日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

コンタクティやチャネラーの情報を集めています。森羅万象も!UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象といわれます。

一方、国会で法案が通過した法案は、「移民政策」や「カジノ法案」「水の民営化」「TPP」などと日本の富を海外に売り渡すようなものばかりである。(1)

 

『令和日本・再生計画』

内閣官房参与の救国の提言

藤井聡     小学館  2019/5/31

 

 

 

このままでは日本は年収250万円の衰退途上国に堕ちる‼ 

・新元号「令和」が始まったが、いざ日本の将来はというと決して明るいものとは言えない。1997年の消費増税が実施されてから、20年以上も日本の実質賃金は下がる一方だアベノミクスで大胆な金融緩和を続け、「第1の矢」である金融政策は成功したかに見えたが、それも2014年の消費増税でブレーキがかかり、デフレ脱却の糸口は見えないまま。

 

本来ならばデフレ脱却することを最優先しなければならないはず

これまでやってきたことといえば、前述の消費増税規制緩和、そして財務省主導の「緊縮財政」だ。これらはいずれもインフレ対策で、デフレから脱却できないのは当然だ。

 

・さらに2019年10月に予定されている消費増税は確実に日本を破壊する。一方、国会で法案が通過した法案は、「移民政策」や「カジノ法案」「水の民営化」「TPP」など・・・と日本の富を海外に売り渡すようなものばかりである。このままでは日本は数10年後にはアジアの貧国の一つとなってしまうのは確実だ。世界3位の先進国どころか史上初の「衰退途上国」に落ちぶれる。

 

内閣官房参与は内閣の知恵袋

しかし、このままでは令和は平成以上に国民が貧困に喘ぐ可能性が高い。政府はアベノミクスでデフレ脱却を目指しながらも、緊縮財政、規制緩和、消費増税などのインフレ対策を行ってしまった。20年以上にわたって国民の実質賃金が下がりっぱなしにもかかわらずだ。それでいて、移民政策や、IR(カジノ)法案、水民営化、TPP…と日本の富を外国に売り渡すような法案ばかりがまかり通っている。昨年末まで6年にわたり内閣官房参与として安倍総理らにアドヴァイスしてきた筆者が日本再生の秘策を提言する。

 

安倍総裁に参与着任を打診される

・そもそも筆者は、安倍内閣が誕生するずいぶん前から、学者としての研究を通して1990年代後半から始まった「デフレ不況」を終わらせることが日本の政治において何よりも重要な課題であることを強く認識していた。そしてそのためには………今、アベノミクスと呼ばれる経済政策となった。

 

・それと共に、1000兆円規模の被害をもたらす首都直下地震南海トラフ地震に対して、大規模な公共投資を前提とした抜本的な対策……それはその後、「国土強靭化」と呼ばれるようになった………を施すことが、日本「防衛」の視点から絶対必要であることも、あわせて深く認識していた。

 当時筆者は、こうした問題意識を「自民党総裁」に就任する前の一衆議院議員であった安倍晋三氏に、縁あって繰り返し説明申し上げていた

 

・官邸で筆者が総理から直接いただいた辞令は、「防災減災ニューディール担当」の内閣参与職であった。筆者はその担当名を目にしたとき、武者震いをするような心持ちになった。

 

内閣官房参与に課されるのは「守秘義務」のみ

内閣官房参与の「政策アドヴァイス」が実現するまで

・筆者は総裁室に入り、まず、安倍総裁に改めて、祖選挙の大勝についてお祝いを述べた。ひとしきり、総選挙の戦いについてあれこれ話を伺った上で、「アベノミクスの円滑な推進に向けて」と題した資料をお渡しした。

 

オリジナル・アベノミクスの基本的な考え方

・安倍総裁に提案したこのオリジナル・アベノミクスにおいて、筆者が「最上位目標」と考えていたのは「強い日本」を作ることであり、それを通した「戦後レジームからの脱却」であった。

 

筆者が冠挙げる「オリジナル・アベノミクス」の具体的な政策パッケージ

・この際の財政政策の具体的な中身は、様々な消費拡大策に加えて、様々なインフラについての「公共投資」だ。

 こうして実体経済が活性化すれば、国民の皆さんの賃金が上昇していくこととなる。

 つまり、アベノミクスの基本的なゴールは、国民の賃金の上昇だったわけだ。それはつまり、国民の貧困化を食い止め、より裕福になっていくことを目指すものであったわけである。

