むしろ、私は、高齢になればなるほど、怖いのは認知症より老人性のうつ病だと思っています。だからまず、70代80代の時期に大切なのは意欲を失わないことになります。
(2025/5/4)
『100歳の超え方』
未知なる「人生100年時代」のための新常識
<はじめに これからの「100歳までの道のり」のために>
・私は35年間も高齢者専門の精神科医をやっていますが、たしかにそんなに多くの百寿者を診ているわけではありません。
<プロローグ 長生きするほど、楽しみが増えてくる>
<「長生きしてよかった」を素直に受け入れよう>
・とにかく昔から「長生きして損した」と不満を漏らした人はまずいません。
<100歳を見通せば、老い先がゆったりしてくる>
・この「ゆっくり構える」というのは、長い高齢期を健康に生き抜くためにも大切な気持ちになっていきます。でも、身体が動かなくなってもできることはたくさんあります。
<不自由になっていくのが自然の老い。それを嘆いても始まらない>
・要するに、老いて衰えていく中にも楽しみの種はいくつも転がっているし、むしろ70代80代にその楽しみの種をたくさん蒔いた人ほど、幸せな100歳を迎えられるということです。
<「死ぬまでポクポク生きていこう」でいい>
・急がない、あわてない、競争しない、無理しない、ノルマも目標もつくらないで、ただポクポクと歩いていく。
<100歳は周囲の高齢者に希望を与える>
・運のいい90代を迎えることができる人でなければ、100歳のゴールにはたどりつけません。
<幸せな時間が長く残されていると思えば>
・「いま」が幸せと思えるようになれば、意欲も生まれてきますし過去を悔やむこともなくなります。
<「気がつけば100歳」の人の共通点>
<「うっかり100歳になってしまった」>
・100歳近い人たちにお話を聞くと、「いつのまにかこんな歳になっていた」という言葉をよく聞きます。
<60歳からの40年間こそ、自分らしく生きるための大切な時間>
・60歳から100歳の40年間こそ、自分が自分であるために最適で最後の時間なのです。
<80代でアプリを開発した若宮正子さん>
・81歳でスマホアプリを開発したと話題の若宮正子さんのことは、みなさんもご存じだと思います。
<友達はいたほうがいい。でも、それは人間でなくてもいい>
・ひとり暮らしになり、友もいなくなった。そんなとき、助けになるのは人間だけだとは限りません。何かをつくる、自分のことを書いてみる。その先にインターネットでつながってみる。まだまだできそうなことはたくさんあります。
<断捨離なんて考えなくていい>
・自分の趣味で断捨離がお好きなら構わないと思いますが、人に強要するのはよくありません。
<「年下の友達」をつくろう>
・高齢になってもお元気な方の共通点は、何より年下の友達がいることです。
<100歳まで生きる人の最大の共通点「わがまま」であること>
・長生きの秘訣は、相手に合わせない、協調しないということです。
<柔軟性のあるわがままが長生きにつながる>
・自分の流儀は譲らなくても、新しい出来事も受け入れてみる。そういう柔軟性のあるわがままな高齢者が長生きすると感じています。
<老いは冒険。楽しんで生きる>
・100歳を生きる人に必要なのは、なんでも楽しんで生きるように工夫する気持ちです。
<幸せな長生きのために、いまあなたがたができること>
<老後に、いろいろな手を出すのは恥ずかしいことではない>
・ある俳句を楽しむ高齢の男性がいました。定年後から始めた俳句でしたが、才があったのでしょう。めきめき腕をあげていき、カルチャースクールから結社に入り、事務能力の高さをかわれ、事務局も手伝っています。
<心変わりや変節はどんどんしたほうがいい>
・私は心変わりや変節はむしろよいことだと思っています。
<高齢者がネットを利用するときの注意点とは?>
・高齢者もインターネットを利用して、もっと世界を広げてほしいと思っています。しかし問題もあります。
<歳をとったら、できるだけ言葉に出して気持ちを伝えよう>
・男性に多いのですが、老いると言葉数が少なくなる方がいます。高齢者の集まりでも女性がお喋りで盛り上がり、男性はむっつりしている。
<ぼんやりと機嫌よく過ごす。隠居生活のすすめ>
・人生100年を穏やかに行き切るなら、「目指せ、隠居道」の境地も必要かもしれません。ぼんやりとしている時間が増えてくるというのは少しも悪いことではないのです。
<できなかったことより、できたことをカウントする>
・まだまだ、あなたにはできることがあるはずです。それを喜んでいきましょう。
<「ひとりを楽しめる自分」をつくる>
・老齢期に入るときに必要なことはひとりでいる力をつける、ひとりでも楽しめる技を持つことだと思っています。
<自分の自由を守るために在宅での暮らしを大事にする>
・私は孤独死が不幸だとも限らないと思います。
<「60の手習い」、いまなら「80の手習い」>
<80歳でも、新しいことに挑戦できる>
・いまや「80の手習い」の時代なのかもしれません。
<「80の手習い」で人生のアーチストになる>
・100歳まで退屈せずに命を楽しむ秘訣はアーチスト気質になってみることだと思っています。
<「興味を持ったらやってしまえ」が長生きできる時間の使い方>
・やってみたかったけれど、やれなかったこと。あなたにはありませんか。高齢になったいまだからこそ時間をつくれます。そして現代では、インターネットという武器で、家を出なくても習うことも交流を広げていくこともできます。
・それでも、昭和生まれは、ついついスマホを難しいものだと考えてしまいます。
・若者ではなく高齢になった私たちこそテクノロジーの恩恵をフルに利用して快適に暮らしていいと思います。
<「好奇心」が持って生まれたあなたの可能性を活かす>
・昭和世代は、日本が先進国だと思っている方も多いと思いますが、実は経済的にも文化的にもどんどん落ち込んでいるというのが事実です。
国も高齢者も、元気でいるためには好奇心が必要だと思います。
<70歳を過ぎたら人の目を気にしない>
・ダンスは、認知症予防の効果があると言われています。私は、介護予防の中に体操だけでなく音楽に合わせて踊るダンスや盆踊りを取り入れてほしいと思います。
<達観するとは、日々の生活を楽しむこと>
・達観するというのは、よく食べ、よく寝て、機嫌よく過ごすことではないかと思いました。
<身体の老いなんか、気にしなくていい>
<畑仕事のおばあちゃんはなぜ、長寿なのか>
・80代90代になっても畑に立つような人たちは、日光を存分に浴びながらいろいろなことを考えて暮らしている。たったこれだけのことでも脳は大いに刺激され、しかも快活に暮らすことができます。
<「出かける用事がない」を「出かける用事ができる」に変える>
・日光を浴びるというのは、どんなに高齢になっても難しいことではありません。
<「高齢者のサロン化」している商店街のファストフード店>
・ファストフード店が高齢者のサロン化しているというのは、都会も大勢の100歳予備軍がいるということでしょう。
<ひとりで暮らしているという誇りと満足感は、とても大事>
・そう思えば、自分をほめたくなります。どんな年齢になってもひとりでちゃんと暮らしているというのは、それだけで誇りを持っていいはずです。
<来年、再来年のために種を蒔き続ける>
・つまり、作業に取り組むのは1年単位だとしても、つねに来年、再来年のことを考えます。
<とにかく種を蒔く。何が実るかは90過ぎてからわかる>
・でも私は、ある年齢を過ぎたらもう身体の衰えは受け入れるしかないと思っています。できないことが増えてくるのは当たり前、うまくいかない、時間がかかる、すぐに疲れてしまう、ぜんぶ当たり前です。
<80歳を過ぎても「いまがいちばん若い」と考える>
・だとしたら、やってみたいことや試してみたいことがあるなら、むしろ「いまならできる」という考え方があってもいいはずです。
<雑になることはたくましく生きるということ>
・10歳でも元気に動いている人には、そういう雑さが自然に備わってくるような気がします。それがたくましさというものでしょう。
<少しずつ「雑さ」に慣れていこう>
・「昔のようにはいかない」といっても、何もかもできなくなるわけではありません。時間はかかっても、完ぺきではなくても、できることはまだまだあるはずです。
<できることが少なくなっても大きな楽しみは育っていく>
・できることがどんなに少なくなっても、100歳まで生きる人はその中に楽しみを見つけ、自分で育てていくことができる人なのでしょう。
<すべての病は、老いの友>
<100歳過ぎたら、死因は「寿命」>
・でも、ある年齢を超えると、人間は病気ではそう簡単に死にません。それ以外の病気でも同じです。認知症だってゆっくりしか進みません。
そう考えると、100歳はもう、病気と闘う年齢ではありません。病気を飼いながら一緒に生きていく年代です。
<100歳ともなれば医者はひれ伏すしかない>
・そうは言っても60代70代はまだ試練の時期です。健康診断で脅され、診察で脅されます。数値なんかどうであれ、医者は100歳の人に何も言えません。要するに、食べたいものを食べて長生きできれば、怖いものなしです。100歳になったら医者なんか見下していいのです。
<医学の常識くらいは当てにならないものはない>
・ただ、はっきり言えることは、健診の結果示されるさまざまな数値の異常には、放置すれば病気になるというエビデンス(根拠)がないケースがほとんどなのです。
<閉じこもってしょぼくれたら100歳にはなれない>
・長寿の人は意外に肉をたくさん食べて生きてきました。100歳まで生きる人は違います。80代90代の高齢期になってもよく笑うし、「やってみるか」と意欲的に暮らしています。
<「意欲の低下」こそ100歳への壁になる>
・100歳の壁を乗り越える人は、いくつになっても生きる意欲を失わなかった人なのです。
<日本人に適した健康法を実践しないと意味がない>
・私が「コレステロールなんか気にしなくていい」と主張するのは、高齢になったらダイエットなんかしなくていいと考えているからです。
・日本人の死因のトップはがんで、虚血性心疾患が死因となるのはがんのわずか「10分の1」未満です。つまり、日本の幸齢者はメタボを恐れたり予防する必要なんかないのです。少なくとも、アメリカ人ほど恐れる必要はありません。
<認知症でも感情のやり取りができれば人は集まってくる>
・ところが、たとえ認知症でも100歳まで生きる人は違います。感情豊かでよく笑い、泣いたりも怒ったりもします。認知症は90歳を過ぎた高齢者なら大部分の人が発症します。いわば老化の自然現象のひとつに過ぎません。
・むしろ、私は、高齢になればなるほど、怖いのは認知症より老人性のうつ病だと思っています。だからまず、70代80代の時期に大切なのは意欲を失わないことになります。
<60代70代こそ「やってみないとわからない」で生きよう>
・そこで、老いの自覚も薄い60代70代の頃から、意識して前頭葉を鍛えて意欲を高める必要があります。
<あなたと向き合おうとしない医者に治療意欲はあるのだろうか>
・まず、その医者に治療意欲があるのかどうか、ということです。
<心を励ましてくれるかかりつけ医を探そう>
・医者は病気を治すプロには違いありませんが、自分の身体をいちばん知っているのは患者本人です。
<介護から始まる人生がある>
<「生きててもしょうがない」は老いへの冒険>
・とにかく、ネガティブな言葉はまわりを疲れさせるのです。
<安楽死は幸せなのか?>
・高齢者のみなさんが「生きてても仕方ない」「人の迷惑になりたくない」とばかり唱えていると、へんな高齢者対策ができてしまうかもしれません。
<「私たちのことを私たち抜きで決めないで」>
・高齢者人口が増えたいまだからこそ、障害者にも高齢者にも優しい町づくりをすすめていってほしいと思います。
<高齢者こそ「勝手に決めるな」と声をあげていい>
・高齢者こそ「私たち抜きで決めないで」と声をあげてもいいときが来ているのかもしれません。
<介護されることを受け入れる>
・老いるということは誰かに頼るしかなくなるときが来るものです。そういうときは機嫌よく介護されてみる心持ちでいたいと思います。
<自分の介護プランを考えておく>
・介護されること、それは私たちにとって未知な領域です。新しい経験でもあります。しっかり準備して、介護される生活を味わってみましょう。
<「転ばぬ先の杖」と仲良くなる>
・まだ歩けるのなら、杖をつき、押し車を押して、散歩や買い物に出かけましょう。足腰と脳トレのためにも、よろよろ歩くのは恥ずかしいと思ってはいけません。
<「してほしい介護」「してほしくない介護」をはっきりと口にする>
・「2025年問題」という言葉をご存じだと思います。2025年以降、団塊の世代がすべて後期高齢者に突入します。変えていくためには、現役後期高齢者の意見が必要です。
<90歳になったら10年日記をつけ始めよう>
・100年の人生に向かって、10年日記を買ってみましょう。歳をとったからこそ見える世界があるかもしれません。
<エピローグ 手を取り合って100歳を目指そう>
<見渡せば、100歳を目指す仲間ばかり>
・いまよりもっと、100歳を目指す仲間同士としてつき合ってみてもいいような気がします。
<個人差が大きい高齢者同士。だからこそ励まし合おう>
・私は、老いの個人差がどんなに大きくても、声を掛け合って励まし合い、老いに負けそうな人を元気づけてあげるのはとても大事なことだと思っています。
<とぼとぼ歩くと、道のりは長くなる>
・そういう仲間が何人かいれば、全員で励まし合って100歳のゴールを目指すことも可能です。
(2025/4/18)
『101歳の習慣』
いつまでも健やかでいたいあなたに、覚えておいてほしいこと
高橋幸江 飛鳥新社 2018/2/16
<はじめに>
・2016年に著した『100歳の精神科医が見つけた こころの匙加減』は、おかげさまで全国の多くの方に読んでいただくことができました。
・この本には、101歳を迎えた私が長年続けてきたささやかな習慣や、普段から心がけていることをまとめました。
<「ほんのひと手間」の魔法>
<面倒なことも、あなたの人生の大切な断片です>
【どんなに恵まれた境遇の人でも、生きていくうえで、やっかいなことはつきまといます。「手間がかかること」に費やす時間を、無駄と見るのか。人生の大事な一瞬として、愛しむのか。決めるのは、あなた自身です。】
・よくよく考えると、100歳を超えてから、自由度がぐんと下がったような気がします。ちょっと出かけたいときも、ひとりで行くのはむずかしいので、誰かに同伴をお願いしなければいけない。歩くときは「転ばないこと」を常に心がけなければいけない。誰かと会うときは、補聴器をつけなければいけない。つまり、「面倒なこと」が増えたのです。
<手間がかかることなど、やりがいがある>
【面倒なことを、やり遂げられたとき。「今の私でも、できた!」そんな充実感を得ることができます。】
・私たちの病院では、患者さんたちの退院後の就労支援にも心を砕いてきました。
・「面倒なこと」を乗り越えて、大変なことをうまく軌道に乗せられたとき、その喜びは、とてつもなく大きいものになります。
<「煩わしさ」の先には、幸せが待っている>
【手間のかかることに取り組んだとき、ゴールの先に、予期せぬ幸せが待っていることがあります。】
・私がまだ60代だった30数年前、毎年恒例の行事として、入院患者さんたちと、日帰りのバス旅行によく出かけていました。
・「大きな喜びには、ほんの少しの手間がつきもの」そんなルールを、神様はおつくりになったのかもしれませんね。
<自分以外のことに手間をかける、という贅沢>
【年齢を重ねれば重ねるほど……。自分のことだけで、頭がいっぱいだったり、周りのことまで、手が回らなかったり。】
・美しい花は、私たちの生活に「あるとうれしい」存在です。
・園芸にまつわる知識は、どうやら時代と共に洗練されていくようです。ただ、花の美しさは、これからも普遍的な価値を保ち、私たちの心を慰め続けてくれるはずです。
<面倒に思える人ほど、本当はありがたい>
【好意的に話しかけてくれるだけではなく、批判や意見、冷やかしを投げかけてくる。そんな人ほど、あなたとの距離を縮めたいのです。】
・何歳になっても、ちょっと面倒なことのひとつに「人づき合い」があります。
・そして、相手の言葉を真に受けすぎず、話半分に聞いて、笑顔で接することを優先してみましょう。「人づき合いがいやだ」とすべてを遮断してしまうより、そのほうが楽しい人生になるはずです。
<ゆるやかな人間関係は、人生の宝物>
<人間関係は、もっとなめらかにできる>
【相手の悪いところではなく、よいところに目を向ける。そして、感謝の気持ちをはっきりと伝える。】
・人間関係を円滑にするコツについて、よく助言を求められます。そのたびにお伝えしているのが「相手を褒める」、そして「感謝の気持ちを伝える」ということです。この二点さえ忘れなければ、どんな人とでも仲良くやっていけるはずです。
<「ありがとう」を期待しない>
【相手に尽くすとき、「ありがとう」を求めてはいけません。】
・そして、あなたがもし元気であるならば。「ありがとう」という言葉を周りに向けて積極的に使っていきませんか。「ありがとう」という言葉を待ち望むより、そのほうがあなたも周囲も、幸せになれるはずです。
<区切りを意識する>
【けれども、自然の時の流れに身をまかせるだけではなく、ときには区切りをつけ、計画を立てる姿勢も重要です。】
・だからこそ、心の中で自発的に区切りを設けて、過去を振り返ったり、心を新たにしたり、時が流れていること、手持ちの時間は有限であると自覚することが大事なような気がします。
・私自身は、いつも年の瀬に「大きな区切り」を感じるようにしています。
・「大きな区切り」「小さな区切り」を体感できる有意義な計画を、楽しみながら立てていきましょう。
<与えることで、与えられる>
【「お役に立ちたい」「貢献したい」そんな気持ちは素敵なこと。ぜひ、尽力してみてください。】
・元号が平成になったころ。ささやかですが、ボランティアのお手伝いをしていました。自殺予防を目的とする、「いのちの電話」という無料の相談システムがあります。そのアドバイザーを志願する人たちの育成を、お手伝いするというボランティアでした。
・まだ心身が健やかで、自由になる時間があるという方には、「誰かのために献身する時間」を持つことをおすすめしたいと思います。
<話を聞くだけでも、相手のお役に立てる>
【さらに言うと「話しかけられること」より「話を聞いてもらうこと」を望んでいる人がほとんどです。】
・心の不調には、さまざまな名前がついています。どんな診断をするにせよ、私たち医師が「病気かそうでないか」を判断するひとつの大きな目安があります。それは「家事ができるかどうか」です。
・患者さんに限らず、どんな人も話を聞いてほしいのです。年齢を重ねた方なら、なおさらです。そんな原則を知り「聞く」ことに集中するように心がけていくと、人間関係が円滑に回り始めます。
<誠実さは、必ず届く>
【面倒がらずに、言葉を尽くす。行動を尽くす。その根底にある気持ちは、必ず相手に届くもの。】
・「認知症の人との対話は、面倒で疲れる」そう痛感している方は、多いのではないでしょうか。私も今まで、何千人もの高齢の認知症患者さんに接してきました。
・認知症の人にも、真摯に向き合えば、その気持ちや姿勢は絶対に伝わります。
<適当でもいい、周囲に寄り添っていく>
【からだが動くうちは、面倒でも外に出たり相手に合わせようと試みること。】
・とても寒い時期や、暑すぎる時期。なんだか体調が思わしくないとき。自分を守るために「じっとしていること」は、大事です。それが病気やけがを未然に防ぐことにつながるからです。
けれども、まだ60代や70代で「気力も体力も、まだある」という方の場合。自分から積極的に外に出ていくこと。そして可能な範囲で周りに合わせていくことを、おすすめしたいと思います。
<あらゆる競争から、“卒業”していい>
【心を病むほど競ったり、人と自分を比べるなんて愚の骨頂です。】
・私は、テレビでスポーツを見るのが楽しくてなりません。
・現代は非情な競争社会です。私自身は、もうそんなステージから押し出されてしまった年代ですが、かつては医学部受験などで、“競争”の厳しさは十分に味わったものです。
・スポーツに限らず、自分の努力こそが一生の宝です。
<別れより、出会いに目を向ける>
【突然やってくる「別れ」。悲しみに慣れる必要はありませんが、とらわれすぎないようにしたいものです。】
・前を向いて生きていく限り、人との別離は必ずあります。
・そして、次の「出会い」を心待ちにする。それが苦しまず生きる、処方箋のような気がします。前を向いて生きていく限り、「別離」と同様に「出会い」も必ずありますから。
<周りの力はうまく借りる>
【人は、ある年齢を超えたところからひとつ一つ能力を手放していってよいのです。】
・101歳ともなると、それまでの生活習慣をがらりと変えざるを得なくなることもあります。たとえば、入浴時の洗髪です。自宅の風呂場で、自分の手で髪を洗うことは、最近になってやめました。
・懇意にしている美容院のシャンプー台で洗ってくださるというので、お願いすることにしました。
・ただ、お風呂は毎日、自宅で入るようにしています。「運動がてら、入浴する」ということを、自分に課しているのです。
・皆さんも、70代、80代になったら。できることとできないことの線引きを、ご自身できちんと判断する作業を、日々繰り返すようにしてください。
<笑顔に勝るお返しはない>
【誰かからやさしさをもらったとき。お返しをしたいという気持ちに駆られたら、にっこり笑顔を返しましょう。】
・年齢を重ねると「周りが気を遣ってくださるなぁ」と感じることが、飛躍的に増えます。外出すると、とくにそう痛感します。
・ともあれ、人様のご厚意や機転に感心するばかりではなく、私も周りの皆さんに、温かな気持ちをじんわりとでも届けていきたいと願っています。
<後悔のタネは、減らしておく>
【何歳になっても、親は親。死別をしても、親は親。心の中に、いつもいてくれることは間違いありません。】
・「親孝行をしたいときには親はなし 石に布団は着せられず」有名なこの言葉を。100歳を超えてもなお噛みしめることがあります。とくに、晩節の一時期を共に過ごした母については「あのとき、ああしておけばよかった」という後悔がいくつか残っています。
・もし、親御さんがすでにいないという場合。「身近にいる大事な人のささやかな願いを、ひとつでも多くかなえてあげる」そう決めて行動してみてください。
<年齢を重ねながらゆっくり考えたこと>
<年齢を重ねるほど、ユーモアを大切にする>
【誰かと共有すると、一瞬で楽しくなれる。ひとりで思い出しても、自然と笑みがこぼれる。それがユーモアの効用です。】
・長い人生を生きていくとき、ユーモアは欠かせないものだと痛感します。日々の中に笑いがあると、より楽しく過ごすことができます。
・また、頭のトレーニングにもなります。年を重ねるほど、心をユーモアで満たしていくことができれば素敵ですね。
<一日に何度か空を眺める>
【近くを見てばかりいるから、疲れを感じてしまうのです。】
・「面倒なことや嫌なことが多い」、そう感じられてならないとき。大空を眺めることを、おすすめしたいと思います。
・あなたもぜひ、1日に何度か空を眺めるようにしてください。
<時間の流れを意識する>
【自然と暮らすことで、時間を守ったり、時宜にかなおうとする姿勢を学べたら、素敵ですね。】
・植物と相対していると「世話をしてやっている」という気持ちになりがちですが、実はさまざまな自然の摂理を教えてくれます。そういった意味でも、植物との暮らしをおすすめします。
<人の持つ力を、信じる>
【コンピュータや人工知能など、最先端の力で何かが劇的に変わることを恐れすぎる必要なんてありません。それよりも、今あなたの目の前にいる人に丁寧に接することです。】
・けれども、その「手作業で磨く」という機械に置き換えられない部分は、医療の現場でもけっしてゼロにならない気がしています。
<敵の戦闘機が飛んできても、人はたくましく生きられる>
【どんな状況に追い込まれても、人はその条件で生き抜いていくことができるもの。楽天的かもしれませんが、私はそう信じています。だからこそ、先回りをして、若い人にお説教をすることは控えています。】
・戦時中の食べものの記憶についてお話ししておきたいと思います。
・毎晩のように避難命令が出るのです。どれだけ勉強に集中していても、サイレンが聞こえたら仲間たちと共に防空頭巾をかぶって、リュックを背負い、布団1枚をかついで近くの山に逃げなければなりません。
・私たちはそのとき、貴重品だった炒り大豆をポリポリと食べながら、よしなしごとを話し続けました。そのときです。Tさんと私の頭上を、当時最も恐れられていた戦闘機「B-29」がゴーゴーと飛んでいくのが見えました。それは大変な数でした。
