<す>
[スキーマ] 固定観念で事物を捉える認知の枠組み。指摘すると大抵怒りだすので、やめたほうがいい。
[スキーム] 省庁OBが独立行政法人などで再就職を繰り返し不労所得を獲得する方法論。
[世界政府] 各国の代表議会に代わり意思決定する多国籍企業と一流投資銀行の連合体。帝国。
[セックス特集] 虐政を隠蔽するためポストや現代が企画する性行為記事。1984年的社会統合策。
[ゼノフォビア] 労働者搾取や原子力災害による荒廃を周辺民族のせいにして誤魔化すこと。排外主義。
[セミコロニー] 他国の軍隊が駐留し反植民地状態にある国。主要な法律が外圧によって決まる体系。
[ステークホルダー論] ひもつきを国政へ投入し都合よく運営すればよいではないかという投資理論。
[ストックフレーズ] 支配層が仕立て上げ、マスコミが喧伝し、愚民がうのみにする常套句。
[砂山のパラドックス] 移民と国民が入れ替わってもニホンであるのか?という命題。
<せ>
[ゼロ金利制度] 国債金利を抑えるため国民が200兆円規模の預金金利を逸失すること。
[先進医療技術工業会] TPPにより医療法人の株式会社化と国保の解体を推進する米国のロビー団体。
[専制のノモス] 欧米寡頭金融→在日米軍→ニホン経団連→官僚機構→国家議会という秩序。
[全米貿易協議会] 米国議会に献金を投じTPPを推進する事業者団体。コンキスタドール(征服者)。
<た>
・心理学者であるJ・ジェインズは「言語能力を獲得する以前の人間は自我意識を持たず、おおよそ誰もが統合失調症状態だった」と主張するのだが、イデオロギー化した衆愚主義により言語機能を破壊されたニホン民族もまた譫妄(イカれた)状態なのである。
[第三極] 維新など野党を僭称する政治集団。自民党の衛星政党の総称。偽装野党。
[大衆] 知的主体性や自律思考をもたずメディアによって操作される人群。ニホン人民の99%。
[対日投資倍増計画] 派遣法改正でピンハネして外国人投資家の配当を3倍に引き上げたりすること。
[対日年次改革要望書] 植民地ノルマ一覧。鳩山政権で廃止されたが日米経済調和対話として復活した。
[タイム・ホライズン] 長期スパンで国民社会を構想すること。自公政治の対義語。
[ダヴォス階級] 地球的規模で石油経済と福祉国家の解体を推進する超富裕層。いわゆる支配人種。
<ち>
[小さな政府] 医療、教育、福祉予算を全面削減し、資本と役人が浮いたカネを私物化する構想。
[知性の憎悪] モボクラシー(馬鹿主義)を推進する当局にとってインテリが何かと邪魔になること。
<て>
・タナトロジー(生死を深く考える思潮)はすでに危険思想であり、大学教育における人文科学の抹消もまたポスト3・11の社会統合策なのである。つまるところアンソロポロジー(人間とは何かという問い掛け)を禁忌とし、思索性が希薄で無哲学な人間の大量生産により支配を絶対化するという構想に他ならないのだ。
[デカルトの論法] 悪魔的な存在(新聞テレビ)が認知を欺き、知覚は常に捏造されているという主張。
[テクノロジーによる集中力欠損] ディバイスの氾濫やネット環境により注意力散漫が常態化すること。
[テクノロジーによるディスクレシア] ウェブの特有言語が脳の生成力を喪失させバカを量産すること。
[デザイナー・リアリティ] 現実逃避したヘタレが脳内にプログラムする仮想現実。唯名論。
<と>
・大衆は存在本質としてSHEEPLE(品種改良されたヒト家畜)なのであり、言葉も意識も粉末化されているのであり、もはや知的営為の一切が無効なのであり、この体系から「市民的不服従(人倫的視点から疑うことができない制度に反逆すること)」など永劫に生じ得ないのだ。
