日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

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白色テロの時代、蒋経国が亡くなる1988年までに死刑やリンチを受けて迫害された人は14万人にものぼるという。近年の台湾のマスメディアでは、20万人という数字が通常語られている。(3)

 

ローン返済をめぐる自殺も多発

・2019年3月1日、中国の最高人民法院は「2013~2018年 中国裁判所司法改革白書」を発表した。それによると、2018年までに「誠信制度」でブラックリストに入れられた「老頼」の人数は、なんと1288万人にも達しているという。

 また、前述した河北省の裁判所のウェブサイトでは、2018年末までに借金を返済できず、飛行機の利用を禁止されたのは延べ1746万人以上、高速鉄道の利用を禁止されたのは延べ547万人で、351万人がこうした罰則を回避するために返済義務を履行したと報告されている。

 

・ローン返済に悩んだ末、自殺する者も増えており、「ロイター」(2017年9月30日付)は、オンライン貸金業者から金を借りた学生が返済不能になり、自殺するケースが増えていると報じている。

 また、住宅ローンに関連する自殺者についても、政府系の新聞がその深刻さについて報道している。

 

住宅をもたない者の就職は厳しい

・住宅価格が暴騰し、貸し出しが鈍り、返済不能の債務者が急増する、この現象は、住宅ローンに苦しむ家庭の増加を意味している。

 また、「公積金報告」では公積金制度加入者の9割が平均年収レベルで、返済能力が低く、違約のおそれが十分にあると報告している。

 中国では住宅ローンに苦しむ者も多いが、マイホームをもたない者も再就職や転職が難しい。会社側からいつでも仕事を辞めていく不安定な人間だと疑われるからである。

 住宅ローンの返済が不能になれば、住宅を失い、かつての貧乏な生活に戻ってしまう。生活苦のうえにメンツも潰れ、自殺を図る人が多くなるわけである。

 現在の中国不動産の時価総額は43兆ドル(あるいは65兆ドルとも)見積もられ、これはGDPの4倍である。1990年代、日本のバブル崩壊前夜、東京の不動産の時価総額は東京のGDPの2倍でしかなかった。

 たとえば北京のマンションを例にすると、平均的収入の家庭では夫婦二人で3カ月働いた収入でようやく買える面積は、たった1平方メートルしかない。それほど高価なのだ。

 中国の不動産バブルがいかに異常かわかるだろう

 

失業手当は少なく、企業破産法さえもない

・中国では、政府所轄の職業安定所はあるものの、ほとんど機能していない。社員募集の情報はなく、職員の対応もお粗末である。ネットワークの構築ができておらず、就職斡旋はあまり重視されていないようだ。

 ある調査によれば、失業者で職業安定所に行く者は100人のうち1人だけだという。職員の学歴は高卒までで、大卒者がいない。

 失業手当はあるものの、その額は非常に少ない。支給額は地域の最低賃金の8割程度だ。最低賃金(全国平均)はおよそ月額1500元だから、失業手当は1200元くらいだ。1人分の1カ月の食事代を賄える程度で、家族を養うことまでは無理である。

 しかも、自己都合で会社を辞めた場合は失業手当がもらえない。

 生活保護の制度はあるものの、存在していないに等しい。体の不具合などで働けず、さらに親戚もおらず住む場所もないような場合にしか対象にならない。このような極端なケースは都会部には少ないうえ、支給額も数百元と少ないのである。

 

企業破産法は理屈上はあるものの、それも存在していないに等しい。というのは、現行の企業破産法の実施対象は国有企業のみであり、民営企業や外資系企業などが除外されているからである。

 中国では、民営企業が企業全体の8割も占めるようになっている。にもかかわらず、これらの企業が法律適用対象外にあるとすれば、法律の存在意義そのものが疑われる。

 中国では民営企業の社長の自殺事件がよく報じられている。印象だが、住宅ローン返済をめぐる自殺件数より数倍も多いような気がする。

 民営企業の経営者にとって、とくに資金繰りが厳しくなっている。もちろん建て前上は銀行から借り入れできることになっているが、実際は銀行の融資先のほとんどは国有企業だ。民営企業にはいろいろ理由をつけて貸し渋る。