・その大編隊の思い出は、私の頭の中でかなり薄らいできています。けれども、そのときTさんと食べていた、炒り大豆の香ばしい香りや、舌に残る味だけは、不思議に懐かしく感覚として残っているのです。そのことからも、当時はいかに食料が貴重でありがたいものであったか、察していただけることでしょう。
<死後のことくらい、自由に想像してもいいじゃない>
【人の生死にまつわることは、科学で解明できないことのひとつ。】
・「この世を去った命は、皆“天国”で楽しく過ごしている」そうとらえたいと思っています。
・非科学的に聞こえるかもしれませんね。でも、心の中にはそれくらいの自由があってもよいのではないでしょうか。
<お別れしたあなたへ。亡き父に宛てた手紙をしたためる>
【書く行為には、癒しの力があります。言葉を紡ぐことは、あなたの気持ちを楽にしてくれます。】
・自分の心を慰め、気持ちを立て直すために、ひとつ、よい方法があるのでご紹介します。それは「お別れした人に宛てて、手紙を書く」ということです。
<生きる力をくれる、ささやかなもの>
<天気の悪い日ほど、微笑んでみる>
【心を整え、前向きに立て直していくには口角を上げ、微笑んでみることです。】
・年をとると、若いころより、よくも悪くも「感覚が鋭敏になった」と感じることがしばしばあります。100歳を超え、からだが言うことを聞かなくなってくると、なおさらです。
・血圧と同じで、精神面についても、急激な乱高下はよくありません。
・溜め息をつきたくなったときは、「恵みの雨」という言葉を思い出し、鏡を見て口角を上げ、笑顔をつくってみてください。
<明るい色から力をもらう>
【「カラーセラピー」という癒しの手段もあるくらい、色には大きな力があります。】
・年齢を重ねたら、今までより一層意識したいのが、洋服の「色」です。
・だから、あなた自身が好きな色を着ればよいのです。
・さらに言うと「黒っぽい洋服」は、あまりおすすめできません。
・とくに自分の視界に入りやすい上半身は、明るい色がよいでしょう。
<掃除とは、実益を兼ねた最高の“気晴らし”>
【掃除は、そんな「義務」の代表格ではないでしょうか。】
・100歳を超え、最近はからだもだんだんと言うことを聞かなくなり、以前のように勤勉な毎日を送るということはむずかしくなりました。
・けれども振り返ると、60代、70代のころはこまめに掃除をしていたものでした。
・もともと私は、掃除が大好き。ひとつの運動、レクリエーションととらえて、よく掃除をしていました。
・最近はメディアの方からの取材で「気持ちよく老いていくコツ」をよく聞かれるのですが、「たまには掃除を楽しんでみること」を挙げたいと思います。
<身近な花が、支えてくれる>
【花は、どんなときも無条件に、心を癒してくれます。】
・遠くの地にまで足を運び、旬の花を見に出かけることは、人生の大きな楽しみのひとつでしょう。けれども年齢を重ねるにつれ、だんだんとそれが億劫になることもあります。
・花の癒しの力を、あなたの暮らしにうまく取り入れてみてください。
<守るべき小さな命が、大きな慰めをくれる>
【金魚や虫など、手間のかからないペットを飼うことは、よいことです。】
・ひとり暮らしになってから。ペットなどの生きものと暮らすことは、とうとうなくなりました。
・それも、ある年代を超えると、あらゆる力が急激にガクンと低下します。
・もし、お世話さえきちんとできるのであれば、「ほかの命と共に暮らす人生は、暮らしに喜びや楽しみを与えてくれる」精神科医の立場から、そう申し上げたいと思います。
<布団から飛び出したくなる楽しみを用意する>
【「はじめよければ、すべてよし」お楽しみを、あえて朝に準備しておくことも、おすすめです。】
・そんな葛藤を経て、「布団から出る勇気」を出して、ようやく起き上がる。
・現役でバリバリと働いていた90代半ばまで、「とにかく身支度をして外に出れば、病院に出勤できる」。そんなサイクルが出来上がっていました。
・これからの私の課題は、わざわざ勇気を発動させなくても「布団から出たくなる」。そんな仕組みをつくることかもしれません。
<酔狂なことでも、書いてみる>
【けれども人に愚痴るばかりではなく、小説仕立てで書き出してみると、創作活動へと昇華します。】
・私はときどき、自分自身のことを「目まぐるしい情報についてゆけなくなった老女」だと痛感することがあります。あなたは、そうではありませんか。「パソコンがよくわからない」
・そんなとき、自分の心を立て直すため、私はよくSF小説を書いています。SF小説といっても、原稿用紙に何十枚も書けるわけではないのですが……。
・こんな調子で、近未来のことを空想してはノートに書き綴っています。オチは、ないことがほとんど。
・昔から多くの専門家が指摘してきた事実ですが、「書く」という作業は、大きな癒しをもたらしてくれます。心の中のモヤモヤがスッキリと晴れたり、まったく新しい見方やアイデアに恵まれることもあります。
・文章の巧拙は問いません。また、SF小説に限らず、詩歌や川柳、はたまた最近流行のブログやツイッターなどでもかまいません。「書く」ことで、心を立て直す。そんな人が増えたり、互いの文章を鑑賞し合うような関係が、あちこちに築かれていったとしたら、それはとても素晴らしいことではないでしょうか。
<からだと心の声にゆっくり耳を傾ける>
<からだと話をしていますか?>
【私が今まで大病をひとつせず生きてこられたのは、自分のからだとの対話を徹底して繰り返してきたから。】
・からだの声を聞いて従うことほど、生きていくうえで大切なことはありません。そのためにはまず「直感」を磨く必要があります。
・私たちの心の中では、このような欲求が無意識のうちに絶えず湧き起こっています。人間のからだはとてもよくできていますから、欲求を察知したからだがそれをかなえようと迅速に働いています。
・自分の欲求を押し殺すことが続くと、不調や病気が引き起こされると肝に銘じておいてください。
・元気で長生きをしたいなら。むずかしいことを考えたり、さまざまな情報収集に奔走することはありません。あなた自身のからだの声に、まず耳を傾けてください。何十年も生き抜いてきたからだには、優れたセンサーが備わっています。
<からだはこまめに使う>
【健康長寿を願うなら、からだを「適度に」動かすこと。これ以上の黄金則はありません。怠けすぎず、頑張りすぎず。そんな“塩梅”を見極める眼力こそ、大人に必須の力です。】
・「寝たきりにならず、病気ひとつせず、穏やかなままで長生きをしたい」それは多くの方に共通する思いでしょう。もちろん私自身、そう願いながら日々を過ごしています。ですから健康法についても、できる範囲でアンテナを張って、情報を集めて実践しています。以前のことですが、「貧乏ゆすりで血流を改善する」という健康法が、テレビ番組で紹介されていました。直感的に「これはよい方法だ!」と、ピンときました。
・このごろつくづく思いますが、年代によって、「したほうがよい運動」と「してはいけない運動」との境界線が目まぐるしく移り変わります。
・そして90代にさしかかるころから、「歩くこと」自体に注意を払う必要が出てきました。
・気分が若いままでいるのはよいことなのですが、うかつにからだを動かすことはけがのもとになりかねません。皆様にもお気をつけていただきたいと思います。
・ですから廃用性症候群を遠ざけるためには、たとえ入院中などであっても、からだを無理のない範囲で動かすことが大事だと、医療関係者たちが警鐘を鳴らしてくれています。
・まして、入院中の身ではないのなら、なるべくからだを「使う」という気持ちで、ご近所をゆっくり散歩したり、軽い体操を行ったり、積極的に階段を上り下りするようにしてみましょう。
途中で「疲れた」と感じたら、無理せずに椅子に腰かけて休んでください。
<危険信号は早めに出す>
【いざ始めてみるとむずかしいことがあります。そんなときは、気負いすぎず周りに助けを求めること。】
・ですが、周囲に対して「厳しくなる」「高圧的になる」「悲観的になる」などマイナスの変化である場合。ちょっと注意が必要です。
あなた自身もそうですが、あなたの周りにもそんな変化が見られる人がいたら。早目に、なんらかの対応をとったほうがよいでしょう。お近くの精神科の受診をおすすめします。
・職業柄、昔から私のところには、多くの方々からさまざまな種類の“危険信号”が集ってきたものでした。
・ただ私の心には「世の中には、お困りの方が数多くいる」という事実が、くっきり刻み込まれています。
・危険信号をうまく発信することも、老いを充実させていくひとつの技術です。
<長寿の秘訣は、挑戦、節制、適度な負荷>
【健康情報があふれ返る今、「どうすればからだによいか」は、皆さんだいたいご承知のはず。頭でわかってはいても、自制するのはむずかしいもの。】
・世の中は健康ブームで、さまざまな商品が出回っているようです。「からだによい」とされる健康食品を買ったり、サプリメントを常飲していたり。家の中での体操を補助するような健康器具も、さまざまな種類があるようです。
でも考えてみると、私は特段「健康のため」「長生きのため」と思ってお金を使ったことは一度もありません。
・医療関係者の知り合いも多いのですが、彼らが「健康のために何かを常用したり、常飲している」などと耳にしたことは皆無です。
・私が心がけているのは、次の三大原則です。
① 「挑戦」の要素を大切にする(数字合わせのパズル「数独」や水彩画を趣味にするなど)
② ほんと少し節制する(食事や酒量の節制)
③ からだにとって、よい負荷になることを選ぶ(自宅の階段の上り下りなど)
・そんなときには「やる」か「やらないか」。10秒間立ち止まって、考えるようにしています。
・私の場合は「150ミリリットル」という1日の上限量を決めていて、いかなるときもそれを超えないように気持ちをコントロールしています。150ミリリットルというとおちょこで3杯程度です。
・こういった10秒間の問答を自分自身と積み重ねていくことも、心身を穏やかな方向へ導いてくれる大事な習慣のひとつです。
<自炊にしがみつかなくていい>
【今まできちんと台所に立ってきた人ほど、自炊ができなくなることに罪悪感を持たれるようです。】
・101歳ともなると、70代や80代の方とはからだの自由度がまったく違ってきます。
・大きな変化のひとつは「食事の買い出しに、頻繁に行かなくなった」ということでしょう。
・ではいったい、食糧をどのように調達するのかというと、周りの方々のご厚意に支えていただいています。
・病院の職員さんたちやご近所の皆さん、身内などが、ひっきりなしにわが家を訪れ、手作りの惣菜や、さまざまなおいしいものを差し入れてくださるのです。
・たとえば、一度でも骨折をした場合、入院に至ったり、歩行がむずかしくなるなど、生活に予想以上のダメージを受けます。また小さな骨折がきっかけで、寝たきりになってしまっては大変です。
・100歳という節目も無事に越せたわけですから、自然の流れにさからわず、できる範囲で、ゆるりゆるりと過ごしていきたいと願っています。
<食事は「おいしくいただける量」が適量>
【「たくさん食べることこそ、元気な証拠」そう思い込んでいる方が、なんと多いことでしょうか。あらゆる生命維持活動は、縮小していくものです。】
・人は年代で体重が増減します。あくまで一般論ですが、40代以降は「メタボ体型」という言葉に象徴されるように、「やせていく」より、「太り始める」人が増えます。
・そして、70代や80代以降ともなると、今度は「やせ始める」人が目立つようになります。それにともない、食事量も自ずと減少します。かくいう私の体重は、現在35~36キログラムの間を推移しています。30キロ台というと驚かれることもあるのですが、昔からやせているほうだったので、とくに問題があるわけではありません。ただ、食べる量は70代、80代のころよりも確実に減ったという実感があります。
・健康診断などで、なんの異常もなければ、少食気味になったことを心配しすぎることはありません。
・今では、お饅頭などの甘いものは、朝にいいただくようにしています。小さなお饅頭1個と、小さなヨーグルト1個と、お茶1杯。それで私の朝食は十分です。「おいしい」と思いながらいただける限界量です。
・「食べたくないときは、無理して食べる必要はない」「少食は、気にしなくてよい」「おいしく食べられる量こそ、その人の適量」こんな言葉を、皆さんに贈りたいと思います。
<寒い場所に、身を置かない>
【「寒い」と自分で気づいて、移動できる。調節を試みることができる。そんな姿勢を身につけておきましょう。】
・年齢を重ねると、気を遣うことのひとつに「寒さ対策」があります。
・100歳を超えた今ではとてもむずかしいのですが、60代のころは電車の窓を独力で開閉することができたものでした。
・体温は高めのほうが、あらゆる病気にかかりにくいという説があります。体温を下げないためには、周囲の気温を下げないことが、まず重要です。また、あなたのからだの自由がそろそろ利かなくなっているのであれば、周りの人にうまく声をかけて、快適な室温を保つことを習慣化していくことができれば、理想的です。
<両手を使えば、脳に刺激を与えられる>
【利き手でないほうの手も、お遊びでよいので、ときに活用してみましょう。認知症を遠ざけられるかもしれません。】
・実は私は、生まれつきの左利きです。皆さんご存じのように、昔は「左利き」というと大変な「悪」とされ、周りの大人たちに厳しく矯正されるというのが一般的な流れでした。
・利き手ではないほうの手も、積極的に使うことは、よい脳トレになるでしょう。今の私は「認知症が遠ざかりますように」という期待を込めて、両手を同様に使うようにしています。
<家の中でも運動はできる>
【自宅でもできる簡単な運動を、いくつか考えて習慣化しましょう。】
・健やかに長生きしたいと願うとき。欠かせない「運動」について、お話ししておきましょう。運動といっても、80代、90代を超えると外での活動はなかなかむずかしくなるものです。
・そんな方は、自宅の中で活動量を増やせるよう、工夫をしてほしいと思います。運動量を増やしたり、運動の強度を上げたり。日常生活を通してからだによい効果を及ぼすことは、意識次第で十分可能です。
・同じ姿勢でいることの弊害として、エコノミークラス症候群や糖尿病など、さまざまな病気の発症リスクが指摘されています。ですから私は、座ったままの姿勢でいても、ときどきからだを動かすように気をつけています。
・とはいえ、激しい動きではまったくありません。ラジオ体操よりもっと簡単な動きのもの。たとえば、椅子に腰かけたまま両手を上に気持ちよく伸ばす、といった程度のストレッチです。単なる背伸び、といってもいいかもしれません。でもその程度の運動でも、やるのと、やらないのとでは大違いなのです。
・「何も動かないよりは、動くほうがいい」心理的なハードルをそれくらいに下げて、楽しくからだを動かしてみましょう。100歳を超えた私でも、えっちらおっちらからだを動かせているわけですから、皆さんならもっと効率よく、運動量をかせげるはずです。
<がんとも一緒に仲良く生きる>
【ふたりにひとりが、がんになると言われる時代。たとえがんになったとしても、その病名に負けない心が大切です。治療の手を尽くしたあとは、がんを自分の分身ととらえてみましょう。】
・年齢を重ねると、心身に不調が生じることは珍しくありません。また、それにはっきりとした病名がつくことも多いものです。
・がんになったことがきっかけで、心の治療が必要なほど落ち込んだり、前を向く気力を奪われたりする方は珍しくありません。
・積極的な治療に挑戦するにせよ、経過を看察するにせよ、「がんとだって、共に生きていく」。そんな心の持ち方を、習慣にしてみてはいかがでしょうか。
<おわりに>
・この年齢になると、正直なところ、楽しみの選択肢は自動的に狭くなってしまいます。
・水彩画を趣味にしてから、「何を描こうか」と被写体を探す視点で周りを眺めるようになりました。
・たとえ、自由に動き回れる身ではなくても。「幸せの種」を増やすことを習慣にする。
(2025/3/11)
『100年長生き』
予防医学で健康不安は消せる!
健康本ベストセラー100冊がたった1650円で読める本
森勇磨 ワニブックス 2024/5/27
<いくつになっても若くて元気な人 そうでない人の違いはどこにある?>
・認知症や病気を遠ざけ、人生の質を底上げしてくれるのは、小さな健康習慣の積み重ねと「老い」を怖がらない心構えです。
本書は健康不安を抱えるすべての人のために、ベストセラー100冊から不老長寿の智恵を1冊に凝縮!
<はじめに>
<「幸せな長生き」とはいつまでも自分らしく生きられること>
・この本は、100年でも、それ以上でも、心も体も健康に生きるためには何が大切なのか、100冊のベストセラー健康書をひも解き、健康長寿の秘訣をまとめようというものです。
・一般的に「歳のせい」と思われているような不調でも、実は何歳からでも改善できるものは少なくありません。
わかりやすいのが、筋肉です。歳をとると筋肉が衰え、足腰が弱まりやすいのは真実ですが、筋肉はいくつになっても鍛えられます。
・ちなみに、健康法にはヒットとホームランがあります。エビデンスは“平均値”であって、エビデンスのある健康法はいわば“ヒットを打てる確率が高いもの”です。一方で、ホームランが打てるものは、実はエビデンスのないもののなかに隠れていることがあります。
・特に、体の健康を保ち、病気を防ぐ健康習慣は、豊富なエビデンスをもとに正解がだいたい決まっています(加工肉の食べすぎが一部のがんを増やすのは確実など)。なおかつ、「これさえやれば大丈夫」というものはないのでヒットを積み重ねる意識が大事です。
・一方、メンタルケアや睡眠改善法などはそもそも正解が一つではなく、相性が大きい分野です。
<健康寿命を延ばす「メンタルケア」>
<長寿の真実 心の不調は体の不調を引き寄せる>
<ストレスは体と心のバランスを崩す>
・ストレスは体の不調も引き寄せ、この本のテーマである、「100年長生き」にもかかわるのです。
・私たちの体は、交感神経と副交感神経からなる「自律神経系」、ホルモン分泌にかかわる「内分泌系」、体内に侵入する異物を排除する「免疫系」の3つがある程度自律的に働き、ちょうどよい状態を保っています。
ところが、ストレスがたまった状態が続くと、この微妙なバランスが崩れてしまい、自動的には立て直せない状態になってしまう。
・このようにストレスが一定の閾値を超えると体の症状として出てくることは「心身症」と呼ばれ、よくあることなのです。
<ストレスを「悪」と考える人ほど死亡リスクが高いと証明されている>
・疲れているのになかなか寝つけない「入眠困難」や、何も異常はないのになぜか喉が詰まっているような感じがする「ストレスボール」、腸の病気がないのにお腹の不調が続く「過敏性腸症候群」などが、ストレスで起こりやすい症状として紹介されています。
・一定以上のストレスがかかったときにどういう症状が起こりやすいのか、自分のストレスのサインを知っておくと、「あ、頑張りすぎているな」「体に負荷がかかっているな」と早めに気づくことができます。
・その上で、「ストレス=悪」と考えることでストレスレベルが高まる、「ストレス=学び」というマインドセットを持つことでストレスレベルが低下するという研究結果が出ていることを紹介します。
<長寿の真実 対人ストレスは自分を変えて対処する>
<ストレスの多くは人間関係のなかで生まれる>
・日常生活のなかでストレスがたまる一番の原因が、人間関係のモヤモヤではないでしょうか。
・「人生の喜怒哀楽の多くは、人間関係の中で生まれます」
・人の心は、目に見えません。そのため、人の心の内が理解できず、人を傷つけたり、相手の言葉に傷ついたりすることも数多くあります。心は見えないために誤解が生じやすい、ということですね。
<「いい人」「悪い人」は自分にとって都合のいい人・悪い人>
・「僕たちは、人間関係を無意識に加工している」と、人がやってしまいがちな“加工”として次の4つを紹介します。
① 投影:相手も自分と同じ感情を抱いていると考えること
② 転移:自分の過去の体験を相手に重ね合わせてしまうこと
③ 逆転移:相手の感情を自分の感情だと勘違いしてしまうこと
④ 投影同一視:自分の感情を他人に押しつけること
・投影、転移、逆転移、投影同一視の4つに共通するのは、自分が無意識に感じていることによって周りが歪んで見えるということ。シンプルにいえば、自分の捉えかた次第ということです。
・他人を変えるのは膨大なエネルギーが要りますから、自分の捉えかたを変えるほうが得策だと思います。ただ、その方法論には合う合わないがあります。
<長寿の真実 自分の価値を自分で認める>
<感情はコントロールできない でも、行動はコントロールできる>
・人生は長さだけでなく、質も大事にしたいもの。その意味では「自分の人生、悪くないな」と肯定的に捉えられるかどうかは大事なポイントです。
・同じように、他人の言動、過去の出来事、それにともなうつらい記憶も自分でコントロールすることはできません。でも、「それにどう反応するか」はコントロールでき、「感情的な行動を抑えることはできる」と。
・心理療法ACTは、絶えず湧いてくる感情や思考から距離を取り、それらを受け止めた上で、心の声に惑わされずに、自分が大切だと思うことを実行できるような“しなやかな心”を育てていくための心理療法です。
<「私なんてダメだ」と不安になったときのとっておきの方法>
・また、「自己肯定感が高い=ポジティブ」と思うかもしれませんが、「ネガティブな自分も、弱い自分も、受け入れられるのが自己肯定感」「ダメな自分もOK!」と気楽に認められると、心はしなやかに、強くなります。
・自尊心は、自分の信念をもとに自分の生き方を選択、行動し、責任を負うという一連の流れのなかで手にする「内面の力」だ。
<長寿の真実 人に話を聴いてもらうにもコツがいる>
<パッと浮かんだ解決策は自分になじみのある方法>
・いずれにしても、夜は頭のなかで不安感が増幅されやすい時間帯と心得て、早く寝ることをおすすめします。
・自分一人ではどうすることもできないときには、
(1) 他の人の力を借りて、一緒に取り組めば解決できるかもしれない
(2) 他の人に相談すれば新しいアイディアが出てくる可能性があるかもしれない
と考えると、気持ちが楽になります。
・従来の方法だけではなく、多くの方法を検討したほうが当然解決の可能性は上がるので、そのためにも人に相談することは有益なのです。
・「話をさえぎらずに、じっくりと耳を傾けてくれる人に聞き役をお願いしましょう」
<アドバイスは明確でわかりやすいが合う合わないがある>
・「自分の余計な思考をなくして相手の現在に集中して話を聴く」「何か思考が浮かんできたら気づく。その思考を脇に置く」
・聴いたことをすべて受け入れたり、肯定したりする必要はなく、いったん聴いてみる。いろいろな考えかたを聴いてみて、そこから何を選ぶかは自分次第です。
<長寿の真実 「その場しのぎ」が長生きのコツ>
<その場で心の落ち着きを取り戻す方法 「セルフ・スージング(自己鎮静)」を身につけよう>
・でも、一度にいくつもの問題を解決しようとせず、解決可能で自分にとって重要なものから取り組むことが大事。
・人には、できることとできないことがあります。できないことまでいっぺんに片づけようとすると、無理が出てきます。できないことを受け入れる勇気をもつことも大切です。
・「嫌なことやストレスがたまっているときには、ジョギングをすると気持ちが向上していく」
・でも、気分の向上に体を動かすことが役立つのは確かです。
・つらい感情を経験しているときに安全に感じ、気持ちをなだめる「セルフ・スージング(自己鎮静)」の方法の一つとして、体を動かすことをすすめています。
・体を動かす以外にも、温浴、安らぎを感じる香り、温かな飲み物、信頼できる人とのおしゃべり、心を落ち着かせる音楽などもセルフ・スージングになるとすすめます。
問題や心配事自体は解決しなくても、心を落ち着かせるにはその場でできることがたくさんあるということです。そして、心が落ち着いたら解決できるものから取り組むといいでしょう。
・不確実なことの多い時代だからこそ、「その場しのぎで毎日をつないでいく」ような感覚でいい、と提言します。そして「今日一日を乗り越えれば、明日は勝手に来る」とも、いい言葉ですね。
<長寿の真実 ストレスを意識の外に出せば勝手にラクになる>
<ストレスのもとに気づき、書き出す それだけで心は回復する>
・やるべきことをいつも書き出しています。脳のなかにため込んでいくと、どんどんキャパオーバーになっていくので、意識的に外に移しているのです。これは、ストレスケアにもおすすめです。
・ちなみに、ストレッサーとは、“ストレスのもと”のことです。
「ストレッサーを日々観察し、書き留めるだけでセルフケアの効果がある」ことが心理学で確かめられているからです。