 

アベノミクス」推進のために避けるべきは消費増税

・その「いの一番」に進言したのが、デフレ脱却前の消費増税は、避けなければならないという点だ。

 

安倍内閣の下で進められた国土強靭化と大型財政政策

・以上が、筆者が参与着任直前に、安倍総裁に進言した内容のあらましだ。

 結果はどうなったのかというと――まず、消費増税、TPP、電力自由化などは、絶対回避すべきだと提言、進言申し上げていたにもかかわらず、実際は残念ながら進められてしまった。

 筆者にとってはまことに遺憾としか言いようのない話ではあるが、一学者の提言が全て受け入れられることなど普通に考えてあるはずもない、とは言えるだろう。逆に、受け入れられる提案が僅かなりともあれば、参与としての職務に公的意義があるということもできる――筆者はそういう心持ちで参与職に6年間従事していた。

 

・つまり、筆者の参与担当であった「防災減災ニューディール」における、防災減災は国土強靭化として、ニューディールは13兆円の大型補正予算の執行を通して、それぞれ安倍内閣下で進められるようになったのであり、これはまさに、学識経験者としての筆者からの提言が、現実の行政として進められるようになったものだ。

 

GDP600兆円と国民所得80万円増額を目指す

・以上は、参与着任と同時に進められた、筆者からの提案行為の影響事案であるが、6年間にわたって、実に様々な政策に直接間接に参与することとなった。

 その代表的なものの1つが、「新アベノミクス第1の矢、600兆円経済を目指す」という政策決定だ。

 

「政府与党」を動かすために

・いずれにしても、政治というものは、総理大臣がただひとこと言えば、それで全て動き出すというほど単純なものではない。「政府与党」というものは全体が1つの巨大なマシーンのようなものであり、それを特定の「意志」の方向に動かすには、相当な調整が必要なのだ。

 

日本の政治は「骨太の方針」に制約されている

・先に述べた通りだが、筆者は「デフレ下での消費増税は避けねばならない、さもなければ、デフレ脱却は不可能となる」と、安倍内閣誕生前から首尾一貫して主張し続けてきた。

 だから、未だデフレ脱却が叶っていない今日の状況での消費増税など「論外」としか言いようのない政治判断なのだ。

 

令和元年、今こそ「日本再生計画」が必要である

・ただし、今、論ずべき政策課題は消費増税だけではない。

 外国人労働者、いわゆる「移民」の拡大政策もまた、日本に巨大な禍根を残し得る政策の決定だ。それにあわせて、国民の基本的生活を支える水道や空港の「民営化」の問題や、外資による日本人の所得の吸い上げを加速しかねないIRの推進、さらには日本の農業を守り続けてきた「種子法」の撤廃問題、そして、日欧EPAや日米ETA、そしてTPPといった、国民所得の流出と国内の産業へのダメージを同時にもたらしかねない過激な自由貿易協定の推進など、今、我が国の国益を守り、増進していくために論じなければならない問題は実に様々である。

 それらの「改革・自由化路線」が、国益を大いに毀損するものであるというポイントは、政策提言資料の中でも明記しているところなのだが、筆者にとっては誠に遺憾ながらも、その路線は、安倍内閣において年を追うごとに加速していった。

 

・今や世界唯一の「衰退途上国」と化してしまった我が国日本の「再生」を図るために必要な「具体的」な政策論とその具体的な実現方法は、2012年時点とは確実に変化してしまっている。

 

・ただし、

  • 構造改革を推進する与党政府という巨大政治マシーンが存在する
  • その企業関係者が与党政府の中で自らの企業が儲かる決定に関わっている

 

 という事例が数多く存在しているのは事実なのだ。残念ながら、我が国では「李下に冠を正さず」、つまり、政治家は疑われるようなことをしてはならぬという言葉は、死語と化している。

 

新しい日本をつくるために必要な令和建白書

日本をダメにする「赤字圧縮」と「構造改革」路線

・すなわち、我が国は今、政策的な合理性はさておき、財務省という強力な政府組織の意向に沿う形で徹底的に「赤字圧縮」政策が、そして、財界や外国の要請を受ける形で「構造改革」がそれぞれ徹底的に進められ、そのあおりを受けて、投資が減退し、国内産業が衰退し、経済が疲弊し、そしてトータルとしての国力が激しく減衰しているわけである。