[投資家対国家間の紛争解決条項] 外国人の利益を損なう法律や規制を撤廃する特約。ISDS条項。
[同心円形式の物語] 9・11でも通貨危機でも構造改革でもTPPでも毎度同じ連中がボロ儲けすること。
[トポロジー] 社会の諸現象をキャッシュフロー(カネの流れ)から立体構造的に捉えるセンス。
[トリクルダウン理論] 富裕者を優遇すれば景気が拡大するというトンデモ疑似科学理論。
<に>
・「観察せよ、記録せよ。論理的にとことんまで考えよ、確認せよ、訂正せよ。他人と知識を交流させよ。その知識に耳を傾けよ。比較せよ。論理的に討議せよ。かくして立証せよ。自分の頭を他人の頭によってチェックせよ。自分の言葉の全てを疑え。常に真実に立ち戻れ。検証のない哲学を放棄せよ」 F・ベーコン
[入管法改正案] 安価な移民を高コストのニホン人と入れ替える法律。コードノワール(奴隷法案)。
[認知的閉鎖] 脳機能の限界から議論に対処できず、相手を異常者か変人として処理すること。
[日米合同委員会] ニュー山王ホテルで月次開催される在日米軍と高級官吏の会合。実質政府。実質国会。
[日米社会20年遅延説] 米国のロクでもない社会現象が約20年後に日本で発生するという考現学説。
[ニホン型政治] 外国人投資家の要求する法案の成立度に応じてカネをもらうこと。買弁商法。
<は>
[買弁] 外国人投資家に教唆されるまま税法や労働法などを改定しカネをもらう者。
[派遣労働] 経団連企業の人件費コストを圧縮し、外国人配当を倍増させるため導入された制度。
[パラ・ポリティクス] どの政党も資本に買われ同じ政策を推進するため政治的選択肢が消失すること。
[ハレーション効果] 世論操作に著名人を用いることで宣伝効果がいっそう高まること。
[パレート効率性] 一方(国民)の経済状況を悪化させ、もう一方(資本)のそれをよくすること。
<ひ>
・この民族は過酷な超現実に対峙するのではなく、シュミュレートされたか仮想現実に没入することを選択したのだ。個々の実存は摘出され「水槽に浮かぶ脳」に等しく、すでに現実はマッド・サイエンティストの電極刺激に反応する知覚細胞の幻視に過ぎないのであり、それは我々に突き付けられた形而上学的命題なのだけれど、貴方もまた否定する論理的根拠も反証する思考手段も持たないのだ。
[ピノキオ的世界] 成員の識字率が99%に達しながら情報の意味化ができない体系。メンタルな文盲。
[百家争鳴] ブログなどで自由言論を奨励し不満分子を炙り出したところで一挙に弾圧すること。
[ヒューマノイド] 支配民族による日本民族に対する基本認識および支配根拠。人間モドキ。家畜人。
[ヒューリスティック] 経験的な枠組でしか事物を考察できず、思考作業そのものを忌避する様相。
[非正規社員] 分割統治の一環としてヒエラルヒーの最底辺に固定されたプレカリアート(新貧困層)。
[ヒラリー・クリントン] 「多国籍企業のために戦います!」と宣言した次期米国大統領候補。
[ヒンズー的世界] 資本家→公務員→正社員→非正規社員という身分制によって階級を分化する構想。
<ふ>
・戦慄すべきは歴史的破局に際し一斉に口を閉ざす知識人の群れである。啓蒙のリーダーとなるべき彼らは検証主義を訴え生命の蹂躙を糾弾するのではなく、むしろ真逆に疑似科学を唱道しアンチヒューマニズムを共同するのであり、それはおそらく我々の文化資本の死滅状態である証左なのだ。
[文化蒙昧主義] バラエティ番組などを中心的コンテンツにして民衆の精神を退行させるイズム。
[文明の衝突] 異文明同士の出会い(戦闘)において優れた文明側が勝利するという定理。
[文明のドラッグ] 国民を無知に沈め現実の痛みを麻痺させる新聞テレビの総称。お笑い、バラエティ。
[プレカリアート] 外国人投資家の教唆により量産された派遣労働者などの新貧困層。
