日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

コンタクティやチャネラーの情報を集めています。森羅万象も!UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象といわれます。

この「さとり」は、いわば他者モデルの究極の達人である。他者が心の中に浮かべることを、完全に自分の心の中に再現することができるのだ。(1)

 

 

 

 

 

2022/7/9

 

 

 

『ロボット工学者が考える「嫌なロボット」の作り方』

ヒューマンエージェントインタラクションの思想

松井哲也  青土社   2022/5/25

 

 

 

ヒューマンエージェントインタラクション

・私が携わっている分野はヒューマンエージェントインタラクション(Human Agent Interaction、本書では基本的に略称であるHAIを使う)と呼ばれる、比較的新しい研究分野である。これはひとまず簡単に言えば、ロボットや人工知能と、それを使う人間とのかかわりあいに焦点を当て、よりよいロボットや人工知能のデザインを考えようとする工学の一分野である。

 

では、私が論じたい「懸念」とは何か。それは、HAIが「他者の工学」という側面を持っているにもかかわらず、その他者を頑強なモデルによってのみ規定しよう、もしくは社会規範を私たちと共有できるようなものとして開発しようという姿勢が、分野内に広く蔓延していることである。

 

・さらに、より大きく、現在日本の社会全体に広まっているある傾向についても俎上に載せてみた。それは一口で言えば、「多量のデータを集めて、正しい論理に従って分析すれば、ただ一つの正しい解が得られる」という信念である。これを本書では「データ→ロジック→トゥルース」と呼ぶことにしたい。

 

・中でも私にとって、大きな着想源となったものについて触れておきたい。その一つはフランス生まれでアメリカを拠点に活動している異色の情報工学者ジャック・ヴァレの、UFO(未確認飛行物体)に関する一連の研究である。ヴァレは巷間で信じられているUFO=異星人の乗り物という説を否定し、同時に現代のUFO搭乗員遭遇譚と、かつての欧州における妖精遭遇譚との間に数多くの共通点が見られることを示した。すなわち、この二つは「外部からこの世界にやってきた何か」と遭遇したという経験の、それぞれ別の形での顕現ではないか。と(聞くところによると、その後ヴァレの考えはさらに変化し、現在では全く異なったUFO観を持っているようであるが)。

 

もう一つは、民俗学者小松和彦の「神隠し」論である小松は、「神隠し」には失踪事件における人間世界での責任追及を無効化し、「神の仕業・天狗の仕業だから」という理由で人々を納得させるという機能があったと説く。私たちの世界の外側に、人間世界とは全く別の論理に支配された「外部」があり、そこからやってくる何者かが責任を引き受けてくれる――私の研究のモチベーションの一つは、このような「外部の他者」を、ロボット・AIを用いて現代に再臨させられないかということである。実際、そのような他者としてのロボット・AIをデザインすることが可能なのではないかと考えている。

 

私は、ロボットや人工知能は「異界」へと人間を導いてくれうる存在であると考えている

 

機械と異界

・前章では、単純なモデル化が不可能な「外部の他者」を、ロボット・人工知能技術の中でどう扱っていくかについて、簡単な見通しを示した。

 しかし、そもそもそのような他者を技術によって再現する必要があるのかどうか、ということに疑問を持つ人も多いかもしれない。

 

・そこで本章では、このような説明不可能な「外部の他者」が、社会においてどのような役割を狙いうるのかを。これまでとは別の角度から論じてみたい。そのためにまずは、日本のマンガにおけるロボット観について考えてみよう。

 

・これに対して、鉄腕アトムと双璧をなす日本の漫画の生んだロボットであるドラえもんはその「製作者」が作中に登場しないということである。作中で語られるところによれば、ドラえもんは未来で大量生産された同規格のロボットのうちの一つであり、アトムのような特定の履歴を持っていない。

 

ドラえもんも同様だ。ドラえもん22世紀という未来からやってくるのだが、この未来はのび太のいる世界と地続きの未来ではなく、実質的には「異界」であろう。そこからやってきたドラえもんは、機械仕掛けのロボットであると同時に、「異界からの他者」である。

 

ドラえもんも同様である。のび太の未来を変えるという役割のためにやってきたドラえもんは、その役目を終えれば未来に帰ってしまう。のび太ドラえもんは断ちがたい友情を育んでいながら、同時にドラえもんは、最終的にはのび太が決して手が届かないところに帰ってしまう。

 

人工知能的HAIは、このような外部からの来訪者を記述できない。繰り返しになるが、人工知能とは、認識できる世界の中から自分にとって有益な情報のみを選抜し、自分の内部にしていくシステムだ。人工知能的HAIは、そのような他者のみを相手にするHAIである。異界からやってくる来訪者は、現行の人工知能・ロボット工学では決して捉えきれない存在である。

 ドラえもんと同等の機能を持つロボットを作るということは、藤子・F・不二雄が描いたドラえもんを作ることとは全く別のことである。そのようなロボットを現実世界に作った途端に、肝心のドラえもんは私たちの手からすり抜け、遥か未来の彼方の異界へと去ってしまうだろう

 

ロボットとは何者か

・SFにおけるロボットの歴史を辿ってみると、実はアトムのように完全に「人間の友達」であるロボットではなく、ドラえもんのようにその背後に「異界」を垣間見せるロボットのほうが歴史は古い。

 そもそもロボットを社会的存在として論じる際の大きな問題の一つは、私たちはロボットのことをよく知らない、ということである。

 

・そもそもロボットの歴史を遡ってみると、その原点から、彼らは人間にとって「理解不能な存在」として位置づけられていた。。

 

・カーツワイルらによる「シンギュラリティ」論、すなわちAIが人間の知能を追い越して、人間を支配下におくであろうといった未来予測も、同系統のものであるといえるかもしれない。ロボットや人工知能の研究者の多くはシンギュラリティ論に対して「素人の戯言」だとして冷淡であるが、シンギュラリティ論はむしろロボット・人工知能に対する文化的現象として分析することが適切であるように思える。ついでながら、私もカーツワイルらの言うところのシンギュラリティは起こりえないと考える立場だが、その理由は、端的に現状の人工知能は「外部」を認識できないからである。

 

「天狗の仕業」

・ここまで、日本人および世界におけるフィクション内のロボットのイメージを簡単に見てきた。ここで浮かび上がってきたのは、「理解不能な外部の他者」としてのロボットという概念である。さらにこれについて検討するために、ここからは「神隠し」に関する議論を取り上げたい。いきなりロボットやAIとは何の関係もなさそうな話題だと思われるかもしれないが、私がこれに注目したいのは、本書で私がその有用性を主張したい外部の他者・説明不可能な他者というものを議論するのに、最もふさわしい例だと思うからである。

 

・しかし、実は前近代では、私たちはこのような他者を上手く「使って」いたらしい。

 神隠し」や「天狗隠し」に関する伝承は日本各地に残されている。典型的な事例としては、以下のようなものだ。村で急に子供の姿が見えなくなった。大人たちが総出であちこちを探したが見つからない。しかし一晩ほど経った後に、村はずれの山中などにぼんやりと座り込んでいるところを発見される。一体どこで何をしていたのかを聞きだしてみても、まるで要領を得ない――。

 そして、村人たちはこう結論付ける。この子は天狗に連れ去られていた、もしくは狐狸の類に化かされていたのだろうと。

 もちろんこのような平和的な結末迎えることなく、失踪者はそのまま二度と見つからなかったという場合もある。その場合も、やはり失踪の原因は天狗などの妖怪や山の神の仕業だと解釈された。

 失踪のような不条理や不都合な事態が起こった場合に、その犯人として取り沙汰される天狗・狐狸・山人・山の神のような存在を、民俗学では「解釈装置」と呼ぶらしいが、ここで私が注目したいのは、これらが全て「意思を持ったもの」かつ「人間とは異なる基準によって思考・行動するもの」である点である。

 

・あえて現実的に考えてみれば、前近代の農村で起きた失踪事件は、実際には事故や人身売買組織による誘拐、失踪者が成人であれば、何らかの理由による自発的な逃亡などであったはずである。そのような現実的な解釈ではなく、あえて「解釈装置」というエージェントを設定したのはなぜか。

 小松和彦は、この点について、それは神隠しの当事者の責任を追及しないためであると指摘した。

 

そこで、彼らはその責任を引き受けてくれるエージェントを欲した。天狗や山の神は、前近代人が作り上げた一種のバーチャルエージェントと言ってもいい。ここで重要なことは、これらが「人間とは全く異なる存在」として設定されていたことである。

 例えば、村で子供が失踪した時に、「きっとあの子は、隣村の奴らに誘拐されたのだ」などと考えると、当然隣の村人との間で諍いの原因となるだろう。しかし、誘拐犯が天狗であるとなればどうか。「天狗の仕業なら、もう諦めるしかない」。何しろ天狗相手では捕縛もできまいし、身代金の交渉だってやりようがない。全くの理解・交渉が不可能な相手であるからこそ、「ならばもう諦めよう」という結論を受け入れることができただろう。

 

・さて、この天狗は、ある村の内部にいる人間にとって、理解も交渉も不可能で因果関係の結べない存在だという意味で、「外部の他者」に他ならない。モデル化も不可能なら、自分たちと同じルールに従うことを期待することもできないし、いつ自分たちの前に現れるのかも予測できない。それが目の前に現れた際には、分析的な姿勢でではなく、ただありのままに対峙するしかない。「解釈装置」をHAIの文脈で記述しようとすると、このような存在になるだろう。

 さて、実はロボットもしくはAIも、このような解釈装置である、もしくはなりうる可能性があるとは言えないだろうか?

 

異界と外部

・「はじめに」で触れたフランス生まれの情報工学者でUFO研究家でもあるジャック・ヴァレは、UFO=異星人の乗り物という仮説に批判的な研究者として著名である。ヴァレの議論でよく知られているのが、西洋における妖精伝承と、現代の異星人(より正確に言えば、UFO搭乗者)遭遇譚との共通点を指摘したことである。ヴァレは妖精伝承と異星人遭遇譚との間には、食べ物と水の交換、時間感覚の狂いなど、多くの共通する要素が見いだせると述べた。妖精や異星人が実在するのかという問題はここでは触れない。重要なことは、彼らが共に異界からやってくるエージェントであること、そして同時にその「異界からの他者」性の濃度に違いが見いだせることである。

 

・妖精は、人知を超えた領域の住人であり、あえて現代的に言うならば、科学的に解明できない存在である。一方、近代になって本格的に人々の想像力の中に登場した異星人は、「地球以外の惑星」というある種の異界の住人でありながら、一応は科学的文法に副った記述が可能である。UFO=異星人の乗り物説が「科学的」であるかどうかはともかく、とりあえず「地球以外の惑星に住む地的生命体が、宇宙船を飛ばして地球を来訪している」という想定をすることは可能である。いわば、異星は妖精界よりは一段現実世界に近い異界であると言えるだろう。ここにも、外部をどうにかして内部化しようとするかのような変遷を見ることができる。

 

「説明可能AI」は可能なのか

・ここまで、長々とあえて私にとって専門外の領域から事例を引き写してきたのは、外部の内部化というプロセスが、ロボットや人工知能の歴史にとっても当てはまるのではないかと指摘したかったためである。

 本章で述べた、SFにおけるロボットの歴史を思い出していただきたい。チャペックなど初期の作家が構想したロボットは、人知を超えた外部の存在であった。SFの歴史は、それを内部化、すなわちモデル化可能な存在としようとする試みであったと言える(アシモフの「ロボット三原則」は、それを端的に象徴しているだろう)。頑健な他者モデルに拘泥するHAI研究者も、この「他者の内部化」という欲望に突き動かされているように、私には思えてならないのである。

 

「説明不可能」という可能性

・かつて失踪事件を「神隠し」や「天狗の仕業」として解釈しようとしていた前近代人たちは、いわばそこからさらに進んで、因果の鎖・責任の追及を辿る行為自体を無効化しようとした。その鎖の先は、神や天狗の住む「異界」に繋がっており、そこはこちら側の世界の論理が通用しない領域である。論理が通用しない者には責任は問えない。このような観念は、おそらくはコミュニティを円滑に運営することに寄与していた。自分たちの手に負えないような事態、あるいは手持ちのモデルで解釈できない事態に対しては、因果関係の推論や責任の追及を止めることが最善策だった。

 

・もちろん、科学が経験的にこれほどの成功を収めている以上、それから遁走しようとすることは理性的な態度ではない。天狗の存在が、再び信じられるようになることも難しいだろう。だが、ロボット・人工知能には、それが可能なのではないだろうか。

 

イエスマンロボットはいらない

・ユーザの願い通りの返答をするだけのイエスマンロボットをみんなが使う未来というものは、私には明るいものには思えない。それは徹底的に閉じた対話、対話ならぬ対話を再生産し、私たちをひたすらに内部に閉じ込めようとする世界である。そこでは期待を裏切ることは起きない。期待を裏切り、予想ができず、思いもよらないことをやり、分析しようとしてもできず、決して手が届かない他者。私たちを癒し救ってくれるのは、実はそういうロボット・人工知能なのである。

 

王殺しとHAI

・私は何も、ロボットをハンマーか何かで物理的に破壊しようと提案しているわけではない。私が言う「ロボット殺し」は、古代世界で行われていた「王殺し」から着想を得ている。

 

・王殺しと言えば、ジェームズ・フレイザーの『金枝篇である。ここではまず、このフレイザーの古典に沿って王殺しとは何かを整理しておこう。

古代ヨーロッパにおいては、「王殺し」という習慣があったとされている。この時代の王は、ヒトでありながら神の代理としての性質を持つものとされていた。そして、その影響力が及ぶ領域で天災などが起きた場合、その王を殺して新たな王を立てる必要があった

 

王殺しで殺された王も、本来は異界の存在でありながら、たまたま古代人たちが住んでいた世界との境界線上に出現したインタフェースの一種である。その王を殺さなければいけなかったのは、こちら側の世界における王のマテリアル性を否定するためだ。

 

人類への告発者としてのロボット

レヴィナスから再び引用する。レヴィナスのテキストは、「他者とは理解不能な存在である」と定義するだけで終わっているのではない。他者とは理解不可能であるからこそ、外部から私たちを問いただし、告発する。

 

 世界の枠組みの中では、他者はほとんど無きものである。しかし、他者は私と戦うことができる。言い換えるなら、他者は、他者を襲う力に対して、抵抗力ではなく、その反応の予見不可能性を対峙させる。他者が私に対峙させるものは、より大きな力、算定不能であるがゆえに全体の一部をなすかにみえるエネルギーではなく、この全体に対する他者の存在の超越そのものである。

 

期待は裏切られるべきものである

ロボットを殺そうというのは、ロボットを他者モデルや社会性という檻の中から解放して、全くの外部の他者としての性質を回復させようということである。これをあえて「殺す」と表現するのは、一度内部化してしまったものを外部に押し戻すには、相当な痛みが伴うであろうからである。

 しかし、天然知能的HAIであれば、そもそも最初から外部に屹立するロボットのみを考える。なので、そこには痛みは伴わないかもしれない。

 

論理vs.感性という矛盾

・結果、批判するテーマが例えば「マイナスイオン」のような疑似科学的テーマの場合は、やはりロボットが論理的に批判することによる効果があった。しかし、「ETH(地球外生命体仮説=未確認飛行物体が異星人の乗り物であるという仮説)」を批判する場合だと、この「論理が勝つ」という傾向が見られなくなるのである。これはあるいは、異星人とロボットがともに「外部の他者」性を持っていることに起因しているのかもしれないが、まだそこまでは断言できない。重要なことは、「ロボットが論理的に説明することが一番効果がある」というごく自然な仮定が、常には成り立たないことである。

 

「わかりあえる」「わかりあえない」を乗り越える

・しかし、友達になろうとして手を伸ばしても、決してその手を握り返さない――むしろ手を伸ばせば伸ばすほど、その手が届かない場所に行ってしまうのが、このロボットなのだ。ドラえもんが、のび太といくら仲良くなっても、いつか、何の前触れも理由もなく、その未来の居場所である「異界」に去ってしまうかもしれないのだその異界とは、かつては天狗や山の神がいた領域、すなわち世界の因果関係の外部である

 

HAIおよびロボットの課題

・第1章でも述べたが、国際的なHAI研究界において、日本人研究者が占めるプレゼンスはかなり大きい。このことを指して、機械学習をはじめとする人工知能の分野ではアメリカや中国の後塵を拝している日本であるが、「HAI研究では日本がリーダーである」と誇らしげに語る若手研究者もいる。しかし、喜んでばかりはいられない。

 

現象学偏重主義を改善する

・HAIに限らず、ロボット工学者やAI研究者が好んで読む哲学者は現象学者である。これは、天然知能的HAIが志向する、「私」を世界の中心として、世界に存在する全てのものを「私」にとっての価値という観点からのみ解釈しようという姿勢と、現象学が極めて相性がよかったから――少なくとも、工学者たちは現象学をそのように利用してきたからである。

 しかし、HAIは「他者の工学」である。

 

「神」や「異類」を俎上に載せる場合は、その概念を十分整理し、自文化中心主義に陥らないように留意する

・私は、「神」やその他の異類がHAI研究者によって扱われている以上、早急にそれらの概念を整理し、誤用や混乱を減らすように努めるべきであると考える。

 

「私」の特異性を前提に考える

・HAIにおいては、常に「他者」にスポットが当たってきた。それに対して、私は本書で人工知能的HAI・自然知能的HAI・天然知能的HAIという概念を導入するに当たり、「私」に対する他者の位置づけについての視点に立脚した。

 そもそもこれまでHAI研究の主流だった人工知能的HAIでは、世界の中心としての「私」の存在は自明の前提とされてきた。

 

普遍的なシステムではなく、個別的なエージェントを志向する

・これは、前節の「私の特異性」という問題とも深くかかわる題目である。HAIでは現状、実験心理学的な、つまり統計的なアプローチが主流になっているため、いわば「最大多数に最大の利益を与えるエージェント」が志向されている。

 

「擬人化」で全て解決できるのか

・ここで一度節を改めて、もう一つ重要な問題について触れておきたい。

 HAIにおいて、「擬人化」は重要なキーワードだ。リブースとナスにとって、人間は家電製品や乗用車も擬人化して理解しようとすることが示されたことを受けて、HAIでは人間がロボットもしきはAIを「擬人化」する、ということを前提に研究が進められてきた。

 

分析せず、ただ対峙する

・「役に立つか、立たないか」という分析的な問いを無効化し、他者にとってモデル化可能な内部の中に収まることを拒絶し、ただただ他者と対峙するというこの姿勢、これこそが私たちが作るべきロボットである。

 

HAI――他者の工学

・「はじめに」でも触れたが、私はヒューマンエージェントインタラクション(以下、基本的にHAIと略す)と呼ばれる情報工学の分野で、研究活動を行っている。

 一般の方にとってはあまり聞き慣れない言葉であろう。これは一体何を研究する分野なのかと言われた時、私は「他者の工学」であると答えることにしている。これは、これらの分野が他者の哲学・他者の科学に連なる領域であることを意識した説明である。

 

日本のHAI

人工知能研究の歴史はほぼ一貫して欧米が中心であり、HCIもHRIも欧米で生まれた分野である。このような流れの中で、HAIは日本人が中心となって日本で生まれたという点で注目されることは前節で論じたとおりである。

 

異類としてのロボット

・現在のHAIの大きな特徴を一つ挙げるなら、工学でありながら「異類」を研究対象にしようとしている点となる。「異類」とは、本書では人間や動物など、私たちのよく知っているものではない、それどころか実在性すらも科学的には認められていないエージェント――妖怪、幽霊、異星人、妖精、そして神などを指す。

 言い換えれば、HAIにおいて、ついに工学は「異類」をその俎上に載せたと言ってもいいだろう。

 例えば、「神」を扱っているHAI研究もいくつかある。従来の宗教研究や文化人類学的な研究との差異は、あくまで工学的な視点に立って、実験をベースとして研究を行っている点である。なお、念のため付け加えておくと、このような研究に携わっている研究者が、必ずしも神や異類の「実在」を主張しているわけではない。

 ここで、なず異類がHAIの対象となるのか、不思議に思う人も多いだろう。その理由を一言で言うならば、ロボットやAIも「異類」の一種に他ならないからである

 

本書でも、これから私は、ロボットやAIの「異類性」こそが、私たちにとってキーポイントとなることを論じていきたいと思う。多くの研究者が、HAIの枠組みの中で「異類」に着目しているのも、それが理由の一つだ。

 ただし、「異類」という概念自体が、工学的アプローチにそぐわないという問題があるのは見過ごせないだろう。工学では、対象をまずしっかりと定義づけすることが重要だ。では、「異類」の定義とは何だろうか? よく考えてみれば、そもそもそのような定義ができないことこそが、「異類」の「異類」たる理由ではないのか?