・その上で、「すべてのストレス反応は自分を守るための正常な反応」であり、「そういう反応が自分に起きているのだ」とまずは認めて受け入れることが大事、と言います。 次に、自分にとってのストレッサーや心身のストレス反応に気づき、受け止める練習となるのが「マインドフルネス」です。
・マインドフルネスは、「今、ここ」に100%の意識を向ける心のありかたです。そうしたマインドフルネスの状態に達する手段の一つが、瞑想です。
目を閉じて座って「吸う」「吐く」という呼吸に集中する方法が最もポピュラーです。
・マインドフルネスは、ストレス緩和だけでなく、腰痛改善や高血圧対策に効果があるとのエビデンスもありますので、試してほしいと思います。
<長続きしない幸せに惑わされない>
・脳内でドーパミン、セロトニン、オキシトシンが十分に分泌されている状態が「幸せ」であり、これらの幸福物質を出す条件が「幸せになる方法である」と定義しています。
・「起床瞑想」。朝起きたときに1分でもいいので、今の自分の心と体の状態に向き合うこと。毎日続けるうちに「自分の好調、不調に『気付く能力』がトレーニングされる」
・また、寝る直前に「今日あった楽しい出来事」を3つ書くという「3行ポジティブ日記」も、セロトニン的幸福を手に入れる方法の一つとのこと。被験者に1週間毎日「3つのよいこと」を書いてもらったところ、幸福感が上がり、うつ傾向も改善したなど、効果が多数報告されているそうです。ところで、幸福そのものを研究する「幸福学」という分野もあります。
・健康であることが幸福に強く影響する以上に、「自分は健康だと思っていること」がより強く影響する。
・幸せな人は健康であるのみならず長寿である傾向が高い。
本書のテーマである「健やかな心」は人生の質だけではなく、長さにもかかわる可能性があるということですね。
<COLUMN 腸とストレスの意外な関係>
・脳と腸はお互いに作用し合っていて、腸を整えれば脳にもよい影響があるのではないか、と期待されています。腸活といえば人気なのがヨーグルトです。ヨーグルトには善玉菌の乳酸菌は含まれていますが、実は大腸菌で圧倒的に多い善玉菌はビフィズス菌のほう。ビフィズス菌は乳酸に加え、
腸内によい働きをする短鎖脂肪酸の酢酸をつくります。腸活のためにヨーグルトを食べるなら、ビフィズス菌入り、かつ糖分の少ないものを選びましょう。
<100歳まで自力で歩く! 『動ける体』のつくりかた>
<長寿の真実 50歳を境に増える「足の不具合」に備える>
<年1%ずつ筋肉は減っていく だから、太りやすくなる>
・いくつになっても自分の足で自由に歩きたい。これぞ万人共通の願いではないでしょうか。
・歳を重ねるにつれて、太りやすくなったと感じていませんか?それは、「中年になると基礎代謝が低下して、必要な栄養素をエネルギーとして燃焼する能力が次第に衰えてくる」からであり、「加齢によって生じる基礎代謝低下の大きな原因は、筋肉の衰えによるもの」
・30代からすでに筋肉は減り始めるものの、40代になるとさらに加速するのです。その先、60歳以降になると、運動習慣のない人は1年で1%の割合で筋肉量が減っていくと言われています。高齢者が入院すると、たった2週間ベッドで横になっていただけで足の筋肉は2割減少すると言われるほどです。
加齢とともに筋肉量が減り、筋力が著しく低下することを「サルコペニア」といい、サルコペニアになると死亡リスク、介護リスクが上がり、がんになったときの生存率は下がり、手術時の死亡率は上がることがわかっています。
・このように動ける体を保つことは長生きに直結しているので、40歳になったら老後の貯金だけでなく、“筋肉貯金”を心がける必要があるのです。
・「目安の一つが、簡単に確認できる握力。握力が低下してきたら要注意」
・握力の話に戻ると、握力が低下している人は、手だけではなく全身の筋力も低下していると考えられます。だから、「最近、ペットボトルの蓋が開けられなくなった」といった人は全身の筋力が低下している危険性大なのです。
ただし、動ける体ということを考えると、より大事なのが「足」です。
<コスパのよい筋トレはスクワットとランジ>
・そして、何より大事なのは歩くことです。歩く力を保つには、やっぱり歩く習慣を持つこと。その上で筋力を保つために筋トレをプラスしてほしい。私がよくおすすめしているのは「スクワット」と「ランジ」です。
<長寿の真実 「歩ける体」には背中の筋肉も必要>
<たった1回の転倒が人生の分かれ道になる>
・長生きを目指すには、なぜバランス力を鍛えたほうがいいのでしょうか。
最大の理由は、バランス力の衰えは転倒リスクにつながるからです。高齢になって転倒すると、太ももの付け根などの骨折を招き、車椅子生活になったり、寝たきりになったりと、人生の大きな分かれ道になりかねません。
・片足立ちが1分間できない人は筋力と骨量が低下しているとわかりました。さらに、脳が委縮しており、認知症の前段階になっている可能性があることもわかりました。ほかにも、脳卒中になって、突然倒れるリスクもあります。こうしたあらゆる病気のリスクを回避するカギになるのが「バランス力」なのです。
・バランス力を保つには「筋力」や「骨量・骨密度」だけではなく、全身に酸素と栄養を送る「血管」、脳からの命令を伝える「神経ネットワーク」の働きも必要だと言います、
・片方の足を浮かせて立つ「片足立ち」はバランス力のチェックにも、バランス力の改善にも役立つ。確かに歩くだけではバランス力はあまり鍛えられないので、片足立ちはとてもよいエクササイズだと私も思います。
・いかに転ばないで、骨折しないか。それが長生きの秘訣となります。そのためにはやっぱり同じ姿勢をしない、姿勢を変えることだ大事なのです。
<猫背を治すにはまず背中をほぐす>
・猫背になる大きな原因は、背中の筋力の低下。
・そのため、「ストレッチによって土台となる背骨のいちばん下の腰椎からしなやかにしていく」必要がある。
・つまり、まずは背骨の柔軟性を高め、その上で背中の筋肉をつけることが大事なのです。
・「正しい姿勢をスタンダードな状態にするには、実は背中の柔軟性がとても重要」と、背中をほぐすことをすすめています。
・大腿四頭筋、殿節、腹筋、背筋というのは、立ち上がって、歩いて、自分の体を思ったところまで移動させるという観点でも重要な筋肉ですので、これらの筋肉が衰えると、姿勢が変化して、やがてロコモになるという言い方もできるわけです。
ちなみに「ロコモ」とは、骨や関節、筋肉などが衰えて、立つ・歩く力が低下している状態のこと。いくつになっても歩ける体をキープするには、足の筋肉だけではなく、忘れがちな背中も意識しましょう。
<長寿の真実 たんぱく質は摂りすぎと偏りに注意>
・筋肉が大事といえば、「たんぱく質を摂らなきゃ」と思う人も多いかもしれません。ただ、「たんぱく源として積極的に肉を食べましょう」という考えは、医師としてはあまりおすすめできません。
・地中海食は他の食事に比べて、タンパク摂取が少ないのも特徴です。
ちなみに地中海食とは、地中海沿岸の人々が食べている伝統的な食事で、心血管疾患や脳卒中、肥満、糖尿病、高血圧、一部のがん、アレルギー疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病などの予防効果が報告されています。つまり、エビデンスのある健康食です。その地中海食の特徴として、魚はほどほどに食べるものの、赤い肉(牛肉、豚肉など)や加工肉は週1回以下なのです。
・腎臓病の患者さんは、たんぱく質も体に悪影響を及ぼす。
<糖質制限は「何を増やすか」で健康効果が真逆になる>
・これによると、たんぱく質はまず一般の人は「体重1㎏あたり1g」が目安。つまり、体重60㎏の人は1日60gということです。一方、高齢者は「一般人よりもちょっと多めの体重1㎏あたり、1.2g程度が目安」とのこと。
・医学的な観点から補足すると、動物性のたんぱく質は摂りすぎると健康によくないというエビデンスが出ています。ですから、たんぱく源として肉ばかり食べるのはよくありません。大豆や大豆製品など、植物性のたんぱく質を意識して選んでほしいと思います。ただし、動物性とはいえ、魚はやっぱりおすすめです。
・最後にもう一つ大事なことを、どんなにたんぱく質を摂っても、運動をしなければ筋肉はつきません。くれぐれも忘れないでください。
<長寿の真実 歳を取るほど外へ出よう>
<人付き合いが苦手でも孤独はリスク 野菜嫌いでも野菜は食べたほうがいいように>
・「深く生きた人は長く生きた人でもある」
・つまり、動ける体を保つことは社会とのかかわりを保つことにもつながるということ。
・なぜなら、社会的孤立は、認知症や健康寿命のリスクになるから。人とかかわることで脳への刺激が確保できるのです。
・それと同じで、たとえ人とかかわるのが苦手でも健康のためには人とかかわり続けたほうがいいですよ、ということです。
・これからの人生は評価を求めるよりも、人の役に立ちましょうと語りかけます。
・医師という立場からいえば、漢方薬も西洋薬も特に区別はありません。どちらも科学的に検証されたエビデンスある薬という意味では同じなのです。なおかつ、漢方薬にも副作用があります。西洋医学か東洋医学(漢方)かではなく、両方を境目なく使うのが賢い使いかたです。
<本当に正しい 『健やかな脳』の保ちかた>
<長寿の真実 「脳の衰え」は誰もが避けられない問題>
<一人ひとり違う認知症の世界 治す薬はまだ存在しない>
・「認知症とは、『認知機能が働きにくくなったために、生活上の問題が生じ、暮らしづらくなっている状態』のこと」
・ところで、なぜ認知機能が働きにくくなるのでしょうか。認知症のなかでも最も多いアルツハイマー型認知症の場合、アミロイドβと呼ばれる“脳のシミ”が沈着することが原因ではないか、と言われています。
・現状では、すでになってしまった認知症を治す方法は見つかっておらず、認知症の治療に使われている薬はすべて進行を遅らせるためのものなのです。
<「もの忘れが増えてきた」は脳を思いやるタイミング>
・認知症の治療が難しい理由の一つに、薬が脳に届きにくいということがあります。脳には「血液脳関門」と呼ばれるしくみがあり、有害なものが脳に入り込まないように取り締まっているのです。
・脳につながる血管には、脳に余計なものが入らないように監視し、侵入を拒むしくみがあるのです。したがって、ほとんどの薬は脳に届きません。その一方で、アルコールやカフェイン、ニコニン、覚醒剤といった危険な薬物など、脳に溶けやすい性質を持つ小さな物質は血液脳関門をすり抜けてしまいます。
・今のところ、認知症を治す手立てはないとすると、どうするか――。「認知症は生活習慣を妨げる」
・アルツハイマー型認知症に次いで多い血管性認知症は、高血圧や糖尿病、過剰なコレステロール(脂質異常症)、喫煙などによって血管が傷むことが原因です。いうなれば“脳の生活習慣病”なので、確かに生活習慣で防げます。
・睡眠の大切さを指摘します。つまり、睡眠中に脳内の水が入れ替わることで脳内が掃除されているかもしれない、ということです。
・では、いつ頃から認知症予防を意識すべきでしょうか、早ければ早いに越したことはありませんが、一つの目安となるのはMCI(軽度認知障害)の段階です。MCIは認知症になる手前の段階で、MCIのうちに気づいて対処すれば、半数の人は健常な認知機能に回復することがわかっています。
・「もの忘れが多くなってきた」は絶望のサインではなく、生活習慣を見直すサインと前向きにとらえましょう。
<長寿の真実 ボケ防止には脳への刺激が欠かせない>
<手書きの手紙は脳にとってダブルの効果>
・それは、90代でも筋トレで筋肉が増えるように、いくつになっても認知機能を高める、衰えないようにすることはできるということです。
・「脳は死ぬまで成長を続ける」。他の細胞と同様、脳の神経細胞も年々減っていき、年齢を重ねるごとに老化していきます。しかし、この神経細胞は複数の脳番地をネットワークでつなぎ、そのネットワークは年々成長していくことがわかりました。たとえ老化によって細胞が減っても、脳番地の連携が進めば、神経細胞同士のつながりが強くなるため、脳の機能は強化されていきます。
・それぞれの脳番地を鍛えるには特別な器具や準備はいらず、日常生活をほんの少し見直して新しい経験をつくりだすだけでいい。
・手で文字を書くことです。手書きは、視覚、筆記の音、感触など、五感から刺激が入るため、記憶の定着に効果的なのだそう。
<脳を鍛えるなら脳トレよりも対人ゲーム>
・朝、10人ほどの認知症の患者さんに電話をかえるのが日課という医師。
・認知症予防の大きなカギは「血のめぐり」と言い、脳の血流を増やして認知症を防ぐ方法の一つとして読書を挙げます。読書のジャンルはなんでも。
・その新井さんが脳トレよりもおすすめと話すのは、トランプ、囲碁、将棋、マージャンなどの対人ゲームです。
・また、体を動かす習慣がなく、家で脳トレばかりをしているとしたら、かなり残念な過ごしかたです。認知症予防には頭を働かすだけではなく、体を働かすことも大事なのです。
<長寿の真実 運動は「ほどほど」が一番脳にいい>
<脳が喜ぶ“栄養”を増やし認知症リスクを半減させるとの報告も>
・脳を若々しく保つために一番大切なことは何でしょうか?この問いに「運動」と断言。
・運動がもたらす効果はさまざまありますが、その第一の目的は「脳を育ててよい状態に保つためだ」
・運動は、脳の回路が結合を増やし、成長するきっかけを与える。血液の量を増やし、燃料を調節し、ニューロンの活動と発生を促すのだ。老いた脳はダメージに対して弱いが、だからこそ、脳を強くするためになにかをすれば、若いときより効果が大きい。私も、「脳を鍛えるには運動が一番」という考えには賛成です。
・筋トレも大事ですが、脳だけではなく全身の病気を遠ざけてくれるのは、なんといっても有酸素運動です。その代表が、ウォーキング。
・「ウォーキングには認知症のほか、寝たきり、うつ、心疾患、脳卒中、がん、動脈硬化、骨粗しょう症、高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームを予防する効果がある」と紹介します。長生きを目指すなら、ウォーキングをはじめとした有酸素運動が欠かせません。
<コスパのいいウォーキングは1万歩よりも8千歩>
・ほどほどの運動こそが万能薬、と言います。「ほどほど」の指標は「1日8000歩、そのうち中程度の運動が20分」、つまり、1日の歩数が増えれば増えるほど健康効果が高まるわけではない、ということです。
ほかの国内外の研究結果を見ても、1日8千歩まで歩けば歩くほど寿命が延びるのですが、8千~1万歩で健康効果は頭打ちになっています。
・もっと健康効果を高めたいと思ったら、時間をかけて歩数を増やすより、強度を上げることです。ウォーキングであれば、ちょっと汗ばんで、隣の人と会話ができないぐらいのスピ―ドを目指しましょう。
・認知症予防のために開発された運動プログラム「コグニサイズ」でも、10カ条の一つとして「『ややきつい』と感じられるくらいの運動を行う」を掲げています。
・コグニサイズとは、ステップ台を上り下りしながら引き算をするなど、体を使う運動課題と頭を働かせる認知課題を同時に行う運動です。
・「傷むから」といって運動量が減り、太ももの筋肉が衰えれば、膝を支える筋肉がなくなり、さらに膝が痛むようになります。膝が気になり始めた人ほど、本当は運動をしてほしいのです。
・「膝や腰などに痛みを感じたら、その運動はやめること」と書かれています。
<長寿の真実 目、口、耳の機能低下を防ぐ!>
<聞こえも飲み込む力も意識して使えば鍛えられる>
・情報の9割が目から入ると言われており、目が悪くては、ましてや失明してしまってはせっかく長生きしても充実した人生は送れないでしょう。脳の機能が落ちて認知症になる可能性も高まりますから、目を守ることは認知機能を生涯にわたって正常に保つことにもつながります。
・近くを見る作業をするときは、「少なくとも1時間に1回は(パソコンの)モニターから目を離し、目を閉じて休憩しましょう」
・目の病気の怖いところは自覚症状に乏しいということです。異常を感じていなくても、40歳を過ぎたら定期検査を受けましょう。
・人は必要のない情報を無意識にシャットアウトするため、意識して音を聴かなければ脳への刺激が減ってしまう、と言います。そこで、耳をすまして音を聴き、耳を鍛えることで脳を鍛えようというのが、この本です。
歳をとれば耳が遠くなるのは仕方がないと思うかもしれませんが、難聴は認知度のリスクを高めます。
・「食べ物が飲み込めなくなったのをきっかけに認知症になってしまう人や、飲み込めなくなったとたん寝たきりになってしまった人も」見てきた、と言います。
食事中にムセることが増えた、大きめの錠剤を飲みにくく感じるようになったなどは、飲み込み力低下のサイン。特に男性のほうが、のどの機能は衰えやすいそうです。理由は、一説には、女性のほうがおしゃべり好きな人が多いから、とか。そのため西山さんは、男性は特に「定年後に会話を減らさないこと」とアドバイスします。
<COLUMN 今すぐ止めたい脳に悪い行動>
・血糖値が急上昇する食べかたが体に悪いのは血管を傷めるから。脳を疲れさせるNG行動として「甘いものを一気に食べること」を挙げています。それから喫煙と飲酒。これらが体内で「大量の活性酸素を発生させる」と指摘します。
<寿命をどこまでも延ばす! 『最強の健康管理』>
<長寿の真実 中高年以降は魚ファーストに切り替える>
<1日1切れの魚が死亡リスクを下げる>
・だからこそ、50歳からは食習慣を変えてほしい。たとえば、中性脂肪やコレステロールの代謝が悪くなる「脂質異常症」は、女性は更年期頃から、男性は30代あたりからどっと増えます。といっても、コレステロールも中性脂肪も本来は体にとって必須なものです。
ただ肝臓でつくられたコレステロールは「LDL」に乗って全身に運ばれ、これが多すぎると血管の壁にたまり、動脈硬化を進めてしまう。そこで、たまったLDLを血管の壁から回収してくれるのが「HDL」です。そのため、LDLは悪玉、HDLは善玉と言われるのです。
・ということで、50代になったら、食生活をちょっと変えてほしいのです。ずばり、数多くの信頼できる研究によって健康に悪いと考えられている食品は、①赤い肉(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は含まない)と加工肉(ハムやソーセージなど)、②白い炭水化物、③バターなどの飽和脂肪酸の3つである。
逆に健康に良い(=脳卒中、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)と考えられている食品は、①魚、②野菜と果物(フルーツジュース、じゃがいもは含まない)、③茶色い炭水化物、④オリーブオイル、⑤ナッツ類の5つである。
・67万人のデータから導き出された研究結果として、魚の摂取量の多い人ほど死亡リスクが低く、1日60gの魚を食べていた人は全く食べていない人に比べて12%死亡率が低かったことを紹介しています。
スーパーなどで売られている鮭や白身魚などの切り身1切れが80g前後ですから、1日1切れで60gはクリアできます。刺身であれば3、4切れでしょうか。それだけで死亡リスクを下げられる可能性があるのです。
<脂質異常も高血圧も高血糖も“無言” 突然、命にかかわる病がズドンと来る>
・「『心臓の健康』といったらコレ!」とEAPとDHAを挙げます。EPA,DHAは、アジ、イワシ、サバといった青魚に多く含まれる油です。
EAPは抹消血管をしなやかに開いて、血小板の活性を抑え、血流をよくしてくれる働きがあり、DHAは脳に働きかけて、うつ病や認知症の予防に役立つ可能性がある。
さらに、EPA、DHAには中性脂肪やLDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす働きもある、とも。実際、中性脂肪値の高い人に使われる「ロトリガ」という薬の主成分は、EPAとDHAなのです。
魚がいかに大事か、わかっていただけたでしょうか。ただ、肉を食べたほうがいいシチュエーションとしては、貧血があるときです。肉は、鉄分の摂取減としては非常に優秀。
・一般的には、中高年以降の健康を守ってくれるのは、断然、肉よりも魚。ぜひ魚ファーストの食生活に切り替えましょう。
・それは高血圧や糖尿病も同じで、自覚症状がないからといってほったらかしていると、じわじわ動脈硬化を進め、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中などをズドンと引き起こすのです。
“ズドン”のまえに中間警告をハッキリしてくれるのは、尿酸値ぐらいです。
<長寿の真実 肝臓の健康なくして長寿なし>
<肝臓にたまった脂肪 放置すれば肝臓がん、脳血管障害へ>
・脂肪肝はなぜか軽んじられがちですが、放置すれば肝臓で炎症を起こし、肝臓の細胞を壊し、やがては肝硬変や肝臓がんといった死に至る病にも。
なおかつ、脂肪肝の人は中性脂肪値も高かったり、糖尿病や糖尿病予備軍の人も多かったりと、「糖尿病や脳血管障害などの生活習慣病の始まり」でもある。
・肝臓は“沈黙の臓器”とも呼ばれていて、肝硬変の末期まで黄疸や腹水といった症状はほとんど出ません。だから、検査の数値が重要な手がかりなんです。
つまり、健康診断で「AST」「ALT」「γ-GTP」という項目が悪かったら放置してはいけないということ。
<肝臓に脂肪をたくわえる犯人は脂質ではなく、糖質>
・ところが、脂肪肝を治す薬はありません。でも、安心してください。食事と運動というシンプルな方法で脂肪肝はよくなります。非アルコール性脂肪肝の場合、一番の原因は肥満です。食事と運動でやせれば、肝臓の脂肪も自然と落ちていきます。
・「控えるのであればまずは炭水化物」、「少なくともお酒を飲んで赤くなる人はあまり飲まない方がいい体質」、「毒性物質の代謝に肝臓がパンクしてしまう危険がある」
・「一滴も飲まないことが健康に一番」が結論で、酒飲みの私には耳が痛い話です。お酒は、口や喉のガン、食道がん、肝臓がん、乳がん、大腸がんなど、多くの臓器のがんを増やします。
・脂肪肝、特に非アルコール性脂肪肝の増加は医療界でもホットなトピックです。日本人成人の3人に一人が脂肪肝と言われるほどですから、他人事と思わず、気にかけてほしいと思います。
<長寿の真実 一番簡単な認知症予防対策は「正しい歯みがき」>
<歯の平均寿命は60年 予防を間違うと歯を失う>
・日本人の平均寿命は、2023年現在男性81歳、女性87歳。100歳以上の方も9万人超に達し、「人生100年時代」という言葉もすっかり市民権を得ています。ところが、歯の寿命は60年。
・過去の統計から、年齢が上がるにつれて歯を失う割合は増え、その一番の原因は「歯周病」で、どの年齢にも多い抜歯の原因は「むし歯」であることがわかっています。
・つまり、歯周病とむし歯を予防すれば歯を失う確率は格段に減らせるのです。「歯を守ることは脳を守ること」
<30代からは歯周病に注意 正しい歯みがきとプロケアが歯を守る>
・アメリカのマスコミから「フロスか、死か」という発信がされ、世界中にセンセーションを巻き起こしたことがありました。これは、フロスなどを使って歯間清掃をしなければ、歯周病になってさらに認知度や全身疾患リスクが高まることを端的に言い表したコピーです。
・歯周病は歯を失う第一の原因であるだけではなく、全身の病気と関連があることがわかってきています。「歯周病は『全身に炎症が継続している病態』として捉えるべき疾患」
・さらに恐ろしいことには、歯周病の原因菌そのものが、毛細血管から血管へと侵入して全身を駆け巡り悪さをすることも指摘されています。
・具体的には、「歯周病を治療することで、糖尿病が好転する」「歯周病に由来する慢性的な炎症が、アルツハイマー型認知症の原因である脳の炎症を増強する」といった可能性が指摘されています。
歯を大事にすることは脳や体の健康にもつながるということ、わかっていただけたでしょうか。
<長寿の真実 加齢による目の病気は40代から手を打つ>
<白内障は誰もが通る老化現象 老眼と間違えられやすい>
・「歯の寿命は60年」「眼の寿命は65~70年」。年齢が上がるにつれて誰もが失明につながる目の病気を抱えるリスクを負う。だからこそ、早期診断、早期治療で失明を防いでほしい。
・「白内障は加齢とともに誰にでも起こる病気であり、若い人に起きることもある」。見えにくさを「年のせい」で片付けていたら、実は白内障を進行させてしまっていたということがあるわけです。「白内障は、適切な時期に手術をすれば視力の回復も期待できる病気です」
・一方、緑内障は目と脳をつなぐ視神経がダメージを受けて、だんだん視野が欠けていく病気です。治療の基本は目薬で眼圧を下げることで、病気を根本的に治す治療はありませんが、緑内障の進行を遅らせることで、失明から守ることはできます。
