日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

コンタクティやチャネラーの情報を集めています。森羅万象も!UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象といわれます。

コロナショックは、社会革命とまではいかないが、数年、数十年かけて起こるべき変化を早く始めさせる作用はあるだろう。通常であれば、在宅勤務しない人の在宅数が急激に増えた。(6)

 

ライフスタイルの変化による出生力へのマイナスの影響をゼロにすることは可能だ。 是川夕

出生率が人口増減のターニングポイント

・政府は少子化対策と称して、さまざまな政策を打ち出していますが、人口増加を意図しているのではなく、どちらかというと時代や環境の変化に即した対策として打ち出しているものがほとんどです。

 

 例えば、共働き夫婦への子育て支援とか、晩婚化・未婚化の対応などといったように、現代のライフスタイルの多様化に合わせた政策だと理解すべきです。

 

人口減少そのものを問題と捉えると本質を見誤る

・実は、かつて日本での人口問題といった場合、それは人口減少ではなく増加のことでした。この研究所も、そもそも人口増加の問題を研究するため、1939年に世界で最も初期に設置された機関だったのです。今でも世界人口は増え続け、いずれ100億人を突破するといわれています。

 人口増加は環境破壊や食料危機、紛争などを引き起こしますが、人口減少については世界規模で見ると先進国の微々たる問題。地球規模で見れば人口爆発が起こっていて、こちらがメガトレンドです

 

日本にとっての適正人口はどのくらいなのか

・工業化が発達する以前は、その時代の人口が上限であって、社会がそれ以上は養うことができないため増えませんでした。工業化の発達以前はほぼ横ばいでしたが、より多くの人口を養うことができるほどの豊かさを手に入れたことにより、初めて人口爆発が起きたのです。人口減少時代に突入した日本では、その減少幅に合わせて最適化した国の運営が求められるのではないでしょうか。

 

・また、人口減少には「よい減り方」と「よくない減り方」の2通りあると、個人的には思っています。よくない減り方は、死亡率が上昇して人口が減少する場合です。ソ連崩壊後のロシアがそれに近く、崩壊に伴う社会的混乱によって平均寿命が縮んでしまったといわれています。そういう形で人が死ぬのは、明らかによくない。今の状況では、全員が天寿を全うしても減っていく「よい減り方」の社会であり、何ら不幸な事態が起こっているわけではありません。「問題」ととらえることの方が問題ではないでしょうか。

 

2117年   100年後、私たちの宇宙ははるかに広がっている

・60万人が火星に移住、宇宙の拠点になる ⁉

 

・21世紀末には月への旅行も一般的に

 

・(今世紀中に知的生命体がいる天体を発見 ⁉)系外惑星系という言葉をご存じだろうか。太陽系以外にも存在する、太陽系のような惑星系のことである。望遠鏡や観測技術の進歩によりその発見数は激増しており、その数は1200個を超えている。

 

世界の人口問題1、 世界では毎分20人が難民となっている

・毎年増加する一方の難民だが、そこには戦争や宗教の対立、人種差別など人類が抱える問題が山積みの現状だ。日本は島国だから無縁と思いがちな難民問題について、その実態をここで解説する。もはや対岸の火事ではないのだ。

 

戦争を避けるために避難する人々

・近年では争いが起きた国内にとどまる、あるいは国境を越えずに避難生活を送っている。

 

爆発的に増加し続ける世界各国の難民

・国連ではUNHCR国連難民高等弁務官事務所)を立ち上げ、世界128か国がこの救済に乗り出している。援助支援対象者は世界に広く分布しており、北アメリカで759人、ヨーロッパで約274万人、アジアで約3147万人、南米で約837万人、アフリカでは2137万人、オセアニア約2300人、無国籍に至っては約371万人と膨大な数に膨れ上がっている。

 また難民の数は年々増加する一方で、2016年を見ると新たに約1030万人が避難を余儀なくされている。これは毎分20人相当の人が、避難民となっていることを示す。

 

世界の人口問題2、移民は年々増加し続け国民の約30%を占める国も

混同されやすい難民と移民の区分け

・2015年の移民人口国別ランキングの2位となっているドイツでは労働力不足を補充するために「ゲスト労働者政策」を掲げ、トルコからの移民を家族ごと受け入れた過去がある。

 

・一方、人数ではなく人口に対しての外国人比率が高いのがスイスだ。

 

結果、スイスでは人口に対する外国人比率が高く、2015年24.6%。実に毎年、8万人以上の人々が移民としてやってきている。

 

 

 

『怖すぎる未来年表』

2100年までに日本と世界で起こること

未来予測研究倶楽部  Gakken   2018/5/22

 

  

 

はたして人類の未来は明るいものなのか

人工知能が人間を超えるシンギュラリティへの到達は、わずか27年後に迫っている。これらのテクノロジーについて理解しておかないと社会から取り残されてしまうかもしれない。

 

日本に女性リーダーは登場するか

世界経済フォーラムは男女平等の度合いをジェンダー・ギャップ指数という指標で表しているが、2017年では日本は調査対象144か国中の114位という不名誉な結果である。たしかに日本では、仕事という面だけを切り取っても、女性の非正規雇用が多く、男女の賃金格差が大きい。そして政治の世界を見ても、女性の議員や閣僚の数が、男性に比べて圧倒的に少ないのである。

 

2019~2029年

2019年 天皇譲位と改元

 

消費税10%に増税)経済は立て直されるか?

 

線虫によるがん発見が実用化)早期発見の可能性が飛躍的に高まる?

 

2020年 TPP発動で日本の産業に打撃も。TPPに参加すると、日本の農業を守るには新たに3兆円が必要となるという。雇用も340万人に減少し、食料自給率も13%に激減するとされている。

 

東京五輪は無事開催されるのか?)期待とともに不安も一杯。猛暑の東京2020

改憲が現実になる?)高いハードルを越えられるか。

 

(自動運転車の実用化が目前に)法整備や安全確保は間に合うか?

 

2021年 文化庁が京都に全面移転。省庁再編の可能性も。

 

2022年 24時間営業のコンビニが激減?深夜営業は割に合わない ⁉

 

尖閣問題で中国との緊張が高まる?)実効支配50年は無事に迎えられるか。

 

2023年 量子コンピューターの実用化なるか。同時に行える計算の数は天文学的なものになり、現在のスーパーコンピューターを大きく凌駕するという。

 

2024年 超高齢化社会の到来。75歳以上が4人に1人。

 

中国がGDP世界1位に)中国にも憲法があるが、憲法よりも上位に中国共産党が君臨している。

 

(インドが人口世界1位に)インドが中国を抜いて世界1位になり、14億人を突破すると予測されている。

 

多くの大学が消滅の危機に!)多くの私立大学は国から補助金をもらっている。その数は2015年で566校だ。これは、実に9割以上の私立大学が補助金なしでは経営が成り立たないことを示している。

 

2025年 サラリーマンの保険料が高負担に。保険料が収入の3割を超える?

 

介護難民が全国で700万人に)外国人介護士が切り札に。20万人以上になった留学生は、介護現場にとって強い味方だ。

 

認知症患者が700万人規模に認知症患者のうち60%は、家族によって介護されている。

 

(1万円札がなくなる?)現金が姿を消す日も近いか。

 

2026年 建築やインフラの老朽化危機。高度成長期の産物が寿命を迎える。

 

2027年 北朝鮮の政権が崩壊か?多くの難民が国外に流出することが予想される。

 

リニア中央新幹線の開業)地方の過疎化も加速させる?

 

(輸血用血液の不足が深刻に)病院に行っても手術ができない?

 

2028年 週休3日制がスタンダードになる?週休3日制は結局のところ公務員と大企業に恩恵をもたらすだけで、中小企業には無縁どころか、他人が休むために負担を強いられるのではないかという危惧もある。

 

(国の借金が1400兆円に!)それでも国が破綻しないのは、借金の94.5%が国内で買われている国債だからだ

 

(富士山大噴火の可能性)気象庁が富士山を常に観測し、データを公開していることからも、富士山は要注意の火山だとわかる。首都圏の機能も麻痺?

 

(バーチャル俳優が活躍)コンピューターで作られたキャラが演技する?

 

2030~2039年

2030年 IT技術者が大幅に不足!原因として最初に挙げられるのは、理系人口の少なさだ。また、待遇が十分によいとはいえないことも、人材不足の原因のひとつだ。

 

(スマート農業が一般化)重労働から解放される!2020年には308億円の規模。TPP問題も解決か。

 

スマートフォン無料化が実現?)人間の能力を拡張する必須ツール。

 

うつ病が世界で最多の疾病に)早急な取り組みが必要不可欠。

 

(大手銀行が次々に破綻する?)あなたの貯金が危ない ⁉

 

再生可能エネルギーが2割超に)エネルギーは足りるのか?

 

(交通事故死者数ゼロ実現なるか)世界では死者数3倍の予測も。

 

再生医療が全盛に)iPS細胞がひらく医療の未来

 

再生医療によるアンチエイジング)すべての組織が移植できるようになる?

 

(日本が有人月面探査開始)基地建設も可能になるか?

 

地球外生命体発見 ⁉)太陽系内をくまなく探せ!

 

(外国人観光客6000万人超え)組織犯罪者の入国も懸念される。犯罪を防ぐためには、諸外国に精通した専門家や外国語が話せる警官を増やすなどの対策が必要になってくるだろう。

 

2031年 北海道新幹線が全線開通。地元を活性化させられるか?

 

国産牛がWAGYUに負ける?)オーストラリア産牛肉がさらに安価で高品質に。

 

(韓国が強力ミサイル200基配備)射程距離は500キロ!

 

2033年 空き家が3割越で犯罪者の巣窟に?空き家が多い主な原因は、人口減少の中での住宅の過剰供給だが、じつは固定資産税の制度にも問題がある。住宅を取り壊して更地にすると、固定資産税は6倍にも跳ね上がるのだ。

 

健康寿命が100歳に?)再生医療などの技術も進歩し、健康維持の智恵も蓄積されているだろう。

 

タイムマシンが完成!?)科学者の中にも、タイムマシンは可能だと考える人は多くいる。時間の本質をとらえ、操作できる?

 

2035年 日本が未婚大国に。独身者が15歳以上の半数を占める?

 

2036年 地磁気逆転が起こる ⁉ IT社会がメチャクチャに?

 

小惑星アポフィスが地球に超接近)軌道変化で衝突もありうるか ⁉

2037年 コンピューターと脳をつなげる技術が実現?記憶機能が拡張できる?

 

2038年 世界中のコンピューターが誤作動する?2000年問題とは比較にならない危機。

 

2039年 死亡者数がピークに。2030年、死亡者数は160万人に達し、2039年には、167万9000人でピークを迎えるという。火葬場が足りなくなる?

 

2040~2050年

2040年 日本の自治体の半数が消滅?地方の人口減少を止められるか。全国1800市区町村のうち49.8%の存続が危うくなる。

 

(仮想通貨が通貨として認知される)儲かるチャンスと背中合わせのリスク。 ハイリターンだがハイリスク。

 

(ガソリン車が姿を消す?)電気自動車が市場を席捲!

 

食料自給率の低下)日本の農業の生き残る道は?TPPによるさらなる危機。食料自給率の低下は国力の低下、ひいては国の存亡の危機につながる。

 

核融合で安全な原子力発電が実現?)無限に近いエネルギーを得ることが可能になる。

 

(夏の北極海から氷がなくなる?)北極海が漁場となり、北極海航路がひらける。

 

(人工子宮が完成?)不妊や妊娠リスクを回避。

 

人工光合成の実現?)生命の神秘を人間の技術で再現。

 

(紙の新聞がなくなる?)ニュースのデジタル化がいっそう進展。

 

2041年 テレパシーを科学的に実現 ⁉ 脳に直接情報を送る技術が目前に

 

(100万円で宇宙旅行?)2041年宇宙の旅へ!

 

2042年 日本の高齢者人口がピークに。団塊ジュニア(1971年から1974年に生まれた人達)が高齢者になる。

 

2044年 桜島が大噴火する ⁉ 130年かけて溜まったマグマ。

 

2045年 シンギュラリティの到来。人工知能が人間を支配する?

 

2046年 様々な国や都市が水没の危機!温暖化による海面上昇の恐怖。

 

2048年 年金制度崩壊?今すぐ根本的な対策を!年金が赤字になっている大きな要因として、年金未納者が約4割いることが挙げられる。

 

南海トラフ巨大地震の可能性)犠牲者は32万人以上。被害総額は220兆円。

 

(魚介類のほとんどが消滅?)海洋汚染と乱獲で、魚が食べられなくなる!

 

(ベデルギウスが超新星爆発 ⁉)大量の放射能が地球を襲う!

 

2050年 肩車型社会の到来。若者1人が高齢者1人を支えることに!とにかく少子高齢化社会に対応するには、社会の制度を一度、すべて根本から見直す必要がある。

 

(日本の国土の6割が無人に)地方の人口減少の果て。人の住んでいない場所が増えると、治安や国防の面で、大きな問題となる。

 

中国が世界の覇者になる?)21世紀の新たなる「帝国」

 

(がん予防薬の登場)がん克服のときは近づいている!

 

(トランスヒューマン思想の実現?)人類は新たなステージへ ⁉

 

宇宙エレベーター完成?)ロケットなんてもう古い?

 

2051~2100年

2053年 日本の人口が1億人を割る!働ける人間が目に見えて減っていく。15歳から64歳の生産人口の減少も深刻だ。

 

2055年 寒冷化がピークで食糧不足に!?地球は小氷期に突入している?地球温暖化の危機が叫ばれている中、じつは地球は寒冷化に向かっていると、多くの気象学者が警鐘を鳴らしている。

 

(世界人口が100億人を突破)限りある資源の争奪戦が始まる。現在、世界人口は73億人ほどだが、これが37パーセントも増えるのだから、水・食料・エネルギーの不足が深刻化する危険性がある。

 

第3次世界大戦勃発か!?)ハイテク兵器が跳梁跋扈する。2055年に世界人口が100億人を突破すると、各国で水や食料、エネルギーの争奪戦になる。それがもとで、第3次世界大戦が勃発する可能性は否定できない。

 

2060年 日本が経済小国に転落!世界のGDPランキングで日本は3位だが、これが2060年には9位に転落し、中国のGDPの12分の1以下になっているという予測もある。しかし、1人当たりのGDPで見ると、日本にも希望はある。

 

(果物の産地が変わる)温暖化は名産品にも影響!

 

火星への移住者100万人?)地球に代わる安住の地となるか。

 

(野生動物が1頭もいなくなる?)自然破壊が動物たちを絶滅に追いやる。

 

(何でも3Dプリンターで作れる?)物流をも変えてしまうのか。

 

2061年 ハレ―彗星が地球に最接近 ⁉ 76年ぶりに戻ってくる「凶兆」の星。

 

2062年 クローン人間の誕生?識者の間では、クローン人間誕生は、2062年頃の中国になるという観測がある。

 

2065年 8人にひとりが外国出身者に。国籍別で見ると、2015年の時点では中国が最多で32万人、2位がベトナムの11万人、3位がフィリピンの10万人、4位がブラジルの9万人となっている。

 

(石油資源が枯渇する?)1970年代には、「石油はあと30年で枯渇してしまう」と騒がれていた。

 

(アマゾンの熱帯雨林が砂漠化?)世界最大のアマゾンの熱帯雨林が伐採によって50年後の2065年には消失し、砂漠化すると警告。

 

2070年 アルツハイマー病の手術が可能に? もう認知症は怖くない?

 

2074年 スーパー台風が大量発生(風速80メートル以上)。台風は年々強大化しているが、その原因は地球温暖化にあるという。

 

2075年 超火山イエローストーン大噴火⁉ 人類滅亡のシナリオもあるか。

 

2100年 日本の人口が5000万人以下に。出生率が比較的高く1.60人になった場合は6485万人、比較的低く1.12人になると3795万人、中間の1.35人で4959万人。

 

(殺人熱波が日本を襲う?)2100年には最大で世界の4分の3の人々が熱波による死の脅威に直面し、仮に削減に成功しても、2人に1人は、熱波の中で1年のうちの20日を過ごさなければならないという。

 

(絶滅動物が復活?)クローン・マンモスが未来を闊歩する。

 

イスラム教が最大勢力に)キリスト教が信者数首位から転落!

 

サンゴ礁が絶滅する?)海の宝石を守れるか。

 

(不老不死が現実に!?)人間が追い求めてきた究極の目的。

 

<「デルファイ調査」とは

アメリカのランド社が開発し、1964年に発表した、デルファイ法という技術予測の手法がある。

 

 新しい科学技術による製品がいつ出現し、人々の生活や産業構造にどのような影響を与えるかを予測する手法である。

 

 各分野の専門家にアンケートで、直感的意見や経験的判断を求め、集計結果を再度アンケートとして回答者に送って、その意見を集計する。

 

  

 

コロナショックは、社会革命とまではいかないが、数年、数十年かけて起こるべき変化を早く始めさせる作用はあるだろう。通常であれば、在宅勤務しない人の在宅数が急激に増えた。(5)

 

貧困層は5割(5億人)減る?>

・現在、世界で約10億人が「極度の貧困」状態にあり、栄養失調であるとされています。極度の貧困とは、1日の収入が1.25ドル以下の状態と定義されています。

 

・極度の貧困層の現象は、東アジア、特に中国で顕著です。現在のジアの経済成長から推測すると、今後もこの減少傾向が続くことは間違いないでしょう。

 

台頭する新・中間所得層

・ひかえめに見積もっても、世界の中間所得者数は現在の約10億人から20億人超に増えるといわれています。2030年までに30億人を見込む試算もあります。

 

購買力が衰えていく米国と日本

・中間層の台頭は、政治へも影響を与えます。歴史的にみて、中間層が増えると民主主義を求める声が高まるとともに、ポピュリズム大衆迎合型の政治)や独裁政治が生まれやすくなります。一方で、1人あたりのGDPが1万5000ドルに達すると民主主義が定着し、独裁政治に戻る可能性はなくなるといわれています。

 

・米国や日本の中間層の購買力は、将来的にはとても小さなものになります。

 

・北米や欧州の中間層の購買力は今後十数年、年率0.6パーセントしか伸びません。

 

なくならない男女格差

・2012年に世界で男女の経済格差は60パーセント、政治参加格差は20パーセントしか改善されていません。男女格差の撲滅に成功した国はまだありませんが、女性の社会進出に一番積極的に取り組んでいるのは北欧の国々です。

 

・残念ながら、2030年の段階でも男女格差は残ります。

 

広がる「外部」との交流

スマートフォンスマホ)と呼ばれる高機能携帯端末のような第二世代の携帯技術の登場で、個人の力はますます強くなります。特に、こうした技術が発展途上の国々に導入されたときの影響力は図り知れません。

 

2030年までにはイスラム社会に住むさらに多くの女性がソーシャル・メディアを通じた情報交換に参加することになるでしょう。そうなれば、保守的なイスラム教社会やそうした価値観を標榜する政府などが変革を求められる可能性があります。

 

<人類は、より健康に>

・2030年までに、人類の健康問題はより改善するでしょう。特に、高齢者の生活の質はますます向上するはずです。

 

・最新の医療が届きづらいサハラ砂漠南アフリカでも。2030年ごろには感染症による死者数と、(心臓病のような)感染症以外の死者数が逆転するとみられています。

 

・幼児の死亡率も劇的に減っています。ただ、豊かな国と貧しい国の間にある寿命の格差は、2030年になってもなくなることはないでしょう。

 

イデオロギーの衝突」が不安材料

・経済のグローバル化に伴い、欧米流の考え方が世界のあらゆる地域に浸透していきます。例えば、「科学的な立証」「個人主義」「政教分離」「法の順守」などが欧米を代表する価値観ですが、西欧的な豊かさを求める非・西欧国の多くがこうした理念を取り入れようと試みることでしょう。同時に、地元独自の文化や政治風土と相容れないと分かった場合に、こうした欧米化を拒否する可能性もあります。

 

ナショナリズム国家主義)の高揚にも注意が必要です。特に、未解決の領土問題が多く、急速な経済発展が進む東アジア地域の動向などが懸念されています。

 

 

 

 『私は宇宙人と出会った』

秋山眞人  ごま書房    1997年4月30日

 

 

 

宇宙人の未来予測(世界編)

(中国) 

・「中国はこれからの地球の変化の大きなポイントになっていく。とくに内乱が起こる可能性が強く、それが引き金となって第3次世界大戦へと進むかもしれない。香港の返還によって思想的・経済的な大きな遅れがあり、アメリカとの対立構図が更に強くなる。これは東洋文明対西洋文明の対立といってもいい。また、2015年から2030年の間に4つの国に分割される可能性もある」。

 

 

 

『世界を見る目が変わる50の事実』

ジェシカ・ウィリアムズ  草思社 2005/4/28

 

 

 

50の事実

  • 日本女性の平均寿命は84歳、ボツワナ人の平均寿命は39歳
  • 肥満の人の3人に1人は発展途上国に住んでいる
  • 先進国で最も妊娠率が高いのは、米国と英国の10代
  • 中国では4400万人の女性が行方不明
  • ブラジルには軍人よりも化粧品の訪問販売員のほうがたくさんいる
  • 世界の死刑執行の81%はわずか3カ国に集中している。中国、イラン、米国である
  • 英国のスーパーマーケットは政府よりも多くの個人情報をもっている
  • EUの牛は一頭につき1日2.5ドルの助成金を受け取る。年額にすると世界旅行が可能だ
  • 70カ国以上で同性愛は違法、9カ国で死刑になる
  • 世界の5人に1人は1日1ドル未満で暮らしている
  • ロシアで家庭内暴力のために殺される女性は、毎年1万2000人を超える
  • 2001年、何らかの形成外科手術を受けたアメリカ人は1320万人
  • 地雷によって、毎時間1人は死傷している
  • インドでは4400万人の児童が働かされている
  • 先進国の国民は年間に7キロの食品添加物を食べている
  • タイガー・ウッズが帽子をかぶって得るスポンサー料は、1日当たり5万5000ドル。その帽子を作る工場労働者の年収分の38年分
  • 米国で摂食障害を患っている女性は700万人、男性は100万人
  • 英国の15歳の半数はドラッグ体験済み。4分の1は喫煙常習者
  • ワシントンDCで働くロビイストは6万7000人。連邦議員1人に対し125人
  • 自動車は毎分、2人を殺している
  • 1977年以降、北米の中絶病院では8万件近い暴力事件や騒乱が起きている
  • マグナルドの黄色いアーチがわかる人は88%。キリスト教の十字架はたった54%
  • ケニアでは家計の3分の1が賄賂に使われる
  • 世界の違法ドラッグの市場規模は4000億円ドル。製薬市場とほぼ同じ
  • アメリカ人の3人に1人は、エイリアンがすでに地球に来たと信じている
  • 拷問は150カ国以上で行われている
  • 世界では7人に1人が日々飢えている
  • 今日の米国に生まれる黒人新生児の3人の1人は刑務所に送られる
  • 世界で3人に1人は戦時下に暮らしている
  • 2040年に原油は枯渇するかもしれない
  • 世界の喫煙者の82%は発展途上国の国民
  • 世界の人口の70%以上は電話を使ったことがない
  • 近年の武力紛争の4分の1は天然資源がらみ
  • アフリカのHIV陽性患者は約3000万人
  • 毎年、10の言語が消滅している
  • 武力紛争による死者よりも自殺者のほうが多い
  • 米国で、銃を持って登校し退学になる生徒の数は、平均して週に88人
  • 世界には「良心の囚人」が少なくとも30万人いる
  • 毎年、200万人の女性が性器切除される
  • 世界中の紛争地帯で戦う子供兵は30万人
  • 英国では総選挙の投票者数よりも、テレビ番組でアイドル選びに投票した人のほうが多い
  • 米国のポルノ産業の規模は年間100億円ドル。海外援助額と同じである
  • 2003年、米国の防衛費は約3960億ドル。「ならず者国家」7カ国の防衛費総計の33倍
  • 世界にはいまも2700万人の奴隷がいる
  • アメリカ人が捨てるプラスチック・ボトルは1時間に250万本。並べると、3週間分で月に達する
  • ロンドンの住民は、監視カメラで1日300回撮影される
  • 毎年、西欧向けに人身売買される女性は12万人
  • 英国で売られるニュージーランド産キウイは、その重量の5倍の温室効果ガスを排出している
  • 米国は国連に10億ドル以上の未払い金がある
  • 貧困家庭の子供たちは、富裕家庭の子供たちに比べて、3倍も精神病にかかりやすい

