『歪む社会』 歴史修正主義の台頭と虚妄の愛国に抗う
<この社会は、なぜ歪んでしまったのか?誰が歪めてしまったのか?そして、この歪んだ社会で、私たちは何ができるのか?>
・本書は、ジャーナリストの安田浩一さんと倉橋が、現代日本の「右派現象」をめぐって、お互いの視角から検証することを目的として、時間を共有した記録である。
<「良書を出しているからヘイト本を出してもよい」の論理>
・(倉橋)じつは、僕の知人が同社から学術書を出していて、担当編集者から内部の事情を耳にしたそうなのですが、ネトウヨ本の刊行については社内で大もめだったそうです。
・(安田)雑誌の話をすこしします。一時期、ネット右翼的な記事が増えました。中国を叩いたり韓国を叩いたりするような記事です。そのときに週刊誌の編集者に聞いた話によれば、「コストパフィーマンスがよい」とのことでした。なるほど、と僕は思いました。
まず、週刊誌の事件記事が読まれなくなっている。さらに、事件の取材には多くの取材費を必要とする。取材したからといって、記事になるような成果があがるとはかぎらない。他方、嫌中や嫌韓の記事は、あまり経費がかからない。記事のストーリーはネットから拾ってくる。ストーリーに識者のコメントをつける場合も、電話取材で済む。ほぼ取材などなしで、こうして一本の記事ができてしまいます。
手軽に書かれた記事の内容が嫌中や嫌韓などのヘイトや歴史修正主義的なものだと、そこそこの反応が読者から得られます。おそらく、書籍でも同じようなことが言えるのではありませんか。
先ほど倉橋さんが、僕が新書『「右翼」の戦後史』を書いているときに、講談社の校閲がめちゃくちゃ厳しかった話をしてくれました。時代考証や事実確認が徹底的におこなわれ、たとえば天気について書くと「本当にその日がその天気だったのか」という確認を求められたりしました。
・もちろん編集者それぞれの個性があるので、どこまで校閲をするのかという基準はいろいろなケースがあります。そもそも、ケントの本はノンフィクションとは認識されておらず、娯楽読物という扱いだと思われるので、厳しい校閲がなかったとしてもうなずける話ではあります。
・僕が書いているノンフィクションのようにコストをかけてもたいして売れないものと、ケントの本のようにコストをかけずに十万単位で売れる本があります。出版社も商売ですから、内容が歴史修正主義であろうがヘイトであろうが、効率よく儲かる後者の本を出したくなるのは当然の流れなのかもしれません。もちろん、その流れに乗った場合、ほかにどれほど質のよい本を刊行していても、「あの大手出版社がヘイト本やネトウヨ本を出した」と指摘されてしまうことになるわけですが、それも覚悟のうえのことなのでしょう。
・この大手出版社の給与水準を維持するためには、それなりの利益を確保する必要がある。だから、大手の編集者はこういう言いわけを僕に言ったりします。少部数のよい本を出すために、たくさん売れるヘイト本やネトウヨ本を出さざるをえない、と。
それは違う話だと思います。ヘイト本やネトウヨ本を出す理由は、良書を出すためではなく、自分らの生活を維持するため。百歩譲って、良書を出すためにヘイト本やネトウヨ本を出しているとしても、そのことによって差別や偏見が煽られるのであれば、情報を発信して文化を先導するという出版社の本来の役割を放棄したことになります。
・ちなみに、大手出版社が良質な本をたくさん出していることも事実です。一方で、青林堂のように過激なかたちで差別や偏見を助長してしまうような本を出しているのも事実。ただ、どれほどよい本を出していても影響力を考えれば、ヘイトへの加担など許されるわけがない。
・(倉橋)大手出版社の本は、それがどんな本であっても「大手から出ている」という部分において、読者に対する説得力を持ってしまう。その点は、押さえておくべきかもしれません。ようするに、ネームバリューと権威性です。本当の姿は別にして、なんとなく理性的なメディアだと思われがちでもある。
ヘイト本やネトウヨ本であっても、大手出版社のネームバリューによって書店の書棚に平積みされ、公共図書館に所蔵されるようなケースは、確実に増えているように思えます。
