日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

コンタクティやチャネラーの情報を集めています。森羅万象も!UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象といわれます。

日本は今、独自のコロナ・パンデミック対抗薬を開発すると同時に、次の第二次生物化学兵器攻撃対策を立てておくことである。(4)

 

中国の米国企業買収、95%減

・惨状がくっきりと数字に出てきた。

 中国の米国企業買収が、実に95%減っていた。まさに「トランプ効果」は激甚である。付随してアメリカへの中国人留学生、客員学者、交換教授ら4000名が「スパイ容疑」の摘発を恐れたのか、そそくさと中国へ帰国していたことも判明した。

 ハイテクを米国から取得(「盗取」ともいうが)するために派遣された学者、研究者、教授、学生らに対して米国はビザ審査を厳しくした。滞在延長が認められないばかりか、いったん帰国した中国人の米国留学組の再入国に対してもビザ審査がより厳格化された。

 中国人留学生は数十万人に達するが、これをのぞいた客員派遣の学者、交換教授ら4000名(奨励金が14万500ドルから72万ドルの幅で供与された)が米国から帰国したのだ。これは2018年12月1日に「自殺」した張首晟スタンフォード大学教授が運営していた「ホライゾン・キャピタル」とかの面妖な財団が象徴するように、スパイ養成、ハイテク泥棒のダミー、表向きの看板がシンクタンクを偽装していた。

 

対米投資激減の余波

・米国のシンクタンクAEIの報告によれば、中国の対外投資は数字統計でも激減している。

 これを裏付けるのが、海外不動産の売却、旅行客への外貨持ち出し制限などで顕著な動きである。

 

・安邦生命はNYの老舗ウォルドルフ・アストリア・ホテルやニュージャージー州のトランプタワーなどを売却、海航集団はドイツ銀行ヒルトンホテルチェーンの株式を売却、万達集団は全米の映画館チェーン売却、ハリウッド映画製作会社買収を断念した。ほかの売却、ドル確保の事案は枚挙に暇がない。

 

・「2018年上半期だけで中国企業の504万社が倒産し、失業は200万人上乗せされた。農民工の失業が740万人と言われるから上半期だけで1000万人が新たな失業に加わった」

 この数字、中国の公式統計には発表されるはずがないが、ついで「財新網」(同年11月28日)で「求人広告が202万件、消えた」とした。深刻な事態ではない、崩壊前夜である。

 企業が人手不足を嘆いた時代はとうに去り、求人欄が募集を告示すると公務員など、地方政府の過疎村の役場の一人の募集にも数千人が押しかけるというではないか。とうとう全人代では「1100万人の失業者対策」が発表された。

 

四中全会を開催できない習近平の狼狽

トランプ大統領はこうやって基礎固めを十全に行ったうえで中国からの輸入品に10%から25%の高関税をかける米中貿易戦争を始めた。

 米国の経済をいびつにした貿易赤字改善のため中国からの輸入品に高関税を課し、ハイテク・スパイの摘発強化、米国ハイテク企業の買収禁止、不動産取得制限とビザ発行の規制強化、ファーウェイとZTEの完全な締め出し。こうなれば米中対決はもはや抜き差しならない状態である。

 

中国と無理心中か、ソフトバンクの迷走

・なぜなら孫正義が中国アリババの筆頭株主であるうえ、地上局にファーウェイのいかなる製品も使用しない、市場からの排除を決めており、周回遅れで日本政府もこれに倣うとした。

 ソフトバンクは有利子負債が13兆円を超えている。中国の「三大借金王」=海航集団、万達集団、そして安邦生命と同様な借金漬け体質である。

 それゆえチャイナ・リスクがもろにソフトバンクの株価に悪影響を与え、経営の屋台骨を震撼させて市場からは不評、反発という想定外の反応となった。この醜態は以後の日経平均を押し下げ、近未来に株価再沸騰という薔薇色のシナリオは消えた。

 

借金地獄も止められない中国の鉄道建設

・数字の誤魔化しも現界に達し、国有企業の資金繰りができなくなり、失業者が街に溢れ、物価は上昇し、政府への不満は高まる。だから無理矢理の公共事業を続行せざるを得なくなる。