<へ>
[平均への回帰] 繁栄と没落を数百年周期で捉えれば、どの民族も大差ないという論理。ゴールトン説。
<ほ>
[報道のナラティブ] 「風評被害」などと問題本質をすり替える新聞テレビの物語的語法。
[放任資本主義] 投資銀行などに好き勝手な投機をさせ、損失が出たら税金で救済する様式。
<め>
[明在系・暗在系] 民間経済(表)と官制経済(裏)によって国家が二重構造化した様相。
<ら>
[ラーゲリ] 旧ソが米国から資金調達するため1500万人もの市民を無賃金労働者として収容した施設。
[ラショナル・フール] 賃下げすると内需が縮小し収益が悪化することを理解できない馬鹿。
<れ>
[隷属地域の中間支配者] 官吏機構、自公政権、新聞テレビ各社などいわゆる植民地の「現地採用組」。
[連続性の虚偽] 国民と移民が総入れ替えになってもニホン国であることに変わりないという詭弁。
[レントシーカー] 外国人からカネをもらい法律を制定する政治家の総称。私益追求者。
・かつてオーウェルは「近代の戦争とはある種のごまかしであり、互いに致命傷を与えない擬制の闘争であり、それは今や外交ではなく純然な内政問題であり、暴力は他国ではなく自国の民衆に向けられる」(要約)と語ったのだが、おおよそ本質はこのパラグラフに集約されるのだと思う。
<や>
[安上がりな福祉国家] 非正規労働者を量産し年金や医療保険などを自己負担させる体系。ミナキズム。
[柔らかい野蛮] 国民の知らないところで政策を決定する日本型独裁。ヒトラー政権が理想とした。
・民族集団は眼前の破局に慄然とするのではなく薄笑いしながらそれを享受するのであり、やがて根拠のない楽観は感染症のように広まり多幸感すらもたらすのだ。それはいわば瀕死の脳が見る臨死体験のファンタジーであり、つまり彼らは肉体の死を迎える以前に精神が滅んでいるのであり、すでにこの体系はファントムパブリック(思考という人間営為の放棄により亡霊化した大衆)の群れなのである。
<ゆ>
[ユートピア] 賃金や税金など企業の応負担を最小化し、投資家利潤の最大化を約束する世界。
<わ>
[わが闘争] 広告代理店や総務省など中央官庁が参照するプロパガンダの実用書。衆愚政治の理論書。
『略奪者のロジック』
響堂雪乃 三五館 2013/2/21
<おそらく真理は清廉よりも、汚穢の中に見出されるのだろう>
<グローバリズム>
・グローバリズムという言葉は極めて抽象的なのだが、つまるところ16世紀から連綿と続く対外膨張エリートの有色人種支配に他ならない。この論理において我々非白人は人間とみなされていないのであり、アステカやインカのインディオと同じく侵略地の労働資源に過ぎないわけだ。
<労働法改正>
・外国人資本家の利益を最大化するため労働法が改正され、労働者の約40%近くが使い捨ての非正規就労者となり、年間30超円規模の賃金が不当に搾取されているのだから、この国の労働市場もコロンブス統治下のエスパニョーラ島と大差ないだろう。
「文明の衝突」においては、優越種が劣等種を滅ぼすという歴史が繰り返されてきたのであり、危機に直面する我々は喫緊の生存戦略を問われている。
<Index Terms>
非正規就労:抑制した人件費を、企業と派遣事業者の利益に付け加えられる手段。
合成の誤謬:搾取が一私企業から全社会領域に波及し、経済が機能不全に陥ること。
Low Cost Slave(低賃金奴隷):経営環境によって賃金を増減するシステムの不可欠要員。
世論合意:メディアの暴力が形成する生活保護費削減の社会的コンセンサス。
竹中平蔵:派遣労働法を改正し、現在は人材派遣会社の会長職を務める元政治家。
円キャリー:年間30兆円ベースで削減した賃金をプールし、国外の投機で運用すること。