 

「50の事実」に何ができるか

・読み進めていくうちに、いくつかのことが明らかになるだろう。何より、世界を取り巻く問題の多くは、富める先進国と貧しい途上国との、醜い不平等に起因していることだ。

 

私は、これら50の事実が世界を変えると確信している。>

・「思いやりがあり、行動力のある人々は、たとえ少人数でも世界を変えられる――それを決して疑ってはなりません。実際、それだけがこれまで世界を変えてきたのですから

 

中国では4400万人の女性が行方不明

・2002年10月、中国の新華通信社は最新の国勢調査を発表した。それによると、2000年には女児100人に対し、男児は116.8人生まれていた。そこには、かすかだがはっきりと警告の響きが感じられた。過去2回の国勢調査と比べても、この男女比は拡大している。『上海スター』 紙は、こうした傾向が続けば、約500万人の中国人男性が結婚相手を見つけられなくなると伝えた。そうなれば、家庭、経済、社会的サービスにも問題が生じるだろう。ある専門家は、自暴自棄になった男性による女性の誘拐が増えるとさえ警告している。

 

・この不均衡は、中国やインドをはじめ、東アジアや南アジアにおいて男の子を望む傾向が強いために生じた。女の子を望まない親たちは、性別診断で胎児が女児とわかると、中絶に走る。実際に生まれても、女児の多くは生後数日から数週間で殺されてしまう。親たちはそれを自然死に見せかけるために、手を尽くして警察や衛生当局の目を欺く。幸いにも生き延びた女児も、出生届は出されない。その結果、教育や福祉ばかりか、充分な食事さえ与えられない日陰の生涯を歩む。

 

・インド、中国、台湾の出生率は着実に下がりつづけて西欧並みになりつつあるが、それでも女児への偏見は根強い。

 

・出生登録をされない子供たちには、どんな運命が待ち受けているのか?法律的には、彼らは存在を認められていない。だから学校に行くこともできず、公的機関の診療も受けられない。彼らの生活条件は、ひどく限られている。

 

アメリカ人の3人に1人は、エイリアンがすでに地球に来たと信じている

・30%の人々が「これまでに報告されている未確認飛行物体の一部は、他の文明からやってきた本物の宇宙船」だと答えており、45%のアメリカ人が地球外知的生命体はすでに地球に訪れていると回答している。

 

・実際、軍の発表と目撃者の言い分には食い違いがあった。エイリアンの死体が、いまやすっかり有名になったロズウェル空軍基地の「エリア51」に運びこまれるのを見たという人々もいる。1994年には、「エイリアン検死」の様子であるとのふれこみの怪しげなビデオも出回った。

 

  

 

『世界を見る目が変わる50の事実』

ジェシカ・ウィリアムズ  草思社 2005/4/28

 

 

 

70カ国以上で同性愛は違法、9カ国で死刑になる

同性愛が死刑の対象になる国が9カ国ある。モーリタニアスーダンアフガニスタンパキスタンチェチェン共和国、イラン、サウジアラビアアラブ首長国連邦(UAE),そしてイエメンである。

 

・1979年のイランにおけるイスラム革命以来、4000人以上の同性愛者が処刑されたと推計されている。

 

世界で70カ国以上がレズビアン、ゲイ、同性愛者、あるいは性倒錯者を差別する法律を有している。

 

・社会においては同性愛は「病気」として扱われ、ゲイやレズビアンは精神医療による「治療」を強いられてきた。

 

・しかし、多くの国々で事態は変わりつつある。2003年6月、米最高裁判所は、同性カップルの性的行為を禁じるテキサス州法に違憲判決を下した。この判決は、テキサスだけでなく、他の13州における類似の法律を一挙に無効にすることになった。

 

・さらに同性愛のカップルも異性愛カップルと同じように子供を育て、家族の絆を持ち、結婚に関する判断を下すことができるとした。これらは米国憲法に保障された権利と確認したのである。

 

・米国市民自由連合はこの判決を「LGBT(レズビアン、ゲイ、両性愛者、性倒錯者)にとって、これまでで最も有意義な判例」と呼んだ。

 

・国際人権団体も同性愛を公言する人々の保護を求める働きかけで注目を集めており、おそらくはそれがまた保護手段になっているだろう。

 

 

 

『日本の未来100年年表』

洋泉社MOOK   2017/10/19

 

 

 

人口減少時代を勝ち抜く鍵は先を見通す力にある!

 

2025年 ロボット手術で人類はがんを克服

 

2030年 地方から銀行が消える  2031年 年金制度が破綻

 

2040年 日本が先進国でなくなる 

 

2045年 AIが人間の能力を追い抜く

 

2065年 女性の平均寿命が90歳以上

 

2100年 平均気温が4°C上がる 2117年 60万人が火星に移住

 

 

これからニッポンで起こること

2019年 日本の労働力人口に変化が表れる!

・高度外国人材が永住権を取得 日本人の雇用が奪われる⁉

 

育児以外にも、労働力率が下がるシーンがある。それは親の介護だ。これは性別や独身・既婚を問わず、誰もが直面する問題である。日本人の平均寿命は延びており、これに伴い高齢者の介護問題は避けては通れない。法整備が進められているものの、介護のために休職を余儀なくされることも考えられる。

 

2020年 記念すべきオリンピックイヤー

2020年 自動運転車を実用化

 

エウロパ無人探査機打ち上げ

 

労働力人口が6589万人に減少

 

ジェネリック数量シェア80%以上に

 

2020年代後半までに

・国内原発の半数が廃炉

 

2022年 衆院選にアダムズ方式適用

・高校で「歴史総合」が必須科目に

 

・ドイツで原発全廃

 

・インドが人口世界一に

 

2025年 農政が変化し農業が成長産業に

・農業人口は減るが農業産出額は上向く ⁉ 農業とほかの産業との融合も起きている

 

・これまで農業は成長産業になり得なかったのは、零細兼業農家の存在にほかならない。「農政トライアングル」は彼らを必要として保護政策をしてきた。ただ、これを支えた零細な兼業農家が大量離農することで、このトライアングルは徐々に弱体化するはずだ。その結果、農政は産業政策としての色合いを増してくるだろう。

 

2025年 ロボット手術と放射線抗がん剤治療が組み合わされる

・負担が少ない治療法を確立、人類はがんを克服する?

 

・新設住宅着工戸数は約67万戸に減少

 

2026年 地域から首都郡へと人口流出が加速 ⁉

地方自治体は人口減少で不要となるのか

 

・確かに地方には多くのシャッター商店街が存在する

 

・地方の中核都市が成長し地方で起業する人が増加

 

2030年 18歳人口減少と「高大接続改革」の進展

・人生で3回の高等教育が当たり前になる ⁉

 

・今後10~20年で約半数の仕事がAIやロボットで代替可能だという試算が、国内外で出されていることをご存知の方も多いかもしれない。

 

2030年 地方銀行の淘汰が加速 ⁉

・銀行の数自体が減っていき金融機関の再編が本格化する

 

2030年 再生医療の国内市場規模が1兆円に

2030年 農家から“農業法人”へと転換が進む

・農業従事者数が半減し、「スマート農業」が一般化する

 

・農作物の品種改良においてもバイオテクノロジーのさらなる進化により成熟し、ゲノム編集が容易に行われ、現状栽培が困難なエリアで生育可能な新品種の開発が盛んになる。

 

2031年 少子高齢化により社会保障制度が崩壊か

・厚生年金の積立金が枯渇 ⁉ 制度自体が破綻する?

 

社会保障制度は、国民生活を守るべき大切な制度である。少子高齢化が進む現代では、支出が年々増える傾向にある。この財源を確保するべく、年金の受給年齢の引き上げや、高額療養費の見直しなどの制度改正が繰り返し行われているため、未来予測をするのが難しい分野だ。

 

2033年 不動産業界の未来は決して暗くない?

・日本の空家率は3割強になる ⁉ 空き家率上昇は住宅供給過剰が原因 ⁉

 

2033年、空家数は約2170万戸、空き家率は30.4%に上昇

 

・将来は大都市圏への人口集中傾向が顕在化

 

2033年 超高齢化社会の新たな希望

認知症や神経障害が克服され、健康寿命は100歳に届く ⁉

 

惑星探査に遺伝子を改変する)地球外の惑星でも生存できるように遺伝子操作された宇宙飛行士が探査に派遣される――。こんな未来はSF小説の中だけではなく、実際に可能となるかもしれない。

 

新医療にも副作用克服の課題あり

・荒唐無稽とも思える話から始めたが、もちろんこのような「デザイナーズベビー」は倫理的にも法的にも禁止されている。ただ、再生医療遺伝子治療はもはや日進月歩で、その躍進ぶりはとどまるところを知らない。

 

遺伝子治療認知症がなくなる ⁉

・iPS細胞では免疫反応を起こしにくいタイプの細胞を利用することで、2015年10月に加齢横斑変異症の治療に応用、初めて移植手術を成功させた。術後1年を経て、がんなどの異常が見られず、iPS細胞を使った世界初の治療となったのだ。

 

臓器再生が可能に医療の新時代が到来

・まず、遺伝子診断によるオーダーメイド医療、オーダーメイド創薬が将来、格段に進歩する。患者個々人の疾患により適した医薬品が遺伝子診断によって、より安全に正確に使われるようになるだろう。

 

再生医療の分野では、iPS細胞に限らずES細胞や間葉系幹細胞を使った治療が進んでいく。これら幹細胞からは、肝臓や膵臓、骨格筋、心筋、血液、神経、皮膚といった組織の細胞を文化させることができるから、脊髄損傷といった重傷の患者の身体機能を回復させることができるようになる。

 前述した神経変性疾患であるパーキンソン病は、すでにドーパミン神経の前駆細胞をiPS細胞で作り出し、それをモデル動物のサルに移植しての治療が行われている。この研究者は、サルでの成功により次はヒトでの治験に進むとしているから、近いうちにパーキンソン病遺伝子治療で治るようになるかもしれない。

 さらに技術が進歩すれば、生体外で各臓器や組織などの生存を長期間維持させ、移植に使うことができるようになる。

 クローン技術が可能になれば、ブタなどのヒトに近い実験動物をつかってヒトの臓器を成長させたり、胚発生の機構を使ってヒトの肝臓を作ったりするようになる。また、血液を作り出したり、神経系の機能を再現することができるようになるかもしれない。

 

2035年 生涯未婚率が男性で約3割、女性で約2割に達する

2037年 少子高齢化、人口減少時代を迎え、鉄道には厳しい時代に

リニア中央新幹線が大阪まで開通するも、その先は不透明?

 

2040年 国境を越えた地球規模でのマネー革命が始まった

・仮想通貨はグローバルマネーとして通貨と同等に扱われるようになる⁉

 

2040年 日本が先進国から転落する危機に!

・豊かさを手に入れた世界は資本主義の行き詰まりに陥る

 

・豊かさを手に入れた世界は資本主義の行き詰まりに陥る。人口減少時代に突入するなど経済が好転する兆しが見えない。果たして、日本経済の未来に明るい兆候が表れるのは、いつになるのだろうか。

 

・(低成長が続く日本は1人当たりのGDPに注目)今の内閣が掲げる働き方改革は労働時間を減らし、能率のよい仕事環境を作り生産性を上げていこうというものである。しかし、コスト効率の悪いサービスまで過剰サービス状態となり、生産が上がっていない。日本の企業の利益率はアメリカのそれと比べても低いままである。

 このような状態の中、先進国の中でも祝日の一番多い日本は、高度成長時代に比べて労働時間が30%も減少しているといわれている。生産性の上がらないまま働く時間が短くなり、成長も鈍化していくのであろうか。いずれ日本は先進国から転落する日がくるのではないかと心配している。

 

2045年 シンギュラリティによって完全自動運転車が実現!

・人々の自動車への関心がなくなっていく ⁉

 

2045年、AIが人間の能力を追い抜く

 

2050年 バーチャル空間がどんどん現実に近づいていく

・体に装置を埋め込む「裸眼VR/AR」が実現 ⁉

 

・世界の子ども人口(4歳以下)の約40%をアフリカ大陸が占める

 

・2050年、日本の人口が9707万人に減少。日本の高齢化率(65歳以上)が38.8%

 

2050年 ついにヒトを超える人工知能が登場 ⁉

・技術のブレイクスルーにより汎用型AIが誕生する ⁉

 

・世界の人口は97億人、65歳以上の人口は2015年の2.6倍の16億人に

 

2056年 世界の人口が100億人に到達

2060年 原子力や水素自動車は爆増するのか?

再生可能エネルギー減の成長がピークを迎える

 

・2060年、日本の人口が8673万人に減少

 

・2060年、生産年齢人口(15~64歳人口)は2010年度比45%減の4418万人に

 

・2060年、65歳以上の有権者の割合が46.7%に増加

 

・2060年、国民1.2人で高齢者1人を支える「肩車型」に

 

2065年 女性の平均寿命が90歳以上に、高齢化率が4割になる

人生100年時代に突入? 超長寿社会がやってくる。

 

・(いびつな人口ピラミッドが意味するものとは?)

 

その理由は、人口ピラミッドにいくつかの山、つまり、いくつかの人口規模が多いコーホート(世代)があるためである。これが、いわゆる団塊の世代、および団塊ジュニアであり、全世代の中で突出して人口が多い、その結果、これらの世代が老年人口に達するとき、一挙に高齢化が進むように見えるのである。

 

・老年人口は2115年には、1943万2000人になると見込まれている。2015年の同人口の規模が3386万8000人である。このことは、今後100年の間に老人人口でさえも、現在のおよそ3分の2にまで減少することを意味しているのだ。

 

・(超高齢化社会の到来。90歳超の高齢者が増える)人口推計によれば、死亡中位仮定で2065年に女性の平均余命は91.35歳、高齢化率は約4割となる。

 

・例えば2017年に公表された最新の生命表によると、75歳まで生きた男性は、平均してさらに12.03年、つまり、平均して87歳くらいまで生きる可能性があると見込まれている。さらに驚かされるのは、100歳に達した男性でさえ、平均的にあと2.18年程度生きると見込まれていることだ。人は我々が思うよりも長生きする可能性があるのだ。

 

出生率が1.3に近づき子どもの数が人口の約1割に

 

・2155年、さらなる少子化によって0~14歳の年少人口は、520万人まで減少し続ける。

 

・2065年、日本人の8人に1人が外国に由来する人々からなる。若年層に広がる国際化の潮流。

 

・日本は、移民を受け入れるべきか、規制すべきか。さまざまな意見はあると思うが、日本が年間75万人の外国人を受け入れることができれば、人口は増加に転じるとの推計もある。

 

・(周囲に外国に由来する人が当たり前のように存在する)2015年の国勢調査では、外国籍人口は177万5446人(総人口比1.4%)だった。しかし、もともとは外国籍であったものの後に日本国籍を取得した帰化人口や、両親のうち、いずれかが外国籍である国際児人口を推計した研究によると、これらの人々を合わせた外国に由来する人口は332万5405人(総人口比2.6%)と、国勢調査の倍近くに達すると見込まれている。

 

・さらに同研究から、外国に由来する人口の将来的な推移を推計した結果を参照してみよう。これによれば、2040年には726万732人、2065年には1075万6724人になると見込まれている。

 

・2065年に日本の総人口はおよそ8800万人になるとされていたことから、両者を比較可能なものとすれば、将来的には8分の1くらいが外国に由来する人口によって占められることになる。

 

・今、なぜハーフのタレントやスポーツ選手が多く活躍しているかといえば、日本がすでにこうした人たちを多く抱える社会になってきているためであるということができる。

 

2065年 世界の人口は103億人、65歳以上の人口は2015年の3.2倍の19億人に

2065年 高速道路の料金徴収が満了

2100年  上昇し続ける世界の気温

・100年後には4.8°Cも上がり氷河や海氷面積が激減 ⁉

 

(気候変動と地球温暖化問題のこれから)世界がこれから追加的に温室効果ガスの削減に努力しなかった場合、2100年の世界平均気温は3.7~4.8°Cと大幅に上昇するとの予測や、今世紀末には穀物生産量が50%以上減少するという予測が約2割を占めるなど、2100年が心配になる研究結果も多く示されている。

 

温暖化が日本に与える影響とは)日本にはどのような影響が出ると予想されているのだろうか。先ほど紹介した報告書をもとに作られた「2050年の天気予報」では、穏やかな四季を持つ国、日本とは思えない未来を描き出している。

 

・東京の真夏日連続50日、熱帯夜60日

 

熱中症など暑さの影響で亡くなる方約6500名

 

・京都の紅葉の見ごろはクリスマスごろ/沖縄のサンゴの白化が深刻化

 

・上陸時の風速が65メートル、沿岸部に5~10メートルの高潮をもたらすスーパー台風の襲来

 

気候変動への対処は世界的に大きな課題)このように、気候変動問題は人類が直面する大きな課題のひとつだ。そのため、国際的な取り組みも議論されている。「国連気候変動枠組み条約」には、世界190か国以上が参加し、毎年締約国の会合を行っている。

 

・パリ協定が成立したのには理由がある。実はパリ協定のもとでは、自国の目標は自国で決めるうえ、達成できなかったとしてもとりたて罰則はない。

 

・しかしすでにアメリカのトランプ政権は、パリ協定からの離脱を表明した。国際的な温暖化対策はまだまだ前途多難な状況にある。

 とはいえ、明るい兆しも見えてきた。再生可能エネルギーが世界では大きく価格が下落しつつあることだ。太陽光や風力発電など温室効果ガスを出さないやり方でエネルギーを手にすることができるようになれば、社会の発展と温暖化対策を両立することができるようになるだろう。

 とはいえ、明るい兆しも見えてきた。再生可能エネルギーが世界では大きく価格が下落しつつあることだ。

 

・2100年、世界の人口は112億人、65歳以上の人口は2015年の4.2倍の25億人に

 

・2100年、イスラム教が世界人口に占める割合で世界最大の宗教に

 

・2100年、日本の人口が約8300万人で世界30位に(2015年11位)

 

2115年 日本の人口は約5000万人に!