 さらに、「神」を扱う研究については、それに従事している多くの日本人研究者であることに起因する問題がある。ロボットやAIが生まれた西欧圏における「神」、すなわちセム的一神教における人格神と、日本人に身近なアニミズム的な土着の神とでは、他者としてかなりの違いがある。ところが、多くの研究ではこの点が見過ごされているのだ。

 

「他者モデル」の登場

・さて、「他者」と聞けば、哲学における他者論を想起する人も多いだろう。20世紀以降の哲学における他者論とは、「この私とは全く別個の存在である何者か」を考え続けていくことであった。

 

他者モデルと機心

・このような錯誤は他者モデルに限ったことではなく、実はそもそも人工知能研究に内在する問題から生じるものである。

「はじめに」で触れたように、人工知能の基本的な考え方は「データ→ロジック→トゥルース」の三本柱で説明できる。可能な限り多くのデータを集め、正しい論理」を用いてそのデータを分析すれば、正しい解(トゥルース)がただ一つ得られる、というのが人工知能的な世界観だ。

 

人工知能・自然知能と他者モデル

・他者モデルに拘り過ぎると他者が見えなくなる。このことを、いま一度整理しなおしてみたい。導入するのは、郡司ペギオ幸夫の提唱する「天然知能・自然知能・人工知能」のモデル、および「外部」という概念である。

 

「天然知能」HAIは可能か

・さて、ここまで「人工知能的HAI」と「自然知能的HAI」を定義してきたが、これまでに行われてきたHAI研究のほとんど全ては、このどちらかに分類できる。

 他者を「自己の内部」として定義する天然知能的HAIは、自分にとってモデル化可能な他者しか認識することができない。他者を「自己の延長」として定義する自然知能的HAIは、自分と同じルールを共有できる他者しか認めない。

 

信頼されるロボット・AI

何度も繰り返すが、HAIは工学の一分野である以上、人間や社会にとって役に立つものを作ることが重要な使命である

 そもそもなぜロボットやAIを作るのかと言えば、何かの役に立つためである。

 この観点から、特にHAIにおいて盛んに研究されているテーマに「信頼」がある。早い話が、人間により信頼してもらえるロボットやAIシステムを設計するにはどうすればいいのか、ということだ。

 

・日本人の代表的な信頼研究者である山岸俊男は、一般的な「信頼」概念を非常に細分化して検討を加えているが、その中でも一般的信頼とは「相手が自分の利益を上げる行動をとってくれるであろうという期待」と「相手が自分の利益を上げる行動を取る能力を持っているという期待」の二つから構成されると纏めている。これはそのままロボットにも適応可能だろう。

 

「外部」に開いた信頼

・しかし、このような一対一のインタラクション研究には、おのずと限界がある。それは、インタラクションの「系」が閉じられたままだということである。

 

他者モデルの敗北

・「他者モデル」とは、「相手を完全に理解しよう」という願望を反映した作業仮説である。このモデルを信奉する者は、相手の言動を、そして心の中を、完全に理解することこそが、他者と対峙する上で重要であると信じている。

 私たちが行った初歩的な実験は、モデル化不可能であることこそが、むしろ他者と対峙する上で重要である可能性を示している。

「さとり」という妖怪が登場する昔話をご存じだろうか。日本各地に伝承が残るが、その主なパターンは以下のようなものだ。

 

 山に入った男が、暗くなってきたので焚火をしていると、山中からさとりが現れる。男が「こいつは山人か」と思うと、さとりは「お前は今、「こいつは山人か」と思ったな」と口にする。男が「気味の悪い奴だ」と思うと、さとりは「お前は今、「気味の悪い奴だ」と思ったな」など言う。そのように、さとりは男の考えていることを次から次へと言い当てるのだが、不意に焚火がはじけて、焼けた欠片がさとりに当たる。さとりは「人間とは思いもよらないことをするものだ」と言って、すごすごと退散した。

 

 この「さとり」は、いわば他者モデルの究極の達人である。他者が心の中に浮かべることを、完全に自分の心の中に再現することができるのだ。その能力を使って散々男を怖がらせたさとりだが、はじけた焚火によって不意を突かれて退散する。

 この「はじけた焚火」は、さとりの他者モデルにとって全くの外部であった。頑健な他者モデルを持っているさとりは、それ故に外部から飛び込んできたものに対応できなかったのである。さとりの敗因はもう一つある。それは、「はじけた焚火」という事象の主体を、目の前の男に誤って帰属させたことである。言うまでもなく、焚火がはじけたのは偶然であり、男の意思によるものではない。しかし、さとりは「自分と男の二者の糸の中で起こることは、全て自分が男のどちらが主体となって起こすものである」という世界像を描いていた。そのため、焚火が自分に当たった時に、「この男の行為は、自分の他者モデルでは解釈できない‼ 」と恐慌をきたしてしまったのである。さとりは、自分の持っている頑健な他者モデルに敗れたのだ。

 私は、頑健な他者モデルを組み込んだロボットやAIシステムは、このさとりと同じ失敗を犯すだろうと考えている。むしろモデル化できない他者・無限の存在としてこその他者こそが、私たちの社会の抱える問題を解決できると考えている。

 

解を求めよ

・「オススメ商品」のような仕組みは、私たちの身近でAIが使われている最も典型的な例の一つである。専門用語ではレコメンドシステムと呼ばれるが、そのアルゴリズムは細かく見ていけば数えきれないほどの種類があるものの、「ユーザの過去の買い物履歴」や「ユーザと似た商品を買っている他の顧客の買い物履歴」といった、過去の情報を入力にして演算を行い、結果を「推薦商品」として出力している、という大まかな考え方は共通している。

 

HAIと信頼

・まとめよう。現状のHAIにおける信頼研究においては、「信頼」が記述可能・理解可能な根拠に基づくものであることを前提としている。すなわち、「私」の内部、「私」と他者の間で閉じた系の内部でのみ成り立つ信頼のみを考えている。判定のための材料が増えれば増えるほど、私たちは正しい判断が下せるようになるはずではないか――これが大本にある考え方である。

 

意思のある機械

・前節で定義した「信頼できる」機械・システムといったものは、その内部状態が全て記述可能であり、振る舞いが全て予測可能なものであった。そのような機械・システムは、実は「意思」を持ちえないものであり、すなわち「信頼」ができないものであるということになる。理解可能で説明可能な他者を理想像とし、頑健な他者モデルの構築を目的として他者の振る舞いを記述していこうとすると、信頼に足る他者からはどんどん離れていくのだ。

 喩えるなら、何かの相談をした時に、完全にこちらの想定内の返答しかしてくれないロボットよりも、全く想定外の返答をしてくれるロボットのほうが、万が一という時に真に信頼できる相談相手となるだろう。天然知能的HAIが目指すべきなのは、このような、これまでの情報学における信頼概念を乗り越える説明不可能な他者である。

 

弱くない「他者」としてのロボット

もう一つ、私が行ったロボット・バーチャルエージェントの他者性と信頼に着目した研究を紹介する。これは、人間とバーチャルエージェントが共同作業をするというシチュエーションを設定した実験である。実験の流れとして、この共同作業は必ず失敗する。その後で、共同作業をした人に、自分とバーチャルエージェントのそれぞれにどのくらい失敗の責任があると思うか、と尋ねた。得られた結果は以下のようなものである。「人間が、エージェントを異類だと感じている場合、エージェントの責任はあまり高く見積もらない」および「エージェントが異類であると感じる場合、計算上、「人間のものでもエージェントのものでもない責任」の度合いが増える」。これもまた、AIおよびロボット・バーチャルエージェントの異類性、すなわち「外部の他者」性がもたらす、実際的な利点を示すものだろう。

 

・なお、ここで、2章で議論した「天狗の仕業」という概念を思い出してもらいたい。前近代人は、天狗のような異類に責任を仮託することで、責任そのものを宙づりにし、責任追及を無効化したのであった。私たちの実験で観察された「人間のものでもエージェントのものでもない責任」は、誰にも帰属されない責任、まさに「天狗の仕業」としか言いようがないものではないだろうか。

 

ロボットは理解できてはいけない

すでに触れているが、私たちは「外部」の他者=「異類」としてのロボットと人間との信頼の在り方を探るための実験を行っている。

 ロボットを異類と感じる人とはどのような人だろうかそれはおそらく、「異類」の存在を自然に肯定できる人だろう。自分の内部、自分の他者モデルで分析可能な他者しか認めようとしない人は、そもそも異類という想念事態を受け入れないに違いない。

 こう考えていくと、「妖怪・幽霊・異星人といったものの存在を認める人は、ロボットがミスをしてもロボットへの信頼を損なわない」という仮説を立てることができる。

言い換えるなら、このような異類の存在を認める人は、自分にとって理解できない他者と対峙しても「この人はこういうものだから」と受け入れることができる。しかし、自分が持ちうるモデルの中に適合するものしか認めない人は、自分にとって理解不能な振る舞いをする他者と出会ったら、「こんな者は私の役に立たない」と、すぐに切り捨てることができるのだ。

 

・本章の冒頭で述べたように、データ→ロジック→トゥルースという枠組みにのみ捉えられて、このような意味での「信頼」を可能とする技術、すなわち「他者」を設計してそれを世界の外部に置くという技術は、一つの救いとなるに違いない。

 ただし、上で紹介したのはあくまで現象探索的な実験であった。では、実際にはどのようにそんな機能を持つロボットを設計すればいいだろうか?

 

 

 

 

2022/3/7

 

 

銀河帝国は必要か?』

ロボットと人類の未来

稲葉振一郎  ちくまプリマー新書 2019/9/6

 

 

 

なぜロボットが問題になるのか?

応用倫理学とロボット

・みなさんは、「応用倫理学」という言葉をきいたことがあるでしょうか?経済学をはじめとするこれまでの政策科学がうまく判断基準を与えてくれない新しい社会問題に対する価値判断の指針を導き出すために、哲学的倫理学や神学の知見を動員するなかから確立してきました。すでによく知られており、現場の政策や実務にも深く組み込まれている領域としては、まずは生命・医療倫理学環境倫理学が挙げられます。それに対して近年そうした応用倫理学の必要が強く意識され始めているのは人工知能、ロボットの開発と利活用です。

 もともとロボット、人工知能20世紀後半の哲学にとってお気に入りのテーマのひとつでした。そもそも20世紀哲学の有力な一潮流としての分析哲学の中心は、言語哲学です。

 

・しかしまずは、そのような時事的にホットな論争からいったん距離を置き、歴史を振り返りつつ、すこし抽象的になりますが、人工知能・ロボットの問題を考える際に基準となるべき根本問題について考察することから始めましょう。その際まず参照すべきは、意外なことにSF、サイエンス・フィクションの歴史なのです。

 

変容を遂げるロボットのイメージ

・私の考えるところでは、「ロボット」についての唯一正しい定義というものはありません。現実の問題としてもフィクションのテーマとしても、それぞれの問題関心に応じてさまざまなアプローチがありえます。とりあえずここでは、すでにわれわれの世界で具体的に作られ用いられているさまざまな自動機械、「現実存在としてのロボット」と、われわれの抱く「概念としてのロボット」との間には、小さくないズレがあることを注意しておきましょう。

 

ネットワーク時代の新しいロボット

飛躍的に発展する遠隔操作のテクノロジー

ネットワーク技術で変貌した人間社会

・このような、グローバルなネットワークの端末としてのロボットとどのようにつきあっていくのか?今日のロボット・人工知能倫理学の主要課題のひとつは、このようなものです。今日のインタ―ネットは、かつてのような人間が操作するコンピューター同士の連結、というより道具としてのコンピューターを用いた人間同士のコミュニケーション・ネットワークを主体とするものから、ロボット、自動機械同士の連結――いわゆるIoTを軸とするものへと変貌しつつあります。そのようなネットワーク技術の発展が、人間社会にどのように影響を与えていくのか、またそうしたネットワークをどのようにコントロールしていくのか?これが非常に深刻な課題なのです。

 

自ら動かないものには「心」はいらない?

・このように、現代のロボット・人工知能技術の展開は、古典的なロボットイメージ――人造人間か、超高度な道具か、の両極の間のスペクトル――を裏切り、そのどちらでもないものを生み出し、それによって社会を大きく変えつつあります。かといって、古典的なロボット、「人造人間」のイメージそれ自体もまた、じつはなお問題含みで、見かけほどわかりやすいものではないことは確認しておかねばなりません。

 

仲間のいないものには「心」はいらない?

・もちろん、すでに述べたような問題意識から、純粋に学術的な探求、あるいはむしろ芸術的創造として、人造人間の開発を目指す人は当然出てくるでしょう。しかし、「人造人間」が社会的にありふれたもの、普通のものとして大量に作られ、受け入れられるかどうか、はそれとは別問題です。大量の「人造人間」が社会的にごく当たり前の存在として定着するには、それらがわかりやすい形で「何かの役に立つ」ことが必要でしょう。

 

ロボットに自由と責任を認めるのか?>

・それなら、ネットワークに常時接続されている場合、そのロボットの自立性、他の区別がつく、個性あるものとしての一個のまとまった心というものは、どうやって確保されるのでしょうか。ネットワークから断絶させ、スタンドアローンの機械にしてしまうという手もありますが、そんなことをしたらロボットとしてのメリットがほとんど失われ、人間のほうがずっとコストパフォーマンスがよい、ということになりかねません。

 

<なぜ『ガンダム』のスペースコロニーは地球の近くに置かれたのか>

・月軌道圏内にスペース・コロニーを建造するということは、じつは大変なコストを要する事業です。重力に逆らって大量の物資を月から打ち上げるのはもっと大変です。

 

なぜ、宇宙進出にはロボットが必要なのか?

さらに問題となるのは宇宙線被爆です。私たちは地球の大気や磁場によって宇宙線や隕石から守られていますが、宇宙空間ではそれらの恩恵を受けられません。しかし宇宙線や隕石を避けるための人工の仕組みを用意するには、大変なコストがかかります。

 

地球こそが人類の安住の地、しかしロボットは………?

・問題は太陽系内だけではありません。何千年、何万年単位の未来において――もしそこまで人類が生き延びていればの話ですが――太陽系外進出、太陽系外宇宙の探査が行われる可能性もあります。しかし太陽系外の恒星系となると、一番近いところでも4光年ぐらいの距離があるので、現在知られている最先端の技術を駆使しても、そこに行くまでには100年単位の時間がかかります。当然、生身の人間が生きてたどり着くことはできないでしょう。かろうじて到達できたとしても、その旅行中、ずっと膨大な量の放射線を浴び続けざるを得ません。

 

SF作家アイザック・アシモフ

20世紀の作家たるアシモフのロボットイメージは、一見、いまにしてみればいかにも古典的、古色蒼然としています。しかしながらこれから見ていくように、彼のアイディアとイメージは、現代のロボット・人工知能倫理学にとって、叩き台としての地位をいまだに失ってはいません。その一方で彼の銀河帝国物語は、自律型ロボットに比べてもはるかにその実現可能性の目途が立たない超光速航行に支えられた星間文明であり、現実世界に生きるわれわれにとっては『スター・ウォーズ』と同様、おとぎ話、寓話、虚構の世界を舞台としたたとえ話として以上の意味を持たないように見えます。寓話、アレゴリーとしての意義しか持たないのであれば、それはファンタジーと本質的には変わりません。

 

アシモフのロボット物語――機械倫理学のさきがけ

・そもそも、ファウンデーション前期三部作を中心とする銀河帝国物語とは切断されていたはずのアシモフの初期のロボット物語においても、宇宙開発、人類の宇宙進出は重要なテーマでした。

 

アシモフのロボット物語は乱暴に言えば、USロボット社なる会社とその周辺を舞台に、ロボット心理学者スーザン・キャルヴィンを狂言回しとして展開される短編群と、人間の刑事イライジャ・ベイリと相棒のロボット刑事R・ダニール・オリヴォーのコンビが活躍するミステリ連作とに大別されます。前者は21世紀前後の近未来の、地球とせいぜい太陽系内を舞台としていますが、後者はさらに1000年以上未来、超空間航法によって可能となった恒星間文明をその背景としています。

 前者、USロボット社の物語群においては、人間に忌避され、太陽系内の惑星開発に従事する時代のロボットも描かれる一方、人間社会に、ビジネスや家庭に入り込むロボットも登場します。果てはグローバルな統治機構を、絶対的な力と巧みな心理操作で支配する、ソフトな全体主義的管理コンピュータさえ登場し、近づいたり離れたり、依存したり拒絶したり、とロボットを前にした人間社会の逡巡、大きな振れ幅が主題となっています。

 

・それに対して後者は、そうした大きな振れ幅を体現する二つの極に、人類社会が分裂してしまった様を描いています。ロボットを伴って人類は宇宙進出を果たし、たくさんの系外惑星国家を作り上げますが、そこではたくさんのロボットにかしずかれて人間たちは意欲を失い、衰弱していきます。他方、ロボットを拒絶し、地球に残ったほうの人類社会も、管理社会の中で停滞しています。そんなどん詰まりからのルネサンス、人間復権の物語が、ベイリとダニールのコンビが活躍するミステリ連作『鋼鉄都市』『はだかの太陽』です。

 

自問するロボットたち

ユダヤ系移民の子であり、アメリカSF界ではリベラル派として知られたアシモフのSF作品の中には、作者の倫理的な選択のあとがいくつか残されています当時の宇宙SF、とりわけスペース・オペラの主流とは異なり、彼の銀河系に異星人が登場しないのは、異星人と人類との交渉を描くことが、避けがたく人種主義的な色彩を作品に帯びさせてしまうことを回避するためでした。

 

アシモフ銀河帝国に異星人、人類以外の知的生命が登場してこない理由は、先述の通り20世紀中葉、青年期の作家自身によって自覚的に選ばれたものでしたが、それではロボットが登場しないのはなぜでしょうか? 先に挙げたその答えに作家が到達したのは、ようやくその晩年、1980年代になってからでした。ですがこの結論にアシモフが到達したとき、じつは彼は当初自身が設定していたロボットについての基本的前提のいくつかを踏み越えていたのです。その踏み越えが初めて、彼のロボットと宇宙進出についての物語を、寓話以上のものへと昇格させたのです。

 

忠実なロボットから思考するロボットへ

・初期、40年代から50年代、小説家としての最初の全盛期においてアシモフは、しばしばロボットをあくまでも完成品の機械として「小数点の最後の一桁まで」あらかじめ計算されて決められた存在として描こうとしていました。

 

・そして70年代、SFに本格的に復帰したアシモフは、このロボットのポテンシャルについてより突っ込んだ探求を進めていきます。

 

・かくして、ときに「第零法則」のゆえに人間を管理し支配し、他方でその反省に立って、人間を自立させるべく表舞台から身を引くロボットたち――心ある苦悩する存在、それ自体もまた別種の「人間」たるロボットたちが、アシモフの物語世界の主人公となったのです。

 

自己消去するロボット

・そして物語において、ロボット概念の意義が他ならぬロボット自身による自己探求として追及される中で、ロボットは二重の意味で消滅していきます。第一に、ロボットは自律的な存在として人間と対等、同格な存在となるわけですから、ロボットと人間の境界は消滅していきます。その一方で第二に、あくまで人間の他者として人間を守りそれに奉仕する存在としてのロボットは、そのことと人間の尊厳を守ることとの両立の困難を前に、歴史の表舞台からの消滅を目指します。しかしこの後者はとりわけ厄介です。ロボットによる奉仕に人間をゆだねることは、人間の衰退につながり、長期的には人間を害するがゆえに、ロボットはその使命を貫徹するためには、じつは存在しないほうがよいかもしれない。かくして、人間の自尊と克己を促すべく、ロボットは人類の前から消えるわけです。

 

アシモフ銀河帝国は宇宙倫理学にとって有意義か?