 中国の新幹線の延長工事、2019年も拡大させ、邦貨換算で13兆円を投入する。日本の公共投資全額の2倍ほどが、新幹線だけに投じられることになる。

 

・この無謀とも発狂的とも言える鉄道建設は、借金地獄をさらに悪性のスパイラルへ向かって暴走、突進を続けさせる。中国全土に幽霊都市を建設して業界を存続させてきたように、国有企業の中国鉄道建設と系列の企業群の延命だけが目的だったのか。

 2005年から積もりに積もった累積赤字78兆円というのは、日本の旧国鉄の赤字の3倍強であり、この新幹線のプロジェクトの暴走ぶり一つを例にしても、近未来に起こるであろう、恐怖のシナリオが見えてくる。なぜ、こんな赤字体質をさらに肥大化させるような愚劣なプロジェクトを中国の執権党が続けるのか。

 第一は景気浮揚のため、プロジェクト継続という至上命令がある。

 

・第二に海外の新幹線受注は一部入札を競り落としていても、ベネズエラでは正式に中止、マレーシアは20%で中断、ラオスは国境付近のみ。インドネシアは用地買収ができず着工にも至らず、タイは青写真のまま、ベトナムはそっぽを向き、とどのつまり、海外が駄目なら内需で凌ぐしかない。

 

期待外れに終わったミャンマーの「シルクロード

中国人の「アキレス腱」

・中国のアキレス健は集約すると二つのポイントが指摘できる。

第一は自給自足ができないという生存にとって死活的な要因を欠く脆弱性、つまりエネルギーと食料の自給ができない。米国からの穀物輸入が途絶えると、食肉も養豚の配合飼料もままならない。逆にアメリカは原油もガスも食料も自給できるという圧倒的な強みがある。そのうえ水の問題がある。

 第二は中国人そのものが持つ特質、エゴイズムと拝金主義が、生来の性格、DNAに折り重なって独特な人生観を持つという特徴である。

 中国人は宗族第一という特徴がある

 

・こういう意識が根底に残存している以上、戦争はコストとか、国家の名誉とは表看板、レトリックでしかなく、一族の利益を守るためには「すり替え」として戦争を始める危険性は常にあるのだ。

 

韓国経済は中国より先に破綻する

主力の半導体輸出の急落、自動車、造船も駄目

・韓国経済は、ほぼ沈没である。

 景気悪化が確実視されるや、文在寅大統領は財閥との対決姿勢を唐突に和らげ、雇用増大に繋げようと必死の懐柔作戦に切り替えた。

 なんと財閥解体を叫んでいた文政権が、政治環境が変わるや、180度向きを変えて、財閥トップを青瓦台に呼び出し、景気減速懸念、協調路線に転換するという「離れ業」を演じた。

 

韓国の宿痾とされる失業がさらに拡大すれば文在寅政権の支持率は急減、支持基盤の極左革新系は失望を表明するが、背に腹は替えられないというところだ。

 まして大統領最側近だった金慶洙慶尚南道知事が世論操作による業務妨害の罪で有罪判決を受けた。大統領の長女一家がマレーシアに移住(事実上の亡命)していた事実も露見し、メディアが報じたため、さらに人気急落となった。

 

・韓国銀行は2019年のGDP成長率を2.6%と予測したが、「甘い、甘い」という声が巷に満ちている。

 なにしろ韓国の輸出の4分の1を占めた半導体が「失速」したのだサムスン電子が売り上げの39%激減、SKハイニックスが32%減! 半導体に代替しうる成長株は見あたらない。また輸出先シェアで30%だった中国経済に暗雲がたれ込み、回復の可能性はほとんどなくなっている。ちなみに日本の対中輸出は17%減少した。

 

そして2018年度、現代自動車は営業利益47%の減少となって、現代自動車に部品を納入している下請けメーカーは悲鳴を挙げるトヨタカンバン方式よろしく、必要なときに必要な部品と必要な部署へ。つまり下請け、孫請けとの連携作業が重要なうえ、親方は下請け孫請けの面倒をみるべきだろうが、日本のような経営風土はない。