・40歳を超えたら視力検査だけではなく、眼圧検査、眼底検査もぜひ受けましょう。というのは、緑内障は決してまれな病気ではないからです。
・国内で行われた緑内障の疫学調査では40歳以上の5%、すなわち20人に一人に緑内障が見られた、と紹介しています。しかも、この調査では、緑内障を発症している人の9割は自分では気づいていなかったそうです。
・それよりも、目に酸素と栄養を送り届けているのも血管で、目も血管が支配している臓器ですから、結局は、生活習慣病対策が目の健康も守ります。
何かと体に悪い喫煙は、緑内障を進行させ、白内障のリスクも上げることは確実です。糖尿病も、細かい血管がダメージを受けることで網膜症という、これまた失明につながる病気を起こしやすく、それが緑内障を引き起こすこともあります。それから、緑内障や白内障のリスクがもともと高いのが、近視の人です。
<長寿の真実 睡眠は歳をとるほど「時間よりも質」>
<夜中のトイレに悩んでいる人は日中“足”を使うこと>
・でも、質のよい睡眠は、病気を遠ざけ長生きするためには、食事、運動と並んで三大必須事項です。どんな調査でも、睡眠時間が7~8時間の人は一番寿命が長いということです。
・国内の研究では、夜間排尿の回数が一晩で2回以上ある高齢者は、夜間排尿の回数が1回以下の高齢者に比べて、死亡率が1.98倍であることがわかりました。
・コーヒーや緑茶など利尿作用のある飲み物を夕方以降は控えるといったことはその代表ですが、意外にも大事なのが、「下半身の筋肉を使う運動」です。下半身の筋力が衰えると、血液を全身に巡回させるポンプ機能が弱まり、足に水分がたまりやすくなります、すると、いざ寝ようと横になると、足にたまった水分が重力から解放されて全身をめぐり、トイレに行きたくなるのです。これを避けるには、足に水分をためないこと、つまり、日中にしっかりと足の筋肉を動かすことです。ランジ、スクワットは夜間頻尿対策としてもとても優秀です。
・夜間頻尿対策として足の運動のほか、腹巻きでお腹を温めることをすすめています。
<寝る前のルーティン、魔法のフレーズが安眠のスイッチを入れる>
・ルーティンとしては、「風呂に入る、パジャマに着替える、歯を磨く、本を読む、など一連の行動を毎日繰り返すことが重要」
・ほかにも、落ち着く音楽やリラックスする香りなど、方法は何でも構いません。エビデンスも大事ですが、睡眠に関しては相性も大きいので、寝られるならどんな方法でもいいのです。
<長寿の真実 夜の呼吸に気をつける>
<寝ながら呼吸が止まる「無呼吸症候群」 その脂肪があなたの呼吸を止めている ⁉>
・睡眠の質を下げるものといえば、寝ている間に、人知れず息が止まっている人がいます。「え?」と思うかもしれませんが、それが睡眠時無呼吸症候群という病気です。息が10秒以上止まることを無呼吸と言い、寝ている間に何度も無呼吸状態あるいは、息の浅い状態が繰り返されるのです。
・気づかずに寝ているからいいのかといえば、決してそうではありません。無呼吸状態が繰り返されると、交感神経がアラートを鳴らし、寝ている間に血圧が上がりやすくなります。すると、さまざまな生活習慣病のリスクも上がるのです。
・まず、昼間の眠気によって、無呼吸の人は交通事故を起こすリスクはおよそ7倍になるとされている。
・大きないびきをかいて寝ている人、いびきの回数が多い人、日中に眠気やだるさ、イライラを感じる人は要注意です。特に肥満の人は首周りについた脂肪が気道を圧迫して睡眠時の無呼吸を引き起こしやすい。ドミノのように生活習慣病をバタバタと引き起こす前に、早めの検査をおすすめします。
・一つは、横向きに寝ること。仰向け寝はいびきをかきやすいのです。もう一つは、肥満の場合はやせること。
・ところで、呼吸に関する本も多いですねよね。ゆったりとした呼吸は副交感神経を優位にして心と体をリラックス状態に導きます。
<COLUMN 世の中は嘘だらけ>
・私が「予防医学ch」というYou Tubeチャンネルを始めたのは、間違った健康法にすがって、がんなどの病気を進行させてしまった人に救急の現場でたくさん出会ってきたからです。
<100歳までしたたかに図太く生きる! すごい『考えかた』>
<長寿の真実 「病気になってから考える」では遅すぎる>
<病気の“質”が変わった現代 1対1の治療では完治できない>
・大学病院の救命救急病棟で働いていた頃、すっかり病状を悪化させてから病院にかかり、後悔の念に苦しむ患者さんたちをたくさん見てきました。
・現代社会が対峙する疾患群においては、生活のあらゆる側面が誘引となるため、原因をひとつに帰着させることが難しい。
・病気を発症してから治療をしても治らないかもしれませんし、後遺症が残るかもしれません。あるいは、生活習慣病であれば、一生薬を飲みつづけなければいけないかもしれません。だから、“治療では遅すぎる”のです。「認知症は予防が9割」
<人が最期に後悔することは? 「健康を大切にしなかったこと」>
・今、日本では65歳以上の高齢者の割合はなんと29%にまで達しています。全人口の3人に一人が高齢者という世の中に、だんだん近づいているのです。
さらに、今後10年以内に認知症の人が700万人を超え、高齢者の5人に一人が認知症という時代がやってくるとされています。
・「私たちが『元気な高齢者』になることが非常に重要なのです」
・すでにお伝えしたとおり、現代の医学では認知症を治すことはできません。予防はできます。認知症に限らずですが、人生の経験にさしかかったときになるべく後悔のないように、健康なまま長生きできるように、今のうちから予防に努めてほしいと思います。
・だからこそ、「健康なうちから健康を大切にすること」、つまりは「病気を早期発見し、それを是正しようとすること」が、後悔の少ない最期を迎えるための第一の提案。
<長寿の真実 早いうちから検査に行く>
<がんのトップ3はそれも早期発見できるがん>
・罹患数のトップ3は、大腸がん、肺がん、胃がんで、死亡数のトップ3は、肺がん、大腸がん、胃がんです。罹患数1位、死亡数2位の大腸がんが増えている主な原因は、食生活の欧米化だと言われています。
・食生活ともう一つ、がんで死なないために欠かせないのが早期発見です。幸いにも、罹患数・死亡数ともにトップ3に入る大腸がん、肺がん、胃がんはいずれも“早期発見できるがん”なのです。
・さて、がんに次いで多い死因が心臓病です。心臓病は突然死の原因にもなりますが、心臓病は「突然に起こる疾患ではなく、ほとんどが生活習慣に起因する」と言います。つまり、心筋梗塞や狭心症などの怖い病気を起こす前に、生活習慣で防ぐことができるということ。
・その一つとして、「高血圧が続くと心不全になる」「『糖分』は血糖値を急速に上げて心臓を弱らせる」「悪玉コレステロールは絶対に下げる」と、血圧、血糖値、コレステロール値のコントロールの大切さを説きます。これらの問題を発見するのが、特定健診、いわゆるメタボ健診ですよね。
<認知症の一歩手前は「ちょっと変」家族の気づきが予防につながる>
・認知症も早期発見が大事です。認知症の一歩手前、MCI(軽度認知障害)の段階であればまだ挽回できるからです。
・「MCIの患者さんの特徴をひと言でいえば、『ちょっと変』」と表現します。「ちょっと変」を見逃さないことが、MCIの段階で見つけるコツなのです。「ちょっと変」の正体が、認知症ではなく、うつ病気だったということもあります。
・高齢者の場合、心と体の結びつきが若い人よりも強く、体を病むと心を痛みやすく、心を痛むと体にも悪影響が出やすい。
<長寿の真実 ピンピンコロリを目指さないでいい>
<ピンピンコロリは“事故”以外にはないと心得ましょう>
・ピンピンコロリと逝きたい――。そうよく聞きます。でも、昨日まで元気でピンピンしていた人が突然コロリと死ぬということは、心筋梗塞や大動脈解離、窒息といったなんらかの“事故”が起きない限り叶いません。たまたまそういう最後になって「ピンピンコロリの人生だったし、よかったね」と周りの人が受け止めることはいいと思いますが、目指す者ではないのでは、というのが正直なところです。現実は、平均寿命と健康寿命の差を考えると、10年前後、介護が必要になったり寝たきりになったりする期間があるのが平均的な人生のしまいかたです。ピンピンコロリの間の要介護期間が多少はあると想定しておいやほうがいいでしょう。ただ、その期間を短くすることは可能です。
・一方、介護が必要になってきた晩年をいかに有意義に過ごすかも大事で、そのために、最近では「人生会議」と呼ばれるように、元気なうちから家族をはじめとした周りの人と話し合っておいてほしいと思います。
・「僕の死は、自分にとってではなく家族にとっての問題なんです。僕は死んでいる。何もできない。家族は生きている。だから委ねる」、「死を自分の問題としている人が多いのですが、本人には問題ではありません。だって死んでしまうんだから」
私も、死にかたに善し悪しはないと個人的には思っています。あえていうならば、周りの人になるべくスムーズに受け入れてもらえるような形で準備しておくといいですよね、ということぐらいです。「人生は長さを競うものではない」
<人生の大先輩から学ぶ「今を大切に」「メリハリのある毎日を」>
・認知症は予防が大事という話をしましたが、これまでに出会った患者さんたちを思い浮かべると、長生きこそが認知症のリスクであることも否めません。ただ、認知症になっても変わりませんよ、決して怖いものではありませんよ、と教えてくれるのが長谷川和夫さんです。
・長谷川さんは本の最後に「生きているうちが花」と思いながら、「『いま』という時間を大切に」、「社会や人さまのお役に立てることを、自分ができる範囲でやっていきたい」と綴っています。
・さて、本書を読んでいただくとわかるように、結局は適度な運動とバランスのよい食事で生活習慣病を防ぐことがすべてに共通する最適解です。
・「毎日規則正しく生活し、午前中の仕事と午後のお楽しみというメリハリがあり、運動のかわりに階段の上り下りをしている。そんな毎日の生活が私の健康を支えているのかもしれません」
健康を支える習慣をまさに端的に表しています。予防のためにできることをやり、晩年に向けた心構えもしておけば、あとは「人事を尽くして天命を待つ」で十分でしょう。死にかたまできれいに仕上げようとアレコレ心配するよりも、今という時間をめいっぱい楽しみましょう。
2016/9/22
『100歳まで元気でぽっくり逝ける眠り方』
大谷憲 片平健一郎 あさ出版 2013/11/11
<いい生き方・いい死に方を決める鍵は「眠り方」にある>
・あなたが、いかに健康で楽しい人生を送り、苦しまない最期を迎えられるかは、「眠り方」にかかっています。
・ご長寿国家日本では、「平均8年間寝たきり」の現実が
・100歳まで健康か病気がちかを分けるのは、「眠り方」だけ
・人生の3分の1を費やす睡眠が「一生の質」を決定づける
・なぜ、私は、数ある健康法のなかでも「眠り方」にたどり着いたのか。これにはいくつか理由がありますが、いちばん大きな理由として挙げたいのが、「どんな人でも寝ることはできる」ということ。
人間は生きていれば必ず睡眠をとります。たとえ病人であっても、寝たきりになったとしても、「寝ること」だけはできるはずです。
<ぽっくり死ぬためのキーワードは「血流」と「睡眠」>
<郷ひろみさんの血管年齢は20代>
・たしかに、郷さんは日々ジムなどに通って、肉体のトレーニングを欠かさないからこそ、激しいダンスやパフォーマンスでファンを魅了できるのでしょう。
・なんと、「血管年齢が20代よりも良好」と判定されていたのです。番組によると、中性脂肪、血糖値、コレステロールなどが、すべて20代平均よりもよい数値でした。
私たちは、仕事柄たくさんの人の血管を見てきていますが、郷さんの結果は奇跡的といっても過言ではありません。過度のストレスや不規則な生活をしている現代人の多くは、実年齢よりも血管年齢のほうが上であることが多いからです。
・その番組の中では、郷さんの1日の生活習慣を紹介したうえで、若さの秘訣は、「自律神経のバランスをうまくとっていることにある」と結論づけていました。
<交感神経と副交感神経のバランスが健康の秘訣>
・自律神経とは、簡単に言えば、呼吸や血液の循環、消化、代謝など生きるために大切な機能をつかさどる神経のこと。
その名の通り、人の意思とは関係なく自律的に働いている神経で、たとえば、人が眠っているときでも呼吸を続けられるのは、自律神経のおかげです。
自律神経はさらに「交感神経」と「副交感神経」の2つに大きく分けられます。
交感神経はストレスがかかっているときに優位に立つ神経で、たとえば、スポーツなど活動しているときや興奮時に優位になります。副交感神経はリラックスしているときに働く神経で、夕食後など休憩時やリラックスしているときに優位になります。この2つがうまくバランスをとることで、体が正常に機能しています。
<あなたの快眠度セルフチェック>
Q・あてはまるものをチェックしてください。
1、 寝つくまで1時間以上かかる。
2、 ひと晩に2回以上目が覚めて、その後なかなか寝つけない。
3、 朝の目覚めが普段より2時間以上早く、目覚めたあと眠れない。
4、 日中に過度な眠気があったり、居眠りしてしまったりする。
5、 寝言、いびきが多い。
6、 ぐっすり眠ったという実感がなく、寝足りなさが常に残る。
7、 トイレに二度以上起きる。
8、 夢ばかり見る。
9、 朝目覚めが悪く、気だるい。
10、 「睡眠中に無呼吸になることがある」と言われたことがある。
11、 朝、顔がむくんでいる。
12、 物忘れがひどい。
13、 吹き出物ができやすい。
14、 寒がり、冷え性だ。
15、 風邪をひきやすく、治りにくい。
16、 首、肩が凝る。
・チェックが5個以上 慢性不眠、あなたの睡眠は危険水域!すぐに改善を!!
3~4個 不眠気味かも!?気をつけましょう。
2個以下 比較的よい睡眠がとれています。できるだけ維持を。
<ポイントは「毛細血管」の血流>
・血流とひと口で言っても、特に大事なのは「毛細血管の血流循環」ということ。毛細血管は、動脈と静脈をつなぐ細い血管のこと、血管はなんと、髪の毛の直径の10分の1ほどの細さです。
心臓から送り出された血液は、動脈から毛細血管に流れ、静脈を通って心臓に戻ります。
人間1人の血管をすべてつなぎ合わせると、約10万キロに達すると言われていますが、これは地球を2周半するほどの距離です。
そしてその血管のうちの実に95%以上は、毛細血管と言われています。こうした毛細血管が、体中に張りめぐらされています。
人間の体は、60兆個の細胞で構成されていますが、毛細血管はこれらの細胞に栄養や酸素を運搬するという大切な役割を担っています。
・末梢の毛細血管まで血液が十分にまわらないと、細胞はその役割を果たすことができませんが、十分な血液によって活性化した細胞は再生能力が高まり、免疫機能も上がります。
・郷ひろみさんが若々しく健康的なのは、血管年齢が若く、血流がよいことが大きく影響していることが想像できますよね。
ぽっくり逝きたければ、昼は活発に活動し、その中でストレスを感じたら、副交感神経を優位にできる時間を確保する。そして夜は副交感神経を優位にすることです。それが毛細血管の血流循環をよくする秘訣です。
・しかし、忙しい現代人は夜になっても緊張から解放されず、交感神経が高ぶったままなかなか寝つけない人が増えています。夜に副交感神経を優位なコンディションにすることができる生活スタイル、テクニックが求められます。
睡眠前に、毛細血管まで血液がスムーズに流れていると、体温が高くなり、リラックスした心地よい睡眠をとれるようになります。
血液と睡眠は、実は、健康を保つうえで密接に関係しているのです。
<ぽっくり逝きたいならいい睡眠をとりなさい>
<睡眠中は体の温度は低くなる>
・子どもを育てたことがある方ならご存じでしょうが、子どもは眠くなると、手のひらから足先まで熱くなってきます。人間は眠りに入り始めると、毛細血管がゆるんで、心臓から遠い手足の毛細血管まで血液が流れ込むからです。
しかし、眠っているとき、人の体温は下がっています。
矛盾したことを言うようですが、皮膚の表面温度が上昇する代わりに、深部体温(脳や内臓などの温度)は、放熱して1~1.5℃下がっていきます。
睡眠中は血液を手足の毛細血管に移動させることにより、体温を下げ、基礎代謝能力を下げて、脳と体を休ませようとしているわけです。
反対に、頭や心臓が活発に働く日中は体の中心温度が高く、手足の体温が低くなります。
ここ最近、「手足が冷えて眠れない」と悩んでいる人が増えています。こういった悩みのほとんどは、低体温で血流が悪いことが原因です。
・もともと体温の低い人は、体の中心部の温度を冷やさないように血液が極力皮膚を通らないようにするため、毛細血管の血流が悪くなり、手足が冷えてしまいます。いざ眠ろうとしても、手足に血液が流れないので、深部体温が下がらず、体がなかなか眠る状態にならないのです。
問題は寝つけない事だけではありません。毛細血管まで十分な血が回らず、皮膚の表面温度が下がったままだと、「体が覚醒している」と勘違いしてしまいます。そのため、脳と体を十分に休ませることができないのです。
<質の悪い睡眠は万病のもと>
・質の高い睡眠がとれないと、心身ともに悪影響が出てきます。
・十分な睡眠をとらないと、脳細胞が死んでしまい、学校の成績や作業効率に影響します。
また、風邪などの病気にかかりやすくなるだけでなく、がんなどの病気も誘発します。肥満の原因にもなったり、自律神経のバランスが崩れてうつ病になる人もいます。認知症の原因になるとも言われています。
さらに、最近の研究では「6時間以下の睡眠で1週間を過ごした人は、炎症や免疫系、ストレス反応に関連する711の遺伝子の発現に影響が出た」という結果が出ました。また、睡眠不足の人たちの遺伝子は、概日リズム(睡眠・覚醒などの1日周期のリズム)が不規則になることも報告されています。つまり、質の悪い睡眠は、遺伝子レベルでも人間の健康を阻害することになるのです。
・一方で、質の高い睡眠をとれば、自律神経のバランスを保つことができます。それは、毛細血管への血流循環に好影響をもたらし、ますます健康になっていきます。
つまり、「血流をよくすること」と「いい睡眠をとること」は、互いに相乗効果をもたらし、ぽっくり死の実現に大きく貢献してくれるのです。
<「あたため睡眠」が日本を救う>
・「長生きの秘訣」の1つ目は 「いつまでも夢を持つこと」。
・2つ目は「自分でできることは自分ですること」。
・日本人1人ひとりがこの2つを実践できれば、100歳まで元気でぽっくりと逝くことができ、よりよい社会を構築できる。
・私の祖父は83歳のときに脳梗塞で倒れたあと、肺炎、心不全、白内障、糖尿病で足先の切断、閉塞性動脈硬化症、腎不全、胸水を経て10年後にうっ血性心不全で永眠しました。
その後、祖母が脳梗塞となり、介護生活6年目を送っているところです。祖母と同居している私の両親の介護生活は壮絶なものです。病気になるとか誰かのお世話にならなくてはなりません。自分自身だけの問題ではないのです。
国や市町村の財政が、医療費や介護費に圧迫され財政難に陥っています。だからといって、どの行政も削減するわけにはいきません。
一人ひとりが健康になり、生産人口を増やすことです。それが誰とも対立しない建設的な提案です。日本の最重要課題はここにあります。
・本書で提案した「あたため睡眠」を実践していただくことで健康問題以外への波及効果も生まれます。睡眠障害による交通事故や消失の件数を減らすことができるのでしょう。子宝にも貢献し、子どもは学力が向上します。脳が明晰になり、能力も向上します。「睡眠の質を高める」「自律神経が整う」ということはそういうことです。
・人によって寿命が違う理由は、「寿命=実年齢」ではないのです。日本人の死亡原因を分析した結果、血管年齢の老い具合によって寿命が決まるのがわかっています。寿命は血管年齢と関係しています。私たちの健康法を実践している人は、みなさん血管から若返ります。
本書に書かれている内容は、今日からすぐに実践できます。本書を読まれた皆さまは、ぜひ死亡原因4.2%の中に入ってください。そして、4.2%の割合を増やすことができれば、日本には明るい未来が待っています。
『歩く人。』 長生きするには理由がある
土井龍雄、佐藤真治、大西一平 創英社/三省堂書店 2013/6/20
<健康に長生きする人>
・正しく歩きつづけることで、いつまでも健やかに暮らせます。歩くことは、健康増進や生活習慣病予防に役だちます。
<歩くことの大切さを科学的に検証する>
<データが示した「よく歩く人は長生きする」>
・私が積極的にみなさんに、歩くことをすすめるようになったのは、ある論文との出会いがきっかけでした。
それは、私の恩師(矢野勝彦先生)が関わった論文で、ハワイに移住した日系人707人を対象に12年間、彼らの健康状態を調査したものでした。驚くことに、日ごろからよく歩いている人と、あまり歩いていない人の死亡率に、なんと倍以上の差が出ていたのがわかったのです。
1日に歩く距離が、1マイル(約1.6キロ)未満とほとんど歩かない人と、1~2マイル歩く人、2~8マイルと比較的よく歩く人の3タイプに分けて、12年間追い続けて調査した結果が表1です。
2年目を過ぎるあたりから、ほとんど歩かない人の死亡率は高くなり、4年目を過ぎると、よく歩いている人の死亡率が明らかに低くなっていることがわかります。
・1マイルを歩くのに20分かかると考えると、1日に20分以下しか歩いていない人の死亡率は、6年目で約18%、12年目で約43%でした。一方、1日に40分以上歩いている人は、6年目で約9%、12年目で約21%と、あまり歩いていない人とは2倍以上の差があることがわかったのです。この結果は、歩くこと以外の因子を加味しても同じだったと述べられています。
・論文では、死亡率に大きな差が出た要因として、よく歩いている人は動脈硬化の進行が抑制されていたことを指摘しています。動脈硬化の進行が抑えられると、心筋梗塞や脳卒中などの慢性疾患である生活習慣病が予防できます。その結果、死亡率が低く抑えられたのです。
<動脈を鍛えて動脈硬化の進行を抑制する>
・私は、心臓病や糖尿病の運動療法に長くたずさわっています。この経験から確証を得たことは、“運動は動脈硬化の進行を抑制し、生活習慣病を予防できる”ということです。
そしてそこには、3つのメカニズムが働いています。
ひとつは、「動脈そのものに対する効果」、それから「筋肉に対する効果」、そして「自律神経に対する効果」です。
ひとつずつ説明しましょう。まず、「動脈そのものに対する効果」です。
もともと運動が動脈硬化の危険因子(糖尿病、高血圧、肥満等)を改善することは知られていました。最近になって、これらに加え、血管内皮細胞に対する効果が注目されています。
・動脈硬化の進み方にはいくつかのパターンがありますが、いずれの場合もファーストステップは血管内皮細胞の機能の障害です。すなわち、血管内皮細胞の障害を抑え、その機能を保持することができれば、動脈を動脈硬化から守ることができるのです。
血管内皮細胞の機能を鍛え、保持するのに効果的だといわれているのが、歩くこと、運動することです。
その理由を、具体的に説明しましょう。
運動をすると血流が盛んになります。この血流の変化により、血液が血管をこする物理的な力が働きます。この力を「ズリ応力」というのですが、この「ズリ応力」が血管内皮細胞を刺激し、その機能を鍛えるのです。
・若いうちは、血管内皮細胞の機能は運動をしなくても保たれています。歳をとるごとにどんどん機能は低下していきますが、定期的に運動をすることにより、血管内皮細胞の機能は若者と同等に保たれます。歩くことで、血管内皮機能が若者並みに保たれるというのは、とても魅力的ですよね。
・この「ズリ応力」、血管内皮細胞を鍛える以外にも、別のメカニズムを介して動脈硬化を改善します。
血管内皮細胞の機能が弱まると、血管内に脂の侵出を許してしまいます。血管内に入った脂はプラークという炎症を伴う固まりになり、これが破たんすると血栓が生じます。心筋梗塞や脳梗塞は、この血栓によって動脈が詰まることが原因です。
・実は、運動によって生じる「ズリ応力」は、この血管内のプラークを小さくすることも期待されています。ある糖尿病患者さんは、ほぼ毎日4キロメートル歩くことで、プラークを小さくすることができました。同様の効果は、心筋梗塞後の患者さんでも観察されています。
「ズリ応力」は、血管内皮細胞を鍛えるだけでなく、血管内の脂の掃除もしてくれる頼もしい味方です。
<ミトコンドリアを活性化させ糖尿病を予防する>
・次は「筋肉に対する効果」です。
ご存知のように、運動は筋肉の形態や機能にさまざまな作用を及ぼしますが、ここでは筋肉細胞内に存在するミトコンドリアに対する効果について解説します。