・少なくともその初期においては、アシモフ銀河帝国は、自身がギボンの『ローマ帝国衰亡史』に着想を得たと語っているように、既存の歴史物語のメタファー以上のものではありませんでした。

 

ロボット物語――アシモフの世界から(1

アシモフ再訪

すでに見たように、アスモフのロボットSFの中には、今日のロボット・人工知能倫理学を先取りするようなモチーフをいくつも発見できます。では宇宙倫理学にとってはどうでしょうか?

 晩年においてもロボット物語、ベイリとダニールのサーガに統合された銀河帝国の物語のライトモチーフは、あくまでも人間とロボットとの関係であり、そこでは宇宙という舞台は、相変わらず書割以上のものではないようにも見えます。そもそもそこで描かれる銀河は、20世紀半ばまでは当たり前でしたが、21世紀現代ともなれば、本格派のSFにおいてはむしろ時代遅れと感じられさえする、「超光速」という設定によって、生身の人間にとって横断可能な範囲に縮められた宇宙です。

 

それに比べてアシモフの宇宙は、晩年に至ってもなお古き良きSFの色彩を色濃くとどめた、人間サイズの宇宙です。

 しかしながらよく読んでみるならば、アシモフ銀河帝国にも十分な不穏さが隠されています。そのような不穏さが伏線としてリサイクルできたからこそ、晩年における統合が可能となったと言えます。それを初期にまでさかのぼって、今一度細かく確認していかねばなりません。

 

ベイリとダニール――前期二部作

・ベイリとダニールの物語の時代は、ロボットの開発と、超空間航法による人類の宇宙進出からすでに数百年程度の時間がたち、数十に上る系外惑星国家群、宇宙国家連合が形成されています。それらはいずれも地球型惑星で、わずかな環境改造ですぐさま人類が移住できるようなところで、先住知的生命もいません。さらにこれらの宇宙国家は、いずれも高度にロボット化された社会であり、その多くでは人間の人口を上回る数の数の人間型ロボットが活動しています。この傾向がもっとも極端なのは惑星ソラリアであり、そこには惑星全体で2万人の人間に対しロボットが2億人おり、人間は普段は一人ひとり孤立して、ロボットにかしずかれて生活しており、人間同士で直接対面することもありません性生活はごく限定的であり、子どもも人工子宮から生まれ、ロボットによって養育されます。

 

・それに対し地球では、ロボットはごく限定的にしか働いていません。その運用のほとんどは農場や工場等の生産拠点においてであり、人びとの日常生活からは排除されています。人びとの間には、自分たちの雇用を奪うものとしてのロボットに対する確固たる反感が、根強く定着しています。しかも地球上の80億の人びとは全員「鋼鉄都市」、全域が地下化した都市に暮らしており、地上に出ることはありません。市民生活は、地球の収容能力ギリギリの人口を支えるため、非常に強力な統制経済配給制の下にあり、生存の不安はありませんが、経済的自由は強く制約されています。

 そして地球と宇宙国家群との力関係は、大きく後者に傾いています。人口は前者の80億に対して後者は総計しても55億とややアンバランスですが、科学技術の水準と経済的生産力、軍事力では地球を圧倒しています。そして物語の時代には、地球は宇宙国家連合による事実上の占領下にあるとさえ言ってよい状況です。

 

・ではベイリの相棒となるロボット、ダニールのほうはどうでしょうか?主導的宇宙国家オーロラの産で、宇宙植民復興のために地球の協力を求める改革派によって派遣され、ベイリにパートナーとして押し付けられたダニールは、この二部作ではいかにも受動的で控えめであり、ひらめきのかけらも見せません。

 

ベイリとダニール――後期二部作

・これに対して四半世紀を隔てて書かれた、ロボット物語と銀河帝国史をブリッジする後期二部作『夜明けのロボット』『ロボットと帝国』においては、様相はやや変わってきます。『夜明け』においてベイリは本格的に地球人による宇宙再進出のリーダーとなっていますが、オーロラ内部での改革派と守旧派の派閥抗争に巻き込まれます。改革派は地球人とスペーサーとの平等を主張し、ロボットなしでの、人間主体での宇宙進出を支持する派閥ですが、他方守旧派は従来のスペーサーのライフスタイルを崩さず、ロボットを前面に押し立てての宇宙開発を主張します。さらに守旧派の中には、根深い地球人への差別意識が残っています付言しますと、宇宙国家の植民惑星には、先住知的生命がまったくいなかったのみならず、地球ほどの複雑で豊かな生態系も存在しなかったうえに、植民者たちが徹底的に検疫を行った結果、スペーサーたちは地球産の病原菌やウィルスに対してほとんど無防備になっています)。

 今回ベイリは派閥抗争の途上で起こったロボット「殺害」事件の捜査を委任される羽目になりますが、事件の解決をうやむやにしつつ、政治的な演技を駆使して事態を収拾し、改革派の勝利に貢献します。しかしながらベイリは抗争の外部で事件の真相に到達します。そこでベイリが出会ったのは、かつてスーザン・キャルヴィンが出会ったハービーと同様の、いやもっと強力な読心能力と精神操作能力を備えたロボット、ジスカルドでした。ジスカルドは独自の判断で改革派の宇宙進出プランを支持し、その実現のために人びとの心を操っていたのです。

 

そして続編『ロボットと帝国』ではこのジスカルドとダニールが実質的な主人公となります。『夜明け』の時代から100年以上が過ぎ、短命の地球人であるベイリはすでに世を去っています。ベイリの提唱した地球人による宇宙進出は確固たる流れとして定着し、この短命の宇宙開拓者たちは「セツラー」と呼ばれてスペーサーと対峙する新興勢力となっています。しかしながらベイリによって打ち負かされた守旧派のスペーサーも長命ゆえ生き残っており、亡きベイリへの復讐、地球人とセツラーの打倒を虎視眈々と狙っていました。そしてジスカルドとダニールは独自に、守旧派の野望を打ち砕くべく探索を開始する――というのが大まかなプロットです。

 

・今更ですが、「ロボット工学の三原則」を確認しておきましょう。

第1条    ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。

第2条    ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第1条に反する場合は、この限りではない。

第3条    ロボットは、前掲第1条および第2条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

・それゆえに当然、複数の人びとの生命、安全が危機にさらされるような状況下では、人の命の間に優先順位をつける選択を強いられたりするわけで、これはロボットに非常に強いストレスを強います。しかしジスカルドとダニールが問題としているのは、先にも述べたようにもう少し踏み込んだ課題です。すなわち、ジスカルドのように人類社会全体の命運をその課題としたロボットにとっては、個人間での生命の優先順位のみならず、人類社会全体の利益、安全と、個人の利益、安全、生命との優先順位についても、独自の判断を下す必要が生じるのです。

 

「第零法則」

・しかし問題は、そもそも人類とは何か? です。かなり長くなりますが、『ロボットと帝国』から引用しましょう。

 ダニールは言った。「第1条より偉大な原則があるのです。ロボットは人類に危害を加えてはならない。またその危険を看過することによって人類に危害を及ぼしてはならない。わたしはこれをロボット工学第零法則と考えます。したがって第1条はこうなります。“ロボットは人間に危害を加えてはならない。またその危険を看過することによって人間に危害を及ぼしてはならない。ただしロボット工学第零法則に反する場合はこの限りではない”」

 

個人としての人間と集合体としての人類

・しかしこのような考え方もまた、われわれの常識とは相いれないでしょう。私たちはたとえば「物理法則が存在している」と普通に考えています。しかしそれは物理法則に従う、具体的なものが指示できるのと同じような形では、指示することはできません。あるいはたくさんの具体的な個人の集合が、ひとつの集合である理由は、ただたんに「観察者・命名者が好き勝手にある個体たちを集めたうえで、勝手にラベルを張ったからに過ぎない」と言ってよいのでしょうか?それらの人びとをまとめ上げる性質の共有だとか、あるいはそれらの人びとの間の関係というものが、観察者・命名者がどう思うのかとは関係なしに、そこに客観的に実在している、ということはないのでしょうか?

 

・そして結局のところジスカルドは、ダニールへの友情によって狂わされて(ダニールの生存を人類の生存と少なくとも同程度に優先するように判断するようになって)守旧派の抵抗を排除していきますが、その際にヴァジリアをはじめ守旧派の人間に加えた精神操作のストレスは、彼を確実にむしばんでいきます。そして最後に、守旧派の首魁アマディロが、亡きベイリへの復讐のために地球を放射能まみれにして地球人を全滅させようとするのを、強引な精神操作で食い止めたストレスに耐えることができず、最期の力で自分の読心・精神操作能力をダニールに伝授したのち、システムダウンを起こして機能停止――死亡します。彼は「第零法則」を、それに裏付ける「人間の行動を支配する法則」の実在を、たんに願望するにとどまらず信じていたと思われますが、同時に現時点での自分の知識は不完全であることを自認し、その「人間の行動を支配する法則」を――少なくとも、自分の行動を正当化できると言えるほどまで――知っていると言い切ることまではできませんでした。そのストレスが彼を死に追い込んだのです。

 のちに見るように「心理歴史学」など、ロボット物語と銀河帝国をつなげるための伏線が多々あるのは当然として、前期二部作と比べたときに後期二部作を際立たせる特徴は、主人公が人間からロボットに移行していることです。

 

人間としてのロボット

・こうした展開を準備したものとして、われわれは70年代、SF創作に復帰した時代のアシモフがものにしたいくつかの短編に注目せねばなりません。

 

銀河帝国史の二つの謎

アシモフ自身の言によれば、彼の銀河帝国にロボットが登場しなかったのは、当初は、銀河帝国物語シリーズと、ロボット物語のシリーズとを区別しておくための便法に過ぎませんでした。

 

ダニールの決断――自己消去するロボット再論

アシモフが先の銀河帝国史二つの謎に対して、どのような回答を出したのかと言えば、結局それは一種の陰謀論であり、ジスカルドの意志を継承して2万年を生き続けたダニールの選択の帰結、ということになります。つまり、ロボットの歴史の表舞台からの退場と、地球の記憶の抹消は、二つながらダニール(とその指揮下にあるロボットたち)の仕事だ、ということになります。

 

銀河帝国――アシモフの世界から(2

ファウンデーション

・すでに述べたように、ファウンデーション前期三部作は超空間航行で結ばれた恒星間文明、銀河帝国を舞台としています。そこには人類以外の知的生命も、また自由意志を持つ自律機械、人造人間たるロボットも登場してきません。そのような設定がなされた理由についてはすでに述べた通りですが、それゆえ結果的にこの前期三部作は宇宙SFとしてみたとき、われわれにとって既知の歴史のアレゴリーとして以上の意味を、あまり持たないようなものとなっています。くりかえしますがそこに描かれる銀河帝国は、人間サイズに切り縮められた宇宙、われわれの知る地球社会のアレゴリー以上のものではありません。

 

・以下簡単におさらいしてみましょう。統一から数千年、惑星トランターに首都を置く銀河帝国は繁栄の絶頂にあるかに見えましたが、数学者ハリ・セルダンは自ら開発した「心理歴史学」、人間行動の統計力学的分析に基づいて、その衰退を予測します。その予測によれば銀河帝国はほどなく解体し、その後は次なる銀河文明の再興まで、3万年にわたる暗黒時代が訪れます。しかしながら適切な対策をとれば、帝国の崩壊は防げなくとも、暗黒時代を1000年にまで短縮することができる、と。帝国中枢の不興を買ったセルダンは、銀河辺境の惑星ターミナスに、研究室もろとも追放されますが、それは自身の「心理歴史学」に基づいて誘導された結果でした。セルダンはそこで表向きは銀河文明の知識を保存する『銀河百科事典』の編纂に従事することを目的とした、しかし実際には第二銀河帝国再建の拠点となるべき「ファウンデーション」を設立します。

 

・セルダン没後、帝国による銀河支配はほどなく瓦解し、銀河系は割拠する軍閥によって分断されますが、ファウンデーションはそこに蓄えられた過去の銀河帝国の知識、さらには新たに開発された独自の技術を持って周辺の軍閥を籠絡し、時には科学技術を神秘のヴェールで覆う宗教支配によって、時には通商を利用した金権支配によって、新たな宇宙勢力として着々とその勢力を広げていきます。そしてこのプロセスは基本的に、セルダンが「心理歴史学」によってあらかじめ予想し、計画したとおりに進行しました。ここで注意すべきことは、ファウンデーションには一人の心理歴史学者もおらず、心理歴史学研究はセルダン没後は一切行われていない、ということです。その理由は、心理歴史学による予測が正確であるためには、その予測の内容自体が予測の対象となる人びとに知られていてはならない、というものでした。予測の内容を知ってしまえば、そのことによって人びとの行動が変わってしまうからです。

 

しかしながらファウンデーション設立後300年の頃、精神操作能力を持つミュータント、ミュールの軍閥が急に勢力を伸ばし、一時はターミナス、ファウンデーションをも占領します。そしてミュールによる征服の途中で浮上したのが、「第二ファウンデーション」の問題でした。じつはセルダンはターミナスの(第一)ファウンデーションとは別に、もう一つ「第二ファウンデーション」をターミナスの対極の「星界の果て」に建設し、そこを心理歴史学の拠点とした、というのです。つまり第二ファウンデーションは(第一)ファウンデーションとは異なり、ただセルダンの予定に一方的に従わされるのではなく、自ら心理歴史学的予測を行い、そしてミュールほど強力ではないが精神操作を用いて歴史に介入し、予測不能の逸脱が生じた場合にはファインチューニング、微調整を行う存在なのです。

 

セルダン・プランの裏

・――このように見るとファウンデーション前期三部作は、宇宙SFとしてよりも陰謀論ファンタジーとして読まれるべきものであり、またSFとして考えるならば管理社会を描くアンチ・ユートピアディストピア小説に近いとさえいえるかもしれません。

 

・この臆面のなさには、情状酌量の余地があるでしょうか? その場合、この前期三部作が書かれた時期を考えるてみる必要があります。これらの作品は、その原型の連作中編として雑誌に掲載されたのは1940年代、第2次世界大戦中から戦後にかけてです。その時代アシモフはまだ20代の青年であり、アシモフ家はロシア移民とは言え、スターリン時代の惨状については庶民レベルでは当時ほとんど知る由もなかったでしょうし、何よりソ連は連合国の一員で、冷戦はまだ本格的に始まってはいなかったのです。

 

ロボット物語の統合

・ミュールの故郷でもあったガイアは、第二ファウンデーション心理歴史学者たち以上の精神操作能力をもって、そこに居住する人類を含めた全生態系がひとつの統合知性を形成する異様な世界でした。そこでトレヴィズは人類の前に開かれた三つの選択肢――(第一)ファウンデーションによる、物理的テクノロジー・軍事力主導の第二銀河帝国か、第二ファウンデーション心理歴史学・精神支配による第二銀河帝国か、それとも、ガイアの銀河大への拡大=ガラクシアか――を前に選択を迫られます。

 

・とろあえずガイアを選択したトレヴィズでしたが、それは拮抗する諸勢力間の正面衝突、戦争を回避するための苦肉の選択であり、一時しのぎでした。続編の『ファウンデーションと地球』ではトレヴィズとペロラットはガイアの一員プリスを伴い、ガイア自身も知らないガイア出自の真相を探るべく、人類とロボット双方の故郷である地球の探索行を続行します。その途中で彼らは『ロボット帝国』の時代に無人惑星と化していたソラリアに出会い、じつはソラリア人は消滅したのではなく、自らを雌雄同体に改造し、地下に引きこもって全宇宙との交渉を断ち、孤立することを選んだのだ、という事実を知ります。そしてさらなる探索の果て、ついにたどり着いた地球は放射能まみれの死の惑星でした。しかしその周囲を回る巨大衛星(月)に精神活動の反応を探知した一行は、ついにそこでダニールと出会い、ジスカルドからセルダンまで延々と連なる因縁、ロボットと銀河帝国、そして両ファウンデーションとガイアの真実を知ることになります。

 

誰が(何が)人類の未来を選ぶのか?

・「待って」ペロラットはいった。「人類を単一の有機体に変えることができるだろうに。ガイアだよ

「私はそれをやろうとしたのです。わたしはガイアの基礎を作りました。もし人類を単一の有機体にすることができれば、それは具体的な一個のものになり、処理することができるようになるでしょう

 

そこに「自由」は存在するのか?