消費税:徴収額を多国籍企業と富裕層の減税や還付金などの各種優遇に用いる制度。
トリクルダウン理論:金持ちを優遇すれば景気が上向くという市場原理主義者の詭弁。
ILO(国際労働機関):労働条件の後進性が非難される日本が常任理事国を務める国際団体。
児童人口減少:労働者派遣法改正を要因とした晩婚化によって進捗する社会現象。
プレカリアート:構造改革によって現出したフリーターや非正規社員などの「新貧困層」。
労働者派遣事業:2000年初期から3倍にまで業容を拡大した成長産業のひとつ。
<君が未来を描きたければ、人間の顔を踏みつけるブーツを思い浮かべればいい。ジョージ・オーウェル(イギリスの作家)>
・2012年度の厚生労働省調査によると、非正規労働者30代男性の未婚率は75.6%、正規労働者の30.7%と比較し2.5倍もの差があることが判明。2004年の45.5%から僅か数年で30ポイント増加し、非正規労働者の経済的不安定が未婚化を加速させる様相を浮き彫りにしている。また非正規労働者の未婚・晩婚化は40代でも進行し、前回の25.3%から45.7%へ増加した。加速的な児童減少の原因が、構造改革による労働者派遣法改正であることは明らかだ。
<今日の奴隷ひとりの平均価格は、民主主義が最低レベルにあったと思われる時代に栄えたローマ帝国の価格の10分の1以下である。ロレッタ・ナポレオーニ(イタリアの経済学者)>
・グローバル経済において最下層の国民は最低賃金で雇用され、ゼロ・レイボア・コスト(生産コストにおいて人件費の占める割合が限りなくゼロに近い)を提供するのだが、つまりTPPが席巻するデフレは、人間そのものの低廉化をもたらしている。
<彼らはいい身体つきをしており、見栄えもよく均整がとれている。素晴らしい奴隷になるだろう。クリストファー・コロンブス(イタリアの探検家)>
・構造改革を契機に年収200万円以下のワーキングプアは1000万人に達し、正規雇用が190万人減り、非正規雇用は330万人も増加した試算となる。
・「ワーキング・プアということ自体の確立した定義がないので、どこがワーキングプアとは統計的にはなかなか言えない」などと答弁した。
・行政が貧困や格差問題に無関心であることが明らかだ。
<植民地を会社経営としたのだから、利益の追求が最大目的で、原住民の福祉が眼中にないのは当然である。清水馨八郎(千葉大学名誉教授)>
・97年から07年の間において、日本国企業の売上げに顕著な伸びはなかったが、経常利益は28兆円から53兆円に増加する。これに対し、労働者賃金は222兆円から192兆円に削減されていた。リストラや非正規就労の推進によって抑制された人件費が、そのまま企業と派遣事業者の利益に付け替えられた格好だ。さらに株式配当に対する税率を20%から10%に引き下げる証券優遇税制が延長されたことを受け、労働法の規制緩和を推進した投資集団の利益は倍増、企業群は270兆円規模の内部留保を蓄積した。
<エコノミックヒトマンとは、世界中の国を騙して莫大な金を掠め取る、きわめて高収入の仕事だ。ジョン・パーキンズ(エコノミスト)>
・小泉政権は「対日投資倍増計画」を掲げ、時価会計制度の導入によって企業価格を大幅に引き下げるなど、外国勢力による経済支配を推進したとおり、グローバル資本の実働部隊であったことは語るまでもない。主要企業の過半数株式を制圧した外国人投資家は、労賃の圧縮を求め「労働者派遣法」を改正させたのだが、これにより派遣法のネガティブリストに規定されていた労働種目がすべて解禁され、日本人労働者の実に3分の1が非正規という奴隷階級に転落した。
