2025年には認知症の人が約730万人、つまり高齢者の5人に1人は認知症になり、さらに2050年には約1016万人と1000万人を超え、高齢者の4人に1人以上が認知症を発症するとみられています(1)
(2025/5/7)
『みんなボケるんだから』
恐れず軽やかに老いを味わい尽くす
<「みんなボケるんだから」で老後は楽になる>
・ただ、私は高齢者医療というものを選んでしまったために、完治とか、治すという経験はあまりしていません。でも、その代わりに、治らない病気とどうつきあっていけばいいかという知恵を得ることができました。
・軽いうちなら大統領も務まります。そして、なるべくできることを続けていくほうが進行も遅いのです。
・私が医者になって、とくに高齢者専門の精神科の医者になってよかったと思うことは、認知症というのは、ある種の老化現象であることと、最終的には幸せになれる病気であることを知って、認知症になるのが怖くなくなったことです。
・ただ、それ以上に知ってほしいのは、認知症というのは、恐れるような特別な病気ではなく、誰にも起こる老化現象なので、なることを前提に生きてほしいということです。ちょっと記憶力が落ちたり、昔とくらべて頭が悪くなったと感じても、「みんなボケるんだから」と笑い飛ばせたほうが老後の不安も楽になるでしょう。
<みんなボケるんだから――私が認知症になったら、迷わずすること>
<私が認知症と診断されたら、迷わずすること>
・もし私が認知症と診断されたら、そうさらっと受け入れ、迷うことなく介護保険を使ってデイサービスを利用します。
・つまり、認知症なるものになったとたんに、これまでの自分とは別の人格になるわけではない。
<6000人以上の高齢者を診てきた私の結論>
・認知症は進行性の病気で、初期から中期を経て、末期にいたります。だいたい初期が2~3年、中期は3~5年、末期3~5年くらいといわれています。ただし、個人差が非常に大きいので、あくまで目安です。
・幸い、2022年に上梓した『80歳の壁』が50万部を超えるベストセラーになり、その頃から出版社からの依頼が殺到して、高齢者向けの本を次々と出しています。この2年間で100冊以上出しました。
・認知症にならないように生きるより、認知症になることを前提に生きれば、認知症をむやみに恐れることはなくなりますし、さまざまな老化現象にも前もって対応できます。
<最低限のことを決めておけば、ボケてもやりたい放題>
・認知症というのは、だんだんおとなしくなっていくのが基本パターンですから、私も本格的にボケだしたら出歩かなくなるかもしれません。
<みんなボケるんだから。85歳で4割、95歳で8割が認知症に>
・2025年には認知症の人が約730万人、つまり高齢者の5人に1人は認知症になり、さらに2050年には約1016万人と1000万人を超え、高齢者の4人に1人以上が認知症を発症するとみられています。遠からず、認知症はありふれた病気になるのです。
<ボケたら不幸のどん底に落ちるのではなく、だんだん幸せになっていく>
・何が言いたいかというと、長生きすれば誰もがボケる可能性があるにもかかわらず、正しい知識がないために認知症をいたずらに恐れて、本来楽しくあるべき人生を自らつまらなくしてしまっている人があまりに多い、ということです。
・脳に見られるタンパク質の沈着を「老人班」と呼んでいるように、年を取れば取るほど発症率が高くなるのは、やはりこのアルツハイマー型認知症なのです。
<老化現象の一つだから、ゆっくり進んで個人差も大きい>
・認知症は老化現象の一つですから、個人差が大きく、置かれている環境や周りの接し方、本人の受け止め方によっても症状がかなり異なってくるのです。
<根本的な治療法はないが、進行を遅らせたり緩和させたりできる>
・認知症を完治する治療法は確立していませんが、認知症と診断されたからといって、絶望するのはナンセンスです。
<その「物忘れ」、気にすることはありません>
・認知症はだいたい「物忘れ」から発症します。
むしろ、「認知症だったらどうしよう」と不安になって、思い出せないことや忘れてしまうことをやたらに気にしていると、ストレスで、かえって出力障害が悪化してしまいます。
<このままボケてしまうのでは……。不安になるほど認知症は近づく>
・つまり軽度認知障害というのは、それを本人がどう受け止めるかによって、認知症に進んでしまう可能性が一気に高まってしまうのです。
・早期発見、早期治療が望ましく、うつ病が少しでも疑われる高齢者には、試しに薬を使ってみるというスタンスが、超高齢社会での医師には必要だと思っています。
<「認知症は老化の一つ」と受け入れたときに人生は好転する>
・だとすれば、認知症を否定したり恐れたりするより、誰しも長生きすれば経験するものなんだから、と開き直って、すんなり受け入れるほうが賢明だと思います。
<認知症と告げられてもあわてなくていい理由>
・そして、認知症と診断されたなら、「年を取ったんだからしかたない」とあっさり受け入れて、その症状の進行を遅くする努力や工夫をしてください。そのうえで「機嫌良く生きていくこと」を最優先して、認知症を飼い慣らしながら人生を楽しんでいけばいいのです。
<早期発見のメリットとデメリット>
・認知症の人にとって大事なのは、とにかく脳を使って残存機能を活かし続けることです。
・認知症の実態を知っているか知らないか。それが認知症になってからの人生を大きく左右することを長谷川先生は身をもって教えてくださった気がします。
<「ボケても意外と何でもできる」という事実――私が認知症と向き合ってわかったこと>
<私と認知症との出合い、初めは怖い病気だと思っていた>
・私は、25歳のときに東大医学部附属病院の老人科に研修医として勤めたことから、老年医学の世界へと足を踏み入れました。
・年齢層が若いだけに認知症の患者さんは少なく、認知症でもかなり重くなっていて、悪態をついたり暴れたりして家族が本当に参ってしまっているような患者さんが多かったわけです。
・ですから医師として働き始めた当初は、私自身も「認知症は怖い病気だな」「できれば認知症にはなりたくない」と思っていました。ところが、1988年、縁あって、高齢者専門の浴風会病院に勤務するようになってから、認知症のイメージが大きく変わったのです。
・浴風会病院の入院患者さんは当時、平均年齢が85歳くらいでした。85歳を過ぎてボケる人のほとんどは、やはり老化現象の要素が強く、徐々にちょっとずついろんなことができなくなってくる症状が多いわけです。
・つまり認知症は、長生きすれば避けることができない老化現象の一つだ、と思うようになったわけです。
<脳の老化は前頭葉から始まる>
・脳の研究者の間では、かなり早い時点から、脳は前頭葉から縮み始めること、それも40代頃から始まることが知られていたのです。前頭葉とはまさに「人間を人間たらしめている」大切な部位なのです。
<「悪魔の手術」で明らかになった、前頭葉の重要な役割>
・とくに脳の構造を画像化する方法が開発されたことで脳の血流の様子が可視化され、人間がどんな行動をとったときに脳のどの場所が主に働いているかがわかるようになってきたのです。
・前頭葉がうまく働かないと感情のコントロールが利かないということが、ほぼ確定的になりました。
<前頭葉が萎縮しても、必ずしも知能は低下しない>
・よく誤解されるのですが、前頭葉の機能が低下することで起こる問題は、意欲や集中力が減退したり、感情がコントロールできなくなったりすることであって、知能が落ちるわけではありません。
<軽いうちなら大統領でも務められる>
・認知症は進行性の病気ですから、発症からの経過時間によって症状の程度は異なります。
<なぜ、鹿嶋の認知症の人は都内の人より進み方が遅いのか>
・鹿嶋の病院には数年間通いましたが、認知症になっても、やっぱり普段通りの生活をなるべく続けさせてあげたほうが症状が進まない、ということを確信しました。
<「ゴキブリ御殿」になっても一人でしぶとく生きている>
・この話を例に出したのは、それほど認知症が進んでも意外に一人暮らしはできるし、生きる意欲というか、生存本能はしっかり残っているということです。
<生存本能はたぶん最後の最後まで残る>
・認知症がかなり進んでも、自分の命を守ろうとする生存本能は結構、残っています。
<本当に幸せかどうかは本人にしかわからない>
・結局、幸せかどうかは、本人にしかわからないのですから。
<「介護保険制度」がもたらした大きな変化>
・私は、治療薬アリセピトよりデイサービスのほうが、症状が進むのを遅らせる効果があると考えています。
・そして、2004年には、あの侮蔑的な「痴呆症」という病名も、誤った認識を招きかねないとして、「認知症」と変更されました。
<私が認知症をテーマに映画を撮った理由>
・だから最期は施設を選ぶことで、介護する側も介護される側も幸せになれることを映画で伝えたかったのです。
<まだまだ治らない“恐れすぎ病”>
・老年精神科医として非常に残念に思っているのは、認知症に対する正しい理解が遅々として進まないことです。
<誤解を生んだ大学教授と広めたマスコミ>
・私たちからすると、「認知症が一定以上進み、運転に支障をきたすようになったら免許を失効する」というのが正しい文章であって、認知症と診断されたら免許を失効するというのは認知症の本質をまったくわかっていない。
・高齢者を専門とする精神科医として、また認知症の人を35年余り診てきた医師として、近頃、非常にうれしかったのは2023年6月、ついに「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」(通称「認知症基本法」)という法律が成立したことです。
<ボケても普通に生きられる社会へ>
・認知症の進行を遅らせるためには、地域の中で普通に認知症の高齢者が暮らしていることが重要であると痛感しましたが、まさにいま、そういう社会が日本各地でつくられようとしています。
<「ボケ上手」への第一歩――自縛をほどいて自由気ままな思考に転換する>
<認知症との上手なつき合い方。基本は「楽しく生きること」>
・症状がなるべく重くならないように楽しく生きることが、認知症とうまくつき合うポイントです。
<長くなった人生に必要な思考パターンの転換>
・しかし、年を取ればみんな脳も弱っていくのですから、徐々に周りに助けを求めながら生きていくのが当たり前です。
<「かくあるべし思考」では幸せになれない>
・いろいろなことに「かくあるべし」と答えを決めつけるのではなく、「そうかもしれない」とほかの可能性を考えることは、メンタルヘルスに良いだけでなく、判断が妥当なものとなりやすいはずです。
<答えは一つではないのだから、楽な道を選択すればいい>
・要するに、どれが正しい答えなのかは半永久的にわからないままなのです。むしろ、答えや選択肢を複数同時に持っていられること、それこそが本当の賢さではないかと思うようになりました。
<老けた人と若々しい人の違いは何か?>
・気持ちが若い高齢者は、年齢など気にしていません。
<目指すは「年甲斐もない人」。つまらない倫理観は捨ててしまえ>
・どうぞ、自分の欲望に素直に従って、やりたい放題、やってください。
<楽しいことだけしていいのが「老いの特権」>
・自分が楽しければそれでいい。子どものときのように無邪気に楽しいことだけを追いかけられるのは、老いの特権です。
<人生の醍醐味は70歳から>
・いずれにしても、いまや、第二の人生は70歳から始まると言っても過言ではないでしょう。
<人生は実験!やってみないとわからない>
・実験の連続である人生は、よりおもしろく豊かになるのです。
<良妻賢母よりスケベじじいが愛される理由>
・若い頃から我慢を重ねてきた人のほうが、高齢者になったとき、人あたりが厳しくなる傾向があるということです。
<ボケたら元来の性格が強く出る>
・簡単に言えば、認知症の症状は、いままでの自分に備わっていた能力が欠け始めたことに対して、もとの性格が反応し、さまざまな形で現れるのだというのです。
<年を取ったら病気は飼い慣らす>
・いわば、「ゼロコロナ」的な発想よりも「withコロナ」のように、「共に生きる」という発想が大事になってくるのです。
<がんになっても共生しながら、ボケたらボケたなりに生きる>
・高齢になればなるほど、がんの進行も遅くて転移もしにくくなるので、がんとつき合っていって天寿をまっとうできたら、と思っています。もちろんボケたらボケたなりに生きていく。
<人間関係は好き嫌いで決める>
・遠慮も気遣いも要らない大らかな人間関係をつくっていくことが大事だと思います。
<定年後は夫婦の関係を一度リセットする>
・そこで、私がおすすめしているのが、「つかず離れず婚」です。
<人生が長くなったのだからパートナーが変わってもいい>
・話を戻すと、70代から別々の人生を歩き始める夫婦もいるわけです。
<子離れしないと晩年が不幸になる>
・そして、自分のお金は自分の幸せのために使うことです。
・認知症の場合、子どもが勝手に「成年後見」を申請して、それが認められれば、自分のお金でありながら自由に使えなくなるということです。
<私がしつこく「相続税100%」を主張するワケ>
・この「親の財産を相続するのは当たり前」という考え方を何とかしないと、まともな競争社会は生まれないし、超高齢社会は乗り切れないと思っているからです。
<「ボケかた上手」になるための魔法の言葉>
・前向きな言葉と笑いで、ぜひとも、ボケ上手な高齢者になってください。どうせ、みんなボケるのですから。
<「ボケでも幸せな人」の生活習慣――前頭葉を刺激して脳の老化を遅らせる>
<ボケても「いまできること」を減らさない>
・認知症になったとき、もっとも大切な対策となるのが、「ボケても、いまできることを減らさない」ことです。認知症の原因は脳の老化ですから、ボケの進行を遅らせるには、とにかく頭を使い続けることです。
<一人暮らしの高齢者ほど認知症が進まない>
・実は、一人暮らしのほうが認知症の進行が遅いことがわかっています。家族が何でもやってくれる状況にくらべたら、独居老人は頭と体を使う機会がはるかに多いからです。
<進化するデイサービスで自分に合った楽しみを見つける>
・ボケたらボケたで、新しい楽しみも生まれます。介護保険で利用できるデイサービスの娯楽です。デイサービスに行くのが楽しみになったというケースは結構多いのです。
<明日死ぬかもしれないのだから「いま」を楽しまなきゃ損!>
・いまの自分の意識を向け、「いま」を楽しめる人のほうが幸せな老後を送れると思います。
<最高の脳トレは人とのコミュニケーション>
・人とのコミュニケーションは最高の脳トレですから、認知症でなくても、どんどんいろんな人との会話を楽しんでください。
<前頭葉を鍛えるのはインプットよりアウトプット>
・定年後も知識を蓄えなければと難しい本を読み漁って、いくら情報をインプットし続けたとしても、前頭葉の老化を遅らせることにはほとんど効果がありません。前頭葉を鍛えるには、インプットよりアウトプットが必要なのです。