・これが何を意味するかと言えば、結局アニールも、ジスカルドを死に追いやった呪いから自由ではない、ということです。心理歴史学が確立されていれば、抽象概念としての「人類」も、たんに人間が恣意的に張り付けたラベルではなく、実在する「人間の行動を支配する法則」に裏付けられた現実の性質成り関連性として実在することになります。ジスカルドも、それにのっとることさえできれば、人類の繁栄のために人間を選別し、あるいは人類の理念を実現するにふさわしい人間を「創る」ことさえできると夢見ていました。にもかかわらずそうした「人類」理念を裏付ける心理歴史学が不在だったために、ジスカルドはあくまでも具体的な個人、自然人を守るという第一原則の枠から外れることができず、それゆえアマディロとマンダマスの精神を破壊するストレスに耐え切れずに機能停止したのです。

 

第零法則再訪

・つまり『ファウンデーションと地球』終幕においては、じつは人類の未来に対する四つの選択肢が提示されていることになります。(a(第一)ファウンデーションによる第二銀河帝国。そこでは表向きセルダン・プランは尊重されますが、この局面では実際にはそこからの脱却を目指すことになります、(b第二ファウンデーションによる第二銀河帝国。これは本来のセルダン・プランを継承し、精神操作によるファインチューニングをともなったパターナリスティックな体制です。c)がガイア=ガラクシアによる統合知性、そして隠された第四の選択肢(d)が、スペーサーたちの中の過激派であるソラリア人たちによる、完璧にコントロールされた楽園たる自惑星への引きこもり。

 

アシモフと人類の未来

・「人類は宇宙に出てどんどん広がっていくべきか、それとも一惑星などの狭い限定された領域に引きこもるべきか」という問題設定を陽表的に出さずに(もし出してしまうと「宇宙に行くべきかどうか」という問いに対する結論を先取りすることになります)設定するにはどうしたらよいでしょうか? あらためて、規範倫理学のやり方で問うならば、功利主義倫理学の枠組みに落とし込むことが、おそらくもっとも手っ取り早いでしょう。

 

功利主義と人類の未来

ジュレミー・ベンサムを始祖とする功利主義倫理学は、イマニュエル・カントの倫理学と並んで近代的な規範倫理学、実践的な道徳哲学の原点とされます。それは人間のみならずあらゆる感覚能力を持つ存在、とりわけ快楽と苦痛を感じる存在に、道徳的な地位を認め、そのような存在に対しては道徳的な配慮が必要である、とします。よりストレートに言えば、快苦を感じる存在の苦痛を減らし、快楽を増やすことはよいことであり、そのような意味でのよいことを行おうと努めることが道徳的配慮である、とします。

 

・さてその際の尺度、達成しようとする目標が、功利主義的な快楽の最大化と苦痛の最小化、であるかどうかは必ずしも自明ではありません。そこにはじつのところいろいろな解釈の余地があります。ただ、先の配慮の一方向性を含めて、ジスカルドとダニールの立場、彼らが心理歴史学やガイア=ガラクシアをもって人類の宇宙植民、銀河帝国樹立を支援した振る舞いと、功利主義的政策思想は、決して矛盾するものではありません。それゆえしばらくこれ――ジスカルドとダニールの立場を一種の功利主義と解釈する、というやり方――を作業仮説として使っていきましょう。

 

抑圧されたポストヒューマンSFとしての後期アシモフ作品

くりかえしますが物語の中では、ソラリア的選択肢は、物語の当事者たち、主人公たちによってそもそも選択として意識されるまでもなく拒絶されます。しかしその理由は必ずしも明らかではありません。かろうじてうかがえるのは、サオラリアの選択が望ましからざる副産物、たとえば極度の排他性と不寛容、ソラリア人以外の人類を「三原則」における「人間」から外すという暴挙のゆえに、ソラリアは否定されるべきである、という程度の理屈であり、人口を一定に保った小規模コミュニティの永続、という目標自体、あるいは人口規模それ自体の道徳的目標としての意義は結局問われないままです。

 

やはり宇宙は「最後のフロンティア」か?

・すでに見たように、人類を見守る2万年の歳月に疲弊したダニールの最後の選択は、人類全体を一つの統合知性へと変容させることでした。これは「第零法則」にはらまれる困難、特定の個人ではなく全体としての「人間」とは何か、を定義することの困難を克服しようというものです。「人類全体」をたんなる抽象概念ではなく、具体的な実在にしようというわけです。そしてテストケースとしてのガイア、惑星単位での統合知性を備えた人間社会を実現したダニールは、最後に自分のもとを訪れたファウンデーショントレヴィズに、そこから進んで銀河単位の統合知性ガラクシアを実現するか、あるいはこのまま、バラバラの個人たちからなる人類社会を維持するか、の決断を求めます。そしてガイアに対して反発し続け、個人であることの尊さにこだわっていたはずのトレヴィズ、ガイアを構成する人びとのことを、じつは人間ではなくロボットではないかとさえ疑っていたトレヴィズは、ダニールの求めに応じて、ガラクシアの実現を選択します。

 

・作中でトレヴィズ自身の口から語られるその理由は「人類は銀河を超えた大宇宙スケールでの生存競争に備えねばならない」というものです。天の川銀河系内において進化し、銀河を征服した知的生命はただ一種、地球出自の人類だけでしたが、ほかの銀河までが空虚であるということはあるそうにもないことです。おそらく他の多くの銀河において、人類同様に知性を得て文明を築き、銀河を植民地化する存在が出現していることでしょう。天の川銀河を征服した人類は、順調にいけばやがて外宇宙に進出し、いずれは他の知性、ほかの宇宙文明と出会わざるを得ません。そうした文明間の接触、競争の中で人類が生き延びていくには、ガラクシアになるしかない――トレヴィズはこのように推論します。人類が多数の個人たちからなることによる多様性、そして個人の尊厳という価値を犠牲にしてでも、人類の生存、存続という価値を追求しなければならない――これがトレヴィズの判断です。

 

むしろ宇宙は「最後の安全弁」では?

・しかしながら、アシモフの架空世界の中においてであればともかく、現実存在としてのわれわれ読者が、これを真に受ける必要がはたしてどこまであるでしょうか。

 

「袋小路」か?

・われわれは先にジスカルドとダニールの命運を「袋小路」と呼びました。なぜでしょうか? 彼らがセツラーを選んだのは、短命な個人たちのヴァイタリティによる自由な試行錯誤の力を信じたからです。そしてそれを実現するために、自分たちを含めたロボットを歴史の表舞台から退場させることを選んだわけです。

 

私はアイザック・アシモフの愛読者では決してありません。

私はアイザック・アシモフの愛読者では決してありません。ネオリ・ダニールの物語も、とくに後半については今回初めて通読した程度です。アシモフ自身が語る通り、アシモフは小説家としては決して一流ではなく、また時代遅れの存在です。文学的にもエンターテイメントとしても、60年代以降の大きな革新に基本的には乗り遅れた作家と言えます。

 それでもそのような「時代遅れ」の作家として、アシモフはその時代の精神の体現者と言えますし、アイディアマンとして見たとき、やはり彼はまごうことなき天才です。たんなる予言者、未来幻視者ではなく、我々自身の欲望を水路づけし未来を作ったのです。

 

 


『UFOと地底人』

 ついに明かされた異星人と空洞地球の真実

  中丸 薫 GAKKEN    2009/1/1 

 

 

 

地底世界での生活

・光の地底都市は、全てあわせると2500以上もあり、それぞれの都市は「アガルタ・ネットワーク」と呼ばれる光のネットワークで統合されている。

 

・テロスの位置は、地表からおよそ1.6キロの地中。またあらゆる都市の中でももっとも優勢な都市は「シャンバラ」と呼ばれ、地球のまさに中央―空洞地球―に位置している。ちなみに、ここへは、北極と南極に存在する「穴」からアクセスが可能になっているという。昔から、極地には空洞地球の入口があるとされていたが、それはこの「シャンバラ」への入口のことだったようだ。

 

・空間を移動するときに使われるのが、UFOだ。このUFOは「シルバー・フリート(銀艦隊)」と呼ばれ空洞地球世界の都市、アガルタで製造されている。

 

身長4.6メートルの空洞地球人

闇の権力が独占するUFO情報

宇宙連合と銀河連邦はまったく違う組織

・「アシュター・コマンド(司令部)」とは、司令官アシュターと主サナンダ・クマラの霊的な導きの下に存在する「光の偉大な聖職者団(グレート・ブラザーフッドシスターフッド)の空挺部隊だった。

 

作家とテレパシー

・SF作家のアイザック・アシモフはニューヨークの私の家で話している時に、突然、こんなことを言い出した。「あなたみたいな神が信じられて永遠の生命が信じられるなんてうらやましいですね」

 

・「あら、でもディケンズさんは、夢の中で小人が出てきて、不思議な物語を話してくれたので、起きてすぐにそれを書き留めたらーそれがあの名作『クリスマス・キャロル』になったそうですよ」

 

そういうと彼は驚いたような顔をしてこういった。

「そうなんですか。でも僕の場合は夢じゃなくて、現実に出てくるんですよ」「え?」その言葉に私は、思わず耳を疑った。詳しく聞いてみると、アシモフがタイプライターの前に座ると、実際に5~6人の小人が出てくるのだ。そして周囲でいろいろなことを話してくれるというのだ。

 

「僕はそれをタイプライターに打っているだけ、書くだけなんです」

私は、「まさに、それこそが心の世界なんですよ」と言った。

アシモフさん、どうやってそれをあなたのお好きな科学で説明できるんですか。説明できないからこそ、それを心の世界というのですよ。現にあなたは、そうやって366冊ものSF小説を書いたわけでしょう?」

 

2012年に「時間」が消える!

・宇宙連合のクェンテインさんは、3万5000歳だといっているが、地底人の中にはもっと年齢を重ねている人もいる。

 

・たとえば、古代メキシコ文明に現れた神人、ケツァルコアトル・・・・その正体は、実はクェンテインさんだったというのである。彼は、当時の地球人を指導するために、そう言う姿で地上に現れたというのだ。

 

・ある惑星が進化、アセンションした状態になれば、もはや時間は存在しません。というのも、この高次の意識的視点から、あなたは、永遠を垣間見ることができ、全ての時間が調和していると同時に感じることができるからです。

 

宇宙もアセンションに動いている

・クェンテインさんの宇宙連合にしても、巨大母船が宇宙にあってそこと地球を行ったり来たりしているのだから。そういえば、アンドロメダに14歳のころから呼ばれているというアメリカ人に会ったときに、彼はこんなことを言っていた。

 

「そこでアンドロメダの人たちにも会ったけれど、やっぱり母船がすごかった。それはものすごく巨大な母船でした。見た目は、ちょうど6階建のビルのようなサイズなのですが、1フロアだけで、言葉に尽くせないくらいの広さがあるのです。なにしろそこには山があり、湖があったのですから」しかもそれが6階分ある。

 

・こうしたUFOに乗った宇宙人たちが続々とアセンションの時期に合わせて、地球を目指してやってきている。そう考えただけで、わくわくしてくるではないか。

 

 

 

 

2020/9/8

 

 

 

『竜であり蛇であるわれらが神々 (下)』

人類の起源と闇の支配一族レプティリアンの血流

デーヴィッド・アイク 徳間書店  2007/8/1

 

 

 

レプティリアン

レプティリアンは三種類に分けられる。肉体を持ち、ほとんどは地球内部に住んでいる者(地球内種族)、肉体を持ち、他の星々からやってくる者(地球外種族)、そして肉体を持たない者。この肉体を持たない者たちこそが権力を握っている中枢で、姿を現さずして異次元から混血族を操っているのである。レプティリアンたちはこういった悪巧みを銀河のあちこちで働いている。

 

「ペーパークリップ計画」脱出ナチス、メンゲレのMKウルトラ

・メンゲレをはじめ、ナチスの主だった遺伝子学者やマインドコントローラー、科学者、エンジニアもしかり、彼らは英米両国の情報(諜報)機関の立てた「ペーパークリップ計画」に従って、連合軍の到着に合わせて国外へ脱出した。この話は、しばしば主要なメディアにまで登場している。

 

・メンゲレは南アフリカおよびアメリカ合衆国へ連れて行かれ、カリフォルニア州の砂漠地帯にあるチャイナレイク海軍兵器センターを主要な活動拠点の一つとした。このメンゲレこそが、MKウルトラという悪名高きCIAのマインドコントロール計画を指揮した人物である。MKはマインドコントロールの略称だが、これがドイツ語風の綴りである理由は、ジョン・フォスター・ダレス国務長官とその弟で初代のCIA長官であったアレン・ダレスなどの出資によって創設されたためである。アレン・ダレスはケネディ大統領に更迭されたが、その直後に大統領は暗殺された。アレン・ダレスは後にウォーレン委員会の調査委員に名を連ね、この委員会によってリー・ハーヴェイ・オズワルドの犯行と断定されたのだ!ある研究者によると、「ウルトラ」とは宇宙人との相互関係を扱う高度機密と、同じ問題に対処する国家安全保障局の秘密軍に与えられた名前である。ウルトラは、ニューメキシコ州ロスアラモス近郊の悪名高きダルシー地下基地にある宇宙人と「人間」との合同ネットワークの運営体であると同時に、第2次世界大戦中に南極大陸にあると噂されたドイツの地下基地の警備にあたる秘密のナチ部隊の名前でもあった。モーリス・ドリールという研究者が、ノルディックとハイテク戦争をしていた時代に、レプティリアンがまだ氷のなかった南極大陸を基地にしていたという確証を得たと言っていたのを思い出した読者もあるだろう。

 

<「セックス中に尻尾が‼ 」パメラ・ストンルブックの赤裸々証言

・ロサンゼルスのジャズ歌手、パメラ・ストンブルックは、レプティリアン種とのセックス体験を公然と話した。最後に聞いた話では、彼女はこのテーマで本を出版する準備を進めているということだった。非常に背の高いレプティリアンが最初に彼女の寝室に現れたとき、彼女は恐怖を感じたという。

 

しかし、レプティリアンにレイプされたという女性の話は珍しくない。私はパメラにはロサンゼルスの集会でごく短時間会っただけだが、彼女は実にユニークで、非常に強い意志を持った人だった。それこそが、そのような状況に置かれたときになによりも必要な資質なのだ。彼女は「UFOコミュニティ」に公開書簡を送りつけた(メンバーの大半はいやになるほど閉鎖的で、彼らの「通念」以上のものを見ようとはしないのだが)。

 

・「レプティリアンは、UFOコミュニティの中で公式に認められた種ではありません。だから、レプティリアンと性的関係を持ったと認めること、ましてやそれを楽しんだなどということは、コミュニティに関係されている、より保守的な方々からすれば常識外のこととは存じます。けれども私はさまざまな本を読み、研究を進め、さらに何十人もの女性(および男性)と個人的に話をするうちに、こうした経験を報告しているのは私だけではないことを知りました。これを認めるのは私が初めてとなりますが、この問題は途方もなく複雑で、まるで鍵だらけの部屋のように、次元の実相は変化し続けています。しかし、レプティリアンがセックスを利用してさまざまな方法で人びとを支配しようとしているのは確かです

 

彼女は、自分の経験を公にして以来、レプティリアンとの同様な出会いを語る何百もの人からの連絡を受けたクレド・ムトワによれば、アフリカでは何十人もの女性が誘拐され、レプティリアンにセックスを強要されたり、人為的に妊娠させられたりしたが、その後、胎児は妊婦の体内から説明のつかない状況で突然「消えて」しまうのだという。大半の女性は、言えば笑われると思って口をつぐんでいる。しかし、パメラ・ストンルブルックは、世間からどう思われようが、そんなことは知ったこっちゃないという風情だ。

 

・多くの人びとは、真実、あるいはより正確な現実と向き合っても、目の前で笑い飛ばし、邪悪なものとして片づける。真実のある面に心を開いた人でさえも、レプティリアンの次元の話になると、これだけ多くの証拠があっても、いまだに心を開いて理解しようとはしない。ある著述家は、古代の地球外生物について他の点では非常に面白い本を書き、その中で蛇のシンボリズムや名前の不思議、アヌンナキのまつわる伝説などについて書いている。だが彼は、それは爬虫類のような柄の衣をまとっていたせいか、蛇を飼っていたせいだろうと推論する。私には違う理由があると思えてしかたない。

 

・人類型異星人の起源はこと座周辺からやって来た異星人だが、ほかにプレアデス星団アルデバランの生物も混ざっている。彼らはもともと、別の次元に人間と同じ姿で存在していた。しかし、爬虫類人とDNAを交わらせた結果、もともと素朴だった性格が変化し、爬虫類気質が入った。これが人間の堕落である。

 

人間社会を異星人との「超混血種」に置きかえる

・ジェイコブズ博士によれば、「異星人のアジェンダ」には人間と異星人の遺伝物質を使って混血種を生み出し、異星人のコントロールのもとで、人間社会を混血種に置きかえることも含まれているという。男性から精子を採取し、女性を妊娠させるというすべての誘拐事件の裏にある真の目的はこれなのだそうだ。その第一段階として、人間の遺伝子と「異星人」の遺伝子が交配される。それからこの遺伝子を他の人間の卵子精子と融合させ、この第二段階の混血種の遺伝子をさらに別の人間の卵子精子を交配させると、正体に気づかれることなく街なかを歩くことができる混血種が生まれるということだ。

 

レプティリアンによる誘拐/灰色の生物、「次元間の爬虫類」

・始まりは1992年の3月。ウォールデンがベッドに入ろうと、寝室の明かりを消したところに、身長120センチほどの、黒く大きな目に球根のような頭をした灰色の生物が現れた。空気が急激に冷たくなり、「体が硬直し」、ウォールデンは悲鳴を上げた。

 

・意識を失い、次に目が覚めたとき、彼はつるつるの冷たい金属の台の上に横たわっていた。

 

ウォールデンを誘拐した相手の中には「次元間の爬虫類」もいた。それは身長240センチから360センチほどもあり、ひょろ長い脚をしていた。体と腕の間に「コウモリのような」、翼にも見える被膜があり、背中には「ひれのような附属物」がついていた。頭は大きく、冬瓜のように長細い形をしていた。肌はざらざらした感じで緑がかった模様があり、「尻尾もついていた」とウォールデンは思っている。この生物は、自分は数多くの「人間」の体に住んできたと言い、「私の目は人類の進化を見届けてきた」とも言った。

 

琥珀の目、緑の肌「訪問者」と「密教的性交」のパメラ

・目を覚ますと部屋の中にレプティリアンがいたという話も、よく聞かれる。カリフォルニアとアリゾナに住んでいたアメリカ人女性、パメラ・ハミルトンは、グレイやレプティリアンに加えて金髪碧眼の「ノルディック」も、自分が若かった頃から数え切れないほど家、それもたいていは寝室にやって来たと言っている。

 