ミトコンドリアというのは、われわれの身体の60兆の細胞一つひとつすべてに存在している小器官で、発電工場のような働きをしています。そして特に、筋肉細胞内には多く存在します。
われわれは酸素を取り入れて、脂肪や糖質からエネルギーを得るのですが、そのエネルギーを生みだす役割を果たしているのがミトコンドリアです。生命活動を維持するのに、なくてはならない存在です。
このエネルギーを生みだす発電機能がしっかり働けば、充分な活力が生み出されますが、機能の働きが悪くなると、さまざまな弊害が生じます。
・例えば、ミトコンドリアの機能が低下すると、エネルギーの素となる脂肪が消費されにくくなります。
消費されない脂肪は行き場を失い、筋肉の中に留まりはじめます。脂肪が蓄積されてくると、筋肉は本来の機能である、糖質を蓄えるという機能が鈍くなってきます。
すると、筋肉に取り込まれなかった糖質が血液中に長くとどまることになり、それが高血糖、ひいては糖尿病の原因となります。
・このようなエネルギーの流れの停滞が起こらないように、ミトコンドリアの機能を高めるにはどうしたらいいのでしょう。実はこれも、歩くことや運動することが有効なのです。
より効果的にミトコンドリア機能を高める運動の方法(歩き方)についても研究が進んでいます。
なかでも、強い運動と弱い運動を交互に繰り返す、インターバルトレーニングは、有力な候補です。研究成果がまとまるのは、しばらく先ですが、ブラブラ歩くのではなく、ゆっくり歩いたり早足で歩いたり、高低差のあるところを歩いたりすることは、試してみる価値があると思います。
<歩くことで自律神経のバランスも整う>
・そして3つ目は「自律神経に対する効果」です。
自律神経は、交感神経と副交感神経から成り立っています。自律神経はこのバランスをとることが大切だといわれていますが、歩くこと、運動することによってバランスが整えられます。
イライラが続いたり、ストレスを強く感じたりすると、交感神経が優位な状態になります。適度に運動をしてリラックスした状態になると、副交感神経が優位にシフトします。副交感神経が優位になると、心拍はゆっくりとなり、心拍数が減ると、心臓にかかる負担も減ります。
哺乳類は、どの動物も一生涯に打てる心拍数は20億回という説があります。副交感神経が高くなり、心拍数が下がると、長寿に繋がるかもしれませんね。
・また、われわれの心拍というのは一定の秩序をもってゆらいでいます。心臓は、安静時「ドキン・ドキン・ドキン」と一定に打っているようですが、厳密には早くなったり遅くなったり、規則性をもってゆらいでいるのです。
この心拍のゆらぎは、副交感神経が優位な人ほど大きくなっており、交感神経が優位な人では小さくなっています。
・心拍のゆらぎは、よく運動している人は大きく、あまり運動していない人は小さいのですが、ゆらぎが大きいほうが長生きできることもわかっています。
自律神経は免疫にも関わっています。副交感神経が高ければ、免疫力が増すことはよく知られていることです。
太っている人は、自律神経のバランスが悪いことが指摘されています。メタボ傾向にある人は、エネルギー消費のためだけでなく、自律神経のバランスを整えるために歩くこと、運動することも意識してほしいですね。
<認知症の予防にも期待>
・冒頭で紹介した、ハワイに移住した日系人を調査し続けた同じグループが、同じ対象で認知症を追跡したデータが、近年報告されました。これをみると、よく歩くことが、認知症の予防にもなることがわかります。
脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症をあわせた認知症全体では、0.25マイルとあまり歩いていないお年寄りよりも、2マイル歩いている人のほうが、約2倍リスクが低いことが示されています。興味深いことに、その傾向はアルツハイマー型認知症において顕著でした。データからわかるのは、よく歩いている人は、歩いていない人よりも、2.24倍アルツハイマー型認知症のリスクが少ないということです。
日本人にはこれまで、脳血管性認知症が多かったのですが、今後、アルツハイマー型認知症が増えるとの予想もあります。
アルツハイマー型認知症になってしまうメカニズムも、最近やっと輪郭がつかめはじめていますが、予防することを考えると、歩くことの大切さが注目されることは間違いありません。
<身体に負担のかからない歩き方を身につけよう>
・歩くことの効能がいかに多くあるかを、運動療法の専門の立場から述べてきました。ただ最後にお伝えしたように、人それぞれ体力や状況が異なりますので、くれぐれも無理をしないで、歩いてほしいと思います。ずっと歩き続けることで、みなさんが健康になり、長生きをしてほしいと心から願っています。
『100歳までの健康の知恵』
賢い生活と食
中村雅美 日本経済新聞出版社 2013/5/23
<世界一の長寿国>
<野菜や魚を中心にした低脂肪食>
・日本人の平均寿命は80.9歳(1998年)で世界一の長寿国である。しかし、単に長命というだけでは十分ではない。たとえば、寝たきりでではない、社会活動ができる寿命がどれだけあるかが大切だ。
・日本が健康寿命で世界一である背景としては、衛生教育の普及や生活環境の改善など多くのことが挙げられる。中でも大きいのは食生活だ。野菜や魚を中心にした低脂肪食が健康につながったといってもよい。
・3つのことを頭に置けば健康を増進することは可能だろう。3つとは休養、栄養、美養(美容ではない)である。
休養は、単に「ぐーたら」を決め込むことではない。きちんと運動をすることだ。それも散歩など軽い運動でよい、続けることが大切なのである。栄養は、バランスのよい食事を規則正しく取ることだ。
それに加えて美養を挙げたい。美は美しさと同時に清潔さもあらわす。美しくなることに気を使い、身の回りの清潔さに配慮すれば健康の維持・増進にもつながり、生活も充実する。
<ジャンクフードに要注意>
・『40代から始める100歳までボケない習慣』(朝日新聞)の中で同意できるのは、第2章にある「ジャンクフードは危険」の項だ。ジャンクフードは体を痛めつけると指摘している。それだけでなく、ジャンクフードをやめられない人の脳の中はドラッグ中毒者と同じ状態だとまで言い切っている。
・米国はいろいろな意味でお手本としてよい国のひとつである。ただ、私は「日本として、絶対に米国のまねをしてはいけないものが2つある」と思っている。ひとつは医療保険制度であり、もう1つは食生活(食事)である。公的医療保険制度が近くスタートするとはいえ、医療保健制度は民間主体であり、また料理もバラエティに富んでいない。食生活は健康の基本だが米国は食生活が非常に貧しい。国民はさまざまなジャンクフードに取り囲まれている。そのためか、健康を害している人の割合が高く、平均寿命も先進国の中では短い部類に入る。
<「歩く」が運動の基本>
・食事と並んで気をつけたい健康のキーワードは、「運動」である。といっても、「今さら運動などやる気にならない」という人は多いかもしれない。
かつて、「まなじりを決して運動をする必要性はない」と書いたことがある。生活上のちょっとした工夫が運動になりうるからだ。加齢研究の第一人者である順天堂大学の白澤卓二教授の著書『40代から始める100歳までボケない習慣』(朝日新書)にも、こう書いてある。
「まずは『なるべく歩く』を心がける」
<肥満防止、食事回数より量>
・「医食同源」という言葉がある。日本で生まれたとされるこの言葉は、健康の基本は「食」にあることをうまく言い表している。
・ほとんどの生活習慣病は肥満がきっかけになっており、症状を悪化させる要因にもなっている。肥満を防ぐには、「食事は1日に3回を規則正しく取り腹8分目を目安にする」ことがよいとされる。最近、寝坊のせいなのか、ダイエットのためなのか、朝食を抜いて出勤したり登校したりする人が増えているようだ。
<健康維持、まずは生活習慣>
・健康を維持することは、バランスのよい食生活と適度な運動、十分な睡眠でかなり達成できる。要するに、ごく当たり前の生活習慣の改善で済むことなのだ。特定の健康食品ばかりを取り続ける必要性はほとんど感じない。
「これを実行すれば、病気や痛みなどがみるみるうちになくなる」。こうした奇をてらった健康法とは、そろそろおさらばしたいものだ。
<糖尿病の予防、血糖値に配慮>
・糖尿病は今や「国民病」といわれる。2007年版「国民健康・栄養調査」によると、国内の患者は推定で約890万人、予備軍も1320万人いる。合わせると2210万人で、日本人の5人に1人は糖尿病か、その予備軍となる。
患者が増えているのは日本だけではない。国際糖尿病連合によると、11年に3億6600万人いた世界の糖尿病患者は、30年に約5億人、場合によっては約10億人になると見られている。
・糖尿病には1型と2型がある。いずれも血糖を分解するインスリンが分泌されなかったり、働きが悪くなったりするために起こる。1型糖尿病の人は、インスリンを作る膵臓の細胞が自己免疫疾患などで破壊されることで発症する。若者によく見られる。
2型は生活習慣病といわれ、食生活の乱れや運動不足などが原因とされる。人種による差があるが、日本では圧倒的に2型が多い。
<カフェインで抗ウイルス>
・コーヒーと健康について考えてみよう。コーヒーにはカフェインが多く含まれている。このカフェインに、ある種のウイルス(JCウイルス)の増殖を抑える効果が期待できるという。
<コーヒーに脳卒中予防効果?>
・コーヒーと脳卒中の関係を調べた論文は少なく、はっきりしたエビデンス(科学的証拠)があるわけではない。ただ、コーヒーを飲む習慣のある人は、脳卒中のリスクが下がるという報告がある。
たとえば、スウェーデンでの調査では、コーヒーを毎日1杯飲んでいる女性は飲まない人よりも脳卒中になるリスクが25%低いという結果になった。
・「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」というように、コーヒーや緑茶に脳卒中の予防効果があるらしいというだけで、がぶ飲みするのは避けたい。脳卒中リスクを下げるのはカフェインの働きによるものと見られるが、このカフェインをたくさん取ると、思わぬ「副作用」が出るからだ。
<「カフェイン中毒」要注意>
・1日にコーヒーを100杯以上飲まない限り、何ら問題はないといえる。
・大きな副作用としては、「カフェイン中毒」がある。個人差はあるが、コーヒーから離れられなくなったら要注意だろう。顔面紅潮になりやすく、落ち着かなくなり、集中力の低下やけいれんを起こしやすくなる。悪くすると動悸や不整脈につながる。
やはり、コーヒーは「体によいから」といって一度に大量に取るのは避けたい。カフェインを含んでいるとはいえ、コーヒーは医師や薬剤師が扱う医薬品ではなく、素人が誰でも簡単に口にすることができる食品なのだから……薬は「もろ刃の剣」で、作用があれば副作用もある。ほどほどにというわけだ。
<ポリフェノールの合理性>
・「フレンチパラドクス」という言葉がある。フランスの逆説という意味だ。1990年代の初めごろから世界中で広まった。
フランス料理は肉料理が主体だが、それにクリームやバターがたっぷり入ったソースをかける。食べ物に動物性の脂肪が多いから、当然フランスの人たちは動脈硬化になり、心筋梗塞など心臓・血管系の病気が多いと予想される。
ところがフランス人が心臓病で死亡する割合はほかの西欧諸国に比べて少ないといわれている。脂肪分が多い食事を取っているにもかかわらず、心臓病の死亡率が低いというのが、フレンチパラドックスの由来である。
・パラドックスの理由としていわれるのが、赤ワインに多く含まれるポリフェノールだ。実際、フランスの人たちは赤ワインを多く摂取する。これで日本でも赤ワインブームが起きた。ただ、赤ワインを多く飲むことによる肝臓病の増加といったマイナス面もある。
・ポリフェノールには抗酸化作用がある。植物(食物)に含まれる抗酸化物質としてはビタミンCやビタミンEなどが有名だがポリフェノールもその1つ。フラボノイド、クマリン、ヒドロキシケイ皮酸の代表的なものとしては、コーヒーポリフェノールがある。
・体の中では活性酸素ができる。活性酸素は細胞にダメージを与え、シミやしわを作るなど皮への悪影響のほか、老化や動脈硬化、糖尿病、がんなどの引き金になるといわれる。活性酸素は常にできているが、普通はカタラーゼやスーパーオキシドディスムターゼといった酵素や、植物由来の抗酸化物質が生成した活性酸素を消している。
・酵素がよく作られ、食事などから植物由来の抗酸化物質を摂取できる若いうちはいい。それが高齢者になると・・・。ポリフェノールを取ることは、ある意味では合理的なのかもしれない。
・日本人が飲料から取るポリフェノールとしてはコーヒーの47%が最も多かった(緑茶は16%で第2位)
<睡眠時間足りない日本人>
・ひとりでパソコンに向かって黙々と仕事をするのが日本のビジネスパーソンの姿なのだろう。このワーキングスタイルが日本人の睡眠の質の低下や、慢性的な睡眠不足状態を招いているのだろうか。
<たばこを「断つ年」に>
<禁煙で脳も長生き>
『逆転の発想で悪の罠を見抜き人生の悩みを裁つ』
弁護士50年の法力
松枝迪夫 アドスリー 2010/7
<私の健康長寿法十則>
・私の健康長寿法を十ヶ条にまとめてみた。便宜的に私の健康長寿法十則と名づける。古来多くの実践者、研究者が唱えていたものをいわば現代の着想法をもって然るべき順序をつけてわかり易くまとめたものである。重要点はすべて網羅した。
またこの何々が少なく、何々が多くという表現は、貝原益軒の用語やたまたま愛用している湯呑茶碗に健康長寿法として書かれていた用語を借用した。
どうかこの十則は、東西の大家の養生法をいい塩梅に整理したものです。まず箇条書きにし、その後で解説する。
一則 食を少なく 噛むことを多く
二則 肉を少なく 野菜を多く
三則 塩・甘糖を少なく 酢・果実を多く
四則 欲を少なく 施しを多く
五則 憂い悩みを少なく 眠りを多く
六則 怒りを少なく 笑いを多く
七則 言葉を少なく 行いを多く
八則 乗物を少なく 歩みを多く
九則 衣を少なく 入浴を多く
十則 エアコンを少なく 風と太陽を多く
<十則の解説>
<一則 食を少なく 噛むことを多く>
・これは腹八分目にすること、食生活の最も重要な原則を宣言。かむことは消化にもいいし、八分目でも満腹感をもたらす。噛まないでいい柔らかい食品が増えたので噛むことが減ってきた。そのため頬がふっくらせず、やせた顔付の人間が多くなってきた。
<二則 肉を少なく 野菜を多く>
・最近の洋風化の食事の欠陥は、肉が多いことにあるから、もともと日本人が好んできた魚を中心として野菜、大豆を原料とする豆腐を多用するのがよい。
<三則 塩・甘糖を少なく 酢・果実を多く>
・塩の多用は色々の病気を引き起こすとされているので注意すべきであるが、大変神経質になって塩分を少なくし過ぎる傾向がある。これも過ぎたるは及ばざるが如しで、子どもがそのため元気を失ったり、労働者が力をなくしたりするので、ほどほどにする。病気だと思って医者に見せたら、その先生はベテランの名医で一目で病気でない、塩分不足と見破って塩を与えて間もなく快癒したという。未熟な医者だったら、すぐ注射とわけのわからない投薬をしただろう。
糖分はこれまたとり過ぎは病気のもとであるが、運動をしたり、頭を使って疲れた感じのときは速効性があり大切な栄養である。
<四則 欲を少なく 施しを多く>
・精神の平静が一番大切なことである。そのためには欲望を少なくし、欲を抑えることである。食と色の欲望は本能であるから、これを抑えるのは難しいことであるが、それをすることが修養である。本能のままに振り回される人生を送っては身の破滅、仕事でも成功は覚束ない。反社会的な欲望はもちろん抑えなければならない。むしろ他者に対する愛、慈悲の心をもって行為することが大切である。その善行は、本人にも気持ちのよいもので、まして他人から感謝されたりすれば嬉しいし、後に満足感が残る。
<五則 憂い悩みを少なく 眠りを多く>
・人は色々なことを憂い悩み、夜も眠れないということが多い。現代人はあまりにも多くのストレスに悩まされ、心の苦しみを抱えている。これをできるだけ少なくし、明日のことは思いわずらわないでいること、過去のことをくよくよ後悔しないことである。杉田玄白も、明日を思い悩むな、後悔するなと言っている。
すべての精神の健康法を説く説はこの項を最重要な手段と見なしている。心を平静に保つ最も大切な心持ちである。
<六則 怒りを少なく 笑いを多く>
・これもすべての精神の修養を説く人が一致してあげている実践上最も大切な処世術である。怒りのために人は他人を傷つけ、ついには己の身の破滅に至った例は枚挙にいとまがない。この修養こそ不断に若い頃から積まなければならない。
・笑いを多くとは、人生を楽天的に、前向きに生きることでこれは人間の生き方として成功に導く鍵である。前途を暗く、悲観的に考えるのはよくない。外国でも「プラス思考をせよ」というのはこのことである。笑う門には福来るともいうし、夫婦円満、家庭円満、その人の職場も明るく円満という、すべてに喜びと福の感情をもたらす。
<七則 言葉を少なく 行いを多く>
・これは寡言の徳をいうもので、不言実行の系譜にある。昔から「沈黙は金」という諺がある。もっとも欧米流の自己主張の風潮が入り、どんどん発言し、何でもしゃべるのがいいのだといわんばかりの時代になりつつある。程度問題である。
無言では処世ができないから、要は冗舌をやめ、行動で示すということである。言葉遣いは社交では大切な武器で、軽々しい発言はせず、言行一致が望ましい。
・行いを多くとは、日常の暮らしで、身軽に身体を動かすことをいやがらないで、こまめに動くことである。これは大切なことで、相手にもいい印象を与え、尊大な人間だと思われないし、不精な人間と思われない利点がある。
またこまめに身体を動かすのは健康にもいい。老人になってゴロンとしていると健康に悪く老化してぼけも早くくるという。
女性が家事をやるのはこまめに動く典型だから、男性に比べて長生きである。いい報酬が与えられていて帳尻が合っている。
<八則 乗物を少なく 歩みを多く>
・身体の運動で歩くことは一番健康によいとされている。それと散歩をすることは特別の場所も相手も器具もいらない。しかも散歩先の町や風景をみて楽しむことができるから一石二鳥だ。
・必然的に車の利用者は歩くことが少なくなり、運動不足となる。色々な健康障害がでてくるなかで、ほとんど歩くことで直った例が多いし、その副作用で悪くなったという例はまずない。
<九則 衣を少なく 入浴を多く>
・皮膚の鍛錬には薄着がいい。
・私は一年中下着は木綿のシャツにステテコ一枚で通している。ニューヨークの冬もそれで、通し、その上にはワイシャツと薄手の背広だけである。慣れれば何でもなかった。
・身体を清潔にすること、皮膚をきれいにすることは新陳代謝によい。入浴はバスタブでもシャワーでもよい。
<十則 エアコンを少なく 風と太陽を多く>
・自然の大気と気温で暮らすのがその住民には一番健康的である。最近は暖房、冷房をする人が普通になった。
・お蔭で昔の日本人は、皆風もひかず元気だったのではないかと思う。
・北欧やドイツなど北部欧州の人は寒い冬が過ぎるのを待って公園で裸になって日光浴をしている。くる病になるのを防ぐには日光が必要なのである。日本人はあまりにも太陽に恵まれているので、その有り難さを知らない。
『病気にならない人の「考え方」』
「治す」から「守る」へー“予防医療”という選択
折茂肇 池森賢二 ダイヤモンド社 2013/2/16
<「100歳までの健康長寿」の人々の知恵に学ぶ>
・最近の日本では100歳を超えて長生きする人の数が急速に増えていて1963年には、その数がわずか153人にしかすぎなかったのが、2012年には5万人に増加しています。健康長寿の皆さんに日常生活の知恵を学ぶというのも予防医療の一つでしょう。
<老化は「未病」の一つである!>
・西洋医学の世界には「健康」か「病気」かという区分、つまり白か黒かの区分しかなく、通常は病気になって初めて医師の世話になります。
しかし、高齢者を診断していますと、健康か病気かをはっきり分けるのが難しいことがしばしばあります。白(健康)ともいえず、黒(病気)ともいえぬ、その中間のグレーゾーンがあるのです。
このグレーゾーンのことを、東洋医学では「未病」と呼んでいます。つまり、東洋医学の世界では健康と病気の間には連続性があると考え、両者を結ぶ境界線のことを「未病」と呼んでいるのです。
・いわば、侵入者や反乱者を押し返したり、そのいたずらを封じ込めたりしてくれる人体防衛軍が、いつも体内でスタンバイしているということ。これが、人体に備わっている「免疫機能」です。
防衛軍は好中球やマクロファージ、リンパ球といったさまざまな能力を備えた「白血球」で構成されています。
若い頃はこの白血球の働きがとても活発なので、少々の無理はきくのですが、年を取ると全身の細胞が老化して人体防衛軍の力が衰えてくる。つまり、免疫機能が低下してきます。
・また、ガン細胞という体内の反乱者の脅威にもさらされます。こうした免疫力をはじめとして、人体に備わっている各種の「生体防御力」の総称をホメオスタシスと呼んでいます。
前述したとおり、食事を取ると誰でも血糖値が上がります。しかし、上がった血糖値を下げるために脾臓からインスリンというホルモンが分泌され、血糖は正常値に戻ります。これがホメオスタシスの働きです。
<老化というのはこのホメオスタシスの機能を低下させる最大の危険因子>
・加齢とともに人体の機能には次のような変化が現れます。
心臓→血液を送り出すポンプの機能が低下する
血管→動脈硬化を引き起こしやすくなる
骨→骨密度が減少し、骨折を起こしやすくなる
関節→変形して痛みを伴い、可動域が少なくなる
筋肉→筋肉量が減り、筋力が低下する
脳・神経→脳細胞が減少するため、動作が緩慢になり、バランスも悪くなる
目→40歳を過ぎた頃から老眼が始まる
耳→聴力が低下し、老人性難聴という修復不能な病気になる人もいる
呼吸器→酸素と二酸化炭素を入れ換える換気能力が低下する
・病気とはいえないけれど、いつ病気になっても不思議ではない状態!
つまり、「老化」というのは、「未病」の状態にあるという言い方もできるのです。
<予防医療は、40代で意識しよう!>
<死の寸前まで働き、ボケる人がいない。まさにPPK(ピンピンコロリ)の大往生を遂げる>
・40代は、人間ドックやサプリメントを含めた予防医療を意識すべき年代だといえます。
<長野県が日本有数の長寿県になったわけ>
・長野県というのはもともと内陸部の寒い土地柄で、県民の多くは典型的な塩分過多の生活をしていました。そのため、脳血管系の病気が多かったところです。
・ところが、県ぐるみで「予防医療」を実践したことにより、2007年には沖縄を抜いて、「男性長寿全国第一位」の県になったのです。しかも老人医療費が全国最低の47位。つまり、長野県には健康長寿の老人が多いということです。その秘密は、「健康補導員」という聞き慣れない肩書きを持つ人々の活躍にあります。
<80歳を過ぎても元気な人が多く、「ピンピンコロリの里」として全国的に注目されている長野県佐久市>
・保険補導委員会は、市内の各地区を担当する保健補導員を任命、的確な予防医療の研修を受けてもらったうえで、住民の先頭に立って、次のような予防医療を普及させたのでした。
・減塩運動
・一部屋暖房運動
・食生活改善運動(ピンピンコロリ食)
・体を動かす(ピンピンコロリ体操)
キーワードは「食」「運動」「癒やし」。
<健康長寿とPPK(ピンピンコロリ)は決して不可能ではない>
<元気な老人は肉を食べる!>
・1963年には、全国でその数がわずか153人に過ぎなかった「100歳超え」の長寿者が、2012年には5万人を超えました。まさに1世紀を生き抜いてきた超エリート!
<「長寿の秘訣は何か?」というアンケート調査>
1位→物事にこだわらず、くよくよしない
2位→暴飲暴食をしない
3位→幸せな家庭に恵まれている
<長寿者の食習慣>
・腹八分目で、食べすぎないようにする
・完全に米にかたよるのではなく、魚介類などタンパク質も充分に取り、肉類も積極的に摂取する
・野菜や海草を好んで取る
・薄味の料理を好む
・規則的に食事を取る
<今、フィトケミカルが注目されているわけ>
・一般的に、摂取すべき食品の種類は1日30種類が目安だとされています。朝昼晩に少量でもいいから、できるだけ多種類の食品の摂取を心がけることです。なかでも最近注目されているのが「フィトケミカル」という成分です。フィトは植物。ケミカルは化学の意味。つまり植物が含有している化学物質のことです。付帯的には野菜や果物などの植物が紫外線や害虫から身を守るためにつくり出す物質のことで、「色」「香り」「苦味」などの基になっています。
・わたしたちが心がけるべきは、なるべく多くの色の野菜をいただくこと!