 

呉英裁判の衝撃

・また、融資を受けられる3割の民営企業にしても、資格審査や手続きが厳しくて、結局、大手の民営企業かつ役人とのパイプをもつものだけしか認められない。

 そのために、大多数の中小民営企業は地下金融、すなわち民間資金の借り入れに頼っているのが現状である。

 しかし、2007年に起こった「本色集団」の呉英社長の逮捕事件は、民営企業ばかりでなく、多くの国民にかなり大きい衝撃を与えた。民間資金を借り入れた呉英社長が「金融詐欺罪」に問われて死刑を言い渡されたからだった。あまりにもひどすぎる判決だった。

 中国では民間借款が禁止されているわけではないが、合法か違法かは検察側の思惑次第で、判定基準が矛盾だらけなのだ。

 中国では数千人という不特定多数の投資家から高利を餌に巨額の資金を騙し取った犯罪で、犯人が死刑になった司法案件があったが、呉英社長の場合は知り合い11人から借金しただけで、しかも彼らから詐欺の被害届が出されたわけでもなかった。

 このようなひどい判決が出た裏には、呉英社長の財産をねらっている腐敗役人の存在があるといわれている。

 

・その一方で、腐敗役人らが暗躍し、地下の闇金融組織を牛耳って暴利を貪っている。

 呉英社長は逃亡もしていないし、会社も破産していない。金を借りたことだけで死刑判決が出たことに国民はまったく納得せず、全国で呉英社長を応援するキャンペーンが繰り広げられた。結局、死刑判決は再審により見直され、死刑執行猶予から、無期懲役を経て、最終的に懲役25年という判決が2018年3月に出た。この決定まで10年の歳月が費やされていた。一方、呉英社長は無罪を訴えて上訴しつづけている。

 

P2P詐欺をめぐって

・中国ではP2P金融も大変な社会問題となっており、家庭崩壊や自殺事件が相次いでいる。

 P2P金融とはネット上の金融で、好リターンを条件に民間から資金を集め、それを中小企業や個人の借り手に高金利で融資する金融業者のことである。

 

中国医療保険制度の重大な欠陥

・2019年3月の第13期全人代では、李克強首相が政府活動報告で医療制度改革にふれ、「できるだけ早く糖尿病、高血圧などの一般疾病を治療する薬を医療保険制度に入れるよう努力する」と語った。

 世界2位の経済大国である中国だが、現状では多くの病気の治療が医療保険制度に含まれていない。

 国民の健康がどのくらい保障されているかということは、一国の実力や国民の幸福度につながることだ。日本で長年暮らしていた筆者は、日本の国民皆保険制度については馴染みが深い。健康保険組合の種類などに違いはあっても、日本の保険制度はシステムとしては統一されている。

 一方、筆者が中国の医療システムについて調べると、その複雑さや不透明さにめまいがするほどだ。

 中国では医療体制が農村部と都市部によって異なるし、都市部でもそれぞれ違っている。個人負担額など規定は複雑で、はっきりと答えられる人がほとんどいない。

 

・これにより、制度としてはほとんどの国民がカバーされることとなり、中国政府は2020年までに、全国民に保険制度を提供することを目標としている。

 だが、これはあくまで建て前上のことであり、現実とはかなり乖離している

 

高すぎる医療費

このように中国の医療保険制度は不備や不平等、不合理な部分が多い。日本ではほとんどの疾病が健康保険で治療を受けられ、すべての地域で統一された医療保険制度が実施されているが、中国はまだまだ立ち遅れている状態である。だから、中国人の多くが北京、上海、広州、深圳など医療条件の優れている都市へ押しかけて都市戸籍を取ろうとするのである。

 一方、中国の医療費は高すぎて、自己負担が重すぎるという苦情も跡を絶たない。歯の治療でも抜歯や差し歯程度で2万~3万元(約30万~45万円)、胃潰瘍の手術で10万~20万元、がん治療など大きな手術となると30万~50万元もかかる。日本のような高額療養費支給制度が実施されていないために、一般家庭にとっては医療費の支出がかなりきつい