<日常生活の中に「初体験」を増やそう>
・ところが、前頭葉は想定外のときに反応するのです。いままで経験したことがないような出来事にワクワクドキドキしたとき、活性化するわけです。
<くだらないテレビ番組は脳を老けさせる>
・つまり、日がな1日、テレビの前に座って、「なるほど、なるほど」とうなずいていたら、ボケの道まっしぐらなわけです。
<脳の老化を遅らせる睡眠方法>
・脳の老化を遅らせる効果的な方法の一つが、「睡眠」です。ただ、睡眠時間が長ければいいというわけでもないようです。
睡眠時間が9時間を超える場合は認知機能に異常をきたすという研究もあるので、1日に7~8時間が、認知症を遅らせるためには望ましい睡眠時間と言えるかもしれません。
<激しい運動より日光を浴びながら気楽に歩く>
・ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動は、脳機能の低下を防ぎ、脳を若く保つ働きがあるといわれています。私は、中でも「歩くこと」をおすすめします。
・とりわけ日光を浴びて歩くと、「幸せホルモン」と呼ばれる、脳内の重要な神経伝達物質セロトニンの分泌を促します。
<なぜ「肉食老人」は脳も体も若々しく元気なのか?>
・私が肉屋の回し者かと思われるくらい高齢者に肉食をすすめている理由の一つは、幸福ホルモンであるセロトニンの材料となるアミノ酸・トリプトファンが豊富に含まれているからです。
・ということで最近の統計を見ると、「コレステロール値が高い人ほど長生きする」というデータが数多く発表されています。安心して、「肉食老人」になってください。
<医者の言いなりにならず好きなものを食べる>
・寿命が多少短くなっても、好きな飲食物を我慢しない生き方があってもいい。年を取ってからは「我慢しない」ほうが健康なのです。ただ、アルコールには気をつけてください。
<認知症と歯の深くて怖い関係>
・脳の衰えを防ぐためには、「噛む力」も重要です。歯が悪い人は認知症になりやすいことが知られています。
<若づくりをしたら心身が若返るという事実>
・現在の心理学では、人間の心のあり方は、内側から出てくるものというより、外側から規定されるという考え方が主流になっています。
<文明の利器を使いこなして老いの壁をラクに超える>
・老化現象による障害を上手に乗り越えられる人ほど、いくつになっても元気で、重い要介護状態になりにくい。日々やりたいことを楽しんでいますし、家族や友人とも良好な関係を築いているように思います。
・しかし高齢になったら、だんだんと自分の世話を人に委ねていくことを受け入れる。その気持ちが、本人だけでなく、家族にも必要だということをしみじみ感じました。
<AIやロボットで、老後はもっと便利に楽しくなる>
・日本人には「人様に迷惑をかけてはいけない」という考えにとらえられている人が多く、高齢になればなるほどその傾向は強いのですが、AIや介護ロボットを使いこなせるようになれば、そんな気兼ねも不要になるでしょう。
・人口の29%が高齢者で、認知症の人だけで600万人いる国なのですから。早く実現するべきでしょう。
<ボケとは「幸せな人生の総決算――人はもともと「幸福脳」!ボケると“幸福度”は増す>
<人生の幸福度がピークになるのは82歳を過ぎてから>
・年齢を重ねるにつれて脳や体が衰え、高齢になれば家族や友人など大切な人の死を経験するにもかかわらず、幸福感は高まっていく。
<いやなことはどんどん消えていく>
・裏を返せば、そうした「当たり前の日常」をありがたいと感じられることが、年を取ることの良さでもあると私は思います。
<「ボケ力」は人生を幸せ一色に塗り替える力>
・しかし、嫌な思い出や悔やまれることがいつまでも残らないのは、認知症には辛い記憶を自分の都合の良いように書き換えてしまう力があるからです。
<私の悩み「認知度を治療する必要はあるのか」>
・現代の医学では、進行してしまった認知症の症状を正常に戻すことはできません。だから世界中で治療薬の開発が進められ、私たち医師は対症療法を行うわけですが、問題行動のない患者さんもたくさんいるのです。
<「ボケは早い者勝ちですね」>
・ボケたら何もかも失うのではなく、ボケたからこそ幸せになる力もついてくる。そうとらえることもできるのではないでしょうか。
<「認知症になってからのほうがちょっと幸せかもしれない>
・要するに、認知症の人の生きる世界などなってみないとわからないし、多くの認知症の方たちを診てきて、その世界のほうが幸せなことが多いという私の実感とも合致しています。
<75歳で新境地を開いた蛭子能収(えびすよしかず)さん>
・私が前々から注目しているのが、2020年に認知症であることを公表された漫画家の蛭子能収さんです。
<「ありがとう、ありがとう、ありがとう。何度でも言うよ」>
・今まで言えなかったことが言えるようになったのも、認知症のおかげかもしれませんね。
<認知症になっても、老年は才能に出会えるチャンス>
・そういう意味で、ボケてもボケていなくても高齢になるというのは、思いもよらない自分の才能に出会えるチャンスと言えます。
<ボケてからの私の夢は、講演しながらフーテン暮らし>
・認知症というのは、神様が私たち人間にくれた「幸せ病」かもしれないのだから、認知症であることを楽しんだほうがいい。
<偉くなくていい、賢くなくていい。最期は「ボケのヒデキ」でいい>
・長年、高齢者の医療をやっていると、人間というのは、何もできない代わりに無邪気で可愛い赤ん坊で産まれ、最期は何もできない状態で死んでいくというのが普通のことだとわかります。
・年を取ったら余計な不安を持つより、それを当たり前に受け止めてあるがままに生きる。ボケもその一つだと思ってもらえたら、それが著者の真意ですし、楽になれるでしょう。私も賢そうに偉そうにするより、最期は「ボケのヒデキ」になって死んでいくつもりです。
(2025/4/29)
『60代と70代 心と体の整え方』
良く生きるために読む高年世代の生活学
和田秀樹 バジリコ 2020/7/6
<序章 人生百年と言うけれど>
・老年精神科医の和田秀樹です。本書を手に取っていただき有難うございます。
<余生と言うには長過ぎる>
・さて、政府やマスコミによる我が日本は、今や「人生百年時代」だそうです。「余生と言うには長過ぎる」これが本書の主要読者層と思われる、定年退職後の方々の実感ではないでしょうか。
<60代の特徴>
・さて、60代ではもう一つ大きな問題が生起します。親の介護です。
<70代の特徴と80歳以降のステージ>
・日本でも65歳~74歳を「前期高齢者」、75歳以降を「後期高齢者」と公的に区分されています。しかし、現在の高年世代を俯瞰してみると、私の実感としては80歳以降を「オールド・オールド」と呼ぶのが妥当だと思われます。さて、80歳以降となると、あちこち体の不調を自覚することが格段に多くなり、日常の中でそれまでできていたことができなくなるという変化がはっきりと表れてきます。
<高年世代よ、反逆の旗を振れ>
<90歳。何がめでたい>
・直木賞作家の佐藤愛子さんの著書に、2016年に出版されたミリオンセラーとなった『90歳。何がめでたい』というエッセイ集がありますが、実に秀逸なタイトルではあります。
<弱者への差別と攻撃が蔓延する日本>
・いずれにせよ、現在の高年世代をはじめとする弱者への差別や攻撃は、もはや社会的病理と言えます。つまるところ、現在の日本は病んでいるのです。
<政治のツケを高年世代にまわすんじゃない>
・政府は財政難を福祉のせいにしていますが、それは一つの要素でしかなく、基本要因は低成長経済への移行、バブル期とその後の経済運営、成長戦略、財政の効率的運用、少子高齢化対策など、歴代自民党政権による諸々の経済失政が重なり歳入が減ったことにあります。
<医療現場における高年者差別>
・しかし、その病院の医療現場でも、残念ながら高年患者に対する差別がまかり通っているのが現状です。高年を差別するという昨今の風潮は、どうやら医者たちにも伝播しているように見受けられます。
<定年という差別制度>
・少子高齢化による労働力不足が問題だと言うのであれば、まず雇用に関する年齢差別を撤廃するべきではないでしょうか。
<団塊世代の履歴書>
・以上述べてきたように、団塊の世代は日本の高度成長期とバブル景気をともに経験してきた世代です。令和元年現在、団塊の世代は70代前半の「ヤング・オールド」であり、まだ大半の人が普通の自立した生活を送ることができているはずです。したがって、自分たちに対する差別や攻撃に対して声をあげることは可能なのです。
<反逆の旗を振れ>
・政府は在宅介護という「自助努力」を促していますが、それは配偶者による「老々介護」、あるいは子供が仕事をやめて親を介護するということを意味します。
・高年世代、すなわち団塊世代とその前後の世代は総人口の27%を占め、少子高齢化社会である現在の日本では突出した数となっています。
<老化と病気>
<老化の実態>
・老化による具体的な変化として、形態的には身長の収縮や背骨の湾曲、皮膚のたるみやシワ、生理的には視聴覚の不調や記憶障害、運動能力の低下、病気に対する抵抗力(免疫力)の低下などがあげられます。これらの変化はすべて、細胞の老化や死滅によって起きる現象です。
<人は「心」から老化する>
・以上述べてきたようなことから、高年世代にとって「感情の老化」は、ある意味で身体の老化よりもシリアスな問題だと私は考えています。ただ、前頭葉をよく使う生活習慣をつけることにより、感情の老化を遅らせることは可能です。
<高年になると多発する病気>
・個人差を考慮に入れたとしても、60代以上で身体機能が上昇し始めるなどということはあり得ません。もちろん、若くして病死する人もたくさんいます。ただ、若い頃と比較すると、高年世代では病気になるリスクが飛躍的に高くなります。
<認知症>
・認知症とは病名のように考えられていますが、私は脳の機能が極端に低下した状態だと考えています。
<鬱病>
・鬱病と聞くと、一般に成年や壮年を想起しがちですが、実は高年の鬱病はそれ以上に多く、精神科では認知症に次いで罹患者が多い病気なのです。近年、日本では鬱病患者が増えています。
<死に至る病>
・55歳~84歳までの日本人の死亡原因は悪性新生物、心疾患、脳血管疾患、肺炎の順、85歳~89歳までは脳血管疾患に代わって肺炎が第3位となり、90歳~94歳では心疾患、肺炎、悪性新生物、脳血管疾患の順となっています。
<悪性新生物(ガン)>
・悪性新生物は、患部が腫瘍の形態をとった細胞集団であることから、悪性腫瘍とも呼ばれています。
<心疾患>
・心疾患とは心臓に関係する疾患の総称であり、俗に心臓病とも呼ばれています。
<脳血管疾患>
・脳血管疾患とは、脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血など、脳まわりの病気の総称であり、悪性新生物、心疾患に次いで高年者の死因の第3位となっています。
<肺炎>
・肺炎は代表的な急性感染症の一つであり、肺の炎症性疾患の総称です。
<老衰という病>
・というのも、医療診断において明確な死因がわからない高年者の死は、すべて老衰死とされているからです。
<ピンピンコロリとネンネンコロリ>
・ところで、高年の方々には「ピンピンコロリ」と逝きたい、なんてことを言う人が多いのではないでしょうか。死ぬ直前まで元気でいて死ぬ時は一瞬にといった願望ですが、具体的には急性心不全などで急死するという「突然死」を意味しています。ちなみに、誰が言い出したのか、ピンピンコロリの対語は寝たきりが続いて死ぬことを表す「ネンネンコロリ」だそうです。
<心の整え方>
<不安は常につきまとう>
・高年に限ったことではありませんが、心の病を予防するには、まず不安を相対化しなければなりません。その際に一人で悩みを抱え込まず、誰かに相談することです。
<高年期における様々な不安>
・この「とらわれ」から抜け出るには、新しいことや良いことが起こる可能性を追求する、それだけを考えるプラス思考を徹底的に心がけることです。
<別離の悲しみ>
・別離に伴うこうした喪失感やストレスを根本から取り除くことは、どんな精神医療をもってしても不可能です。
<孤独について考える>
・ところで、たくさん友だちがいれば孤独感は解消されると一般に思われているようですが、それは大きな誤解です。
<孤独はそれほど悪くない>
・さらに言えば、病院で死のうが自宅で死のうが、その死に優劣などないことは自明のことです。むしろ、これからの日本では、自宅でいかに死ぬかということを考えた方がいいかもしれません。
<病や死に対する不安>
・老いるのも、病気にかかるのも、死ぬのも、その根本原因は生きているからです。そして、なぜ生きているのかと言うと生まれたからです。
<感情の整え方>
・さて、人間の感情は前頭葉によって制御されているということは繰り返し述べてきましたが、前頭葉は加齢によって委縮しその機能が低下してくることから、ともするとうまく感情をコントロールすることができにくくなってきます。
<心のプロを活用する>
・そんな場合、「心のプロフェッショナル」である精神科医や心療内科のカウンセリングを受けることをお勧めします。
<体の整え方>
<アンチエイジング>
・ただ、アンチエイジングというと、ともすれば美容面に集中しがちですが、その本質は体の健康を維持することによってQOL(生活の質)の低下を防ぐことにあります。
<再生医療の現在>
・しかし、高年になると生活習慣が病気の発症リスクに大きく影響を与えます。そして、生活習慣の中でも、特に食生活、睡眠、運動は高年者が留意すべき基本要素と言えるでしょう。
<理想の食生活>
・というわけで、結論です。実に月並みではありますが、つまるところ理想的な食生活とは、肉も魚も野菜も、要するに何でもバランスよく食べるということに尽きます。
<もっと肉を>
・「食」に関して、私から高年の方々に一つアドバイスがあります。「もっと肉を!」欧米諸国に比べると、日本人の食生活の方が良いと言えるのは確かですが、唯一足りないのが肉類の摂取量であり、特に高年層ではそれが顕著です。
<三度の食事は大切に>
・繰り返すようですが高年、特に70歳を過ぎると臓器の機能が衰えてくることから、一般に食欲が落ちてきます。しかし、アンチエイジングにしても、長寿にしてもその基本は食事です。言うまでもなく、人間の活動は食べることによって維持されています。したがって、高年者には高年者なりの食生活における工夫が必要です。
<ちょいポチャのすすめ>
・というわけで、過剰な肥満はもちろん良くありませんが、高年の方々はやや肥満気味、言い換えれば「ややポチャ」の体型が理想的体型だと私は考えています。
<高年になると変化する睡眠習慣>
・睡眠不足が続き生活リズムが乱れると、メンタル面にも影響を及ぼし、鬱症状を引き起こすことがままあります。
・現在のところ、認知症に伴う睡眠障害を治す薬剤は残念ながらありません。
<もっと光を>