<情報が欠乏した部分に入り込む「気づき」と「発見」>
・(倉橋)今後、研究を深めようと思っているのが、自己啓発系やビジネス系、そしてスピリチュアル系の出版社とネット右翼的な刊行物との関係です。
(安田)スピリチュアル系とネット右翼の関係性。スピリチュアル系の雑誌で有名なのが『ムー』ですが、元在特会の桜井誠は『ムー』の愛読者であったことを公言していますね。
(倉橋)「ムー」から発信された「サムシング・グレート」という言葉が、日本会議系の公民教科書に掲載されていることは、すでに6章で述べました。
たとえば、「いま自分の調子はよいのだろうか?」と思ったときに占いの本を読む。そのときには、ある種の「自己管理のテクノロジー」として占いが使われているのかもしれません。また、「自分をよりよく高めるためには、どうしたらよいのか?」と思ったときに、自己啓発の本を読んで自己管理をするのも同様です。
占いも自己啓発も、読んだ本と自分との一対一の関係で成立します。僕が疑問に思うのは、そこになぜ国家とか歴史とかが関係してくるのかという点です。それも、右派的あるいは歴史修正主義的な視点や排外主義的な視点を採用したうえで、なぜ占い系やスピリチュアル系の出版社がネトウヨ本を出すのか。
・(安田)僕が取材で気づいたことですが、街頭に出てデモに参加するような、アクティブなネット右翼について言えば、陰謀論を信じきってしまうような人も少なくないように見えます。自我を保つための一つの手段として、スピリチュアル系の本を読んだりする可能性はあるでしょう。
陰謀論とスピリチュアルには親和性があります。ネット右翼とは、基本的に陰謀論の信者だと僕は思っています。
・ちょっと脱線しますが、僕は「田布施システム」という陰謀論の取材をしました。田布施システムが日本を支配しているとして、鬼塚英昭が『日本のいちばん醜い日』)成甲書房、2007年)で展開した議論を、最近になって三宅洋平が選挙で取りあげたものです。田布施システムの概要は以下となります。
田布施というのは土地の名前です(山口県熊毛郡田布施町)。この町は、岸信介と佐藤栄作という二人の首相を出しています。現在の首相である安倍晋三もその系譜に含まれる。さらに明治維新の伊藤博文と日本共産党の宮本顕治、大正時代のテロリストの難波大助、終戦直前の外務大臣松岡洋右らも田布施の周辺、というか田布施を中心とした地域で出生しています。つまり、田布施やその付近で生まれた人によって、日本は動いているというわけです。
そして、伊藤博文の陰謀で孝明天皇が殺され、同天皇の実子は田布施出身の若者にすり替えられ、その若者が明治天皇を名乗った。それ以来、明治天皇が前述の田布施もしくはその周辺の出身者を国の中枢に据えることで、田布施システムを作りあげた。そのシステムは、じつはロスチャイルド家などのユダヤ資本に支配されている。つまり、日本は田布施システムを通して、ユダヤ資本に支配されつづけて、現状に至っている。くわえて、田布施はもともと渡来人の土地なので、以上で取りあげた人びとを含め田布施出身者はすべて朝鮮人である……。
・概要は以上です。あまりに荒唐無稽な話であったので、市役所や郷土史家、地元の人びとの話を聞くため、僕は取材で田布施を訪れました。話を聞いたほとんどの人が、田布施システムについて知っていました。信じているかどうかは別の話です。
・で、このシステムを信じている人は、ネトウヨにもリベラル派にも存在します。リベラル派では、前述の三宅洋平が典型で、彼は2013年に緑の党推薦で参院選に立候補しましたが、そのとき田布施システムの打倒を訴えていました。原発の利権もTPPの利権も、田布施システムが原因で発生していると言うのです。一方、右派で田布施システムを信じる人の場合は、「朝鮮人が日本を支配している」という文脈のなかで、同システムが朝鮮人の天下を作ったと考えるわけです。
・(倉橋)あと、田布施システムの話を聞いていて思いだしたのが、〇〇年以降にアニメやライトノベル、漫画などのサブカルチャーで流行った「セカイ系」です。
・ふたたび自己啓発系やビジネス系、そしてスピリチュアル系の出版社とネット右翼的な刊行物との関係に話を戻します。