・将来の日本人の総数は、ある程度の確度で100年後まで数値を導きだすことができる。

 

・日本の将来の推計人口で最も引用されるのが、「2065年に日本の総人口が8808万人に減少する」という数字、現在の人口の7割近くになるわけです。

 

・次に、外国人の国際人口移動については、例えば今後、中長期的に年間75万人を受け入れたと仮定しましょう。すると2115年には総人口が1億5753万人と、今よりも約3000万人ほど増えると見込まれています。しかし、これが年間50万人の場合には、総人口は減少すると見込まれています。現時点では年間15万人くらいですから、5倍以上を受け入れないと日本の総人口は増えないことを意味しています。

 

・毎年100万人を受け入れているというアメリカでは、経済成長率の3分の1くらいは移民による経済効果といわれています。75万人というと、今のドイツくらいです。このように大きな変化があれば日本の人口は増えますが、このハードルはかなり高いと言わざるを得ません。

 

結論としては、日本の人口は、ほぼ確実に減ると見てよいでしょう。出生率の改善だけでは追いつかず、移民をドイツ並みに受け入れるといった、かなり大きな変化が起きない限り確実に減少します。これは、現状を踏まえて推計した、かなり確度の高い未来の日本人の姿といえるでしょう。

 

・(老年人口(65歳以上))2015年の3387万人からさらに増え続け、2042年の3935万人でピークを迎え、2065年時点では3381万人となる。それでも日本人の4割近くが高齢者になる。

 

・100年後の日本の人口は現在の半分以下まで減少する。

 

コロナショックは、社会革命とまではいかないが、数年、数十年かけて起こるべき変化を早く始めさせる作用はあるだろう。通常であれば、在宅勤務しない人の在宅数が急激に増えた。(4)

 

朝鮮半島=終わりの始まり

おぞましい正恩の性格>

・いや、結局のところ、金正恩の究極の敵は金正恩自身かもしれない。

 2009年春、米情報機関の北朝鮮専門家と意見交換したことがあるが、その際、彼から聞いた話がある。

 米情報機関が、金正恩がかつてスイスの寄宿学校に通っていた時、彼と知り合いになったありとあらゆる人間にインタビューし、彼のプロフィールを徹底的に調査した。

そこに浮かび上がった金正恩の性格はおぞましいものだった。

(残忍、疑い深い、つねに不安、復讐心が強い)、要するに、sociopathという結論だった。Sociopathとは、社会病質者、つまり、社会にとけ込めない異常人格というほどの意味である。

その残忍さと攻撃性は、内だけでなく外に対しても向けられる可能性が強い。金寛鎮・韓国国防部長官は、国会国防委員会全体会議に出席し、次のように発言している。

北軍部の強硬派勢力が強まる場合、忠誠競争により誤った判断をする可能性があるので備える必要がある

張成沢の粛清と処刑は、権力基盤を固めようとしてその実、それを壊してしまう致命的失敗になるかもしれない。

 最後に頼りになるのは血(親族)だけの体制である。

それを脱ぎ捨ててしまったことで、金正恩は裸になってしまった。スケープゴート(生け贄の山羊)を殺してしまった以上、次は自らが炙られるおそれが強い。

終わりの始まり—―そんな予感がする。

 

ユーラシア地政学

90年代からの長い「失われた時代」で日本が失ったものは多いが、その一つに日本のロシア外交がある。

 

ソ連が崩壊して2カ月後、エリツィン政権のアンドレイ・コズイレフ外相は「地政学イデオロギーに代わって登場してきたことを痛感している」と語ったことがある。その場合の地政学とはユーラシア地政学のことを指している。

 ただ、ユーラシア地政学は鬼門である。中央アジアは民族、宗教紛争の激流が覆い、下手に介入すると命取りになりかねない。それは英国、ソ連、米国のアフガニスタンへの悲劇的な介入で実証済みである。

 

地政学者のロバート・カプランは「カザフスタンこそ、マッキンダーのいうハートランドではないのか」と言う。ユーラシア・ハートランドを支配する国が世界を支配する、と主張した20世紀初頭の英国の地政学者、ハルフォード・マッキンダーのことを指している。

 

マッキンダーの「予言」

・20世紀初頭、マッキンダーは次のように述べた。

中国は世界の自由にとっての黄禍となるかもしれない。巨大な大陸の資源に加えて海洋正面(フロンテージ)を持つだろうからである。それはロシアが持ち得ない優位性である

100年後、マッキンダーの予言が現実のものとなりつつある。

冷戦後20年経って、中国は勝ち組となり、ロシアは負け組となった。

 

・石油・ガス安全保障とユーラシアにおける対中リバランシングの面で、日本とロシアは戦略的補完関係の可能性を秘めている。対中リバランシングは対中封じ込めではないし、対中敵対でもない。それは中国の一国主義的行動を抑制するための抑止力の強化である。

 

マッキンダーハートランド理論

・現代地政学の開祖とも言える、20世紀初期に活躍したイギリスの地理学者・マッキンダーの理論。ユーラシア大陸を世界島とし、その心臓(ハートランド、東欧周辺)と位置づけた。第1次世界大戦はイギリスを代表する海洋国家(シーパワー)と、ドイツやロシアなどの大陸国家(ランドパワー)が奪い合う戦争であったと論じた。

 

マハンのシーパワー理論

・19世紀から20世紀にかけての海軍士官・マハンが作った海洋戦略論。国家の繁栄には貿易の拡大を必要とし、シーレーン確保や海軍力増強が重要であると唱えた。マッキンダーにも影響を与えた。

 

中国のカリブ海

米国が警戒しているのは、中国が南シナ海を“中国のカリブ海”にしてしまうことである。

 戦前の米国の地政学者であるニコラス・スパイクマンは「米国は、大カリブ海ベネズエラ、コロンビア沿岸を含む)をコントロールしたことで世界パワーとして登場した」と論じた。

 米国は、1898年の米西戦争の勝利によって大カリブ海を支配することになった。その結果、西半球におけるホンモノの挑戦者の出現の芽を掴むことができた。そして、それによって東半球の勢力均衡のゲームに勤しむことができた。

 同じように、中国は南シナ海を“中国のカリブ海”にすることで、ここを制圧し、それによってインド・パシフィックへの勢力拡大に乗り出すのではないか—―米国の戦略家たちの脳裏をそのような漠とした不安がよぎりはじめている。

 

<真理は地域に宿る>

・中国はロシアと共通の利害と懸念を持っている。いずれも下からのオレンジ色のような“カラー革命”に対する恐怖感は強い。テロリズム、分離主義、宗教上の急進主義のいわゆる“三悪”はともに容赦なく弾圧する。アフガニスタンからの麻薬ルートには力を携えて戦う。そして、何よりもユーラシアから米国の影響力を排除しようとする点で、両者の思惑は重なる。

 中国、ロシア、カザフスタンキルギスタジキスタンウズベキスタンからなる上海協力機構(SCO)が、中ロ協力のシンボルとなっている。これは“三悪”退治に照準を合わせている。反米同盟ではないが、この地域での米国の影響力を殺ぐことも視野に入れていることは間違いない。

 なかでも中ロを誘引する磁力となっているのはエネルギー取引である。両国は、ウクライナ危機後、ロシアのガスを30年間にわたって中国に供給する取り決めに調印した。それまで10年近く妥結できなかったのに、プーチン直々の決済によるバーゲン価格で決まったという。ユーラシア大陸のエネルギー地政学が中ロの特殊関係を生み出しつつある。

 対ロ禁輸と対中リバランシングは、攻撃的にしすぎると、中ロの特殊関係をさらに強固にする可能性がある。

 しかし、その一方で、中国とロシアの間には深い溝がある。

 

世界のメガトレンドとゲーム・チェンジャーの相互作用  日本の五重苦  >

・英エコノミスト誌の『2050年の世界』(文藝春秋刊)は、この雑誌の特色である調査ものの強みを遺憾なく発揮した力作である。

 

・さて、2050年の世界はどうなっているか。

最大の人口を擁する国は17億人のインドである。中国、ナイジェリア、米国がその後を追う。インドネシアも向こう40年間、人口ボーナス国である。

 

アジアは世界経済の半分の規模を占める。この時点でのG7(7大経済大国)は、中国、米国、インド、ブラジル、ロシア、インドネシア、メキシコとなる。

 

中国の繁栄は長続きしない。最大の要因は、人口減の重圧である。中国の出生率は2.1に落ちる。日本、欧州と並んで最大の人口“負け組”となる。これに伴って、経済成長率も2.5%に下がる。

 

・米国は、先進国のなかで異形のキリスト教原理主義的な“宗教国家”となりつつある。この国の人々は、つねに競争、解雇、収奪、殺害のリスクにさらされ、脆弱感を持ち続けている、だから宗教にすがる。

 

グローバル化は止まらない。それは、国民経済と国民国家と国民そのものを根底から揺さぶる。貧しい国では億単位で貧困層から中産階級へと人々はのし上がる。豊かな国では中産階級貧困層にこぼれ落ちていく。

 

・強権政治の国々では民主主義は前進するが、民主主義国ではそれが後退する。カネまみれの政治と政治指導力の劣化が、民主主義体制の芯を蝕む。

そんなところだろうか。

日本はどうなるのか。

『2050年の世界』では、日本の存在はいかにもかぼそい。世界のGDPの1.9%にずり落ちている。人口減のためGDPはやせ細る

 エコノミスト誌は、日本人は権威に挑戦することを嫌う、自己規制するから革新が生まれにくい、と指摘する。

 日本の問題は人口ではない。それは、挑戦精神の衰えである。いや人口こそ大問題だと思うが、言われてみればたしかに。

 

 

 

『シフト  2035年、米国最高情報機関が予測する驚愕の未来』 

マシュー・バロウズ  ダイヤモンド社  2015/11/20

 

 

 

迫りくるメガトレンドと、急速に変化する国際環境

日本では少子高齢化が急速に進んでいる。それは、高齢化が進んでも経済の活力が失われるわけではないことを世界に示すチャンスでもある。世界経済の成長が減速すれば、あらゆる国の未来は暗くなる。日本は、ロボット工学や自動化技術など新しいテクノロジーを考案し、実用化するリーダーだ。こうした技術は雇用の減少につながるおそれがあるが、日本、アメリカ、そして中国も含む先進工業国が現在の生活水準を維持するには、退職年齢の引き上げや、働く女性の増加、労働市場流動性確保や移民の受け入れ拡大など、より破壊的な改革が不可欠だ。西側世界の衰退を食い止めるには、日本とヨーロッパとアメリカが、高齢化問題に取り組むことが非常に重要だ。

 

中国の動向は、日本だけでなく世界じゅうに重大な影響をもたらす。中国は過去30年にわたり目覚ましい成長を遂げてきた。世界の歴史を振り返っても、これほど長期にわたり一貫した高成長を維持した国はない。しかしいま、その勢いは鈍化し、政府指導部は右肩上がりの成長に慣れた人民に、雇用などの経済的機会を与えるのに苦労している。

 

・こうした困難に直面したとき、多くの国の指導者はナショナリズムをあおり、人民の目を国内の問題からそらしてきた。ナショナリズムは、2度の世界大戦に先立つ帝国主義エスカレートさせ、20世紀半ばのヨーロッパを衰退させた。一部の専門家は、アジアが同じ道を歩むことを危惧している。東シナ海と南シナ界における中国と日本など近隣諸国の緊張の高まりは、危険な大戦争の前兆であり、21世紀のアジアの繁栄をむしばむおそれがあるというのだ。

 しかし歴史が繰り返すとは限らない。人類は過去の失敗から学ぶことができると、私は強く信じている。

 

・CIA本部のロビーには、聖書の一節が壁に刻み込まれている。「………されば汝は真実を知り、真実は汝を自由にする」。これこそが未来のトレンドを分析する目的だと、私は思う。未来について知識がありながら、それに基づく行動を起こさないなら、物事がうまくいかなくなったとき、私たちは自らを責めるしかない。

 

軍事だけでは21世紀の競争を生き残れない

・未来は予測できるのでしょうか――私はよくこう聞かれる。もちろん答えはノーだ。未来を映し出す水晶の玉はどこにもない。

 

ホワイトハウスの戦略顧問室は、オバマ政権にも引き継がれて、省庁横断的に戦略を見直し、「国家安全保障戦略」を定期的に作成している。しかしいまも危機管理計画には長期的な戦略が欠けている。国防総省には体系的な計画があるが、非軍事分野にはない。

 

フランス革命に匹敵する「シフト」>

ディケンズが小説で描いたフランス革命産業革命が、ナショナリズム階級闘争と民主主義政治の新しい時代をもたらしたように、現在もこれまでとはまったく異なる時代をもたらすディープな構造変化が起きている。アメリカ原住民のことわざにもあるように、「新しい音楽には新しい踊りが必要」だ。

 

・未来がSF小説のようになるとは、私も思わない。確かに大きな構造変化はもう起きていて、SF小説家ウィリアム・ギブソンが言うように「未来はすでにここにある。ただ均一に広まっていないだけ」かもしれない。

 

国家機密に関わり続けた半生

・NIC(米国国家情報会議)は、1990年代半ばから、大統領選のサイクルにあわせて4年ごとに未来のトレンドを予想する大がかりな報告書を作成するようになった。NICのメンバーは、人口動態やグローバル化や環境の変化など、それまで十分な関心が払われていなかった要因が世界に変化をもたらしていることを認識していた。報告書作成のもう一つの目的は、これまでにない専門知識を情報コミュニティに取り込むことだった。こうして15~20年先を見据えた報告書『グローバル・トレンド』が誕生した。

 

<「米中戦争」の現実的な可能性>

・未来の国際関係を語る場でも、最後は中国とアメリカの関係が話題になった。ある人物は次のように語った。「新冷戦が起きるとは思わない。ゼロサムの競争にはならないだろう。アメリカも中国も最悪のシナリオを避ける戦略を取っている。ただ、その最悪のシナリオの可能性が両国で高まっていることが心配だ。最悪のシナリオを目立たないようにし、協力のチャンスを逃さないようにする必要がある」

 

・だが、悲観的な見方もあった。「当然の帰結として、中国とアメリカが対決するときが来るだろう。軍事的な衝突でなくても、一方が相手に自分の意志を押しつけようとする。紛争になれば、地域と世界の安全保障を著しく脅かすことになる。中国の台頭が米中関係のハードルになると考えるアメリカ人もいるようだ」。

 

遠のくアジアでの覇権的地位

・私がこうした意見を聞いたのは、2012年5月のことだ。それ以降、中国は東シナ海で日本と、南シナ海でフィリピン、ベトナム、マレーシアと領有権争いを繰り広げ、東アジアの緊張を高めた。また、これらの国はアメリカと接近し、中国がアジアで覇権的な地位を固めるチャンスは遠のいた。アメリカがいわゆる「軸足」を東アジア地域に置くと宣言したことは、世界経済の新しい中心で国益を守ろうとするアメリカにとって大きな「押し」となり、東アジア諸国は中国と距離を置く「引き」につながった。中国指導部は、愛国主義的な主張をすれば、人民の目を国内の問題からそらし、新たな経済目標に動員できると考えているようだ。しかしその代償は大きい。

 

・だがアメリカでは、中国に対する不信感が大きくなっている。2013年半ばのビューの世論調査では、アメリカの中国に対する意識が2011年以降急激に悪化したことがわかった。中国を好ましくないと考える人は52%にも上り、好ましいと答えた人は37%しかいなかった。

 

世界に関わらないわけにはいかない

・ただし現実的に可能性が高いのは、中国が強くも弱くもなく、しばらくは移行に苦しむシナリオだ。中国は今後も世界最大の経済大国の座に向けて成長を続けるだろうが、1人当たりの所得の伸びは鈍化し、既得権益層の反発で経済改革が進まず、一般市民の不満は高まるだろう。そのはけ口として愛国主義は今後も利用されるだろうが、大戦争が勃発するきっかけは見当たらない。このシナリオで大きく懸念されるのは、愛国主義が高まって、政府がその暴走を食い止められなくなることだ。とりわけ日本が関係している場合は難しくなるおそれがある。中国ではいまでも、日本は第2次世界大戦中に中国でやったことに対する反省が足りないという意識が強い。

 

日本は「過去」の国になる> 

日本は中国との差が拡大しているが、「中の上」程度のパワーを維持するだろう。ただし大規模な構造改革を実行すれば、という条件がつく。日本は政治、経済、社会の改革を進めて、少子高齢化、産業基盤の老朽化、不安定な政治情勢に対処する必要がある。人口が減るため、出稼ぎ労働者に対する長期滞在ビザの発給など、新しい移民政策を検討する必要にも迫られるだろう。ただ、日本人は外国人の受け入れに消極的なため、この問題はなかなか乗り越えられないだろう。

 

・日本の労働年齢人口は絶対数が減る反面、10代後半~20代には仕事がない未熟練労働者が大勢いる。このことはホワイトカラーの人手不足をもたらすだろう。女性の社会進出(企業幹部への登用を含む)推進政策は、人手不足を補う助けになるかもしれないが、それが出生率のさらなる低下をもたらしたら元も子もない。日本ではいまも文化的に、母親が家にいることが理想と考えられており、女性が家庭と仕事のバランスを取るのは難しい。しかし実は、日本の女性の労働力参加率はさほど低くない。61%という数字は、アメリカ(62%)。イギリス(66%)、ドイツ(68%)と大差ない。

 

ドイツはイギリスより先に没落する

・経済が好調なドイツは、当面はEUのリーダーの役割を果たすだろうが、少子高齢化という時限爆弾を抱えている。現在、ドイツの人口はフランスやイギリスよりも多いが、2050年までに逆転する可能性がある。フランスとイギリスのほうが移民が多いからだ。最新のCEBR(ロンドンの経済経営研究センター)の予測では、イギリスは2030年までに西ヨーロッパ最大の経済大国になりそうだ。イギリスの人口動態がドイツよりも好ましいことがその一因となっている。

 

アメリカは日本を守らない>

・日本は20年にわたる経済停滞を経て、安倍晋三首相が思い切った措置を取り、緩やかな衰退とは異なる未来をつくろうとしている。日本は少子高齢化に伴うきわめて難しい問題に直面しているが、依然として世界第3位の経済大国であり、技術的にも最も進んだ国の一つであり、世界的な企業を数多く生み出してきた。高成長は実現できなくても、今後の経済は一部で言われるほど悪くならないかもしれない。

 

・日本にとって最大の課題は、国際情勢の急速な変化にどう適応するかかもしれない。中国は世界最大の経済大国に躍り出る勢いで、アジアにおける牽引力も大きい。そしてこれまでの新興国と同じように、中国は今後ますます自己主張を強める可能性が高い。もし中国と衝突しても、アメリカが自動的に日本の味方をしてくれると、日本の指導者たちは誤解しているようだが、現実にはアメリカは自国の利益と中国の利益の間に折り合いをつけ、紛争は回避しようとする可能性が高い。アジア情勢の急速な変化と新しい国際秩序のなかで、どのような舵取りをしていくかは、日本の取り組みが遅れている領域であり、今後の大きな課題となるだろう。

 

 

 

『2030年 世界はこう変わる』

アメリカ情報機関が分析した「17年後の未来」

 米国国家情報会議       講談社  2013/4/19

 

 

 

本書を誤読する人と精読する人では大きな差がつくだろう(立花隆

アメリカの国家戦略を策定する者、ならびに、アメリカの国家戦略に関心を持つ者が基本的に頭に置いておくべき、近未来(15~20年後)の世界のトレンドが書かれている。

 

・米国国家情報会議は、このような中・長期予測のために作られた機関だ。前身は1947年に作られたCIAの内部部門だった(1979年に現行の組織に改組)。作成する報告は、第一義的にはアメリカ大統領のために作られる。

 

おそらく大統領には別バージョンのディープ版報告書が渡っている。

 

未来予測は外れることが多いから、ちがう未来展開の可能性がたくさん書いてある。

 

・最悪のシナリオと最善のシナリオではまったくちがう世界が生まれる。日本は最悪のシナリオなら滅んだも同然だが、最善のシナリオならまだいける。

 

 2030年の世界  国家を滅ぼす災害の可能性

 1飢饉   干ばつや穀物の伝染病などが長期間続き、不作が長期化する事態です。火山の噴火により大気に二酸化炭素が拡散すると、気温が下がり農業に悪影響を与えます。 

 

2津波   津波の影響は、海抜が低いところにある大都市で深刻です。例えば、ニューヨークやボストンなどの米東海岸の都市や、東京などがこれにあたります。こうした世界的な大都市が壊滅的な被害を受ければ、世界経済にも打撃を与えます。

 

21世紀じゅうにプエルトルコ近海で大地震が起きる可能性は10パーセント超といわれています。

 

3土壌劣化   近代農業は土壌の質の低下を招きます。劣化のスピードは、自然回復できるスピードの10~20倍といわれています。健康な土壌を維持するための根本的な解決策なしでは、今後、農業にかかるコストは莫大なものになってしまいます。

 

4磁気嵐  送電網や衛星、あらゆる電化製品を不能にする威力を持ちます。大規模な磁気嵐が起きる可能性は100年に一度といわれています。

 

オルターナティブ・ワールド

<「2030年」4つの異なる世界

 2030年のシナリオ1 「欧米没落型」 アメリカ・欧州が対外的な力を失い、世界は大きな混乱期に移行

・「政治的にも経済的にも世界を牽引するエンジン役を果たしてきた米国と欧州が、その能力を完全に失ってしまう」というのがこのシナリオです。

 窮地に陥った欧米諸国は内向き姿勢を強め、グローバル化の動きは止まってしまいます。ここで紹介する4つのシナリオのなかでは最も悲観的な予測です。

 

第三次世界大戦”が始まるというような、より最悪のシナリオを想定できないわけではありませんが、確率は極めて低いと思われます。第一次・第二次世界大戦が勃発した時代とは異なり、世界各国間の相互依存関係がとても強くなっているからです。本格的な戦争に突入して益を得る国はほとんどありません。

 

・とはいうものの、「欧米没落」型のシナリオが予測する世界像は、かなり悲惨なものです。4つのシナリオのなかでももっとも楽観的な「米中協調」型と比較すると、2030年の世界が稼ぎ出す収入は27兆ドルも小さくなってしまいます。この数値は、現在の米国経済とユーロ圏経済を合わせた規模に匹敵します。

 

このシナリオでは、米国も欧州も世界のリーダーとして振る舞う能力、もしくはその役割を果たすことへの関心を失います。

 

2020年までに、自由貿易圏はほとんど姿を消してしまいます。

 

・一方、中国やインドのような新興国は経済成長を続け、世界経済成長の約4分の3を担うようになります。ただし、中国もインドも政治と経済システムの近代化に失敗します。政治腐敗、インフラ基盤や金融システムの弱さなどが仇となり、経済成長に急ブレーキがかかります。例えば、中国の場合、経済成長率は現状の8パーセントから2030年には3パーセントに落ち込んでしまいます。

 

・(米国の役割)内向き姿勢を強める。アメリカの世論は自国が世界のリーダー役であることに関心を失う。疫病発生後は、孤立主義も台頭する。

 

・(中国)政治、経済の構造改革に失敗。政治腐敗や民衆暴動が重荷となり経済成長は落ち込む。政府は国粋主義排他主義の色を強める。

 

・(不安定地域)中央アジアや中東で統治力が低下。疫病の拡散で東南アジア、インドやアフリカの一部、湾岸諸国などが情勢不安に陥る。

 

 <2030年のシナリオ2   「米中協調」型 第3国で勃発した地域紛争への介入を機に、米中の協力体制が確立する>

 「米中協調」型は、4つのシナリオのなかでもっとも楽観的な予測です。米国と中国がさまざまな場面で協力できるようになることで、世界経済全体が押し上げられるという筋書きです。

 世界経済の収入は2030年までに約2倍の132兆ドルに拡大します新興国が高成長を維持しながら、先進国経済も再び成長期に入ります。米国人の平均収入も10年で1万ドル増え、「アメリカンドリームの復活」が語られるようになります。

 

・(中国)ソフトパワーが強化され、民主化が進む。世界機構でもアジア地域の仕組みでも重要な役割を果たす。

 

 2030年のシナリオ3   「格差支配」型  経済格差が世界中に広がり、「勝ち組」「負け組」が明確に。EUは分裂

・このシナリオは、国際情勢が世界中で広がる「経済格差」に左右されるというものです。

 国内でも国家間でも、経済格差が広がってしまいます。2030年に向けて、世界全体としては豊かになりますが、人々の「幸福度」は下がります。「持てる者」が富を独占し、「持たぬ者」はますます貧しくなるからです。こうした環境下では、政治や社会は不安定になります。

 国家間では、「勝ち組」の国と「負け組」の国が鮮明化します。米国は、勝ち組の代表格です。ほかの国々が弱体化するなかで、安価な国産シェール系燃料の恩恵で経済が回復するからです。ただ、孤立主義的な傾向を強め、「世界の警察官」としての役割には関心を示さなくなります。

 

・(中国)都市部と農村部の経済格差が拡大し、国民の不満が高まる。共産党政権は支持を失う。毛沢東主義が再台頭し、党は分裂の危機に瀕する。

 

 2030年のシナリオ4   「非政府主導」型  グローバルな人材がネットワークを駆使して世界を牽引する時代に

・このシナリオでは、政府以外の機関や人々が、世界のリード役となります。例えば、非政府団体(NGO)、大学などの教育機関、富裕な個人などです。

 テクノロジーの進歩で、個人や小さな団体でも大きな成果を挙げられる環境が整います。また、課題によっては自由自在に小さな団体同士が連携しあうといったことも簡単にできるようになります。大学などでは国境を越えた人材交流が盛んとなり、グローバル規模で“同窓生”が生まれるようになります。こうした人材が、非政府の団体や個人をつなぐカギとなります。

 

・世界規模でエリート層と中間所得者層が増加することで、グローバルな世論が形成されやすくなります。環境問題、貧困、腐敗撲滅といった課題に、世界中の人々が一丸となって取り組みます。

 