 

日本は世界で唯一貧困化している「衰退途上国」である

・ところが、ただ1つだけ、全く成長していないのが、我が国、日本なのだ。

 もちろん我が国も1980年代までは、他の国々と同様、順調に成長し続けていた。ところが、1990年代後半から、その成長がピタリと止まり、それ以後徐々に衰退する局面に入っている。

 

日本は30年後にアジアの貧国の1つにまで凋落する

・この図表が明らかにしているように、日本の20年間成長率は断トツの最下位だ。そもそも恐るべきことに、日本を除く全ての国の成長率は「プラス」であるのに日本の成長率だけが「マイナス」の水準なのだ。

 これはつまり、日本だけが世界の中で唯一「貧困化」してしまったのである。

 具体的に言うなら、世界が「2.4倍」になっている間に、我が国だけが「0.8倍」にまで縮小したために、日本の相対的な経済力は「3分の1」以下になってしまったという次第だ。

 つまり日本はもはや、「経済大国」でないばかりか、「先進国」でもないのである。

 

・つまり我が国日本は今や、先進国でも発展途上国でもない異様な国なのである。

 だからあえて我が国を分類するなら、先進国でも発展途上国でもない、世界唯一の「衰退途上国」とでも言わざるを得ないのである。

 

日本は30年後にアジアの貧国の1つにまで凋落する

ちなみに、我が国は首都直下地震南海トラフ地震といった、数百兆円から1000兆円以上の経済被害をもたらす巨大地震のリスクを抱えている。2050年までならば、いずれか一方が生じている確率は95%程度、双方とも起こっている確率は5割程度であると科学的に予想されている。それを加味すれば、日本経済はさらに衰退し、GDPシェアが1%程度にまで凋落する可能性も考えられる。そうなれば、今から30年後の日本の経済力、あるいは、国民の豊かさの水準は、今のメキシコやインドネシア程度の水準となる。

 つまり、我が国は近い将来に、確実にアジアの貧国の1つに凋落するのである。

 

日本の衰退を導いた歴史の流れ

・日本のこうした衰退と並行して、世界では東西冷戦における「西側の勝利」を契機として急速にグローバル化が進展していった。そして、このグローバル化の進展が、日本国内の自由化、規制緩和の流れをさらに加速させていき、それがさらに、日本のデフレを加速させる事態となっている。

 日本はこうして、グローバル化をほぼ無批判に受け入れていったのと対照的に、欧米各国ではグローバル化こそが生活苦をもたらす諸悪の根源であるとの認識が急速に共有されはじめていった。

 

日本再生のための八大方針  令和八策

・こうした大局を見据えた時、日本の衰退を食い止め、そして、日本の発展を企図していくには、以下の八つの大方針を政治的に展開していくことが必要であると筆者は考えている。

 

・だからこそ、客観的な視座の下、我々の「文化伝統」を再確認することが必要なのである。

 

(第一策)「国民・国際主義」の復権

・まず、日本再生において何よりも重要なのは、「国民主義」(ナショナリズム)を確立することだ。

 

・この国民主義を取り戻すにあたって避けられない最も重要な問題は、憲法にて保障されている国民統合の象徴である皇室の持続性を保持し続けることだ。

 

第二策)「反緊縮」の確立

・では、かくも重大な国民・国際主義を我が国で確立するためには何が必要なのか――?

 その第一歩は、過剰なグローバリズムこそが、様々な問題を生み出す元凶となっており、それに対抗するためのナショナリズム国民主義インターナショナリズム=国際主義が必要なのだ――と考える「思想」をしっかりと共有することである。

 

(第三策)反グローバル化・反構造改革を通した「保護・連帯」の強化

・さて、「国民主義」、とりわけ「国際主義」を確立する上で何よりも必要な具体的対策が「反グローバル化・反構造改革」の推進だ。

 

・具体的には、これまで我が国が回避し続けてきた日米FTAの停止や、これ以上の自由貿易協定の締結の回避が必要だ。同時に、移民法、種子法則、水道法、IR推進法、漁業法、運送事業法、会社法等の改定・廃止の内容を改めて見直し、今日の時代に合う形でリニューアルしつつ、大企業や株主たちによる利益搾取構造を是正し、過剰な競争を抑制し、適正な価格が形成され、適正な賃金が実現するための適正なルール・規則をひとつひとつ、それぞれの産業の実情にあわせて整備していくことが必要である。

