2日前にそのことをすでに知っていたという。2日前には彼女と会う考えなどキールの頭には浮かんでもいない。「連絡先」からよく電話がかかってきた。その説明によると、彼キールと話したい人がその横にいるという。それから、その電話で変な声の男としばしば会話を交わした。(彼は電話の相手がトランス状態ではないかと感じることが多かった)。
・キールは著書『モスマンの予言』でこう書いている。「誰かがどこかで私の動静すべてを承知していると私に思い知らせようとしていた。おそらく私の電話すべてに耳を傾けていた。私の通信手段さえ支配しようとしていた。彼等はそれに着実に成功をおさめつつあった」。その相手はさまざまな予言も彼につげた。黒人解放運動指導者マーティン・ルーサー・キング師の暗殺、ロバート・ケネディ司法長官の暗殺、ローマ法王に対する刺殺未遂などである。しかし、多くの場合、現実の事件とは日付にずれがあった。キールは結論として次のように述べている。「私たちの小さな惑星は、なにか別の4次元時空連続体の力または実在と相互貫通を現在経験しているらしい」。
・さて、カルデックによれば、こんなことは人類の全歴史を通じて起きている。キールはそれを追認したということらしい。石器時代のシャーマンは、魔術の儀式舞踊を演じることで狩猟での霊の手助けを呼び寄せた。青銅時代の僧侶は、宗教儀式を行なうことで良好な収穫を祈願した。魔女神アラディアの信奉者は、自然儀式を行なうことで月の女神の援助を祈願し、富者に対する貧者の抵抗を助けた。中世の魔女は「悪魔」を呼び出し、彼女らの呪文に魂を入れた。ナポレオン時代のフランスの上流階級の女は、「テーブル・ターニング」――後には「自動筆記」――に精を出し、霊界の住民との対話をはかった………。それから50年後、スピリチュアリストは霊媒を通じて「死者とコンタクトを取る」ことを学んだ。時代こそ違え、彼らはすべて同じことを志したのではなかったのか? 肉体のない存在との触れ合いである。その存在は、伝えられているような形の場合もあれば、そうでない場合もある。
<ブハーリッチのテレパシー研究>
・このように考えると、超常現象という不思議な世界に引き寄せられた現代の科学者のアンドリア・ブハーリッチ博士の奇怪な体験も理解が可能となる。ブハーリッチは神経医学の専門家として人生のスタートをきった。やがてテレパシーという現象に興味を持つ。あらゆる超常現象のうちで、もっとも「人畜無害」かつ科学的にも説明可能と考えられる分野である。
・ブハーリッチは、ハリー・ストーンというオランダの若い彫刻家にも興味をもった。ストーンは、古代エジプトの首飾りを調べている途中でトランス状態に陥り、象形文字を描きはじめた。エジプト学の専門家は、それをスノフル王時代の正真正銘の象形文字と確認した。その文字は自らを書記官ラホテップと名乗り、妻の名はネフェルトと述べた。いずれも史実に一致していることが判明した。
<人類救済集団「ザ・ナイン」>
・この直後、D・G・ヴィノッド博士というヒンズーの学者がブハーリッチの家でトランス状態に陥り、いつもの甲高い早口とは似ても似つかぬ深く響く声で語り始め、自分のことを「ザ・ナイン」の一員Mと名乗った。「ザ・ナイン」とは人類を救うことを目的とする超人間知能グループ「9つの原理と力」のことらしい。ブハーリッチが魔術とスピリチュアリズムのことを知っていたなら、直ちにMに退去を命じたはずである。
・一方、以前偶然に知り合ったローヘッドという夫婦者も「ザ・ナイン」からのメッセージをブハーリッジに伝えた。これは、ヴィノッドが伝えたメッセージの続きを構成していた。これでブハーリッチは宇宙人は間違いなく存在すると確信を深めた……。
<ユリ・ゲラーの神秘>
・1971年、ブハーリッチはユリ・ゲラーというイスラエルの若い霊能者のことを耳にすると、直ちにテルアビブへ飛んでこの青年と会った。青年の読心術の大技にブハーリッチは目を見張った。婦人が指輪を手にかたく握りしめる。青年はその手の上に自分の手を置くだけで、その指輪をつぶした。指で軽くこするだけでスプーンを曲げた。