<インデァスこそ富そのものである。なぜなら、彼らは地を掘り、われらキリスト教徒のパンやその他の糧食を作り、鉱山から黄金を取り出し、人間と荷役動物の労役のすべてをするのが彼らだからだ。クリストファー・コロンブス(イタリアの探検家)>
・経済市場から流通マネーが枯渇しデフレへ発展した要因は、年間30兆円ベースで労働者賃金が削減され、その大半が企業内部留保や配当益となり、プールされた莫大な資本が円キャリーとして持ち出されているためだ。つまり過去10年において労働者が正当に受け取るべき300兆円規模の金が国内外の勢力によって搾取され、国民経済の本質である内需から揮発し、すでに国家は植民地の様相を呈している。
<私は、企業などというものは、そもそも無法者を内在しながら存在すると考えている。宮崎学(作家)>
・構造改革を契機に日経平均株価50%以上も下落し続けていたのだが、この間に主要企業の配当と役員報酬は2倍以上で推移している。つまり「労働者の非正規化は、商品価格の国際競争力維持のためやむを得ない」というのは虚言であり、労働者の逸失した賃金が直接的に企業利益と投資利潤に付け替えられているわけだ。1000万人が年収200万円以下の貧困層に転落する中、労働者派遣法改正により莫大な経常利益を確保した日産自動車のCEOは9億円、投資は平均2憶円の報酬額に達するなど、レッセフェールは社会資本の傾斜配分という歪みを増幅させている。
<君が奴隷であることだ。生まれたときから匂いも味もない牢獄に入れられている。ウォシャスキー兄弟(米国の映画監督)>
・2001年、小泉政権の発足直後に外資比率が50%を超える企業群の政治献金が合法化されているのだが、つまり自民党という政党は国民利益よりもインセンティブを重視し、国民福祉よりも外資利潤を優先する方針を明確に打ち出している。今後は確実にTPPへ批准し、ラテン・アメリカ諸国が挙証するとおり、国民生活の全領域において植民地化が進行するのだろう。
<我々が文明に麻酔をかけたわけだ。でないと持ちこたえられないからだ。だから覚醒させるわけにはいかない。スタニスワフ・レム(ポーランドの作家)>
・経団連グループによる全領域的な社会保障の削減要求とは、ステークホルダーへの傾斜的な利潤配分を目的化しているのであり、粗暴な言説は国家の上部構造として多国籍企業が君臨する構造を浮き彫りにしている。
<派遣労働が低賃金なのは当たり前。気ままに生活して賃金も社員並みというのは理解できない。御手洗富士夫(キャノン会長兼社長)>
・就労者の38%以上が非正規労働者となり、生活不安に脅かされている下層レイヤーに組み込まれているのだが、没落は不測の事態ではなく、企業利潤のため構造化されたものであるといえるだろう。
<対立するものを与えて、それを高みから統治せよ。ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル(ドイツの哲学者)>
・「社会保障費の増大は、生活困難者の自助努力の不足によるものである」というコンセンサスがメディアの暴力によって形成され、大幅な削減が実践されようとしているのだが、そもそも生活保護費は特別会計の1.5%にも満たない額である。OECD加盟国中2位まで上昇した貧困が、労働者派遣法の改正によって構造化されたことは明らかだ。
<「改革で格差が広がったということはない」(竹中平蔵・第6代総務大臣)。>
・生活保護受給者は2003年当時より年間平均8万人ペースで増加しているとおり、その源泉が労働者派遣法改正による労働者の使い捨てであったことは明らかだ。
<政治のイロハも知らない素人が政治家と自称しているのである。マックス・ウェーバー(ドイツの社会学者)>
・小泉純一郎、竹中平蔵らが「多様な雇用形態が成長をもたらす」と主張し、非正規就労を強力に推進したのだが、派遣社員などが将来に要する福祉支援は年間20兆円に達することが明らかとなった。