野菜や果物の色は「赤」「黄」「橙」「緑」「紫」「黒」「白」の七色に分類されますので、サラダをつくる場合には、できることなら「七色サラダ」を心がけるといいのではないかと思います。つまり、見かけが派手で、華やかなサラダを意識するといいということです。
<早歩きの人ほど死亡率が低い!>
・ここでいうスポーツとは本格的なスポーツではなく、ウォーキングやジョギング程度の軽い運動を習慣的にしているかどうかを質問しているのですが、おわかりのように特に男性では、スポーツを習慣にしていない人は早々と自立機能が低下してしまうことが明らかにされています。改めていうまでもなく、運動習慣は健康に直結しています。
・具体的には、各種の調査によって、運動が虚血性心疾患の死亡率を減少させ、血圧を低下させ、血清脂質を改善させて動脈硬化性疾患の予防に役立つことが明らかにされているのです。特に注目されているのがウォーキング。
・最近、年齢に関係なく早朝ウォーカーが増えていて、「ちょっと早起きして、出勤前に一歩き」というOLの姿も目につくようになりました。
<ウォーキングは、散歩とは違い、普段歩く速度よりもやや速めに歩くのがコツ>
・調査結果によると、速く歩く人ほど死亡率が低く、遅くなるに従って死亡率が高くなるというものです。「遅い→やや遅い→やや早い→速い」と、速くなるに従って明確に死亡率は低くなっています。
<早朝ウォーキングのススメ>
<朝日を浴びながら歩く!>
・サーカディアン・リズム(概日リズム)の法則とは、人体にはいわゆる「体内時計」が備わっていて、それが24時間のリズムで変動しているというもの。
・晴耕雨読。朝日とともに起きて、暗くなれば寝る。大自然の中で、そもそもそんな生き方ができたなら、健康長寿が約束されるのではないでしょうか?ところが、現実がそれを許しません。
<西から東に、東から西に向かって歩く>
・西から東、東から西。これは、太陽の軌道に沿った歩き方です。つまり、サーカディアン・リズム(概日リズム)の法則に従った理想的なウォーキング・コースだといえるでしょう。
<最低でも20分間は歩く>
・理想をいえば最低でも20分。トータルで40分程度は歩いていただきたいと思います。
<胸を張り、手を前後に振って、やや大股で、いつもより速足で歩く>
・あくまでもマイペースで歩く。無理をすると、三日坊主で終わってしまいます。
『100歳』
<99歳の健康診断>
・2011年1月19日、ライフ・プラニング・クリニックにて、99歳の日野原先生の健康診断が行われた。
・日野原先生は、通常の健康診断に加え、体力測定や認知症の検査、生活状況についてのアンケートなども含めたさまざまな検査を受けた。
・医師というのは聴診器を使う仕事だから、やはり聴力も大切です。聴力検査では計ってくれた担当者が、その場で「30代と変わりませんね」とほめてくれました。
・今日行った検査は、加齢とともに体力が低下する勾配を診るためのものです。一般的には、身長が縮む、肺の機能が落ちる、肝臓の働きが落ちる、大脳の働きが落ちるなど、すべてにおいて下降カーブをたどることがわかっています。
・まず、先生は大きな病気をお持ちでありませんし、血液検査でも特別な問題は見つかりませんでした。気になるところは、血圧が少し高いというところでしょうか。ただ、今回は降圧剤を飲まれていますので、上が107、下が56ということでしたし、よくコントロールされていて脈波速度も正常ですので、健康状態は極めて良好だと判断できます。
・脆弱化の5つの指標では、体重の減少、握力の低下、歩行速度の低下、日常生活の活動低下、そして気力の低下を評価します。これらがすべてなければ脆弱化なし、3つ以上あれば脆弱化、1~2であれば中間と判定します。
・しかし、細かい点では下肢の蹴る力と歩行速度がやや落ちてきていること、そして眼をつぶった際のバランスが不安定であるという変化が見られますので、つまずいて転ぶなどの危険性もあります。くれぐれも足下に気をつけていただきたいと思います。よく歩くことはもちろん重要ですが、足首に軽いおもりをつけて、仰臥位(あおむけの姿勢)で下肢を持ち上げるなどの簡単なトレーニングも試みる価値はあると思います。脆弱化が進行しますと元へ戻すことは難しくなりますので、予防的にトレーニングされておられることは大変よいことだと思います。
<ヘルス・リサーチ・ボランティア>
・とにかく今、高齢者の医学的なデータが不足しています。75歳以上の食事のカロリーはどれくらいが適切かさえエビデンス(検証結果)となるデータはありません。現在のところ、85歳でも90歳でも、75歳のデータを使うしかないのです。長生きをする人が増えていますから、ぜひ調査していかなければなりません。
・私が解明したいのは、「老い」の本当の姿です。認知症にならず、社会生活を送る限界がどこにあるのかを調べたい。現在、遺伝子の働きが大きいということはわかっていますが、認知症の遺伝子を持っていても認知症にならない人もいるのです。例えば、認知症の発症因子の遺伝子を持っているにもかかわらず、認知症を発症していない方がいれば、発症を抑える外的な環境因子があるのではないかと仮定することができま
す。聞き取り調査から、それが食事か、運動か、社会活動か、趣味かを分析し、特定していきます。
・一人一人がどういう環境で過ごしているかということはこれまで調査されたことがありません。ボランティアの仕事をする、勉強をする、今までやったことがないことをする、新しい人と出会う。日々の暮らし方や活動も含めて環境因子といいますが、それらによって老化を遅らせることができるという結果が実証されれば、みなさんが目標を持って生きることができるようになるでしょう。
<99歳からのトレーニング>
・2011年3月以来、月に4回くらいのペースで自宅に経験豊富なトレーナを呼び、ストレッチや簡単なトレーニングを行うようになった。次男の妻、眞紀さんの勧めだった。トレーナーの吉沢剛さんは、「日野原先生は、99歳の体としては、本当にスペシャルな体だと思います」と驚く。
・日野原さんは我々が持っている百歳のイメージを吹っ飛ばしてくれた人物である。今も現役の医師であり、本を次々と執筆し、講演も年間、100回を超える。海外にも頻繁に出張するし、記憶力は抜群にいいし、ステーキも食べるし、好奇心は若者以上。いちいち驚いていたらきりがない。百歳にしてなぜ、このように生きることが可能なのか?この疑問に迫るべく取材を始めたのが2010年10月、日野原さんの99歳の誕生日パーティだった。そこでの驚きの言葉、「不思議と、老いるという感覚がない」。
・そして、以来1年間にわたり密着取材を行い、さまざまな場面で比野原さんやご親族、関係者などに話をお聞きしてきた。そのインタビューをもとに構成したのがこの本である。
60歳からはじめる
『認知症にならない脳にいいこと』
周東 寛 コスモ21 2012/12/5
<これが脳を元気にする食生活の基本>
<糖・塩・油・酒の摂りすぎは認知症リスクを高める>
・アルツハイマー型認知症の原因物質として、近年「アミロイドβタンパク」が注目されています。アミロイドβタンパクは、加齢とともに脳にたまってくる「ゴミタンパク」の一種です。
・ところが、このアミロイドβタンパクを掃除する能力が加齢とともに衰えてきて、掃除しきれなかったものがしだいに脳内にたまっていきます。それがあるところまでくると脳の機能に障害がでてきて、認知症になるといわれます。
・私の考えでは、糖・塩・油・酒の摂りすぎると、体の細胞がしだいに糖化・塩化・油化・酒化されていきます。この状態になると細胞からは水分が抜けていき、細胞の代謝機能にも障害が起こります。その結果起こる現象の一つがさまざまなゴミタンパクが体内にたまることです。
・ゴミタンパクは「ラクナ梗塞」という小さい脳梗塞の原因にもなります。
心筋の血管にゴミタンパクがたまって血栓になると、心筋梗塞が発症するリスクが高くなります。
脳内の血管にゴミタンパクがたまって血栓になると、脳梗塞や脳内出血のリスクが高まり、脳血管性認知症になる可能性も出てきます。
・ですから、糖・塩・油・酒の摂りすぎに気をつけることは、生活習慣病はもちろん、認知症の予防のためにもぜひ実行してほしいのです。
<認知症予防には青魚がいい>
・認知症予防に有効な食事の基本は、一言でいうと「魚と緑黄野菜を多く摂る」ことです。なかでも魚に含まれているDHAとEPAは動脈硬化を予防し、血栓を防ぐ働きのある脂肪酸で、とくに脳によい効果をもたらします。
<血液サラサラ食品を摂る>
・豆乳、豆腐、おから、納豆、味噌などの大豆製品には、抗酸化作用がある大豆サポニンが多く含まれています。大豆サポニンには、コレステロールを低下させ、高血圧、動脈硬化、ガンを予防する作用があります。
さらに大豆製品には多くの大豆レシチンも含まれています。大豆レシチンには、脂質代謝を高める働きがあり、肥満を改善させる効果があります。もちろん、こうした働きは認知症予防にもつながります。
・さらに脳の血液をサラサラにするものを加えた食事を摂れば、もっと効果的です。それが期待できる食物としては、キャベツ、タマネギ、らっきょう、にんにく、長ネギ、ニラなどがあります。キャベツ、長ネギ、ニラは便秘解消にもよいので、毎日食べるようにすすめています。
<緑黄野菜は認知症予防になる>
・ビタミン類は、ヒトが体内でつくることはできませんから、総合ビタミン剤を飲むか、緑黄野菜をしっかりと食べるしかありません。
<とくにビタミンB、C、E群が認知症予防に有効>
・緑黄野菜にはビタミン類が多く含まれていますが、とくにビタミンB群、ビタミンC群、ビタミンE群には脳の老化を防ぐ作用があります。もちろん認知症の予防にも有効です。
<カルシウムをしっかり摂る>
・なかでもとくに大切なミネラルが、カルシウムとマグネシウムです。体内にあるカルシウムの99%くらいは骨と歯に含まれますが、残り1%がとても重要なのです。
もし、その1%のカルシウムが不足すると、骨のカルシウムが血液や筋肉に放出されます。その分カルシウムが減って、骨がスカスカになり、もろくなります。この状態が進んだのが骨粗鬆症です。
<認知症予防には肥満も気をつけよう>
・高血圧、動脈硬化、脂質異常性、糖尿病などの生活習慣病は認知症を呼び寄せます。それらは肥満とも関係しているので、認知症予防には肥満対策も必要です。
<認知症予防には一切飲まないにかぎる>
・アルコール依存症の人に高い割合で脳萎縮がみられることは、よく知られています。大量にお酒を飲む人に認知症患者さんが多いことも、地域や集団を調査した疫学調査によって明らかになっています。
<タバコにより認知症の発症率は2倍以上に>
・タバコに含まれる有害物質は数百種類といわれます。
・タバコを吸うほど脳の委縮進む。アルツハイマー型認知症に共通しているのは脳の委縮。
<認知症で失われるのは記憶だけではない>
<日本社会全体で10人に1人が認知症に>
<脳は「怠け者」>
・筋肉は、まったく使わないでいると、1日に3%から5%ずつ低下していくといわれています。
お年寄りが1カ月も寝たきりの生活を送ると、ほとんどの方が歩けなくなるのも、それだけ筋肉が痩せて減ってしまうからです。寝たきりになると、筋肉のほかにも、骨や関節、皮膚、さらには心臓や肺臓などの内臓機能も低下します。
・しかし、いわゆる元気なままで「ピンピンコロリ」と亡くなる人は、おそらく10人に1人もいないでしょう。
ほとんどの人がどこかで必ず寝たきり状態になるとか、認知症になって死を迎えているのです。とくに認知症は、今後日本社会全体で10人に1人の割合で発症するともいわれています。
『超高齢社会の未来 IT立国 日本の挑戦』
小尾敏夫・岩崎尚子 毎日新聞社 2014/12/27
<人類が経験したことのない少子・超高齢・人口減少社会>
・少子・超高齢・人口減少社会である日本は、いまだかつて世界が経験したことのない未知の世界が広がっている。日本では65歳以上の高齢者人口は過去最高の25%を超え、4人に1人が高齢者になった。増え続ける高齢者の質は大きく変わっている。8割は元気な高齢者と言われるアクティブ・シニアだ。
・2030年には約8割の高齢者が介護不要で自律的に暮らせるようだ。
・高齢社会が進む一方、今後日本の総人口は長期にわたって減少し、2060年には約8600万人にまで減少すると推測される。
・未曽有の人口構造の変化は、2025年がターニングポイントとなる。戦後の象徴とされる1947年~49年生まれの“団塊の世代”が75歳以上になる年だ。
・世界に目を転じれば、高齢化率は世界規模で上昇しつつある。2060年意は世界人口の約5人に1人が高齢者になる。
<日本は2007年に国連で定められた世界初の“超高齢社会”に突入>
<国家財政破綻危機の2025年問題>
・高齢者の約8割は就業意欲があるのに、そのうちの2割しか仕事に就けない厳しい現状である。
・介護の面を考えると、厚生労働省の試算で、2025年に50万人の看護師、4~6万人の医師、100万人の介護職員が必要といわれている。
<高齢化と情報化が同時進行する新複合社会時代の幕開け>
・1980年代のICT革命以降、ICTは人々の生活に密接に浸透してきた。近年ICTは、財政悪化や労働人口の減少、地方の疲弊、企業統治などの成長の制約条件の社会課題を解決するためのツールとしてその地位を確立している。
・世界で唯一の超高齢社会に突入した日本の情報社会の将来は、ユーザー(消費者)がいかにICTを駆使し、供給側はいかにICTでネットワーク化された社会を構築し、ユーザーに優しいより豊かな情報社会を形成することができるかが課題となる。
・65歳以上のインターネット利用状況は、平成20年末から23年末で約1.6倍と年々増加傾向にある。
・また高齢者にとってオンライン・ショッピングも当たり前のものになり、行政手続きも役所に行っていたものが一部、自宅でオンライン申請ができるようになった。電子政府サービスの普及である。今後は、ICTサービスや商品が無用の長物とならないよう、高齢者はICTリテラシー(習得度)を身に付けなければならないということだろう。
・さらに医療や年金などの社会保障の負担が、現役世代に重くのしかかり、個人格差が広がり地域社会やコミュニティ意識が希薄化するおそれもある。こうした社会背景において、ICTはパラダイムシフトをもたらす原動力の一つとして期待されている。時間や距離といった制約を越えて積極的な利活用を促すことにより、将来的に高齢者の生活を変革し、活力を引き出すエンジンになるとも期待されている。いよいよ、情報化と高齢化が融合する人類史上初めての新複合時代の幕開けである。
<解消するか、デジタル・デバイド(情報利活用格差)>
・既に60歳代の団塊の世代は8割がインターネットを使える調査結果もあり、シニア世代の本格的デジタル経済が間もなく始まる。
<政府が超高齢社会対策に乗り出す>
・今後、特に2025年問題の解決策として、下記の諸点を重点分野にした対応が急がれる、と報告された。
1、 在宅医療・介護を徹底して追及する
2、 住まいの新たな展開を図る
3、 地域づくりの観点から介護予防を推進する
<高齢者雇用が地方創生の鍵>
・2020年には約8割の高齢者が介護不要で自立できるといわれている。つまり元気なアクティブ・シニア層が増えるということだ。このアクティブ・シニア対策が喫緊の課題となっている。少子高齢社会の中でますます生産労働人口が縮小する。経済成長の制約となっていた生産労働人口の減少を解消するのはどうしたらよいのか。
・最近多くの企業が導入し始めている取り組みは、
高齢者の退職年齢を上げる、
フレキシブルな働き方を提供し、働きやすい環境を作る、
クラウドソーシングなどを利用して、インターネットを使い、適材適所の仕事を依頼する、
テレワーク(在宅勤務)を推進する、などがある。
・高齢化に加え、少子化も深刻な日本では、今後の労働力が懸念される。地域の過疎化や就労機会が減少すれば、少子高齢化が進む地方では地域経済そのものが疲弊する。こうした問題を解決するのが、“テレワーク”だ。在宅勤務で日本を変えるというスローガンのもとで、さまざまな取り組みがスタートしている。
・テレワークのメリットは、満員電車に揺られて通勤する必要のない、働く時間や場所の制約がない点にある。もちろん会社に勤める他の社員や職員と同様の成果を挙げなければならないし、同等の拘束時間や仕事のクオリティも追及されるだろう。しかし、時間や場所に縛られないテレワークの働き方は、働く意欲があっても、体力的な理由から通勤が困難な高齢者や、出産、育児、介護に時間が必要な就業者が仕事をすることができることから、今後成長が期待される分野である。
・また、多くの人材を確保することが難しい中堅・中小企業にとっては、全国各地から人を募集できるので、有能で多様な人材を幅広い範囲で確保することができ、さらには生産性向上につながるともいわれている。この他、テレワークによって、家族と過ごす時間や自己啓発や趣味の時間が増える等、生活にゆとりが生まれ、ワークライフバランスの向上にも効果があるだろう。
・実際にはまだ大企業を中心に1割の導入に留まっているテレワーク制度であるが、高齢者の社会参加や社会貢献に加え、ワークライフバランスの観点から有効な施策となる。資本金50憶円以上の企業では25%の普及である。働き方だけではなく、新しい高齢社会モデルを構築するための地域振興や規則改革を同時に進めることも検討しなければならない。
・また高齢者の起業も盛んだが、数少ない成功事例の一つが福島県上勝町で行われている“いろどり“事業だ。高齢者の自立支援策、日本料理を飾り付ける草花を、地域の植物をよく知る高齢者が収穫し、全国の料亭に、タブレット端末を利用して販売する”葉っぱビジネス“が注目を集めている。
<総務省「ICT超高齢社会構想会議」>
・高齢者が自ら会社を興し、地域に還元し経済を潤す。高齢者は生きがいを見つけ社会貢献ができる。こうしたモデルが日本全国で展開できれば、地方創生は現実のものとなる。筆者の小尾が委員長を務めた総務省の研究会で視察した東京都三鷹市では自治体が高齢者の起業を応援しているケースだ。NPO「シニアSOHO普及サロン・三鷹」が中心となって活動している。この他、地域支援マッチングのアブセックや孫育て工房で地域ケアのBABAラボをはじめとする高齢者の自立支援地域プロジェクト事例は急増中である。
問題は日本全国で展開される数多くのプロジェクトが政府の支援や特区モデルを離れた時、プロジェクトが自立し、独り立ちできるかが勝負である。
<人類は“シルバー・ツナミ(津波)”で滅亡するリスクがある>
・“シルバー・ツナミ”とはピーク時に24億人に膨れ上がる高齢者集団が津波のように押し寄せてくる、との比喩的な表現である。スピーチの続きだが、「世界で最初に“シルバー・ツナミ”に襲われるのは日本であり、我が国の対応次第で世界の歴史が変わるかもしれない」と述べた。
・全てを書き終え、次の四つの分野にわたる優先的課題解決の必要性を理解することができる。
第1に、雇用問題である。深刻な労働力不足が将来起きるが、高齢者、そして女性の活躍こそ日本再生の王道である。特に、アベノミクスが目指す“女性が輝く社会”の推進は超高齢社会において必要不可欠であり、一歩でも前進することを望みたい。残念なことに、日本の女性の社会進出は、先進国中、韓国に次いでランクが低いのが実情である。
・第2に、シルバービジネス3000兆円市場(2050年)への企業努力である。
・第3に、日本の経験や教訓を後に続く世界各国に紹介していく国際貢献の責務を忘れてはならない。
・最後に、電子政府など行政の役割である。今後の研究課題だが、高齢者に優しい電子政府の推進が経済活性化の鍵を握ることを証明する必要がある。
・電子政府がフルに活動すれば、日本政府は経費の3割をカット可能との試算がある。
『治すヨガ!』
沖正弘がのこしてくれた
船瀬俊介 三五館 2015/9/22
<丈夫になるのに重要なことは、いかに少なく食べるかの工夫である。>
<あらゆる健康法はみなヨガの中にある。あらゆる自然療法がある。>
<運命のつくり主は自分です。自分を励ますものは自分以外にありません。>
<呼吸こそ、心身コントロールのカギである。呼吸法はヨガ行法の中心である。>
<ヨガでは「生命が神である」と考える。すべての中に神が存在する。>
<食べないほど幸せである。食べる工夫ではなく、食べない工夫をしろ。>
<腹が減るほど調子が出るのが本当の健康体>
・沖先生の第一声は、忘れがたい。若い私にとって、まさに目からウロコでした。
だれでも、人並みに食べたい。そうすれば幸せ。そう信じて、額に汗して働いているのですから。それを、ヨガでは「食べるな!」というのです。天と地がひっくり返るとはこのことです。
しかし――。今、私は確信します。人は、食べないほど、幸せなのです。
「空腹を楽しめ!」
この沖先生の言葉も、ヨガの神髄を表しています。
「腹が減るほど調子が出るのが本当の健康体だ!」
私は断食や一日一食を実践して、まさにそのとおりと確信します。
ファスティング(断食・少食・一日一食)は、万病を治す妙法であるーー。
これは、ヨガの奥義です。5000年以上の歴史を誇る実践科学、それがヨガです。その到達した結論が、ファスティングなのです。
人生の幸福も治病も“食べない”ことで、達成されるのです。
現代医学も、現代栄養学も、声を揃えてこう叫びます。
「餓死しますヨッ!」
医師たちは誤った西洋医学を学び、栄養士たちは誤った栄養学を学んできたのです。
<命が喜ぶ“至上の幸福”>
・ヨガの究極の目的は「生命が喜ぶ」ことです。ヨガが「食べない工夫」を説くのは、それが「生命が喜ぶ」ことに通じるからです。
具体的に「食べない智慧」の恩恵をあげてみます。
(1) 万病が治る:これは、万病の原因が“体毒”だからです。それは代謝能力を超えるほど食べたことで、身体に留まります。断食すれば、“体毒”はすみやかに排泄され、身体はクリーンに自己浄化されます。病気の原因の毒素が排出されれば、病気が治るのは当たり前です。
(2) 生命力が高まる:“体毒”が排泄され、自己浄化されれば、身体は宇宙からいただいた理想状態に戻ります。すると、自然治癒力、免疫力、身体能力、精神力、直感力、生殖力……あらゆる生命力が最高レベルに高まるのも当然です。
(3) 精神が安定する:断食や一日一食の人たちに共通するのは、“怒らなくなった”“落ち込まなくなった”“許せるようになった”という心の変化です。
(4) 仕事がはかどる:「たべなきゃ仕事にならんだろう」と思うかもしれません。しかし、逆なのです。心身能力が高まり、身体も頭も冴えて驚くほど仕事が進むのです。
(5) 睡眠時間が短くなる:一日三食なら9時間、二食なら6時間、一食なら3時間の睡眠ですむようになります。食事、睡眠は3分の1、仕事、人生は3倍楽しめるのです。
(6) 食費がかからない:これは、いうまでもないことです。
(7) 子宝に恵まれる:ファスティングは男女ともSEX能力を高めます。
(8) 若返る:長寿遺伝子(サーチュイン)の発見で証明されました。「食べないから若い」、「食べるから老ける」のです。
(9) 感性が豊かに:直感力、創造力が高まるため、学問、芸術、創作活動などの能力が花開きます。
(10) 社会が平和に:「食べない」と心が平和になります。
<身体が教えてくれる食べ間違い>
<丈夫になるのに重要なことは、いかに少なく食べるかの工夫である>
<症状からわかる適した食べ方、栄養素>
▼異常な食欲:やたら食べたい、甘いものが欲しいなどは、運動不足や心の乱れの現れ。
・栄養素は、多すぎても少なすぎても体調に影響します。
沖先生はこれらの対処法として断食を勧めています。身体がクリ-ンアップし、真に必要な食物が直感的にわかるようになります。
<ファスティング(少食・断食・一日一食)は、万病を治す妙法である――。 >
・沖正弘導師――沖ヨガの開祖であり、ヨガの指導者として、国際的に有名です。沖先生との出会いが、私のその後の人生を決定づけました。
・ヨガは約5000年以上前にインド地方で生まれたと伝えられます。
それは、心身の調和を理想とする哲学であり科学です。その目的は「自分で自分の肉体や精神をコントロールする」ことです。言い換えれば「どんな過酷な環境に置かれたときでも、それに耐えられる肉体と精神をつくる」ことです。つまり「人間という生物の持つ能力を最大限に発揮する方法」なのです。
・ヨガという言葉は、古代サンスクリット語で「つなぐ」という意味です。いったい何と何をつなぐのでしょう?