 第一次部品メーカーは850社、第二次部品メーカーは300社。そして第三次が5000社となって、上のメーカーからの受注が減れば、突然経営を圧迫し、資金繰りが苦しくなる。実際に大手部品メーカー数社が経営破綻し、会社更生法を申請した。このため部品の供給が間に合わないケースが頻発した。日頃の下請けイジメが激しいため反発も拡がる。

 

現代自動車がバカ売れしていた時代には米国、日本、ドイツについで韓国車が世界シェア4位だった。いまは昔日の面影もなく、中国に抜かれ、インドに抜かれ、18年にはメキシコに抜かれて7位に転落した。先行きは真っ黒と言える。

 

・韓国の造船はどうかというと世界一の座に変わりがないが、これは政府支援策によるところが大きい。

 

・米国は対中技術輸出に厳格な規制を導入したことは何回も述べた。この運用次第では対中輸出が困難になる。

 

<レーダー照射事件の本質は「瀬取り」の隠蔽>

・我が自衛隊機へのレーダー照射事件は、日韓関係をさらに悪化させているが、どうやら「瀬取り」の現場を見られたからのようだ。

 韓国政府が2018年1月から11月まで石油精製品388トンを国連に届けをしないまま、北朝鮮側に持ち込んでいたことが分かった。

 裏切りは日常茶飯、さしたる驚きでもないが、ひそかに北朝鮮を支援する韓国の遣り方は世界に不信感を与えた。

 

中韓が崩壊寸前なのに「移民法」を可決する日本

・元警視庁通訳捜査官だった坂東忠信『移民戦争』(青林堂)によれば、明日にも発生しそうな中国と韓国からの大量難民に如何に対応するかを議論している。だが、我が国政府は「移民を増やす」と珍紛漢極まりない危険な方向で入管法を改正した。

 欧州でいま起きていることを対岸の火事として高みの見物、明日は我が身という警戒心は希薄であり、移民法入管法改正)があっという間に国会で成立したことに保守の政治家はほとんど抵抗を示さなかった。

 安倍政権をどちらかといえば支持してきた多くの保守層が、見限った瞬間である

 

中国経済の大転落、韓国は政情不安、北朝鮮との統一を恐怖する韓国民は「脱北者」ではなく、「脱南者」となって、蝗の大群のように対馬から北九州、山口に押し寄せるだろう。間違いなく中国の断末魔がいずれ100万の難民を発生させるだろうし、しかも多くが偽装難民であろう。しかし日本政府にはいやな未来への対策がない。

 

韓国経済よりも深刻な台湾

スマホの売り上げ急減で韓国サムスンはふらふらだが、もっと深刻なのが台湾だ。

 

台湾に傾斜するトランプ、賭けに出る習近平

・これほどまでに台湾に肩入れしている米国政権だが、対応する台湾の政治が迷走中である。

 

・トランプ政権は「中国は一つであるという原則には拘らない」と政権発足直後からアナウンスし、直後には台北の米国事務所(事実上の米大使館)を北京の大使館と同様に宏大な規模として新築し、海兵隊が警備する措置をとった。

 

中国発金融危機に備えよ

5G戦争で分断される世界

・米国はファーウェイを「スパイ機関」と認定し、排撃し、同盟国へ同調を促したが、さて地上局とインフラをファーウェイからほかのメーカーに変更とするとなると、関連施設からケーブルなど下部構造システムも変更することになり付帯工事は費用が3~4割程度かさ上げされることになる。それでも「ファイブ・アイズ」(米・英・豪・加・NZ)ならびに日・独・仏などのEU制裁は、米主導の安全保障の見地から排除するのは当然な流れにしても、発展途上国はそうはいかない

 

「次の金融危機は「従来型」ではない」

・そのロゴフ教授が英紙『ガーディアン』(2019年2月5日)に寄稿し、次の金融市場を警告した。このコラムには「金融危機は間もなくやってくる」とセンセーショナルなタイトルが冠せられた。

 とくにソブリン・デフォルト(国債の破綻)が起こると持論を展開しており、EUのギリシア危機はなんとか回避できたが、次にイタリア、スぺインが控えている。欧米の経済学者はアジアに目を向けることが少ないが、世界経済の過半をにぎるアジアにおいて、ソブリン・デフォルトの危機は中国、パキスタンスリランカに忍び寄っている。