・肉を食べてセロトニンを生成するトリプトファンを摂取し、日光を浴びてセロトニンの分泌を促す。高年世代にとって、「肉」と「光」は心身を整えるためにとても大切な要素であることをぜひ知っておいてください。
<運動は面倒だが役に立つ>
・運動は有益です。とりわけ全細胞の劣化が進みつつある高年者にとっては、若い人以上に有益です。しかし、過度な運動は老化を進め寿命を縮めるということです。
<誰でもできる鎌田式簡単ストレッチ>
・鎌田さんによれば、このストレッチの目的は「貯筋」、つまり筋肉を蓄えることにあります。また、食べないでダイエットするというのは最悪のダイエット法であることは既に述べた通りです。
<散歩のすすめ>
・さて、高年になってから誰でも無理なくできる運動といえば、思い浮かぶのはやはりウォーキングでしょう。歩く時間の一般的目安としては、60代であれば毎日40分~50分程度、70歳以上だと20分~30分といったところでしょうか。
<酒と煙草という名の悪女>
・もっとも、酒に関しては昔から「百薬の長」とも呼ばれ、適度な量であれば食欲を増進させるなど体にも良いことがわかっています。
・アルコールの過剰摂取は、身体に大きなダメージを与えるだけでなく、精神に変調をきたし人間関係が破壊されることがままあります。また、鬱病につながるリスクや、認知症との因果関係もわかってきています。さらに、重度の依存症やアルコール中毒になると、精神病院での入院治療が必要になります。酒の飲み過ぎは厳に戒めるようにしてください。
・ところで、現在販売されている煙草のパッケージには、喫煙が肺ガンの原因の一つであり喫煙者が肺ガンで死亡する確率は非喫煙者の2倍~4倍高いこと、また妊婦の喫煙は胎児の発育障害や早産の原因の一つとなる、なんてことがしっかりと表示されています。
・しかし確実に言えるのは、長年煙草を吸っていると程度の差こそあれ、ほぼ100%の確率で慢性の閉塞性肺疾患になるということです。これはかなり苦しい病気のようです。やはり止めるにこしたことはないでしょう。
<暮らしの中の知恵>
<高年者にとって「がまん」は美徳じゃない>
・高年世代にとって、心と体の大敵はストレスです。そして、往々にしてストレスは「がまんする」ことから生じます。
<ノンビリし続けると劣化する>
・これまで、高年者の心身にとってストレスは大敵であると繰り返し述べてきました。しかし、まったく刺激がないこともストレスになるのです。
<細かいスケジュールは立てない>
・活動的なのはいいことですが、毎日の時間割を作成するといったような細かいスケジュールは立てない方がいいでしょう。
<ギャンブルは前頭葉の大好物>
・この「不確実性」というギャンブルの本質は、前頭葉を刺激し活性化します。そして、予測がつきにくいほど刺激は強くなります。
<金は墓場まで持っては行けない>
・というわけで、使える金は自分や妻(夫)のためにどんどん使うべきです。
<欲望を肯定する>
・日本には、歳をとれば相応に枯れていき、悟りの境地に至ることを理想とする伝統があります。けれども、歳をとったからといって枯れる必要は全然ないと私は思っています。
<好色のすすめ>
・そして、心のアンチエイジング、すなわち前頭葉の活性化には刺激が必要です。一口に刺激といっても知的刺激、審美的刺激、非日常的刺激といろいろありますが、中でも性的刺激は最もわかりやすくストレートな刺激と言えるでしょう。
<高年世代の夫婦関係>
・一方、夫の定年退職を一つの契機として夫婦関係を解消する「熟年離婚」が増えているのには、理由があります。何より、がまんしながら毎日を暮らすなんて人生の無駄使いでしかありません。
<恋は遠い日の花火ではない>
・高年だからといって、恋愛感情を抑制するのはナンセンスです。
<常にイキでカッコよく>
・男女を問わず、心の若さを保つためにオシャレはとても有益です。
<モノに執着しない>
・加齢によって脳の老化が進んだ時に、よくみられる心的現象の一つとして物品に対する執着があります。しばしばテレビで取り上げられるゴミ屋敷の主などは、その典型です。
<ネットを活用して脳を活性化>
・私が高年者の方々にブログやSNSをすすめる理由は、脳のアンチエイジングにとても効果的だからです。
<テレビを捨てて街へ出よう>
・「テレビを見続けると馬鹿になる」というのが私の持論です。テレビのスイッチを切り、外に出て光を浴びてみませんか。
<すべてを疑え>
・ともあれ、政府やマスコミによって流される言説に対してはまず疑ってみる、そして自分なりに考えてみるという癖をつけるべきです。そして、日頃から一つの常識らしき言説に対する異論や反論を意識的にチェックするべきです。
<ボランティアのすすめ>
・市区町村のボランティア・センターには、ボランティアを求める様々なニーズのリストがあるので、問い合わせてみてはいかがでしょうか。
<生涯現役でアンチエイジング>
・高年者にとって仕事、それもストレスを感じない仕事は、アンチエイジングに大きな効果をもたらします。
<介護はチームワーク>
・60代になると、ほぼ間違いなく親の介護という問題が浮上してきます。
・介護施設には。民間の有料老人ホームと社会福祉法人などが経営する特別養護老人ホームがありますが、総じてそのサービス内容は以前と比べるとかなり充実してきています。現代の介護はチームワークです。
・いずれにせよ、介護で無理をすると、結局は親子ともども不幸になります。介護にあたっては、できるだけ合理的に考えるようにしてください。
<目と耳と歯の問題>
・70歳を過ぎた頃から、一般に日常生活の中で最も気になる身体機能の衰えは目と耳と歯ではないでしょうか。
・いずれにせよ、目、耳、歯の不調は日常生活に直接関わることなので、ぜひとも専門医に相談してください、
<サプリメントとの付き合い方>
・ともあれ、日本人はサプリメントが大好きです。50代以上で約5割の人が2種類以上のサプリメントを利用しています。いずれにせよ、本来は毎日の食事から必要な栄養素をすべて摂るのが理想です。
<クスリと書いてリスクと読む>
・医者が薬をたくさん出す理由の一つは、ある時期から医学教育の専門化が進んだことにあります。
・また、欧米ではあまり見られない日本の医療の悪しき習慣として、薬の予防投与があります。まあ、そんなこんなで高年の患者さんには10~15種類の薬を飲んでいる人がざらにいます。
<健康診断は受けない>
・とりわけ、高年世代にとってはそうです。実のところ、健康診断ほど無意味なものはありません。いや、無意味どころか有害でさえあるのです。
体を臓器別に検査する健康診断や特定の部位を検査する検診は、有体に言えば病人を製造するシステムです。
<病院との付き合い方>
・そこでお勧めしたいのは、かかりつけ医(主治医)を決めておくことです。なお、これは私の持論ですが良い医院は待合室でわかります。
<あとがきにかえて あるがままに>
<人は誰でもオンリーワン>
・来院される患者さんは、鬱症状、認知症、アルコール依存症等々、本当に様々です。精神医療の特色は、他の診療科と比べて患者さんの話をじっくり聞くという点にあります。
・私も還暦を迎え高年にさしかかっていますが、誰にとっても実際に老いるまで「老い」は未知の領域です。
<レットイットビー>
・レットイットビー。自分の人生をあるがままに肯定し、何も怖れず、何も心配しない。やりたいことをやり、食べたいものを食べ、会いたい人に会う。
<パンデミックのただ中で >
・本稿の執筆が終わりに近づいてきた3月、突然中国の武漢で新型コロナウイルスが発生しました。
・しかし、どのような世界になろうとも、生老病死が人生の原理であることに変わりはありません。
(2025/4/13)
『100歳の幸せひとり暮らし』
穏やかな心と健康を保つ100のヒント
鮫島純子 光文社 2022/9/21
<はじめに>
・この9月26日に、100歳の誕生日を迎えることになりました。
・まず、どんなときでも「ありがとうございます」と感謝する習慣をお伝えしたいと思います。それから、「世界人類が平和でありますように」という世界平和への祈り。今、こうして元気でいられるのも、この2つの習慣が何より大きいと思っております。
<幸せにほがらかに生きる>
・取り越し苦労の多かった私も、前向きでいることを心がけたおかげで、人生は後半になるほど幸せで豊かなものになっていくと実感するようになりました。
<何事にも感謝>
・元気の秘訣の一つは、「何事にも感謝して生きる」ことです。
<波動の低い言葉は使わない>
・不平や不満、愚痴や悪口といったマイナスの言葉は、波動が低く、それを一番に聞いている自分の心を乱し、汚してしまうエネルギーをもっています。マイナスの感情が心にあると前向きにはなかなかなれません。
<「ありがとう」は声に出して>
・「ありがとう」の言葉は、心で思うだけではなく、声に出してみたほうがいいようです。
<トイレの「有難さ」を忘れない>
・トイレに1枚残った「ありがとう」は、戦時中の不自由な頃を思い起こさせてくれます。平和な今の日本に心から感謝します。
<骨折にも、ぎっくり腰にも感謝>
・それによると、人の体は、脳の「側座核(そくざかく)」というところが傷みのコントロールに関係しているそうです。そして、一見、腰痛とは関係のないような子育てや介護などのストレスが脳へ伝わると、腰痛を感じる一因にもなるそうです。
それを知って、ぎっくり腰のときも、骨折のときも、「ありがとう」と感謝して、「ああ困った」とストレスにしなかったことで、早い快癒に至ったのだと思いました。これからも、すべてに感謝です。
<いつも笑顔で>
・笑顔になること、笑うことで、ナチュラルキラー細胞という免疫細胞が活性化し、免疫力がアップするそうです。また、エンドルフィンという脳内物質が分泌され、痛みが和らぐことも報告されています。また、笑顔や笑いはリラックスした状態を心にもたらし、自律神経が安定します。
<物騒なテレビは観ない>
・テレビを観ていて、物騒なニュースや怒鳴り合いのドラマが始まると、消してしまいます。家の中に不穏な波動が入ってくるのを避けたい気持ちからです。
<役に立って喜んでいただく>
・長寿がなぜ有難いのか。今、年を重ねて思うことの一つは、「感謝する」機会をたくさんいただけることです。
<あるがままを受け入れる>
・私はよく「自然体ですね」と仰っていただきます。感謝を習慣にし、「あるがまま」を受け入れているからと、さらに感謝しております。
<手にも足にもありがとう>
・歩けることを当たり前と思って過ごしてきましたが、80歳を過ぎた頃、バランスを崩して転び、骨折をしてしまいました。
・手術をせず、リハビリ訓練で自然治癒いたしましたが、不自由になって初めて、歩けることの有難さが身に沁みました。
<前向きな気持ちで免疫力を上げる>
・病気のときは、誰しも気分が落ち込みがちになるものです。そんなときも、感謝の気持ちをもって物事を受け止めていると、心が明るくなってきます。80歳を過ぎて骨折したときは、暑い盛りに2か月半の入院生活を送りました。けれども、6人の相部屋だったおかげで、思わぬ楽しさがいくつもありました。
<自分の蒔いた種は自分で刈り取る>
・病気や怪我は、たいていは自分の不摂生や不注意から起こります。「自分の蒔いた種は自分で刈り取る」のが宇宙のルールです。
<詐欺に遭っても平常心>
・東日本大震災の2週間ほど前に、オレオレ詐欺に遭いました。代々木警察署の署長と名乗る人から、「あなたの通帳から50万円が2回抜かれています。犯人はまだ捕まっていない。キャッシュカードを変えましょう」という趣旨の電話がありました。
・銀行はすでに閉まっている時間帯で、翌朝すぐに飛んで行きましたけれど、後の祭りでした。もちろん、警察にも事情を話しました。
<反省は明るく、短く>
・詐欺被害に遭った後は、不思議なほど落ち込まず、罪を犯した人たちの今後の人生や、親御さんの心情を思いやると、気の毒な気がしました。
・自分については、「今後は騙されないように気をつけよう」と、反省した後は、ふだんから信条にしている「反省は明るく、短く」に従って、気持ちをすぐに切り替えました。
<ツイてないことは「チャンス」>
・ツイていないことにぶつかったら、どうやってそれをひっくり返すか。考えるチャンスをいただいたと感謝することが、運を良くする秘訣です。
<一人ひとりに平和を実現する使命がある>
・近所のキリスト教会の門をくぐりました。バイブルクラスに10年間通いました。
・1冊の本とご縁がありました。祈りによる世界平和を提唱された霊覚者・五井昌久先生の本です。そこには、「肉体身は期間限定。誰でも必ず死ぬ。霊性は一人残らず神様から分け与えられた永遠の命の波動をいただいており、地上に平和を実現する使命がある。身近に悪い出来事が起きているように見えても、それは過去世から今までに自分に宿った業が消えていく姿である」と、ありました。そのとき、パーッと視界が開けてきて、そこから、私の世界平和への祈りが始まりました。
<肉体は自動車 魂は運転する人>
・親きょうだい、友人知人、出会う人すべては、自分の過去世に縁のある人で、不公平と思われる生い立ちも永遠の魂の一コマ。周囲に起こることはこれからの人生をよりよく生きるための過去世で汚したエネルギーを消すための作業。
・しかし、「愛と調和を生きる」といっても抽象的で難しいので、「世界人類が平和でありますように」という祈りといったほうがいいでしょう。
<ご縁のあるところで登ればいい>
・五井先生に初めてお目にかかりましたとき、「私はキリスト教の洗礼を受けておりますが、よろしゅうございますか」と申し上げると、「皆同じよ。富士山の高嶺に登るのはいろいろなルートがあるでしょう。ご縁のあるところで登ればいいのよ」と明るくさっぱり仰ってくださいました。
<「百匹目の猿現象」を起こす>
・私は毎日欠かさず、朝7時と床につく前、東西南北に向かって「世界人類が平和でありますように」とお祈りすることを日課にするようになりました。
<想いを「良い波動」にする>
・今では朝晩だけでなく、美しい空に感動したとき、歩いているとき、食事のときなどに、「世界人類が平和でありますように」と一日中、何度も祈っております。
人間は誰でも自分の想いや考えが波動になって、周りに影響していると私は実感するようになりました。
・「世界人類が平和でありますように」と祈る習慣が身に着くと、魂が浄化され、心の安定や肉体の健康にもつながると信じます。
私も最初は口先だけで祈っていると感じがありましたが、40歳から60年間実践して自らの浄化を促進するとともに、世界に祈りが届いていると実感できるようになりました。
<神様の周波数に合わせる>
・初めからすんなり「世界平和の祈り」を心から捧げることができなくても、心配いりません。「祈りによって神様と一体になる」という五井先生の教えを、私の長いこと理解できませんでした。けれども、ただただ無心に「感謝の祈り」、「世界平和の祈り」を続けていたあるとき、「祈りはバイブレーションなのだ」と感じました。
・汚れたと思ったら、祈りによるチューニング、これを何度繰り返したことでしょうか。寝たきりになってもできる世界平和への貢献です!