 

(第四策)「分産・協調」社会の構築

・そして、東京をはじめとした特定地域への産業集中を緩和し、様々な地域で様々な産業を育成する「分業」体制を構築していくことが求められている。それと同時に、地域間の交通・運輸インフラ投資を図り、自律的な各地域との「協調」体制を構築していくことも必要である。

 

(第五策)内務における「統治性」の回復

・とりわけ、国政選挙においては、各政党・政治団体の活力を低迷させる方向に機能している小選挙区制を改めて、各政党・政治団体の活力を増進さ得る中選挙区制の復活等が必要である。

 

(第六策)対米自立を起点とした「自律・独立」の確保

・そしてそのための具体的な対策として、日米関係における片務状況を創出している、憲法9条・安保条約・日米地位協定に関わる法的状況の解消、国民・国際主義や反緊縮の積極投資、自主防衛力の増強、食糧自給率とエネルギー自給率の増進、ならびにそれらの安全保障に関する、集団的安全保障体制も含めた国際主義に基づく安定的国際協調体制の構築を、目指すことが必要である。

 

第七策)外務における「勢力均衡」の探求

・そしてその上で、様々な国際問題や国際紛争は、容易に「解決」することなどあり得ないという当たり前の認識をもち、僅かなりとも時刻に有利となるように、あるいは僅かなりとも自国が不利にならないように、それらの諸外国との関係において勢力均衡を図り続けていくことが必要不可欠である。

 

(第八策)「文化伝統」の再確認

・つまり、内務にせよ外務にせよ、我が国において豊かな成果を得るためには我々が所持しているあらゆるものを総動員することが不可欠であり、我々自身の強みも弱みも知りつくしておく必要があるのだ。だからこそ、客観的な視座の下、言論やマスコミュニケーションや学校教育、芸術、音楽等の様々な場で、我々の「文化伝統」を、再確認し続けていくことが必要なのである。

 

令和八策に基づく 具体的政治展開

与党シナリオ) 

・今、自民党は「緊縮」主義と「改革」主義のイデオロギーにほぼ制圧されている状況が続いている。自民党が、日本を救い出すための令和八策に基づいて再生されるためには、この緊縮主義と改革主義を党として乗り越えていくことが必要だ。

 

・つまり、今、自民党内部で「国民のための政治勢力」(反緊縮・反改革)と「財務省や財界、アメリカのための政治勢力」(緊縮・改革派)とが対立する状況があり、現状においては後者の緊縮・改革派が圧倒的に前者を凌駕している状況があるわけだ。

 この状況を覆すには、前述したように中選挙区制度の復活が最も効果的な方法のひとつだ。

 

野党シナリオ

・野党には政治権力が付与していないため、与党である自民党に比べれば「財務省や財界、アメリカのための政治勢力」の影響力は限定的だ。だから、比較的「国民のための政治勢力」が、党内において拡大しやすい状況にある。したがって、しっかりと各政党が「勉強」をすれば、令和八策の重要性を比較的容易に認識し、それに基づいた政策を国会や選挙、メディア等で主張しやすくなるはずだ。

 

万が一にも、2019年10月に消費増税が行われば、日本の貧困と格差は、今日よりもさらに激しく拡大することはもう避けられない。そうなれば、国民の不満は一気に拡大していくこととなろう。

 

言論・メディアシナリオ

・ただし、そうした循環を加速していくためにも、学者やジャーナリストによる言論界、メディア界の適正な議論も重要だ。彼らが「国民のための政治」の重要性とともに、「財務省や財界、アメリカのための政治勢力」のおぞましさを冷静かつ、的確に批判していくことができれば、世論が適正化していくことになるからだ。ただし、財務省と財界は学者やジャーナリスト、新聞やテレビに対して圧倒的な支配力をもっていることから、こうしたメディア改革は困難を極めるところだ。そのためにも、SNSやインタ―ネット・メディアを活用した「ゲリラ戦」が、言論・メディア戦においては重要だ。

 その際、そうした言論・メディアにおける適正な情報提供を巡る取り組みは、完全なる「情報戦争」なのだという認識をもち、その覚悟をもって続けなければならない。

 

生活経済大国を実現する未来投資10項目

1、「society5.0」未来投資 4兆円/10年(追加投資額)