・これに続いて起きた一連の不思議な現象を、ブハーリッチは『ユリ・ゲラーの神秘』という本に詳述し出版した。内容が奇想天外をきわめている。本は読者の多くに極端な警戒心を植えつけた。なにしろ「ザ・ナイン」は走っている車を自在に止めたり再発車させたりする。UFOを頭上に出現させる。いろんな物体を(時にはユリ・ゲラー自身を)「テレポート」(念力移動)する。そのほかにも怪しげな振る舞いのオンパレードだ。
<地球に大到来の宇宙船>
・ユリ・ゲラーとブハーリッチは袂を分かった。ゲラーは際限のないテストにうんざりした。だが、「宇宙の知能存在」のほうは大いに興がったらしい。そう易々とはブハーリッチに科学へ戻ることを許さない。ブハーリッチがボビー・ホーンという霊媒の調査にフロリダへ赴いたチャンスをとらえ、さっそく再接触をはかり、彼にこう伝えた。「お前の今回の行動目的は、1年ないし2年後の宇宙船の地球大量着陸に備え、地球人類にあらかじめ心構えをさせること」。もう一人の霊媒フィリス・シュレマーも宇宙知能からのメッセージを同時に伝え始めた。(それによるとトムという宇宙人はこう説明した。「地球上の最初の文明は32000年前に中国のタリム盆地で宇宙人により始まった」)。
・このグループと付き合ったスチュアート・ホルロイドという英国の物書きは、後に『惑星地球着陸の前奏曲』という本を著わし、その後の事の進行を逐一伝えている。珍妙この上なしの内容なので詳しい紹介は差し控えるが、ともかく学者ブハーリッチ、物書きホルロイド、霊媒シュレマー、およびジョン・ホィットモア卿という英国人の4人が中近東へ急行し、ホテルの部屋で交霊会を催し、平和を祈祷する。そこへ知能存在トムが定期的に現われ「諸君は今まさに人類を救いつつある」など保障する。ところが1975年になっても宇宙船の地球大量着陸は実現しない。
『UFO特務機関「MIB」の謎』
エイリアン事件隠蔽工作の全貌とフェニックスライト事件の真相
<特殊部隊>
・UFO情報を隠蔽する任務を帯びた特殊部隊、特務機関といえばいいだろうか。早い話がスパイである。といっても、007に登場するイギリスのMI―6やアメリカのCIAのレベルではない。もっと恐ろしい諜報機関である。
<アルバート・ベンダー事件>
・と、なんとも意味深長な言葉の裏には、いったい何があったのか。その真相は10年近くたって発表された著書によって明らかにされた。なんでも、火球事件を調査していたところ、突然、声がベンダーの頭の中に直接、響いてきたというのだ。
「われわれは以前から、あなたのことを監視している。調査をやめて、空飛ぶ円盤の問題から即刻、手を引くように」
いわゆるテレパシー現象だった。言葉の主は、どうやら火球、すなわちUFOのことをよく知っているらしく、同様の現象が続く。あるときベンダーがベッドに横になっていると、部屋に突如、3人の人影が現れた。彼らは蜃気楼のように、ゆらゆらとゆらめき、ついには現実の人間となった。全身、黒づくめの男たちは、ベンダーに向かって、こう警告した。
「あなたが行っている研究は、われわれが行おうとしている目的にとって、非常に障害となっている。地球における任務が終るまで、われわれの邪魔をすてほしくない。すぐさま研究団体を解散させるのだ」
黒づくめの男たちは、それはいうまでもなくMIBだった。しかも、彼の言葉を信じるならば、どうもMIBの正体は超能力を持った異星人らしい。この後も、MIBはたびたびベンダーの前に現れ、IFSB(国際空飛ぶ円盤協会)の解散を迫った。
・異星人たちは圧倒的に進んだ科学力で、地球人の体を自由に操るこおとができるといい、多くの同胞を国防総省ペンタゴンに送り込んでいる。地上のいたるところに基地を建設し、地球人に変身することもできる。それを証明するために、異星人たちはベンダーを南極の秘密基地にまで連れていったというのだ。
きわめて幻想的な要素の強い体験であるが、ベンダー事件のMIBは、実在する人間というよりも、どこか幽霊のような存在であることを強く感じさせる。幽霊異星人、もしくは霊的エイリアンとでもいえばいいのだろうか。
<MIB/UFO=超地球人説>