<コロナは7回目のテスト>
・私が39歳からご指導をいただいた五井先生によると、人類というのは、今までに何度も失敗してはやり直しを繰り返しているのだそうです。そして、今の地球は7回目のやり直しの時期に入っていると伺いました。
<日々の暮らしを丁寧に>
・だからこそ、毎日の暮らしを疎かにせず、昨日までできたことを怠らず続ける努力が大切だと思います。
<背筋を伸ばして歩く>
・夫が存命中の頃は、自然の摂理に従い、朝は日の出とともに起きて、ご近所の明治神宮を二人でぐるりと1週歩くのが習慣でした。今は、日の出とともにという散歩は体力的にも難しくなり、正午前後に1周の半分の距離を歩いています。大体1時間くらいの道のりです。
・荘先生伝授の歩き方は、背筋を伸ばし、横隔膜を上げ、体幹を意識し、太ももの内側を緊張させながら、一直線に歩くというもの。それを約50年実践してきました。
<常に姿勢を意識する>
・私が姿勢を意識するようになったのは、荘先生と出会ってからですから、50年ほど前です、そのおかげで、100歳の今日まで背中が丸くならずに済みました。
<血液の循環をよくする>
・体操は荘先生考案の未病対策の健康法です。各リンパ腺を同時に刺激することで、血液、体液の循環が良くなります。1日、5、6分でも効果があります。タオルかハンカチがあればどこでもでき、私は散歩のついでに青空を仰ぎながら続けております。
<植木に声をかける>
・早起きを心がけてはいますが、夫の出勤時間から解放された頃より、目覚まし時計の音ではなく、自然の目覚めにまかせるようにしています。
<自分で自分のことをする>
・一人住まいの私は、掃除、洗濯、炊事と、基本的に自分のことは自分でいたします。
・「介護保険を使って、お掃除ヘルパーさんに週に一度でも来ていただければ」と、息子たち夫婦は気遣ってくれます。
<食事の量は朝3昼2夜1>
・この配分の意味は、朝はこれから1日体を動かすためにしっかりと。昼は1日の折り返し地点ですが、午後から夜にかけて動くための十分なエネルギーを。夜は胃腸に負担をかけぬよう軽く、とうことです。
<体にガスを溜めない>
・荘先生によると、ガスは要注意。食物繊維が豊富な食材を摂り、なるべくよく動くことでお通じを促し、ガスが体内にとどまらないよう気を配っています。
体内ガスが増えて胃や横隔膜を圧迫すると背中や肩がこる、腰が痛むなどの不調が起こるとのこと。そんなときに病原菌が体内に侵入してくると、簡単に病気を発症してしまうそうです。
<酵素で健康維持>
・米糠には、現代人に不足しがちな食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富に詰まっています。その米糠をベースにした酵素食品「ケンコーソ」をスプーン1杯ほど60年間、毎日愛飲しています。
<身だしなみを整える>
・ふだんお化粧はほとんどいたしませんが、髪をとかし、衣類を選び、背筋を正して見だしなみを整えることは、朝起きてすぐに欠かさずしています。身ぎれいにしていると、心も爽やかでいられます。振り返ると、戦中戦後の子育て中、お化粧品にお金を使った覚えもありません。当時、日本中の女性は皆同じでしたでしょう。
<シンギング・リンを奏でる>
・朝晩、「世界人類が平和でありますように」とお祈りをしながら、シンギング・リンという音響楽器を奏でています。
<スリーステップ入浴法で疲れをとる>
・私は「スリーステップ入浴法」を実践しております。まず、おへそまで浸かって3分間温まる。次におへその少し上まで3分浸かる。最後に全身好きなだけ入る、という順番にします。特に足が冷たいときなどは、この方法がお勧めです。
<寝るとき、おなかは空に>
・夜食、飲み物も含めて、就寝前3時間は、何も食べず、胃を空にすること。全神経を休めたときに、熟眠は得られるそうです。
<片付けはすぐやる>
・私は、片付けごとは努めてすぐにやるようにしています。そうしないと気持ちが悪い習性がつきました。
<お茶碗洗いでボケ防止>
・荘先生に「お皿洗いはボケ防止に良い」とお勧めいただき、夫はそれを実践していました。
<打ち身には砂糖水>
・荘先生の教えの中に、「打ち身には砂糖水を飲ませる」というものがあります。内出血が早く散って痣になりづらいなど、後遺症を防ぐ効果があるということです。
<質素倹約を旨とする>
・「質素倹約は渋沢家の精神」だと思います。個人の生活は常に「質素倹約」を旨とし、私もそれが身に着いています。
<手作りを楽しむ>
・物がないので仕方なく手作りしていたのですが、節約で完成する喜びは一入(ひとしお)でした。
<物を捨てる前によく考える>
・主婦になってからは、物を捨てる前にもう一度何かのお役に立てられないかと考え、可能となれば工夫して再利用できたときの喜びは一人(ひとしお)でした。
<地球を汚してきたことを反省する>
・私は、コロナ騒ぎの中で、「神様から使わせていただいている地球」や「肉体」への感謝を忘れ、「使い捨て」「汚し放題」の最近の人間の生き方を反省するばかりでした。
<天地自然のルールに沿って生きる>
・長引くコロナ禍の影響で、さまざまな価値観が変わりつつあります。
・人々の健康意識が高まり、早寝早起き、自炊、腹八分目、土と親しむ、適度な運動を意識するという天の理に沿った生活を心地よく感じる人も増えたと聞きます。
<若い人のお手本になる>
・そうすれば、健康で愉快な老後が過ごせるばかりか、医療保険費の削減にも貢献でき、若い人の負担を減らせるでしょう。
死の恐怖に苛まれて肉体維持のために治療費をつぎ込む前に、死を恐怖と捉えず、「死の意味を貴ぶ心がけを大事にする努力を」と、老いた今、私は思います。
<出会う人は、すべてご縁のある人>
・仕事でもプライベートでも、「悩みのタネは人間関係」という人が多いと聞いております。
祖父は日本初の銀行など、約500の会社と約600の教育福祉事業の設立に関わりました。
・「袖振り合うも他生の縁」という言葉があるように、私も人生で出会う人はすべてご縁のある人、と感謝で受け止めてやってきました。
<人間に上下はない>
・名古屋に引っ越した後は、夫が外地に出張中に大地震や空襲に見舞われました。幼い子どもを抱え、不慣れな土地で身寄りもない中、手を差し伸べてくださったのはご近所の方たちでした。「おむつがないのが一番困るでしょ」と言って家から運び出してくださったり、消火中に子どもを預かってくださったり。このとき、助け合いや思いやりの有難さが本当に身に沁みて、人間に上下はないと実感。結婚してわずか5か月後の父の急逝、空襲、窮乏生活のやりくりは、私にとって必要な経験であったと思います。
<困らせてくる人は自分を磨く砥石>
・不愉快な思いをさせられる人、困らせてくる人がいます。
恨みや憎しみの気持ちは、それを持ち続ける自分が一番つらいものでしょう。
・嫌なことをぶつけてくる相手がいたら、まず自らを反省します。その人は自分を磨いてくれる砥石。悪役を演じてくださっているのだと思う癖をつけました。
・だから、嫌な相手には、「ありがとうございます」と、先に思うようにします。見方を変えれば自分の魂を向上させてくれる、有難い方たちのはずです。
<他人も自分も不完全>
・私は社会に出てお勤めをした経験がなく、よく耳にする人間関係の煩わしさを知らずにここまできました。
・きっと「他人も自分も不完全。自由自在のはずの霊性が物質の肉体をまとって、各々が不自由。自由になって、“愛”や“思いやり”を勉強中」と割り切ることでしょう。
・創造主の波動を分け戴いて、地上に新しい平和な星を建設するために降りてきて練習中の人類。一度の生涯で成就するはずがありません。
<他人は他人、自分は自分>
・他人を羨むより、「神様(守護してくださる専属の悟った霊)とともにシナリオを作り、自らこの境遇を選んで生まれてきたのだ」と教えていただきました。自分がどう生きるかを大切に考えてみるのが大事だと思えるようになったのは、「人生の意味」を理解、納得してからです。
・目の前のできることに一生懸命取り組んでいけば、他人を羨ましいなどと思う気持ちは、自然と起こらなくなっていきます。
<相手は変わらない、自分が変わる>
・であれば、自分が変わるのが先、相手を変えようなんて無理なことです。
・「相手に変わってほしい」という想いの方向が変わり、自分の心が温かく穏やかになって、反省を促してくれたことへの感謝の気持ちが湧いてきます。その波動は相手にも伝わります。そして、いつの間にか、気にならない存在になったり、自然に離れていったりと、事態が好転していくものだと教えていただきました。
<何が起きても感謝に変える>
・自分を変えるには、努力が必要です。初めの頃は「私が被害者なのにどうして私から変わらないといけないの」と、なかなか納得がいかないこともあります。
・スイッチの切り替えをするように、嫌なことを感謝に切り替える練習です。心がそこまで至らなければ、呪文のように世界平和を祈ります。
自分の霊性のレベルアップのチャンスです。
<自分のレベルを上げる>
・五井先生にそれをお話しすると、「自分のレベルが上がれば、周りは全部良くなるのよ」とのこと。私は「波動とは、すべてそういうものか」と思い、それからすべて「ありがとう」と受け入れてやってきました。
・何事があっても、神様のご意志である「世界の平和」を祈ることの大事さを知りました。神様から分けていただいた本来の霊性を取り戻す努力、神様の波動と同じ周波に近づく努力をするのみである。
<皆と幸せを分かち合う>
・「他人様に喜んでいただく、受けたご恩は世の中にお返しする」という考えは、祖父も父も心がけていたことです。
<自分一人豊かでも心は幸せにならない>
・それでも、父の中に「自分一人だけが楽で豊かというのは心の幸せにつながらない。皆幸せと感じる社会であってほしい」という気持ちが育ったのは、祖父の後ろ姿を見てのことだったのではと思っております。
<「とりあえずやってみよう」の好奇心>
・5年前まで車を運転し、社交ダンスを習っていました。今も週2回ヨガをしていますとお話しすると、皆さん驚かれます。
<お誘いが来るのは神様のお導き>
・戦中戦後は家事に明け暮れていた私でしたが、67歳のときに水墨画を、80歳で社交ダンスを、95歳でヨガを習い始めました。
・自分とは縁遠いことであっても、お誘いが来るというのは、神様のお導きと思いました。「おそらくそこで何か心の成長となることを学ぶのでしょう」と思うと、背中を押される気持ちで始められます。
<年を考えない>
・年齢を考えて躊躇することはないかと訊かれますが、何かをするときに、年を考えたことがありません。ずっと健康に恵まれていたせいかもしれません。車の免許は45歳で取りました。
・95歳のとき、息子たちに「ハラハラするからもう運転は止めてほしい」と懇願され、視力も反射神経も問題なく更新できたのですけれど、免許を返上いたしました。
<手を動かす>
・好奇心を大切に、一歩を踏み出すことはとても大事。今、私は目が見えにくくなってきたので、細かい手芸はあまりいたしませんが、手作業は頭も手も使うので、できる限り続けています。
<絵を描く>
・夫の退職後、絵を描くという共通の趣味をもてたおかげで、自宅や旅先で共に楽しむ喜びを得ました。その時々の思い出は、何物にもかえがたい心の財産です。
<一日一日を大事に重ねる>
・私が本を出版したきっかけは、病床の主人を慰めようと描いたイラストでした。ずっと寝ているのは退屈だろうと、外の様子をあれこれ報告していました。我が家は原宿に近く、当時よく見かけたガングロメイクやへそ出しルックの若い女の姿を口で話しましたが、彼には想像もつかないらしく、「絵にしたらわかってもらえる」とひらめいて、筆をとりました。
・夫が亡くなった後に、この思い出スケッチを目にした方が、「昭和から平成の暮らしの変化がわかりやすく歴史の記録になる」と仰ってくださって、出版社と思ってもいないご縁がつながり初出版に至りました。
<人生は前半より後半が大切>
・思いがけず、初出版をさせていただいたのが78歳のときのこと。
・好奇心をもってダンスやヨガを始めたお話も、皆さんが「励まされる」と仰ってくださり、何事もやってよかったと、自分のやる気に感謝しております。
・祖父は喜寿の祝いのときに、「人生は前半よりも後半が大切。老いても社会に尽くしたい」と語っていました。
<女性の優しさを発揮する>
・どんな時代が変わっても、子育ての基本は「愛」と思っております。子どもの成長過程では、親に愛されている安心感が何より大切でしょう。
特別な躾というより「子は親の後ろ姿を見て育つ」もの。
<人生は愛のレッスン場>
・100年生きてきて、この世での人生は「愛のレッスン場」だとやっと気づきました。
・少しずつでもいいので、このたび縁あって同じ愛のレッスン場に生まれてきたそのメンバーと子育てや介護を通して、魂を向上させられることに感謝する。それがきると、心の浄化になり、自分自身が生きやすくもなるでしょう。
<夫婦も思いやりの言葉を>
・子どものお行儀や言葉遣いの悪さがなかなか改善せず、悩んでいる親御さんも多いと伺います。
子どもたちが「いただきます」「ありがとう」「ごめんなさい」といった言葉を自ら言わないようなときは、夫婦の会話を見直すチャンスかもしれません。