 大きな手術を受けるのに必要な金がないため、テレビやネットを通じて助けを求める人がよくいる。とくに子供が重病にかかったケースなどは非常にかわいそうで、政府が責任をもって対処すべきことだと思うが、現実は厳しい。

 

少ない医療予算は役人がほぼ独占

・これまでの話をまとめれば、中国では個人も企業も破産法が確立しておらず、国民の健康を守るための社会保険制度も不完全なものとなっている。

 経営も家計も健康も、セーフティネットがない状態で国民生活が不安定化しているのだ

 そこへ米中貿易戦争がのしかかり、中国経済の衰退がさらに加速することで、国民生活はかつてない危機に巻き込まれようとしている。

 

・一方、中国の役人の厚遇が、国民から批判されている。

 2015年の数字だが、当時の国家歳入は10兆元に達しているものの、医療予算はわずか2000億元だった。少なすぎる。

 日本の場合、2019年の税収は60兆円超であるのに対して、医療関連予算は34兆円とされ、半分以上があてられている。アメリカなどほかの先進国でも、およそ同様な割合で予算が組まれている。

 中国では2000億元の医療予算のうち、1600億元は数百万人にも及ぶといわれる公務員や役人幹部のためのもので、14億の民に使われるのは残りの400億元だけだとされる。1人あたり約30元という悲惨な金額である。

 

それでも中国が崩壊しない理由

・このような社会保障の不備に米中貿易戦争が加わることで、中国は「崩壊」してしまうのだろうか。

 近年の破綻国家といえばベネズエラがあげられるだろう。ベネズエラでは、デノミで経済が完全に麻痺状態となり、仕事を失った人びとは家に引きこもり、1日数千人の難民が国外脱出している。

 

いずれ中国も、ベネズエラのような国家崩壊状態になるのだろうか。日本でもそのように予測する識者がいるが、筆者はそうならないと思う。その理由は以下のとおりだ。

①  中国では各地方の格差が大きい。公務員の給料が出ないほど財政が逼迫しているところもあれば、まるで外国の都市にいると錯覚させるほど豊かなところもある。だから、1カ所がだめになったにしても、すぐに全体が崩れてしまうわけではない

 そのうえ、経済発展に必要な工業生産システムは健在しており、戦争によって破壊されて麻痺状態になったわけではない。

②  社会福祉や国民の自由度が低いなど、社会統治のコストが低い。公安の安定維持費が高いという説があるが、高額な社会福祉予算を組むことに比べれば低い。

③  外貨準備高が十分にある。中国の外貨準備高の額については疑問視されることも多いが、とくに破綻は見えていない。

④  社会・国民への監視は厳しく、政権を脅かすような暴動の兆しがあれば、すぐに対応・改善する態勢が整っている。

⑤  海外在住の華人からの投資などによる中国国内への送金が多い。

⑥  外国資本の進出は完全にとまっているわけではない。

無人探査機、AI、5G通信、キャッシュレスシステムなど、いくつか

の領域において中国のハイテク技術が先行しており、イノベーションが進み、国際的な競争力が強まっている。

⑦  一般国民、とくに農家は国家転覆や外国人による政治介入はほとんど望んでいない。

⑧  西側諸国も中国の崩壊を望んでいない。経済の相互依存が進んでいるグローバル時代の現在、よほどのことがなければ相手国を崩壊させることは自分の利益にも合わない。自分の首を絞めることに等しい。そこが冷戦時代のソ連崩壊とは異なる点だ。

 

 中国人のあいだでは、「中国は政府が美化しているような美しい国でもなければ、外国人がさんざん貶めるような汚い国でもない」という言葉がはやっているが、そのとおりだと思う。

 

子供の誘拐事件が多発

・中国では子供の誘拐事件が多発しているが、被害の実態については正確な情報がない。民間では毎年20万人にのぼる子供が行方不明になっているといわれるが、政府系の新聞は年間100人くらいだろうと、まったくケタの違う情報を伝えている。だが、報告されない事件もあり、筆者は毎年少なくとも数万人の子供が誘拐されているだろうと推測している。