・カリフォルニアとアリゾナは、レプティリアンの活動にとって非常に重要な場所であるらしい。特に次にあげる場所が、そうである。カリフォルニア州オレゴン州ワシントン州、そしてカナダ南部にまたがるカスケード山脈にある休火山ラッセン山。アリゾナ州にある「ニューエイジ」の中心地セドナセドナから南へ2時間行った、太陽の谷にあるフェニックス。フェニックスの近郊のスーパーステイション山脈は、生身のレプティリアンが数多く目撃されたことで話題になった。そのいくつかは私のウェッブサイトwww.davidick.comで読むことができる。

 

・何体かの緑色をしたレプティリアンが、彼女の服を脱がしていた。彼らは人間と蛇が合体したような奇妙な姿をしていたという。大きく切り裂いたような、まぶしいほど黄色に輝く目には、縦長の瞳孔がぎらぎらと光っていた。鼻は広くて平べったく、顔にぺったりとくっついたような鼻孔は、それが彼女を検査する間に鼻を鳴らしたとき、ほんのわずかだけ動いた。彼女の話では、ある者の口は大きく、周りの皮膚にたくさんの襞があり、ある者は小さな口をして、その周りには襞はなかった。耳たぶはなく、小さく丸い耳が頭の上のほうについていた。鱗の色は頭の上と後ろでは違うことがわかった。上のほうはカーキグリーンだったが、後ろは灰緑色だった。顔は滑らかで、細くとがったあごをしていた。うちの二体は、白いジャンプスーツを着ており、まん中に体をくねらせた竜があしらわれた七芒星形のバッジをつけていた。他の「爬虫類人」は、黒いユニフォームを着て、同じバッジをつけていた。彼女はまた、青い目に白い肌の、背の高いトカゲ――レプティリアンヒエラルキーの最高位にいる「王族ドラコ」として何度も確認されているものについても話している。彼は左側に三つのバッジのついた、「柿色のジャンプスーツ」を着ていた。

 

・王族ドラコは他の者より背が高く、2メートル10センチ以上の身長があった。

 

メン・イン・ブラック/ハート形割れ頭、緑色鱗肌に変身

・変身するレプティリアンの報告は世界中にあり、「メン・イン・ブラック」現象もまた、それらと関係している。黒いスーツに身を包み、UFO研究者や誘拐体験者を脅迫する連中である。一見政府関係者のようにも見えるが、普通の感覚で見て「人間」とは思えないようなしぐさなり表情なりがある。彼らは奇妙なオーラに包まれ、突然「姿を消す」ことができるという証言が多くある。

 

レプティリアンの地下基地/「悪夢のホール」に奇怪なヒューマノイドたち

レプティリアンと変身の目撃情報は数多くあるが、ほとんどの人がそれを知らないのは、99パーセントの人がメディアから「ニュース」や「情報」を手に入れているからだ

 

・フィル・シュナイダーはアメリカにある多くの地下施設の一部を造るよう命令されたという。彼は、新世界秩序のアジェンダのために、131もの地下軍事基地が平均して地底約1.5キロのところに建設されているのを知っていると言った。彼が関わった中に、ネバダ州のエリア51ニューメキシコ州のダルシーもある。ダルシーは人口が約1000人の小さな町で、標高2100メートルあたりには、ヒカリヤ・アパッチ族居留地がある。ダルシーやその周辺では、UFOを見た、UFOが着陸した、「エイリアン」に誘拐された、人間や動物がばらばらにされた、レプティリアンを見たといった報告が絶えず聞かれる。ダルシー基地はまた、1979年にレプティリアンとグレイが人間の軍隊や民間人と戦った「ダルシー戦争」があったとされる場所でもある。両陣営とも多数死者が出たが、フィル・シュナイダーもこの衝突に参加していたのだそうだ。

 

ニューメキシコ州のダルシー基地で働いていたある人物は、最下層部でグロテスクきわまりない光景を見たと報告している。研究者のビル・ハミルトンとTAL・レヴェックは、ダルシーについての情報を収集し、それを「UFOマガジン」誌に発表した。

「地下6階は密かに『悪夢のホール』と呼ばれていた。そこには遺伝子の研究室があった。奇怪な実験を目撃した労働者からは、次のような報告がされている。タコのように脚が何本もある『タコ人間』を見た。爬虫類人、人間のような手をして赤ちゃんのように鳴く毛だらけの生物………それは人間の言葉をまねていた。………そして、檻に入った巨大なトカゲ人間。また、とてもその種類の生き物とは思えないような魚やアザラシ、鳥、ネズミなどの生物たち。いくつかの檻やタンクの中には、コウモリのような翼を持つグロテスクなヒューマノイドがいた。………身長は、1メートルから2メートルを超えるものまであった。ガーゴイルのような生物や、竜のような爬虫類もいた」

 

・「地下7階はさらにひどかった。人間と、人間と他の生物の混血種が数千体、冷凍保管室に並んでいた。保存用のタンクには、さまざまな発達段階のヒューマノイドの胎児があった………(ある労働者は、こう言った)。『檻の中に人間がいるのをよく見かけましたが、たいていぼんやりしているか、薬物を投与されているようで、でもときには泣き叫び、助けを求めていました。彼らは重度の精神疾患で、危険性の高い治療薬の試験を受けているのだと私たちは聞かされていました。私たちは最初のうち、その話を信じていたのです。でも、1978年、ついに労働者の小さなグループが真実を発見しました』」。

 

世界中の地下都市に繋がるトンネル・ネットワーク

・この発見が「ダルシー戦争」のきっかけとなり、1979年に起こったこの人間とレプティリアンレプティリアン・グレイの間の戦いで、多くの科学者や軍人が命を落とし、フィル・シュナイダーも危うく重傷を負うところだったという。トーマス・カステロと称するダルシーの警備員がダルシー基地で起こったことを研究者に語り、彼の話は「UFOマガジン」誌に掲載された。

 

・インターネットで、広範囲にわたりレプティリアンのコネクションについて書いている研究者アラン・ウォルトンはこう言っている。

ほとんどの主要都市の真下、特にアメリカでは実際に、地上とよく似た地下の『街』が存在し、フリーメイソンで混血種の異星人『エリート』によってコントロールされている。地上あるいは地上近くの入口が、フリーメイソン支部、警察、空港、主要都市にある連邦の建物などの下にあり、………それほど主要な都市ではなくても地下の街が存在する。その人口は、おそらく地上の10パーセント近くではないだろうか。さらに地中深くで暮らしている純血種のレプティリアンは、この数字には含まれていない

 

・「人口密集地の中には、すでに存在していた、中には数千年前から存在するものもある地下世界と簡単に行き来できるように、旧あるいは新世界のフリーメイソンの混血種エリートによってわざわざつくられたものである。………この地下都市はまた、地上で活動する犯罪シンジケートを組織するのにも非常に役立っている。彼らは『同化』学のあらゆる技術を開発し、重層的課税、インフレ誘導、理想化、操作、規制、罰金、手数料、ライセンス、……連邦準備銀行とウォールストリートが管理運営する何から何まで信用詐欺の賃貸取引といったことを通じて私たちから少しずつ少しずつ搾り取り、私たちを奴隷化している」

 

・「ニューヨーク市が世界最大のドラコの巣の一つであることは、間違いない。もっと正確に言えば、この地域の地下にあるのは、古代『アトランティス』の地下ネットワークである。それらはウォールストリートのピラミッド構造を文字どおり地下からコントロールしており、…………そこにはロックフェラーなどのレプティリアンの血流からの少なからぬ援助を受けている。……これらの地下施設は、実際にフリーメイソンのエリートの地下社会と、それがコントロールしている地上社会の主要な出入口として機能している可能性もある」

 

・アラン・ウォルトンはダルシーの警備主任トーマス・カステロが、ダルシーやロス・アラモスなどの地下システムの深いところで、グレイ、爬虫類人、翼を持った「モスマン」が協力し合っている様子を語ったと言っている。この指揮系統のピラミッドは、上からモスマン、レプティロイド、グレイ、そして混血種の人間が彼らの下に置かれているらしいと、カステロは言う。あるレプティロイドは、大昔、自分たちは地表に住んでいたが戦争(神々の戦争)によって追い払われたのだとカステロに話した。彼らは地下や他の恒星や惑星、4次元や5次元にさえ逃げた。この話は、レプティリアンたちがこの星で栄え、後に他の宇宙人のグループ、特にノルディックに敗北したと語る、クレド・ムトワをはじめとする誘拐体験者の話とぴったり合っている。

 

・UFO研究家として高い評価を受けているティモシー・グッドは、著書『想像を超えた真実』に、地下の異星人基地の存在を立証する二人の「上層部消息筋」の話を引用した。

 

・「これらの情報は、アメリカ軍が地球上に基地を設置している正体不明の「異星人」と仕事をしているという証拠を提供しているとグッドは言う。基地の多くは水中にあるそうだ。この事実は、「神々」が水の中から現れるという古代の伝説と合致する。情報によれば、基地は、オーストラリア、太平洋、旧ソ連アメリカ、そしてカリブ海にもあるそうだ。カリブ海というのは、プエルトリコだと考えられている。空軍関係者はグッドに言った。「彼ら(「異星人たち」)は、恒久的に地球に基盤を置いている。彼らは地球を狙っている」。彼らはまた「プレートテクトニクス」(地震の原因となる大地の動き)に干渉しており、世界の海水温の上昇も異星人の活動に関係しているらしい。そう、地球温暖化によるものではない、それは確かだ。興味を引かれるのは、情報提供者が、「異星人」たちが彼らの種族に地球を支配させるため、「混血化」の実験を行っていると示唆していることだ。しかしこれは、ずっと昔に始まったことである。

 

ET基地の地底生物たち/光を嫌い、異種交配を欲す

レプティリアンやその他の人間でないものたちが、地球内部の、私たちが今日「基地」、都市、トンネル・ネットワークと呼んでいるところで暮らしているという話は。古代の物語にも広く見られる。インドやアジア一帯、極東のナーガあるいは蛇の種族は、主にパーターラとボーガヴァティーという二つの地下都市で暮らしていて、ヒンドゥーの伝説によると、彼らはここでアガルタ王国とシャンバラ王国に暮らすノルディックと支配権を争ったと言われている。

 

日本の「地獄」あるいは地下ネットワークも似たようなもので、人間とは違う生物として、河童という半水棲のレプティリアンヒューマノイドがいるほか、山中や地底、海中に、姿を変化させる生き物が住んでいる

 

スカンジナビアやゲルマンの神話には、エルフとして知られているフルドレ(「見えない人たち」)がいる。「エルフ」は例の血流を示す暗号の一つで、民話に出てくるトロル、エティン、妖精、エルフ、トログロダイト、ネフィリム、ブラウニー、そしてアイルランドの「小さな人びと」のような存在はすべて、現代の「ET基地」の話に出てくる地下に住む生物を呼び表す別名なのだ。

 それらにはみな、人間と異種交配をする、日の光の中には出られないなど、同じ話が伝わっている。

 

・古代スカンジナビアやゲルマンの妖精、ゴブリン、トロワ、ノッカー、ブラウニー、レプラコーン、シー、ティルエス・テグなどなどは、人間にとって害をなすか冷淡かのどちらかだと、マイケル・モットは言う。それらはほとんど例外なく地下で暮らしている。塚、丘、遺跡、古代の土居、あるいは丘の上の砦、山地、断崖、古代都市が、居住地の「屋根」であると言われている。現在報告がなされているサスクワッチ(ビッグフット)やイエティ(恐怖の雪男)とよく似た生物も、地上にやってくる地下の生物の古い中から見つけられることだろう。アジアの蛇の種族「ナーガ」のように、ヨーロッパの民間伝承でも、このような「妖精」の人びとは湖を通って地下の住居へ戻っていくと言われている。マイケル・モットは、こう続ける。

 

・「古代スカンジナビアの『見えない人びと』とインドのナーガとの関連性に対する疑いを払拭する両者の共通点には、日光を嫌う、しばしば自分たちの血流と人類の血流を交配させる、さらには彼らの『家畜』、あるいは妖精の牛、馬、猟犬などと、それに一番近い地上の種を交配させることにさえ興味があるらしいということが挙げられる。人間の赤ん坊やその遺伝子をもらいたがるという点では、ゴブリンやルンペルシュティルツヒェンが民話の一例だ。エルフは人間の生活に非常に興味を持っている。結婚や、子どもの誕生、死、(血流)、農作物や家畜の出来具合などなど。だがそれは、自分本位の興味にすぎない。彼らは遺伝的と生物学的な多様性に異常な関心を持っているらしく、機会があればいつでも家畜や農産物をくすね、盗んだり、異種間の密通によって人間の遺伝子を持っていくエルフはたいていみごとな金髪で白い肌をしていると表現されている

 

世界中のお伽噺、民間伝承に共通/地底人の邪悪さ

・モットがヨーロッパの民間伝承から拾い出した描写は、現代の誘拐体験者や地下基地の研究者の口からそのまま出てきてもおかしくない。グレイと呼ばれる現代のUFO伝説は、シュメールやエジプトの伝説で、地下から人間を誘拐しに来るガラトゥルやウシャブティとして知られている存在と同じものであり、スコットランドの北の沖合にあるシェトランド諸島の民間伝承に現れる人間を誘拐する「小さな人間」は、「灰色の隣人」あるいはグレイと呼ばれている。アメリカにも、似たような伝説や地下の住民の物語がある。そこには人間、レプティリアンあるいはレプティリアンヒューマノイド、その他さまざまな「怪物」や「悪魔」が登場する。それらの描写は、世界中の他の古代文明のものと似通っている。ホピ族をはじめ多くのネイティブ・アメリカンには、地上に来て暮らす前は今までの話に出てきたような地下洞窟の「都市」で暮らしていたという特徴がある。マヤの叙事詩ポポル・ブフでは、二人の「半神」(混血種)の兄弟フンアプフーとイシュバランケが、ワニ頭の怪物と戦うためにシバルバーと呼ばれる恐ろしい地下世界へと入って行って戦いに勝利し、人間の生贄をやめさせたとある。今日なお、生贄はレプティリアンの名刺代わりになっている)。このような地下世界は、地底に地獄の生物がいると信じられるようになった由来である。詩人のダンテはテンプル騎士団のイニシエイトだった。彼は有名な『神曲』の「地獄篇」で、地下世界巡りに出た。地獄は九つの「圏」から成り、「罪人」は捕らわれて、角が生えた悪魔やレプティリアンハーピーと呼ばれる巨大な鳥に罰せられていると書かれている。ダンテが描いた「地獄」の様子や環境には、地下世界や洞窟のコミュニティの特徴が見られる。「地獄篇」には、地下に収監されて審判の日を待つというアイデアさえ含まれている。

 

アイルランドマン島は、どちらもイルミナティの血流とその活動にとって重要な場所であるが、そこの文化は多くが妖精の伝説や地下に住む「小さい人びと」に基づいている。アイルランドの伝説では、古代のミレ族と、地中に逃げ込みそこに定住した「地下の神々」トゥアハ・デ・ダナーンとの性的な関係が語られている。アイルランドから蛇を追い払った」聖パトリックは、こうした地下の住人の一人、クルアチャンの洞窟から来たという「妖精の女」に会ったと言われている。聖パトリックがその妖精についてミレ族の男に尋ねたところ、男はこう答えた。「彼女は死ぬことのないトゥアハ・デ・ダナーンで……私は不死ではなく消え去る運命にあるミレ(アイルランドの人間)の息子たちだ」。死ぬ運命にある者と永遠の命を持つ者の話はよくある。

 

もしも「妖精」の人びとの伝説と今日の「宇宙人」の物語が同じ生物を表しているということにまだ疑いを持つ人がいるなら、マイケル・モットが要約した世界中の民間伝承に出てくる、地下の住人の共通の特性を挙げてみよう

「彼らはおおかたレプティリアンか、レプティリアンヒューマノイドか、肌の白い『ノルディック』だ。彼らは抜群の精神力とテレパシー能力を持つ。彼らは変身し、イリュージョンを作り出せる。彼らは人間と交配したがり、人間の血、肉、生殖用個体を必要としている。彼らは進歩したテクノロジーを持つ。彼らは不死の秘密を持っている。彼らは自分自身の力、あるいはテクノロジーを使って飛ぶことができる。彼らのほとんどは、人間に対して邪悪なアジェンダを持っている。彼らは直射日光が当たるところでは長い間生きられない。彼らは地上から追放されたか、地上の人間および(あるいは)太陽から隠れている。彼らは自分たちの宝、知識、秘密の真実のアイデンティティを保持し続けようとしている。彼らは地上世界の出来事を密かに操っている。彼らは地上の人間を宗教、カルト、秘密結社を通じて働かせている。彼らは(硫黄のような)腐ったような臭いがする」

 これらの特長は数千年以上もの間、信じがたいほど一貫している。

 

・「そのバリエーションの一つが、おとぎ話でおなじみの『カエルの王子』のパターンだろう。カエルの王子はハンサムだが、女性をたぶらかす日本の竜のように、爬虫類あるいは両生類の姿をしている。地下世界とのリンクは完璧で、カエルはたいてい深い井戸に住み、ヒロインが彼をそこで発見するか助けるかする。スカンジナビアでは、ドワーフは太陽の光を浴びると『ヒキガエルになる』と信じられているが、花御本の恋人がやはり日に当たると人から『大蛇』の姿に変わったのは、明らかにそれと関連性がありそうだスロベニアには妖精や『小さい人びと』の伝説があるが、洞窟に住む半身が女性で半身が蛇の大きくて白い生き物『蛇の女王』はおとぎ話ではおなじみの存在となっている。信心深いヒンドゥー教徒仏教徒の一部は今でも、インド、ネパール、チベットの地下には人間ではない蛇の種族のナーガが住むと信じている」

 

<悪魔の「宿主」、ヒトラーの「危険な魅力」

・ドイツのナチスほど本章で述べた内容を顕著に表す例はないだろう。また、悪魔の存在に憑依されたイルミナティ血族として、アドルフ・ヒトラーほど明白な人物もいないヒトラーレプティリアンの血流であることはほぼ間違いない。「人をひきつける人柄」を持つ人を磁石のようだと英語では形容するが、こういう人たちはほんとうに磁石を持っているのである。

 

・極悪人に「危険な魅力」を感じるのもこれと同じだ。アドルフ・ヒトラーの魅力とカリスマ性はここから来ている。ヒトラーが大衆の前に立って顔を歪めながら狂ったように演説するとき、彼は「レプティリアン」悪魔の意識の霊媒となってこの波動を大衆に伝達する

すると、大衆の振動の状態が変わり、同じように憎しみに狂っていくのである。これが波動を使った「笛吹き男」の原理である。ヒトラーについて著述家のアラン・ブロックは次のように述べている。

ヒトラーが聴衆を魅了する力はアフリカの祈祷師やアジアのシャーマンのオカルト的な技に例えられてきた。また、霊媒の持つ感受性や催眠術師が人を引きつける力と比較して言う人もある

 