それは、「宇宙」と「人間」をつなぐのです。自分が大宇宙の一部であると体得する。そこから感謝と愛が沸き起こってきます。
ヨガの基本の教えは2つあります。
「いつでも感謝し、いつでも笑える心を持ちなさい」
この教えを体得できれば、あなたの命もいききとよみがえってくるでしょう。
<慢性病の治し方>
<慢性病とは、人格病、生活病なり。生活を変えれば、体質も気質も変わり治ってしまう。>
・ところが、習慣だとか、癖だとか、一つの条件が固定すると、同一状態を続けます。同じ状態が続くから『慢性』という言葉を使うのです。異常が固定したということは、体質が異常な性質になっているということです。このように、慢性病は病気というより、異様な体質と気質が固定化している状態であると考えるべきです。
・「慢性病から救われる第一の方法は、停止している状態を変化させることです。同じ生活、同じような身体の養い方や使い方をしているから、慢性病になるのです。
だから、救われるには、生活を変えることが、そのカギです。生活を変えれば、体質も変わり、気質も変わります。これにより、慢性病は治ってしまうのです」
<クスリで治らぬなら、「医・食・住」を変えよ>
・「慢性病という言葉の『病』というイメージから、『薬』を連想させますから、治らないのです。薬を飲んで、習慣性が変わるはずがありません。いくら注射をしても、鍼を打っても、癖が治るはずはなく、考え方も変わるはずがありません」
<生活を変えるには、心を変える>
・「今まで、好きなものばかり食べていた人は、嫌いで食べたこともないものも食べてみます。今まで、こういうことばかりしていて、他のことをしなかったという人は、その『しなかった』ことをやってみるのです。生活を変えること、慢性病はなくなってしまうのです。生活を変えるには、心を変えることがそのカギです」
<ガンはこうすれば治る>
<私自身、ガンをわずらい、13年かけて治した。私の指導で筋腫やガンの治った人々が無数いる>
<ガンは血液浄化と延命装置である>
・森下博士は「ガンは血液浄化装置」と言います。ガンも他の病気と同じく、“体毒”から発病します。そして、その毒素が最大限に身体を侵した状態になったとき、発病するのです。そのとき、血液も“毒”で汚れています。放置しておくと敗血症を起こします。敗血症とは血液が腐敗する病気で、発症すると多くの場合1週間以内に死亡します。
・身体は、その最悪の事態を回避するために、自身の弱った部分で、その“毒”を引き受けるのです。早くいえば“ゴミ捨て場”を作るようなものです。すると血液中の“毒”は、そこに留まっていき、血液は浄化されるのです。そして敗血症で急死という最悪のケースを避けられます。「だから、ガンは延命装置でもあるのです」(森下博士)
つまり、ガンが命を救ってくれ、命を長らえさせてくれている。ガンにも存在する理由があるのです。
・私が敬愛するもう一人の医師、新潟大学名誉教授の安保徹博士の理論も明快です。
「ガンは低血流、低体温、低酸素の場所にできる」。だから、まずはこれらを改善することがガンを快方に向かわせる秘訣なのです。
<断食でガンは真っ先に消える>
・森下博士は、ガンを治すベストの方法はファスティングと断言します。
「身体を飢餓状態にすると、体細胞は血球細胞に戻ります。これを異化作用といいます。身体は、害を受けた組織を血球細胞に戻す働きがあります。だから、断食をすると、真っ先にガン細胞が血球細胞に戻り、排泄されていくのです」(森下博士)
私も実際に、わずか4カ月の断食療法によって直系10センチのガンが消滅した事例を知っています。
・断食が病気を治す根本原理は、その排毒作用です。ガンという毒素は、最優先で排毒されていくのです。ただし、ガンが育った背景には、誤った生活習慣があります。それも並行して正すことは、いうまでもありません。沖先生も同じ主張をしています。
「ガンは細胞の弱い所にできるものである。弱っている細胞は萎縮して、血行が悪く、栄養も酸素も不足している。断ち、捨て、離れることで、日常生活の習慣を一度、ブチこわして、違った角度から生活を見直すことが効果的である」
生活改善とは、当然、心の改善もともないます。
「ガンになりようのない血液と細胞と心を持てば、心配することはないのである」
・われわれは「ガンは治らない」と“洗脳”されています。だから、告知の瞬間から恐怖で落ち込む。すると、ガンと戦うナチュラルキラー(NK)細胞が急減します。
自らガンを完治させた沖先生は言い放ちます。
「私は病人面して寝ることをしなかった。かえって、意識的に、人も驚く超人的な生活を続けることを心がけた。これが治るコツである」
さて最後に沖先生が勧めるガンを治す食事をご紹介しておきましょう。
「酵素、カルシウム、ビタミンおよび植物酸を多くし、偏食のない少食にする。脂肪を少なく、玄米、海藻、生野菜をとる。手軽で一番良い方法は、生食、自然食、断食をくり返すことである」
<病はチャンスだ>
・ヨガは病や悩みを、自己改造進化の教師と考える。
・「このガンが、本格的にヨガの修行をやってみる決心をつくってくださった」(沖先生)
<胃弱な人の治療法>
・胃弱の人は、胃に無理をかける。姿勢が悪い。神経が苛立つ。この3つに対応する治し方をすればよい。
<万病を治す第一歩はファスティング>
・「胃に無理をかける」とは、早くいえば“食べ過ぎ”です。
だから、まず「食べなければいい」のです。つまり「胃を休ませる」。このファスティング(断食)で、ほとんどの胃病は治ります。なんとあっけないことでしょう。
その他、腸炎、下痢などの消化器疾患も「食べなきゃ、治る」のです。
・万病を治す第一歩は、ファスティングなのです。それなくして、いかなる病気も治りません。
まずは、朝食を抜く半断食をお勧めします。これでも、相当胃は楽になるはずです。半断食ができるようになったら、一日一食にしてみます。それをクリアしたら、三日断食に挑戦しましょう。
・ちなみに「食欲が出ない」「疲れやすい」「だるい」のは、ビタミンB₁、B₃などの不足です。これらは、玄米や小麦胚芽などに多く含まれます。つまり、精白した米や小麦粉、白パンなどを食べているために起こる一種のカッケ症状です。
日ごろから未精白の穀物、雑穀、胚芽パン、さらにゴマ、木の実などを食べる習慣があれば、このような症状とは無縁に過ごすことができます。
<血圧はコントロールできる>
・断食をし、深呼吸を繰り返す。この2つが、血圧調整の決め手である。
<菜食は血圧を下げ、脳卒中などを防ぐ>
・高血圧の人は、まず食生活に問題があります。例外なく過食、美食、肉食の人が多い。食べることが無二の楽しみなのですね。しかし、楽あれば苦あり。今度は、そのツケの高血圧で苦しむことになります。そういう人は同時に糖尿病、心臓病の気もあります。結論からいえば、まず食生活を改めなければ、高血圧は治りません。
・まず過食、美食、肉食を少食、粗食、菜食に変えることです。
とくに、日本人は戦後、欧米型の食生活に憧れ、さらにアメリカの占領政策で、“餌付け”されたため、肉食過多に陥っています。肉食、動物食は、まさに万病の元です。
・菜食が高血圧を劇的に改善する。これは科学的実験からも証明された事実なのです。菜食主義者と一般人を比較すると、肉食などを行なう人は、年齢とともに血圧が上がっていきます。それは、動脈硬化が進み、血管が硬くなっているからです。逆に、ベジタリアンは年齢とともに血圧は低くなっています。それは、血管壁が柔軟であることの証明です。柔らかい血管の持ち主は、脳卒中や心臓病とも無縁の人生を送ることができます。
・「腹八分に医者いらず」「腹六分で老いを忘れる」「腹四分で仏に近づく」……。
これはファスティングの重要性を明快に説いたものです。
さらに「食べる工夫でなく、食べない工夫をしろ」「空腹を楽しめ」「腹が減るほど調子が出るのが、本当の健康体だ」……。
まさに、目からウロコ。これらの言葉は、その後の私の人生を大きく変えることになりました。
『脳を鍛えるには運動しかない!』
最新科学でわかった脳細胞の増やし方
ジョンJ.レイディ with エリック・ヘイガーマン NHK出版
<結びつける>
・運動すると気分がすっきりすることはだれでも知っている。けれども、なぜそうなるのかわかっている人はほとんどいない。ストレスが解消されるから、筋肉の緊張がやわらぐから、あるいは、脳内物質のエンドルフィンが増えるから――たいていの人はそんなふうに考えている。でも本当は、運動で爽快な気分になるのは、心臓から血液がさかんに送りだされ、脳がベストの状態になるからなのだ。わたしに言わせれば、運動が脳にももたらすような効果は、体への効果よりはるかに重要で、魅力的だ。筋力や心肺機能を高めることは、むしろ運動の副次的効果にすぎない。わたしはよく患者に、運動をするのは、脳を育ててよい状態に保つためだと話している。
・人類の脳の回路には、食物と体の活動と学習とのつながりがもともと組み込まれているのだ。
・しかし、わたしたちはもはや狩りも採集もしていない。そこに問題がある。動くことの少ない現代の生活は人間本来の性質を壊し、人類という種の存続を根底から脅かしている。証拠はあちこちに見られる。アメリカのおとなの65パーセントが太りすぎで、国民の10パーセントがⅡ型糖尿病を患っている。運動不足と栄養の偏りが原因の破滅的な疾病だが、生活習慣によって十分予防できるはずだ。かつては中高年の病気と言われていたこの疾病が、今では若い人たちに広まりつつある。わたしたちは自分で自分の首を絞めているようなもので、しかもそれは生活のすべてが特大サイズのアメリカに限った話ではなく、先進国全体の問題となっている。もっと気がかりで、しかも、ほとんどだれも気づいていないのは、動かない生活は脳も殺してしまうということだ。実際に脳は縮んでいくのである。
・私が、願うのは、運動が脳の働きをどれほど向上させるかを多くの人が知り、それをモチベーションとして積極的に運動を生活に取り入れるようになることだ。もっとも、それを義務だとは思ってほしくない。運動はもちろんするべきなのだが、無理強いするつもりはない(おそらく、そんなことをしても無駄だ。ラットの実験により、強制された運動では自発的な運動ほどの効果が出ないことがわかっている)。運動をしたいと心から思えるようになれば、そのとき、あなたは違う未来へ向かう道を歩み始めている。それは生き残るための道ではなく、成長するための道なのだ。
・わたしが強調したかったこと――運動は脳の機能を最善にする唯一にして最強の手段だということ――は、何百と言う研究論文に基づいており、その論文の大半はこの10年以内に発表されたものだ。脳のはたらきについての理解は、その比較的短い期間にすっかりくつがえされた。この10年は、人間の特性に興味をもつ人すべてにとって、心沸きたつような時代だった。わたし自身、本書のための調査を通じて、運動の効果にますます驚かされ、直観的な洞察は科学に裏打ちされた真実へと変わっていった。
・「だれもが最大の効果を得られる最小の量を知りたがっている」とは、デューク大学の運動生理学者ブライアン・ドゥシャの弁だ。彼は、週にわずか3時間ウォーキングをしただけで心血管系にプラスになることを示す研究を発表したとたん、マスコミからひっぱりだこになった。
<ウォーキング>
・1日1時間、最大心拍数の55から65パーセントでウォーキングを始めれば、その時間で歩ける距離は自然と延び、次第に健康になっていくだろう。このレベル(低強度)では、脂肪が燃料として燃やされ、代謝が盛んになる。体の脂肪が多すぎると、筋肉はインスリン抵抗性をもつようになり、そのせいで脂肪がますます蓄積し、インスリン様成長因子(IGF-1)の生産は減る。
・2007年にミシガン大学で行われた研究によると、1セットの有酸素運動で、翌日にはインスリン抵抗性が改善されていた。筋肉の組織を運動の前後で比較したところ、運動後の筋線維には脂肪の合成に欠かせないタンパク質が生じていた。その効果がどれほど長くつづくのかはわからないが、その発見はほんの少しの運動でもプラスのドミノ効果が起きることを証明した。
<ジョギング>
・脳細胞の内側では、中強度の運動が引き金となって代謝系の掃除屋とも言うべきたんぱく質や酵素が放出され、フリーラジカルやDNAの破片、そのまま放置すると細胞の破壊をもたらす炎症因子を始末する。研究が進むに従って、抗酸化剤を薬の形で服用しても効果はないこと――むしろ有害であるかもしれない――が示唆されているが、有酸素運動によって細胞内に自家製の抗酸化剤を作り出せることはあまり知られていない。しかも、抗酸化剤は話の一部にすぎない。十分な修復期間があれば、運動が導く修復反応によって、ニューロンはより強くなるのだ。
『マイクロトレンド』
世の中を動かす1%の人びと
マーク・J・ペン with E・キニー・ザスレン 日本放送協会出版 2008/4/25
<将来が予想通りになることはめったにない>
・実は未来を左右する小さなグループがその眼にいくつも飛び込んでくるだろう。現代においては、1%の大きな力を見つけることが、ビジネスや投資、未来予測の成功を約束するのだ。ようこそ、マイクロトレンドの世界へ!
・著者はアメリカの政治において最も鋭い洞察力を持つ世論調査員として広く知られ「ワシントンきってのパワフルな人物」と評される。
<働く定年退職者>
・いまやほとんどの人は85歳まで健康を保ち、実際に65歳で定年退職する人はますます減っている。現在アメリカには65歳以上の労働者が1980年代全般の2倍近くにあたる500万人おり、さらに爆発的に増える見込みだ。
・シニアになっても働き続ける最大の理由は、アメリカ人が実は仕事が好きなためだ。寿命が延びたのなら、もっと長く働きたいのである。きっと物足りないのだろう。
・アメリカ人の労働時間は年平均1800時間を超えており、世界のほとんどの国よりずっと長い。西ヨーロッパ諸国と比べて年間の休暇が少ないにもかかわらず、消化されない休暇日数は倍以上になる。
<アメリカ人の多くは仕事が好きなのだ>
・事実、仕事をすることは本能的な欲求であり、第4の戒律(カトリックでは第3)とは「週に1日は安息日を守ること」とある。
・仕事中毒の人々の数はうなぎ上りとなっている。もっと仕事をしたいと思っているうちは死の床につかないと高齢者が話しているのを何度も耳にしたことがあるだろう。そして、多くの人はそれを実行している。
・仕事に対する認識が変化しているのに加えて、ベビーブーム世代が65歳に近づいていることを考えると、金の時計、安楽椅子、ゴルフコースといった従来の「定年退職」のイメージそのものが退職のときを迎えつつあるのだ。
・ベビーブーム世代の4人に3人以上が従来のような定年退職をするつもりはないと考えている。それどころか、彼らは、20年後も仕事を続けているつもりであり、「死ぬまで仕事を続ける」と答えている。
・肉体労働のほうが多かった時代には、病気や痛みを抱えた高齢者が働き続けるのは辛かった。しかし、情報時代にあっては、高齢者ほど情報が豊富な人たちはいない。
<労働人口(毎年)1%増。若い世代は起業する>
・1978年以降、70歳未満の労働者を強制的に退職させることは違法となっており、1986年以降は定年だからと言って強制的に退職させることはなくなっている。
<社会保障制度の危機を救う>
・さまざまな研究によって、健康でいられる期間を延ばすためには、身体と精神を活動させることが重要であることがわかっている。私たちの平均寿命はまだまだ延びるのではないだろうか。
・働く定年退職者がトレンドになると、家族と言う形態が守られることになるかもしれない。
・いまの大学の新入生に関する調査によると、彼らが人生でもっとも優先しているのはお金儲けと、そして家族を養うことだ。「労働年数」が突然これまでより20年長くなれば、いよいよその両方が可能になるのではないだろうか。
・かっては老後と呼ばれていた時期が、いまの高齢者にとっては絶好のチャンスになっている。
■■■ 私が思うこと、聞いたこと、考えること ■■■
(2025/5/4)
・アマゾンに「和田秀樹」といれますと1000以上の検索結果が分かります。多すぎるのではないかと思いますが、ウィキペディアでみましてもかなりの出版数になるようです。正確なことは分かりません。
老年医学の専門医で、精神科医の和田先生の知見は、現代社会が求めているのでしょう。図書館にも多くが置いてあり、売れているのでしょう。それだけ和田先生の本は評価を受けていると指摘されています。「多くの人が見る本は良い本だ」といわれます。
介護や老年医学の健康本も多く出版されていますが、需要があるからでしょう。現代においても、75歳以上の「後期高齢者の実態」は未知の領域といってもいいようです。しかし、和田先生の「少数説」もあるようです。
・著者は、「私が「コレステロールなんか気にしなくていい」と主張するのは、高齢になったらダイエットなんかしなくていいと考えているからです」、「日本人の死因のトップはがんで、虚血性心疾患が死因となるのはがんのわずか「10分の1」未満です。つまり、日本の幸齢者はメタボを恐れたり予防する必要なんかないのです。少なくとも、アメリカ人ほど恐れる必要はありません」、「ところが、たとえ認知症でも100歳まで生きる人は違います。感情豊かでよく笑い、泣いたりも怒ったりもします。認知症は90歳を過ぎた高齢者なら大部分の人が発症します。いわば老化の自然現象のひとつに過ぎません」、「むしろ、私は、高齢になればなるほど、怖いのは認知症より老人性のうつ病だと思っています。だからまず、70代80代の時期に大切なのは意欲を失わないことになります」、「「2025年問題」という言葉をご存じだと思います。2025年以降、団塊の世代がすべて後期高齢者に突入します。変えていくためには、現役後期高齢者の意見が必要です」と述べています。
<●●インターネット情報から●●>
・精神疾患を有する総患者数は、約603.0万人(入院:約26.6万人、外来:約576.4万人)。2025/01/15
・今回公表された報告書では、前回の厚生労働省報告から約10年ぶりに、認知症の患者数および有病率の将来推計が算出され、また、新たに軽度認知障がい(MCI)の将来推計についてもあわせて公表されています。 その結果によると、2022年の認知症患者数は約443万人、有病率は12.3%と、高齢者の約8人に1人の割合になっています。
・うつ病とは 現在、日本では約420万人の人がうつ病や双極性障害などの精神疾患にかかっているといわれています。 厚生労働省の「患者調査(平成29年)」※1によれば、外来と入院を合わせた患者数は419万3000人にものぼり、その数は近年増え続けています。 精神疾患の中でも、もっとも多いのがうつ病です。
(2025/4/18)
・「「団塊の世代」とは、1947年から3年間の「第1次ベビーブーム」に生まれた人たちのことで、ことし(2025年)は全員が75歳以上の後期高齢者となる」といいます。つまり、約5人に1人が後期高齢者になるということで、社会にさまざまなインパクトを与えています。健康管理が後期高齢者のサバイバルの条件となりそうです。介護の問題もより一層深刻化するのかもしれません。精神疾患の患者も増えています。
今の80歳から100歳までは未知の生活の領域かもしれません。後期高齢者の実態は、私たち一般人には、よく分かりません。100歳前後高齢者にならなくても病気で亡くなる人は非常に多いのです。ある意味でサバイバルした人達のブログや書籍が増えることでしょう。
ちなみに著者は、2020年1月16日に享年103歳で逝去されたそうです。精神科医としての経験も興味深いことです。
後期高齢者の本は、できるだけ読んで分析していきたいと考えています。ポイントは、後期高齢者は体力が急激に衰えるので、体力維持が重要問題になるそうです。
著者は、「健康長寿を願うなら、からだを「適度に」動かすこと。これ以上の黄金則はありません。怠けすぎず、頑張りすぎず。そんな“塩梅”を見極める眼力こそ、大人に必須の力です」と述べています。
インタ―ネット情報によると
「精神疾患を有する外来患者数は、約586.1万人。 疾患別では、「気分[感情]障害(躁うつ病を含む)」、「神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障 害」、「その他の精神及び行動の障害」の順に多い。2024/05/27」そうです。
現代において「心を病む」人が増えていますが、その実態は知りません。
(2025/3/11)
・東日本大震災から11日で14年です。慰霊の式典やイベントが各地で行われています。2011年3月11日の東日本大震災から日本国は傾き始めたと懸念されています。
「歴史は繰り返す」と言われますが、今年は南海トラフ巨大地震の連続発生や首都直下地震が大きく懸念されています。
毎日のように小さな地震が全国各地で起こっており、NHKウェブサイト(2025/3/9)では、
<北海道沖 千島海溝 巨大地震起こしうる程度までひずみ蓄積か>
「巨大地震と大津波の発生が想定されている北海道沖の千島海溝では去年までの海底の地殻変動観測の結果、海側と陸側のプレートが非常に強くくっつく部分があり、「ひずみ」をため続けていることが確認されました。
観測を行った東北大学などの研究グループはこの「ひずみ」の蓄積がすでにマグニチュード9クラスの巨大地震を引き起こしうる程度まで進んでいる可能性もあるとして、改めて揺れや津波への備えを確認するよう訴えています。
北海道の沖合にある千島海溝沿いでは、前回、17世紀に発生したと考えられる巨大地震からおよそ400年が経過し、政府の地震調査委員会は30年以内にマグニチュード8.8以上の巨大地震の発生する確率を「7%から40%」としています」と報道されています。
実に気味の悪い予測の報道です。「備えあれば憂いなし」でしょうか。
・時代の要請でしょうか。「健康本」も多く出版されています。多くの医者が健康本を書いており6万冊以上もあります。予防医学の時代なのでしょう。原因のよく分からない難病や奇病もあり、認知症などのメンタルな病気も増えているようです。
「ビジネス書100冊を1冊で読む」とかの本も増えています。そういった種類の本も需要があるのでしょう。無闇に多くの本を読んでも理解できません。
人生健康第一です。やはり適度な運動で筋力を整え、食事で体重とメンタルの健康の管理が重要のようです。
現在、高額医療費、医療費、介護の問題が大きな社会問題となっています。医療は国民の家庭の毎日の重要問題です。新型コロナウイルスのパンデミックの検証も必要のようです。何か、自然災害とか森林火災とか次々に災害大国を襲っていますので、「災害疲れ」があるようです。
このブログも現在は「森羅万象」というテーマで書いていますが、例えば「ビジネス書」については、ほとんど書いていません。しかしながら、小説や特定の本ばかり読んでいる人には、他のジャンルの本を読むことを薦める人もいます。「無用の用」とか「気分転換」「発想の転換」ということでしょう。このブログも、小説やビジネス書やその他の分野の本もいれて文字通り「森羅万象」を対象にしていこうと思っています。しかし、ブログに載せる量は、毎月10冊以内で限られてきますが。
「すべては繋がっている」ということでしょうか。
・「日経新聞」(2025/2/7)によりますと、
「食料価格の高騰が個人消費の重荷になっている。総務省の家計調査によると、2024年の消費支出は実質で前年比1.1%減少した。消費支出に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」は28.3%と1981年以来43年ぶりの高水準となった。24年12月単体は実質2.7%増となり、消費に回復傾向がみられる。
24年の2人以上世帯の消費支出は1世帯当たり30万243円だった。食料などの「基礎的支出」と娯楽などの「選択的支出」に分けると、基礎的支出は4年連続減った。食料が実質0.4%減少と5年連続で減った。選択的支出は前年比0.4%増と2年ぶりに増加した」と記載されています。
エンゲル係数が高水準になっても、「少食」が体に良いようです。
・著者は、「本書は健康不安を抱えるすべての人のために、ベストセラー100冊から不老長寿の智恵を1冊に凝縮!」、「この本は、100年でも、それ以上でも、心も体も健康に生きるためには何が大切なのか、100冊のベストセラー健康書をひも解き、健康長寿の秘訣をまとめようというものです」、「筋トレも大事ですが、脳だけではなく全身の病気を遠ざけてくれるのは、なんといっても有酸素運動です。その代表が、ウォーキング」、「わかりやすいのが、筋肉です。歳をとると筋肉が衰え、足腰が弱まりやすいのは真実ですが、筋肉はいくつになっても鍛えられます」、「中年になると基礎代謝が低下して、必要な栄養素をエネルギーとして燃焼する能力が次第に衰えてくる」からであり、「加齢によって生じる基礎代謝低下の大きな原因は、筋肉の衰えによるもの」、「そして、何より大事なのは歩くことです。歩く力を保つには、やっぱり歩く習慣を持つこと。その上で筋力を保つために筋トレをプラスしてほしい。私がよくおすすめしているのは「スクワット」と「ランジ」です」、「最大の理由は、バランス力の衰えは転倒リスクにつながるからです。高齢になって転倒すると、太ももの付け根などの骨折を招き、車椅子生活になったり、寝たきりになったりと、人生の大きな分かれ道になりかねません」、「ちなみに「ロコモ」とは、骨や関節、筋肉などが衰えて、立つ・歩く力が低下している状態のこと」、「認知症予防の大きなカギは「血のめぐり」と言い、脳の血流を増やして認知症を防ぐ方法の一つとして読書を挙げます。読書のジャンルはなんでも」、「だからこそ、50歳からは食習慣を変えてほしい」、「一般的には、中高年以降の健康を守ってくれるのは、断然、肉よりも魚。ぜひ魚ファーストの食生活に切り替えましょう」、「「一滴も飲まないことが健康に一番」が結論で、酒飲みの私には耳が痛い話です。お酒は、口や喉のガン、食道がん、肝臓がん、乳がん、大腸がんなど、多くの臓器のがんを増やします」、「「人生100年時代」という言葉もすっかり市民権を得ています。ところが、歯の寿命は60年」、「具体的には、「歯周病を治療することで、糖尿病が好転する」「歯周病に由来する慢性的な炎症が、アルツハイマー型認知症の原因である脳の炎症を増強する」といった可能性が指摘されています」、「何かと体に悪い喫煙は、緑内障を進行させ、白内障のリスクも上げることは確実です」、「これを避けるには、足に水分をためないこと、つまり、日中にしっかりと足の筋肉を動かすことです。ランジ、スクワットは夜間頻尿対策としてもとても優秀です」、「さらに、今後10年以内に認知症の人が700万人を超え、高齢者の5人に一人が認知症という時代がやってくるとされています」、「罹患数1位、死亡数2位の大腸がんが増えている主な原因は、食生活の欧米化だと言われています」、「でも、昨日まで元気でピンピンしていた人が突然コロリと死ぬということは、心筋梗塞や大動脈解離、窒息といったなんらかの“事故”が起きない限り叶いません」、「ピンピンコロリの間の要介護期間が多少はあると想定しておいやほうがいいでしょう。ただ、その期間を短くすることは可能です」、「さて、本書を読んでいただくとわかるように、結局は適度な運動とバランスのよい食事で生活習慣病を防ぐことがすべてに共通する最適解です」と述べています。
(2016/9/22)
・はたして「「あたため睡眠」が日本を救う」のでしょうか。「血管の欠陥」で早死にしないように、「あたため睡眠」でピンピンコロリを狙いたいものです。