・「ドローン活用物流システム」の構築。

・「道の駅」周辺の自動運転システムの構築。

・「自動運転専用車線ネットワーク」の形成。

 

2、「技術立国復活」未来投資 3兆円/10年(追加投資額)

・「量子コンピュータ技術開発」に4000億円/10年(追加投資額)程度で投資。

 

・「ILC(国際リニアコライダー)」に対して投資。

 

・ICT活用技術開発等にも重点投資。

 

3、「観光立国実現」未来投資 3兆円/10年(追加投資額)

・生活経済大国において観光の充実は必須。

 

・例えば国際クルーズ関連の投資。

 

4、「巨大災害に対する強靭化」未来投資 約5兆円/年(少なくとも15年間連続)

生活経済大国にとって巨大災害対策は必須。不在であれば、国民の生活経済は確実に崩壊

 

三大都市圏の「L2巨大洪水対策&巨大高潮強靭化」未来投資におおよそ15か年で10兆円。「南海トラフ&首都直下地震強靭化」未来投資におおよそ15か年で60兆円。

 

リダンダンシー確保・避難路確保・地方分散化等のための全国高速道路の整備、橋梁強靭化、堤防整備、港湾の耐震強化、等を含む。

 

・「減災効果」を通した「税収縮小回避=増収」効果は、投入費用総額に遜色ない水準、あるいはそれ以上得られる見通し。

 

「15年以内の完了」を目指さなければ、「間に合わない」可能性が5割を超える。したがって、遅くとも「15年以内の完了」を目指す。

 

5、「地方創生回廊」未来投資(新幹線) 約12兆円/20年

・全国での生活経済大国の実現に必須な地方創生において、地方と地方をつなぐ高速交通ネットワークは必要不可欠。

 

・「リニア整備」による「三大都市圏集中」の緩和のために不可欠。

 

6、「都市・地域モビリティ確保」未来投資 3兆円(事業費)/20年(追加投資額)

・生活経済大国の実現に、モビリティの確保は絶対に欠かせない。

 

・新規鉄道整備。在来線問題への対策。

 

7、「インフラ長寿命化」未来投資  4兆円/年

・インフラの老朽化を放置していては、生活経済大国の実現は不可能。

 

・「森林」の保全事業を展開。

 

8、「次世代型の新資源・エネルギー」未来投資 2兆円/10年(追加投資額)

・生活経済大国実現において新資源・エネルギーの自己調達は必須。

 

・海底資源開発。水素利用活用、ダム再開発等。

 

9、「食料自給率」未来投資  2兆円/10年(追加投資額)

・生活経済大国実現において食料の自己調達は必須。

 

・農地大規模化/高度化投資、漁港投資等。TPP対策として重要。

 

10、「国民安全保障」未来投資  1兆円/年間  (追加投資額)

海上保安システム・諸島防衛の高度化、核シェルター投資等。

 

 

 

大前研一 ニュースで学べない日本経済』

KADOKAWA   2016/4/14

 

 

 

国を相手にせず、自分の頭で考えよ!

  • UberAirbnbが業界秩序を破壊する
  • 日本企業は人口ボーナス期を攻めよ
  • 成長著しい「メキシコ」と「フィリピン」を見逃すな
  • 「人・モノ・カネ」から「人・人・人」へ
  • 日本の地方はイタリアの村に学べ

 

企業の勝ち目は「人口ボーナス期」の国にあり

今、日本企業が進出すべき国はどこか?

中国経済が減速して、世界経済にも影響をおよぼすと述べました。ではアメリカ以外に先行きの明るい国はないのかと言うと、実はあります。

 40年ほど前の日本は人口が増え、1億人にならんとしていました。まだ労働力増加率が人口増加率を上回り、経済成長にプラスに寄与する「人口ボーナス」があった時代です。注目すべきは、この頃の日本の状況と似たような、成長著しい人口ボーナスがある国です。日本企業はそういう国を第2の日本として、現地に腰を据え、今後10から20年かけて地道に市場開拓をしていく必要があります。

 

・そのような状況下で、日本企業が生き抜くためにはどうすればいいか。「世界の人口推移(予測)」を見ると、日本では人口が減少する一方、新興国を中心に、世界的に人口増加が続きます。国内の人口減少はシリアスな問題ですが、個人や企業の視点からみると、伸びている国に行けばいいのです。このまま日本にいても、お客さんは減る一方です。