「2008年の金融危機リーマンショック)からようやく回復をみた世界経済だが、政治家のいうように『当時より安全なシステムが機能している』という状況は、英国のBREXIT、米国はトランプ政治などの混乱が加わって、確実性は不透明となり、さらには2010年の『ドッド・フランク法』の成立によって金融システムが脅かされても金融機関の救済は禁止されているからだ」とロゴフ教授は訴える。

 

・「従来型ではなく、ハッカーによる市場攻撃という不確実性と、主要各国の金利政策が突如異変(世界が一斉に高金利)に陥ったときに、金融危機が起こる」とロゴフ教授は警告した。

 

 

 

『中国大破綻』

ついに「失われた20年」に突入する

宮崎正弘     PHP研究所   2015/2/5

 

 

 

軍事クーデターの可能性が、中国の政変シナリオで一番高い

・秦、漢、隋、唐、宋、元、明、清、そして中華民国中華人民共和国と「王朝」は変遷しても本質は変わらず、王朝末期には新興宗教が猖獗を極め、末法思想が流行する。

 金持ちは資金財産を海外へ逃がし、富の偏在に不満を持つ農民は怨念を爆発させて一揆に走り、全土に暴動が拡がって社会騒乱が招来され、これを千載一遇のチャンスととらえる軍閥が奇襲的なクーデターをやらかすか、近衛兵が裏切る。

 

・王朝が瓦解すると、新しい権力者は前王朝一族を皆殺しにする。中華四千年の歴史は、いずれも同じパターンを繰り返してきた。

 共産革命後、毛沢東が生きていた時でさえ、林彪は軍事クーデターを企てた。毛沢東死後の4人組の追放劇は、華国鋒が事実上の軍事クーデターを起こして江青以下を失脚させた。

その後の鄧小平といえども、華国鋒追放に際しては軍の主流派を動かした。まさに同じパターンの繰り返しである。

 

・であるとすれば、次のシナリオは“民主革命”とか、“アラブの春”のネット革命などの机上の空論は別として、暴動、一揆に手がつけられなくなって社会騒乱が大混乱の極みに達したとき、支配者は海外へ逃げる、というもの。そして北京を守る部隊か、北京に近い瀋陽あたりの部隊が軍事クーデターに打って出るというシナリオが一番、可能性が高い。だから筆者などは、政治権力闘争の表舞台よりも軍の動きに注視している。

 

強い日本が、劇的にアジアを変貌させてゆく

・これからのアジアはもっと劇的に変貌し、同時に中国経済の失速と低迷が始まるだろう。かくして中国は昏睡状態に陥り、「失われる20年」がやってくる。

 こう見てくるとこれからの中国はいったい、どうなるか?

経済的には、この小冊で縷々述べてきたように不動産バブルの崩壊が本格化し、銀行の天文学的な不良債権が露呈する。世界経済を巻き込む大混乱が惹起される可能性が高く、中国経済はその後、「失われる20年」を迎えることになる。

 政治的には習近平の権力基盤が固まるかに見えて、権力闘争はかえって激化し、共産党中枢が「土砂崩れ」を起こす危険性のほうが高い。

 

・第一に反腐敗キャンペーンの影響で失脚、左遷された旧江沢民人脈から思わぬ反撃に遭遇するリスクがある。

 

・第二に長老の李鵬ら電力利権を持つ守旧派習近平に協力的ではない。

 

・第三に軍は「いつでも戦争の準備をせよ」と号令され、綱紀粛清、宴会禁止となって楽しみが奪われたため習を逆恨みしている。そのうえ江沢民派だった徐才厚郭伯雄の失脚により、200名近い軍の上層部が失脚、あるいは左遷され、軍の士気は愕然となるほどに弛緩した。一部の跳ね返り組はステルス機を飛ばしたり、南シナ海尖閣諸島付近で無謀な行動を取る。悪例の典型は、習近平がインドを訪問したその日に、インド国境の紛争地に軍が侵攻し、習近平のメンツを潰したことだ。習近平が軍を抑えていない何よりの証拠だろう。

 

・第四に「連立」を組む団派(共産主義青年団)との関係がしっくりせず、むしろ団派が軍を迎えつつある。

 