自己啓発系の出版社は、評価がむずかしいところがあります。とはいえ、少なくとも自己啓発系の書籍に国家や歴史の話が出てくる場合は、新自由主義やグローバリゼーションと関わりがあるような気がしています。
・(安田)いずれにすても、いま取りあげたようなそれらの出版社がネトウヨ本を刊行し、それが読者に受け入れられる土壌を作ったことについては、ネットの役割が大きかったと思わざるをえません。
たとえば、前述の田布施システムなどは、バカバカしい話だと思っていますが、意外なほどに信じている人は少なくない。僕は取材でそう感じました。明治維新はいろいろあった。正史に出てこない部分もあるのだろう。本当の答えは何か。答えを求める人が出てきてもおかしくはありません。答えが出てくれば安心できます。たとえそれが陰謀論であっても。
そう考えると、ネット右翼の人たちは、荒唐無稽なネット出自の陰謀論に、そして安易かつ安直な答えに飛びついてしまった人たちなのではないか、と思うこともあります。
(倉橋)情報が欠乏しているところと情報が発信されているところを、検証抜きにして、安直に結びつけてしまう。発信される情報が陰謀論で、その情報が欠乏しているものであった場合、検証されずにぴたっとはまり、「発見」したり「気づき」をもたらしたりするでしょう。
<歴史修正主義と日本の政治>
・(倉橋)小泉政権時の03年に自民党は、比例単独候補の73歳定年制という決まりを作りました。この決まりによって、その後、比較的ハト派が多いとされる戦争を知る世代の議員が現職から去っていくことになります。そして、自民党の古参議員が定年で去った前後には、派閥にこだわらない党人事の掌握と、「小泉チルドレン」に象徴されるような、時どきの領袖に従順なイエスマンを新人議員として数多く公認しました。その結果、経世会は一気に衰退します。
・では、これまで語ってきた自民党の歩みと歴史修正主義はどのようにつながっていくのか。さまざまな目的で結成される議員連盟の立ち上がり方を注視すると、そのつながりの一端がわかると思います。
・この議連の事務局長代理に、議員1年生だった安倍晋三が抜擢されています。安倍はその後、奥野の意志を継ぐようにして、「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の中心メンバーになったり、日本会議を支援する目的の「日本会議国会議員懇談会」に関わるなど、タカ派の色を濃くしていきます。
安倍は、タカ派の歴史観を奥野ら重鎮から「英才教育」され、仲間を増やして力をつけ、前述したようにイエスマンの新人を公認して自分の主義・主張に文句を言えない議員を仲間に集め、現在に至っているように思います。
<右派のエポックとしての1997年>
・たとえば野中広務。僕が「なぜ野中さんは、沖縄にこだわっているのですか」と質問したところ、彼はこう答えました。野中は京都出身なのですが、沖縄戦では京都出身者がたくさん亡くなっています。その慰霊塔を建てるため、53年に初めて彼は沖縄に足を運びます。那覇空港からタクシーで嘉数の丘に向かいました。この丘は激戦地の一つで、普天間を見下ろすことができます。
嘉数の丘に到着する直前に、タクシーが急に止まったそうです。野中が運転手に「どうして、ここで止めるんですか?」とたずねると、運転手は「ひさしぶりにここに来ました。じつは、この場所で私の妹が死んだのです」と言って手を合せている。野中も一緒に手を合わせました、そして野中は、「激戦地でしたからね。あなたの妹さんは米軍に殺されたのですね」と運転手に言うと、「いいえ、私の妹を殺したのは日本軍です」という答えが返ってきた。
このことに野中は強いショックを受けます。沖縄戦の犠牲者には、米軍に殺された人だけでなく、日本軍に殺された人もいるということを知ったからです。「それ以来、日本人の責任として、私は沖縄に関わりつづけなければならない、と考えるようになった」と野中は僕に言いました。
・(倉橋)自民党がネット戦略に乗りだしたのは、小泉政権でメディア対策を担当した世耕弘成議員が戦略チームに就いてからだと言われています。