ヒトラーの側近であったヘルマン・ラウシュニングは著書『ヒトラーは語る』で次のように書いている。

ヒトラー霊媒だと考えない人はいない。霊媒は普段、ふつうの取るに足らない人間だが、突然、超自然的な力が宿ってきて、ほかの人間とは隔絶した存在になる。つまり霊媒が憑依されるのだ。この重大な局面が去ると、霊媒は凡人に戻る。ヒトラーが彼自身の外側にある力に乗り移られたことは間違いない。その力とは、ヒトラーという個体を一時的な媒介物として取り憑いた悪魔のような力だ。凡庸と超自然の混在は、どちらがそのときの意識を司るかによって耐え難い二面性を生み、……それは、秘められた力の穏やかならざる痕跡があいまった、アンバランスな精神状態を映した異様な顔を見るようだった」

 

 ヒトラーは「超人」の恐怖にさいなまれていたようだ。ラウシュニングによると、ひどい悪夢にうなされ、当人にしか見えない存在への恐怖から叫び声を上げて目を覚ましたことが何度もあったという。ある日、ヒトラーは側近にこう話ししている。

 

「将来の社会秩序はどうなるか、同胞諸君に教えてやろう。まず最高君主という階級がある。その下にナチスの一般党員がピラミッド構造に並び、次に膨大な数の無名の従者と永久使用人がその下に来る。さらにその下が征服した外国人種、つまり現代の奴隷である。そしてこのすべての上に、高貴なお方が新しく登場して支配なさるのだ。このお方について私は何も言えない……が、この計画を軍部の者も何も知らない。この新しいお方は今ここに、われわれの中にいらっしゃる。そこにいる!これで十分だろう。実をいうと、私はこのお方に会っている。勇猛で無慈悲。私は怖くて仕方がないのだ

 

陰の主は「超人」/黄金の夜明け団」「ヴリル協会」「トゥーレ協会」

これこそ、レプティリアンと、レプティリアンとノルディックの混血種(アーリア人)の「支配種」が計画している社会だ。奴らの新世界秩序による地球支配を許せばできあがる社会である。ヒトラーが言う「秘密の首領たち」とは邪悪なレプティリアンとその一味である。ピラミッド状の異界組織と儀式への執着は、これから解説するとおり、爬虫類脳の特長である。ヒトラーが英雄と称したヒューストン・スチュアート・チェンバレンにも悪魔が乗り移っていたようだチェンバレンは、ヒトラーのもう一人の英雄である作曲家のリヒャルト・ワーグナーの娘エーファと結婚したイギリス人である。チェンバレンは、自分は悪魔に乗っ取られ、反ユダヤアーリア人(白人種)主義の書籍を著したが、そのときは「熱」にうなされ神憑り状態であったと述懐している。自著の内容のほとんどは身に覚えがないと自伝に書いている。チェンバレンはドイツ皇帝ヴィルヘルム二世(これも例の血族)の重要な相談役を務め、1914年の大戦に同国を引き込んでいる。それから20年あまり経ち、チェンバレンに取り憑いていた邪悪な力はアドルフ・ヒトラーに乗り移り、第2次世界大戦へと導いたヒトラーの行動は、痙攣のような奇妙な発作をはじめ、悪魔的存在が取り憑いたことをうかがわせる。ほかの側近たちも、彼が夜中に叫び声を上げて目を覚まし、体をけいれんさせていたことを証言しているヒトラーは半ば麻痺状態で、助けを求めたという。窒息するのではないかというほどあえいだり、完全に意識があるときでも、何もないように見える場所を指さして大声で叫んだという。「そこにいる! そこだ! あの隅にいる」と。

 

・ドイツに移り住んだ当初、ヒトラーは主にバイエルンに居住していた。ここからバイエルンイルミナティが結成されている。ちなみにヒトラーは第1次世界大戦後バイエルンに戻っている。これは公になっている歴史上の事実だ。バイエルンイルミナティにとって重要な拠点であるバイエルンに戻った翌年、ヒトラーは哀れなドイツ労働者党というちっぽけな政党に出くわした。ドイツ労働者党は、極端な国家主義反ユダヤ主義を掲げた秘教的秘密結社ゲルマン騎士団の流れをくんでいる。ゲルマン騎士団からは悪名高い「トゥーレ協会」と「ルミナスロッジ」(別名「ヴリル協会」)といった似たような秘密結社が誕生しており、ヒトラーは両方のメンバーだった。「トゥーレ」とはギリシャやローマで使われた「極北の地」という意味の言葉である。極北の地をトゥーレまたは究極のトゥーレと呼んだ。

 

・「ヴリル」は、イギリスの作家にしてイルミナティの高位階イニシエイトのエドワード・ブルワー=リットン男爵の造語で、人類を真の力に目覚めさせ、超人にする血の中のエネルギーを言う。血はDNAと読み換えることができる。ブルワー=リットンは英国植民地で聖職に就いていたが、中国人をアヘン中毒にする作戦に深く関与していた。また、英国のベンジャミン・ディズレーリ元首相(ロスチャイルド家と親密な間柄)や作家のチャールズ・ディケンズとも親しかった。さらに、イルミナティ工作員であるフランシス・ベーコンや宮廷占星術師ジョン・ディーが初期メンバーであった英国薔薇十字協会のグランドパトロン(名誉職)でもあった。さらに、フリーメイソンスコティッシュ・ライトのグランドマスターであり、英国諜報部の長官でもあった。手下にはヘレナ・ブラヴァツキーがいると私はその筋から聞いている。ブルワー=リットンはオカルティスト、ブラヴァツキー夫人の著作『イシス開帳』にしばしば登場しているという。ブルワー=リットンは『ポンペイ最後の日』で有名だが最も情熱を傾けていたのは秘教的魔術の世界だった。ところでブルワー=リットンが書いた血の中のヴリルの力とは何だろうか?それはヒンドゥー人には「蛇の力」として知られていた体内の遺伝子構成のことで、変身や意識の次元間移動を可能にするものだ。ヴリルの力は、これもまた爬虫類人の血流に関係する。

 

・ブルワー=リットンの小説『来るべき民族』も、ヒトラーに大きな影響を与えた。現代よりはるかに進んだ地球内部の巨大な文明を描いたものだがこの地下の超人世界はある日地上に現れて世界を支配するという。多くのナチス党員がこの話を信じていた。地下にすむ超人や「陰の主」は多くの秘密結社思想の根底にあるもので、今まで見てきたとおり世界中の伝説にも登場する。フリーメイソンのウィン・ウェスコット博士とS・L・マサースが結成した「黄金の夜明け団」がこの典型である。黄金の夜明け団の主(マスター)は「秘密の首領」と呼ばれ、この主にコンタクトできるよう儀式が考案された。

 

1933年、ドイツを逃れたロケット科学者ウィリー・レイは、ヴリス協会の存在を暴露し、秘教的な教えと精神拡張によって地球の深奥にいる超人と同じ存在になるというナチス党の信条を暴いた。連中はこう信じることで血の中に眠っているヴリルの力を目覚めさせることができると信じていたのだ。ヴリル協会のイニシエイトには、その後ナチス党で有名になるハインリッヒ・ヒムラーヘルマン・ゲーリングがいた。ヴリル協会のメンバーはチベットの神秘的な密儀ロッジと繋がりがあると信じており、いわゆる未知の超人「恐怖の王」との繋がりを確信していたナチスの副総統ルドルフ・ヘスは、1941年に不運なイギリス単独飛行を実行してロンドン塔に拘留されるまで熱心なオカルト信者で、ゲーリングとともに「エーデルワイス結社」のメンバーになっていた。エーデルワイス結社はノルディックの支配種(ノルディックとレプティリアンの混血種、つまり私がアーリア人「白人種」と呼ぶ人種)の存在を信じていた。ヘスはヒトラーを「救世主」と崇めていた。もっともヒトラー総統は金髪碧眼とはほど遠いため理由は不明だ。ナチスは邪悪なマスターに操られて金髪碧眼のノルディックの血族間で交配を行うプログラムを扇動したのである

 

トゥーレ協会の創始者占星術師のルドルフ・グラウアーだが、フォン・ゼボッテンドルフ男爵という華やかな名前に改名している。グラウアーがユダヤ人とマルクス主義者に反抗する革命を標榜したため、トゥーレ協会は反ユダヤ主義、反マルクス主義、ドイツ人支配種主義へと急進していった。こうした潮流の中からドイツ労働者党が結成され、後にナチス党となったのである。フォン・ゼボッテンドルフ男爵の友人に、ほかにもオカルトに傾倒していた重要人物がいる。ドイツ独裁への道を切り開くためにこの世に生を受けたと信じていた著述家ディートリヒ・エッカート(大酒飲みでドラッグもやっていた)である。エッカートは1919年にヒトラーに出会い、彼こそ自分が探し求めていた救世主だと確信した。ヒトラーに高度な秘教的知識を授け、彼が悪魔的レプティリアンとあれほど完璧に接続することになった黒魔術の儀式に誘い込んだのはエッカートである。そこからヒトラーの人びとを引きつける力は急激に拡大していった。エッカート1923年、友人に宛てて次のように書いている。

ヒトラーに従え! ヒトラーは踊り出す。だが、調べを奏でるのはこの私だ。われわれはヒトラーに彼らとコミュニケーションする術を与えておいた。私のことでは嘆かないでくれ。私はドイツ人の誰より歴史に影響を及ぼすのだ」

 

悪魔の意識の霊媒アドルフ・ヒトラーは、レプティリアンの憑依‼ 

悪魔の存在に憑依されたイルミナティ血族として、アドルフ・ヒトラーほど明白な人物もいない。彼がその伝説となっている演説で、大衆に送り込んだ波動は、まさにレプティリアンのものだった。悪夢にうなされ、自分の中に住む高貴なご主人について「怖くて仕方がない」と彼自身が述べていたことからもそれは明らかだ。アドルフの父アロイス・ヒトラーは、マリア・アンナ・シックルグルーバーの私生児だったという調査がある。このヒトラーの祖母はウィーンの豪邸でたった一人で暮らしていたサロモン・マイヤー・ロスチャイルドのもとで働き、妊娠させられていたヒトラーは、クリントンなどと同じく正統なレプティリアン血流の何万にものぼる私生児の一人だった可能性が大きい。

 

ナチスは死なず! 秘教的集団催眠は地球規模に

ナチスの思想を集大成するにあたって影響を与えた思想家や団体には、ほかにもドイツの秘教的魔術師のグイド・フォン・リストとランツ・フォン・リーベンフェルズがいる。

 

ヒトラーフリーメイソンなどの秘密結社を破壊し、ドイツでの秘教的活動を禁止したこととこれとは矛盾するように思えるかもしれないが、実はそうではない。ヒトラーはこの知識を持った人間が入手できる権力について誰よりも知り尽くしていて、それを独り占めしたかったのである実際、ナチスは地下の秘密結社、つまり究極的には悪魔のレプティリアンによって結党され支配されていた。

 

ナチスの秘密結社ごとレプティリアン組織をアメリカに移植した男

・CIA設立時の長官アレン・ダレスは、ヒトラーのSS隊長ラインハルト・ゲーレンを雇用し、CIAネットワークをヨーロッパ中に張り巡らせた。ヨーゼフ・メンゲレなどのナチス党員を保護してアメリカに送りこんだ。メンゲレはMKウルトラというCIAのマインドコントロール計画を指揮した人物。MKウルトラの「ウルトラ」とは宇宙人との相互関係を扱う高度機密と、同じ問題に対処する国家安全保障局の秘密軍に与えられた名前。アレン・ダレスはケネディ大統領に更迭されたが、その直後に大統領は銃殺された。

 

ナチス1945年に消滅したのではなく、地下に潜伏したか名前を変えただけである!

 アメリカの国務長官だったジョン・フォレスター・ダレスは、アレン・ダレスの実兄であり、兄弟でナチスレプティリアン組織)のアメリカ移植を推進した。ダレス家はロックフェラー家の縁者にあたる。つまりレプティリアンの血流であり、ヒトラーの支持者だったクーン・ローブ商会でロスチャイルドに雇われていた。MKウルトラは、ニューメキシコ州ロスアアラモス近郊のダルシー地下基地にある宇宙人と「人間」との合同ネットワークの運営体であると同時に、第2次大戦中、南極大陸にあると噂されたドイツの地下基地の警備にあたる秘密のナチ部隊の名前であった

 

アイルランドの二つの顔/「両極」セクトのトップは同一イルミナティ

・私がヒトラーナチスに関してここで説明したような方法は、世界中の主な政治家、財界人、軍人、マスメディア人が選ばれて権力を持つ際の基本となっている。北アイルランドをめぐる何十年にわたる暴力的な内戦状態は一般に解釈されているようなものではない。ジム・ケアンズという情報提供者は、北アイルランドアイルランド共和国悪魔主義や子どもの虐待がどれほど行われているか何年もかけて暴こうとしている。だが、ケアンズはこれだけではなく、カトリック系のアイルランド共和国軍(IRA)とプロテスタント系親英連合派のアルスター義勇軍(UVF)という二つの「対立する」武装組織のリーダーが同じ悪魔主義集団に属していることに気がついたのである。これは私が世界中で発掘している証拠と一致する。反発し合う「両極」だと思っていたセクトが、トップまで上りつめてみると、ここでもまた同じ一つのもの――つまり、イルミナティであったということだ。

 

解説

下層労働者階級出身の真実告発者

・幕末、開国と同時に、日本はイルミナティサタニズムの総本山としての大英帝国に、事実上、占領された。

 したがってその時から、日本に、英国サタニズムの文献が急増し、英国のあらゆる種類の著作文献とその日本訳本が溢れることになる。

 しかし、デーヴィッド・アイクはこれまで日本人に紹介された英語の著者著作の類いとは、完全に異質である。 

大英帝国が人類史上、異様なまでに完成されたカースト制、つまり何百年にもわたって強固に確立された身分制階級国家であることについて、日本人に何一つ、まともな知識情報が提供されたことはない

 大ざっぱに言えば、英国には三つの身分制階級が存在する。すなわち、

第一、 上流特権階級。または支配階級。統治階級。

第二、 中流階級。支配者に奉仕する知識人専門家の階級。

第三、 下層労働者農民階級。

 いわゆる文化は、上流、中流階級が担う。

 

・したがって、典型的な労働者階級出身で、大学高等教育には無縁、少年時代からサッカー選手、のちにテレビの人気キャスター、という経歴のアイクが、英国緑の党全国スポークスマンとなり、さらにそのあと、霊感を得て著述を始めた1990年初頭、英国のエスタブリッシュメントと知識人、マスコミは、アイクに対する罵倒悪口雑言誹謗中傷嘲笑の大キャンペーンを浴びせかけた。

 

『シオン長老の議定書』で狂奔するアイク潰し、そして、渡米

・アイクは、太古から現在まで、一貫して地球を支配し続けるイルミナティ=ルシファー的勢力の歴史を跡付け、そして『シオン長老の議定書』を紛れもないこのイルミナティ陣営の重要文書と定義した

 そのときから、英国の全体制はもとより、英国緑の党ニューエイジ運動に至るまで、一気にアイクたたき、アイク潰しに狂奔するようになるのである。

英国国内で、完全に封じ込められたアイクは、1996年以降、米国に活動の場を求めなければならなかった。米国で、彼は新しい支持者、理解者、友人を得た。

 

奴隷制度と秘密結社/東洋と西洋は違う

・西洋の歴史には太古以来、二つの根本特長がある。すなわち、

第一、 奴隷制度がどこまでも深く貫徹していること。

第二、 そしてそのことと密接に関連する、秘密結社の存在

 である。

 この二つの特質が結び付くと人善的に社会組織は、ピラミッド構造となる。このピラミッド構造をアイクは、『ロボットの反乱』以来、倦まずたゆまず批判している。

 

 

 

『ハイジャックされた地球を99%の人が知らない  (上)』

デーヴィッド・アイク   ヒカルランド  2014/8/12

 

 

 

世界最高水準の濃厚なる最深鋭地球陰謀情報大公開!!!

爬虫類人レプティリアン)が支配する月は「巨大な宇宙船」であり、その背後に「黒い太陽」土星。銀河中心から発信される太陽経由の《真実の波動》情報は歪曲され地球へ。意図的に用意された無知と抑圧の時代が、今。

✵地球上でのレプティリアンのエージェントが、地球人と爬虫類人とのハイブリット。各国王室・大富豪・大政治家・秘密結社イルミナティなどの最高位メンバーなど。その生存エネルギー源が、恐怖・憎悪の波動さらには人肉・人血・幼児姦。

✵私たちの本来は<意識>。レプティリアンの精神が植え付けられた人類は低波動のエネルギーを供給する家畜。

宇宙はインターネット。この世界はホログラムに過ぎない。私たちは宇宙インターネットとの交信を意図的に切断/制限されている。

✵残忍な爬虫類の気質を色濃く受け継いでいるイルミナティ血族こそが、各地に古代文明を築き、その支配を世界に広げる。キリスト教イスラム教など世界宗教自由の女神、民主的な政党政治のからくり、世界金融センターのザ・シティも……すべては古代シュメールを起源とする土星崇拝が形を変えたもの。

 

・日々経験している「五感の世界」の本質は、「固体」でも「物理的な」ものでもなく、振動、電気、デジタル・ホログラフィーによる情報場=「宇宙インターネット」に過ぎない。

 

上巻への案内――訳者まえがきに代えて

・本章の序論ともいうべき第1章では、誰もがどこかで口にするフレーズを手がかりに、軽妙なタッチで自身の生涯をふり返りつつ、その世界観の概要を述べている。

 

・私たちは何者なのか、私たちはどこから来たのか――この根源的な問いかけから第2章は始まる。アイクは、さまざまな宗教や近代「科学」といった既存の枠組みのウソを暴いたうえで、宇宙をインターネットになぞらえ、私たちが本来は<意識>であること、この世界がホログラムに過ぎないこと、私たちが宇宙インターネットとの交信を意図的に切断/制限されていることを明らかにしていく。

 

・第3章も、ヴァーチャルリアリティーというきわめて現代的な話から始まる。<コントロールシステム>によるプログラミング、メディアを使った大規模なマインドコントロール、肉体というコンピュータの誤作動など、世紀に生きる私たちが実感を持って読んでいける切り口だ。人間のDNAはそもそも超伝導体で、宇宙インターネットと交信できる送受信機なのに、それが故意に操作されて、いわゆる「タイムループ」という幻覚も含めた「時間」の概念に閉じこめられてしまっている。私たちは左脳の支配に縛られて真実が見えなくなっているが、多くの臨死体験者の話から、人間の本当の姿が垣間見える。人は、左脳の司る精神に縛られているが、本当に大切なのは心臓だ心臓こそは、まさに心の臓器なのだ。

 

・ではなぜ、どのようにして、私たちの心と精神は分かれてしまったのだろう。この疑問に答えてくれる第4章は、宇宙が電気でできているという話から始まる。人間に観察できる宇宙はほぼすべてプラズマでできていて、まさに生命体そのものだ。大宇宙で観測される「プラズマのピンチ効果」はヒトのDNAとそっくりだし、地球にも人体のような「気」の通り道がある。太陽もプラズマで、ブラックホールは別の次元への入り口になっている。