・他方、社会的には治安の悪化、テロ事件の頻発、農民暴動、企業従業員の山猫ストなどに加えて大気汚染、食品衛生の悪化、あまつさえ共産党幹部らの大金を持っての海外逃亡が頻発し、人民元高による輸出不振はいずれ経済構造を困窮化させる。過剰設備の再編も遅れがちで、こうした複合的要素が重なるためGDPはマイナスに転落するだろう。

 米国の学者も2016年に中国は昏睡状態に陥ると予測しているが、そろそろ習近平政権の基幹が空洞化し、権力構造に異変が起きるリスクが濃厚になっている。

 したがって中国は、これから「失われる20年」(いや、30年?)を迎えざるをえなくなるのである。

 

 

 

『私たちは中国が世界で一番幸せな国だと思っていた』

わが青春の現代史

石平 × 矢板明夫   ビジネス社    2018/6/4

 

 

 

真実を伝えることが中国への恩返し

・(矢板)「いまの中国は、世界2位の経済大国になった。しかし、一部の特権階級を除き、ほとんどの中国人は幸せになっていない」というのが、新聞記者として十年北京に駐在した実感なのである。

 私の少年時代もいまも、中国で一党独裁体制が続き、それによって虐げられ、不幸のどん底にいる庶民はあまりにも多すぎる。

 

・「金があったとき、海外に移民すればよかった」と何度もつぶやいた徐氏。別れ際、「何も悪いことをしなくても地獄に突き落とされることがある。この国では金持ちも貧乏人も、夜は安心して眠れない」ともらしたことが印象的だった。

 

情報統制で自分の親戚が餓死したことも秘匿された

・(石平)私が生まれたのは1962年で、実はまだ大多数の人民は飢饉に苦しんでいました。毛沢東の大躍進が失敗に終わった後の数年間、中国では推計3000万~4000万という餓死者が出ました。当時、私の両親は四川省成都でともに大学で教鞭をとっていましたが、都市部に暮らす人たちはほとんど肉類を口にしたことがなく、最低限の食料しか配給されていなかったようです。

 

残酷にも文革で別々の農場に下放された父と母

・(石平)しかも残酷なのは、父と母は別々の農場に下放された。一緒に生活させないわけです。だから私と妹にはすごい年齢差がある。どうしてかというと、父親は下放された8年間、母親に会うことすらできず、指一本触れられなかったわけですから、それどころではなかった(笑)。

 両親ともに下放され、大学から追放されたけれど、それでもまだ幸せなほうでした。大半の知識人は吊し上げられ、半殺しの目に遭わされ、殴り殺された人も少なくなかった。

 

配給豚肉のために10時間並ぶのが都会の生活

・(石平)私の周囲の場合、新しい服をつくってもらえるのは大体年に1回でした。靴は穴が2、3個空くまでは穿きつぶしていたという記憶があります。

 

・私が物心ついたころは、たしか肉は1週間に1回も食べられなかった記憶があります。1ヵ月に1回か、2ヵ月に1回くらい。しかもそのころの中国はまだ完全な統制経済化にありました。

 私は1974年、12歳のときに田舎から成都に戻ってきたのですが、都市住民は食料については糧票(配布券)を配布されていました。要するに、一人ひとりが1月に食べる米とか、食料の量を政府が決めていた。

 

人民公社に収奪され農民なのに食べ物がない

・(矢板)その点はいまでも変わらないですね。田舎で病気になったら、寝て直すのが常識、要するに獣と一緒です。医療費はべらぼうに高くなっている。

 石平さんが話された糧票は、私の子供のころにも、食べ物を買うときには全部必要でした。

 

・なぜ食料をつくっている当の農民たちに食料が足りないのだろうか?当時私はずっとそれを不思議に思っていたのですが、全部政府に奪われてしまうから足りないわけで、ひどい理不尽さを感じます。

 

大飢饉は凶作でなく“人災”

・(石平)大飢饉は凶作が原因だったのではありません。人災です。

 農作物の収穫期が来て中央に申告するとき、ある地方の幹部が「自分たちのところはノルマの3倍を達成した」と過剰申告すると、隣接地区の幹部は「いやいや、うちは4倍を達成した」とその上をゆく過剰申告で対抗したのです。バカバカしい話ですが、その結果、虚偽の収穫量は、最終的に普段の年の30倍以上になってしまった。