05年の郵政選挙時、有権者はあまり郵政民営化に興味を持っていなかったわけですが、自民党は「郵政民営化TVキャラバン」をおこない、物量重視の広報戦略を採用しました。しかし、この間の広告産業とのずぶずぶの関係、既出の「B層」という呼び方、タウンミーティングのやらせ、高額の内閣・政府広報費の問題が野党議員から批判をされます。
このころから、世耕が戦略チームとともに自民党の広報を立てなおし、テレビ出演者の選定を精緻化させていく。そして、自民党が民主党から政権を奪取した翌年13年のネット選挙解禁で、現在の広報戦略の手法が確立されていく。
<リベラル派与党議員の「いまは官邸に抗えない」という声>
・(倉橋)2018年8月29日の「日刊ゲンダイDIGITAL」が報じていますが、18年の自民党総裁選を前にして安倍晋三を礼賛するような本が数多く書店に並べられています。前回の総裁選でも、同じことが起きていました。
昔の自民党であれば、内閣官房機密費を使って、年間数百万円を支払ったうえで、御用学者や御用ジャーナリストに政治家の礼賛本や政権擁護の記事を書かせるというようなことを平気でやっていました。それがいまもやられているのかどうかは、よくわかりませんが、やっていなければ、書店に礼賛本が並ぶようなことはありませんよね。でも、最近のほうがメディア戦略がソフィスティケートされているようにも感じます。
<歴史を否定する人びとにどう抗っていくか>
・(倉橋)さて、歴史修正主義的な言説を垂れながらネット右翼や保守系、そして右派の人びとについて、また彼らがいかに歴史を歪め、人を排除しているのかについて議論してきました。では、僕らは彼らに、どう抗っていけばいいのでしょうか。
・メディアに関しては、これまで議論してきたように歴史修正主義的な言説や排外主義的な言説が、ビジネスのツールとして成立してしまっている現状があります。テレビも書籍も新聞も、ネット右翼的なコンテンツを望むユーザーを対象にしたビジネスが、もはや大手を振っておこなわれはじめています。
・(倉橋)たとえば、ケント・ギルバートのヘイト本のように、論拠が不明な言いたい放題の本があったら、その毒味役を担当することなどもできるかもしれない。少なくとも論拠の怪しさはわかる。その結果や検証の仕方を、学生や一般の社会に発表していくことは大事です。学術の基礎さえあれば十分に歴史修正主義と戦えるのです。
・いずれにせよ、本書で述べてきたように、歴史修正主義・ネット右翼・保守の言説は社会を飲みこむ勢いであることを認識し、リベラル・左派の人びとは、正しい認識のもとに対抗しうるアイディアを蓄積していく必要があると思っています。
<移民国家>
・2018年末、私は各地の外国人労働者集結地域を回っていた。その少し前に、外国人労働者の受けいれ拡大を狙いとする改正入管法が国会で成立したばかりだった。
政府は政財界の要望に応えるかたちで、新しい在留資格を設け、単純労働分野における“働き手不足”への対処をはかった。事実上、移民国家へと舵を切ったことになる。
この動きを、いま日本で働いている外国人がどのように受けとめているのか。それが取材の目的だった。
外国人労働者の支援組織が運営する岐阜県内の“シェルター”では、さまざまな事情で職場から逃げてきた14名の技能実習生が生活していた。中国、ベトナム、カンボジア、フィリピンなどから来日した実習生たちは、口をそろえて訴えた。「まずは私たちを人間として扱ってほしい」
・彼女の友人は、妊娠したことを告げただけで、派遣会社から契約を打ち切られた。別の友人は上司からのセクハラに抗議しただけで解雇された。
「日本人であればあり得ないことだが、外国人の間では当たり前のように起きています。差別だと訴えても、区別しただけだと返される。嫌なら国へ帰ればいいのだと諭される。どんなに長く住み続けても、受け入れてもらえないのだなあと実感することが多い」
これが“おもてなし”の国の内実である。望まれているのは、永住を前提としない安価な労働力でしかない。生身の人間が日本社会の新たな構成員となることなど、政府も経済界も考えてはいない。そもそも労働力を増やすことに躍起となっても、政府は一貫して「移民」の存在を認めようとしないのだ。外国人労働者は単なる雇用の調整弁だ。
99%の人が知らない
『この世界の秘密』 <彼ら>にだまされるな!
