<世界の技術はアメリカの大学が改革する>
・最近の国連の教育白書は世界で最も優秀な20の大学のうち、17はアメリカの大学であると指摘している。
・こうした大学が中心となってアメリカの産業技術を開発している。アメリカ技術の中核は大学であるという事ができる。アメリカの最先端の技術センターとも言えるシリコンバレーを支えているのは、スタンフォード大学とその周辺の大企業である。
・ハーバード大学は自らの政治力で議会を動かし、企業に働きかけて資金を集めている。そういった大学の在り方と企業とのかかわりが、アメリカの大学を技術ネットワークの中心的な存在にしているのである。このネットワークがアメリカの技術を常に革新し拡大し続けている。
『私の第七艦隊』
日高義樹 集英社インターナショナル 2008/9
・本書は「第七艦隊番」として取材してきた著者の40年にわたる記録
であると同時に、第七艦隊と日本の将来を描くものである。
・アメリカ海軍の最高責任者であるラフヘッド海軍総司令官は、今後アメリカの水上艦艇をすべて原子力にしたいと考えている。
・アメリカ海軍のハイテク化は、おそるべき勢いで進んでいる。
・空母を中心とする機動艦隊のほかにアメリカ海軍は、ソビエトと冷戦を戦っていた時に作り上げたげた潜水艦隊をほぼすべて中国に対してふりむけている。太平洋のアメリカ艦隊は、中国をいつでも攻撃する態勢をとっている。
アメリカ海軍は歴史的に、潜水艦隊については秘密にしている。その戦略や戦術についてほとんど明らかにすることはなかった。
<中国の資源戦略とアメリカがぶつかる>
・中国は資源不足とりわけ石油不足に真正面に取り組んでいる。中国の将来だけを考えて世界の石油を独占しようと考えているが、そうした姿勢は当然、世界経済全体を考えるアメリカとは正面衝突することになる。
・私のいるハドソン研究所の石油専門家は、これからも石油の値段が上がりつづけると予測し、1バレル250ドルになれば、「石油の時代が終わる」と考えている。250ドルというのは、メキシコ湾や太平洋の底から石油を採掘するために要する費用をもとに算出した値段である。
こうした極限の状態が生じるのは2020年前後、いまから10年先のことになるという。いまや世界は本格的な石油不足、資源不足の時代に入ろうとしているが、資源をめぐるアメリカの世界戦略と中国の世界戦略の衝突はすでに始まっている。
・中国には現在、11カ所の原子力発電所があるが、2020年までにさらに150ヵ所の原子力発電所を建設する計画である。ウランが大量に必要になるが、中国はすでにウランの獲得合戦に全力をあげている。
<中国は能力を超えて軍事力を拡大している>
・「中国は自らの国力を無視して、無理に軍事力を拡大している」
・中国はまたサイバー兵器の拡大にも力を入れている。アメリカをはじめ日本など、世界の国々のサイバーシステムや国防ネットワークに損害を与えようとしている。
・「沖縄は完全に中国の中近距離ミサイルの射程内にある。中国はいつでもアメリカ海兵隊の基地を攻撃することができる。台湾で緊張状態が起きた場合、アメリカ海兵隊が応援に駆けつけようとすれば当然のことながら攻撃対象になるであろう」
<中国軍はアメリカにはかなわない>
・そうしたアメリカでいま中国に関わる二つの新しい状況が起きていることに注目しなければならない。一つはアメリカの人々が中国をますます嫌いになっていることである。そしてもう一つは、中国を対象とする新しい軍事戦略が「テロリストに対する戦い」にかわって、展開されようとしていることだ。
・こうした中国の人々のあまりにも自分勝手な態度に、アメリカの人びとは中国嫌いになり始めている。最近のアメリカの世論調査を見ると、あらゆる世論調査で70パーセントから90パーセントの人びとが「中国は嫌いだ」と述べている。中国に対するアメリカ人のロマンチックな幻想は完全に消え失せたのである。
・これまで「中国という眠れる獅子を起こすな」と言われてきたが、起き上がった中国という獅子は恐るべき軍事国家アメリカの正面切っての挑戦に直面することになった。中国は自らしかけた資源戦争のための軍事力強化が裏目に出て、自滅への道を歩み始めた。
<中国は自滅する>
・中国共産党体制が崩壊して国家体制がいつ崩れ去るか分からないという危機にある。国家崩壊が起きるかどうかではなく、「いつ」崩壊するかが焦点になって来ている。オリンピックが終わってますます自己肥大した若者や中国軍の責任者が中国を大国だと思い込んで台湾を合併し、