<子どもにはたっぷりの笑顔を>
・日本人はそのような子どもが育つ安心安全な世の中を創ることができていた国民だと思います。その根幹にあるのは、何と言っても母親の「無償の愛情」でしょう。
<子どもとの約束を守る>
・子育て中、「子どもとの約束」、これだけは守ってきました。守れないようなら、その理由を話し、いたずらに期待させないようにいたしました。
<不自由を常と思えば不足なし>
・私が父の躾として思い出すのは、居間に掲げてあった徳川家康公の遺訓です。
・私が試験に落ちてくさっているときは、「人の一生は重荷を負いて遠き道をゆくが如し、急ぐべからず」。
<神には感謝のみ>
・父は祖父の「神には感謝のみ」の言葉から、自我欲で神様に願って頼みにするのは幼い祈りだということ。そして、祖父の信仰が「感謝のみ」ということをしっかり学んだと話しました。
身辺のお願いをする前から、自分専属の守護の指導霊はそのことを先刻ご承知。
<温かい思いやりの心を育てる>
・我が家は「質素倹約」の家風でした。母の実家が貧乏華族だったせいかもしれません。
・母の教育方針は、「女性は他人と比較して頑張ったり、競争することにより、温かい思いやりの心を育てることが第一」というものでした。永遠の生命において、男に生まれたり女に生まれたりする中で、女性の役目は世の中を和ませることだと自ら納得できるようになりましたのは、ずっと後のことでございました。
<「いただきます」が食事の幸福感を高める>
・「いただきます」には、そういった食事に関わるすべての恵み、労働への感謝が宿っています。
<四季の行事を大切にする>
・日本人のご先祖たちが大事に守り伝えてきた行事の大半は、太陽、月、雨、火といった大自然を司る大きな力に対する畏敬と感謝から始まるものだということに気がつきました。
<愛の心を込めて叱る>
・自分の子ども時代のことを棚に上げて、親は我が子につい完璧を求めてしまいがちです。
・「3歳までは肌を、幼児期は手を、少年期は目を、青年期は心を離すな」と、どなたかがラジオで話しておられて、深く頷いたことがございます。
子どもは、暖かい目で応援し、失敗を恐れないような人間に育てることが大事です。
<子は親を選んで生まれてくる>
・「子は親を選べない」とよく言われますが、伺ったところによると、「子は親を選んで生まれてくる」そうです。
・私も子育てしていた頃に、「子は親を選んで生まれてくる」と知っていたら、「欠点だらけの私を選んでくれてありがとう」と、思えたことでしょう。
<子どもの成功を信じて見守る>
・最近は、いつまでも親離れ・子離れができず、もたれ合っているケースも多いようです。
・子どもは神様からの預かりものだという謙虚さが足りず、「自分の責任」と取り越し苦労をしている母親だったのではないかと思います。
振り返って思うのは、親の取り越し苦労はほとんど無駄だったということです。子どもは自ら成長していく力をもっています。
<家族がほっとする家庭を作る>
・夫とは60年近い夫婦生活でしたが、ほとんどケンカをした覚えがありません。
・そのときの反省から、今世で女で生まれたからには、我慢をするのではなく、「妻は家内を整え、家族がほっとする家庭を作る」のが役目と思い、その目標に向かって楽しく努力しました。
<夫婦は互いの魂が選んだ相手>
・夫婦はお互いに最初から完全ではありません。パートナーがいるということは、魂が汚れを落として成長していくチャンスを与えられているということでしょう。
・私が結婚した時代は、夫に自然に敬語を使っていました。
・永遠の生命を信じれば、今世で男に生まれたとしても、女に生まれたとしても、それぞれの立場を理解するよい機会になるでしょう。
<女心を手紙にしたためる>
・しかし私自身、抑え込むのは精神衛生上よくないので、「女心をわかっていない」「知らせたい」と思ったときは手紙を書いて、夫の枕元に置くようにしました。
<嫁とは互いにマイペースで>
・私が嫁いだ頃は、「嫁しては婚家先の家風に解け込むのを第一とす」という時代でした。
・いま姑の立場になり、3人の嫁がおりますが、息子が結婚した頃には、すでに「出会う人はすべてご縁があり、助け合い、心を磨きあうための有難いお相手」と学んでおりましたから、一度も揉めたことなどございません。
<人生の最後を豊かなものに>
・結婚後、病気らしい病気をしたことがなかった私ですが、96歳のとき、心筋梗塞で入院生活を経験しました。
・そのような気持ちをもてたのも、「目には見えない」死後の世界を信じてすべてに感謝して生きてきた日々のおかげだと思います。
<夫婦の絆は「感謝」>
・夫を自宅で介護した経験をお話しします。「ご主人は食道がんです。即手術を」。医師に呼ばれてそう告げられたときは、頭の中が一瞬真っ白になりました。一緒になって58年目のこと。
・夫は、「手術はしない」と決断。「84歳。十分人生を楽しませてもらいました。思い残すことはない。自宅で自然に死にたい」というのが夫の願いでした。
・ずっと健康だった夫に突然のがん宣告。
・二人で病気を静かに受け止めると決めたとき、夫婦で積み上げてきた絆が「感謝」であったことを実感し、心の底から幸せを感じました。
<一日一日を慈しんで過ごす>
・日頃から健康のアドバイスをしてくださっていた荘先生から夫へ「食事やこれまでの生活習慣をそのままに」という助言があり、自宅での介護が始まりました。
・とうとう食べ物が喉を通らなくなった夫に、荘先生は「仙人になる志を立てましょう」と仰いました。水しか受けつけない夫の体。
<感謝は細胞に光を届ける>
・夫が立てなくなると、介護も24時間体制になりました。
・夫が「入院したくない」と言ったのは、夫婦の最期の高等試験問題をパスするためのハードルだったのでしょう。
「感謝は細胞に光を届ける」。後年、この言葉を、遺伝子研究で有名な教授の講演会で聞きました。感謝の力が西洋医学でも証明されているとわかり、いっそううれしくなりました。
<サバサバと旅立つ>
・平成11年9月14日の夜明け前。チアノーゼの症状の出た夫の脚をさすりながら、私がうとうととしている間に、彼は静かに旅立ちました。
・魂を浄化して、肉体への執着を残さず美しく脱いで、「楽しかったよ、ありがとう」と夫の死に際は、誠に見事なお手本でございました。私も夫のようにサバサバと旅立ちたいと思っております。
<「仙人」になる>
・「人生の最期は充分な医療を受けて迎えるもの」が当たり前だった時代から、現在は、自宅で最期を迎えたいと思っている方が増えているそうです。
・最後は仙人のように、水だけを口にし、汚れを浄化して旅立った夫の血液の中には、気泡、つまりガスの発生もないため、痛みがなかったとのことでした。
<肉体はなくなっても想いはつながる>
・「もう一度会いたい」と追っかけたところで、肉体も過去に戻りません。それよりも、この世でご縁があったことへの感謝の心を満たすのが最高の供養です。「あなたに出会えて幸せでした。ありがとう」
肉体はなくなっても、想いはつながります。
<一人もまたいいもの>
・主人が亡くなり、一人になって23年。寂しさを感じる時期を卒業して、「一人もまたいいもの」と、思えるようになりました。何事も気兼ねなく、即決できる自由の有難さを感じています。
散歩の時間、全身に太陽を浴びると、体の奥底から感謝が湧いてきて、全身が感謝で満たされ、思わず神の意志「世界人類が平和でありますように」の祈りが溢れ出ます。「生かしていただき、ありがとうございます」と祈りを捧げる瞬間は、一人でこそ味わえる喜びの境地です。
・「どうぞ、感謝して平和への祈りを継続なさってくださいね」とお返事し、自分も人生の一コマ一コマを、誠実に真心を込めて生きようと身を引き締めます。
<自分の身に起きたことをすべて有難く迎える>
・自分が有難くないことに直面していても、それは、自分の過去世から現在に至るまでの間に無意識に抱いていた誤った思いや、乗り越えらえなかった問題に、もう一度向き合い、消すチャンスであるということを伺いました。
ですから、そういうときこそ、「世界人類が平和でありますように」とお祈りして、気持ちを切り替えるのが大事といえましょう。
・私たちには、先祖の悟った方が守護霊として一人に2、3体はついてくださっているそうです。
あなたに都合の悪いことが起きているときは、それは、あなたの守護霊が、あなたがきっと乗り越えられると見越して出してくださった宿題。それを一つひとつ乗り越えてステップアップです。
<誰の魂も神様の波動をいただいている>
・私は目に見えないものが見える方と不思議にご縁があります。「あなたは聖母マリアだった時期がある」と何人にも言われました。「木花咲耶姫(このはなさくやひめ)」と言われたこともありました。自分では確かめようのないことですが、見える方たちに同じように言っていただいて、やはり霊性は永遠であると信じざるをえません。
・私一人がマリアの生まれ変わりではなく、そういう波動を多くもっている方はたくさんいらっしゃると思います。どの波動が多いか少ないか、その割合は人によって違うようです。あなたの霊性も、必ず神様からの分霊としての波動をお持ちのことでしょう。
<「お金第一」にならない>
・お金に振り回されたあげくの悲しい事件が、たびたび起こります。
・終戦後の我が家の生活は、まさにタケノコの皮を1枚ずつ剝ぐようなものでした。庭のたんぽぽを佃煮にしたりして、何とかやりくりしたものです。
・家族が仲良く暮らせること、心も体も健康で暮らせること、誰かのお役に立てること、毎日を感謝して過ごせること……。100年生かしていただいて、幸せの基準はそういったことだとつくづく思います。
<あの世は「想いの習慣」で決まる>
・財産も、名誉も、高級車も、あの世にはもっていけません。もっていけるのは、この世でつけた「想いの習慣」だけと伺いました。
私たち一人ひとりの「想い」は波動です。心の中は他人にはわからないと思っても、想いも波動となって、雰囲気として現れます。
亡くなった後は、この世で習慣となった「想いの癖の生前の波動」と同じ波動帯に自然に集まるのが宇宙の理だそうで、閻魔様が分けるのではないようです。
感謝の癖がついた霊の集まりは、互いに分け合い居心地の良い「極楽」。互いに相手のせいにして憎しみ合う波動帯は「地獄」でしょう。
・「亡くなったら皆天国に」とはいかないようです。地獄に行かないためにも、この世での「想いの習慣」が大事だということを胸に刻みます。
<ピンシャンコロリでパッと死にたい>
・自分が100歳まで生きるだなんて思ってもおりませんでした。
・けれども今は、自分が死ぬことに恐れはありません。守護霊様の愛を信じ、「み心のまま」と思っています。ただ、やはり最後の日々、他人様の世話を余儀なく受けるのは申し訳ないという想いがあるので、ピンシャンコロリでパッと死にたいとは思います。
「世界人類が平和でありますように」の祈りを唱えていると、神様のご意志の波動と同じ周波数になるので、そのまま光の波動につながるようです。事実60年祈りを唱えてまいりましたので、祈りのことを思った瞬間に自らの細胞の響きを感じます。
<肉体があることの有難さ>
・この世は物質世界で、人は魂だけではなく、皆共通の肉体をもっているので、霊性の高い方にもお目にかかることができます。ご著書で学ぶことも、お話を伺うこともでき、感化も受けられます。けれども、あの世の波動の世界は高低や細かさ・粗さによって厳然と分かれているので、波動が高い方や細かい方にはお目にかかることができません。それを思えば、肉体をもっているということが、どんなに有難いことか! 肉体をもっているからこそ、その間に霊性のレベルアップが可能であることを初めて知りました。
<肉体があるうちに波動を上げる>
・死後はこの世での「想いの習慣」の波動帯に行くのがルール、と伺っております。この世は、それぞれのレベルでの愛と調和の練習場です。皆本当は神様の波動をもっていますのに、ネガティブな想いや行動で暮らして死んでいきますと、それなりの波動の集まりに行くことになります。
・今、肉体があるうちに「想いの習慣」の波動を上げることが大切だといえましょう。
<あるがままに生きる>
・私も同じように、幸せとは自ら努力した上ですべて結果は神様に委ね、身辺に起こるすべてを肯定して生きることだと思っています。
・死ぬ時期でさえも、神様の思し召しと思えます。とても楽に生きるコツでもありましょう。
2021/6/22
『「空腹」こそ最強のクスリ』
医学博士 青木厚 アスコム 2019/1/26
<空腹パワーであらゆる不調を撃退しよう!>
<1日2食のプチ断食が、僕の集中力の秘密です>
・いま話題の半日断食で、頭がさえる。疲れない。無理なくやせる。
・最新医学エビデンスに基づく本当に正しい食事法は、「何を食べるか」ではなく、「食べない時間を増やす」たったこれだけだった。
・睡眠時間を合わせて「1日16時間は食べない」だけ。この半日断食で細胞内の悪いタンパク質や感染症を引き起こす病原菌が掃除され、全身の細胞がみるみる修復!
・この方法なら、炭水化物も、脂肪も好きなだけ食べて問題ない!
<「ものを食べない時間」を作り、「空腹」を楽しむ。それだけで、病気知らずの体が手に入ります。>
・高かった血圧が下がり、体重も減少!