<政治・メディアの世界における<彼ら>の暗躍>
<日本の政治は完全に終っている>
・これから先、日本はTPP解禁と、原発行政のあと戻り、憲法改悪などによる右傾化、消費増税をふくめた国民の財産没収、さまざまな領域のお金(郵貯など)の簒奪、医学界の保守的な流れへの逆行、歪められた児童福祉など、さらに崩壊の度合いを深めていくことだろう。
・もはや政治に期待する時代は、完全に、100パーセント完全に終わった。しかし、日本と同じような道をたどっていた米国では、ここ最近<彼ら>に反発する市民たちの活動が激化しており、裏では熾烈な情報戦が繰り広げられている。日本は完全に立ち遅れているが、将来的には米国と同じ段階に入っていくかもしれない。これもまた、<彼ら>は計算づくなのだろう。
<知られざる自民党のルーツ>
・1955年、「天の声解散」を受けての第27回衆議院議員総選挙で、当時の自由党・日本民主党による保守合同の気運が高まった。そのとい緒方竹虎という男が積極的に推進し、自由民主党は結党された。その後、米国立公文書記録管理局が当時の文書を公開。CIAが緒方を支援するために積極的な工作を行っていたことが明らかになった。すべては公式な記録として残っている。
<日本を操る<彼ら>の手先「田布施」の人々とは>
・日本が貶められてきた歴史を追うとき、あなた方は「田布施」について知る必要がある。田布施については、太田龍や鬼塚英昭らの著書にも言及がある。
・「田布施」とはすなわち、長州藩(山口県)の旧・田布施町のことである。まずはこの町の出身者を列記してみよう。伊藤博文、木戸幸一、宮本顕治、河上肇、難波大助、松岡洋右、安倍源基(終戦時の内務大臣)、賀屋興宣……つまり、明治維新で活躍した人々ばかりである。岸信介(安倍晋三の祖父)、佐藤栄作、そして安倍晋三は、この田布施の末裔といわれているが、山口出身の首相が多いのは決して偶然ではない。
・大室寅之祐という人物も有名な田布施出身者であるという。彼は「明治天皇すり替え説」のキーパーソンなのだが、一方でそれを否定する説もあり、一市民である私には真相がわからない。
・長州藩だけでなく、薩摩藩(鹿児島県)にも田布施という地名がある。明治維新の中核となったのはまさに長州と薩摩だが、これももちろん偶然ではない。
小泉純一郎元首相の父・純也は、鹿児島の田布施出身といわれている。純也は上京して小泉又次郎というヤクザ(刺青大臣といわれた)の婿養子となって「小泉姓」を名乗り、日本国籍を取得したといわれている。
・小泉純一郎と、そのあとを継いだ安倍晋三、いずれも田布施出身であることは決して偶然ではない。小泉純一郎が北朝鮮問題にかかわったことや、そのとき安倍晋三がどんなポストについていたかも偶然ではない。
・はたしてこれらの情報は真実なのか、過去をさかのぼっても、仮に当事者を問いつめることができても答えは出てこないだろう。その後に起こったことと照らし合わせて、自分で考えるほかないのだ。だからこそ、策謀に関する話は信憑性がないといわれるのだが、それでもやはり「子ども心」で考えねば、真実は見つからないだろう。
<これだけ違う「清話会」と「経世会」>
・ここで自民党の二大派閥、「清話会」と「経世会」に着目しよう。代表的な清話会系の政治家は、福田孟赳夫=小泉純一郎=安倍晋三らである。対して経世会系は、田中角栄=竹下昇=橋本龍太郎=小渕恵三らである。
両者の違いをきわめて簡単にいうと、清話会は米国の手下、経世会は日本独立やアジア外交重視の人たちである。ここに緒方竹虎から続く、自民党とCIAの癒着の歴史が関係している。清話会は米国に有利な政策を遂行し、その報酬としてCIAからカネをもらい、勢力を伸ばしてきた。大手マスコミは一切報道しないが、岸信介がCIAに雇われたエージェントだったことは、後年になって情報公開された米国務省、米国立公文書記録管理局の資料から明らかになっている。