チベット人やウイグル族をさらに弾圧するようなことになれば、アメリカをはじめ世界は中国に対抗して動かざるをえなくなる。
・中国が長期間にわたって台湾海峡を封鎖し、日本と韓国という世界経済の3分の1を占める大経済地帯を活動不能に陥れることになれば、アメリカはもちろん国連も世界の各国も対策に動かざるをえなくなる。中国はそうした西側の動きに対抗するためにすでに見たように異常なスピ―ドで軍事力を強化し、いまやアメリカの空母にまで脅威を及ぼそうとしている。
・これはまさに「恐怖の均衡」と呼ばれる軍事的な動きである。どちらが先に手を出すかが注目されるが、中国の若者たちや軍人の常軌を逸した思い上がりようから見るかぎり、胡錦濤や温家宝といった中国の指導者に、彼らを説得する力があるように思えない。
・「中国は大国である」と思い込んでいるこうした中国人たちは、オリンピックを主催した報酬として、台湾を手に入れるのは当然だと考えている。チベットの人々を弾圧して国内体制を強化するのも当たり前だと思っている。
・ますます傲慢になる中国に正面から対抗する力を持っている国はアメリカだけである。国連は中国に取り込まれて何の助けにもならない。アメリカが断固とした態度をとらないかぎりアメリカの存在そのものが疑われる。私は中国が台湾海峡を封鎖するようなことがあれば、アメリカは核兵器の行使を含めて全力をあげて中国にぶつかることになるだろうと思っている。
<中国は軍事上のアメリカの敵だ>
・ブッシュ政権の首脳はアメリカが中国の経済を大切にし、中国をパートナーとして扱おうとしていることを隠そうとはしない。だがはっきりしているのは、軍事的には中国を敵であると考えていることだ。
アメリカはこのことを口にはしない。口にすれば中国との関係が緊張し、経済関係に影響を及ぼすと懸念しているからだ。だがブッシュ政権が行っていることを仔細に分析すれば、中国を軍事的には敵と見なし、経済の問題とは切り離そうとしていることは明らかだ。
・ブッシュ政権は中国に対してダブルスタンダード、つまり二つの基準をもって接しているのである。
「中国は経済面ではアメリカの友達であり、いっぽう軍事的にはアメリカの敵だ」
こうはっきりと明言しなければならないところだが、軍事的対決ということになれば、経済関係が阻害されるのは当然で、アメリカ政府としては、ことをうやむやにしておきたいと考えている。
・ブッシュ政権の、経済的には中国政府と協力し、軍事的には敵対するという政策は中国の軍事的な影響が劇的に世界に広まることを妨げているが、基本的には13億という国民を抱えた中国の政府が多くの人々を苦しめ、世界貿易を阻害しているという事態を良くするためにはまったく役だっていない。
・ブッシュ政権は中国の軍事力開発をおさえることが、中国の共産主義体制を壊すことにつながると考えている。
『<インターネット情報から>2014/5/20』
アメリカ司法省は、中国人民解放軍の将校5人がアメリカを代表する企業のコンピューターに違法に侵入して情報を盗み取ったとして、5人を産業スパイなどの罪で起訴しました。
起訴されたのは、上海に拠点を置く中国人民解放軍の「61398部隊」に所属する5人の将校です。
アメリカ司法省によりますと、5人は2006年頃から先月までに、大手原発メーカーの「ウェスチングハウス・エレクトリック」や大手鉄鋼メーカーの「USスチール」をはじめとする6つの企業などのコンピューターに違法に侵入し、情報を盗み取ったとして、産業スパイなど31の罪に問われています。
ワシントンで19日、記者会見したホルダー司法長官は、5人の将校が中国の国有企業などのために産業情報を盗み取っていたと指摘したうえで、「盗まれた情報の範囲は広範囲にわたっており、強い対応が求められる。アメリカ政府は、アメリカ企業に対する破壊行為を許すことはできない」と述べ、中国軍の対応を非難しました。
起訴を受けて、FBI=連邦捜査局は、5人の名前と顔写真をホームページ上に載せて情報の提供を呼びかけており、アメリカ政府は今後、5人の身柄の引き渡しを中国政府に求めるものとみられます。
中国外務省は談話を発表し、「アメリカによるねつ造だ」と反発したうえで、「アメリカがインターネットを通じて海外の首脳や企業に関する情報を盗んでいたことは世界各国から非難されている」と反論しています。