 

・図2―2は人口ボーナス期の長さを表すグラフです。日本は高度経済成長期に人口ボーナス期があったのですが、既にマイナス、人口オーナス期に転じています。中国は2014年がピークで、2015年から人口オーナス期に入っています。ベトナムは、2020年が転換点です。カトリック国のフィリピンでは、堕胎ができないという事情もあって、2055年頃まで人口ボーナス期が続きます。このデータを参考に、今後も人口ボーナス期が続いていく、できるだけ大きなマーケットに行くのがコツです。

 

新興国では「昔取った杵柄」でビジネスができる

・図2-3の表も参考になるでしょう。横軸に人口の規模、縦軸に人口の規模、横軸に人口増加率をとり、世界の国名をプロットした一覧表です。右側の国の中で、政情が安定している国を選んで、その国に攻勢をかける。これらの国には、今から40年くらい前の日本と同様のビジネスチャンスがあると考えられます。わざわざ新しい仕掛けをせずとも、これまでのやり方で十分商売ができます。

 

過去の経済原論が通用しなくなった今、どうすべきか

・今から約25年後の2040年、日本はどうなっているのか?少子高齢化がもたらす労働人口の圧倒的不足、このままでは存続が難しいと言われる地方自治体など、日本の未来には様々な問題が横たわっています。

 

・人口が減少すると、納税能力はどんどん下がっていきます。したがって、今よりもますますサービスレベルは落としていかなければならない。既に日本の年金は、最終勤務年度の給料に比べて、35%程度しかもらえていません。これは、先進国の中で一番低い。国によっては最終年度に稼いでいた給料の50%程度を年金でもらえるのが普通で、国によっては70%程度というところもりますが、日本では、2040年になると30%ももらえないと予想されます。さらに勤労者2人で1人の老人、つまり非勤労者の面倒を見なければならないという、すさまじい状況になるわけです。現在の日本は、そういった世界に突っ込んでいこうとしているのです。

 

・消費税の問題についても、「5%から8%に上げただけであんなに反作用が出たから、8%を10%にするのは延ばす、10%以上にはしない」と政府は言っていますが、単純計算をしても20%まで引き上げないと間に合わない状況です。

 

・現在の日本は、見えている将来像が世界のどこよりも暗い国と言えるでしょう。その見えている像に対してストレートに考え、それを正直に政治課題として取り上げる人がいない。これが最大の問題です。タイタニック号が氷山に向かうように、先が見えているにもかかわらず、船上でパーティをやっているようなものなのです。

 今の日本企業は350兆円を超える内部留保を持っているため、銀行から資金を借りることはなく、金利が低くても反応しません。将来が不安だからと投資もしない。

 

・しかし日本は低欲望社会に入ってしまい、これまでの経済原論がすべてが成り立たない状況です。アメリカの経済学者ポール・クルーグマン氏やアベノミクスのアドバイスをしているような人たちが、20世紀の

経済原論を振り回しても市場はまったく反応しないというわけです。

 

・このように日本だけが特殊な状況に入っていることに対し、「20世紀の理論が使えない」と理解している経済学者がゼロであるのが問題です。いずれドイツやイタリアも、おそらく日本のすぐ後を追ってくると思いますが、日本は起こると分かっている問題に対しても何もしていないという、極めてユニークな状況になっているのです。

 

・安倍首相はアベノミクスで日本の経済がよくなると言い、日銀の黒田総裁も「黒田バズーカ」など様々な施策を講じてきました。国民はみな期待しましたが、日本経済には何の効果も出ていません。なぜ効果が出ないのか?原因はどこにあるのか?ということが、安倍首相も黒田総裁も分かっていないし、新聞やテレビをはじめとするメディアも分かっていない。ニュース記者も物の見方が非常に局所的で、問題がどこにあるのかを理解していない。そのため、私たちはニュースを読んでも本質的なことは何も学べません。

 

日本の法人税率は90%にしなさい

大手町、永田町を支配する悲しき人々

法人税率は90%にすべきなのです。そうすれば経営者も、国に金を持っていかれるくらいだったら必要な投資でもするか、かわいい社員の給料を上げてやろうかと思うに決まっています。法人税率を下げて、投資と賃金に回った国はなく、日本は法人税率が50%近いときに最も活発に投資していたのです。今は投資する必要がない、ニーズがないからやらないだけなのです。私が経団連会長なら、首相に「安倍さん、それは間違っていますよ。もっと投資したくなるような国をつくってください。それが政治家の仕事でしょう」と言います。10兆円などという金額は誤差の内です。