一方の経世会は、米国だけでなく、ヨーロッパやアジアとの関係も強化していこうという考え方だ。田中角栄などはまさにその代表である。
両者を比較するには、首相経験者の末路を追うとよい。その差は一目瞭然である。清話会はみな長生きで、政権も安定していた。一方、経世会はこんな具合だ。
・橋本龍太郎………1億円ヤミ献金事件で政界引退。68歳で死去。
・政治家なら誰もが金まみれなのは当然だが、金丸信も鈴木宗男も、小沢一郎も経世会である。これほどわかりやすい例もないだろう。これらの起訴は東京地検特捜部によって行われているが、この特捜部の前身が「隠匿退蔵物資事件捜査部」(米軍占領前に隠した資産などを探し、摘発する部署)であり、地検のキャリアはみなCIAの教育を受けいれていることが公式に明らかになっている。
結局のところ米国、つまり<彼ら>の支配を受け入れる者しか、この国では活躍できないようになっている。小泉純一郎は首相時代、米国のポチとして徹底的なまでに日本を売り渡し、徹底的なまでに格差を助長した。安倍晋三首相もその系譜をたどっているにすぎず、保守と呼ぶのもおこがましい。
ここでもはっきりいっておくが、私には応援している政治家などはひとりもいない。
<まだある「グーミン」をつくり出す仕掛けワナ>
・韓国といえばパチンコもやり玉に挙がっている。パチンコは日本人を精神的にも金銭的にも破壊するだけでなく、パチンコマネーは政官財をも汚染し、在日優遇の法整備をあと押ししている。健全な市民生活をそこなうという理由で、韓国・北朝鮮ではパチンコが法的に禁止されているが、日本では野放しであるだけでなく、利益の多くが韓国・北朝鮮へ流れている。
これも<彼ら>の作戦のひとつにすぎない。日本という国を、日本人以外や、日本人でありながら日本への誇りを少しも持っていない人々に操らせる。<彼ら>に魂を売り渡している人を懐柔し、手のひらの上で転がすのが、これまで述べてきたように<彼ら>のやり方なのだ。
・パチンコに類する娯楽産業は、戦前の日本にはなかった。パチンコの撤廃は「日本再生」のためにも不可欠だろうが、日本人の多くがパチンコ依存症のグーミンである現在、期待するのはきわめて困難である。
・世界最大の広告代理店「電通」の問題も多くの書物で語られており、今さら本書で語るほどではないが、基本的なことだけ触れておく。
電通について追っていくときは、1930年代に進められたユダヤ難民の移住計画、「河豚計画」を分析しなければならない。計画自体は途中で頓挫したが、そのときに人脈が電通につながっているとされる。
1901年に設立された電通は、里見甫率いる里見機関や軍部とつながり、軍の特殊機関として機能していた。里見は「アヘンのドン」ともいわれ、中国や満州でアヘンを売買し、巨万の富を築いた人物である。アヘンを売買することができたのは、もちろん<彼ら>とのつながりがあったからこそである。
電通は里見だけでなく、児玉誉士夫、笹川良一、岸信介とも密接に関係している。私は、祖父が里見と非常に関係の深かった人物を知っているため、かなり正確な情報をいただいている。今や電通は日本のメディアや芸能界を支配しているといっても過言でなく、芸能界を中心にドラッグ文化が広まっていることとも当然密接な関係がある。
<「竹内文書」に見る日本の真相>
・そこに書かれているのは、常識を覆す歴史の記録である。くわしい内容は高坂和導氏の著書などを参照していただきたいが、かいつまんでいうと、天皇家がほかの天体から宇宙船で地球にやって来たこと、日本に世界政府が置かれ、天皇が世界を統一していたこと、日本から世界へ散っていったのが、それぞれ肌の色が違う5つの人種であること、その子孫から、モーゼ、イエス、マホメット、釈迦、孔子、孟子などの聖人が生まれ、彼らが日本で修行していたこと、などである。