<格差が出ることが悪いとは思わない。小泉純一郎(第89代内閣総理大臣)。>
・日本国では小泉改革から引き続き、米国を追従する市場原理主義政策が推進されている。2012年、行政府は究極の不公平税である消費税の引き上げを強行したが、教育予算はOECD加盟国中最低を更新中だ。一連の施策においては日本育英会が廃止され、奨学金制度が厳格化されたことから、教育格差による経済格差を固定し、国策として社会流動性を絶つ狙いであると指摘される。
<金持ちを貧乏人にしたところで、貧乏人が金持ちになるわけではない。マーガレット・サッチャー(イギリス史上初の女性首相)>
・世界銀行により貧困は基準化され、「絶対的な貧困者」と「相対的な貧困者」の二つに定義されている。
・「絶対的な貧困者」の人口は95年から20%増加し12億人に達し、世界人口の約50%に相当する30億人が1日2ドル以下で暮らしている。
・なおマーガレット・サッチャーは急進的な市場原理主義改革に着手したが、貧困層は増税となり富裕層は減税となるなど格差は拡大し、内需不足から企業倒産は5倍に達した。
<新自由主義は国民の生存権を憲法上義務付けた福祉国家の解体戦略である。二宮厚美(神戸大学教授)>
・ユニセフの調査によると2012年度の日本国における児童の貧困率は14.9%に達し、OECD加盟35ヵ国中ワースト9位であり、極めて悪化傾向にあることが判明する。
<世界で最も豊かな日本人が、なぜそれをできないのか?ミッシェル・フェルネックス(スイスのバーゼル大学教授)>
・ユニセフのレポートは各国の子育て支援や福祉政策にも言及しているが、日本国の児童福祉にかかわる公的支出はGDP対比1.3%程度、OECD加盟35ヵ国中においてワースト7位であり、市場原理主義の導入により児童の人権が抑圧される構図を示している。
<同じ嘘を何千回・何万回と繰り返せばそれは真実となる。アドルフ・ヒトラー(ナチス・ドイツ総統)>
・2012年、生活保護受給者が212万人を突破したことを受け、爆発的な社会保障支出を危惧する日本国政府は、テレビ媒体を主軸とする宣伝工作を実践した。
・生活保護費の削減を国民合意として、厚生労働省は年間100億円ベースの抑制策を打ち出す、「聖域視せず最大限の効率化を図る」などと、全面的に削減する方針を示したが、抑制された予算が公共事業費へ転用されることから、国民福祉を利権に付け替える行為に過ぎない。
<嘘も100回言えば真実になる。ヨゼフ・ゲッペルス(ナチス・ドイツ宣伝相)>
・竹中平蔵が唱導したトリクルダウン理論とは、富裕層が資産を増やせば、貧困層へも富が波及するという各国においては、富の寡占と傾斜配分が加速したのみであり、貧困層の生活が改善された事例はほとんど見られない。
<恐怖の連続だろ?それが奴隷の一生だ。デーヴィッド・ビープルズ(米国の脚本家)>
・98年、ILO(国際労働機関)新宣言として111号(雇用および職業における差別待遇禁止)、157号(社会保障の権利維持)などが加えられたが、当時の日本は構造改革をひかえ雇用規制の大幅な緩和策を打ち出していたため条約の加盟を見送った。
・ILO常任理事国である日本国の後進性が指摘されている。
<フリーターこそ終身雇用だ。南部靖之(人材派遣会社パソナ社長)>
・プレカリアートとは、「不安定な」と「労働者階級」を組み合わせた造語であり、90年代から急増した非正規就労者など不安定な雇用状況に放置された社会層を意味する。フリーター、パートタイマー、アルバイト、派遣労働者、契約社員、委託労働者から広義には零細自営業者や失業者まで包括され、プロレタリアートにかわる労働者派遣法改正が推進された結果、労働者派遣事業の売上げは2003年度の2兆3614億円から2008年には3倍以上となる7兆7892億円にまで達した。