 もちろん、実際の収穫量は平年並みでしかない。つまり申告の30分の1でしかないので、その皺寄せはすべて農民が被ることになり、農村で餓死者が続出した。だから、本当は凶作で大飢饉になったわけではなかったのです。地方幹部たちが生産量を過剰申告したために起きた人災による大飢饉でした。

 

3人兄弟でズボン1つ、5人家族で布団が1組

・(石平)1軒しかないため祖父の診療所には、患者はずいぶん遠いところからもきていました。みな農民でお金がないから診療代は食料で払った。鶏とかアヒルを携えて診療を受けにきていたのです。だから、われわれ3人家族は豊かで食べ物には困りませんでした。

 

毛沢東がつくった恐怖の27年間

毛沢東に使い捨てにされた紅衛兵の悲劇

文革後、都市部の失業問題は深刻でした。多くの若者に就職口がなかったのですが、もちろん、そのなかには紅衛兵も含まれていた。毛沢東にとって紅衛兵はあくまでも劉少奇を打倒するための道具でしかなかった。そうでしょう。毎日都市部でうろうろして何をやりだすかわからないわけですから。

 かといって、紅衛兵には就職口はない。そこで、共産党は彼ら全員を農村に追い出すことを考え出した。それが、いわゆる「下放」です。

 

親も先生も子どもと一緒に大学受験

・(石平)中国の若者たちは10年にわたり、将来を奪われ続けました。ようやく大学の統一試験が復活したのが1977年。この大学統一試験が面白かった。10代、20代、30代、40代がみんな一斉に試験を受けたのです(笑)。10年間分の受験者が溜まっていたから、父親と息子が一緒に試験を受けるといったケースもありました。

 

日本の政治家が超一流?

・(矢板)中国には2000年前に老子という道教を説いた日本でも有名な思想家がいますが、「政治家には三流の政治家、二流の政治家、一流の政治家がある」と書いているのです。三流の政治家は恐怖政治を行っている。すぐに粛清に走るので、国民はいつも戦々恐々としながら、国が収まっていると。

 二流の政治家とは、国民に感謝される政治家。この人のおかげで自分たちはやってこられたと感謝される政治家です。でも、それも所詮は二流なのだと老子は説いています。

 そして、一流の政治家とは、国民に馬鹿にされる政治家であるというわけです。まさに老子的な発想です。要するに「あいつはただの飾りで税金泥棒だ。自分たちが頑張っているから、いまの自分たちの幸せがあるのだ」とすべての人民にそう思わせるような政治家こそが一流だというわけです。

 

反革命分子」として処刑されたゴミ拾いの老婆

・(石平)一人のゴミ拾いのお婆さんがどうして「反革命分子」なのかというと、実は彼女はある日、毛主席の顔写真を印刷した新聞紙を使って、ゴミ捨て場から拾った大根を包んだのですが、そんな些細なことで「反毛主席」の大罪に問われたのでした。

 そして数日後、このお婆さんはトラックに乗せられて、町中を一巡して市民たちの見せしめになったあとに、処刑場に引きずり出され、銃殺されました。

 

人間の心の「悪魔」を利用した毛沢東

(石平)矢板さんが先にふれたノーベル平和賞劉暁波が自伝のようなものを書いています。彼が子供のとき、悪い分子にされた実父を仲間の少年たちと一緒にいじめたのだと。

 彼曰く、結局自分たちの心のなかにもそういう「悪魔」が棲みついている。毛沢東はそうした人間の心の悪魔を利用して、さらにそれを助長して、初めて文化大革命を仕組んだ。

 

祝日直前に必ず行われた公開処刑が民衆のストレス発散

矢板)私も小学生の時、「公判大会」と称する公開処刑によく動員されました。人民裁判が行われる体育館に、学校の芸術鑑賞みたいな感じで集められて、反革命分子が死刑判決を宣告されるまでの一部始終を眺めていました。

 中国では死刑を言い渡された人間は、その日のうちに執行、公開で銃殺されるのです。まず市内をトラックで一周します。受刑者の横に名前と罪状が書かれた看板を立てられ、処刑を意味する赤いマジックで×を書かれ、市民に見せしめます。私たち子供は自転車で追いかけていき、最後までこれを見届けるのです。