・非政府主導型の社会では、課題ごとにうまくいく場合といかない場合の差が大きくなりそうです。うまくいく場合には、政府が対応するよりも迅速に問題解決に取り組めますが、その一方では大国の反対にあって何も実現できないケースも出てくるかもしれません。

ほかの4つのシナリオと比べると、経済は「米中協調」型に次ぐ成長をみせます。また、「欧米没落」型や「格差支配」型よりも協調ムードが高く、国際社会は比較的安定したものになります。

 

・(中国)一党独裁体制の考え方から抜け出せずに、国際社会で孤立。

 

 

 

『2030年世界はこう変わる』

アメリカ情報機関が分析した「17年後の未来」

米国国家情報会議       講談社  2013/4/19

 

 

 

特に、高齢化は日本とドイツの2カ国で深刻

最も不安な国・日本

・いままでみてきたように、西側先進国のほとんどの国が、“頻発する経済危機”に対して強い抵抗力を持っているとはいえません。

 その中でも特に不安なのが日本です。急速な高齢化と人口の減少で、日本が長期的に経済成長を実現させる潜在力は極めて限定的です。例えば、2025年までに年金暮らしの高齢者1人を労働人口2人で支える社会が到来します。こうした高齢者社会を政府が財政的に支えるのは簡単ではありません。

 

国際通貨基金IMF)は、たとえ、一時的な政治的混乱を招いたとしても、日本は「財政上のバランスを長期的に保つ大規模な政策転換を実地すべき」と進言しています。短期的には経済成長を犠牲にしないと、膨らむ一方の負債を解決することは出来ないとみています。

 

<失速する中国経済

世界銀行の試算によると、2025年までの世界の経済成長の約3分の1を中国一国だけで担うことになります。もちろん、その貢献度はほかのどの国よりも大きなものです。

 

・順調にみえる中国経済ですが、中国もまた、危機を頻発する世界経済の打撃からは無縁ではいられません。中国経済が抱える弱点をみていきましょう。第一に、中国は経済先進国と同様、高齢化の問題に直面しています。現在、65歳以上の人口比率は8パーセントですが、2030年には16パーセントを超えます。

 

・経済が成長すると、国民は生活水準が上がることを期待します。豊かさを充分に感じられないと、国民の不満が爆発する危険が出てきます。景気が急失速し、政情不安が広がると、中国政府が内向き志向を強める可能性も高まります。経済がうまく回らない理由を国外に求めて国民を納得させようとするからです。

 

<インドの躍進>

世界銀行は、2025年までにインドが中国と並ぶ世界経済の「成長の柱」になると予想しています。成長の柱が1本から2本に増えることで、世界経済はより安定したものになるかもしれません。

 15~20年後、インドは日本やドイツを追い抜く、中国、米国に次ぐ経済大国に成長しているはずです。2025年、中国とインドの経済力を合わせると、その世界経済への貢献度は米国とユーロ経済圏を合わせた規模の約2倍にあたる見通しです。

 

<再生エネルギーは不発>

天然ガスの生産量が増えることで、2030年までに石炭から天然ガスへの切り換えが進みます。

 

国際エネルギー機関(IEA)は、2007~2050年の間にエネルギー全体に占める再生可能エネルギーの割合は4パーセントしか増加しないと見積もっています。2050年でもその状態ですから、2030年の世界では再生可能エネルギーが大きな存在になっているとは考えにくいのです。

 

 2030年の世界  異常気象は増加傾向に

・最近、洪水や干ばつ、竜巻(トルネード)や熱波などの極端な気象異常が頻発しています。こうした異常気象は、2030年に向けて増加する見通しです。

 

・気象変動は“食料の安全保障”にも重大な影響を及ぼします。最新の科学調査で、気温の異常変動や干ばつが穀物の収穫量に大幅なマイナスの影響を与えることが立証されました。食糧不足が続くと、各国が主要穀物の輸出制限などに乗り出す危険があります。

 

・氷塊や氷河が溶け出せば、海面が上昇します。専門家の試算では、21世紀が終わるまでには今より1メートル上昇するとみられています。しかし、最近の傾向を加味すると、この試算を上回って海面が上昇する事態を想定せざるを得ません。

 

・現状の排出ペースが続けば、2050年までに大気中の温室効果ガスの量は2倍に増加してしまいます。これは気温が約2°C上昇することを意味します。

 

 メガトレンド  権力の拡散  アメリカを始め欧米各国の力が衰え、世界は「覇権国家ゼロ」状態に

・2030年までには、国際社会の権力構造も大きく変わります。権力は「独占」状態から「分散」されていくようになります。具体的には、発言権を持つ国家の数が増える一方、国家ではない非公式な団体やネットワークの発言力も増すでしょう。

 

2020年代のどこかで、中国は米国を抜き世界第1位の経済大国になります。相対的に、低成長を続ける欧州や日本、ロシアの経済力は弱まります。

 

ゴールドマン・サックスは、今後高成長が期待できる国家11ヵ国を「ネクスト・イレブン」と呼んでいます。含まれるのは、バングラデシュ、エジプト、インドネシア、イラン、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、韓国、トルコ、ベトナムです。我々独自の試算によると、2030年までにこの11ヵ国の国力の合計は、EU27ヵ国の合計を抜くことになります。

 

中国の覇権は短命?

・それまでに中国はアジアのトップとしての地位を不動のものにしているでしょう。2030年には、中国のGDPは日本のGDPを140パーセント上回るとみられています。

 

・ただし、「世界一の経済大国」としての中国の地位は意外にも短命となる可能性があります。

 

2030年のインドは、「世界景気の牽引役」と呼ばれる現在の中国のような存在になっているでしょう。2030年の中国にとって、年率8~10パーセントの経済成長を続ける現在の中国は「遠い過去の栄光」になっているはずです。

 

・世界のあらゆる地域内で覇権国の交代が起きます。

 

・2030年までにはブラジルが「南米の巨人」としての地位を確立するでしょう。EU27ヵ国の間では、ドイツが安定的にリーダー役を務めるでしょうが、ドイツは高齢化社会とどう向き合うかという難問を抱えています。

 

抜かれる先進国

・旧モデルでは、2030年ごろに米国と中国の国力が並ぶとみられていましたが、新モデルでは中国はまだ米国に追いつけていません。米国が中国にトップの座を譲るのは、2040年以降になります。

 また、どちらのモデルでも日本の国力がじりじりと低下していく点は見逃せません。米国や欧州など、すべての先進国のグラフが右肩下がりです。

 

前例なき「覇権国ゼロ」時代へ

・2030年までに、一国で国際社会をリードするような「ヘゲモニー=覇権国」は消滅します。米国も中国もその役割を果たせません。その一方で、国家ではない団体やネットワークが国際社会での発言力を増すようになります。

 

・すでに、米検索サイトの「グーグル」や、「フェイスブック」といった巨大ネット企業が、政府よりも巨大でリアルタイムの情報を保有していることはご存知の通りです。人々はネットの情報から知識を得て、行動を起こすようになっています。そのため、こうしたネットの系の民間企業が、政府に負けない民意を動かす力を持つようになっています。

 

メガトレンド 個人の力の拡大  貧困層が激減し、アジアを中心に10億~20億人もの新たな中間所得者が誕生する

・今後15~20年間に世界が直面する多くの課題を解決するうえで、個人の力の拡大という要素はとても重要な役割を果たすでしょう。

 

・個人の力は強まりますが、職を得るための競争は激しくなります。そのため、個人の力は高まっているにもかかわらず、多くの人が将来や政府への不安を抱えたままの状態になる懸念もあります。

 

コロナショックは、社会革命とまではいかないが、数年、数十年かけて起こるべき変化を早く始めさせる作用はあるだろう。通常であれば、在宅勤務しない人の在宅数が急激に増えた。(3)

 

(同性愛大国への道)

・近未来の中国で起こるであろう二つ目の現象は、男性の同性愛者の増加である。

 

・「人民解放軍の若い兵士たちの中には、大量の同性愛者がいる

 

社会主義国の中国では、例えば、人民解放軍などの組織では同性愛は禁止しているが、それでもいまどきの若者たちは、意外にあっけらかんとしている。そもそも中国人は他人に無関心なこともあって、同性愛の青年たちは徐々に表に出始めてきているのである。

 

(「空巣青年」の「孤独経済」)

第三の現象は、「空巣青年」の増加である

 

・日本語の「空き巣」とは無関係で、親元を離れて大都市で一人暮らしをしている若者のことだ。

 

2021年  中国共産党100周年で「貧困ゼロ」に

北京から農村に追放されて貧しい青少年時代を送った習近平は、農村の貧困層の支持を盤石にし、長期政権を実現させるため、ありとあらゆる手段を使って脱貧困を目指そうとする。

 

(中国の「中流」「貧困ライン」の基準)

・長い演説の中で、これでもかというほど「脱貧困」を力説したのだった。

 

(3000万人の「最貧困層」を3年でゼロにする)

・貧困家庭が政府から生活保護を受けるには、地元の役場へ行って、年収が2300元(約3万9000円)以下であるという「貧困証明書」を入手しないといけない。この年収2300元という基準は、胡錦涛時代の2011年に定めた。「貧困証明書」の様式は各地域によってまちまちで、個人がいかに生活が苦しいかを記述し、役所がそれにハンコを押す。

 

習近平主席が言う「貧困を撲滅する」という意味は、「貧困証明を取る人をなくす」ということである。「貧困証明書」取得者は2017年末時点で、約3000万人いる。そこで、2018年から毎年1000万人ずつ減らしていき、2020年にゼロにしようという計画なのだ。

 

(習主席の「貧困」体験)

・「私は前世紀の1960年代末、まだ十何歳で、北京から陝西省延安市近郊にある梁家河という寒村に派遣され、そこで7年間、農民をやった。貧困に喘ぐ村民たちとともに穴倉で生活し、土坑の上で寝た。何ヵ月も、一切れの肉さえ食べられないありさまだった。私はその村の党支部の書記になり、中国の庶民たちが何を求めているのかを理解した」

 

(毒食品問題の深層)

胡錦涛時代に政権幹部から、「中国は1割のヨーロッパと9割のアフリカだ」という話を聞いたことがあったが、まさに言い得て妙だった。

 

数年前に日本で問題になった中国産毒食品の氾濫は、まさに貧困の為せるわざである

 

(「貧困地区の大開発」を利用して利権づくり)

・ともあれ江沢民政権は、西部大開発の名のものに、西部地域を巻き込んだ大規模なインフラ事業などを推し進めていった。

 

(「鬼城」が全国あちこちに)

・中国全土に点在するこのような「鬼城」は、大きな社会問題になった。さらに問題なのは、それらの建設費用の一部が、地方幹部の懐にキックバックされたことだ。

 

(農村を一変させた通販サイト)

習近平政権になってから始めた貧困撲滅の試みを、二つ紹介した。一つはアリババが始めた農村版の「農村淘宝」である。

 

(最貧困地域をITの牙城に)

貴州省のような貧困地域でも、3分の2もの地区で深刻な腐敗があったこと自体驚きだが、ともかく腐敗が蔓延しない監視システムを作った。

 その上でIT企業を誘致し、省の振興を図った。

 

(貧困を脱することができない村は潰す)

・脱貧困が可能と判断した村と、不可能と判断した村である。まず、不可能と判断した地域では、村人たちを早期に脱貧困が可能と思える地域まで引っ越しさせる。

 

貧困層を養う5つの政策とは)

・第一に、インタ―ネット通販と農村を結びつける。第二に、1万の村の村民を100の都市の家政婦にする貧困層扶養計画。第三に、対外投資を行う企業に、農村の人々を海外に派遣する労働者として雇ってもらう。第四に多国籍企業に労働者として雇ってもらう。第五に、国境地域の貿易に貧困地域の人々を巻き込んでいくのだ。

 

2022年  大卒が年間900万人を超え「大失業時代」到来

国が豊かになるにつれて大学生の数は今後も増え続ける。だが、高度経済成長が終わりつつある中、巨大な雇用を創出できなくなると…………。

 

(世界の大学生の2割は中国人)

・2017年9月現在、中国の現役大学生は3699万人に上り、世界の大学生の2割を占めるという。

 

(卒業生も日本の14倍)

・2022年に卒業生の数が990万人になれば、2017年時点の日本の16倍である。

 

・大卒者に対する社会の需要に対して、供給側の大卒者が不釣り合いに多いという意味だ。

 

(毎年1500万人の新規雇用が必要?)

・いくら中国が日本の25倍の国土を擁しているからといって、800万人もの卒業生に見合う職場など、あるはずもない。加えて、2017年には48万900人もの海外留学組が帰国している。さらに高卒や中卒を含めれば、毎年1500万人規模の職場が必要だ。これは東京都の人口よりも多い数である。

 

(新規就業者数1351万人のカラクリ)

・「2017年の都市部での新規就業者数は1300万人を超え、2017年12月の都市部の失業率は4.9%と、5%を下回った」

 

・一つは、「滴滴出行」という新興IT企業の存在である。別名「中国版ウーバー」だ。

 

(多すぎた運転手)

・そのため、大都市では戸籍を持たない運転手の進入を禁止した。この措置によって8割方の運転手が、再び失業してしまったのである。

 

(「1日に1万6600社が誕生」。だが、その大半は………)

・1日当たり1万6600社ということは、年間600万社!

 

・だがその一方で、100社創業すれば、そのうち90社から95社くらいは、いつのまにか雲散霧消しているのである。創業とは、死屍累々の残酷な世界なのだということを、深圳を視察して思いしった。

 

(「一流大卒」以外は結構厳しい)

・おそらく半数近くの大学卒業生が、自分が望むような職場を得ていないのではないか。

 

(エリートは国家公務員を目指す)

・当時は、学生たちに圧倒的人気だったのが国家公務員で、続いて国有企業だった。

 

(公務員「給与外所得」の実態)

・そもそも国家公務員が最も人気が高いのは、国有企業以上に安定性があるからだ。さらに、多額の「給与外所得」が見込めるということもあった。

 

(贈収賄で1日平均842人を処分)

・「この5年間で、154万5000件を立件し、153万7000人を処分した」

 

(究極の失業対策は「海外への人材輸出」か)

・今後も中国の大卒は増えていくことが見込まれるため、ますます「学歴通脹」(学歴のインフレ)が深刻になっていくのは自明の理だ。中国政府はこの問題を解決するため、海外への留学と海外での就業を奨励していくだろう。

 

2023年  世界一の経済大国となり中間層4億人が「爆消費」

国際化やIT技術の普及によって、中国人が消費する金額・物量は驚異的な勢いで今後ますます膨らみ続ける。そしてそれは同時に、究極の監視社会にもつながるのか?

 

(1日で3兆円近くを売り上げるイベント)

ユニクロもシャープも大儲け)

(悲願を達成した日)

・そして、2010年に日本を抜き去った中国が、次に見据えているのが、トップに君臨するアメリカなのである。

 

(その日は「2023年から2027年の間」)

(莫大な消費力――4億人の中間所得者層)

(「爆消費の時代」を予測する)

(中国人観光客の誘致は死活問題に)

(5年後の銀座の姿を知る方法)

・私が常々、念頭に置いているのは、「現在の韓国が、5年後の日本」ということである。

 

つまり、5年後の銀座の様子を想像したければ、ソウルの明洞を見学しにいくとよいということだ。

 

(急成長を遂げる中国の「出前」ビジネス)

(クレジットカードは時代遅れ?)

スマホ決済の履歴で個人に優劣がつけられる)

(『1984年』ビッグブラザーの恐怖)

・ただ、一つだけ警告しておきたいのは、こうしたスマホ決済から応用されるサービスの進化は、国家が国民のプライバシーをすべて管理する社会に直結するということだ。

 

2024年  年間1200万人離婚時代がやってくる

・純粋な愛情の問題から財テク目的まで、中国でさまざまな形の離婚が横行している。このハイペースが続けば2024年には600万人組ものカップルが破綻し………。

 

(華燭の離婚式)

(「別れ」から生まれる「出会い」)

(世界最大の離婚大国)

(「女性主導型」が多い)

(理由なき決断)

・「中国式離婚」の特徴の二つめは、ある日突然、離婚に至るケースが多いことである。

 

(地縁よりもカネの縁)

(偽装離婚でもう1軒!)

 

2025年  「中国製造2025」は労働力減少を補えるか

「世界一の科学技術強国の実現」という野望を実現させるべく、人工知能(AI)・量子科学・自動運転車・次世代通信ほか、あらゆる分野で凄まじい投資と開発競争が行われている。

 

(中国がこれから傾注する産業分野)

(「労働力不足大国」でもある)

・その結果、中国の製造業における「用工荒」(人手不足)は、日増しに深刻になる一方だ。

(ホワイトカラーよりも厚遇のブルーカラー

日系企業の深刻な悩み)

・「慢性的な人手不足で、それはオートメーション化で補っていくしかない」

 

李克強首相の檄)

(「創業」プラス「創新」)

・もう一つの質問、IT企業と共産党政権との関係だが、中国政府の資金は潤沢で、多種多様な補助や優遇策を実施している。

 

(世界最強のAI大国への道を模索)

(巨額投資でAI強国化を目指す)

(量子科学・自動運転車・次世代通信……)

・中国の「IT社会主義」の成否は、もしかしたら21世紀前半の人類を左右する最大のテーマになるかもしれない。

 

2035年  総人口が減少しインドの脅威にさらされる

「日本を完全に追い抜いた」と確信した中国は、次なる仮想敵国を東から西へ、すなわちインドに定めつつある。労働力人口では今後インドが優勢に立つ。はたして中国はどう出る?

 

(紀元前から人口調査を行ってきた国)

中華人民共和国建国後の人口推移)

(中国総人口のピークは2035年?)

2035年の15億7000万人がピーク

 

(隣国インドが世界一に)

さらに2050年になると、インドの人口は16億5897万人に膨れ上がり、中国より約3億人も多くなるのだ。

 

・そして2100年になると、中国の人口は10億2066万人と、なんとか10億人ラインをキープしている水準だ。これに対し、インドの人口は15億1659万人となり、中国の1.5倍の規模を誇ることになる。

 

(巨象が昇り、巨竜が沈む)

・中国で20世紀初頭に起こったマンションブームやマイカーブームが、インドでいま本格化し始めたことを勘案すれば、将来インド経済が中国経済を追い越す可能性は、十分あると言える。

 

(日本を超え、アメリカを超える)

・「2020年から今世紀の半ばまでを、二つの段階に分ける。第一段階は、2020年から2035年までで、小康社会(そこそこ豊かな社会)の建設の基礎の上に、社会主義の現代化を基本的に実現する。第二段階は、2035年から今世紀半ばまでで、富強・民主・文明・和諧・美麗の社会主義現代化強国を建設する」

 

北朝鮮よりも緊迫している中印国境

(「老いた金メダリスト」)

その時、彼らが日本のことを「老いた金メダリスト」と呼んでいるのを聞いて、ショックを受けた。

 

(「中印戦争」の可能性は?)

その意味でも、2035年までに中印が、アジアの覇権を賭けて軍事衝突――そんな悪夢のシナリオが起こらないとは言えないのである。

 

2049年 建国100周年を祝うのは5億人の老人

日本とほぼ同じ速度で、日本の後を追うように急速な高齢化を迎える中国。ただし、日本と違って社会保障制度が整備されていないまま、しかも10倍の規模の超高齢化社会が誕生する。

 

(香港の完全返還で起こること)

・その2年前には、もう一つの祝賀行事が控えている。2047年7月1日をもって、特別行政区の香港が、完全に中国に組み込まれるのだ。

 

(「還暦以上が5億人!」)

・このまま進めば中国は2050年頃、人類が体験したことのない未曽有の高齢化社会を迎えるからだ。

 

(日本と同じ速度で高齢化)

・中国の高齢化は、日本に送れること30年ほどでやってくることを示している。

 

(日本の高齢化と異なる二つの点)

・ただし、中国社会の高齢化が、日本社会の高齢化と決定的に異なる点が、二つある。一つは、高齢化社会を迎えた時の「社会の状態」だ。

 

・65歳以上人口が14%を超える2028年まで、残り10年。中国で流行語になっている「未富先老」(豊かにならないうちに先に高齢化を迎える)、もしくは「未備先老」(制度が整備されないうちに先に高齢化を迎える)の状況が、近未来に確実に起こってくるのである。

 

日本とのもう一つの違いは、中国の高齢社会の規模が、日本とは比較にならないほど巨大なことだ。

 

(「要介護人口」2億人?)

・実際、中国では、すでに高齢化問題が深刻化になり始めている。

 

社会保障は一部でパンク寸前)

・それでは、中国の社会保障制度は、高齢者をきちんとカバーしているのか。結論から言えば、必ずしもそうなってはいない。

 

(正論を言って解任された財務相

・このままでは中国の年金制度も、日本と同様、破綻に至るリスクは増していくだろう。それでも、「年金崩壊論」は、中国ではタブーになっている。

 

(「高齢化ビジネス」中国へ輸出のチャンス)

・ともあれ、2050年頃に、60歳以上の人口が5億人に達する中国は、大きな困難を強いられることは間違いない。製造業やサービス業の人手不足、税収不足、投資不足……。それらはまさに、現在の日本が直面している問題だ。

 

(人口不足を補うために台湾を併合?)

・だが、もし万が一、中台戦争が勃発して、長期の混乱に陥れば、「戦乱時に人口は減少する」という中国史が示している通り、逆に中国は大きな打撃を受けるだろう。

 

2049年の中国社会を予測)

それにしても、5億人の老人社会とは、いったいどんな社会だろうか?