・考古学や歴史学を裏側から見て、オーパーツなどの謎を解こうと調べていくと、『竹内文書』に書かれているのと同じような逸話が世界各地に残されているからだ。こんなことは、専門家でなくともちょっと調べればわかる。
<日本語とヘブライ語の「奇妙な一致」>
・また、『竹内文書』の原典に記された神代文字は400種ほどあるらしいが、研究家の竹田日恵氏によれば、現在、世界各国で使われている文字のほとんどは、神代文字から派生したものだという。古代エジプトや、中東ヒッタイトの象形文字から、ヘブライ文字、ハングル文字、果ては、ABCのアルファベットに至るまで、世界のすべての表音文字の原点が、実は日本の神代文字にあるというのだ。
・よってムーについては、神智学の書物であるヘレバ・P・ブラヴァツキーの『シークレット・ドクトリン』(宇宙パブリッシング)までさかのぼって学ぶ必要がある。そして、それをさらにさかのぼっていくと、『形成の書』につきあたることになる。
ブラヴァツキーもフリーメイソンに多大な影響を受けており、彼女の話をそのまま信じることはできない。だが<彼ら>や<彼ら>の仲間であっても、部分的に真実を語ることはある。このことは基本的な考え方として重要である。フリーメイソンに多大な影響を受けていたからこそ、いくつかの真実を知っていたのであろうと我々は考えればよい。
<●●インターネット情報から●●>
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説から。
(経世会 けいせいかい)
自由民主党・竹下派の名称。1985年(昭和60)、田中角栄(たなかかくえい)を領袖(りょうしゅう)とする田中派内で創政会(1986年解散)として旗揚げし、1987年7月に結成した。同年11月に会長の竹下登(たけしたのぼる)が首相に就任したが、リクルート事件にからみ、わずか1年半で退陣。その後元副総理の金丸信(かねまるしん)が会長に就き、宇野宗佑(うのそうすけ)、海部俊樹(かいふとしき)、宮沢喜一各政権を通じて党・内閣を実質的に支配した。しかし、1992年(平成4)10月、東京佐川急便事件にからんで会長の金丸信が衆院議員を辞職したのをきっかけに、グループ内に対立が生じ、同年12月、小渕恵三(おぶちけいぞう)らの「小渕派」と羽田孜(はたつとむ)、小沢一郎らの「羽田派」に分裂。長年続いた「田中派支配」「竹下派支配」に終止符を打った。1993年6月には「羽田派」が自民党を離党し新生党を結成、同年8月、自民党は38年ぶりに政権を失うことになった(1994年6月与党に復帰)。その後、新進党結成と分裂をへて、羽田孜は民主党に入り、小沢一郎は自由党を結成したが、2003年9月、自由党を解散し、民主党に合流した。一方、「小渕派」は、1994年に経世会の名称を平成政治研究会、のち平成研究会と変更、会長の小渕恵三が1998年7月に首相に就任したが、2000年4月に脳梗塞(のうこうそく)で倒れ、同年5月に死去、橋本龍太郎(「橋本派」)に引き継がれた。2004年7月、日本歯科医師連盟から同派への不正献金問題が浮上、この問題の責任を取って橋本は会長を辞任した。2005年11月に津島雄二が、2009年9月には額賀福志郎(ぬかがふくしろう)が会長となり、2010年時点では「額賀派」となっている。[橋本五郎]
『陰謀論とは何か』 権力者共同謀議のすべて
<陰謀論の一覧 ウィキペディアから抜粋 2012.9.5現在>
<陰謀論の主体とされた組織>
・陰謀論では、特定の集団を陰謀の主体として槍玉に挙げる傾向がある。