・これまで健康や長寿、アンチエイジングのための、さまざまな食事法が紹介されてきました。しかし最新の医学エビデンスに基づき、近年、「食べものの内容を制限する」ことよりも「食べない時間を増やす」ことにより注目が集まっています。
・この本で紹介する食事法は、2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した「オートファジー」研究をもとに生み出されました。
オートファジーとは、「古くなった細胞が新しく生まれ変わる」体の仕組みのことです。
週に一度でも、まとまった空腹の時間を作ると、食べすぎがもたらす害が取り除かれ、加齢や食生活によるダメージがリセットでき、オートファジーが活性化して体が、内側から若々しく蘇ります。
しかもこの食事法は誰でも簡単に実践でき、すぐに効果を実感できます。がんや認知症、糖尿病や高血圧などの病気の予防にも役に立つと考えられる、まさに奇跡の食事法なのです。
みなさん、この本を読んで、ぜひ空腹という最高のクスリにより、健康と若さを手に入れましょう。
<「1日3食」「食べすぎ」が、疲れやすい体を作る>
・1日3食というのは、それだけで「食べすぎ」になってしまう可能性があります。
・成人が1日に必要とするカロリーは、1800~2200キロカロリー前後といわれています。
ハンバーガーとポテトフライ、ドリンクのセットだけで、1000キロカロリーは軽く超えますし、ファミレスに行けば、800~1000キロカロリー程度のメニューがたくさん並んでいます。
つまり、1日3度食事をとることで、本来必要な量の1.5~2倍のカロリーを摂取してしまう……というのは、十分にありうることなのです。
<高血圧、老化、生活習慣病………。肥満は百害あって一利なし!>
<食べすぎは、様々な体の不調を招きます。>
・まず、内臓の疲れ。胃腸や肝臓は、私たちが食べたものを、何時間もかけて消化しますが、本来処理できる量を超える食べものが、ひっきりなしに運ばれてくると、内臓は休みなくフル回転で働き続けなければならず、疲弊します。
その結果、内臓の働きが低下し、栄養素をきちんと吸収できない、老廃物を排出できない、免疫力が低下するなど、さまざまな問題が生じてしまうのです。
・また、食べすぎは、肥満を招きます。 私たちが摂った糖質や脂質の一部は、脳や筋肉、内臓などが働くためのエネルギーとして使われますが、余った筋肉や肝臓に蓄えられ、それでもおさまりきらなかった分は中性脂肪として、脂肪細胞に蓄えられます。
・つきすぎた脂肪、とくに内臓脂肪からは、悪玉ホルモンが分泌され、血糖値の上昇、高血圧、血栓形成などを招きます。
また悪玉ホルモンは慢性炎症状態を引き起こし、がんを発症する場合もあります。
ほかにも、食べすぎには「体を錆びさせる活性酸素を増やす」といったデメリットがあります。
食べすぎは、疲れやだるさの原因となるだけでなく、糖尿病や高脂血症などの動脈硬化性疾患、脳出血や脳梗塞、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、そしてがんの原因ともなるのです。
<さまざまな病気の温床となる「糖質の摂りすぎ」>
・しかも、現代日本人の食事は、特に糖(糖質)が多くなりがちです。成人が1日に必要とする糖質は、170gといわれています。
茶碗一杯のご飯(白米)に含まれる糖質は50g程度ですから、ご飯を1日3杯食べれば、それだけでほぼ、本来必要な糖質は摂取できてしまいます。
つまり、1日3杯のご飯に加えて、デザートなどを食べれば、それだけで糖質過多になるのです。
・しかし、糖質の摂りすぎによる最大の問題は、「糖質が、血糖値を急上昇させる」点にあります。
・こうした、ジェットコースターのような血糖値の乱高下は、「食後すぐ眠くなる」「だるくなる」「イライラする」などの症状をもたらします。
さらに、糖質の摂りすぎによって血糖値が高い状態が続くと、
① 細胞が徐々にインスリンを受けつけなくなる。
② すい臓が頑張って、もっとインスリンを分泌しようとする。
③ すい臓が疲弊する。
といったことが起こるようになり、すい臓でのインスリン分泌量が低
下する「2型糖尿病」の発症につながります。
糖尿病になると、血糖値が下がらないため、全身の血管がダメージを
受け、網膜症、腎症、心筋梗塞や脳梗塞、認知症、がんといった病気にかかるリスクが高まってしまいます。
<血糖値が下がり、脂肪が分解され、細胞が生まれ変わる方法がある>
・「食事のカロリー数を減らす」「糖質を減らす」など、さまざまな方法が考えられますが、この本で私がおすすめしたいのは、「ものを食べない時間(空腹の時間)を作る」というものです。
・空腹の時間を作ると、まず内臓がしっかりと休むことができ、血糖値も徐々に下がります。また、最後にものを食べてから10時間ほどたつと、肝臓に蓄えられた糖がなくなるため、脂肪が分解されエネルギーとして使われるようになり、16時間を超えると、体に備わっている「オートファジー」という仕組みが働くようになります。
オートファジーとは、「細胞内の古くなったタンパク質が、新しく作り替えられる」というもので、細胞が飢餓状態や低酸素状態に陥ると、活発化するといわれています。
体の不調や老化は、細胞が古くなったり壊れたりすることによって生じます。
・オートファジーによって、古くなったり壊れたりした細胞が内側から新しく生まれ変われば、病気を遠ざけ、老化の進行を食い止めることができるのです。
つまり、空腹の時間を作ることで、
・内臓の疲れがとれて内臓機能が高まり、免疫力もアップする。
・血糖値が下がり、インスリンの適切な分泌が促され、血管障害が改善される。
・脂肪が分解され、肥満が引き起こすさまざまな問題が改善される。
・細胞が生まれ変わり、体の不調や老化の進行が改善される。
といったさまざまな「体のリセット効果」が期待できます。まさに、「空腹は最高のクスリ」なのです。
・空腹の時間以外は、何を食べていただいてもかまいませんし、空腹の時間中であっても、どうしてもお腹が空いた場合は、ナッツ類などであれば、いくら食べていただいてもかまいません。
オートファジーを働かせるためには、連続して16時間以上の空腹の時間が必要ですが、睡眠時間をうまく組み込めば、無理なく実行することができるでしょう。できれば毎日続けていただくのが理想的ですが、週1回、週末だけ実行していただくだけでも、リセット効果は得られるはずです。
<半日断食が、体の不調や病気、老化を遠ざけてくれる>
・たとえば朝食だけ抜いて、昼と夜は普通に食べる。起きている時間の半分だけがんばる半日断食、それだけで実行できてしまいます。
・繰り返しになりますが、空腹の時間を作るだけで、食べすぎや糖質の摂りすぎによる弊害をリセットしてくれます。
カロリー計算など、難しいこと、面倒なことを考えなくても、内臓の疲れがとれ、血糖値が下がり、脂肪が落ち、細胞が生まれ変わり、さまざまな体の不調や病気、老化を遠ざけることができます。
みなさんもぜひ、「空腹」という最高のクスリによって、病気知らず、疲れ知らず、老化知らずの体を手に入れてください。
<「1日3食とるのが体にいい」は、間違いだった>
<1日3食とると、体は日々弱っていく>
・「1日3食が理想的である」という考え方には、確固たる裏付けはありません。
それどころか、1日3回食事をとると、あとで詳しくお話しするように、
・胃腸をはじめ、内臓が十分に休むことができず、疲弊してしまう。
・体内で炎症が起きやすい。
・「食べすぎ」を招き、肥満になりやすい。
・高血糖になりやすい。
・老化が進みやすい
など、体や健康にさまざまなダメージを与えることになるのです。
<食後の慢性的な眠気は、血糖値が上がっている証拠>
・「食べた後、異様に眠くなったり、疲れたり、だるくなったりする状態が、ずっと続いている」という人は、血糖値が慢性的に高くなっている可能性がるといえるしょう。
<習慣や惰性を捨て、体の声を聞くことが真の健康への第一歩>
・あなたの内臓は、もしかしたら、休息を求めているかもしれません。
特に年齢を重ねるにつれて、1日に必要とするカロリーは少なくなっていきます。1日3食にこだわる必要は、まったくないのです。
<1日3食は、胃腸を疲れさせ、体の不調を招く>
<1日3食では、内臓は十分に休むことができない>
・ところが、1日3度食事をすると、朝食から昼食までの間隔は4~5時間、昼食から夕食までの間隔は6~7時間程度となり、前の食事で食べたものが、まだ胃や小腸に残っている間に、次の食べるものが運ばれてきてしまいます。
すると胃腸は休む間もなく、常に消化活動をしなければならなくなり、どんどん疲弊していきます。
<胃が疲弊すると、肌や髪にも悪影響をもたらす>
・1日3回、せっせと食事をとり続け、胃腸が疲弊すると、体にはさまざまな不調が現れます。
まず、胃腸が疲れ、消化機能が衰えると、食べものからきちんと栄養分を摂ることができなくなり、体に必要なビタミンやミネラル、微量元素不足に陥り、疲れやすくなったりだるくなったり、肌や髪のコンディションが悪くなったりします。
また、「胸焼け」「胃もたれ」「食欲不振」が起こりやすくなります。
<腸内環境の悪化が、全身にダメージを与える>
・ちなみに、加齢や胃の疲れによって胃液が減り、消化が不十分な食物が腸内に入ってくると、やはり腸内細菌のバランスが崩れ、腸内環境は悪化します。
さらに、腸で発生した有害物質は、血液に乗って全身にまわります。そのため、肌荒れがひどくなったり体臭がきつくなったり、ときにはがんなどの病気が引き起こされたりすることもあるのです。
・また、腸には食べものを消化・吸収し、不要なものや老廃物を排泄するだけでなく、「体内に侵入しようとする異物(ウイルスや毒素など)を排除し、体を守る」という「免疫機能」も備わっています。
腸の機能が衰え、腸内環境が悪くなると、免疫力が低下して風邪や肺炎などの感染症にかかりやすくなる、アレルギーがひどくなる、がんが発生する、といったことも起こりやすくなるのです。
<「食事」が本当に始まるのは、食べものを口にした後>
・さまざまな役割を一手に担っているのが、肝臓なのです。
そのため、食事の間隔が狭く、次から次へと食べものが入ってくると、肝臓はふる回転で働かねばならず、どんどん疲弊していきます。
疲れにより肝臓の機能が衰えると、本来肝臓で解毒されるはずの毒素や老廃物が体内に残ったり、作られるエネルギーの量が減ったりするため、体が疲れやすくなります。
また、お酒がおいしく感じられなくなったり、食欲が低下したり、あるいは肝炎や脂肪肝、肝硬変、さらには肝臓がんなど、肝臓自体の病気や障害が引き起こされたりするおそれもあります。
そして、人間に休息が必要であると同様、内臓にもまとまった休息が必要なのです。
<がん、糖尿病、心筋梗塞や脳梗塞。年齢を重ねるごとに「食べすぎ」のダメージは大きくなる>
<1日3食は、気づかぬうちに「食べすぎ」を招く>
・つまり、ふだんから慢性的に食べすぎている人の場合、「胃が膨らんでいる状態」が当たり前になっていて、「本来、体が必要としている量」以上の食べものも、どんどん受け入れてしまいます。
<食べすぎは、DNAや細胞をも傷つける>
・また、食べすぎは、体内の活性酸素を増やします。
活性酸素には「ものを酸化させる(錆びさせる)力」があり、それによって体内に侵入ウイルスや異物などを殺菌・排除しますが、一方で、活性酸素の攻撃は、身体(体内のDNAや細胞)をも傷つけます。
・そして、活性酸素が必要以上に増えると、細胞が酸化されたり傷つけられたりするため、細胞の老化が進行し、お肌のシワやシミの原因となったり、細胞に障害が生じ、がんなどさまざまな病気が引き起こされたりする可能性があります。
<ご飯や肉の食べすぎが、あなたの命を危険にさらす>
・「食べすぎる人」のほとんどは、ご飯や麺類、パン、甘いものなど、「糖質」の多いものや、肉、油など、「脂質」の多いものを取りすぎています。
糖質や脂質を過剰に摂れば、血液中の中性脂肪や、「悪玉コレステロール」と呼ばれるLDL-コレステロールが増え、それらは血管壁に付着します。それだけ血管は狭くなります。