 

・かつて「空巣青年」と呼ばれた自室でスマホばかりいじっていた青年たちは、「空巣老人」となる。この人たちは、生活にあまり変化はないのではないか。

 

アメリカを追い越して、世界最強国家として君臨しているのか、それとも……。「2049年の中国」を、ぜひとも見届けたいものだ。

 

 

 

『21世紀 地政学入門』

舟橋洋一   文藝春秋  2016/2/19

 

 

 

「米国の影響力は、地政学的バランスを回復することではなく、それを超越することである」

米国の衰退により、地政学的リスクが高まっている。地理、歴史、民族、宗教、資源、そして人口を抜きに、国家戦略は立てれない。

 

地政学的直観力とは何か

北朝鮮が崩壊する可能性が強まっている。2016年1月の金正恩体制下の核実験は、この国をさらに孤立へと追いやることになるだろう北朝鮮はこのままでは、爆発(外)か自爆(内)の暴発のいずれのシナリオもありうる際どい状況に向かいつつあるように見える。そうなった場合、朝鮮半島の行方が日本の安全保障にとって再び、死活的な意味を持つ。

 

・しかし、世界は再び、地政学の世界へと引き戻されつつある。地理と地図が、各国が戦略的計算を行う上で、大きな要素となりつつある。

 外交も経済も市場もどこも、地政学リスクが高まってきている。

 地政学的リスクとは、地理と歴史のような変えようのない要素、さらには民族と宗教のような変えにくい要素が、国の戦略や外交に大きな影響を及ぼし、それが国家間の摩擦をもたらすようなリスクのことである。石油や希少資源のような、その土地、その場所でしか産出できないものとか、人口のように変わるとしてもきわめて長期的、緩慢なプロセスを経るものも通常、地政学的要素に加えられる。

 

日本に関して言えば、朝鮮半島と台湾が最大の地政学的要素であることに変わりはない。日本本土を守ろうとする場合、敵が攻め込んでくる一歩手前で敵の侵攻を食い止めるには、つまりは前方展開でそれを阻止するには、朝鮮半島と台湾を少なくとも敵側に渡さないことが、そしてその地域に敵対的政権をつくらせないことが死活的に重要になる。これは日本の長い歴史において変わらない地政学的真実である。

 

・1910年には韓国を併合し、中国とロシアと直接国境を接することになった。日本は大陸国家となったのである。しかし、日本はユーラシア大陸地政学がどれほど恐ろしいものであるかに無知だったし、いまもそれは変わらないように見える。

 

・もう1つ、これからは人口が再び、重要な地政学的要素として重みを増す可能性が強い。米国の世界支配力が弱まり、それぞれの地域で地域大国が伸してくるだろうからである。地域大国の場合、人口規模がモノをいう。人口が国力と国勢に与える影響は、日本と中国の21世紀の地政学的課題として登場するだろう。

 

・もう1つ、日本の地政学的位置の危うさと恐ろしさを心に留めておく必要がある。

 日本ほど、地政学的にレバレッジが効きやすい位置にいる国も少ない。アジア太平洋の覇権(希求)国にとっては、日本を抑えるか、それとも日本と友好関係を結ぶかは、どちらになろうが「倍返し」の威力を持つ。ユーラシア東端の第一列島線の中核である日本列島は、決して消極的資産にとどまることはない。それだけに、よほど確固とした戦略と思慮深い外交を持たない限り、日本は戦略的な「駒」として利用されることになりかねない。そのリスクを知っておく上でも、地政学的直観力を身につけることが大切なのである。

 

<未来地政学

・米国の情報機関、国家情報会議(NIC)は2013年、「グローバル・トレンズ2030」と題する報告書を発表した。米政府部内の衆知を動員し、世界の戦略問題研究者とのブレーン・ストーミングを行った上で20年ほど先の世界を予測する試みである。

 

2030年までの世界のメガトレンドとゲーム・チェンジャーの相互作用を分析し、起こりうるシナリオを描き出している。例えば次のシナリオ。

・中国の栄華は長続きしない。

イスラム原理主義のテロはピークを過ぎ、下り坂に向かうだろう。

・米国はヘゲモニー国家にカムバックすることはない。ただ、エネルギー独立を成し遂げ、世界の安定勢力として、なおかけがえのない存在であり続けるだろう。

 

・もう少し紹介しよう。

2030年、中国は世界一の経済大国として君臨している。日本の経済規模の2倍半近い規模になっているだろう

 しかし、中国の生産年齢人口は、2016年を頂点にその後下降に向かう。中国の2020年の成長率は5%、2030年は3%へと減速していく。生産性は向上せず、1人当たりのGDPは先進工業国にいつまでも追いつかない「中所得国の罠」にはまる危険が強い。低成長になればなるほど指導層は対外的に強硬姿勢を示すことになるかもしれない。世界の最大の不確実性は「中国の弱さ」かもしれない。

 

イスラム原理主義テロは、ピークを越えた。アルカイダはもはや生命力を持っているようには見えない。

 米国を究極の敵と見なす反米感情は今後、アラブ社会で中産階級が台頭し、「アラブの春」のような民主化が進むにつれ、退潮していく可能性が強い。

 米国は、ヘゲモニー国家としての性格を薄めていくだろう。

 

・しかし、世界の安定勢力としての米国の存在は今後、ますます重要視されることになる。中国の台頭にリスクを感じつつある東アジアの国々の中にそのようなリバランシング志向が際立っているが、それは世界的傾向となるだろう。

 2030年までに米国は「エネルギー独立」を達成しているだろう。米国はエネルギーの輸出国として登場する。すでに2007年からオイルシェールの産出量は毎年50%増加している。

 

ブラックスワンは何か>

・グローバル・トレンドのトレンドという言葉は継続を前提とした語感がする。

 しかし、今後20年は継続よりショックと破断、切断をむしろ常態とするかもしれないそれらのショックや切断の中に、気候変動と関係する大災害も含まれるだろうし、食料・水・エネルギーをめぐる闘争が激しさを増すだろう。中国とインドが水をめぐって対立を深めるリスクも高い

 

・その時、司会をしたバローズがわれわれに重ねて聞いた質問が「何がブラック・スワン(黒い白鳥=事前に予測できず、起きた時の影響が大きい事象のこと)だろうか」だった。

 その時、ブラック・スワンは、「米国のエネルギー独立」達成だ、米国がエネルギー輸出国に遠望することだ、と答えた人は1人もいなかった。「中国の弱さ」だと答えた人もいなかった。

 

ブラック・スワンを空想の世界に思い描いてみてもそれほど意味はない

・今回の報告書が「個人のパワー化」をメガトレンドの最初に取り上げたのは慧眼である。どこのどの個人がどのような“違い”を生み出していくのか。それは、われわれの想像力の中に潜んでいる。日本の再生戦略はそれを引き出すことでなければならない。

 

地政学の逆襲>

<「米国は、地理的に孤立しているが、政治的に人気がある。ソ連は多くの国に地理的に近接している結果として、政治的に孤立している」>

・人間の歴史の中で、気候、海、川、山脈といった地理はつねに、歴史のパターンに大きな影響を及ぼしてきた。

 とくに近世以降は、貿易ルート、資源の偏在、国境のありようは、国々の富とパワーを左右してきた。

 そのような地政学的現実を的確に捉え、それに柔軟に適応する地政学的戦略を展開できるかどうかが、「国々の興亡」に大きな影響を及ぼしてきた。

 第2次世界大戦後、地政学と言う学問は、忌み嫌われた。ナチがそれをドイツの侵略とアーリア人の優位性を正当化する決定論イデオロギーとして悪用したことが背景にある。

 それを研究する必要性も減じた。米国が、圧倒的な海軍力を背に、世界の警官として「航行の自由」を保証したことで、「航行の自由」も自由貿易も「フリーランチ」(タダメシ)のように享受された。戦後の米国は世界でもっとも地政学的制約を感じない国家だっただろう。

 

<米国の「アジア回帰」>

・しかし、冷戦後、より伝統的な地政学的パワーの伏流水もまた、流量を増した。

 1993年、中国は石油純輸入国となった。中国はその後、世界のエネルギー政治を根底から揺さぶることになる。世界の石油生産の8割以上はいまでは国家が握っている。

 

2010年に噴出したアジアの海洋をめぐる中国と近隣諸国の緊張も90年代から徐々に高まっていた。日米同盟の基盤でもある「航行の自由」と自由で開放的な海洋レジームが中国の挑戦を受けている。

 地政学とは、石油・ガス、貿易ルート、国境、民族、宗教といった「地理と歴史」の要素を濃厚に含む。

 アジアは地政学のるつぼといってもよい。アジアの台頭そのものが、地政学の逆襲をもたらしている。

 

・それだけに米国が、アジアとの関係において、過剰関与を避け、適度の距離感を保ちたいという願望は分からないでもない。米国は距離感を保つことで「人気」を挽回したいのだ。「人気」は米国人にとってはほとんど徳目である。

 

米国の未来はアジアに「回帰」する以外ない。米国の地政学的アジア回帰とどこでどう折り合うのだろうか

 それが、21世紀最大の地政学的難問である

 

<灰色の地政学 >

・米国では、リーダーシップ論がかまびすしい。(もっとも、この国では建国以来、リーダーシップ論に関する本を総計すると、国民5千人に1人がこのテーマを書いた勘定になるそうだ。)

 そのほとんどがオバマ米大統領に手厳しい。「頭でっかちで、分析過剰のグズ。実務オタク」とこき下ろしている。

 

米国では、危機に立ち向かい、克服したリーダーというのは、どこかに狂気を宿していた、などという学説がもっともらしく説かれる。

 リンカーンしかり、FDR(フランクリン・ルーズベルト)しかり、ニクソンもしかり、といった具合である。

 それらのリーダーに共通しているのは、「トップダウン」、「正面突破」、「陣頭指揮」の雄々しいリーダーシップ像である。

 

<「灰色の地政学」の到来>

・危機が、善対悪の戦いでなく、善対善の戦いである場合、対応はさらに難しい。

 

・冷戦後、そのような危機が各地で現出した。「バルカンの国々にボーイスカウトはいない」といったジェームズ・ベーカー米国務長官の洞察は、灰色の地政学の到来を告げていた。テロとの戦いはそれに伴うモラル破綻の陥穽を思い知らせた。G20時代の「新世界」の中で、善対悪、友対敵の区分はさらにあいまいである。世界はどこもライバル関係となりつつある。

 

コロナショックは、社会革命とまではいかないが、数年、数十年かけて起こるべき変化を早く始めさせる作用はあるだろう。通常であれば、在宅勤務しない人の在宅数が急激に増えた。(2)

 

 

『清華大生が見た最先端社会、中国のリアル』

夏目英男   クロスメディア・パブリッシング 2020/2/28

 

 

 

中国の過去と未来、そしてイマ

・2000年7月、私は両親の仕事の都合上、中国・北京に移住しました。当時の中国は改革開放真っ只中で、外国人も少なく、皆さんが想像するような、古き中国でした。

 

・とくに2008年の北京オリンピック前後には、国全体が活気に溢れ、オリンピック効果に伴い加速する中国の経済成長と国際社会への歩み。日本のバブル景気を経験していない者としては、それは貴重な経験でした。

 ですが、日本に帰国するとその評価は一変。周りの友人からはなぜ中国に移住するのか。危険な国ではないのか、なぜ中国で引き続き進学するのかという質問が飛び交ってきます。メディアでも中国についての報道は一辺倒でした。大気汚染や水質汚染、食の安全問題、訪日中国人観光客のマナーなどが取り上げられるばかりであまりいい報道を聞きません。

 

・中国と日本は近年、政治・経済レベルでの交流が活発化し、距離が近づきつつあるが、その溝は深い。日本と中国。文化・地理的にも近い国。でもどこか遠い国。

 

・日本に留学経験もある思想家・梁啓超氏は、1900年「少年中国説」という散文を書き残しました。そこには“少年智則国智、少年富則国富、少年強則国強、少年独立則国独立、少年自由則国自由、少年進歩則国進歩”という言葉があり、直訳すると“若者が賢ければ国も賢く、若者が裕福であれば国も裕福、若者が強ければ国も強く、若者が自立すれば国も自立し、若者が自由であれば国も自由、若者が進歩すれば国も進歩する”。若者は国の未来の縮図であり、今後の社会を背負う人々です。筆者は中国で生活をする中、中国人学生と共に学びを進め、彼らの背中から多くの物事を学んできました。

 

中国を変えるチャイナユース――80後、90後とは?

80後、90後とは?

・日本やアメリカでは世代ごとに、その生まれた世代を指す言葉があります。アメリカではジェネレーションX、Y、Z(1965年~1980年、1981年~1994年、1995年~2010年生まれを指す)やミレニアル世代(2000年前後に社会進出する世代)が存在し、日本では時代背景ごとにバブル世代やゆとり世代などといった言葉があります。

「80後(バーリンホウ、1980年代に生まれた世代)や「90後」(ジウリンホウ、1990年代に生まれた世代)など中国でも同じく、世代を指す言葉が存在しますが、日本やアメリカよりシンプルに生まれた十年紀により世代を名付けています。

「80後」に生まれた若者は、他の世代に比べて、多くの社会変化を経験しています。1977年には、文化大革命により、10年間中断されていた中国版センター試験が当時の国務院副総理、鄧小平氏の鶴の一声によって復活し、この年から中国の高等教育が一斉に再開しました。1982年には“計画生育”、いわゆる一人っ子政策が打ち出され、「80後」以降に生まれた世代は原則すべて一人っ子となりました。

 

・前述のように「80後」は苦労知らず、身勝手などといった評価をされていますが、実際彼らは「高考」の復活により、初めて現代的な高等教育を受け取った世代でありながら、社会的競争率はとても高く、高学歴・低収入を強いられています。それと同時に不動産バブルや一人っ子政策最大の問題点である高齢化社会に直面し、夫婦で4人以上の家族を扶養しなければいけないプレッシャーが46時中伴っています。それでも、文化大革命の迫害を受けた世代を親に持ち、40年近い改革開放政策の歴史と中国の奇跡と呼ばれる経済成長を経験した世代は、どの世代よりも気骨精神に溢れており、社会のために働こうとする若者が多いです。

 

・「90後」は上記の「80後」が経験した波乱万丈の時代が一段落した後の世代であり、改革開放の恩恵を一番に受けている世代でもあります。1978年に始まった改革開放政策ですが、その経済改革の一環として計画経済から市場経済社会主義市場経済体制)への転換が1993年に実施されました。

 

・それでも「80後」同様、「90後」に対する世間の評価も変わりつつあります。改革開放の恩恵、市場経済への転換、中国のグローバル化などを受けて生まれ育った「90後」は“異質”と呼ばれながらも、よりオープンなマインドセットを保っており、歴史や伝統にとらわれず、しっかり自分の考えをもって行動している若者たちが多い世代です。

 

・このように、海外で留学後に帰国し、新中国の発展を支えるのが「海亀」たちです。対日的にも、「90後」の多くは日本のアニメと共に幼少期を過ごし、成人後も日本のサブカルチャーをこよなく愛する人も多く、日本へ留学する人も少なくありません。

 

・「80後」や「90後」は時代の荒波に飲み込まれ、端境期のイマを難航する中、批判や否定なども多いですが、彼らは紛れもなく中国の新時代を背負う若者たちであり、間違いなくイマの中国を牽引していく主役たちです。

 

改革開放の恩恵と北京オリンピック中国経済の奇跡

・改革開放は中国の経済成長の支えとなり、北京オリンピックはその推進と中華民族の偉大なる復興を世界に発信するキッカケとなりました。この歴史背景において育った地位なチャイナユースは、今後の中国社会を担っていく人材として、愛国主義の教育を受けながらも、中国の飛躍を目の当たりにし、祖国のために奮闘していきます。未だに環境問題や社会問題などが多く存在する中国ですが、それでもチャイナユースが躍動できるような土壌は、まさに今後の中国の発展を支える重要な布石になります。ここに、現代の日本の若者に欠けている志や、日本人としての誇りが中国で垣間見られます。

 

日本の文化をこよなく愛する中国の若者

・筆者は家族や友人に、こういった質問を聞かれた時に決まって、“イマの中国人、とくにイマの若者はみんなが思っているより、日本に好意を抱いているし、日本の文化を好む若者がすごく多いよ”と答えます。

 

日本の漫画やアニメなどサブカルチャーによる影響

・今や日本のソフトパワーを代表する漫画とアニメ。第2次世界大戦後に急発展した漫画、そして1960年代に手塚治虫による日本初の商業用連続アニメ『鉄腕アトム』の放送などを皮切りに、数々の名作が誕生し、今ではメイド・イン・ジャパンのMANGAとANIMEが世界を席巻しています。

 

このように、1980年から39年の間――とくに日本のアニメは絶大な人気を誇り、一番初めに日本のアニメに触れた「70後」から「80後」「90後」まで幅広い世代が日本のサブカルチャーと共に成長してきました。文化的浸透によるイメージ改革は功を奏し、この世代の多くは日本に好意的な印象をもち、日本のことをよく理解しようと努力する世代でもあります。

 

英語に次ぐ第二外国語、“日語”

・日本のサブカルチャーを通して、日本のことを好きになる若者も多く、またそれをキッカケに日本語を勉強する若者も多数います。驚くことに、中国では“日語”、いわゆる日本語は英語に次ぎ、二番目に多く学ばれている外国語です。2019年9月付けで、512もの大学機関(大学・学院・独立学院などを含む)にて日本語学科が開設され、筆者が所属する清華大学や、北京大学などといった中国のトップ大学でも、同様に単独の日本語学科が設置されています。日本語や日本文学の研究で、修士学位や博士学位を授与する大学院や研究科などの数こそは大幅に減りますが、それでも修士学位を授与できる大学機関が84校、博士学位を授与できる大学機関が18校存在します。これ以外にも、中国には多くの

職業学校や言語学校が存在し、これらを合わせると、約2000校にも上るといわれます。

 中国での日本語教育は明代(1368年~1644年)に始まったとされます。

 

1980年には当時の大平正芳総理大臣が提唱した「在中国日本語研修センター」が開設し、日本語教育の第一次ブームを創造しました。また1980年には前述の『鉄腕アトム』の放送もあり、日本語学習ブームをさらに後押しました。

 あまり知られていないのですが、中国ではのちにご紹介する中国版センター試験――普通高等学校招生全国統一考試、通称「高考」でも日本語は、英語、ロシア語、フランス語、ドイツ語、スペイン語などと並び、正式な受験科目(外国語)として採用されています国際交流基金と日本国際教育支援協会が共催する、日本語能力試験JLPTの受験者数から見ても、毎年中国人受験者が圧倒的に多く、中国国内44都市の試験会場合わせて17万人2759人(2019年第1回試験)もの受験者が応募しました。2位の韓国や3位のベトナムを3倍差で、遥かに上回ります。

 日本語を習得した中国人が増え続ける中、日本との交流が一層増加するとされ、今後の日中関係に草の根レベルで良い影響を与えると思います。

 

チャイナユースが変える/見る、イマの中国社会とは?

「996」問題や「副業剛需」「低欲望社会」など、チャイナユースを取り巻く環境はここ数年を境に劇的に変化しています。

 その最たる変化が「996」に代表する中国の勤務状況でしょう。2019年3月27日に、ソフトウエア開発プラットホームであるGitHubに、「996・ICU」と名付けられたプロジェクトが立ち上がりました。「996・ICU」プロジェクトとは、“午前9時から午後9時まで、週6日の勤務”という意味合いの「996」と、集中治療室を意味する「ICU」が合わさり、「996・ICU」と名付けられました。この「996」の勤務状況は、同年4月11日に中国共産党の機関報である人民日報より「強制的に残業を求めることは企業文化となるべからず」という記事が掲載されましたが、その翌日にはアリババ創始者である馬雲(ジャックマー)氏がアリババの創業史を振り返り、見解を発表しました。“人より努力せず、時間をかけずに成功を収めようとするのは不可能”と、「996」を擁護する姿勢を示しました。

 日本では、働き改革が推進される一方で、中国では過酷な「996」勤務体制が一般化され、アリババやテンセントなどといったIT業界ではとくに厳しい状況に置かれます。しかし、このような過酷な勤務体制でも、トップのIT企業へ入社希望をする学生は後を絶たず。それも多くの学生は修士や博士を卒業したエリートたちです。そこには、中国の就職氷河期事情があります。

 

日本と同じゆとり世代の競争率は最高

・「996」勤務体制は中国労働法に違反しているにもかかわらず、トップのIT企業(アリババを例に取ると)求人倍率は約1000倍と、熾烈な争いになります。その中でもとくに人気の役職に関しては、1000倍以上の倍率となり、出身校に関しても985/2113工程(のちにご紹介する中国の大学ランクを示す国家教育プロジェクト)に属する大学や海外の名門大学(企業ごとに定義が違う)を最低基準としているため、これらの大学の出身でない場合、書類審査の時点で落とされることが多いのです。国家公務員試験においても、中国の国家公務員試験の倍率は2019年で約63倍と、日本の令和元年度国家公務員試験の17倍を遥かに超える数値となります。

 

このような倍率の高さから、中国は史上最悪の就職難に直面しています。

1、    国内外の経済情勢変動――中国の国内総生産(GDP)成長率は米中貿易摩擦や、国内の景気減速などを受けて2019年に6.0%と減速し、これは29年ぶりの低水準とされます。

2、    過去最多の大学/高等専門学校卒業者数――中国の大学/高等専門学校卒業者数は年々記録を更新しており、2018年は過去最多である735.8万人となりました。日本の大学卒業者数である56.5万人とくらべてもその規模は一目瞭然。今後数年間も増え続ける見込みです。

3、    海外留学帰国者(海亀、ハイグイ)の増加――海外留学をする中国人学生は年々増えていますが、同じく海外留学を経て帰国する中国人数――いわゆる海亀(ハイグイ)も右肩上がりで増加しており、国内の就職状況を圧迫しています。

4、    就職率の低下――中国の学部卒業生の就職率は91%と、2014年の92.6%と比較すると1.6%低下している他、大学院進学する学生が増えています。

 

上記の原因以外に、中国では学歴面においても、日本とは全く異なる就職事情があります。日本では文系であれば学部卒、理系であれば学部もしくは修士卒で就職するのが一般的であり、文系で大学院進学をすれば“就活逃避”といったレッテルを貼られることがあるほど、学部新卒を重視し、キャリア年数を求める傾向にあります。博士課程まで進めば、研究者として見られることが多く、普通の就職をするのは困難とされています。

 

ところが、中国はれっきとした学歴にヒエラルキーがあり、学歴と専門性は高ければ高いほど良しとされる社会です。文系でも、大学院進学する学生が多く、学部→就職よりも、学部→修士→就職という公式の方が多く当てはまります。その結果、大学院人気が高騰し、とくに修士課程に進学する学生が激増。博士課程に進学するより、修士課程に進学する方が難しいといういびつな進学状況が生まれつつあります。

 また意外と思う方も多いかもしれませんが、就職氷河期につれ、多くの学生が民間企業よりも安定した国家公務員を目指しますが、この国家公務員においても学歴ヒエラルキーが存在しており、多くの学生が修士または博士卒の学生となります。

 

・「北上广深」(北京、上海、広州、深セン)と呼ばれる中国の主要都市では、月収の大半を家賃に当てても、1人部屋を借りるのは難しく、ルームシェアをする若者が大勢います。彼らは高学歴の大学卒業者であり、好条件の仕事に就くことができず、家賃節約のために狭い部屋で多数のルームメートと暮らす若者を、「蟻族」と呼びます。賢く向上心もありながら、まだまだ社会的地位は低く、群居していることからアリに例えられます。

 

・もちろん、上記の都市で就職した学生の平均月収は、地方都市で就職した学生よりも高い傾向にはありますが、それでも厳しい状況に置かれているのは同じです。新卒で就職した大半の学生は、節約生活を送り、給料が上がるのを待つか、親に支援してもらうかの二択。最近は新たに副業という選択肢が誕生したものの、「996」体制を続けながら副業するのは困難極まりないです企業からしても、労働力の安さはコスト削減になり、競争力を維持できることから、「996」の勤務体制を敷きます。労働者側からすれば、給与が低くても、いずれか昇進し、今の給料を大幅に超える状況を期待した上で懸命に働き、その時を刻々と待ち続けます。