 

・続く第5章ではアイクの世界が本格的に展開される。この「真に開かれた精神だけが入れる領域」で、読者はついに爬虫類人と遭遇する。大洪水後の地球を支配したレプティリアンのことは、アフリカ・ズールー族クレド・ムトウが語る古代の伝承をはじめ、大蛇崇拝や、大蛇神の末裔としての王族というかたちで(日本を含めた)世界各地にその姿をとどめている。この大洪水後の時期にはレプティリアンによる遺伝子操作が行われた。

 

・こうした歴史を踏まえたうえで、上巻の白眉とも言える第6章では、月と土星の真の姿が明らかにされる。月は地球の衛星ということになっているが、それを信じるにはあまりに疑問が多すぎる。

 

月は巨大な宇宙船だとしか考えられない。しかも、太陽系のほかの惑星にも同様の「衛星」がある。こうして、レプティリアン同盟による地球のハイジャックが明らかとなる。そのうえでアイクは、私たちに新しい情報をもたらしてくれる。すなわち土星の真の役割である。土星は単なる太陽系の一惑星ではなく、レプティリアンが支配する「黒い太陽」だ。銀河の中心から太陽を経由して送られてくる波形情報は土星による不正侵入によって歪められ、それが月によって増幅されて地球にやって来ている。

 

7章では、いわゆる陰謀論で語られる世界支配の構造が、現実に起こっているさまざまな事件の真相とともに、目まぐるしいほどの速さと驚くべき深さで語られていく。グローバリゼーションの進行も、リビア内戦への介入に代表される「国際社会」の行動も、すべてはレプティリアン交配種のアジェンダの一部だ。彼らの支配は円卓会議を中心とするネットワークが担っている。

 

上巻の締めくくりとなる第8章では、前章で取り上げた巨大ネットワークをつなぐ「セメント役」の要素が分析される。フリーメイソンリーは世界で最も有名な秘密結社だが、会員の大部分は自分の所属している組織の実態を知らない。しかしイタリアのP2ロッジの事件やローマ教皇ヨハネ・パウロ1世暗殺事件に如実に表れているように、この組織はまさに世界を陰から動かしていく。

 

クンダリニー体験

ストーンサークルの中でなにが起きたのか、当時の私には見当もつかなかったが、今ならわかる。実際には多くのことが起きていた。まず、エネルギーがエネルギー/意識の泡を吐き出した(大半の人はこの泡の中に住んでいる)。さらに、私と「彼ら」とのあいだに、電磁力による意思疎通のチャネルが開通し、それを通って、現実世界とは違うレベルからの情報・概念・洞察が私の「人間の」精神に流れ込んできた。

 

宇宙インターネット

・ほとんどの人は自分が「物理的な」世界に住んでいると思っている。実際にそう見えるのだから仕方がないが、本当は違う。「物理的な」存在などない。すべては幻覚だ。私たちは無限で永遠の<意識>なのであって、ごく狭い周波数帯の中で「物理的世界」なるものを経験しているに過ぎない。

 

「見ている」とはどういうことか

・この視点から、個人や集団に対するプログラミングがどれほど大きな影響力を持つか、考えてみてほしい。ほんの一握りの近親相姦ファミリーが、人びとが一生の間に見たり聞いたりする主要な情報ソースをすべてコントロールしているのだ。人類の全体が、現実を(コントロールする側にとって)望ましい方向に解読するようなプログラムをされている。そのために教育、メディア、宗教、医者、科学者、政治家などを通じて「望ましい」思い込みや知覚が植え付けられている。

 

精神と意識が切れている!

・少数者が<コントロールシステム>を握って大勢を奴隷にしておくには、人びとがマインドーボディのレンズだけを通して現実を認知・解読し、本当の自己の影響から切り離されたまま一生を終えるようにすることだ。

 

衝突する世界

・惑星が軌道を外れないのは電気力と電磁力のためで、いわゆる「重力」のせいではない。

 

・少なくとも白色人種(コーカソイド)の多くが歴史的に火星とつながりがあることを示してきた。多くの秘密科学プログラムに携わってきた「インサイダー」のひとりは、火星の地下基地に連れて行かれたが、そこで会った生物は人間にそっくりで、よほどよく見ないと区別がつかなかったと語っている。

 

「沈んだ」大地

・地球は荒廃した。その一部始終は世界中の古代神話や伝説のなかに書き記されている。それまでの調和の取れた「黄金の時代」は消え去り、大西洋、太平洋にあったアトランティス、ムー、レムリアといった巨大大陸は大規模な地殻隆起によって海中に沈んだ。

 

ハイジャックされた地球

アメリカの作家で研究家のマイケル・クリーモは、公式に始まったとされる以前に人間が存在したことを示す痕跡を長年にわたって追っている。クリーモがこの研究に手を染めたのは、教科書にはけっして載らない、何百万年も前の人骨や人工物のことを述べたオリジナルの科学報告書を何十編も読んだことがきっかけだった

 

・さて、初めて私の著書を読む人は、ここで深呼吸してほしい。人類は、大変動以前の非常に長い期間、人間でない種族と交流してきた。慈悲の心に富んだ種族もあれば、そうでない種族もあり、結局は後者が世界を手に入れた。この「神々」がなんらかの方法で地殻の大変動を引き起こしたという伝説が残り、それが<大洪水>の物語というテーマになった。神々(一神教では単数の「神」)が、人類を一掃してやり直そうと決めたのだ。前の章で紹介したように、同じ話はシュメールの神話にもあるし、旧約聖書の「創世記」にもある。シュメールのアヌンナキの物語では、人類が標的にされたのは、人類を支配し奴隷化しようとする「神々」の野望に反乱を起こしたからだということが示唆されている。私は、この「神々」は人間外種族が同盟したもので、それを牛耳っていたのは爬虫類の姿をした集団だったと考えている。ほかにもアリのような姿をした「グレイ」と呼ばれる連中や、ほとんど人間と変わらない見かけの者もいただろうが、この「レプティリアン同盟」の最前線には鱗に覆われた連中がひしめいていたはずだ。

 

古代メソポタミアの粘土板には、アヌンナキは何十万年も前に来たと書かれている。彼らは(本当の黄金時代)を終わらせ、地球の人々を奴隷種族にした。以来、アヌンナキ(=レプティリアン同盟)は、人々がおとなしく従わなくなってくると、定期的に地球規模の大災害を引き起こし、人類の遺伝子プログラムを抹消するようになった。そのたびに「アップグレード」した人間のボディ・コンピュータで再び同じことを始めたのだ。

 

レプティリアンが地球に来てまだ20003000年だと言う人もいるが、私はもっと以前だと思う。レプティリアンはオリオン座とりゅう座につながりがあるように見えるが、私たちに知覚できるとは限らないし、必ずしも可視光線の周波数帯域内にはいない。惑星や恒星も、ほかのすべてのものと同じく多次元で、私たちが「見る」のとは違う周波数の、さまざまな規模の天体や星座や星雲が存在する。

 

レプティリアンによる乗っ取りの情報が私の人生に入ってきたのは1990年代の半ばを過ぎた頃のことで、その頃から、世界中でレプティリアンと遭遇したという人たちと出会うようになった。

 

古代の証拠、現代の証拠

南アフリカズールー族の「サヌーシー」(高位シャーマン)クレド・ムトウから連絡を受けたのは、1998年の『大いなる秘密』でレプティリアンの話を初めて公表したのがきっかけだった。彼はズールー族の伝説に出てくる「チタウリ」について詳しく教えてくれた。これは「邪悪なヘビの子どもたち」ないし「ニシキヘビの子どもたち」という意味で、私の「レプティリアン」に当たる。クレドは以来、大切な友人になった。

 

クレドが若い頃、アフリカは、セシル・ローズをはじめとするヨーロッパ人によって侵略された。彼らヨーロッパの植民地主義者は、古代アフリカの知識を消し去り、連綿として受け継がれてきた人間の歴史記録を破壊して、代わりにキリスト教の教義を押し付け、アフリカの信仰と歴史を悪魔化していった。そうすることで、古代の歴史や伝説や神話を抹消し、本当に起きたこと(つまりは今起こっていること)をもみ消そうとしたのだ。そうした知識を守るため、アフリカ各地でさまざまな秘密結社が設立された。クレドがそうした秘密結社に加入したのは60年以上も前のことで、そこで初めて「チタウリ」について聞くことになったのだそうだ。

 チタウリ――地域によって呼び名は違う――が地球をハイジャックしたというクレドの話は、私がそれまで収集してきた情報を追認し、裏付けるものだった(レプティリアン種族に関する情報は世界中からいくらでも集まってくる。そのなかには古代のものもあれば現代のものもあるし、イルミナティの内部者によるものもある。また自らの意思に反して「内部」で働いている者も数多くいる)。

 

・首飾りには空飛ぶ円盤状のシンボルもついていて、これはチタウリが「母船」から地球に来るのに使った宇宙船だと言われているが、知れば知ほど、本当は土星を象徴しているという気がしてくる。

 

クレドによれば、チタウリの男性は爬虫類には見えない。これは、彼らを実際に見えるように描いてはいけないとされてきたためだ。彼らは明らかに人間とは違うように描かれているが、実際の姿のようにも描かれていない。それでも、なかにはそのままの姿、あるいは少なくとも爬虫類に見える姿で表現されているものもあって、今もあちこちの文化に見ることができる。

 

大蛇崇拝

・わかっている範囲で最も古い宗教形態は大蛇崇拝だ。ノルウェーオスロ大学の考古学者シーラ・コールソンは、南アフリカカラハリ砂漠のツォディロ丘陵で7万年前の大蛇崇拝の証拠を発見している。

 

・ほかにも、ジョン・バサースト・ディーン師と人物が1830年代に、世界中の大蛇崇拝の歴史に関する研究を発表している。ディーンは、大蛇崇拝の起源はシュメールとバビロニア(現在のイラク)にあるとして、その後の伝播の跡をたどり、まさに世界中を調査して歩いている。それによると、現在のメキシコに住むマヤ族は、自分たちを「大蛇の人々」の子孫だと考えている。このレプティリアン種族は、空からやって来てマヤの文明を乗っ取り、人間の生贄を要求したというレプティリアン種族とその仲間連中は、その技術的能力の高さゆえに「神」と考えられた。同様に、北アメリカのホピ族にも、自分たちの女性と交わった「ヘビの兄弟」「空の神」の話が伝わっている。またインドには「シャルパ」と呼ばれるレプティリアン種族の言い伝えがあって、彼らが文明を興し、ヒンドゥー教カースト制を創始したのだとされている。カースト制度の本質は、人種を基準とする厳密なレプティリアンの遺伝的ヒエラルキーなのだ。そしてここでも、彼らが人間の生贄を要求したと伝えられている。中国の神話でも、やはり「大蛇の女王」が男たちと交わったとされる。

このように、レプティリアン種族の存在と人間の生贄の要求、そして人間との交配は普遍的なテーマだ。

 

・このうちのいくつかは、空に放出される大蛇のようなプラズマが起源となっているのだろう。そうしたプラズマ放射は、宇宙で大異変があるときに生まれてくる。特に「火を吐くドラゴン」の神話はきっとこれが起源と思う。しかし、世界的な大蛇崇拝と爬虫類の姿をした「神々」との関連は、古代の伝承や現代の証言から見て否定できないほど明確で、古代のプラズマ放出だけではとても説明がつかない。問題は、どれが「大蛇プラズマ」の記憶で、どれがレプティリアンの「神々」を象徴しているのかを確認することだ。

 

大いなるスイッチ・オフ

人類の遺伝子が変容したのは、地球規模の大災害があるたびに、レプティリアン同盟によって遺伝子を改変され、プログラムを消去されて、新しいプログラムを導入されてきたためだ。これには、同盟中のレプティリアン以外の種族も関わっていたため、地球上にはさまざまな人種が存在することになった。レプティリアンは卓越した遺伝学者であり、人類のマインドーボディ・コンピュータを、奴隷化という目的に特化してデザインしてきた。

 

・遺伝子操作は、人間が<本当の黄金時代>のような広大な知覚領域を失い、遺伝子の「性能向上」によって、可視光線というごく狭い「現実」に閉じ込められることを意味していた。レプティリアン同盟は、人間の遺伝型を、奴隷種族として彼らに奉仕できる程度には知的で、しかし自分たちが支配されていることや、誰に・どのように支配されているかはわからない程度に愚かなものに作り上げた。

 

「転落」

・「人間の転落」は世界中で語り継がれている普遍的な話だが、最も有名なものは、やはりキリスト教の聖書に出てくる「エデンの園」の物語だろう。では、アダムとイブを「リンゴ」で巧みに操って「園」から追放されるように仕向けたのは誰だろう――ヘビだ。エデンの園」とは<本当の黄金時代>のことで、人類がそのとき経験していた認知の領域を意味している。「リンゴ」という語も、イルミナティ血族にとっては、人間を奴隷化してレプティリアンアジェンダに奉仕させるという、彼らの世界支配の構造を象徴するものだ。

 

エネルギー・バンパイア

ここでマトゥスが「食べ物」と言っているのは低振動の感情エネルギーのことで、恐怖、嫌悪、ストレス、意気消沈、不安、へつらいなどから生じる周波数帯で共鳴する。

 

・それは、人類を操作して、精神と感情をいま述べたような状態に追い込み、そこで生じる低振動エネルギーを、レプティリアンのエネルギー・バンパイアが食べることが目的だからだ。

 

レプティリアンのなかには、先に触れた「グレイ」のように、地球に住んで可視光線内で活動する者もいて、地下に多くの基地を作っている。地下で「人間」の科学者と協力して、地表での奴隷化とテクノロジー支配を導入するべく、遺伝子実験を続けているのだ。

 

イルミナティ血族

・すべての人間は爬虫類人的な遺伝子を持っている。それが顕著に見られるのが爬虫類人脳で、科学者はこれを「R-コンプレックス(爬虫類脳)」と呼んでいる。

 

そのためレプティリアンは、人間との交配種であるイルミナティ血族に容易に「憑依」して、その精神的・感情的プロセス(行動)を別の現実からコントロールすることができる。

 

アメリカの作家、スチュアート・スワードロウは、私が今述べた話を直接経験している。彼は、ニューヨーク州ロングアイランドのモントークで、長年にわたって、イルミナティにマインドコントロールと遺伝子プログラムに囚われていた。彼はある日の夜、地球外生物に連れ去られた。

 

スワードロウは、レプティリアンは「透明な人々」によって作られたと言っている。この連中は「エネルギー振動速度が高すぎて物理的な肉体を維持できないので、実際には物理的次元に入ることができない」。だから、姿を現すときは「透明のガラスの殻のように見える」

 

レプティリアンは私たちの現実世界のすぐ近くにいるが姿を現すことはほとんどない。そうしておかないと秘密が漏れてしまうからだ。

 

ピラミッドはレプティリアンが作った

レプティリアン交配種は、古代世界のあらゆる場所に散っていき、オーナーであるレプティリアンと結束して、地球が最後の大変動から回復したあとに、最初の「文明」を樹立した。そうした文明が出現したところとしては、シュメール(のちのバビロニア、現在のイラク)、エジプト、インダス川流域、マヤ文明を含んだメソアメリカ、南米のアンデス(インカ文明)、中国などが挙げられる。

 

・天からやって来たアヌンナキの王はアヌといったが、地球での作業を監督したのは、エンリルとエンキという2人の兄弟だった。

 

君主はすべてヘビ

・支配種の血族は、ふつうの人間よりずっと爬虫類人に近いので、可視光線の世界ではレプティリアン同盟の利益を代表し、かつ本当の支配者の正体を隠すという2つの目的のために遺伝子を操作されている。こうした「エリート」血族は「半神半人」と呼ばれ、やがて古代世界の「王族」となり、それが今日の王族や貴族のイルミナティ家系につながっていった。

 

・中国の歴代皇帝は「蛇神」との遺伝的つながりを理由に統治権を主張した。日本や中央アメリカの「皇室」や「王室」の血統も同様だ。中国の皇帝は「竜」と呼ばれ、初期の皇帝は爬虫類人の特徴を持つ者として描かれている。中国を統一して万里の長城の大部分を建造した秦の始皇帝は「竜のような顔」で生まれたと言われている

 一般に皇帝は半人半蛇として描かれた。日本の天皇は空から来た「竜神」と血縁関係があるとされたし、インドのナーガも同じように言われている。ナーガは人間と爬虫類人のどちらの姿にもなれたとされ、チベットや中国の一部にもその伝承は広がっているようだ。仏教の訳語集『翻訳名義大集』には、ナーガすなわち「ヘビの王」の血を引くインド王80人の名が記されている。ナーガは人間と「蛇神」の異種交配から生まれたとされており、インドの支配者はナーガとの遺伝的つながりを主張していた。

 

今日はシュメール、明日は世界

・ひとつの領域から発展して地球全体に広がり、全世界の社会に影響を与えたという点から見て、交配種の血統で最も大規模な移住を実行したのはシュメールの血族だった。彼らは現在のトルコおよびカフカス山脈から北ヨーロッパに入り、ロシアを横断し、途中の各地域に根付いていたレプティリアン交配種と頻繁に交雑していくなかで、東西ヨーロッパの王族や貴族となった。彼らはローマ帝国古代ギリシャ、そしてカフカス地方にハザール帝国を樹立した。このうち、今日の世界への影響を考えると、とりわけ注目に値するのはハザール帝国の物語だ。

 

ローマ帝国の交配種血族から成る「エリート」家系は、ヨーロッパの他の「エリート」家系と通婚し、ヨーロッパの王族・貴族となっていった。

スワードロウは述べている。

 「………バビロニアは、シュメール文明が中央アジアに拡大してハザールとなる過程で発展した文明である。実際に、何千年もの歴史を通じて発展してきたブルーブラッド組織は、多くが「バビロニア同胞団」を自称している。……[彼らは]のちにヨーロッパのアトランティスーエジプト系の秘教組織と合体して、フリーメイソンリーとなった。その一部が「バウアー」を名乗るようになり、それが現在のロスチャイルドとなったのである。この一族は、あっという間にヨーロッパの金融と商業の基盤を支配下に収めてしまった」。

 

・かつてのシュメール人バビロニア人の血族ネットワークは、ハザール人ないしアシュケナージユダヤ人となって、ヨーロッパの王族・貴族と広く通婚した。

 

ローマで行われたこと

・血族が定着した場所や文化のなかには、今日に至るまで陰謀の中心であり続けるものがある。最も有名なところは周知の通り、キリスト教発祥の地であるローマだ。ローマは今もレプティリアン支配種による秘密結社ネットワークの世界センターだ。彼らが樹立しコントロールしてきたのがローマ教会(のちのローマカトリック教会)で、イエズス会マルタ騎士団テンプル騎士団、オプス・デイなど、世界的なクモの巣に連なるエリート秘密結社はすべてヴァティカンと密接につながっているすべての巨大宗教とほとんどの中小宗教は、レプティリアンとその交配種によって作られたものだ。