その結果、血液の流れが悪くなり、
・栄養が体のすみずみまでいきわたらなくなったり、老廃物がきちんと排出されなくなったりするため、疲労や冷え、肌荒れなどが起こりやすくなる。
・血管や心臓に大きな負担がかかって血圧が高くなり、動脈硬化が生じて脳梗塞、心筋梗塞、脳出血、心不全などのリスクも高くなる。
・さらに、糖質の多いものを食べすぎると、血糖値が高くなります。その状態が続くと、糖尿病になるリスクも高くなるのです。
<脂肪細胞は無限に増大していくから怖ろしい>
・食べすぎの弊害として、忘れてはならないのが、「内臓脂肪」です。
・細胞脂肪は柔軟性が高く、中性脂肪を取り込んで、もとの数倍の大きさにまで膨れ上がることができます。
これが「脂肪がつく」「脂肪が増える」といわれる状態ですが、このように、無限に容易を増やすことができるのは、人体の中では脂肪細胞だけなのです。
・肥大化した脂肪細胞からは「TNF-α」や「IL-6」などの「悪玉ホルモン」が分泌されるようになり、糖尿病や高血圧、慢性炎症状態を導いてがんになるリスクも高くなります。
<増えすぎた脂肪が、血液やリンパの流れを悪くする>
・実は脂肪には、
・エネルギーを貯蔵する。
・体温を維持する。
・内臓の位置を保つ。
・クッション代わりとなって、外部の刺激から体を守る。
・ホルモンや胆汁などの原料となる。
・各種ビタミンの吸収を助ける。
といった働きがあります。
つまり、人間にとってなくてはならないものではあるのですが、脂肪が必要以上に増えすぎると、体にはさまざまな影響が生じます。
・ところが、肥大化した脂肪が血管やリンパ管を圧迫すると、血液やリンパの流れが悪くなり、心臓に負担がかかり、高血圧や心不全、むくみの原因となります。
その結果、心臓病のリスクが高くなる、全身の各器官の働きが悪くなるなど、体にさまざまな不調が現れるようになるのです。
<実は皮下脂肪よりもタチが悪い、悪玉ホルモンを分泌しやすい内臓脂肪>
・また、あまり知られていないのですが、脂肪細胞にはさまざまなホルモンなどを分泌し、体の機能を調整するといった働きもあります。
・つまり、食べすぎによって脂肪が過剰に増えると、悪玉ホルモンの作用により、
・血管の傷が修復されない。
・血栓が溶けない。
・腫瘍が増殖する。
・血糖値が高くなる。
といったことが起こりやすくなり、糖尿病、脳出血、脳梗塞や心筋梗塞、がんなどの病気を発症するリスクが高くなるのです。
<年齢を重ねるごとに、食べすぎのダメージは大きくなる>
・このように、1日3食の食生活、そして食べすぎは、体に大小さまざまなダメージを与えます。しかもそのダメージは、年齢を重ねるごとに、どんどん大きくなっていきます。
<アメリカの最新研究が証明。「空腹」こそが長寿と健康のカギだった>
<アメリカの研究で明らかになった、「空腹」の効果>
・食べすぎによる害から体を守り、健康や若さを維持する、シンプルな方法。それは、「ものを食べない時間(空腹の状態)を作ること」です。
近年、アメリカの医学界では、空腹(断食)と健康に関する研究がさかんに進められ、数多くの論文が発表されています。
以前から、「カロリー摂取を控えることが、さまざまな病気を遠ざけ、長生きにつながる」ことはわかっていましたが、これらの論文には、断食をすることが体重や体脂肪の減少につながること、そして、
・糖尿病・悪性腫瘍(がん)、心血管疾患(心筋梗塞や狭心症など)、神経変性疾患(アルツハイマー型認知症やパーキンソン病気など)
などの予防に効果的であることが述べられているのです。
<「空腹」「断食」のハードルは、それほど高くはない>
・できるだけ無理なく空腹の時間を作り、
・胃腸や肝臓などを休ませてあげること
・脂肪を燃焼させ、減らすこと
・血液の状態を改善させること
が大事なのです。
<睡眠時間8時間+8時間=半日断食で、効果を最大限に享受できる!>
・そして、たどりついたのが「16時間以上、空腹の時間を作ると、最大の効果が得られる」という結論でした。つまり、起きている時間の半分、半日の断食でできるのです。
「16時間は長い」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、睡眠時間とうまく組み合わせることで、無理なく実行していただけるはずです。
<「空腹」が人本来の生命力を引き出す。最新研究でわかった「オートファジー」という奇跡>
・さて、私が「16時間」にこだわるのには、理由があります。
まず、最後にものを食べて10時間ほどたつと、肝臓に蓄えられた糖がなくなって脂肪が分解され、エネルギーとして使われるようになります。
そして、16時間たつと、今度は体の中で「オートファジー」が機能し始めるのです。
・私たちの体は、約60兆もの細胞でできており、細胞は主にタンパク質で作られています。
日々の生活の中で、古くなったり壊れたりしたタンパク質の多くは体外に排出されますが、排出しきれなかったものは細胞内にたまっていき、細胞を衰えさせ、さまざまな体の不調や病気の原因となります。
・一方で、私たちはふだん、食べたものから栄養を摂取し、必要なタンパク質を作っています。
ところが、なんらかの原因で栄養が入ってこなくなると、体は生存するために、なんとか「体内にあるもの」でタンパク質を作ろうとします。
そこで、古くなったり壊れたりした、細胞内のタンパク質を集め、分解し、それらをもとに、新しいタンパク質を作るのです。
・新しく元気なミトコンドリアが細胞内にたくさんあればあるほど、たくさんのエネルギーを得られ、人は若々しく、健康でいられるのですが、オートファジーによって、このミトコンドリアも新たに生まれ変わります。
つまり、オートファジーとは、古くなった細胞を、内側から新しく生まれ変わらせる仕組みであるといえます。
細胞が生まれ変われば、体にとって不要なものや老廃物が一掃され、細胞や組織、器官の機能が活性化し、病気になりにくく若々しい体になるのです。
さらにオートファジーには細胞内に侵入した病原菌を分解・浄化する機能もあり、健康であるために欠かすことのできない仕組みなのです。
<空腹が、細胞の生まれ変わりのスイッチになる>
・ただ、オートファジーには、ある特徴があります。
食べるものによって得られた栄養が十分にある状態では、オートファジーはあまり働かないのです。
なぜならオートファジーは、体や細胞が強いストレスを受けた際にも生き残れるよう、体内に組み込まれたシステムであり、細胞が飢餓状態になったときや低酸素状態になったときにこそ、働きが活発化するからです。
具体的には、最後にものを食べてから16時間ほど経過しなければ、オートファジーは活性化しません。
つまり、空腹の時間を作らない限り、オートファジーによって細胞を産まれ変わらせることはできないのです。
・なお、2016年には、東京工業大学の大隅良典栄誉教授が、オートファジーの研究でノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
オートファジーは今、世界中の注目を集めているといえるでしょう。
「空腹」は、1日3食の習慣や食べすぎが体に与えたダメージをリセットし、体を内側から蘇らせてくれます。
まさに、空腹こそが最強のリスクなのです。
<空腹のとき、体ではどんな奇跡が起こっているのか>
<内臓の働きを復活させ、活性酸素の害から体を守る――空腹の奇跡①>
・まとまった空腹の時間を作ると、まず、内臓の働きがよくなります。
・活性酸素の量が減るともいわれています。
つまり、活性酸素がもたらす細胞の老化や病気を、予防することができるのです。
<脂肪の分解、血流の改善で、生活習慣病をまとめて遠ざける――「空腹」の奇跡②>
・最後にものを食べてから10時間ほど過ぎたあたりから、体内では、脂肪の分解が始まります。
・つまり、空腹の時間が長くなればなるほど、体内の余計な脂肪が分解され、減っていくのです。
・また、脂肪が分解されれば、血液中の資質が減り、圧迫されていた血管が解放されますし、トータルで12~24時間、ものを食べない時間を作ると、血液中の糖質も20%程度低下するともいわれています。
<オートファジーで、若々しく健康な体を手に入れる――「空腹」の奇跡③>
・そのため、オートファジーには、がんや糖尿病をはじめとする生活習慣病、アルツハイマー型認知症、感染症などの予防効果や、肌や筋肉などの老化防止の効果があると考えられています。
・なお、空腹の時間を作ると、「ケトン体」という代謝産物が増加するといわれています。
ケトン体とは、体内の中性脂肪や筋肉が分解されて生み出されるエネルギー源です。ケトン体には活性酸素や炎症から神経細胞を保護してくれる作用があります。
ケトン体も、空腹によって得られるメリットの一つだといえるでしょう。
<空腹力で、がんの原因を取り除く>
<「空腹」は、がんのリスクを遠ざける>
・「空腹の時間を作る」食事法なら、何を食べてもかまわないため、他の方法に比べて継続しやすいといえるのではないでしょうか。
<人間にはもともと、がんを予防するシステムが備わっている>
・私たちの体は、約60兆の細胞からできています。
それらの細胞は日々、分裂を繰り返して生まれ変わっており、細胞が分裂する際には、遺伝子(DNA)が持つ情報にしたがって、正確にコピーされます。
しかし、なんらかの原因でDNAが傷つけられると、細胞のコピーミスが生じて突然変異を起こし、がん細胞が生まれるきっかけとなります。
胃や腸などの臓器の表面部分に傷がつき、その傷が修復される際にミスが発生して、がん細胞が生まれることもあります。
・なおDNAは外部からの刺激や活性酸素などによってさまざまな攻撃を受けており、体内では毎日3000~5000個ものがん細胞が生まれています。
ただ、人間の体にはDNAを修復する酵素があり、傷ついたDNAはすぐに修復されます。
また、DNAが修復不可能な傷を受けた場合、体はすぐその細胞を除去し、がん細胞の発生を防ぎます。これを「アポトーシス」といいます。
もし修復もアポトーシスもきかなかった場合には、全身の血液を駆け巡り、パトロールをしている免疫細胞が、発生したがん細胞をきちんと除去してくれます。
人体は、こうした二重三重の防御システムによって、がんから守られているのですが、DNAへの攻撃回数が増えたり、加齢などにより修復機能やアポトーシス機能、免疫機能が衰えたりすると、生き残るがん細胞が現れます。
<オートファジーによる細胞の修復が発がんリスクを下げる>
・さて、空腹の時間を作ることが、なぜがんの予防につながるかというと、「脂肪を減らし、肥満を解消する」からです。
・特に大腸がん、肝臓がん、胆嚢がん、すい臓がん、子宮がん、腎臓がんなどは影響を受けやすく、肥満が健康に及ぼす害がわかってきました。
同じく日本癌学会の発表では、がんが発生する主要な原因は、たばこ(30%)と肥満(30%)です。
肥満にならないということは、たばこを吸わないことと同じほど重要なのです。
<空腹こそが、がんのさまざまな原因を取り除いてくれる>
・すでにお話ししたように、最後にものを食べてから10時間ほどたつと、脂肪、特に内臓脂肪の分解が始まります。
つまり、まとまった空腹の時間を作ることは、がんの予防にも大きく役立つということになります。
もちろん、空腹は、肝臓がんの原因となる脂肪肝の改善にも効果的です。
・ただ、一つ気をつけなければいけないのが、すでにがん(悪性腫瘍)が体内に発生している場合は、空腹が逆効果になるおそれもある、ということです。
がん細胞には、飢餓状態に陥りやすいという特徴があるため、治療においてはしばしば、がん細胞に栄養が送られないようにする「兵糧攻め」が行われます。
ところが、オートファジーが働くと、自分で栄養を作り出すため、がん細胞が生き残りやすくなってしまうのです。
「空腹の時間を作る」食事法は、あくまでも予防のためであり、すでにがんを発症しているという方は、医師の指示に従うようにしてください。
『やって良かった!1日1食』 病気にならない生き方
<身体は疲れず、仕事は軽く2~3倍>
・少食ブームは終わらない!やってみればわかる、1日1食の効果。長生きしたけりゃ、食べるのを減らしなさい!