・ただし、キールの場合、一般のUFO目撃者や研究家とは少々認識が異なっていた。彼はUFO搭乗者を単純に地球外から来た知的生命体、すなわち異星人だとは考えていなかった。
UFO事件にまつわる不可解な現象や科学的な検証を拒むかのような見えない力、そして証拠の隠滅の裏には、もっと深い超自然的パワーが働いている。それは人類が古来、天使や悪魔、妖精と呼んできた存在と同じものであり、その正体は見えない異次元から地球人に干渉する知的生命体、いうなれば「超地球人」ともいうべき存在であり、MIBは、その監視を行うために異様な姿をとって出現するというのだ。
・したがってキールにしてみれば、MIBとはその正体を知られたくない超地球人たちにほかならず、さまざまな手段を使って証拠を闇に葬つているというのである。彼にとっては、MIBは古にあっては悪魔の使いであり、ときに悪魔そのものとして語られてきた存在なのだ。
実際、彼の仮説に従えば、ベンダーの前に現れた幽霊異星人としてのMIBの存在も容易に説明がつくことは確かである。
<MIBの正体はNSAのエージェントだ!!>
・重要なテーゼを忘れてはならない。最初に述べたように、UFO問題は軍事問題である。UFO情報を隠蔽しようとする当局もまた、アメリカ軍である。アメリカ軍のスパイにして、諜報活動を行う秘密機関とくれば、ひとつしかない。国家安全保障局/NSAである。はっきり断言しよう。MIBとはNSAのエージェントなのである。
・つい最近までアメリカが公式にその存在すら認めなかったNSAは、もともとUFO情報をコントロールする目的で設立された組織である。エシュロンなどの通信傍受を主な任務とすると一般には思われているが、実態は、さにあらず、UFO情報を収集及び分析し、かつ大衆には偽情報を流して混乱させ、最終的に、すべてをもみ消す諜報機関なのだ。MIBは、まさにNSAの中の実行部隊なのだ。
その力はCIAの比ではない。任務を遂行するためには、殺人もいとわない。彼らには殺人許可証がある。シークレットガバメントの意向に背く者は、たとえアメリカ大統領であっても消される。
ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ、通称JFKもまた、そうして暗殺された大統領のひとりである。彼はアポロ計画によって、月面でエイリアンとの遭遇を演出しようと画策したために殺された。暗殺を実行したのはNSAである。
・軍やCIA、FBI、警察を一糸乱れぬ動きで統括し、法廷で証言する者全員を事故に見せかけて葬り去る。事件を調査するウォーレン委員会を抱きこみ、すべてを封殺した。こうした芸当ができるのはNSAをおいてほかにはない。
<もうひとつのフェニックスライト>
・フェニックスに超巨大UFOが出現した午後8時よりも少し前、午後7時30分ごろ、北西に160キロほど行った街プレスコットでも、同様の事件が起こっていた。
当時、現職の警察官であったデニス・モンローが自宅を出て北に向かって車を運転していたところ、夜空に7個のオレンジ色のライトが光っていることに気づく。見ると、それはV字形に並んでおり、巨大な飛行物体であることがわかった。目測で片翼200メートルほど、大きさはフットボール場2個分に感じたという。
・お気づきのように、先に多くの人に目撃されたフェニックス上空の巨大UFOと、それより以前に目撃されていた巨大UFOとは形が違う。前者は半円形に光が並んでいるのに対して、後者はV字形の配列だ。光の数も9個に対して、5~7個である。大きさも2キロと200メートルと違う。そして何よりも、後者は人々によって機体をはっきり目撃されている。
<ラボックライト事件の真相とラムダUFO>
<ラムダUFOともうひとつのエイリアン>
・掲げた写真を見ていただくとわかるが、ラボックライトは巨大な逆V字形をしており、底部に複数のライトが光っている。これはフェニックスライトの巨大UFOと基本的にまったく同じ構造である。本書では、逆V字形をギリシャ語の「Λ(ラムダ)」に見立て、このタイプの巨大UFOを三角形を基本とするデルタUFOに対して「ラムダUFO」と呼ぶことにする。