アメリカ政府は、これまで中国当局によるサイバー攻撃に強い懸念を示し、去年も首脳会談や両国の閣僚が安全保障や経済などの課題を話し合う戦略経済対話で、やめるよう求めてきましたが、アメリカ通商代表部は先月30日に公表した報告書で、中国によるサイバー攻撃が依然続いているとして重大な懸念だと指摘していました。
『米中軍事同盟が始まる』 アメリカはいつまで日本を守るか
<2012年、オバマ大統領が再選されれば・・・・>
・オバマ大統領はアメリカ国民の30数パーセントを占めるようになった黒人とヒスパニック系の支持を背景に、ブッシュ前大統領の極端に右寄りの政策に反発した白人グループの支持をとりつけて、ホワイトハウス入りを果たした。
・だが再選を目標としながら、オバマ大統領は公約を果たすために、これからも「アメリカを変える」という方針に従ってアメリカの仕組みを変え続けるだろう。
・オバマ大統領は官僚や労働組合員を使って、アメリカを完全な資本主義から日本のような社会主義的色彩の強い社会体制に変えようとしている。オバマ大統領は、2008年の金融危機が行き過ぎた資本主義の金儲け主義から起きたと考えている。このため、アメリカの体制を労働組合主義と社会主義的なものに変えようとしているのである。
・オバマ政権の首脳は、ほとんどが中国派である、ということはアメリカ的な金儲け主義よりは労働組合主義、官僚主義、社会主義を信奉する人々が多いということになる。中国がオバマ大統領の再選を心から願うのは当然である。
<インド、パキスタン核戦争が始まる>
・パキスタンの中心になっている情報局戦略本部は、インドとの戦いにすべてを捧げてきたグループである。そこへアフガニスタンでアメリカとともに行動をともにしてきた人々が加われば、このグループは間違いなく拡大する。
・核兵器を管理している情報局戦略本部が勢力を拡大し、平和主義的な民間勢力を押しやるとともに、民族主義的な動きを強めるインドにとっては重大な脅威になる。つまりアフガニスタンの崩壊は、そのままインドの脅威につながり南西アジアに混乱と危険をもたらす。
・ここで突如として星雲のごとく、核戦争の不安が姿を現す。カシミールをめぐるパキスタンとインドの紛争はいまだに解決していない。「カシミールの帰属は住民投票を実施して決めるべきだ」とするインドの立場は、依然として真っ向から対立している。
・カシミールをめぐる紛争には宗教と言う厄介な問題もからんでいるためカシミールをめぐって3回の全面戦争を戦ったが、それだけでなく何回か武力衝突を繰り返している。
・いまやパキスタンもインドも核兵器を保有している。カシミールを巡って再び深刻な武力衝突が起きれば、敗戦の屈辱を雪ごうとパキスタンがインドに核兵器による先制攻撃をかける恐れはないといえない。アメリカはアフガニスタンで敗退すれば、影響力を一挙に失い、パキスタンの民族主義的な軍部を抑えることはできなくなるだろう。
・インドも座してパキスタンの先制攻撃を待つつもりはないに違いない。懸念が生じれば核戦争の原則どおり、インドも先制攻撃に踏み切るだろう。どちらの攻撃が先になるにしろ、インドとパキスタン間で、核戦争が始まる恐れは十分にある。
<パキスタンで大混乱が始まる>
・オバマ大統領がアフガニスタンのアメリカ軍を増強しようがしまいが、アメリカの戦争は失敗する。アルカイダが住民の中に溶け込んでいるからである。
・「アフガニスタンの人々は占領軍に強く反発する。アメリカ軍の数が増えれば、アフガニスタンの人々のすべてが抵抗を始める」
・これまでアフガニスタンを占領した軍隊は、アレキサンダー大王の遠征軍、イギリス軍、それにソビエト軍だが、アフガニスタン人の強硬な抵抗に逢って、ことごとく撤退を余儀なくされた。
・「オバマ大統領のアフガニスタン戦争」は、ほどなく敗北に終わるが、短い間にしろアメリカ軍を助けた多くのアフガニスタン人がいる。カイザル大統領とその政権、さらには新しくアフガニスタン軍や警察に入った人々は、報復を恐れて外へ逃げ出さざるをえない。
・アフガニスタンの政治家や軍人、警察官が逃げ出す先は、隣の国しかないと思われる。