・「自然な生き方をすれば、120歳まで生きることができるだろう」これは、古代ギリシャの医聖ヒポクラテスの言葉です。
・ヨガの教えがあります。「一生に食べる食物の量は決まっている」つまり、大飯食らいは、食いおさめが、早くきます。少なく食べる人ほど、長く生きるのです。
・有名なヨガ指導者、沖正弘導師は若い頃インドで。152歳のヨガ行者に出会い、その指導を受けています。
行者の食事は、すべて生菜食で、1日の量は、まさに手のひらに載るほど少量だったのです。私の1日1食の暮しは、このような超人的暮らしには及びませんが、根本はベジタリアンの食事です。すべて自炊で。
・3年以上になりますが、こなせる仕事量が2~3倍になりました。かつて、1日の原稿ノルマは400字詰め、30枚。今は、軽く60~80枚をこなしています。そして、疲れない。1日101枚の最高記録も達成。単行本は1冊4日のペースで書けるようになりました。かつてより頭もシャープになっているんです。
<1日1食で若返ったビートたけし>
・「オイラは1日1食しか食べないよ。朝は野菜ジュースだけ」ビートたけしさんが、さらっと語っています。
・それは「朝起きたらまず、野菜ジュースをタップリ飲んで、その後は晩飯まで何も食わない」「軍団のヤツラやら、付き人を連れて焼き肉を食いにいくこともあるけど、オイラは肉をサンチュに巻いてちょこちょこ食って終わりだよ」「まァオイラは自分のリズムに合うからってことで1日1食にしている……」
たけしさんの知人の話も面白い。「60代になってまるでぜい肉がついていないオイラの知り合いは、いつも『腹3分』にしてるっていってた。常に、食いたい量の4分の1しか腹に入れないんだって」
・カロリー制限すると長寿遺伝子がオンになって、若さを保てる。それはもはやだれもが知っている医学の常識です。
もう一つの理由は禁煙です。
<30年以上、1日1食のタモリ流>
・もう一人の有名な1日1食主義者が、タモリさんです。
「オレ1日1食しか食べない」ギネスブックにも登録された長寿番組「笑っていいとも!」内でのコメント。
・身近な関係者の話によれば、「タモリさんはイグアナ芸でデビューしたときから1日1食」といいます。そして、夜8時を過ぎると一切、食べない」。その節制ぶりに脱帽です。
「その少食主義のライフスタイルを見習って、芸能界にファスティング(断食)が広がっていった」とのことです。
<日曜日は24時間の完全断食>
・「笑っていいとも!」通算8054回のうち欠席したのは、わずか12日。休んだ理由も船舶試験、ゴルフ中の事故など。「風邪などの体調不良で休んだことは一度もない」(テレビ局関係者)。これはスゴイ。「いいとも!」生放送でも「1日3食は食べすぎ」と断言。
・さらに中居さんが尋ねます。「1週間に1回、断食しているんですって?」。これにも、さらっと「完全に24時間食べない!」と涼しい顔で答えている。
<何事にも「感謝」を忘れず>
・タモリさんの生き方で感心することがあります。それは何事にも「感謝する」ことです。
・前著『3日食べなきゃ、7割治る!』(ビジネス社)で、私は、“病気治し”と“健康”の秘訣を5つあげています。
「少食」「笑い」「感謝」「長息」「筋トレ」です。
タモリさんの自然体の芸と若さの秘密は「少食」「笑い」「感謝」で解き明かせます。
<水谷豊も千葉真一も1日1食>
・人気刑事ドラマ「相棒」の水谷豊さんも1日1食主義です。1952年生まれ。65歳。
・アクション俳優の千葉真一さんも若い。1939年生まれの79歳。ハリウッド映画でも活躍。
・驚くべきは年齢とは裏腹の若さ。髪も口ヒゲも黒々として、とても80代目前とは思えない。顔の肌のハリ、ツヤもよく、どうみても50代前半。
・若さの秘密を尋ねられ、即答しています。
「一つは『食べないこと』。正確には1日1食しか食べない。体を飢餓状態にすることで、抗老化遺伝子といわれるサーチュイン遺伝子を目覚めさせ、体の細胞を若返らせているのです」
<芸能界は少食・断食ブーム!?>
・芸能人は、身体と若さが資本です。だから、体調管理には、万全を期すのも当然でしょう。
歌手で俳優でもある福山雅治さんも1日1食だといいます。他にも、女優・藤原紀香さんなどもファスティング指導を受けています。
・その他、意外な顔ぶれが1日1食主義です。
「僕は1日1食しか食べない。だから食べ物には、ものすごくこだわる」(ミュージシャン、GACKT)
「1日1食で若いころの体系を維持、いつでも美剣士ができる」(俳優、京本政樹)
「ピンク・レディーの殺人スケジュールを乗り切ったのも、今もミニでステージに立てるのも、1日1食のおかげ」(タレント、未唯mie)
「年2回ペースで断食。採るのは水と酵素ジュースだけ」(歌手、美川憲一)
「プチ断食を10年以上。野菜果物ジュース約2ℓしか口にしない」(女優、木村多江)
<冴えた状態をつくるには食べないこと>
・作曲家の三枝成彰さん(75歳)も20年ほど前にお会いしたとき、その青年のような若さに驚いたものです。彼も当時から1日1食しか食べない。まさに、文化人の一食主義のさきがけかもしれません。現在の写真も髪は真っ黒で、やはり若々しい。
・「僕たちの場合で言えば、これしかないです。食べれば眠くなるし、頭がボケる」「太りたくないという最大の要因は、もしかしたらそれかもしれない。事実、太っているときに書いた曲って、よくないんだよね」
<活躍の源はファスティングパワー>
・女子プロゴルファーの横峯さくらさん。「活躍を支えた食事」とさくらパパこと横峯良郎氏は証言します。
「スタミナ・持久力となると、これは肉食じゃダメなんだよ。なぜかというと、脂っこいものは消化エネルギーをたくさん使ってしまうから、それだけスタミナをとられてしまうわけ。だから、トーナメントウィークにさくらは一切、肉類は口にしない。代わりにタンパク源は納豆、豆腐、魚から摂るようにしている。それだけじゃないぞ。主食の米は発芽玄米だ。これはね、腹持ちもいいし、ビタミンBとマグネシウムが豊富だから、筋肉を動かすためには必要な栄養が豊富に入っている」
・大リーガー、シカゴ・カブスのダルビッシュ有投手も「超節制アスリート食事術」で知られます。「食事も鶏肉中心に、雑穀米やゆで卵をとるなどストイックに制限。甘いものは大好きなのに一切食べない。味は二の次。家では、栄養学や生理学の本を読んでいて、その姿は“健康マニア”ですよ」
・アスリートで断食実践派は多いのです。陸上の為末大選手も、「ヒザ痛を治すため断食。頭がすっきりし、感覚も研ぎ澄まされ、病み付きになり、年一度1~3日ほど断食する」といいます。
・プロ野球の常勝軍団ジャイアンツは球団丸ごとファスティング指導を受けているという事実も驚きです。さらに横綱・白鵬も厳密な食事指導をして優勝を重ねているのです。
まさに、食を制するものは、人生を制するといえます。
<煙草、酒、焼き肉、暴力………松田優作>
・このように俳優や文化人で、若さを保っている人に共通するのは、少食であること、断食を実行していることです。逆に暴飲暴食の俳優は、命を縮めているようです。
たとえば、私と同年輩の松田優作さん。
・享年40という若さでした。彼は生前からヘビースモーカーで、常にウォッカのボトルを抱いて、ラッパ飲み。「肉食おう!」が口癖だった。それに、口より先に拳が飛んだ。煙草と酒と焼き肉と暴力………。
<「食べ間違い」は「生き間違い」>
<長年の持病が消えた!>
・「食」という漢字は「人」を「良」くする、と読めます。「良く生きる」ことは「良く食べる」ことです。逆に言えば「食べ間違い」は「生き間違い」となります。
・なお、ひと言に「断食」といっても「1日1食」「半日断食」「水だけ断食」から本格的な長期間断食までさまざまです。本書では、これらを総称して「断食(ファスティング)」と表記しています。
<素晴らしい1日1食!「効能」16大ポイント>
<持病がいつの間にか消えていく>
- 持病が消えていく
糖尿病など、長年の悩みの種の病気が、ウソのように消えていきます。万病は、身体の中にたまった毒素(体毒)で起こります。ファスティングの排毒効果で病気が消えていくのです。
- 病気にかかりにくくなる
「風邪を引かなくなった」「インフルエンザにもかからない」
そんな体験者もいます。1日1食で体毒を速やかに排出するので、病気を寄せつけなくなるのです。
- 身体が軽くなる
体験者が皆、口を揃えていいます。だから、朝も寝起きがよくなり、床離れよく、でもサッサと率先して動けるようになります。
- 疲れにくくなる
身体が軽いので仕事をしていても疲れない。私は6時間くらいぶっ通しで原稿を書いても平気です。気づいたら、それくらい時間が経っているのです。
- 睡眠時間が短くなる
これも1日1食で、皆、体感することです。ただし、夜10時には布団に入りたい。10時から夜中の2時の間は生命が入れ替わるゴールデンタイムだそうです。寝つきもよくなります。そして朝4時頃にピタリと目覚めます。それから仕事をするので、1日がじつに有意義に使えます。
- 肌が若返る
これはファスティングによるデトックス効果です。知らないうちに、体内にさまざまな毒素がたまっているのですが。これらを排出します。「肌は内臓の鏡」ともいわれます。身体がきれいに浄化されると、肌もきれいになるのです。女性の場合、皆から「きれいになった!」「若くなった!」といわれます。
- 頭が冴えてくる
これも体験者が口々にいいます。脳内のデトックス効果によるものでしょう。記憶力、直感力などが冴えてくるのです。
- 仕事がはかどる
身体が軽く、疲れにくく、頭が冴えるのだから、当然です。企業なども社内でファスティングや1日1食などを指導すれば、それだけ従業員は健康になり、医療費も節約でき、生産性も上がるのです。
- 生き方が前向きになる
食べ過ぎで身体が重いときは、何事にも億劫になります。しかし、心身ともに軽くなると、あれこれ考える前に身体が動くようになります。それまで嫌だったことが、嫌でなくなり、楽しくなるのです。
- 身体が引き締まる
1日1食で、確実にダイエットは成功します。それも、余計な部分が落ちて、健康的なプロポ-ションになります。「ヒップアップした」という女性もいます。
- 不妊症が治る
「まさか!」と思われるでしょうが本当です。「空腹感」は生殖能力のスイッチをオンするのです。「貧乏人の子だくさん」とは、カロリー制限するほど、子宝に恵まれることの証明です。昔から「痩せの絶倫」といわれます。SEXも驚くほど強壮になることを保証します。
- 寿命が延びる
カロリー制限で長寿遺伝子がオンになるのです。だから、当たり前です。世界の秘境の長寿村では150歳とか160歳の超老人もいるそうです。人間の寿命の可能性は、私たちの想像をはるかに超えているのかもしれません。
- 食費が3分の1
朝・昼・晩で各々500円をかけていたとします。朝昼抜いて1日1食にすると、1000円の節約になります。「つもり貯金」で貯金箱にチャリンと入れる習慣をつけましょう!
- 買い物、料理も楽
買い物の量も料理の手間も、3分の1になります。お茶碗を洗うのも3分の1で済む。お金だけでなく、家事からも解放されるのです。空いた時間を、趣味や運動などを有意義に活用しましょう。
- 趣味を楽しめる
浮いた食費を趣味に回せば、存分に温泉旅行や海外旅行、さらに絵画教室など、好きな趣味を存分に楽しみましょう。
- 感性が豊かになる
デトックス効果で直感力が増し、何事にも深く感動する感性が磨かれます。それは、芸術や創作、学問、哲学などに深い啓示を与えて、人間性の幅と奥行きを広げ、人生を豊かにしてくれるんです。
以上、16大メリットを体感して理解する人たちが続出しています。
講演会などで「1日1食、やっている方?」と尋ねると、100人中7~8人の手があがります。
<激しい運動でも心配なし>
<―—体験者の声❶極真空手の師範代>
<ためしてみました、超快調!>
・一人目の証言者。廣岡雅弘さん【36歳、身長178センチ、体重58キロ】は、極真空手の師範代。フルコンタクト(直接攻撃)の極真空手を20歳のときからやっています。
・『3日食べなきゃ、7割治る!』がファスティング開眼のきっかけになったそうで、久しぶりに会って、肌が驚くほどきれいになっていることにビックリ。断食のデトックス効果を目の当たりにしました。彼の体験は、初心者の方に大いに役立つでしょう。
<自宅で1週間断食にチャレンジ>
廣岡:1日1食にしたのは、5月末くらい、それまで、2食でした。今は1週間の断食明けです。始めたきっかけは『3日たべなきゃ、7割治る!』で、「これはやってみよう!」と。この本はバイブルです。この本をきっかけに甲田光雄先生を知り、またそれをきっかけに1日青汁1杯の森美智子さんに、昨日お会いしてきたばかりです。
・1週間の断食にチャレンジしてみました。体調の変化は、最初はつらかったけど、終わってからものすごく身体が軽くなった。すごく頭がスッキリしましたね。あと、肌が若返りました。
・肌が本当にきれいになりましたネ。女性だったら、もっときれいになると思いますよ(笑)
いかに知らないうちに毒をためているか。自分では1日2食、玄米などを食べて気をつけていたけど、やっぱり脂肪などに毒がたまっていたんですね。断食じゃないと落ちないみたいですね。本当にデトックス効果だと思います。やってみてわかりました。まわりの人もびっくりしてました。3日断食でも肌はきれいになったけど、1週間断食の後は、より実感しましたね。
<梅干し、野菜ジュース、すまし汁>
・断食は、すべて自宅でやりました。口にしたのは、朝昼晩で梅干しと野菜ジュースとすまし汁とみそ汁(具なし)の4種類だけ。
<不思議と直感が冴える>
・僕はとくに持病などはなかったです。ただ、身体が軽くなった。頭がスッキリした。そして、不思議と直感が冴えるようになりました。
・「食べなくて体力持つの?」と心配する方へ、廣岡さんのような「空手」の師範代でも、断食をしているほうが身体が軽いといいます。激しい運動をするスポーツ選手ほど、本当は食べてはいけないのです。プロレスラーの力道山は試合前日から一切、食べなかったのは知る人ぞ知るエピソードです。「食べると力が出ない」が理由でした。
断食のスタミナ効果は、ボクシング選手が一番よく知っているはずです。厳しい減量で、試合前はまさに断食状態。それで厳しいトレーニングを重ねて臨み、10ラウンド以上の打ち合いの死闘を繰り広げるのです。断食中はスタミナがなくなるどころか、逆にパワーアップするようなのです。
<30年来の痛風も鎮まった>
<―—体験者の声❷タクシードライバー>
<セカンドライフを満喫中だけど肥満気味………>
・林政朗さん【67歳、175センチ、77.8キロ】は、私の大学時代の先輩。柔道同好会で鍛えた4段の腕前。
・それまでは酒に強く、交際好きで、体重は84.8キロと肥満気味。おまけに30年来の痛風にも悩まされてきました。そこで、2014年4月、私との面会を機に、1日1食のファスティングを決意。その結果は、なんと約1カ月で5キロの減量成功!長いお付き合いの痛風も発作なし、このまま自然に消えていきそうです。
<「食べないと筋肉が落ちる」はウソだった>
<―—体験者の声❸ボディビルダー>
<少食なのに筋肉隆々のボディ>
・田中裕規さん【53歳、身長163センチ、体重56キロ】はファスティングのインストラクターで、西新宿の新宿パークタワー30階に事務所を構える「ナチュラルラボ」の代表者。
ファスティングを指導するからには、自らも極限まで体験しなければということで14日間断食を実行したそうです。ダイエットから健康管理まで、企業などの団体指導も行なっています。
・田中:ふだんは筋トレするので、朝、6時過ぎくらいに軽く食べます。お昼の1時頃には、酵素玄米を食べます。あとは納豆やテンペなど大豆食品が多いですね。それからブロッコリー、アスパラを生で食べます。
・トレーニングする日は、朝6時前に小さいお握り1個とバナナだけ。ウェートを上げるのに炭水化物をとっておかないと、身体が重さに耐えられない。カーボニング(炭水化物補給)ですね。トレーニングは1時間半から2時間くらいに行ないます。お昼は終わった後にガッツり食べて、夜はほとんど食べない。これがふだんのペース。だから、1日1.2食から1.5食といったところですね。
<毎日、仕事をしながら41日間断食>
(田中):2年前くらいから始めました。もともとファスティングに興味があって、一番長いときには、41日間、断食をしたことがあります。2013年10月から11月10日までです。
私はもともと断食を教えるのが仕事でした。だから、教える立場の人間がやっているメソッドじゃないと、お客さんに対しての説得力がないと思いました。41日間も、毎日仕事しながらウェート・トレーニングもやったりして、ふつうの生活を送っていました。
・そのときで13キロくらい落ちましたね。68キロから55.6キロですね。以前から、5日~10日くらいのファスティングをやっていましたから、まわりも「また、やってんの? 今回は長いね」くらいの感覚です(笑)。
<食の乱れから家族を守るため>
<背中ニキビ、鼻炎も完治した>
(田中):私は、もともと子供の頃から、犬・猫によるハウスダスト、鼻炎、いろいろなアレルギーがありました。そして、ずっと背中ニキビがひどくて、成人してからも悩みの種でしたが、ファスティングを始めたら、それらがピタリと治りました。鼻炎もない。鼻炎は手術まで考えていたのに、です。
<デトックス効果はすごいね。食費も3食食べてた頃より安くなるでしょう>
・超少食でも筋肉隆々、ボディビルダーの田中さんは、ほぼ1日1食の超少食なのに、筋肉隆々としています。このことからも「断食すると筋肉が落ちる」というのは迷信だということがわかります。