・やはり血管の健康と言うか、血管が詰まらないようにすることが重要です。血管の強化と言えば、蕎麦のルチンが思い出されます。インターネット情報によると、「そば粉には、「ルチン(別名ビタミンP)」という成分が含まれています。ルチンは、抗酸化作用のあるポリフェノールと似た働きを持っており、脳卒中や高血圧症などの生活習慣病の予防効果が期待され、アメリカやヨーロッパでは薬としても用いられているそうです。毛細血管の弾力を強くし、血液の流れを改善することから、肩こりや冷え性の方にオススメです。また、シミやシワ、そばかすを予防し、肌を生き生きとさせるコラーゲンの生成に関与するビタミンCの働きを助けるため、そばを食べた後にビタミンCを含んだみかんやいちごなどを食べるのもよいでしょう。また、体に悪影響を及ぼし、老化の原因になる活性酸素を取り除く働きもあるので、エイジングケアの観点からも注目を集めています」とのこと。
・また「積極的に蕎麦を食べましょう」ということでは、「実は、ルチンはみかんやアスパラガス、トマトなどにも多く含まれていますが、そば類なら、断然「韃靼(だったん)そば」がオススメです!その量、なんと普通のそばの約100倍以上も含まれているというのですから驚きです!また、ルチンは水溶性で、水に溶けだす性質があるため、茹でた後の茹で汁は「そば湯」として飲むことをオススメします。ちなみに、ルチンの効果には即効性はあるものの、持続性に欠ける部分があるため、一度に大量のそばを食べてもあまり意味がありません。できれば継続的にそばを食べるのがよいでしょう。※そばはアレルゲンとなりやすい食品ですので、特にお子様が初めて食べる時は慎重に進めることをオススメします」といわれます。「ルチン」の効果を考えて、うどんよりもそばを好んで食べるようにしている人も多いようです。
・また「ポリフェノール」という言葉をよく見聞きします。インターネット情報によると、「ポリフェノール摂取から、様々な効果を得られます、期待できます。
【抗菌作用】
殺菌作用には、睡眠不足やストレスからくるニキビ・肌荒れも抑える効果があります。
【抗酸化作用】
抗酸化作用には、活性酸素の働きを抑え細胞の老化防止効果。そしてシミ・シワ・たるみからお肌を守ります。細胞が元気に活動する事で、皮脂のバランスも良くなり乾燥肌の防止効果も持ちます。
【がん予防(消化器系)の効果】
カカオには、リグニンというポリフェノールの一種、食物繊維が含まれています。大腸がんの発がん原因の一つ「便秘」。食物繊維が含まれているということは、便秘予防、解消にも繋がります。このことは、消化機能が低下した患者さんの消化器官にチョコレートを入れることで回復が早まったという実証があるのです。もちろんがん発症の原因と言われる「ピロリ菌」。カカオの持つ抗菌作用がピロリ菌の働きを抑制してくれます。
【血中のコレステロールを抑制する効果(高血圧の予防)】
血糖値を下げる効果を持つ、「カテキン」。お茶などに多く含まれるカテキンもポリフェノールの一種です。カテキンには唾液や、すい液に含まれる消化酵素のアミラーゼの働きを抑える効果があります。ブドウ糖が血液に取り込まれるのに時間がかかることにより、食後の血糖値が急激に上昇するのを防ぎますぐ効果を期待できるのです。紅茶を飲むことで、血圧上昇が抑える可能性に期待できるというわけです。
【抗酸化作用(細胞の老化を防ぐ)】
活性酸素の働きを抑え細胞の老化防止効果。そしてシミ・シワ・たるみからお肌を守ります。細胞が元気に活動する事で、皮脂のバランスも良くなり乾燥肌の防止効果も持ちます」とのこと。
・熊本地震では「エコノミー症候群」が相次いでいると報道されました。やはり、車の中で、一夜を過ごすことは、ストレスにもなり、血液の血栓を作るようです。とにかく体を動かす、歩くことが必要だと言われます。「健康法」にもさまざまな見解があり、奇説と思われるものもあるようです。高齢者になると「ラジオ体操」でも体に悪いという医者もおり、説が分かれているそうです。
・現代人は絶対的な運動不足だそうです。若いうちは「運動不足」でも、なんとかスムーズに日常生活ができますが、高齢になると「適度な運動」が必須になります。働くという事は、通勤を含めて、「適度な運動」になります。高齢者は意識して、日常生活に「適度な運動」を取り入れる必要があるようです。杖をついても歩けなくなる事態は避けたいものです。
ボランティア活動に熱心な高齢者も増えており、何かに打ちこむことが「適度な運動」になるようです。やりがい生きがいを見つけ、体を動かすことが大事だといわれます。
・断食の本もよく読まれているようです。Amazonに「断食」といれますと1060件の本がわかります。たとえば、『週1断食で万病が治る(週1回、2食抜くだけ!)』、『奇跡が起こる半日断食―朝食抜きで、高血圧、糖尿病、肝炎、腎炎、アトピー、リウマチがぞくぞく治っている!』、『3日食べなきゃ、7割治る!』、『「断食」が健康のための最高の方法だ!』、『食べなきゃ治る!糖尿病』、『断食でがんは治る』等、刺激的な題名が続きます。女性のダイエットということも非常に大きな話題・関心事になっています。「断食がこれほど効果があるのなら、実践してみたい」と思うものばかりのようです。
・アメリカ人の自己啓発書を読んでいますと「白いもの、砂糖と塩を控えめに」と書いてありました。肥満や心臓病に大敵だからでしょう。喫茶店にも人工甘味料が置いてあるところが増えたようです。アメリカ人はコーヒーやコーラを良く飲みますし、食事も塩味が基本だからです。砂糖を入れないでコーヒーを飲む人も増えているようです。砂糖と食塩の「白いもの」はタブーのようです。色とりどりの野菜サラダが良いようです。アメリカ人の肥満も日本人のサイズを超えているものが多いようです。
・ドイツ人がビールで、フランス人がワインという具合に歴史的にも日常の食生活に結びついているようです。酒屋や煙草屋には悪いですが、ここは「禁酒・禁煙」でしょう。ノンアルコール・ビールを飲む人も増えているようです。特に年齢を重ねますと酒が体に悪いことが実感されます。また、アメリカのビジネスパーソンは、「タバコを飲んでいると仕事ができない」といって、マイナス評価をするそうです。しかし、若い頃から「禁酒・禁煙」を実行することは難しいことでしょう。日本の場合はビジネスマンと煙草が結びついているイメージです。病に倒れて入院したりする契機があれば、「禁酒・禁煙」の道にすすむようです。
・「禁酒・禁煙」で塩分と砂糖は控えめ、野菜のバランスの食生活、日常生活に組み込まれた適度な運動、「死ぬまでできる仕事やボランティアや生きがい」、「実行が容易な生活習慣」、「介護フリーの人生」が現代人の理想だそうです。確かに働かなくなると、軽い引きこもりになり足腰が弱まるといわれます。とにかく、ありとあらゆる病気が蔓延しているような現代です。医学の発達と病気の数が比例しているかのようです。大人にも子どもにも難病や奇病も増えており、困った人々も増えています。
・「健康」と「運動」はコインの表裏で、「適度な運動」を日常生活に組み込むことが必須のようです。アメリカ人は「死ぬまで仕事をしたい」というモーレツ人間が多いそうですが、「仕事を続けることが適度な運動になる」ようで健康に良いようです。健康ばかりでなく社会性という観点からも「死ぬまで仕事をする」ことが、これからは重要になってくるようです。趣味に生きるのも良いですが、「死ぬまでできる何かを探す。適度な運動になる生きがいを探す」ことが重要になるようです。それでこそ、「ピンピンコロリ」で介護なしの大往生を遂げられることでしょう。「ひきこもり」やうつ病のような精神の健康についても「適度な運動」が効果的でしょうか。
・フランス料理の基本は「塩味」だそうです、ヨーロッパ人は、塩味になじみがあり、昔は、日本の味噌、醤油、生魚、納豆には欧米人はぞっとしたようです。今でも、ぞっとする外国人が多いそうです。しかし、寿司は、世界的なフードになりました。近年の世界中の和食ブームで、寿司なども外国人が好んで食べるようになりました。欧米人も健康志向で、長寿の日本人の原因が、和食、魚を中心とする食事ということからのようです。
・インターネットの世界でも「数百もある健康法や美容法」は大きなビジネス・ジャンルのようです。「料理法」のネット企業もあります。健康法や美容法は商業ベースにのりやすく、「食」が大きなテーマのようです。「世界中の大人は誰でも何かの健康法や美容法を実践している」そうです。健康や運動は毎日のことです。あなたは、いかがでしょうか。
・昔の中国の皇帝は「不老不死」を求めたようです。昔から宇宙人と会っていたからかもしれません。死後の世界が不老不死の世界で、幽界では人生のベストな若い時の姿になるようです。「不死の惑星」というエロヒムのリラ星人の惑星もあるようです。遺伝子操作で「不死」を達成している宇宙人がリラ星人のようです、フランスのコンタクティ、クロード・ボリロン・ラエルによると「3万年進化しているサタン(悪魔)と呼ばれるリラ星人が、実験室で人間を創った」そうです。
・米国政府が秘密協定を結んだといわれているオリオン星人は人類に5万年進化しており「人間の魂の交換」ができるそうです。「不思議なゲイ(LGBT等)の現象は、宇宙人の人格転換である」ともいわれます。「オリオンの邪体霊」ともいわれ、アブダクション(誘拐)や生体実験をしたりして「宇宙の悪玉」のようです。また「平家がプレアデス星人の末裔で、源氏がオリオン星人の末裔」といわれ、「日本の異人や天狗」もオリオン星人系列のようです。
・パラレル・ワールドに住む宇宙人、天国に出入りし転生と憑依を自由に操るシリウス星人の植民星が地球ともいわれ、人間は死後、幽界で天使のような宇宙人、シリウス星人と出会うそうです。しかし、ネガティブ・グループのシリウス星人もおり、「シリウス星人の地球支配があまりにも巧妙なので、しょっちゅう戦争が起こる」ともいわれます。
・著者(松枝迪夫)の「私の健康長寿法十則」には「禁酒・禁煙」については書かれてありませんが、著者は適度に嗜む方なのでしょうか。昔の学生は酒をよく飲んだようです。しかし、酒も過度に飲めば体に悪いようです。何か大病を患い、病院に入院するなどして、そこで「決心」して「禁酒・禁煙」に向かう人も少なくないようです。私たち一般人は、「禁酒・禁煙で健康リスクをかなり減らせる」そうです。
・近年の世界的な「健康志向」で人々の関心も「自分自身や家族の健康の維持」に向けられているようです。現代人は絶対的な運動不足ですので、自分でジョギングやウォーキングをしたり、マラソンなどの練習をしたりする人が増えているようです。家庭でできる運動器具の販売宣伝も非常に多いようです。室内でやる運動器具にはすぐに飽きてしまう人々が多いそうです。またスポーツ・ジムやスイミング・クラブに通う人々も多く「適度な運動」を日常生活に取り入れて健康を維持して楽しい生活をしよう、人生を送ろうということのようです。
・街中では散歩をしている老人も増えており、「家に引きこもり」だと足腰が急に弱くなるようです。日常生活に「体を動かすこと」「歩くこと」を取り入れる必要があるそうです。そしてダイエットは女性の日常的な関心のようです。「肥満は万病の元」ともいわれます。メディアにはガン等で死亡した有名人のニュースが頻繁に出てきますが、ガンで死亡する有名人が意外に多いという印象です。また「塩や砂糖」も控えめにとるのがいいのですが、どの程度がいいのか分からなくなるようです。活動中に砂糖や塩も必要な時があるようです。「人は誰でも自己流の健康法・美容法を実践している」といわれます。健康法を毎日実践して、介護リスクや痴呆リスクなど、誰でも嫌なことを本能的に避けようとしているのでしょう。
・近年、子供や大人の奇病や難病も増えているようで、治療法も分からない病気が増えているようです。医者でも病気の原因が分からないのですから厄介です。また自殺者も依然多いそうで、「心の健康リスク」の悪化が懸念されています。高齢化、少子化の時代に自分自身の肉体や精神の「健康リスク」にどう向き合っていくのかが日常の課題のようです。自殺者数も相変わらず多いそうで、「末法の世」なのかもしれません。
・現代人は「絶対的な運動不足」といわれています。またガンや心臓病などの病気で亡くなる人も増えております。現代人の最大の関心事は「健康」ということでしょうか。そのために適度な運動を無理なく日常生活に取り入れている人が増えています。スポーツクラブやスイミングクラブに通う人も多いでしょう。その他の体を動かすサークルに参加したり、ジョギングやウォーキングが入りやすいようです。自転車で体を動かすことも必要です。長寿のためには「適度な運動」が必須だそうです。部屋に閉じこもって仕事をしていると、能率も落ちてきます。
・働かなくなると老け込むといわれます。働くことが通勤も含めて適度な運動になり、体に良いようです。人間は毎日、体を動かすようにできているようです。散歩よりも早歩きのウォーキングを習慣にしたいものです。また老齢化と共にボランティア活動や仕事などで、「社会との関わり合い」が必要なようです。
・「食べる健康」では、この書のように「七色サラダ」を中心にタンパク質を取り入れるようにすることも必要です。また砂糖は体に悪いともいわれております。「砂糖や塩は控えめに」ということです。ノンアルコールビールに変えたりして「禁酒・禁煙」が最も体にいいようです。歳をとると「断酒」する人も増えてくるようです。お酒の会社には悪いですが、高齢者にとっては「酒は体に悪い」そうです。サプリメントも必要になりましょう。寿命が延びていますので、100歳を超える人々の数はますます、伸びるものと思われます。やはり、あの世に行くのにはPPK(ピンピンコロリ)がいいのでしょうか。あの世には天使のような異星人があなたを待ち受けているそうです。
・インターネット情報(2014/9/12)によると、「全国の100歳以上の高齢者が過去最多の5万8820人に上る」、「100歳以上の高齢者の内訳は女性が5万1234人、男性が7586人。今年度中に100歳になった人と、なる予定の人々では女性が2万5千人、男性が4357人」、「国内最高齢は、女性が116歳、男性は111歳」、「日本人の平均寿命(13年)は男性80.21歳、女性86.61歳」、「100歳以上の人数は調査がはじまった1963年が153人だったが、98年に1万人を超え、2012年に5万人を突破した。近年は1年に3千~4千人台のペースで増えており、今後も増加が見込まれる」とのこと。近未来は、高齢者が増え長寿化しますので、100歳以上の人々は大きく増えるように思われます。
・日野原さんの長寿の原因は詳しくは分かりませんが「現役の医者として活動している」からのようです。「働くこと」が「適度の運動」になり、社会との関係もでき、健康に最も良いようなのです。現代人は絶対的な運動不足ですから、定年退職して家に引きこもりますと、足腰がすぐに弱くなるようです。「通勤」や「働くこと」が「体を適度に動かすこと」になり肉体や精神に刺激を与え、長生きができるようです。
・とにかく体を毎日、動かす必要があるようです。病気で早死にするのも困りますし、病気で寝たきり老人でも家族が困ります。やはり、外に働きに出ることが自然な適度な運動になり、スポーツジムや室内での運動器具を使うことよりも効果的のようです。「働くこと」は、適度な運動になり、ウォーキングやジョギングよりも効果的のようです。
・アメリカ人は「死ぬまで働きたい」という人々が多いそうです。「働くこと」が健康によいことを知っているからでしょう。遊んだり、趣味に生きるのもいいですが、社会でボランティア活動をしたり、死ぬまでできる何か、働くことを見つけて、「生涯現役」ということで、長寿を全うしたいものです。しかし、普通の医者でも70歳以上になると引退する人が多いのでしょうか。血管の病気で倒れないために、食事にも注意をしなければならないようです。「肥満は万病の元」のようです。やはり「ピンピンコロリ」が理想的な死に方のようです。しかし、ピンピンコロリで実際、死ぬ人は少ないようです。
・さまざまな病気のリスクを掛け合わせると高い確率になり、発症リスクを避ける努力が個人に課せられています。「食べ物」のテレビ番組が多いようですが、日常の食と認知症は密接に関係しています。食の西欧化でこれまできましたが、認知症などを考えると「洋食」「中華」よりも「和食」に軍配があがるそうです。一般的に普通でも砂糖と塩分の摂りすぎになるようです。意識的に減塩・減糖をしなければ突然倒れる可能性が高まります。
・「認知症予防には一切飲まないにかぎる」ということですが、「お酒のリスク」は、まだ一般化していないようです。「タバコのリスク」は、昔から広く研究されて報道されていますので、若い人でも「禁煙」をする人も増えているようです。喫煙には規制も多くあります。タバコを喫煙するひとへの風当たりも強くなっています。「お酒のリスク」は病気で倒れないとなかなか一般的に認識されていないようです。
・飲酒の習慣が社会に一般化しており、全く飲めないことは、マイナスのイメージになるようです。毎日の飲酒の習慣を持つ人々も多いようです。サラリーマン社会では「居酒屋文化」がありますが、飲酒習慣のない人が増えると夜の商売の人々が困ります。飲酒習慣のついた人にとっては、「断酒」は難しいようです。
・「言うは易く行うは難し」で、病院に長期入院でもしないと「禁酒禁煙」の決心や実践もできないようです。「食生活の改善」とともに「適度の運動」も必須だそうです。とにかく毎日、体を適度に動かすように工夫することが必要です。「散歩」やウォーキングも日常の習慣として実践しなければならないようです。「介護」のお世話にならないように、しっかりと「適度な運動」をしなければなりません。
・「介護の問題」は、知識人でも自分の家族が倒れたことを契機に、真剣に考えだすようです。遠隔地の親が倒れて困ったという人々も多いようです。介護が原因でサラリーマンを辞めた人もいます。高齢化・少子化の時代ですから誰でも「認知症」や「介護」の問題に直面する時代のようです。
・「少子高齢化の時代」で、当然ながら、各国政府もさまざまなシナリオを描き中期・長期政策を研究・実施しているようです。また「地方創生」ということで各国の地方自治体や企業もいろいろな手法を研究・実践しているといわれます。「近未来の高齢者、女性、若者の働き方」が斬新な発想で組み直しされる必要があるようです。女性の場合は、子育て支援とかさまざまな制度的な担保が必要のようです。「超高齢化」は世界の潮流ですので、各国政府とも対策には余念がないようです。待機児童の保育所の問題が脚光をあびました。政府の「一億総活躍社会」に期待できるでしょうか。
・高齢者の場合の対策は、米国の様に「定年なしの会社」も増えてくるものと思われます。若者の就職状況は、世界的には悪化しているようです。それに比較すると日本の学生は恵まれているようです。日本でも正社員以外の派遣労働者の問題が大きくなっています。日本の将来は人口減少でネガティブな見解が多くありますが、対策は考えれば豊富にあるようです。意外にも「ピンピンコロリ」の高齢者が増えるようです。少子高齢化でも創意工夫によっては、明るいシナリオが描けます。しかし、NPO法人も補助金や寄付が頼りで、採算にのるのは困難なケースが多いといわれます。
・社会の遅れた面、非近代性、後進性、頭の古い面が予想以上に増えてきています。改革の速度も大変遅いようです。本当に優れた官僚や政治家が登用されなかった結果でしょうか。「失われた20年」と言われますが長い期間です。「日本は先進国だろうか」という声も街中で増えてきています。「女性の登用も先進国とはいえない」そうです。女性の眼から見ると「政治や経済の後進性」を痛切に感じることでしょうか。
・「限られた予算、増えない税収、十分でない福祉予算を削る財政赤字」ということで、アベノミクスの成果が問われています。アベノミクスの結果もはっきりした数字も出てきています。「消費税の増税も将来は20%にまでいく必要がある」とのエコノミストの予測もあるようです。「定年を75歳まで延長し、消費税を20%にすれば社会保障制度の維持が可能になる」という議論もあります。今後は特に「高齢者に優しい電子政府の推進が経済活性化の鍵を握る」のかもしれません。国家経営の実務に精通したベスト&ブライテストのテクノクラートのドリームチームの英知を結集した「国家改造計画」が求められているそうです。
・amazonに「ヨガ」といれると3393件、「健康」といれると42914件、「断食」だと、1060件、「食べ物」だと6060件、「美容」だと11653件の本がわかります。現代人にとって、健康・美容は大きな関心事です。それで、それに関するビジネス・マーケットも非常に大きいもののようです。それにつれ、広告宣伝費も多額になっています。毎日の様に「美食」や「食」、「グルメ」のテレビ番組が大きな時間を占めているようです。
・『「医者いらず」の食べ物事典』(PHP文庫)のように、「医者が必要のない」状態にいたいものです。断食やヨガの効果もどの程度なのでしょうか。私たち一般人は、「実践者」ではないので、詳しくはわからないようです。断食でがんが治るのなら、がんで苦しんでいる人は誰でも、試してみたいものでしょうか。敗戦後の食糧不足の時代と違って、飽食の現代では、「美味しいもの」とか、「健康によいもの」が求められています。特に健康を害している人は、健康食や栄養になるものを探します。健康第一の思想が徹底しています。
・私たち一般人は、現代のヨガのことは、よくしりません。インターネット情報によると、「第一生命経済研究所の調査によると、日本のヨガ人口は2004年時点では23万人程度でしたが、2013年にヨガ人口が100万人を突破したとみられています。健康ヨガブームの影響もあり、2015年には350万人を超えるという予測もあります」とのこと。ヨガ教室も約6000個の教室が登録されているらしいようです。「美容・ダイエット」から「スピリチュアルの充実」へと、ブームのようです。知る人ぞ知る世界のようです。薬でも治らないのなら、最後の手段として「断食」に頼る人も多いのでしょうか。
・amazonに「船瀬俊介」といれますと221件の本が分かります。
ウィキペディアWikipedia(フリー百科事典)によると、「船瀬 俊介(ふなせ しゅんすけ、1950年 - )は環境問題を専門とするジャーナリスト、評論家。 2009年6月6日に著書『知ってはいけない!?』が第18回日本トンデモ本大賞を受賞した」とのこと。
・異次元世界のアストラル界やエーテル界には都市が存在するといわれます。ヨガは、異星起源のようで、インドに伝えられたようです。ヨガとシャンバラなどの精神世界は結びついているようです。ヨガは、宇宙人の概念のようです。「瞑想」もあらゆる宗教で実践されているようです。現代では、健康法として発展してきますが、本来は、超能力や精神世界のアイデアと結びついているといわれます。
・現代人の健康志向は、背景に「現代人の絶対的な運動不足」があります。若い時に働いている時には、自然に体を動かしているので、生活に運動を取り入れる必要性を感じません。『脳を鍛えるには運動しかない!』ということで、運動を生活に取り入れることが、健康を保ち、「脳を鍛える」ことになり、健康で長寿命に導くようです。現代人は健康の維持のために、スポーツジムやスイミング・スクールやエアロビクスのような体を動かす運動になるダンス教室に通っています。家に帰る時に停車駅を一つ手前で降りて、家まで歩くとかの工夫をしているサラリーマンもいるようです。
・月一のゴルフを、何とか増やしたいゴルフ・マニアもいることでしょう。しかし、月一のゴルフでは運動とは言えないでしょう。街中や公園で、ウォーキングやジョギングに励む人が増えてきています。昼休みにジョギングをする人もいるようです。どんな学者や書斎人でも、「散歩」や「自転車に乗ること」を習慣にしている人も多いようです。健康法と言えば、数百の方法があり、商業ベースにのっているようです。
・「青汁」やサプリメントを飲むという習慣も老人層には増えてきているようです。女性の最大の関心事である美容やダイエットでも、根底には医学的な知識や理論がある方法を熱心に毎日のように実践しているようです。美容やダイエットは通信販売の大きなジャンルのようです。テレビでは、「食べ物」に関する番組が非常に多いそうですが、背景に健康志向やダイエットがあるのでしょう。テレビ局は「食事」と「健康」に焦点をあてているように思えるそうです。また米国でも「肥満」が大きな社会問題のようです。街中では肥満者がうようよいるようです。アメリカの「肥満者」は「自己管理ができていない」ということで、ビジネス界では嫌われるそうです。
・「働くこと」が「適度な運動」になるようです。アメリカ人は「死ぬまで働きたい」と言う人々が多いと語られています。働くことが通勤を含めて、健康に良く長寿に役立つことを知っているからでしょう。食べることも、運動することも「適度」ということがなかなか難しいようです。アメリカでは一般的なサラリーマンの「定年」もないそうです。
・とにかく「身体をうごかすこと」を日常生活に取り入れると、足腰が弱ってどうしようもないという介護の問題とは距離をおけることでしょうか。この本のように『脳を鍛えるには運動しかない!』ということで、「脳力」という能力も向上できるそうです。ところで、あなたは、どのような健康法を毎日、実践しているのでしょうか。
・現在、アメリカはビジネス文化では、世界の先頭を走っているといわれております。さまざまなビジネス文化、ライフスタイルがアメリカから流れ込んできています。現在、アメリカではやっていることを日本に10年遅れて導入すれば、成功するとも言われてきました。その期間もだんだん短くなってきているようです。私たち一般人は、アメリカ社会やビジネス風俗社会などは詳しく知りません。現在でもやはり、さまざまな面で日本式とアメリカ式では大きく違ってきているようです。その違いの大きさは、体験しないと分からないので驚きです。
・夫が死ぬまで働くということは、妻である女性にとって嬉しいことだそうです。「アメリカには定年制度はない」と聞いても、私たち一般人は、詳しくはアメリカの労働制度・慣習や労働事情を知りませんが、新鮮な驚きを感じたものでした。職業について詳しく研究している人の本を読めば、人生にとって面白いことがわかるようです。働くということは適度な運動にもなり、健康にもよく、結果的に働き続けるということは長寿になるようです。なんとか「天職で天寿をまっとうしたいものです」。しかし、ガンや脳梗塞で寿命が短い人も多く、現代は両極端になっていく傾向があります。
・ネットで見てみると『定年制度、アメリカには定年制度はない。公務員、会社員にかかわらず定年制度はない。したがって定年は本人が決める事であって、何の制約も受けない。定年とは永久退職であるから、退職後の連邦政府や会社から支給される恩典を考慮しなければならない。ちなみに遺族年金制度は存在しない。連邦政府からの恩典は社会保障金 (Social Security Benefit) であるが、満額受給には満 66 才が条件で、しかし申請をしなければならない。然るにアメリカでは 66 才が定年年齢 と言われている。妻(配偶者)は就業暦の如何にかかわらず、夫の受給額面の半額が恩典となる。解釈によっては、これは遺族年金に類似するが、夫の生死に関係なく、妻が 62才になるまでは受給の資格は得られない』ということだそうです。米国の年金制度についてもいろいろあるそうですが、私は詳しくは知りません。
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