しかも、ラボックライトの場合、その角度はちょうど90度、直角になっており、いわばL字形になっているので「ラムダUFO―L」。一方のフェニックスライトは、それよりも鋭角で、V字形になっているので「ラムダUFO―V」と名づけておく。
ラムダUFOに角度の違うふたつのタイプがあることには意味がある。象徴として、ラムダーUFO―Lは直角定規、そしてラムダUFO=Vはコンパスを表している。ふたつを合わせると「定規とコンパス」、すなわち史上最大の秘密結社「フリーメーソン」のシンボルとなる。
・これは偶然ではない。ラムダUFOを製造し、それを操縦するエイリアンはフリーメーソンなのである。ただし、誤解のないようにいっておくが、世界中にロッジをもつ近代フリーメーソンではない。もっと、はるか古代に設立された秘密結社フリーメーソンであり、その歴史はノアの大洪水以前に遡る。もっといえば、彼らはノアの大洪水以前に、この地上から消えた人々の組織なのである。
・ラムダUFOのエイリアンは確かに地球人とまったく同じ姿をしているが、この地球内部の亜空間に存在する天体アルザルからやってきているわけではない。彼らは失われたイスラエル10支族ではない。失われたイスラエル10支族よりも古く、そしてまったく違う天体から地球にやってきている。
いずれ近い将来、シャンバラとして知られる地底世界から戻ってくるエイリアン、いうならば「アルザリアン」たちと手を組み、この地上に戻ってくるときが来る。そのとき、全地球人は上空に前代未聞の超巨大ピラミッドを目にすることになるだろう。
そして気づくのだ。
物語に記された天空の城「ラピュタ」は実在し、ラムダUFOに乗っている人々の正体が絶対神によって取りあげられた預言者エノクの民「エノキアン」であることを!!
・MIB=異星人説と同様、UFO問題の偽情報のひとつに、エイリアン・テクノロジー伝説がある。有名な墜落UFO事件、すなわちロズウェル事件において、回収したエイリアン・クラフトからさまざまな技術を軍事的に転用することに成功し、その一部が今日の科学技術の基礎になっているというのである。
それを暴露した人物として、アメリカ国防総省の元情報高官フィリップ・コーソー中佐が、この世界では有名だ。フィリップ中佐によると、墜落UFOから回収したコンピューター集積回路や光ファイバー、暗視カメラなどのメカニズムを分析することに成功した軍部は、それらを後にトルード将軍を通じて民間に払い下げた結果、IBMやベル研究所などのアメリカ企業が潤ったと述べている。ちなみに、極秘情報を暴露したのが理由かどうかは不明だが、フィリップ中佐は不審死をとげている。
・また、同様に、ノースカロライナの緊急医師スティーブン・M・グリア博士が主催した「ディスクロージャー・プロジェクト」では、社会的に高い地位や名声のある人々が異星人の存在を認め、政府が情報を隠蔽していると批判。人類社会の発展の裏には、墜落UFOのテクノロジーが存在したと主張している。
これは今後、随時、情報を公開していくつもりだが、エイリアン・テクノロジーの一部をアメリカ軍が入手していることは事実である。それをもとに、地球製UFOを製造していることは本書でも述べた通りである。
『UFO特務機関『MIB』の謎』
エイリアン事件隠蔽工作の全貌とフェニックスライト事件の真相
<UFO隠蔽工作と『M-ファイル』>
・かって米国のNSA(国家安全保障局)は、UFOの機密文書として「MJ-12文書」をはじめ、「リア文書」や「クーパー文書」「ダルシー文書」など、数々のフェイク情報をリークしたことがある。アメリカ政府が異星人グレイと密約を結び、UFOテクノロジーを提供してもらう代わりに家畜虐殺キャトルミューテーションや人間誘拐アブダクションを黙認するという内容が注目を集めたが、この中にエイリアンの種族に関するデータが含まれている。
・曰く、異星人にはヒエラルキー(階層化)があり、一番下が「リトル・グレイ」という小人型ヒューマノイドで、クローンによって増殖するバイオクリーチャー。その上が大きな鼻が特徴的な「ラージ・ノーズ・グレイ」で、いわばリトル・グレイを管理する。その上になると容貌はグレイではなく、地球人とほぼ同じ、真っ赤な髪が特徴的な「オレンジ」な種族がおり、最高位は北欧の人々によく似て白い肌を持つ「ノルディック」が存在するというのだ。