 

・(石平)文革中は共産党創立記念日メーデー国慶節、元旦などの祝日の直前には、全国各地の大小都市で必ず「公判大会」が開催されました。祝日前に殺人祭典が恒例となっていたのです。

 

・(矢板)普段、民衆は娯楽が何もないわけです。映画も面白くないし、歌も中共賛美みたいなものばかりでつまらない。公判大会は民衆の一種、ストレス発散をさせる場でもありました。

 

処刑者の頭数確保のために生まれた「悪攻罪」

・(石平)逆に言えば、当時の政権は敵が存在するから処刑するのではなく、恒例化してきた殺人ショーで処刑するためにその犠牲となる人員の確保を迫られた。

 確保に躍起になったのは各都市の「革命委員会」でした。1949年に共産党政権が樹立して以来、嵐のような「鎮圧運動」や「粛清運動」が連続的に行われてきた結果、「反革命分子」はすでに根こそぎ処刑してきました。

 

・たとえば、当時流行っていた「悪攻罪」は、すなわち「毛主席に対する悪辣な攻撃の罪」の拡大解釈によって発明された。明確な表現で毛沢東共産党を非難するのはもちろん立派な悪攻罪になるのですが、拡大解釈が進むと、毛沢東の政策や政治スタイルにほんの少し疑問や不信感を呈するだけでも、悪攻罪として認定されるのです。

 

習近平政権になって公開処刑が復活

・(矢板)本章の最後に日本人がぞっとする話をしたいと思います。

 この公開処刑は、鄧小平時代にいったんなくなったのですが、最近、習近平政権になってから復活しています。やはり、恐怖政治は効くのですね。習近平の政治手法は完全に毛沢東と同じです。もう人権的な発想はまったくありません。

 死刑囚の処刑法は銃殺なのですが、残酷なのはその銃弾の費用を家族に請求するのです。けっこう高くて、1発3元します。ときどき1発で亡くならない人に何発も撃つと、家族にとっては大きな経済負担になるのです。

(石平)私はこれまで何度も中国共産党政権の残酷さについて日本人に警鐘を乱打してきましたが、これまで話してきたように、私たち自身が全体主義の恐怖を身をもって体験してきたから言うのです。しかしその恐怖を知らない日本人に本当の意味で伝えるのは難しいかもしれません。

 

80年代に中国を夢中にさせた日本の大衆文化

・(石平)しかし、中国が日本に求めたのはそれだけではなかったのです。大衆文化がそうでした。実際に80年代に中国で風靡して、中国人に大きな影響を与えたのは、実はハリウッド、アメリカではなくて日本だった。それをわれわれの世代は身をもって体験しました。

 どういうことかというと、それまで中国が経験してきた文化大革命毛沢東の死去、改革開放時代には大衆文化が皆無だったわけです。

 

・数え切れないほど多くの日本の映画が翻訳されて、上映された。たとえば日本ではそんなに大した映画ではないけれど、高倉健主演の北海道を舞台にした『君よ憤怒の河を渉れ』(中国題『追捕』)はすごい映画でした。

 あるいは山口百恵のテレビドラマ『赤いシリーズ』。中国人は初めて人間的な世界にふれたわけで、本当に新鮮な刺激を受けた。さらに日本の歌が入ってきて、続けてアニメガ入ってきて、中国人を夢中にさせた。

 

中国人の若い女性の憧れとなった高倉健

・(石平)たしかに映画『君よ憤怒の河を渉れ』は大ヒットしたけれど、もう一つの大ヒット映画は『遥かなる山の叫び声』(中国題『遠山的呼喚』)で、高倉健主演で山田洋二監督でした。

 

・また、この映画2作で、主演の高倉健は80年代を通して、中国の若い女性たちの憧れの的になった。

 矢板さんは覚えていないかもしれないけれど、あの当時の中国人の男はたいがい貧乏だったので、若い女性の恋人を選ぶ一番の条件は、実は背の高さだった。基本的に身長が175センチ以上ないと相手にされない。

 