ユダヤ人が紀元前の時代から世界の政治、経済、軍事を支配し、強く影響を及ぼしていた事に端を発する陰謀論。
- 新世界秩序陰謀論
ビルダーバーグ会議、外交問題評議会(CFR)、英王立国際問題研究所(RIIA)、日米欧三極委員会など4つの会議又は委員会の主催者はデイヴィッド・ロックフェラーである。存在は公式には確認されていないが「三百人委員会」、「33人評議会」、「13人評議会」等の組織を陰謀論者は総称して「新世界秩序」と呼ぶ。
フリーメイソン陰謀論やイルミナティ陰謀論もこれに含めて考えることがある。
ロスチャイルド、ロックフェラーなどの巨大財閥や、イギリス王室、オランダ王室などが陰謀の主体であるという考え方。
- アポロ計画陰謀論、5.地震兵器、6.中央銀行陰謀説、7.ノーベル賞陰謀論、8.冷戦やらせ説、9.日露戦争陰謀説、10.ホロコースト捏造陰謀説、11.真珠湾攻撃についての陰謀説、12.イラク戦争陰謀説、13.ジョン・F・ケネディこん暗殺についての陰謀説、14.ダイアナ元英国皇太子妃暗殺疑惑、15.エイズウイルス陰謀説、16.新型肺炎SARS、鳥インフルエンザ陰謀説
・このウィキペディアの×「陰謀論」の項目は、全部で80数項目あります。
<宇宙人、イルミナティ、ロックフェラー話をどこまで同列に扱うか>
――あのー。ここで編集部からのお願い(要望)です。陰謀論と言っても中身はさまざまです。宇宙人の話もあります。UFOや、爬虫類人が人類になりすまして地球を支配しているといったものまであります。それから日本でも1980年代に入ってから騒がれたユダヤ陰謀説、イルミナティ、フリーメイソン、ロスチャイルド、ロックフェラー陰謀説まであります。この本ではとりあえず、宇宙人の話(笑)は、この物語をそれぞれ独自に楽しんでいる独特の皆さんにゆだねまして、ユダヤ人やロックフェラー、ロスチャイルドなど、実在して巨大な金融や財力を持っていることがほぼはっきりしている人々の陰謀を中心に、話を進めてもらいたいのですが。
(副島)そうか……。残念ですね。私はまず、宇宙人、とりわけ爬虫類人(レプティリアン)の話から始めたかったのですが、みんな本当は胸をドキドキさせながら、こういう話を聞きたいんですよ。残念だなあ。「陰謀論なんか信じているようなヤツは、頭がおかしいんだよ。バカな奴らなんだよ」と、こういう宇宙人や霊魂の存在の話を、鼻で笑って、せせら笑う人たちがいます。
ところが、ですね。そういうマジメ人間の「おれはまともだ。正常だ。あんな頭のオカシイ連中とは違う。おれ(ワタシ)は社会常識のあるきちんとした人間なんだ」と自分のことを正常人として立派に生活していると思い込んでいる、そういう人ほど、案外、この手の陰謀論の本を隠れてコソコソ書店で手に取って、読んでいたりするんですよ。…………そう、アナタ、アナタのことですよ。胸はドキドキしてワクワクするでしょう。
・ですからこういう途轍もない、異星人による地球の支配とかの、バカ話を、それを密かに読んでいる、マジメ人間たちが案外たくさんいるんです。私には分かるんです。そういう人たちの存在が、それでもいいんですよ。地球外生命体の話の(書物の)面白さに引き込まれてゆくのも、人生の楽しい過ごし方だと思いますよ。陰謀論の本にあえてハマってみることも新しい世界の発見です。それは新しい癒しの方法です。
・今、陰謀論は、スピリチュアル(精神世界)の世界と融合しつつあるのです。こんなにキツい世の中に生きていて、頭(脳)が壊れそうな厳しい競争ばっかりさせられている。本当に私たちに必要なのは、陰謀論の世界という新しい癒しだ。それは「アレ?ヘンだな」と疑ってみることから始まります。私の書く本は、そういう生マジメ人間たちにもかなり読まれています。