<汝らは人類であるが、世界の他の国民は人類にあらずして獣類である。(タルムード「ユダヤ経典」の言葉)>
・ユニセフの統計によると、貧困を原因とする栄養不足や衛生悪化により年間平均1400万人の児童が死亡しているが、そのうちIMFや世界銀行の構造調整プログラム(融資条件として、債務国に福祉・教育・医療の切り捨てを迫る)の影響で死亡する児童は600万人に達するという。この数は紛争による年間死亡者数の12倍に達することから、金融勢力による途上国支配がもたらした構造的暴力であるとする見方が強い。
<新自由主義は階級権力の再構築に向けた支配階級の戦略的プロジェクトである。二宮厚美(神戸大学教授)>
・IMF出資国は「市場化と民主化が各国を発展させる」というスローガンを掲げていたが、融資条件に従い改革を行なった途上国社会は悲惨を極めている。世界人口65億人に占める貧困者の割合は1981年当時36%だったが、2000年には40%を突破し、特にアフリカ地域の貧困者は1億6400万人から3億1600万人まで増加。
<国家は、あらゆる立派な職業から弾き出された屑によって統治されている。ジョルジュ・デュアメル(フランスの作家)>
・世界支配のスキームは極めてシンプルであり、国際金融が破綻国家に対し国家主権の委譲を要求する。あるいは米国が傀儡政権を樹立し実質支配の下に国内法を改正する。抑制された社会支出は国庫に集約されるのではなく、各種の優遇税制により多国籍企業へ付与される仕組みだ。
<語るまでもなくプロパガンダには目的がある。しかしこの目的は抜け目なく覆い隠されていなければならない。ヨゼフ・ゲッペルス(ナチス・ドイツ宣伝相)>
・小泉政権を契機に「構造改革」が実践されたのだが、「構造改革」とはもともとIMFが債務国に求める返済計画を意味したイディオムなのであり、社会保障費の削減、労働規制の撤廃、投資の自由化(企業買収の簡易化)をプログラムの支柱として、すなわちフリードマン型経済(市場原理主義)の導入そのものであるわけだ。あらためて小泉内閣とはグローバリストによって編成された経済傭兵集団であり、国民資産あるいは労働者賃金を搾取・集約し譲渡することがミッションであったといえるだろう。
<我々は世界人口の4%を占めているに過ぎないが、世界の富の22%を必要としている。ビル・クリントン(米国第42代大統領>
・構造改革にともない「投資の自由化」が推進され、三角併合、持株会社、減損会計など聞きなれない制度が施行されたのだが、目的は外国人による日本企業買収の規制撤廃に他ならない。いまや株式市場の75%以上が外資による取引であり、外国人の持ち株比率は20年前の15倍に達しているのであり、すでに日本の経済的イニシアティブが解体されているに等しい。現在日本国が推進する市場原理主義の政策群は、90年代にクリントン政権が策定した金融を主体とするヘゲモニープロジェクトなのだから、我々は完全に略奪のプロットに取り込まれているのだと思う。
<誰もが得をする――そんなバカな話があるはずもない。金には必ず出どころがある。ゲイリー・ワイス(米国の作家)>
・2002年から推進される民営化、社会保障費削減、消費税率の引き上げなど構造改革の核心は、IMFが破綻国家に対して要求する「構造調整プログラム」のコンディショナリティ(政策勧告)そのものだ。国債を保有するメガバンクや市中銀行の外資比率が40%に迫ると推定されることから、一連の政策はデフォルトを危惧する外国人投資家の意向を反映したリスクヘッジであるとの見方が強い。すでにゼロ金利政策によって約200兆円の預金者金利が銀行の利益に付け替えられているのだが、それはつまり金融機関優遇であると同時に、国債の保有に対するインセンティブでもあるわけだ。財政規律の腐敗によって国家は外国に干渉され、国民は高額な税負担、預金金利逸失、福祉の後退という三重の負担を強いられている。