 

・今の日本の政治と経営には、あまりにも緊張感がなさ過ぎます。法人税率を下げるから外国の企業さん、ぜひ日本にきてくださいと言っていますが、それは10%台になってから言うことです。大手町のおじさんたちは分かっていません。

 

法人税は純利益に対する課税なので、配当と内部留保に回る(回しているのではなく、そういうもの)。政府の期待する設備投資と人件費は経費なので、PL上は法人税率に影響を受けない。

 

不思議の国、大国アメリカの病と苦悩

分かっているのにできない国、アメリ

アメリカの企業というのは、本当にアメリカ企業なのかというくらい、自分の国に税金を払っていません。アップルのCEOティム・クックがアメリカの議会に呼ばれて「お前の会社は、何でアメリカに来て税金を払わないんだ」と聞かれて、堂々と「法人税が高いからです。法人税を安くしてくれたら帰ってきます。違法なことは何もやっていません」と言いました。これにはアメリカ議会もかなり頭にきたようですが、確かに違法ではないので結局何も言えませんでした。

 

凄まじい、アメリカ企業の課税逃れ

アメリカ企業の問題に戻ります。アメリカのグローバル企業が海外で保有する資金額は相当なものです。課税を逃れるためアメリカにお金を持っていないのです。

 図3-7は、アメリカの主要企業が海外で保有する資金額です。1位はアップルで、20兆円近くります。2位はブルーチップの中のブルーチップ、GE。次いでマイクロソフトファイザー、IBM、メルク、ジョンソン・エンド・ジョンソンシスコシステムズエクソンモービル、グーグルと、優良企業が名を連ねています。

 

・グローバル企業の課税逃れがどのくらいすごいのか、アメリカの経済紙『フォーチュン』が2015年11月1日号で「21世紀企業の特徴」という特集を組み、公表しています。それによると「世界企業の72%がタックスヘイブンを使っている。250兆円がオフショアに備蓄され、毎年20兆円以上が課税を逃れている」ということで、とんでもない状況です。アメリカの企業がこんなことをやっていて合法だというのは、日本では考えられないことです。これではアメリカが債務超過になるのは当たり前です。

 今世界では「特定の国に所属する」という意識が乏しい企業、「本社は地球全体」という意識を持った企業が急増しています。そしてこれらの企業の発想をよく観察すると、そこから新しい企業「21世紀企業の染色体」といったものが明らかになってきます。

 

・米グローバル企業は、タックスヘイブンを活用して節税しており、米国は金持ち企業や個人などから税収を得ることができていない。

 

成熟時代のビジネスモデル「アイドルエコノミー」

空いているものを活用する「アイドルエコノミー」がキーワード

・これまで私は、10年に1回ぐらいのペースで、経営に関する新たなキーワードを提示してきました。自著『企業参謀』で提示した「3C分析」、その後提示した「Borderless World(国境なき世界)」「

Invisible Continent(見えない経済大陸)に次ぐ新しい概念として、今、私は「アイドルエコノミー」という考え方を提唱しています。

「Idle」とは、「使用されていない」「遊んでいる」という意味の形容詞です。

 

<自動車、家電、住宅……増え続ける「アイドル」>

・さすがに空いている温水便座をビジネスに結びつけることは難しいと考えるかもしれませんが、実はアメリカに「Airpnp」というサービスがあります。トイレを貸したい人が登録しておくと、借りたい人が地図で検索して利用することができるのです。笑い話のようですが、先進国ではそれほどアイドルエコノミーが一般的になっています。

 

・図では総住宅数と空き家率も示しています。13.5%が空き屋である国はほとんどないのですが、日本は少子高齢化で人口減少が進んでいきますから、今後もこの割合は増えていくでしょう。もはや35年ローンを組んで4000万円で新築の家を買う必要はまったくなくなっていきます。

 

・自動車、家電、住宅の普及率は高く、今後も大幅な販売増加は見込めない状態にある。

 