 低賃金が促したもう一つの結果が、「副業剛需」と「低欲望社会」です。「副業剛需」とは、2019年の下半期にインターネット上で流行したネット用語であり、低賃金が続く中国社会において、80後や90後は会社における業務時間外に、副業をするのは、生活をするのにあたり必然的な需要となることから、「副業剛需」と名付けられました。人材が氾濫している中国において、副業は業務以外のスキルセットを習得することとしては、最適な方法であり、自分の趣味を生かせる副業も多く、趣味を通じて生活の支えになることから、若者の人気を博しています。インターネット上でも、副業に関するコラムが次々と立ち上がり、中国人の若者がいかに業務時間の合間を縫って副業に従事するか、副業にかける思いなどが書いてあり、チャイナユースの勤勉さと向上心にただただ脱帽するばかりです。

「低欲望社会」とは、今の日本が経験している社会状況と類似しています。若者がいろんな欲望に関して無頓着になり、社会に対する期待感を失い、家庭も作らず、低欲望のまま独身を貫き、お一人様生活を楽しむことです。

 

中国経済が「新常態」(ニューノーマル)に突入し、経済が高速成長期から、中高速成長へと変動する中、チャイナユースを取り巻く環境も日々劇的に変化しています。改革開放の恩恵により、社会全体が成長し、経済成長に伴い物価も高騰するも、低賃金が続く。その中で、筆者が見たチャイナユースは、この険しい環境下でもめげずに努力し、生き抜くことでした。清華大学の友人で、今はアメリカの大学院の博士課程に在学している学生に、今後の進路を聞いても彼は就職難、生活難が続いても中国に帰国したいと言います。中国は母国であり、就職難、生活難、就職しても低給料でも、中国で働けばいつかは成功を手にすることができ、また自分の祖国に育ててもらった恩返しをすることができると。

 時代の荒波に飲み込まれそうになっても、負けじと高い志を保ち、荒波に向かって突き進むチャイナユースから学ぶことはとても多いです。

 

“起業”という新たな選択肢

史上最悪の就職難に直面する「90後」を中心としたチャイナユースですが、就職や大学院進学以外にも、新たに起業という選択肢が学生の間に生まれています。中国経済は「新常態」に突入し、経済成長率が高速成長期である10%前後から、7%前後の中高速成長期へと鈍化する中、年間800万前後の大学卒業者の就職事情を解決するため、中国政府は起業という新たな選択肢を設け、イノベーションの創出を戦略的に支援します。その支援策こそが、「大衆創業、万宗創新」(大衆の起業、万人のイノベーション)です

 

・「大衆創業、万宗創新」のスタートアップ支援策により、中国の起業界隈は急激に成長を遂げ、とくに北京や上海など大学や研究機関が多く点在する地域、そして深センといった「改革開放」を牽引し、とくにイノベーションに対してオープンだった地域では、起業案件やベンチャーの投資金額も大幅に増加しました。

清華大学が所在する北京市海淀区を例に取ると、清華大学北京大学、中国科学院などの多くの高等教育機関及び研究機関が所在するこの地域では、起業やイノベーションの創出もとても盛んであり、「中関村科学園」(中関村サイエンスパーク)、「中関村創業大街」(中関村イノベーションストリート)など、起業とイノベーションに特化した区域を設置し、スタートアップを育むエコシステムをここに設けます。上記のスタートアップ特区では、独自の制度として、この地域で起業またはイノベーション関連の事業に従事する場合、一時給付金やオフィスの提供、投資ファンドとのマッチングや、人材面での特例措置などが存在します。

 

次の世代、「00後」とは?

2020年に入り、「90後」世代の一期生が20代に突入した中、新たに「00後」(リンリンホウ、2000年代に生まれた世代)が歴史の舞台に立ちます。「00後」は、21世紀以降に生まれた世代であり、「80後」が改革開放のもと、初めて現代的な高等教育を受け、中国のデジタル化を経験し、「90後」はデジタルリテラシーが高く、テレビやインターネットなどの情報化社会に順応してきた世代であれば、「00後」は生まれた時からハイスピ―ドで成長するデジタル社会を目の当たりにし、デジタル社会と共に成長してきた世代となります。他の国では、5年の差でも、そこまでジェネレーションギャップを感じないものの、社会が劇的に変動している中国であれば、ほんの数年でも社会状況が全く違う様相を見せるため、ジェネレーションギャップは日常茶飯事です。

 

・21世紀の新人類として、「00後」は情報が錯綜する社会においても、しっかりと自分の軸を保ち、デジタル社会を生き抜くことができるといわれています。その理由として、彼らは波乱万丈の時代を生き抜いた世代から直に学びながらも、デジタルネイティブとして多くの情報を入手し、批判的思考力をしっかりと身につけ、情報に対する峻別ができることから、中国国内でも最も「理性的」な世代とも呼ばれています。

 

デジタル革命がもたらす中国社会の変化

シェアバイク

・中国のシェアリングエコノミーと聞いて、真っ先に脳裏に浮かぶのはシェアバイクの元祖とも言える黄色の「ofo」や、そのライバルであるオレンジ色の「Mobike」でしょう。シェアバイクのサービスがリリースされた当初は、瞬く間に全国へと広がり、日本でもその様子は多く報道されたと思います。

 

・今ではシェアバイク最大手であったofoは事業を大幅に縮小し、ofo

との消耗戦に明け暮れていたMobikeもメイトゥアンに買収され、「美団単車」としてメガプラットフォーマーの一サービスとしてメイトゥアンに買収されました。

 

起床から就寝までアプリ三昧

・起床後、若者のみならずほぼすべての人が必ずと言うほどチェックするアプリがウィーチャットです。常時月間アクティブユーザー10億超えのウィーチャットは、中国のアプリランキングでも常にトップを飾っており、幅広い年齢層に使用されています。また、同じくテンセントのQQも、全体のランキングでは2位にランクインするなど、依然として根強い人気を誇り、ウィーチャットとQQ合わせると月間アクティブユーザー16億人を数えます。

 

中国教育と海亀たち

「高考」という悪夢

・中国版センター試験、「普通高等学校招生全国統一考試」、通称「高考」は2日間に渡り実施され、2019年の高考は6月7日と8日に行われました。2019年度の高考は、歴代でも最多参加人数となる、1031万人もの学生が参加しました。2日の間に自分の人生をかけて、受験戦争に臨み、学歴ヒエラルキーが根づいている中国では、高考の結果次第で自分やその家族の人生が決まります。とくに地方貧困地方や、農村部からの学生にとっては、一世一代の勝負であり、“戦争”でもあります。“現代の科挙”との呼ばれるこの高考は、1952年に始まるも、1966年から1977年文化大革命により中止され、1977年10月21日に、鄧小平氏の鶴の一声によって復活しました。

 

キャンパスという街、キャンパスライフという学内生活

中国のキャンパスライフについても、同じイメージをする人も少なからずいるとは思いますが、実際のところ日本のキャンパスライフとは全く違った学生生活を送っています。

 まず、中国の大学ではほぼ全学生が学内、または大学の近辺に併設されている大学寮に入居します。もちろん大学によって、寮の規定などは異なりますが、清華大学の場合、大学1年生には自動的に寮が割り当てられ、入居手続きをする必要性があります。

 

・基本、中国人学生は4人1部屋ですが、これも大学によって異なり、地方の大学だと最大で8人1部屋です。修士になると3人1部屋、博士は2人1部屋で、研究がメインとなるため、これらの寮でも消灯時間を設けません。

 

中国の寮事情からも、お察しできるように、中国の大学ではキャンパスがひとつの街と化しています。学生や教員宿舎以外にも、すべての教学施設や実験施設などがキャンパス内に集約されており、用事がある時以外には、基本大学から外出することはありません。清華大学の面積は392.4万㎡であり、実に東京ドーム84個分の面積に匹敵します。このキャンパス内には、5万人前後の学生と4千人前後の教職員が住んでおり、清華大学附属幼稚園から高校、銀行や派出所、病院、郵便局、工場、食堂、ホテル、博物館などが揃う学園都市になっています。食堂の数も、大学の敷地内には17箇所ほど点在しており、多種多様な(中華)料理が提供されています。一食あたり6元(100円前後)と価格もとてもリーズナブルです。

 

 

 

『未来の中国年表』

超高齢大国でこれから起こること

近藤大介   講談社   2018/6/20

 

 

 

2018年  中国でも「人口減少時代」が始まった

長年にわたる「一人っ子」政策が、少子高齢化時代を大幅に早めてしまった。しかも日本と違って、国の社会保障制度が十分に整っていないまま少子高齢化へと突入することになる。

 

(出生数が1786万人から1723万人へ)

少子高齢化が世界で一番進んでいるのは日本だが、中国は日本に遅れること約30年で、同じ道を歩んでいる。

 

・ところが、全面的な「二人っ子政策」元年とも言える2017年に出生数は増えるどころか、63万人も減少してしまったのである。

 

(「子育てする20代女性」が600万人も減っている!)

・出生数が減少した主な原因は、ひとえに一人目の子供の出生数が減少したためだ。

 

・それにしても、一人目の子供の出生数が、日本の3年分近くに相当する年間約250万人も減少するというのは、尋常な社会ではない。いったい中国で何が起こっているのか?

 

(人口激増を懸念した鄧小平)

・そして食糧を豊富にするためには、できるだけ多くの人々を、農作業に従事させる必要があった。古代から中国大陸において戦争が絶えなかったのは、一つは土地の争奪が原因だが、もう一つは人間の争奪戦だった。

 

こうして中国は、憲法で家庭の出産数に制限を設けるという、世界でも稀有な国家となったのだった。

 

(日本の人口よりも多い「中国の一人っ子」)

・2010年の時点で、全人口13億3972万人中、一人っ子の数は、すでに1億4000万人に達していた。これは日本の総人口よりも多い数だ。

 

(親と祖父母が子供を徹底的に甘やかす)

・一般に、中国が日本を反面教師にしている事柄が二つあると言われる。一つは日本のバブル経済の崩壊で、もう一つが日本の少子高齢化である。

 

・特に、中国の人口規模は日本の11倍にあるので、近未来に人類が経験したことのない少子高齢化の巨大津波が襲ってくるリスクがあったのだ。

 

(激論!「二人っ子」は是か非か)

・こうして2016年元旦から、「人口及び計画出産法」が改正され、中国は全面的な「二人っ子政策」の時代を迎えたのだった。

 

(子供を生まなくなった3つの理由)

・①子育てコストの上昇、②公共サービスの欠如、③出産観念の変化(夫婦二人きりの生活を楽しみたい)

 

(病院の診察整理券を狙うダフ屋たち)

・私が北京に住んでいた頃は、病院の「挂号」(診察の順番を示す整理券)を確保するために夜明け前から並んだり、「挂号」を高く売りつける「黄牛」(ダフ屋)が病院内に跋扈したりということが起こっていた。

 

(貧富の格差が定着する)

だが中国は、依然として世界最大の発展途上国であり、あらゆるものが未整備のまま、少子化に突入したのだ。

 

2019年  首都・北京の人口もごっそり減る

・自然減に加え、習近平政権の複雑な思惑と極端な政策により、この年から北京は大きく姿を変えていく。

 

(2万2000人の減少)

・21世紀に入って17年目にして、初めて北京市の人口が減少したのだ。

 

(北京の人口が減る本当の理由?)

北京市の人口がマイナス成長に転じたことは、北京市の人口は発展の変動の趨勢にマッチしたもの。

 

(3億人の出稼ぎ労働者)

農民工」の都市部での悲惨な状況は、たびたび社会問題となってきた。

 

彼ら全員に大都市の戸籍を与えていけば、大都市はすぐにパンクしてしまう。だがそうかといって、「現代版アパルトヘイト」と揶揄される中国の戸籍制度は、隣国の北朝鮮を除けば、世界に類を見ないものだ。

 

(「特大都市」「超大都市」への移転はより厳しく)

北京市の戸籍改革計画では、「中心部6区の人口を、2020年までに2014年比で15%減らす」としている。

 

自治体が住人を選抜する!)

習近平政権による戸籍改革で、もう一つ興味深いのは、「積分落戸」と呼ばれる新制度の導入である。これは、「特大都市」及び「超大都市」の戸籍を取得したい中国人を点数づけして、自治体が選別するというものだ。

 

(「第二首都」誕生)

・一つめは、「第二首都」の建設である。

 

(「低端人口」の一掃が始まる)

・その出稼ぎ労働者たちのことを、「低端人口」(下層の人々)と呼んでいるのだ。

 

・「低端人口」は、北京市内に数百万人いるとも1000万人近くいるとも言われた。

 

(本地人と外地人の分断)

・「『低端人口』を追い出さないから、北京の街は汚いし、人騙しは跋扈するし、治安も悪い」

 

(「拆拆拆」される人々)

・これによって、合法と違法の間のような、道路に少し張り出した店舗やレストランなども、すべて撤去させられてしまった。中国語で「撤去する」という動詞は「拆(チャイ)」と言うが、「拆拆拆」という言葉が、たちまち北京で流行語になった。

 

(20年前にタイムスリップ)

・つまり、北京の街並みは、20年前にタイムスリップしたのである。

 

・「低端人口がいないと、ゴミの回収から宅配便の配達まで何もできなくなってしまうことが分かった。それが春節の後、彼らを黙認するようになった」

 

2020年 適齢期の男性3000万人が「結婚難民」と化す

適齢期の男性が適齢期の女性よりも圧倒的に多い社会が到来する。「剰男」(余った男)たちが選ぶ3つの道とは?

 

(「一人っ子政策」最大の副作用)

・だが、そうした歪みの中でも看過できない「副作用」が、男女比率の歪みである。

 

(女性100人に男性118人)

嬰児の性別の話に戻ろう。中国の農村部では、女児が生まれた場合、役場に出生届を出さなかったり、間引いてしまったり、業者に売りつけてしまったりということが横行した。何と言っても、欲しいのは跡取り息子なのである。

 

・世界の出生数を見ると、男子が女子より多いのは各国に共通な現象で、国連では「102から107の間」を正常な国家と定義づけている。

 

・だが、時すでに遅しだった。

中国は2020年には、結婚適齢期とされる20歳から45歳までの人口で見ると、男性の数が女性の数よりも、3000万人も多い社会となってしまうのだ。

 

(「持ち家のない男」は話にならない)

・中国の女性は、マイホームを買えて、「家を成せる」男性と結婚したいのである。

 

(国策ドラマだった『裸婚時代』)

・2011年春、中国全土で『裸婚時代』というテレビドラマが大ヒットした。「裸婚」とは、何とも意味深な漢字だが、「裸一貫(無一文)で結婚する」という意味である。つまり、究極のジミ婚である。

 

(「お一人様の日」で大儲け)

それは、「1」が4つ並ぶ11月11日を、「お一人様の日」と定めて、結婚できなかったり、彼女や彼氏がいない若者たちに、24時間限定の大規模なセールを行ったのである。

 

(「超男性社会」の近未来)

重ねて言うが、2020年の中国には、20歳から45歳までの男性が、同年齢の女性より3000万人も多いという、人類未体験の「超男性社会」が到来する。

 

将来は「アフリカ系中国人」という人々も、普通に目にするようになるかもしれない。

 

コロナショックは、社会革命とまではいかないが、数年、数十年かけて起こるべき変化を早く始めさせる作用はあるだろう。通常であれば、在宅勤務しない人の在宅数が急激に増えた。(1)

 

 

『ジム・ロジャーズ   大予測』   激変する世界の見方

ジム・ロジャーズ  東洋経済新報社 2020/5/1

 

 

 

驚愕の未来予測&投資戦略

次の金融危機が私の人生で最も大きなものになろう

▼世界の主要国がみなダメージを受けるなか、いち早く立ちあがるのは中国になる

▼日本のみなさんはオリンピックの開催が心配だろうが、それよりもその後の債務のことをもっと心配すべきだ

▼私は人々が熱狂しているときには静観し、常にベア相場を気にしていて、底値を探している

▼私は買うことができるなら、日本の農地を買いたい。かなり割安でいま底値に近いと考えるからだ

 

コロナショック

コロナショックが世界を混乱に陥れている。戦後最悪の不況が襲来するのではという不安が、経済やマーケットを覆っている

 世界の株式市場は連日乱高下をくり返し、ニューヨーク株式市場では3月16日に、1日で2997ドル下落という記録的暴落に見舞われた。

 

・ロジャーズ氏は、コロナ危機については、過剰に反応しすぎているとしながらも、人々は「恐怖」に支配されてしまっており、世界経済はパニック的な大混乱に陥るだろうと述べている。

 

次の金融危機が私の人生で最も大きなものになる

――コロナショックで世界のマーケットが混乱しています

ロジャーズ: 世界が不況に突入することは、もはや避けられない。最大の理由は世界中の国が経済を停止させ、国境を閉じてしまったからだ。

 

・おそらく、いや確実に、次に来る金融危機は私の人生で一番ひどいものになるだろう。

 

・おそらく、株価の値下がりは今後も続く。50、60、70、いやそれ以上だろう。実体経済の落ち込みは、いずれ金融機関の破綻をもたらし金融システム不安を引き起こす。いつとは断言できないが、それは必ず起こる。次の金融危機が私の人生で最も大きなものになるだろう。

 

――その理由を教えてください。>

ロジャーズ: なぜなら2008年以降、世界中の債務がどんどん増えているからだ。

 

日本でも、日銀が大量にお金を刷り、ETF国債を買って債務を増やしている。中央銀行は、どんな手段を用いても金融危機は避けたいと思っている。

 しかし、中央銀行も無限に債務を増やし続けることはできない。いつの日か終わりが来る。ある日突然、相場参加者のモメントが変わるときが必ずやって来る。その局面では、もはや誰も世界経済を救うことはできない。次の危機はそうした最悪の危機になると見ている。

 

――マーケットの下落のペースは予想外のものでしょうか。

ロジャーズ: もちろん。これほど早く、そしてこれほど大きく相場が下げたことは、はじめての経験だ。ただ、今回の下落はコロナウイルスだけが要因ではない。

 

<「恐怖」に支配された相場、経済に打つ手なし

ロジャーズ: 今回の経済危機は、リーマンショックとは逆の流れで危機が広がっていくだろう。まず消費やサービスが落ち込み、企業業績が悪化、それが金融不安につながっていく。

 

――今回のコロナ危機はパンデミックということで、中世末期の欧州のペストと比較する向きもありますが………。

ロジャーズ: 死亡者数を見れば、ペストとは比較の対象にならない。ペストは当時の欧州の人口の3分の1、国によっては8割以上の人が亡くなっている。

 

・もちろんメディアは、ペスト再来だと、そう思ってほしいだろう。なぜなら、センセーショナルに書けば新聞も売れるし、ネットのアクセス回数も増えるからだ。

 毎年アメリカでは4万人がインフルエンザで亡くなっている。全世界ではインフルエンザでは毎年、数万、数十万人の死者が出ている。数字の上では、メディアが報道している恐怖とはほど遠いものと言える。

 

――ペストの流行が中世を終わらせ資本主義の契機になったと言われますが、今回の危機がなんらかの「社会革命」を引き起こすでしょうか。

ロジャーズ: 社会革命とまではいかないが、数年、数十年かけて起こるべき変化を早く始めさせる作用はあるだろう。通常であれば、在宅勤務しない人の在宅数が急激に増えた

 

航空会社、シェール関連企業の破綻は避けられない

――株価下落の一方で、原油価格も大きく下落しています。

ロジャーズ: 原油はいま底値をつけようとしている段階だ。やはり将来から現在を振り返ったときに、「2015年から2021年の間が複雑な底値だった」と認識するようになるだろう。

 そして、そこから原油価格はまた上昇する。

 

――原油価格の急落で、シェールや原油絡みのハイ・イールド債(低格付債)の利率が急上昇しています。これらの動きをどうみますか。>

ロジャーズ: 明らかに危険なサインだ。シェール関連産業の危機が発端になり、他の信用度の低い企業やETFにも波及する懸念はある。

 ここ数年、シェールをはじめとしたエネルギー産業はこの世の春を謳歌してきた。

 

20年ほど前にインターネット・バブルが破裂したが、その後もインターネットがまだ存在したように、シェール関連産業が消えることはない。

 

――経営危機に陥る企業は増えそうですね。

ロジャーズ: 間違いなくそうなるだろう。こういった状況で一番弱い企業は債務の多い企業だ。逆にキャッシュに余裕のある会社は、生き延びることができる。テクノロジー産業など、比較的新しい産業は債務が少ない。

 現在、苦境に陥っているのが航空会社だ。

 

・観光や外食、レジャー、娯楽産業などでも、移動制限のため甚大な痛手を受けており、破綻する企業、吸収・合併される企業が多くなるのは避けられない。

 

恐慌前夜の世界経済、日本でも大型倒産が続出する

――日本企業も例外ではないですね。

ロジャーズ: もちろん、例外ではない。日本では、当初、中国との関係が深い企業が受けるダメージが大きいと思われていた。

 

・自粛がいつまで続くのか、先が見えない状況では、やはり債務の少ない企業ほど生き残る可能性は大きいが、それにも限度がある。

 さらに、ここへ来て、一連の危機はサービス業から製造業にも広がっている。

 

――いまや世界最大の市場である中国の見通しはいかがでしょうか。

ロジャーズ: 中国は政府の発表が正しいものだとすれば、感染のピークは過ぎ、工場の操業を再開したというニュースも流れている。しかし、その情報を半分程度に受け止めても、まだ元の状態に戻るには程遠く、自動車など売れる状態ではないだろう。

 

世界の中央銀行はいつまで過ちを続けるのか

――実体経済の落ち込みは深刻です。世界恐慌は避けられないのでしょうか。

ロジャーズ: 可能性はきわめて高いが、すぐに起こるかはわからない。世界の中央銀行は、なりふり構わずいろいろな対策を打っている。それが次のバブルを生む可能性がゼロとは言えない。

 事実、リーマンショックの際には、「100年に一度の経済危機」と言われながら、その後、わずか数年で、それを上回る規模の新たな金融バブルがつくられることになった。

 

空前の危機にあって、個人投資家はどう行動すべきか

――あなたが懸念している人工的なラリーが到来した場合、どうすればいいのでしょうか。ここがチャンスと考えている投資家もいると思います。

ロジャーズ: 簡単に言えば、一番やられたものを買うべきだ。現時点では、航空会社が一番だろう。レストランやホテル、観光関連、海運も含めた運行関連会社は壊滅的なダメージを被っている。再上昇相場に入った際には、そういった産業に一番大きなラリーが訪れる。他には農業銘柄も買えるだろう。

 

コロナウイルスによる影響が少ない銘柄で、利益が落ちない企業を見つけることができれば次のブル相場で一番伸びが期待できるだろう。しかし、一番の問題は、次のバブル相場がいつ来るかは予想できないことだ。それは今年かもしれない。あるいは君のまだ生まれていない子供が大人になった40年先になるかもしれない。