『図解 UFO』
桜井慎太郎 新紀元社 2008/4/11
<MIB(Men in Black)(正体不明の男たち)>
・MIBは、英語のMen in Blackの略で日本では「黒衣の男たち」と訳される。
・彼らは、たいてい笑顔一つ見せずに動きは硬くぎこちない。態度は形式的で、冷たく、時には威嚇的で目撃者の中には人間とは別の存在と感じた者もいる。
容貌については漠然と外国人のようだと形容されることが多いが、東洋人のように目がつり上がっているという報告も多い。
・MIBの最初の記録は1953年になる。当時「国際空飛ぶ円盤事務所」を主催していたアルバート・ベンダーの前にダークスーツに身を包んだ3人の男が現われたとされている。
・MIBの正体についてはCIAなど情報機関のエージェント、異星人など諸説あるが、中には霊的な存在ではないかとする説もある。
『世界不思議百科』
コリン・ウィルソン + ダモン・ウィルソン 青土社 2007/2
<ネス湖に怪獣はいるのか>
<怪獣と予知能力>
<なにかの投影か>
・このオマンドにホリディは手紙を出した。その結果、奇怪なことに発展する。1973年6月、ホリディとドナルド・オマンドが悪魔祓いを行なった。その祈祷が終わると二人とも異様な疲労を感じたとホリディは述べている。自分たちが危険な力を呼び起こしたのではないかとホリディは危惧したが、その危惧は2日後にカレーという退役空軍中佐の家に泊まった時に現実のものとなる。
・ホリディは、カレー夫人にヤン・オーヴ・サンドバーグというスウェーデンのジャーナリストのことを話していた。こんな話である。サンドバーグはファイヤースの裏手の森を散歩していた。空地のような場所で変な飛行物体を見た。数人の妙な格好の男がいる。やがてその飛行物体は高速で飛び去った。スウェーデンへ帰国後、サンドバーグは「黒衣の男たち」に悩まされる。政府関係者と称してUFOとの「接触者」をしばしば悩ます「人々」である。
・ホリディは、そのUFOが着地した場所へ行って見たいと言った。カレー夫人は、やめたほうがいいと忠告した。この瞬間、窓の外に竜巻が過ぎるような音と一連の打撃音が聞こえた。さらに一筋の光線が窓をつらぬき、ホリディの額を射た。その直後、静けさが戻った。不思議なことに、妻の位置からほんの1メートルほどで飲み物を注いでいたカレー退役空軍中佐は、なにも見ていないし聞いてもいない。翌朝、ホリディは湖のほうへ歩いていった。途中に、ヘルメットやサングラスも含めて、黒づくめの男が突っ立っている。ホリディはその横をすりぬける。振り返る。彼は驚愕した。男は消えている。道路のほうへ走った。両方を見た。ほかに男が行く場所は考えられない。
・1年後、ホリディはそこからごく近い場所で心臓発作を起こした。タンカで運ばれながら、彼は周囲に目を配ることを忘れなかった。タンカは1年前に彼が「黒づくめの男」を目撃したまさにその地点を通るところだった。それから5年後、ホリディは心臓発作で生涯を閉じた。
<怪獣ハンターの期待と悲観>
・筆者が考えるに、これには二つの理由がある。ロバート・H・ラインズ博士を団長とするマサチューセッツ工科大学応用科学学会の調査団が、1972年と1975年の2度にわたって、水面下の鮮明な写真撮影に成功した。1972年の写真のうちの一枚には、長さ2メートル半ほどの大きなひれ状の足らしい物体がはっきりと写っている。一方、1975年の写真には、首が長い動物とその前部のひれ状の足が明瞭に写っている。これは、特に印象が強い写真だ。
<ネッシーはやはり存在するのか>
・しかし、ウィッチェルのこの礼賛はいささか速過ぎたようだ。大部分の人は現在でも怪獣が存在するかしないかは未解決の問題と考えているし、学者の大半は今でも問題自体を胡散臭いものと感じている。
<怪獣確認は失望の日>
・ある日、「怪獣」が最終的に確認され分類できたとしよう。その日は失望の日になるはずだ。おそらく、ネス湖は観光の最大の目玉をたちまちにして失うことになる。