中国政府からお墨付きを与えられた山口百恵

・(石平)われわれの世代でも、ご飯を食べているときに80年代の日本文化の話になると、みんな驚くほど日本人スターやアイドルの名前を覚えていて、場が盛り上がるのです。

 当時、高倉健倍賞千恵子山口百恵を知らない中国人はいなかったといっていい。日本の総理大臣は誰も知らなくても。

 

民衆の不満を吸収してきた経済成長

・(矢板)これから国際政治的にもさまざまあるでしょう。少なくともトランプ政権は基本的に現金しか認めないというような内向きです。これから本格的に米中貿易摩擦が激化してくると、中国の経済成長を支えてきた外国からの投資、海外への輸出が壊滅的な打撃を受ける可能性があります。

 そうなったときに次なる経済成長の柱を見つけることが中国の最大の課題です。けれども、習近平の能力ではそれも絶望的でしょう。

 

中国の経済状況は確実に悪化している

・(矢板「中国崩壊説の崩壊」は常に言われており、最近は「いや、いっこうに崩壊しないではないか」と崩壊論に批判的なメディアやジャーナリストも多いですが、経済状況は確実に悪くなっています。

 老人がいて高血圧、糖尿病、心臓病などすべての病気を抱えている。にもかかわらず。毎日タバコを吸ったり、徹夜で麻雀を打ったり、大酒を飲んだり、体に悪いことばかりしているのが中国経済だと、私はずっと書き続けています。

 症状は確実に悪化している。「でも、まだ死なないではないか」と指摘をされても、これは誰にもわかりません。

 

・ところが、それが徐々に変わり、私が帰国するまえに受けた相談は、「中国から撤退したいのだけれど、全然お金を持ち出せない。どうすればいいのか」でした。もはや誰も中国に投資する気などない。

 

中国の経済成長を支える柱にはなり得ない「一帯一路」

幻となった李克強首相のリコノミクス

・(石平)けれども、政治体制の問題で、李克強は経済運営で主導権を握れず、リコノミクスは始まってもいないのに終わってしまった。

 矢板さんが指摘したように、国内の不動産投資、公共事業投資、要するに固定資産投資はすべて飽和状態、頭打ちとなっています。最後に中国がもし望みをかけるならば、内需拡大です。

 しかし、内需拡大もそう簡単に実現するわけがない。貧富の格差があれほど拡大すると、唯一内需拡大できる方法はかつての薄熙来路線しかないでしょう。薄熙来は「打黒」政策でマフィアのみならず、金持ちを一掃し、彼らの財産を没収、重慶市の財政収入にして貧乏人のための福祉住宅を建設した。もちろん、人気取りのためです。

 習近平も金持ちからお金を奪い取って、貧困層に再分配すれば、一気に内需拡大ができるかもしれない。

矢板仮に「打黒」をしても、中国経済は回復しないでしょう。私有財産の保証がなければ、怖くて誰も中国でビジネスができない。

 

習近平はそういう薄熙来的な手法を全国で展開するくらいしか、思いつかない。しょせんそれが習近平の限界なのです。

 

習近平の下で事実上幕を閉じた集団指導体制

・(石平)今年(2018年)から習近平は「掃黒除悪」のスローガンを掲げ、黒社会と呼ばれるマフィアなど犯罪集団の全国的な取り締まりに乗り出しています。期間は3年間。薄熙来の「打黒」に対して習近平は「掃黒」、マフィアを一掃だから、さらにすごい。

 ただし、マフィアをやっつけるのに3年間もかからない。明らかに狙いは民間企業の経営者の財布です。

 中国のことわざで言えば、「殺鶏取卵。卵が欲しくて鶏を殺して卵を取る」。そんなことを3年もやったら、中国経済はさらに駄目になるのは火を見るより明らかでしょう。

 

経済活動を凍らせた反腐敗キャンペーン

いまは誰も賄賂を受け取らず、誰も仕事をしない時代

・(矢板)たしか2、3年前に起きたのは北京市の工商局、ここは新しい企業が設立されると営業許可証を出すところなのですが、それを1年ほど発行していなかった。新たな申請がたくさん来ているのに、発行していない。

 発行して万が一何か問題が起きたときに自分の責任にされるからです。発行しない言い訳に「紙がない」と言い張って、発行しないわけです(笑)。