 

――この危機が起きている間、何かに投資しましたか。

ロジャーズ: 海運会社の株を少し買い始めた。そして大きく下落した金・銀をもうすぐ買う予定だ。

 

――日本の円については、どう見ていますか。

ロジャーズ: ファンダメンタルズが悪化をし続けているにもかかわらず、円のパフォーマンスは私の予想を上回っている。私は、マーケット参加者はみな私の知っていることは知っていると想定しているが、日本円ではそうではないということを何度も思い知らされている

 

――航空会社を注視しているとのことですが、「買い」のサインはあるのでしょうか。>

ロジャーズ: 反発の勢いを確認してからでは利益の多くを逃してしまう。買いシグナルの警報などが鳴るわけではないが、買いタイミングが存在するとすれば、それはおそらく国際的な航空会社が破綻した時になる。二社が破綻すればタイミングがハッキリする。

 

――すでに投資をしていて、アマゾンやアップル株などの大型株を持っている人へのアドバイスはありますか。>

ロジャーズ: 言葉が見つからないね。君たちは運がいいよ、とでも言おうか。なんてラッキーなんだ、と。なぜなら、これからそういった大型株はさらに下がる。ベア相場が本当に到来する時にはアマゾンやアップル株は50%から80%は下がると見ている。けっして悪口を言っているわけではなく、これが相場の仕組みなのだ。

 

――2008年に暴落してから金融銘柄は高値まで再上昇しましたが、金融セクターの見通しはいかがでしょうか。>

ロジャーズ: 2008年の危機のときは、アメリカでは不動産にもっとも大きなバブルが生じていた。そのバブルがはじけると、サブプライム・ローンを抱えていた銀行銘柄がもっとも下落した。今回のバブルはテクノロジー関連株や政府債、そして債券全般に生じている。アメリカにおいて、いくつかの州は債務超過で破綻寸前の状態だ。

 

――マーケットがベア相場に突入するのは避けられないのですね。>

ロジャーズ: 避けられないだろう。しかし、くり返し言っているが、その前に株が大きくラリーする可能性もゼロではない。政府と中央銀行があらゆる対策を打ち出してきているからだ。

 

――マーケットが中央銀行を信用しなくなると、「現金が王様」になりますか。

ロジャーズ: もちろんそうだ。しかし、その際、持つべき通貨を間違えてしまうと大変なことになる。

 

そして、今回、持つべき通貨は、絶対に円でもスイスフランでもない。米ドルが最も魅力的な通貨と考えている。

 

――あなたが中央銀行総裁だったら、どんな政策をとりますか。

ロジャーズ: 難しい質問だね。マイナス金利や長期間のゼロ金利が歴史上存在したことはないので、FRBはとんでもない過ちを犯したのは間違いない。これが長続きするはずがないことも確かだ。ゼロ金利に近づき、あとどの程度続くかわからないが、それが失敗だと気付くと変化が生まれるだろう。日本はすでにマイナス金利になっているが、ゼロ・マイナス金利という実験のエンドゲームが近づいている。

 

――投資なんて懲り懲りで現金が一番と思っている日本の読者へメッセージをいただけますか。>

ロジャーズ: みなが相場から逃げている時こそがチャンスで、相場に挑むべきだ。たとえ買わなくても、しっかり注視すべきだと思う。

 

これから世界で何が起こるのか~世界の主要国が後退し、中国覇権が加速する

今回のコロナ危機で欧米経済の凋落が決定的になる

――今回のコロナショックは、国際政治や安全保障にも大きな影響を与えそうです。

ロジャーズ: 数十年後に現在を振り返ったときに、多くの出来事について、今回の危機が分岐点だったと記録されているだろう。長期的な視点に立てば、世界経済の成長が大きく減速し、アメリカや欧州はじめ世界の主要国の凋落が決定的になる。

 

・排外主義やポピュリズムが蔓延したのは1930年代で、歴史はくり返されるわけではないが、歴史は韻を踏む。これはアメリカの文豪マーク・トウェインの言葉だが、世界の出来事のほとんどは、まったく同じではなく、少しだけかたちを変えてくり返される、という本質を突いた言葉だと思う。

 

――ヨーロッパについてはいかがでしょうか。

ロジャーズ: ヨーロッパはアメリカと並んで、コロナ感染が一番深刻な地域だ。中でもイタリア、スペイン、フランスの状況が深刻で、これらの国では経済活動の停止を余儀なくされているが、その影響がどれくらいになるか。債務危機の再発もあり得るだろう。

 

――大量のお金が用意されているにもかかわらず、なぜ、世界経済は減速してしまうのでしょうか。>

ロジャーズ: それは大量の債務が足を引っ張るからだ。政府も民間も現在ほど、多額の債務を抱えた時代はない。債務は成長の機会を奪うのだ。欧米も日本も新興国も多額の債務を抱えているまさしく歴史上初の異常事態と言ってもよい。

 

コロナショックがトランプの再選を脅かす

――2020年のアメリカ大統領選をどう見ていますか。

ロジャーズ: 今回の危機が起こる前は、もし、どちらかに賭けろと言われたらトランプ再選に賭けていただろう。なぜなら、90年代以降、現職の大統領が再選されているケースが多いからだ。

 

・しかし、今回の危機で株式市場が崩落した。なりふり構わずの対策で、株価や経済の落ち込みを食い止めようとしているが、そう簡単なことではない。

 

最大級の危機が中国の覇権を後押しする

――中国については、どう見ていますか。>

ロジャーズ:先に、今回の危機で世界の主要国がみなダメージを受けると述べた。それは中国も例外ではないが、その中からいち早く立ち上がるのは中国だろう。私がアジアに移ったのは、中国が次の経済覇権を握ると信じているからだ。中国がアメリカに代わる覇権国になることを疑っていない。ただ、その過程ではさまざまな問題に直面するだろう。

 

――共産党の独裁体制はリスクにならないでしょうか。>

ロジャーズ: 中国人は自分たちの国家体制を共産主義と言っているが、中国は世界で一番の資本主義国家だ。数十年後のことを予想するのは難しいが、自らを共産党と称していてもその中身はほど遠いものになっているだろう。キューバも自国のことを共産国家と称しているが、現状はまったく異なるものだ。

 

アメリカが後退する一方で、多くの国に歓迎される一帯一路

ロジャーズ: このように、中国という国は、世界が驚くような潜在的能力を秘めている。これから、ますます、その潜在力を発揮し世界に影響を与えていくだろう。中国が世界の牽引役になると考えるのは自然なことだ。

 

――帝国化する中国を懸念する声が多くあります。

ロジャーズ: 特に中国と国境を接する国で、そういった意見が多いことも知っている。自国をはるかに超える勢いで軍備の拡張を行っている現実を目にしているので、そういった懸念が高まるのだろう。

 軍事衝突というものは、突発的な要因で起こるものなので、絶対に戦争が起こらないとは言えないが、中国はこの先も軍事力ではなく、経済力を使って、自国を豊かにしていくと見ている

 

<――中国の一帯一路についてはどうお考えでしょうか。>

ロジャーズ: 同じように、早い段階で一帯一路に賭ける人は、巨額の富を手に入れるチャンスがある。一帯一路で鉄道が通る街に投資すべきだ。そしてその土地のよく知ることであなたは成功でき、富を手にすることができる。中国の一帯一路は、その地域の成長を促すとともに、多くの人に富をもたらす。したがって、それは多くの人から歓迎される。非常に重要な政策になる。

 

あまり知られていないが、中国の最大の弱点は「水問題」だ

――中国に対して期待が膨らみますが、最大のリスク要因は何でしょうか。

ロジャーズ: 電力や大気汚染と考えるだろうが、それは間違いで、最大のリスクは水問題だ。現在、中国は深刻な水問題を抱えており、それを解決するために、巨額の投資を行っている。

 私がかつてバイクで世界一周をしていたとき、さまざまな国を訪れたが、多くの国における最大の悩みは水問題だった

 

・しかし、多くの場所で中国の水は水質が悪く、それに対する人々の不満が高いことも事実だ。中国の水ビジネスは、この先も有望と見るべきだろう。

 

香港はこれからもアジア金融の中心地であり続けるか

――次に香港についてうかがいたいと思います。大規模なデモがあり、シンガポールなどに移住したいという人が増えています。香港はどうなるのでしょうか。このまま金融都市の地位を維持できるのでしょうか。

ロジャーズ: 現在の香港の産業は金融、観光、不動産だ。

 しかし、その3つだけでは、もはやアジアの金融センターを維持できない。都市間競争に敗れた都市にはつらい未来が待っている。

 

2050年にも同じく香港という街は存在しているだろう。しかしそれは、我々が知っている香港とは大きく違うものになっているに違いない。

 

――次のアジアでトップの金融センターはどこになるのでしょう。>

ロジャーズ: 上海か、そうでなければコンピューター、いや、スマートフォンかもしれない。アフリカでもモンゴルでも、どこにいてもスマートフォンさえ持っていれば、そこがマーケットになる。

 

朝鮮半島は向こう10~20年でもっとも魅力的な地域になる

――中国以外のアジアの国の話も聞かせてください。10~20年でもっともエキサイティングなのは北朝鮮とおっしゃっていますが。

ロジャーズ: 以前から話をしている通り、私は38度線が解放されることを楽観的に見ている。そして、もしそのようになれば、朝鮮半島は向こう10~20年の間、最もエキサイティングでチャンスにあふれた場所になるだろう。

 

アメリカと日本は朝鮮半島の統一を望んでいない

ロジャーズ: しかし、私は、もう38度線が解放される流れは止められないと見ている。早ければ、数年内にそのときが来る。そうなれば、日本も経済政策はもちろん、安全保障についても見直しが必要になる。すぐにアメリカとの同盟が解消されることはないが、その距離感については大いに考えるべきときが来るだろう。

 

日本にとって東アジアの成長は、千載一遇の大チャンス

――その通りになれば、韓国は魅力的な投資先になりますね。

ロジャーズ:長期的に考えればその通りだが、現時点では韓国よりも日本のほうに魅力を感じている。

 韓国には期待しているもののまだ時期尚早だ。韓国はいま多くの難題に直面している。

 

・GDPに占める輸出依存度が大きいのが特徴だ。したがって、今回の世界的な経済危機の影響を、日本やアメリカ以上に受ける。今後、さらなる変化が朝鮮半島に見られない限り、韓国に投資をする時期はもうすこし先だと思っている。

 

――しかし、長い目で見れば、アジアは有望な投資先になりますね。改めて日本はどうでしょうか。

ロジャーズ: 日中、日韓の間に数多くの問題があることは知っている。しかし、安倍首相はこのチャンスの中で、「我々も中国、韓国との関係を強化して将来の富を手に入れよう」と言うべきだと思う。

 さらなる成長を遂げる中国、ロシアのシベリア開発、朝鮮半島の投資機会、これらすべてに関して、日本は先行者優位を取るべきだ。

 

・信じられないことだが、現在、東アジアからヨーロッパまでの輸送は、船で運ぶよりも鉄道で運んだほうが安くすむ。

 

変化を好まない日本人は、儲けのチャンスを失っている

――その通りだと思いますが、素直に「イエス」と言えない感じもありあます。

ロジャーズ: 日本と韓国が仲が悪いのは有名だ。日本と韓国を比較してみると、日本人はシャイな性格で内向きに感じる。それが日本文化の持つ繊細さにつながっているのだろうが、企業のものづくりにしても一番に国内の需要を意識している。

 しかし、韓国を見てみると、サムスンにしてもK-POPにしても、はじめから海外を意識しているように思う。そして、韓国人は外国人にもフレンドリーで、彼らを快く受け入れてくれる。

 

――韓国が90年代以降、急成長を遂げた理由は何でしょうか。>

ロジャーズ: 一番の理由はグローバル化の影響で、日本の製造業の地位が低下し、それに代わってサムスンなど韓国や台湾のものづくりが台頭したことだ。

 

アメリカが韓国に投じた資金は、日本に投じた額を上回っている。韓国の人口は日本の半分以下なので、アメリカによる投資が韓国に相当なインパクトを与えたことは確かだ。ソウル五輪後の90年代前半には、韓国は経済的にかなり力をつけていた。

 

いま世界的な投資家が注目している国や地域はどこか

――いま投資をしたいと思っている国、地域はありますか。

ロジャーズ: くり返しになるが、もし38度線が開くようであれば、一番は朝鮮半島に投資したい。しかし、現時点では北朝鮮に株式市場は存在しない。ただ、北朝鮮シンガポールなどに人を送り込み、株式市場について研究させていることをご存知だろうか。

 

――他に魅力的な国はありますか。

ロジャーズ: 刺激的だと思うのは、もし投資が許されるのであればベネズエラだ。しかし、ベネズエラの土地を買うことも、まだアメリカ人には許されていない。

 

私は、これまでの歴史から、大惨事が起きた国に投資をしておけば、数年後にリターンが返ってくることを学んだ。その法則に従えば、ジンバブエがそれにあたる。

 

あなたたちも、世界を見て、大惨事が起こった国を見つけたなら、ブローカーに電話して、すぐにその国に投資すべきだ

 ベトナムではETFに投資している。ベトナムも長い目でみれば、魅力的な市場だと思っている。人口は9000万人を超えていて、みな勤勉だ。

 

・他には南アフリカランドが購入できれば魅力的に感じる。森林火災が起きたオーストラリア、暴動の起きた香港、こういった国や地域にも目を向けるべきだろう。

 また、コロナの影響で下落している中国、航空銘柄、ホテル産業、こういった業界も注意を払っておく必要がある。

 

――オルタナ資産はどうお考えでしょうか。原油や金といった商品への投資も考えていますか。>

ロジャーズ: 私は日本の農業への投資を勧めたい。日本の農家の平均年齢は約66歳。そして彼らの子孫は大阪や東京、そしてシンガポールに移り住んでいる。アメリカの農家の平均年齢もやく58歳と過去最高で、オーストラリア、カナダも似たようなものだ。そしてイギリスの農家の自殺率は非常に高く、インドも同様だ。今後、農業には大きな変化が起こると思っているので、農業への投資はお勧めしたい。

 日本語には次のような言葉があるだろうか。それは「ウィー・ジーン」と言って、「大惨事の後にはチャンスが訪れる」ということだ。

 

――日本語の「危機」でしょうか。

ロジャーズ: ピンチの次にチャンスが訪れる。ピンチとチャンスは表裏一体という意味だ。農業に当てはめると、平均年齢がどんどん上がっていく中で、農業に投資することができれば、ピンチの次にチャンスが訪れる。ここ20~30年、農作物の価格は右肩下がりに下落している。長期の投資という意味では、農作物にも目を向けるべきだろう。

 

・もし、地方の土地に投資をしたくなければ、農作物の先物を買うのはどうであろうか。例えば、砂糖は最高値から8割下がっている

 

20年後、「日本終了」が現実味を帯びてきた

私が日本人なら海外脱出するか、AK-47(自動小銃)を使えるようにする

――日本に対して警鐘を鳴らし続けていますが、日本人の危機意識はあまり高まっているとは言えません。>

ロジャーズ: 日本の将来を考えたとき、ものすごい勢いで子供を増やすか、移民を受け入れるか、とんでもないスピードで借金を減らすかしない限り、日本が長期停滞から脱する見通しは絶望的だ。若者が減って高齢者が増える。社会保障のサービス水準が変わらないとすると、数少ない若者に重税を課さない限り借金は増え続ける。誰にでもできる未来予測だ。

 このままいけば、日本には恐ろしい未来が待っている。

 

――日本も少しずつではありますが、変化を受け入れているように感じます。

ロジャーズ: 本当にそうだろうか。私にはまったく「変化」しているようには思えない。人口減少はいっこうに改善されない。いま若い人が子供を生もうとしないのは、将来に対する不安が大きいからだ。若い人は何かがおかしい、と感じているのだ。

 

・百歩ゆずって、「ゆっくり」と変わり始めているとしよう。しかし、「ゆっくり」が問題なのだ。社会保障にしても、少子化対策にしても同様で、非常にゆっくり変わっている間に人口は減り、借金は増えていく。その間に日本は没落してしまうだろう。

 

外国人にとって日本ほど不自由な国はない

――少子化対策では間に合わないのではないでしょうか。>

ロジャーズ: その通り。20年後には間に合わないだろう。私は移民政策が不可欠だと思っている。安倍首相は、新たに34万5000人の外国人労働者を受け入れると発表したが、これは移民政策に一歩踏み出したということでは評価はできる。

 

海外に目を向けなければ、日本は縮小していくだけ

ロジャーズ: 経済が好調で、国が上昇基調にあるときは、外国人のことなど気にしなくてもよい。特別な関心を示さなくても、向こうから来たいと言ってくれるからだ。しかし、衰退した国に、外国人は来ようとは思わない。

 

技術大国は昔の話で、日本のプレゼンスは後退している

――国を開くという以外に、日本人への助言はありますか。>

ロジャーズ: それから44年後、GMは破綻し、トヨタは世界最大級の自動車メーカーに成長した。彼らは高品質な自動車を消費者が納得する価格でつくり続けたからだ。

 

日本人は「変化」を怖がりすぎる

――日本の労働時間や貯蓄率は急速に下がってきています。

ロジャーズ: 日本の農産物のレベルは高く、世界に目を向ければ、新たに市場を獲得できるだろう。「変化」を怖がらないこと。新しいことにチャレンジすることが大切だ。

 

――変化や新しいものへのチャレンジを躊躇するのは、日本人の特性でしょうか。財政や社会保障の改革もなかなか進みません。>

ロジャーズ: これはシルバー民主主義も関係する問題で、日本に限らず先進国の多くの国で、同じような問題に頭を痛めている。しかし、先にも言ったように、簡単な算数ができれば、日本は20~30年後にとんでもない問題に直面することがわかる。これは債務と人口から導かれる簡単な算数の話だ。

 

日本の潜在能力を活かすには、イノベーションを起こせる企業家が必要> 

ロジャーズ: 先に、農業の可能性に言及したが、日本や日本人がもつ潜在的な力を引き出すには、既存の枠を打ち破り、新しいことに果敢にチャレンジするイノベーターが必要だ。

 

――日本では「出る杭は打たれる」ということわざがあります。

ロジャーズ: それは日本だけではなく、世界中にある。

 

――そうかもしれませんが、たとえば、アメリカやシンガポールに行くとイノベーションは非常に歓迎されますが、日本では必ずしも歓迎されません。

ロジャーズ: 覚えておいてほしいのは、日本もかつてはイノベーターを歓迎していたということだ。本田宗一郎盛田昭夫、彼らは出る杭だったのではないか。

 

いま世界で一番のイノベーション大国は中国だろう。中国は毎年、アメリカの10倍もの数のエンジニアを輩出している。

 

・中国がアメリカや日本を超えるテクノロジー大国になることは、もう約束されたようなものだ。

 

観光、医療は日本の競争力優位な分野

――技術立国日本はますます厳しくなりそうですね。>

ロジャーズ: ただ、目先を変えれば、日本にはいくらでも道はある。先に挙げた農業もそうだし、最近では観光が新たな道になりつつある。30年前、日本へ観光で訪れることを考える人はほとんどいなかった。

 

――医療ビジネス、特に高齢者に向けた医療についてはいかがでしょうか。

ロジャーズ: 医療分野は、今後、明らかに成長するマーケットだ。日本の政府は引き続き医療費を減らすことはしないだろう。なぜなら、政治家たちは、高齢者たちの反発を恐れて予算を削ることができないからだ。

 

――たしかにそうですね。外国人労働者の受け入れを考えているようですが、高いレベルの日本語をマスターしないといけないなど、高いハードルが課されています。>

ロジャーズ: 日本を救うには移民政策を推し進めることだと言ったが、介護従事者に対する日本の厳しすぎる基準には「やっぱり」といった感じで驚きはしなかった。外国人に冷たい日本なら当然の基準ということだろう。

 

東京オリンピックはむしろ中止のほうが良い理由

――話を変えますが、最近話題になっているMMT(現代貨幣理論)についてどう思われますか。

ロジャーズ: きわめて愚かな発想だと思う。ただ、どんなにバカげた発想でも、経済が停滞しているときには、信者が増えて理論が徐々に広まっていく。そして、選挙でもこうしたバカげたことを掲げる者が勝ってしまうことがある

 いずれアイビーリーグなど名門大学でも、MMTを授業で教えるところが増えるだろう。

 

――話を少し変えますが、東京オリンピックについてはどう思われますか。

ロジャーズ: しかし、過去にオリンピックで救われた国など、まったく存在しない。これは疑いようのない事実だ。なぜなら、オリンピックというものは、債務を増やすものであって、いずれどこかで国民がツケを払うことになるからだ。政治家は、「オリンピックは日本にとって素晴らしい機会だ」と言い続けるだろうが、日本を救う機会になることはない。日本のみなさんは、オリンピックが開催されるかどうかが心配だろうが、それよりも、その後の債務のことをもっと心配すべきだと言いたい。

 

私が日本の政治家だったら、少子化対策と移民政策に取り組む

――あなたが日本の政治家だったら、どんな政策を行いますか。>

ロジャーズ: 私がもし、日本の政治家だったら、一番に優先して取り組むのは少子化対策。どうすれば、女性が子供を産みたいようになるかを考える。そして、このことに大きな予算を使うべきだと主張する。

 そして、同時に、日本の財政の立て直しに取り組むだろう。

 

・私がもし日本で政治を行うなら、少子化対策と移民政策、この2つの問題にエネルギーを傾けたいと思う。

 

・したがって、外国語の習得がいま以上に不可欠なものとなる。これからはアジアが成長する。それを考えれば、日本人は、中国語はもちろん、韓国語やロシア語を学ぶべきだと考える。

 

貧しい国になっていく日本では、海外投資は不可欠になる

――海外に目を向けよ、というメッセージは一貫していますね。>

ロジャーズ: 残念ながら、現在の住み心地はいいものの、これから日本は確実に貧しくなっていく。財政赤字が膨らんでいく一方で、日銀が金融緩和でお金を刷り続けている以上、将来、円の価値は確実に下がるからだ。

 

――海外に移住を希望する日本人が増えています。>

ロジャーズ: そうだ、君はシンガポールで、日本人が海外移住をするためのサポートをしているんだったね。

 

シンガポールでもたくさんの日本人が働いているし、中国でも多くの日本人が働いている。

 

人生100年時代、これまでのライフプランを見直せ

ロジャーズ: 大学を卒業した後は、イギリスに留学した。私は、この決断がいまの私をつくってくれたと思っている。生まれ育った場所とは違う世界を見て、価値観を感じられたことは大きく視野を広げてくれたと感じている。

 

――人生100年時代と言われていますが、これまで以上に若い頃の経験が大切になってきますね。>

ロジャーズ: 多くの国で寿命が延び、100年時代となると現役時代は70歳、75歳まで延びることになる。そうなると、若い頃のインプットがいっそう重要になってくるだろう。