・パキスタンは、これまで大統領や政治家の暗殺が何度も起きている。政治的に極めて不安定な国である。アフガニスタンから大勢の政治家や軍人、警察官たちが逃げ込んでくれば、パキスタンは深刻な政治的混乱に陥り、中東だけでなく世界中に大きな影響を与えるだろう。
『最終目標は天皇の処刑』 中国「日本解放工作の恐るべき全貌」
<中国の一自治区>
・私がこの本を通して一番警告したいことは日本がチベットの二の舞となって中国の一自治区とならないように、ということです。
・中国では世界最大規模の400万人の武装警察、つまり治安維持専用の軍隊が13億人の人々を鵜の目鷹の目で監視しています。
・日本は一日も早く、自らに課している憲法9条を始め、非核3原則、武器輸出3原則などの制約を取り払う時期に来ていると思います。法というものは、今の社会に生きている人たちのためにあるはずです。時代の変化によって矛盾が生じたら速やかに見直すのが当然でしょう。
・今、アメリカや東南アジアの国々が中国の脅威にどれだけ神経を遣っているかということに注目すべきです。
・私は、中国に侵略されたチベットの亡命難民として、40年間この日本で過ごしました。それだけに中国の悪意や謀略が手に取るようにわかります。
・まずは、恫喝する、そして相手が弱腰なら儲けもの、毅然とした態度に出られたらいったんはひっこめる、というのが中国の国際政治における常套手段なのです。
<最終目標は“天皇制の廃止”>
<操られている日本人>
・国民新聞が「日本解放第二期工作要綱」という資料をスクープして掲載したのは、1972年8月5日のことです。この要綱は中国がいかにして日本を侵略していくかというロードマップで、中央学院大学の故・西内雅教授がアジア諸国を歴訪した際に現地の情報機関から入手したとされています。
・この種の文書としては、ロシアがユダヤ人迫害のために作成したとされる「シオンの議定書」や、中国国民党政府が「日本が世界征服を狙っている」とした「田中上奏文」という偽書の先例があるので、これも偽物と疑われるのも仕方がないのですが、その中身は実に精緻に出来ています。
<日中記者交換協定>
・ところが68年の改定で中国側から「政治3原則」が押し付けられ、各社は否応もなくそれを飲まされることになりました。
1、 中国を敵視してはならない
2、 「2つの中国」を作る陰謀に加担しない
3、 中日両国関係が正常化の方向に発展するのを妨げない
これ以降、中国はジワジワと日本のマスコミに圧力をかけていくのです。
・その武装警察の規模が390万人にまで膨らんでおり予算面から見ても、いわゆる軍事費より大きくなっています。
・その頃と比較して現在のアメリカでは多くの軍事専門家が中国脅威論を口にしています。
・しかし、日本の外交はある意味硬直化していて、自分が約束を守れば相手も守るはずだと信じているところがあり、それが大きな間違いなのです。
・「日本と言う国の至高な利益が脅かされるような緊急事態になったら、核兵器を持つというオプションも完全にルールアウトしない。(中略)日本において核に関する真剣なまじめなしかも実体の脅威を頭に入れた議論を巻き起こすべきなんです」今日の中国の動きを見れば、とうに議論をするべき時に来ていると言えるでしょう。
・では、在外中国人(華僑、華人)人口はどれくらいなのでしょうか。例えば、アジアの華僑・華人人口は1948年に約838万人だったのが、2007年には2900万人を超えています。また2009年現在でインドネシアでは約780万人、日本には68万人近くの在留中国人がいます。
・ちなみに、日本に住む70万人の中国人は中国籍のままで民主党の党員になることができます。当然、党首(代表)選挙にも参加できますから民主党政権であれば、日本国首相を選べるわけで、これは憲法に抵触する恐れがあるのではないでしょうか。
<「日本解放第二工作要綱」>
・工作員の具体的な任務は、第一期目標が日本の国交を正常化させること、第二期目標が日本に民主連合政府を成立させること、第三期目標が天皇制の廃止(天皇は戦犯として処刑)と日本人民民主共和国の樹立となっています。
<経済的侵略>
・チベット亡命政府は、中国による侵略の結果として1959年から79年までの間に死んだチベット人は、120万人以上になるとしています。内訳は次の通りです。
○戦闘や蜂起によるもの 43万2705人
○餓死 34万人2970人
○刑務所、強制労働収容所での死 17万3221人
○処刑 15万6758人