<日本を脅したいのなら、穀物の輸出を止めればいい。アール・バッツ(元米国農務長官)>
・2012年、日本が保有する米国債など外貨準備金の為替損失は、復興予算の2倍を上回る50兆円に達した。その前年には原発事故の深刻な汚染実態が顕在化する中、為替介入資金として195兆円を計上し、さらにIMFの資金基盤強化のため10兆円を拠出している。これに対し、東日本大震災の被災者の70%以上が再就職できない状態にもかかわらず失業給付を打ち切るなど、社会資本分配は完全に機能不全だ。国益に反した意思決定を繰り返す事由は、今なお占領統治が継続されている証左であるのだが、今後はTPPの加盟により食糧供給を機略としてさらに外圧が高まるのは必至だろう。
<どんな文化においても、圧制者というのは、まず支配される側の時間の価値を下げることから始める。ステファン・レクトシャッフェン(米国の内科医)>
・グローバル基準を主導する米国もまた、激しい衰退セクターにある。2010年に実施された国勢調査局の報告によると、貧困者数(年間所得が4人世帯で2万1954ドル以下)は4360万人で1959年の調査開始以来最多となり、総人口に対する貧困率は14.3%とワーストを記録した。これは非正規化が推進され、パートタイムなどの不安定雇用が蔓延したことが原因だ。日本国においては「雇用の柔軟化」という名目で200万人規模の労働者が非正規に置換され、民族が誇る1億中流社会は、構造改革から僅か7年余で米国型の格差社会に没落した。
<新自由主義とは経済グローバル化のヘゲモニー的戦略である。ボブ・ジェソップ(イギリスの社会学者)>
・98年には財閥解体が着手され、起亜、双龍、大宇、三星などのグループは事業単位で売却となり、約半数が消滅する。これにより現代が起亜グループを、ダイムラーが双龍グループを、GMが大宇グループを、ルノーが三星グループを取得。
<老人が多く自殺する国は滅ぶ。アドルフ・ヒトラー(ナチス・ドイツ総統)>
・IMFが推進した政策により対韓国投資は200億ドル規模にまで膨張したが、労働市場の改革とともに年功序列賃金や終身雇用制度は廃止された。これにより相対貧困率はOECD加盟国中6位、高齢者の貧困率は45%まで悪化し1位となる。またIMFの改革プログラムに同期して韓国の自殺率は急上昇し、2010年のWHO統計ではOECD加盟国中1位を記録した。
<政治家は羊の毛を刈り、政治屋は皮をはぐ。マイケル・オマリー(米国の作家)>
・1992年には価格自由化が追い討ちをかけ、2万5000%のハイパーインフレによってロシア国民は貯蓄を喪失する。50%が貧困に貧困に転落する最中においても国営企業の民営化は間断なく推進され、オルガリッヒ(新興財閥)と多国籍資本は公共資本の私物化を完成した。
<業績予測は占星術をまっとうに見せるための詭弁のようなものだ。バートン・マルキール(米国の経済学者)>
・1994年、ノーベル経済学賞の受賞者であるマイロン・ショールズとロバート・マートンらはヘッジファンドLTCMを設立した。その後は年平均40%以上という高利回りを叩き出し、運用額は1000億ドルを突破するが、アジア通貨危機とロシア財政危機によって業績は暗転する。ロシアのデフォルトを100万年に3回とシミュレーションしていたことが致命傷となり、最終的に機関投資家の損失は1兆円を上回った。なお、ショールズとマートンはその後サブプライム理論を提唱し、さらに米国経済の破綻を加速させている。