 長らく一人っ子政策を実施してきた中国では、1人以上産むと罰金を科されるために、親が出生届けを出さずに無戸籍となっている子供たちが数多くいる。彼らは「黒孩子(ヘイハイツ)」と呼ばれており、中国国家統計局の2010年の調査では、その数は約1300万人となっている。

 こうした子供たちは、人知れず人身売買や誘拐の対象になっていることが少なくない。違法なかたちで生まれ、戸籍もないため、誘拐されても警察当局に届け出ることができないからだ。

 

・家族の誰かが必ず毎日子供を学校に送り、迎えにくるというように、大人が付き添っていないと教師も安心できない。だから、日本の子供が1人で登下校することは、多くの中国人家庭から羨ましがられている。

 

電光掲示板で幼児虐待防止

・中国では公立の幼稚園が足りないため、ほとんどの幼児が私立の幼稚園に通っている。一概には言えないが、私立の幼稚園は学費が高いうえ、教員による幼児虐待が多発して社会問題になっている。

 

農家の生活を見れば、その国の経済がわかる

・中国に行けば世界旅行ができるというジョークがある。中東のようなイスラム教圏の地域、ヨーロッパのような歴史ある街、ニューヨークやシリコンバレーのような最先端シティなど、中国各地を歩けばすべて体験できるという意味である。

 しかし、中国には、アフリカにも劣らないほどの貧困地域もたくさんある。人口の約9割が貧困生活を強いられているからだ。

 

<9割近くの農家は生活が貧困>

・もちろん、中国の農村部にも、比較的裕福なところもあれば、貧しいところもある。だが、基本的に7~9割近くの農家はまだまだ貧しい。子供や老人を除いて、家族全員が出稼ぎに行かなければならないのが現状であり、農業だけで生きていけるというのは、神話に等しい話だ。

 

・ただし、南方であろうと北方であろうと、農民の収入は出稼ぎに頼っている。出稼ぎに行かなければ、金は極端に少なくなる。もっとも、出稼ぎ先では、いろいろな身分的制限があり、不公平に取り扱われることが多い。

 

中国でいちばん小さな役職が中国一の金持ち

基本的に、農村では村長が村を管理しており、村の財産の用途や配分について絶大な権利をもっている。そのため、汚職事件が跡を絶たない。

 筆者が貧困地区を訪れた際、農民と話をしたことがある。

 農家には、病気、子どもの教育、凶作など心配事がたくさんあるが、何よりも恐れているのは村の役人の汚職である。村民は毎年、村の運営費を出しているが、役人の汚職によって自分たちの血と汗の結晶が水の泡となるのではないかと、毎日、不安に思っている。ネットで検索すれば、村役人の汚職に関しておびたただし数のニュースが出てくる。

 だから、中国には、「村長は中国でいちばん小さい役職だが、中国一の富豪だ」という言葉まである。農村には一見すると何もないようだが、山や川の使用権など、利用価値のある宝物がたくさん隠れている。村長はこうした財産をすべて思いのまま支配しているのである。

 

農村にはびこる汚職の手口

村の役人の汚職には、おもに八つのルートがある。

①  土地徴用賠償金

②  地方発展助成金

③  老朽化住宅改築助成金

④  村道建設助成金

⑤  貧困家庭生活補助金

⑥  山、川、荒地などを勝手に第三者に売買して、莫大な利益を獲得する。

⑦  特定プロジェクト助成金

⑧  農機購入補助金

 

⑥を除いて、補助金については必ず村の役人を経由する。このことが汚職の温床となっているのだ。

 

村長制度が撤廃される?