○拷問死 9万2731人
○自殺 9002人 合計120万7387人
この数字は四半世紀前のものであり、87年や89年、あるいは北京オリンピック直前の2008年に起こった大規模蜂起での犠牲者は含まれていません。
<彼らには、「隙あらば」という気持ちは常にあるのです>
・自衛隊に対する挑発行為は、おそらく武力侵攻を実施する際のシュミュレーションの一つといえるでしょう。
<中国によるチベット支配開始>
・私が、なぜ口を酸っぱくして「日本が危ない」と言うかという事を理解してもらうために、いささか回りくどいと思いますが、チベットの歴史、私の個人史を知ってもらいたいと思います。
<2050極東マップ>
・中国外務省から流出したものとして少し前にネット上で話題になったものです。この地図自体偽物との声もありますが、あながち荒唐無稽とも言い切れません。
『数年後に起きていること』
日本の「反撃力」が世界を変える
<中国経済の発展はもうじき終わる>
・中国経済過熱の将来はどうなるか。これは誰が考えてもじきに終わるはずである。終わる原因は経済以外から来る。
・衛生というのは大切なインフラで、突然人口が増えると伝染病が流行する。病院がない、検査がない、という国は100万都市を持つ資格がない。
20~30万人ならいいが、300万都市を中国は持つ資格があるのかどうか、持てば市民の健康や生命が危ない。それ以外にも都市警察とか、都市消防、都市裁判所とか、そういうものがきちんとできるかどうかである。
・中国人が昔から怒る相手は、まず外国人資本家で、その次はそれと結託した買弁資本家である。それらと結託した中国の軍がそれに続く。
・北京オリンピックや万博まではとりあえずいいとしても、2010年代になるとかなり危うい。・・・とみんなそう言っているが、私はあえて、それより前ではないかと心配する。
<「衛生破壊」や「汚職革命」が世界に広がる危機>
・なるほど、中国でたくさんの人が働いてくれるようになったことは、経済計算上良いことが多い。しかし、エコノミストが言わないことを言えば、何事にも光と影がある。「衛生破壊」や「汚職革命」が世界に広がる。
<北朝鮮問題の解決は近い?>
・日本にとっての防衛的脅威といえば、その筆頭は北朝鮮である。
・私は長い間「北朝鮮の脅威はなかなか解決しない」と言ってきた15年前あたりからの通説は「北朝鮮はものすごく貧乏で、食べ物がないし餓死者が出ている。この政権はもうもたない」だったが、しかし、100万人が餓死しても国としてはもつことがある。実際もっている。
・いま北朝鮮問題の解決は近いような気がする。それは次の理由である。北朝鮮のGNPの規模は正確には分からない。しかし、大体のことを考えるとまず人口は2000万人である。そのうち300万人が餓死したという説もある。
・その人たちの一人当たりの所得水準を仮に大目に見て3000ドル。もし3000ドルあるのなら、もっと汽車が走っているし、電気がついているはずだが、大目に見て3000ドルあったとしても、それは日本の10分の1にすぎない。そのうえ、人口は日本の6分の1だから、3000ドルあったとしても60分の1になってしまう。GNPは日本の60分の1、それより半値ということはあっても、2倍も多いことは絶対にない。すると日本の60分の1の経済規模と言えば46都道府県の中の小さな県、一つである。
・それだけで軍隊を持ったり、各国へ大使館を出したり、というのは無理に無理を重ねている。原子爆弾をつくるために経済力を集中すると先に自国民が100万人ぐらい餓死しているとは呆れた国である。だから、本当は怖くない。貿易をして得るものがあるかといって日本からの援助が日本に戻ってくるだけだ。一部政治家や業者の還流利益になるだけである。これはもちろん国民としては許しがたいことだ。
『アメリカにはもう頼れない』 日本外交戦略の失敗をどう正すか
<やはり核兵器は必要である>
・アメリカを始め核兵器を持つ国が外交上、有利な立場に立つことができるのは、究極の軍事力である核兵器を背後に持っているからである。だから自ら「核アレルギー」を標榜し、核兵器を忌避している日本人は、核兵器が国際社会でいかに重要な役割を果たしているか、まったく理解していない。