 

人生と投資で成功したければ、世界を知り歴史と哲学を学ぶこと

――インタビューも最後になりました。常に歴史や哲学を学ぶことが大切だとおっしゃっていますが、それはどうしてでしょうか。>

ロジャーズ: 投資で成功するには、未来に思いを馳せ、未来と対話できなければならない。そのためには歴史を知ることが大きな武器になる。

「歴史は韻を踏む」というマーク・トウェインの言葉を紹介した。至極名言で、その言葉のとおり、歴史は韻を踏むように少しずつかたちを変えながら反復するものだ。過去に起こった出来事と似たようなことが、未来にも必ず起こるのだ。

 したがって、過去の出来事を知っていれば、将来に備えることができる。

 

日本人はもっと現実を直視し、心配し、行動せよ

ロジャーズ: 2019年、東洋経済オンラインに「私が10歳の日本人だったら、海外に脱出するか、自動小銃を携帯する」という趣旨の記事を掲載したところ、大変な反響があった。

「何をバカな」と批判を受けるものもあったが、多くは「その通りだと思う」という好意的な反応だった。

 日本は巨額の財政赤字があって、少子高齢化に拍車がかかっている。その結果がどうなるかは、誰の目にも明らかだろう。

 このままいけば、インフレと通貨不安が日本を襲い、日本は確実にいまよりも貧乏になる。経済的に困窮した社会では、人々の心は荒び、社会秩序は不安定になる。このような状況は世界のさまざまな国で見られてきたことだ。

 今回のコロナ騒動では、アジア人に対する差別的感情が高まって、アメリカに住むアジア系住民(特に中国系)の多くが、自己防衛のために銃を買いに走ったと伝えられている。

 それでも日本は違う、そのように考える人は多い。本当にそうであれば何も問題ないが、過去の歴史を見ると、どうしても不安にならざるをえない。

 

ぜひ、積極的に海外に出て行ってほしい。自分たちの真の姿に気づいてほしい。

 

 

「ヒトラーはアルゼンチンにおり、大農場の地下壕に住んでいる。場所はブエノスアイレスから450マイル北西だ。そこには2人のダブル(影武者)がヒトラーとともに住んでいる」(14)

 

・イタリアのコンタクティ、マオリッツオ・カヴァーロによると日本の河童はグレイの一種で、現在も海底基地(異次元)に存在しているそうです。河童とともに飛来した異人のネットワークは昔からあるのでしょうか。

  バイオロボットといわれるグレイとともに飛来した金髪碧眼のノルディックは、エンジェルともプレアデス星人ともアルデバランからきた宇宙人とも言われています。米国が宇宙連合とコンタクトしてから60年、宇宙でははるかに進化して、「プレアデスからシリウス星人の世に変わる」とも言われているそうです。2012年はアセンション(次元上昇)の時代。アセンディド・マスター(高級教師)が人間の姿を装い地上にでも出てきていたのでしょうか。

  天国に自由に出入りし、人間への“憑依”や人間の“転生”を自由に操作するシリウス星人はパラレル・ワールド(並行宇宙)に棲んでいるそうです。歴史のシナリオを描くというシリウス星人は、どのようなシナリオを描いているのでしょうか。彼らが、人間に憑依しても誰も識別できないそうです。

 

・現代ではYou Tubeで「ビッグフット」等の未確認動物(UMA)の動画が豊富に見られます。インチキ動画も多く混じっていることでしょうか。コンピュータグラフィックス(CG)ですとフェイク(偽)・動画が容易のようです。「映像の時代」ですから「百聞は一見にしかず」です。当ブログでは、当初から未確認動物(UMA)の情報は、あまり載せていませんでした。しかし、河童が未確認動物(UMA)に分類されています。河童も猿のような動物タイプとグレイのようなバイオ・ロボットのタイプにさまざまに分類されているようです。昔から人間と交流したという伝承も多くあります。クラリオン星人のコンタクティ、イタリア人のマオリッツオ・カヴァーロによると、「日本の河童はグレイの一種で、現在も海底基地にいる」と語っています。河童もグレイタイプの宇宙人として、宇宙船を操縦して日本から去っていく邦画もあったようです。河童もオリオン星人の異人が連れてきたのかもしれません。「あのグレイも壁を透き通るようにして部屋に侵入してくる」そうです。河童やビッグフットも異次元移動ができたようです。ビッグフットや日本のヒバゴンとUFOとの関連が報告されているようです。米国ではビッグフットがUFOから出入りしているのが目撃されているようです。「現代的な解釈ですと堕天使ルシファーとかリラ星人のサタン(悪魔)という言葉は、遺伝子科学者の研究集団の名前だ」と語られています。シリウス星人が太古に遺伝子操作や異類混血などで、さまざまなモンスターの生物を創り神に嫌われたという神話もあるといわれます。ビッグフット等は、遺伝子実験の失敗作ではないのかという話もあるようです。昔の異人や天狗の「人さらい」も人間の生体実験や異類混血のためだったのかもしれません。

 

・人間をゴキブリ程度に見る異星人もいるといわれます。そういった異星人にとっては、人間はモルモットとして生体実験の対象にされていたのかもしれません。また人肉食の異星人の話もあったのかもしれません。「現代的な解釈ですと堕天使ルシファーとかリラ星人のサタン(悪魔)という言葉は、遺伝子科学者の研究集団の名前だ」と語られています。異星人の科学者同士の争いがあるといわれます。モンスタータイプの生物や人間を創造するかどうかといった争いのようです。人間タイプの異星人は、超テクノロジーを人間に教えることを拒否したと語られています。オリオン星人は人類に5万年進化しているといわれ、「人間の魂の交換」ができるようです。人間に対して敵対的なネガティブな異星人の存在は、しばしば報告されているようです。

  広島のヒバゴンについてもUFOの目撃情報との関連が窺われます。広島の宮島付近は、太古にはプレアデス星人の宇宙船の基地があったといわれます。また現代でもプレアデス星人とのコンタクト話もあったようです。広島県岡山県もUFOフラップ(UFOの集団目撃事件)で知られています。岡山の蒜山高原には宇宙船の着陸話もあったようです。岡山の安井(仮名)さんという人には、はるかに進化した金髪碧眼の宇宙人とのコンタクト話があったそうです。平家がプレアデス星人の末裔で、源氏がオリオン星人の末裔と語られています。ちなみに『岡山に出現したUFO』 (秋田めぐみ 岡山若者新書  1987年)という本もあります。

 

・異星に行った日本人の記録もあるようです。

空飛ぶ円盤に憑かれた男

岡山市安井清隆(60歳)(ペンネーム)>

・ 星の住人は、ちゃんと男女の性別があり、目は碧く、髪は金髪だったという。

 ・ 地球人ともっとも違うのは、その生存期間です。百歳はまだ幼児期で、平均寿命は3万年から4万年ということでした。それに「老」「病」がなくて、3万歳の人も青年みたいな風貌をしていました。

 ・ 住民は小型円盤がそのまま、マイハウスになり、高層建築に見えるものも、小型円盤の積み重ねだったという。

 ・ 空飛ぶ円盤なので、移動はむろん簡単。

 ・ 星全体が単一国家でほしいものは定められたところへ行けば、すぐに支給されるので、争いもなく戦争も皆無の理想郷。

 『宇宙人についてのマジメな話』(平野威馬雄)(平安書店)1974年より引用。

  宇宙人情報を公開すると主権が危うくなるともいわれます。「いざアメリカ大統領に就任すると、この話題には関与せずという概要が出されるのだ。こうした態度は“大統領の黙秘症候群”と呼ばれている」と語られています。政府の中に政府があってアメリカ大統領といえどもコントロールできないといわれます。UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象といわれます。

 

・ダルシー基地でのおぞましい生物の人体実験話も伝えられています。宇宙人には動物タイプは3割ほど存在するともいわれます。昆虫人間タイプの異星人もいるという話もあるようです。人間と神や天使の間に、堕天使グループが、グレイタイプのバイオ・ロボットやさまざまなモンスタータイプの生物を創り、神々を悩ましているともいわれます。異類混血がスター・ウォーズの原因だったともいわれます。アバブ・トップシークレットも異星人からの要請・命令だとしたら、ほぼ完全に守られると語られています。

  ダルシー基地については書籍では以下のように報告されております。

 異星人2000人が住むダルシー基地 1954年~

・秘密基地は少なくとも地下7階まであり、下の階ほど厳重に警備され、遺伝子工学やマインドコントロール実験などが行われているという。基地にいる異星人は4種族で、オリオン座のドラコ星系出身の白くて有翼のドラコ族が支配階級、同じレプトイド(爬虫類人)だが、地球の先住民という種族は労働者階級。ほかに小柄なグレイ族と、2メートル以上の長身のグレイ族がいたという

  カステロは同僚や研究者らの反乱グループが、デルタフォース(米陸軍特殊部隊)らしき部隊の急襲で全滅した事件も語っている。実験のために拉致された人々を救出しようとして失敗したというのだ。

 

米政府公認の生体実験施設!?  1954年~

・基地で働いていたという内部告発者のカステロの『ダルシ―文書』は、さらなる恐怖をかきたてる。地下6階の遺伝子実験室では、さらなる恐怖をかきたてる。地下6階の遺伝子実験室では、人間を多肢化させたり、人間とグレイ族の混血種をつくったり、グレイ族のクローンを育てたりしていたという。そして地下7階には、特殊液で冷凍保存された人間と混血種が何千体も並んでいたとする。

 このような恐ろしい事実が語られております。

 

・遥か昔にリゲル人がくじら座タウ星系の侵略準備を整えようとしていたそうです。「くじら座タウ人は、イプシロンのエラダナス星系で大きなコロニーを保持している。祖国の大気と重力の関係で、密度の高い身体を持っている」と語られています。ロシアはタウ星人と当初コンタクトがあったそうです。「タウ人の遺伝子を使ってグレイを作るために主に子供を標的にして誘拐し、殺して細胞とホルモンを取りだしたのでタウ人がグレイ種を殺そうと狙っている」と語られています。「第2次世界大戦は堕天使ルシファーと大天使ミカエルの代理戦争だった」という奇説もあったといわれます。

  「ロシア人はタウ人との協定を破棄し、同じ協定をリュウ座人の前衛部隊と 交わしてタウ人を追い払ったと考えられている」ともいわれます。

「彼ら蛇人はすでにロシア共産主義勢力としてやってきており、マルクスレーニンはその勢力のいわば幹部たちだった」という説もあります。最近では政府幹部による「モスクワには多くの異星人が住んでいる」というリーク話もあるそうです。

 

1万年以上前のベテルギウス(オリオン座の恒星)星人の容姿は現在の「エンジェル」とほぼ同じであったらしいといわれます。オリオン星人は人類に5万年進化しているといわれ、「人間の魂の交換」ができるようです。エルダーとよばれる天使のような人間タイプのオリオン星人が小柄なグレイと共に飛来したそうです。「シリウス人はオリオン人と交戦していた。この敵対関係は今でも続いている」そうです。「オリオン大戦」やスター・ウォーズの原因や結果も詳しくは分からないそうです。「オリオン星雲で60万年続くオリオン戦争で、これは何億ものポジティブな人間型生命体とレプティリアンと呼ばれるネガティブなヒト型爬虫類人との間で起こったものだった」と指摘されています。「レプティリアンも人間タイプは知性的な顔をしている」といわれます。まるでハリウッド映画『スター・ウォーズ』の内容のようです。

 

・地球にスター・ウォーズの影響が波及してきているともいわれます。堕天使ルシファーもオリオンからやって来たそうです。「奇妙なことに、オリオン人はかっては琴座からの移民である人間らしい存在だったが、その後レプティリアンに征服されてしまった」といわれます。爬虫類人を支援していたのが、仏教思想を開発したシリウスB星人であり、その他に爬虫類人支配下でこと座(リーラ)文明を再生させようとしているといわれます。

  レプタリアンは「マスターレイス(支配種族)」と形容されることも多く、ニューメキシコ州ダルシーの地下基地に関する話にもしばしば登場します。「二派の対立とは火星由来のアーリア人に対するアヌンナキ・レプティリアン爬虫類人)の争い、戦争」であるといわれます。人類は45 万年前に地球にやってきたアヌンナキという異星人が、遺伝子操作によってつくった存在だと指摘されています。「シリウスのテクノロジーは、アヌンナキによって地球にもたらされた」そうです。「ディヴィッド・アイクはイルミナティの祖先をアヌナキだとする。アヌナキは古代シュメールの神々の種族であり、実は宇宙からやってきたエイリアンである」と語られています。アヌンナキとかサナンダといわれる金星のマスター(長老)が活動の中心ともいわれます。金星の神々は地球に到着するやいなや、イニシエーションのためのフリーメーソン本部を設けた、といわれます。

 

・このブログではUMA(未確認動物)については、あまり取り上げていませんが、オカルト界では「河童」などはUMA(未確認動物)、「妖怪」として区別され、取り上げられています。ここで強調するのはビッグフット等の獣人がUFOから降ろされた異星人の由来のものだということです。「ビッグフットは異星人のペットだった!」と指摘されています。UFOからUMA(未確認動物)の一部が降ろされているというのです。アブダクション(誘拐)の現場にもビッグフットがいたこともあったと報告されています。北米では、ビッグフットのような「獣人」は射殺できない法律が多いそうです。

  宇宙人とビッグフットといえば、ハリウッド映画「スター・ウォーズ」のフィクションの森林惑星のキャッシーク出身のウーキー族の獣人「チューバッカ」を連想させます。あの毛むくじゃらの獣人のようなキャラクターです。数種のUMA(未確認動物)は、単独に考えるのではなく、常にUFOの異星人と結びつける必要があるといわれます。モスマンやビッグフットがUFOに出入りしているところが目撃されたこともあるようです。異星起源のUMA(未確認動物)が少なくないといわれます。「地球外に起因するとみられる異常生命体の俗称で、“エイリアン・アニマル“と呼ばれて区分されている」ようです。日本にいる河童もUFOから降ろされたのかもしれません。クラリオン星人のコンタクティ、イタリア人のマオリッツオ・カヴァーロによると「日本の河童はグレイの一種で、現在も海底基地にいる」と指摘されています。当時の「異人」が「河童」をUFOで連れて来たのかもしれません。

 

・「あのグレイも壁を透き通るようにして部屋に侵入してくる」そうです。異次元移動ができるようです。UMA(未確認動物)も異星人により、飼育されているのかもしれませんが、地上に取り残されると「悪臭」がひどいといわれます。世界中にビッグフットに似たUMA(未確認動物)が目撃されています。その周辺にはUFOが現れたようです。ビッグフットを地上に下ろすような異星人は、人間に敵対的なアブダクション(誘拐)で生体実験をやっているオリオン・グループなのかもしれません。カナダではサスカッチ、ビッグフットを法律で射殺することが禁じられていると指摘されています。それだけ目撃事例が豊富のようです。一部は異次元に行き来できるのかもしれません。

  日本の昔に「覚(さとり)」というUMA(未確認動物)がいましたが、毛むくじゃらの獣人ですが、人の心を読む超能力があったといわれます。日本の「ヒバゴン」も異星人がUFOから降ろして、再び回収したのかもしれません。日本全国にある「羽衣伝承」も異星人と人間の交流があったのかもしれません。UFOが天女を連れてきたようです。UFOを「天の車、飛行物体」「羽の車輪のようなもの」と見ています。

  「隠れた聖者たち(隠れた首領)」の正体も詳しくは分かりません。宇宙人のマスター(大師)クラスの神人のことでしょうか。進化している宇宙人、神や天使のような存在が、さまざまな方法で、人間にコンタクトしてくるようなのです。「ガーディアン(守護神)―昔、人間であったが、霊的に進化し、霊的存在となった。人間世界の指導をしている。コズミック・トラベラー(宇宙の旅人)――ガーディアン委員会の下で、ガーディアン委員会の特命事項を遂行する宇宙人」という種族がいるそうですが、彼らとのコンタクトからさまざまな情報が昔から得られたようです。

 

・アセンディッド・マスターのコンタクティやチャネラーがいるということは驚きです。ブラヴァツキー夫人の神智学協会の話でも登場しますが、「導師」から膨大な情報を受け取っています。クートフーミ導師(マハトマ)とモリヤ導師の教えをうけたといわれます。世界中でもホワイトブラザーフッド(白色同胞団)のメンバーからチャネリングを受け取る人びとは少ないようです。異星人の地上のネットワークが存在するのかもしれません。ウンモ星人は金髪碧眼で、ヨーロッパにその末裔が多く住んでいるともいわれています。ウンモ星の恒星イウンマは実在し、天文学でウォルフ424と呼ばれるといわれます。

  アリス・A・ベイリーは、米国でチャネラーが活躍する前の時代の人なのですが、「神の国の様相」を明らかにしているそうです。ベイリーは「ジュワル・クール覚者の教えを口述筆記し、24冊の本を表わしており、密教学徒の間では有名である」とのことです。

  『肉体を持った人間になったり、目に見えない透明な人間になったりすることができる。宇宙人のクェンチンは、コズミック・トラベラーの一人である』とありますが、このあたりが、フリーメースンと関係があるのではないのでしょうか。天使や神々の進化した宇宙人は目に見えませんが、「空飛ぶ円盤」の時代から「見えない宇宙人の時代」に変わりつつあるようです。「進化した宇宙人は人間の肉体や精神体に憑依するので誰にも分からない」そうです。また「神々や進化した宇宙人(天使)は、背後霊や守護霊となり人間に憑依している」ので誰も認識できないようです。神々が市井の人に憑依して、誰にも分からず普通の生活をしているともいわれます。

  中世の薔薇十字団の逸話のなかにも、この種のコズミック・トラベラーの集団がフランスに存在していたという話があるそうです。昔から、「異人」や「神人」が地上を徘徊していたという話も多いようです。「フランスの『美女と野獣』の話は、異類婚姻譚だ」そうです。

  現代では、米国で映画にもなった『メン・イン・ブラック』(MIB)が、相当するのかもしれません。しかしながら、メン・イン・ブラックは、UFO研究者を脅す犯罪者のようにいわれていました。ところが、近年、ハリウッド映画『MIB』、『メン・イン・ブラック』では「宇宙警察」のような役回りでした。コンタクティによると彼らは、グレイと共に飛来した『シリウス系オリオン星人』だそうです。オリオン星人は、人類に5万年進化しており、「人間の魂の交換」ができるといわれます。

 

・米国が秘密協定を結んだのはラージノーズグレイというオリオン星人といわれています。「オリオン大戦」やスター・ウォーズの原因や結果も詳しくは分からないそうです。 「ゼータ・レチクル星人のグレイと、オリオン座のリゲル人の長身のグレイ、オリオン座の有翼のドラコ族、恐竜から進化した地球のレプティリアン」がエリア51等の秘密基地で活動しているともいわれます。

  アブダクション(誘拐)やキャトルミューテレーション(動物虐殺)もいろいろな形態があったようです。異星人のアブダクション(誘拐)の被害者や交配実験の被験者を地上で見た伝承も多かったようです。グレイと人間の交雑種が「エササニ人」といわれます。エササニはオリオンの方向にあります。エササニ人の様にすでに交雑種が異次元に存在しているようです。「時空間を超えてこの地球にやってきて、人類をアブダクション(誘拐)し、受精して、子孫を作りました。それがバシャールだ」と語られています。

 

「遠野郷の民家の子女にして、“異人”にさらわれて行く者年々多くあり。ことに女に多しとなり。-遠野物語第三十一話」、「黄昏に女や子供の家の外に出ている者はよく神隠しにあうことは他の国々と同じ。-遠野物語第八話」という伝承がありますが、「異人」はオリオン星人だったようです。「平家がプレアデス星人の末裔で、源氏がオリオン星人の末裔」ともいわれております。牛若丸と鞍馬山の天狗の伝承のように、源氏はオリオン 星人との繋がりがあったようです。天狗も異類異形の異星人だったようです。当時の警察が「異人」をどの程度、把握していたのかは不明です。

  『肉体を持つが地球人の目には見えない』という表現なので荒唐無稽な与太話ということになるのでしょうか。コズミック・トラベラー(宇宙の旅人)や異人、超人、神人、天使、宇宙人が昔から地上を徘徊しているともいわれています。また一部は、社会に溶け込んでいるともいわれます。また金星のマスター(長老)に葉巻型宇宙母船の中で会見した日本人もいたそうです。「宇宙人と普通の人間が区別できなくなっている」時代のようです。アヌンナキとかサナンダといわれる金星のマスター(長老)が活動の中心ともいわれます。「はるかに進化した宇宙人が人間の精神体に侵入してくる時代だ」そうです。そうなると人間自身が「変容」、「変性」してしまうといわれます。

 

 

********************************
・ブログ名称: UFOアガルタのシャンバラ

日本は津波による大きな被害をうけるだろう

・第2のブログ名称:UFOパラレル・ワールド

神の国か?」「人類の原郷か?」 「天上のエルサレムか?」・・・・・・・・・

「パラレル・ワールドに住む宇宙人、天国に出入りし転生と憑依を自由に操るシリウス星人の殖民星が、地球か?」、「ネガティブのシリウス星人の地球支配があまりにも巧妙なので、しょっちゅう戦争が起こるのだろうか?」

「金髪碧眼のノルディックが住んでいたアガルタのシャンバラ情報の集大成を目指す・・・・・・・・・・」「金星蛇人と火星霊人の戦争はその後どのように展開したのだろうか」
日本民族の神話の原郷『高天原(たかまがはら)』は、『都市型の超巨大宇宙船』なのか!?」「平家がプレアデス星人の末裔で、源氏がオリオン星人の末裔なのか」
「小人族のグレイの母船に同乗する金髪碧眼のノルディックは、”悪魔の王””ルシファー”なのか?!」

「円盤は神人や異人、悪魔の乗り物なのか!?」「天使は神の秘密諜報員なのか」「神は最初のフリーメーソンなのか」

「UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象なのか。UFO問題とは、人間にとっての死の問題を解くことなのだろうか。UFOはフリーメーソンの創作なのか」

「全宇宙を創ったという“虹の神々”も地球に来ているのだろうか」

イルミナティなどのフリーメーソン組織に入ると神に会えるのだろうか」「金星の神々は地球に到着するやいなや、イニシエーションのためのフリーメーソン本部を設けたのだろうか」「フリーメーソン結社はこの大地が創出されるよりずっと前から、さまざまな太陽系をめぐって、存在していたのだろうか」

国際連合の設立に動いたキリストの星、アプ星人とは」

「人は皆、記憶喪失の異星人だろうか」

「はるかに進化した天使のような宇宙人は、人間の守護霊や背後霊なのだろうか」「セドナ上空に見えないエーテルのシティが滞空するのだろうか」

 

グーグルのブロガーにも書いています→UFOパラレル・ワールド