・ところで、集団所有制の変革はしばらく望めないものの、村の権力者である村長のポストがこれから撤廃されるという噂が立っている。2018年の年末から取り沙汰されているが、中央政府による公式見解や政策発表はまだ出ていない。

 ただし、ネット上では関連文章が急増し、民間から支持の声が上がっている。いままで村長の権力があまりに大きすぎて、汚職し放題だったため、国民から強い反感を買っているからだ。

 

「中国模式」という幻

・中国模式とは、中国人にしかできない独自の発展モデル、発展基準、発展方式を指しており、これがあるからこそ、中国は西側先進国が歩んできた長い道のりを短時間で立派に走り抜くことができたのだという。

 中国人は、何でも独自に事を運ぶのが好きな民族である。

 

・中国が急速に発展した理由として、毛沢東時代の極端な圧政が終了し、国民にビジネスをする自由空間が広がったことなど、いろいろとあげられるだろうが、筆者にいわせれば、中国経済発展のエネルギー源となったのは、ただ一つ、安い労働力だ

 大量で、安い労働力が中国に存在していた。それを支えていたのは、農民工という集団である。

 

・中国では労働法が定められているが、現実には、工場の経営者が法規、法律を遵守しようとせず、政府の労働部門も法に基づく監督をほとんどしていない。理由は、彼らが農民工だからである。農民工は臨時工の身分であり、無視されてもかまわないような存在なのだ。

 

法治国家には「中国模式」が似合わない

農民工の現状は、いまでも昔のままだ。実は、中国では、改革開放後に現れた農民工の後に、もう一つ、「都市部農民工」ともいうべき大軍が現れた。彼らはもともと農民ではなく、国有企業の労働者であった。

 1998年、当時の国務院総理、朱鎔基は、国有企業に近代的な管理制度を導入するとして、4000万人ともいわれる労働者の早期退職政策に踏み込んだ。

 その4000万人の労働者のほとんどが40代、50代の中年世代で、仕事を失った彼らは家族を養うために給料の低い町工場で働かざるをえなかった。技術系の労働者が多かったので、行き詰っていた中国経済の活性化に大きな力を発揮した。

 

深刻な農民工への賃金未払い問題

・最近、筆者が読んでいる本に『中国農民工40年』というものがある。非常に勉強になる一方、悲しくなる内容だ。

 著者は盛明富といい、元「工人日報」新聞社の総編集長である。農民工誕生の歴史、生存状況、社会的差別、奴隷的扱い、過酷な労働環境、戸籍問題、都市化と農民など、40年にわたる農民工の生活ぶりや社会環境の変遷を克明にレポートしている。いままで筆者が読んだ関連書籍のなかではいちばんの良心作だと思う。

 そのなかで、印象的かつ衝撃的だったのは、農民工の賃金未払い問題である。もうとっくに解決されたと思っていたが、話が全然違っていた。

 

 

 

『ついに中国で始まった大崩壊の真実』

急落する経済と社会混乱の実態を現地から衝撃報告

邱海涛      徳間書店  2015/7/24

 

 

 

<株も土地も大暴落、年金破綻、無法がまかり通り、AIIB、外交、国内政治も大波乱>

<経済崩壊で好戦的気運が高まる中国>

・2015年4月25日付の「経済観察報」は、東莞市が第2次企業倒産ブームに見舞われていることを報じている。工場閉鎖が大量に相次ぎ、この1年で少なくとも4000社が倒産に追い込まれた。2008年から2012年までの5年間で、東莞市ではなんと計7万2000社が倒産し、数百万人の労働者が失業に追い込まれた。

 

実体経済の崩落が止まらない>

・中国の景気が落ち込み始めたのは2008年からであった。

 

・企業の生産も鈍い。2015年4月の工業生産は前年同月比5.9%増だった。伸び率は同年3月より0.3ポイント改善したが、8%超だった2014年の通年の水準を大きく下回る。4月の乗用車の生産台数は11.2%減と2008年12月以来の2桁の減少幅となった。石炭、粗鋼、板ガラスなど、設備過剰が目立つ業界の生産量も前年割れが続いている。

 要するに、景気悪化が加速し、企業の経営が苦しく、ほとんどの企業は利益をあげられず、重大な危機に直面しているということである。

 

<40年前の生活水準に戻る中国>

・GDPが相当に上がらないと、社会福祉も国民生活への保障なども消えてなくなってしまうからだ。

 かつては、そのために必要なGDP成長率は8%といわれ、「保八(8%を維持する)」が絶対条件だとされていたが、もはやそれを唱える政府関係者や学者はいない。無理だからだ。