「シェア」の時代から「所有しない」時代へ

・高度成長の日本は、製品を「売る」「買う」「使う」ことを繰り返して驚異的な経済成長を成し遂げました。しかし、立ち止まって振り返ってみると、今や使われていないものばかりが周囲に溢れ、現在の日本のものが売れない時代に入っています。新しいものは買わないけれど、「ちょっとこんなことがしたい」というささやかな願望はある。それがスマートフォンで簡単に使えるサービスであれば使ってみたい—―ここにアイドルエコノミーの事業機会が生まれるのです。

 

・図3-12を見てください。成長期の販売モデルが成り立たなくなった先進国では「シェア」の時代がやってきます。人々が持っているリソースをマッチングするというやり方です。カーシェアリング、シェアハウス、駐車場のシェアなど様々なビジネスがありますが、何であれ「所有しているものを他の人に使ってもらう」という考え方です。

 ところが、シェアモデルからさらに進化したアイドルエコノミーでは、自分で所有する必要がないのです。空いているリソースの情報を使いたい人に提供してアービトラージし、利益を得ます。このように、自分が固定費を抱え込まなくてもいいというやり方が有効になっているのです。

 

既存の業界秩序を破壊するアイドルエコノミー

・インターネットをエージェントとして利用することで、アイドルエコノミーはあらゆる業種に急速に広がっています。

 

・印刷業界では日本の「ラクスル」に資本が集まっています。自社は印刷機械を持たず、印刷会社の空いている機械を活用してチラシや名刺などを印刷するというビジネスモデルです。

 

・メディア業界にも大変革が起こっています。「LINE NEWS」や「グノシー」など、自社に記者を置かずにニュースを集めてくる、いわゆるニュースキュレーションサービスの台頭です。「LINE NEWS」や「SmartNews」のアプリダウンロード数は、今や読売新聞の発行部数を上回っています。

 

<「日経」を読むと世界が見えなくなる>

・日本企業は国内ばかりを見て国内競争に一喜一憂し、日経の記者が来るとニコニコ笑いながら解説をしてあげる。そんなことをやっているから世界が見えなくなるのです。日経をよく読むと世界が見えなくなる、ということです。

 

国民よ、日本経済を駄目にした「彼ら」にもっと怒れ!

敗北宣言したノーベル賞経済学者ポール・クルーグマン

・日本企業は、日本経済はなぜこんなことになってしまったのでしょうか?ノーベル賞経済学者であり、日本経済のアドバイザーでもあるポール・クルーグマンは、これまで日本に対して物価目標政策の採用を強く迫ってきました。しかし2015年10月、ニューヨークタイムズに寄稿したエッセイで自説を変更しました。

 日本はあれだけ市場に爆発的な資金供給をしてゼロ金利にしたのに、あんなに需要が起こらないとは思わなかった。日本に関してはまったく分からないことだらけだ、と自分の提言をひっくり返す敗北宣言をしてしまったのです。ポール・クルーグマンの懺悔日記、「日本再考」という記事です。

 

・彼の弟子たち、竹中平蔵浜田宏一といった人たちは、いつも自分たちが言いにくいことがあるとクルーグマン首相官邸に連れてきて、「安倍さん、ノーベル経済学賞をもらった人がこんなことを言っていますよ」とやっていましたが、ついにクルーグマンは「ごめんなさい。私は撤退します」と宣言してしまったわけです。

 クルーグマンが敗北宣言をしているのに、浜田氏や安倍首相はまったく平気な顔をしている。国民はもっと彼らに怒るべきです。クルーグマンも今になってこれまでの自説を撤回するとは何事か。そう言わねばなりません。

 

・企業や個人が資金を貯め込む状況は、先行きに不安を持つ心理経済学そのものであり、これを市場に導くには強制的に資産課税をするか、いざという時に国が面倒を見る制度にするしかない。

 

日本社会の「心理」を見誤ったアベノミクス

アベノミクスは当初の狙い通りの成果をあげられていません。様々な政策を実施してきましたが、いずれも機能していないのです。我々は第3の矢「投資を喚起する成長戦略」に期待しました。経済戦略会議では200ほどの施策が出されましたが、一つとして成果を出しているものはありません。この国の将来に対して企業も投資したくなるような環境ではないのです。

 これが、アベノミクスの実態です。今の日本社会の心理をまったく無視した20世紀の型の金利とマネーサプライで経済をコントロールしよう、という考え方がまったく機能していない、ということです。