・日本人にはこうした核兵器についての常識が全く欠けている。北朝鮮のような弱小国がアメリカの鼻先をとってふり回すことができるのは、核兵器を持っているからである。この事実に、目を向けず、北朝鮮が核兵器を撃ち込んでくることだけを心配している。
<核攻撃によって国民が皆殺しの目にあうのを防ぐためならば、先制攻撃をするほかない>
<日本は核兵器を持っても構わない>
・世界第2の経済大国として、アメリカや中国と肩を並べて経済活動を行っている日本は、その経済力に見合う抑止力として核兵器を持って構わない。むしろ持つべきだ、という考え方をするアメリカ人が増えている。
<実際には「日本が核兵器を持っても構わないではないか」と思っているアメリカ人が大勢いるのだ>
・いま日本が核兵器を持とうとすれば、国の国外から猛烈な反発が生じて内閣のひとつやふたつは吹っ飛んでしまうだろう。それほどの問題であるから、日本は真剣に考えなくてはならないし、考え始めなければならない。
・アジアでは中国はもとより北朝鮮、インド、パキスタンが核兵器を持っている。核兵器を持つ国の間では戦争が起きないという現実を見すえて、日本も核兵器の保有について考えるべきではないか。
日本の人々は、核兵器をひたすらおそれ忌避するのではなく、核兵器は使えないからこそ強力な抑止力として国を守ることができると理解するときに来ている。
<経済拡大が止まり中国共産党は崩壊する>
・だが中国はいま、日本の脅威になるどころか国そのものが崩壊に瀕している。10年もすれば中国の脅威は虚像であることが明確になるだろう。
<10パーセントの経済の拡大を続けることが不可能になる>
・第1の理由はアメリカ経済がバブルの崩壊後長く停滞を続け、世界経済全体がデフレに移行していることである。
・第2の理由は、技術の革新が進み、安い賃金に依存しきって物をひたすら大量生産している製造業が行き詰ることだ。
・3番目は、資源不足である。安い人民元政策を続ける限り、輸入石油の値段は高くなり続ける。以上のような事情から中国が年10パーセントの経済拡大をし続けられるのはあと1、2年に過ぎないと専門家の多くが見ている。
・経済の拡大が止まってしまえば、中国共産党政府がすすめてきた「共産主義的資本主義」というまやかしが通らなくなる。沿岸地域の上前をはねて、それを生産権を持たない国民にまわすというシステムが動かなくなるのは明白だ。
・中国軍の実力は、一部を除けば、技術的に劣っているため、恐ろしく思う必要は全くないとアメリカの専門家は指摘している。「アメリカの原子力潜水艦一隻で中国海軍の百隻の潜水艦を相手にすることができる」アメリカ海軍の首脳が私にこう言ったが、空母についてもアメリカの専門家は少しも心配していない。
・中国は驚くべき経済の拡大を実現し、軍事力を強化しているが、実際には国のまわりを敵性国家に囲まれている。
・「中国人は指導者が誰でもかまわない。十分に食べさせてくれればそれだけでよい」私の友人の中国人がよくこう言うが、10パーセントの経済拡大が止まり、地方の人々に対する福祉政策が実施できなくなれば、食べさせてもらえなくなった中国人が不満を爆発させて大混乱が起こるだろう。
・ロシア政府の首脳は「すでに5百万人の中国人がシベリア一帯に不法に住み着き、その数は増え続けている」と述べた。
・実際のところ中国は崩壊に向かっており、政治的にも外交的のも追いつめられて苦しい立場にある。
・キッシンジャー博士は私にこう言った。「中国が地政学的に見てもそろそろ限界にきていることは間違いがない。石油だけでなく、水の不足という大きな問題を抱えている。中国がこのまま大きくなり続けることは不可能であろう」。
・中国は経済で資本主義体制をとりながら、資本を管理して経済を拡大してきた。資本主義の基本に反するこのやり方は、必ず行き詰るだろう。
<資源だけでなく、あらゆる点で大きすぎることによる欠点が目立ち始めた>
・共産党は内戦に勝って一党独裁体制を作ったが、内戦のときに中国共産党を上回る数の反対勢力がいたことは歴史の事実である。中国共産党体制はやがて歴史の一章になる。私たちは、中国共産党と中国人は別であると考えなければならない。
<2050年、建国以来の危機が日本を襲う>
・それは日本がいまのままの国家体制を続け、人口が減って労働者の数を減るままにした場合である。労働者が減少していく日本経済を大量の移民を入れることなく、いかにして維持していくか。この課題を解かなければ、日本はまちがいなく危険に陥る。