 平たく言えば、工場からの製品出荷が鈍り、デパートには買い物客の姿が見られなくなるということである。生産も消費も激減する。成長率4%とは、40年前の生活水準に逆戻りするということを意味する。

 

<2015年の「3つの重大事件」から始まる中国崩壊>

・まず2015年だが、中国では3つの重大事件が起こると予測されている。それは、次のようなものだ。

  1. 理財商品のデフォルト

 

・中国の経済学者、李迅雷は2013年に、「これから2、3年のうちに、中国には全面的な経済危機が起こる。不動産市場が一番危険な火薬庫だ」と警告したことがある。

 彼によると、中国銀行の貸付総額のうちの約30%は不動産市場に流れ込み、地方政府の財政収入のうちの約30%は土地と絡んでいる。そのために、いったん不動産や土地の価格が下落すると、中国経済が崩壊しかねないという。彼の予言は現実味を帯びてきている。

 

・②労働人口減による激震リスク

 2つ目の重大事件は、2015年から中国の生産年齢人口が急減し始めることである。毎年400万人近くの労働力が失われ、経済発展に大きな打撃を与える。人件費の高騰が予想され、成長率の失速が避けられそうもない。

 一人っ子政策のつけが回ってきたのが原因であろう。2014年から一人っ子政策が見直されたが、もう遅すぎるのは明らかである。これから20年間は逆転の望みがまったくない。

  1. 日中関係は重要な節目を迎えるのか

3つめの重大事件は、2015年8月に中ロ共同主催の「世界反ファシスト戦争勝利70周年記念行事」が行われることだ。同時に、中国では抗日戦争勝利70周年を迎え、中国国民の反日感情が高まり、反日行事が各地で行われるであろう。

 

<2016年の「第13次5カ年計画」が中国経済に波乱に輪をかける>

・2016年は、中国の「第13次5カ年計画」が始まる初年度である。第13次5カ年計画にどんな内容が盛り込まれるかを大いに注目したい。

 

・実際、5ヵ年計画は宣伝されているような完備無欠で信頼性の高いものではなく、いままでも問題点がいろいろ指摘されている。

 たとえば、設定された目標が達成できなかったことはよくあった。1991年の5ヵ年計画では、教育支出予算の目標をGDPの4%と定めたが、それは十数年連続で達成できなかった。やっと実現させることができたのは、20年も経ってからである。

 

・しかし、問題が1つある。それは、2016年から始まる第13次5ヵ年計画を策定する際、李首相は現実路線を踏襲しにくい状況に陥る可能性があるということだ。

 その理由は、第13次5ヵ年計画の期間には、大変重要なイベントと重要な時期が控えているからだ。重要なイベントとは、次のようなものだ。

・2017年 中国共産党第19回全国代表大会(党大会)

・2019年 中華人民共和国建国70周年

 そして、2021年には中国共産党誕生100周年にあたるが、その前年の2020年まで継続していた第13次5ヵ年計画の成果が、改めて問われることになる。

 

<2017年に起こる政治体制の激変>

・最終的にどうなるかは、大会が開かれてからしかわからないが、中国共産党第19回党大会では改革派(共青団派)が党の中核に大いに躍進するのはほぼ間違いない。

 もっとも、この党大会を睨んで、2017年に入ると、各地方で大規模な開発ラッシュが始まるだろう。借金してでも巨大なプロジェクトを建設する。地方と地方との背伸び競争が激しくなる。というのも、ポスト昇進のチャンスだからだ。

 

・GDPの伸びを役人の評価基準とすることは害が大きく、見直すべきだと声があがっているが、世の中はそう簡単に変わらない。何よりGDPのほうが一番はっきりと見える実績だからだ。

 

<「1国2制度」が限界となった香港は捨てられる>

・サービス業の対外開放、規制緩和など、数多い経済改革のテスト措置の中で、もっとも重要なものが金融の改革開放であり、成功すれば、上海は国際金融センターとしての基盤づくりができることになる。核心となるのは、資本移動の開放と預金金利の自由化であり、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への早期参画も目論んでいる。

 もし、これが成功すれば、香港は完全に孤立させられ、没落していくだろう。