 

女神像の語るもの

・ワシントンDCの国会議事堂は「自由なアメリカ」の象徴だと信じられているが、実際は、悪魔の法と儀式に支配された悪魔の寺院だ。アメリカの「自由」のシンボルで最も有名なものはニューヨーク港にある自由の女神だが、あれは自由ではなく抑圧を象徴している。あのタイプの女神像は、バビロニアセミーラーミス/イシュタールをはじめ、さまざまな場所でさまざまな名で存在してきた。

 

アッラーの月の上に

セミーラーミスへの執着とキリスト教とのつながりはすでに見てきた通りだが、イスラム教もレプティリアン血族の宗教なので、こちらも月と土星を崇拝している。

 

女王と国のために、ではなく、女王だけのために

・王室と「神授の統治権」を使って、レプティリアン同盟とその交配種血族は、ほんの数百年前まで人類に専制政治を押しつけてきた。人々が国王の専制政治に反抗しはじめると、彼らは操作の手口を変え、交配種にダークスーツを着せて、政治や銀行業などの専門職を支配することにした。一部の王室はそのまま生き延び、真の権力は隠しておいて、いわゆる「純粋に儀礼的で象徴的」な立場を装っている。しかし、イギリス王室は「純粋に儀礼的で象徴的」なものなどではない。イギリスの君主であるエリザベス2世女王は、法的にも見えないところでも、今なお巨大な影響力を持っている。

 

政治的ハエ取り器

・人々が王族による統治に公然と反抗し、いわゆる「政治制度」を導入しはじめたのを見て、交配種血族は戦略を変更し、今度は「民主主義」や「民衆の力」といった隠れ蓑の下で専制政治を続けた。最も重要なのは、彼らが「政党」というピラミッド状の機構を押しつけたことだ

 

ロンドンが呼んでいる

レプティリアン交配種血族のネットワークは最終的にロンドンに移転した。以来、この地はローマと並ぶ世界の陰謀センターとなっている。なかでもレプティリアン血族の活動の中心となっているのが金融街の「ザ・シティ」ないし「スクエア・マイル」で、地域内で最も標高の高いラドゲイト・ヒルにはセント・ポール大聖堂がそびえ立っている。

 

ブループリント

レプティリアンの交配種血族は、関連する血族と秘密結社の世界的な巨大ネットワークを構築してきた。コカ・コーラマクドナルドのような多国籍企業が、世界のどこかに本社があり、各国に子会社を持っているのと同じだ。

 

月は宇宙船

月が巨大な宇宙船だという概念については――もちろん私たちの感覚での巨大なという意味だが――1970年に、ソヴィエト科学アカデミーのミハイル・ヴァーシンとアレクサンドル・シチェルバコフが議論している。ふたりはソヴィエトのスプートニク誌に「月は知的異星人が創ったか?」と題する詳細な記事を載せて、月は小惑星であり、とてつもなく進んだ科学技術で岩石を溶かして内部を「空洞にした」ものだと論じた。

 

「チタウリ」の月

・ムトウによれば、ズールー族の伝承やその他のアフリカの物語では、月は「遠く離れた」ところで造られたとされている。ズールー神話では、チタウリは月から地球を操っている。人々は、月に「大蛇が住んでいる」のだから怒らせるなと警告されていた。

 

・月を卵で象徴することは古代世界で広く行われていて、たとえば、バビロニアの女神セミーラーミス/イシュタールは「大きな月の卵」に入ってやって来てユーフラテス川に降り立ったと言われている。

 

土星――月のマトリックス

・月の内部は結晶構造になっている。全体は巨大なコンピュータであり、送受信機、放送システムであって、メインのコントロールセンターである土星と連動して、地球上の生命を管理している。

 

レプティリアンにハイジャックされる前の<本当の黄金時代>まで「さかのぼる」と、人間には男も女もなかった。

 

・インサイダーのジョージ・ルーカスが作った映画『スター・ウォーズ』の「堕ちた」ダース・ベイダーの話は、こうしたテーマのひとつの形だ。ダース・ベイダーは、かつてはアナキン・スカイウォーカーという「ジェダイの騎士」だったが、あるとき「フォースのダークサイド」に堕ちた。

「堕ちた」知覚を持つレプティリアン同盟には、現実を操作して他者を罠にかけるための知識はあったが、愛や叡智や調和は失われていた。彼らは、頭がいいが叡智はない。これは破壊的な力となる。レプティリアンと彼らに従うさまざまな集団は、銀河の中心から送られてくる波形情報をハッキングすることによって、さまざまな世界の奴隷化という過程をスタートさせ、ターゲットとする人々の現実を操作しはじめた。そのターゲットのひとつが「地球」というわけなのだ。

 

ロード・オブ・ザ・リング

レプティリアン同盟の手口としては、まず、ターゲットとする「世界」ないし太陽系に破壊的な災害を起こし、それまであった社会を一掃する。次に、遺伝子操作によって、彼らのニセの現実(『マトリックス』)に「同期する」ようデザインした新種を創りだして、人々の認知ごと惑星を乗っ取ってしまう。彼らがこれを地球と人類に行う手段としたのが、土星と月だった。土星すなわち「環の神」はマスターコントロール・センターだ。

 

レプティリアン・ワールド

マトリックスが私たちとつながる有力な方法のひとつは、当然のことながら、爬虫類脳を使うことだ。爬虫類脳は私たちをレプティリアン同盟の<コントロールシステム>の内部に閉じ込める手助けをしている。

 

妨害周波数

マトリックス放送と遺伝子操作には、私たちが大きな現実を知覚するのを妨害するという働きもある。

 

別の情報源

私が発表するのは科学の本流から「かけ離れた」ことばかりだが、いつかきっと、私の道筋の正しいことが一気に確認されるだろうと思っている。細かいところまですべて正確だとは言わないし、これまでもそうではなかった。

 

・以下は、バーバラ・マーシニアックを通じて交信された内容だ。

「……月は非常に強力な電磁コンピュータです。……月のエネルギーは非常に長い期間にわたって、人間のDNAを2つの束にしておくために電磁波を送りつづけてきました(本来は12束だと言われている)。……月は建造された衛星です。月は地球をモニターするための装置、いうなればスーパーコンピュータ、あるいは空に浮かぶ「目」として創られ、地球の大気圏内に配置されたのです」

 

土星――月のカルト教団

・ここからは、土星という「古の太陽」「黒い太陽」「暗黒神」への執着を説明していこう。旧約聖書に出てくる「主なる神」ないし「主」は土星のことで、あの「創世記」の天地創造神話――「神は言われた、『(可視)光あれ』、こうして光があった」――はマトリックスの創造と酷似している。バビロニアのニムロドは、ローマでは「土星」を意味する「サトゥルヌス」として崇拝されていた。

 

・「太陽神」と呼ばれる非常に多くの神々が、実は「古の太陽」「黒い太陽」「暗黒神」すなわち土星のシンボルだということがわかると、すべてのつじつまが合ってくる。

 

土星崇拝は古代世界において支配的だったし、現在もいたるところに見られる。ローマの神サトゥルヌスは古代ギリシャでは「クロノス」と呼ばれ、ゼウスのタイタン族の父親だった(土星の衛星のほとんどはこの「タイタン」にちなんで命名されている)。土星メソポタミアでは、「ニムロド」あるいは「ニヌルタ」、ヒンドゥー教では「シャニ」と呼ばれた。ユダヤ教安息日土星にちなんで土曜日と呼ばれるし、インドでも土曜日は、ヒンドゥー教土星神にちなんで「シャニワール」と言っている。

 

土星占星術では山羊座になるが、ギリシャ神話ではヤギの頭をした神パンが登場する。そのほか悪魔崇拝にもヤギの像が広く使われている。「邪悪な者」の古典的な合成表現であるバフォメットも、中心となるモチーフはヤギだ。

 

星々のなかの土星

占星術土星をめぐる枠組みの一環だ。土星は死、制限、権威、支配、服従、貧困、恐怖、そして時間を表している。肉体の中でも骨を支配することから、土星の支配するイルミナティでは、髑髏マークが強力なシンボルになっている。スカル・アンド・ボーンズソサエティは、本当は土星秘密結社なのだ。

 

・秘密結社が自分たちのルールや儀式やヒエラルキーですべてを操作しているやり口に、イギリス王室を中心とする仰々しい儀式の数々……。地球という惑星は、月とイルミナティの交配種血族を介して土星からコントロールされている土星崇拝者の社会だ。このことがわかれば、これまで世界に起きてきたこと、これから起こることの意味がはっきりと見えてくる。サタニアンの特徴と影響が最もよく表れているのが、冷酷非情なレプティリアンの集団意識だ土星―月マトリックスは、土星と月をコントロールしているレプティリアンの集団意識を反映しているのだ。

 

セメント役

レプティリアン血族の世界的ネットワークには、つながりを調整して「セメント」役となる、特別な連結用ネットワークが存在する。これには、さまざまな秘密結社や悪魔崇拝、そしてロスチャイルドシオニズムがある。

 

土星万歳

・人間や動物を生贄に捧げ、血液を飲む悪魔崇拝の儀式は、土星や月をはじめとする悪魔的存在を崇める儀式だが、レプティリアン同盟とつながりのある場合もあれば、そうでない場合もある。レプティリアンの「神々」が人間の生贄を要求するのは、古代の物語や伝説に一貫したテーマだ。

 

・吸血鬼に関する物語や伝説は、世界のあらゆる地域に見られるが、ドラキュラ物語はそれを凝縮したものだといえるだろう。「ドラキュラ」という名の語源は「ドラコーウラ」で、全般の「ドラコ」はエリート・レプティリアンが使う名前となっている。ドラキュラは伯爵と呼ばれ(レプティリアン血族が王族や上流階級である象徴)、変身し、人間の血を吸う。

 

推薦・解説――もう時間はない。これを知らねば家族も地球も守れない! 医師・内海聡

・私も一応資格を持った医者であるが、日本で一番のキチガイ医者であるとかトンデモ医者であるとか、ネットを中心に最も悪名高い医者として扱われているらしい。よくいえば医学界の反逆児などとも言われるが、そんな呼び名になど意味はなかろう。

 

本書のデーヴィッド・アイク氏は人が変わるために愛の重要性を訴えているが、私はおそらく愛とはかけ離れた存在だと自覚している。そしてその根幹的思想は自分の著書にたびたび記しているように、「虚無主義」であり、「超悲観主義」であるといえる。そんな私はいわゆる「ないものねだり」を期待してアイク氏の書物に手を出したのかもしれない。

 

・この本はデーヴィッド・アイク氏のほかの本のように長く詳細に陰謀論を説明した本ではなく、前半は日本人が知るべき陰謀論の概要とその考え方について提示してある。普通に引用した情報もあり大した価値があるものでもない。そして後半は陰謀論が存在しようがしまいが我々はどう考え行動するべきなのか、ということを提示した哲学・思想書であり、こちらにこそ観念と価値があると私は位置づけている。

 

・私は別に陰謀論を語るからといってレプティリアンなどの宇宙人問題も信じていない。私が宇宙人と会う時があれば考えを変えるだけだ。

 

下巻への案内

・第9章は「ロスチャイルドシオニズム」を扱っている。この第一級の秘密結社は、常識的にも歴史的にも根拠のない「約束の土地」への権利を表の顔に、一切の批判を「反ユダヤ主義」という名目で攻撃しつつ、アメリカをはじめとする各国をコントロールしている。

 

・続く第10章では、世界各地で繰り広げられる紛争、戦争、革命の本質が明らかになる。どれも、最低でも100年単位の超長期計画によって展開しているものばかりだ。

 

・第11章は科学技術に目を転じて、HAARPを取り上げている。東日本大震災を引き起こしたという説が絶えないこの技術の基本形は、二コラ・テスラによって20世紀の前半にはすでに確立されていいた。

 

・こうした動きの向こうにあるのは現在の地球人口を数十億という単位で間引きし、レプティリアンの支配しやすい規模に持ち込もうという「人類大淘汰計画」だ。第12章では、そのために彼らが利用している手段を具体的に分析されている。

 

・続く第13章は金融支配がテーマとなっている。

 

・では、すべての方面から推進されている血族のアジェンダによって、今の人類はどうなっているのだろう。第14章では、人類に対する大規模マインドコントロールの現状が恐ろしいほど明らかにされていく。

 

・そして最終章、ここまで読んできて無力感に打ちひしがれようとする私たちに向かって、アイクはついに具体的な行動を提案する。それが<世界の目覚め>であり、<不服従のダンス>だ。レプティリアン同盟の攻撃がひたすら過激化しているのは、彼らの危機感の表れでもある。かつて退いた人類の味方や異次元での反レプティリアン同盟が、広大な宇宙の各所で戦いを繰り広げている。2012年の話やハルマゲドンのような終末思想に踊らされる必要はない。押し寄せる<現実の振動>に精神を開いて<無限の意識>とひとつになることで道は拓かれる。私たちが、自分が誰なのかを思い出すだけで、悪夢は終わるのだ。

 

・日々経験している「五感の世界」の本質は、「固体」でも「物理的な」ものでもなく、振動、電気、デジタル・ホログラフィーによる情報場=「宇宙インターネット」に過ぎない。

 

 

 

2人だけが知っている世界の秘密』

太田龍 + デーヴィッド・アイク

成甲書房   2009/11/21

 

 

 

爬虫類的血統の人々

・その中の1人の女性に、後に私の個人的友達にもなった方なんですが、キャシィ・オブライエンがいます。爬虫類的人間との交流について書いた本、『恍惚のうちに作り変えられるアメリカ』を出しています。彼女は、ジョージ・ブッシュ大統領の父親が何度も変身したりするのを目撃しているのですが、自分はマインドコントロールの洗脳の結果でそう見えているんだと思い込んでいたようです。

 彼女が説明している目撃証言は、古代の当時の証言とも見事に一致しています。またマインドコントロールの犠牲者でない人たち、関係者でない人たちが説明していることと、あまりにも一致しているのです。キャシィ・オブライエンの本にも載っていますが、彼女は私に直接こんな話をしてくれました。父ブッシュから、単に性的奴隷としてだけでなく、メキシコ大統領に政府の非公式の秘密情報を渡すメッセンジャー役を頻繁に仰せつかったときのことです。当時のメキシコ大統領はミゲル・デラ・マドリッドです。そのミゲル・デラ・マドリッドという表記は、イグアナの混血児を意味しているそうですが、文字どおりミゲル大統領はイグアナに変身した、と。

 ミゲル大統領のようなイグアナ・ピープルである爬虫類的血統の人々が、人間と交合して混血児を作って、この混血の人種が、この世の中を動かしているわけです。違う言い方をすれば、この五感のみの監獄である現実を、いかに彼らが操作しているかということです。だから本当は爬虫類人なのだけれども、彼らが人間の目には人類に見せるのはいとも容易いことなのです。

 

異星人と人間の混血児の血統が世界を支配している

・この世の中は、端的に言えば、人間でない存在によって操作されています。私たちの現実の世界の波動の中の、ほんのちょっと違う上の次元にいる生き物、彼らが世界のありようを選択しているのです。私たちの次元の、ほんのちょっと上の波動数帯域からしか、このカラクリは見えないために、私たちの現実は、人間が人間を管理しているようにしか見えません。

 実は古代、異星人と人間の間に作られた混血児の血統が、世界中に拡散し、そのDNAを持っている人々が生まれ育っています。すべて波動数の問題です。ラジオ局の周波数と同じで、ダイヤルがお望みの局の周波数とピタリと合えば会うほど、クリアーに聞こえるのと似ています。この混血児のDNAの中には、爬虫類的存在と周波数を合わせる能力が、あらかじめ組み込まれている。だから爬虫類的異星人である。その他次元の存在が、感情も含めて、このDNAを持った人たちの周波数に同調して、すべての分野で影響を及ぼせるという理屈になりますね。

 爬虫類人的異星人のDNAを持たない一般の普通の人間は、それほど高いグレードで周波数を合わすことが出来ないので、五感のみの周波数帯域がすべて認識の土台になっています。この世の現実の解読の仕方はこうです。私たちの肉体レベルの認識を通して現れてくるホログラム映像を、まるで現実の存在のように知覚しているのです。そう、表にある人間のエネルギー周波数帯域の背後に爬虫類人間が隠れていて、人間のDNAとその周波数の現実というものを解読して、現実のようにホログラム映像を現れさせていて、それを人間として解読(ホントは錯覚)させているわけです。

 

・その構図からすると、両眼が黒い穴になっているテッドヒーツとのテレビ局のメイク室での遭遇体験というのは、瞬間的に人間テッドヒーツの後ろにいる尋常ならざる存在が見えたということだと思うのです。そういうわけで昔からよく悪霊に取り憑かれたという話がありますが、それも同じことです。たくさん態様はありますが、大きく分ければ二つ。一つはレプティリアン的人間が人間の次元のすぐ外から、いろいろ操作しているというのが一つであり、もう一つはその存在が人間の形をとって、五感のみの人間の世界の中で操作しているということです。その二つが同時に起きてもいます。この次元の中で彼らが秘密結社を使って陰で操作するというのもあります。

 

古代は特別扱いを受けていた異星人的DNAの血統

・秘密結社を使うにせよ、後ろから操作するにせよ、爬虫類的DNAを持った混血の人々が、権力を持つ地位に就くことは日常茶飯事です。人間の視点からも権力者の一群を研究し、調べてみると、興味深いことに、遺伝子的に何らかの関連性を持っている人々が多い。人間レベルの遺伝子的関連性を研究している人たちは、それはエリートの家系が権力を維持継続するためだというふうに表現するのですが、その奥の真相は、爬虫類的存在が人間という形を使って、この世の中をがんじがらめに支配するためということです。秘密結社なるものは、簡単に言えば爬虫類的血統の人間を権力の地位に就け続けるべく支援する機関ということですね。古代の世界を見ると、こういう異星人的DNAを持った血統は、特別な扱いを受けていました。

 

・(アイク)特別、特別な扱い、はい。そして彼ら自身も、自分たちは特別に選ばれたと思い込んでいます。その一つの理由というのは、爬虫類的人間から見れば、人間は家畜でしかないということです。古代には爬虫類的人間は神の血筋の人々とされていたわけで、神と人類との間の仲介者と、歴史では説明しています。まさにそうですが、創作者は神などの次元ではなく、そこが、ちょっと違うということですね。

 確かに古代の歴史を見れば、その血統を持った人たちだけが権力を握ることが許されている。だから神の代行者として振る舞うのだ。ともあれ自分たちは選ばれた特別な存在だ、と。ここで言っている神というのは、彼らにとっての神なわけで、地球人にとっての神とは、また違う存在でしょう。

 とにかく彼らにシュメールがすべてというか、とても重要な地域なのです。

 

2人だけが知っている世界の秘密」

・大方が、陰謀史観を否定するか軽蔑するなかで、太田龍は一貫してユダヤイルミナティ陰謀史観の旗を堂々と掲げていました。そしてデーヴィッド・アイクを運命的に発見するのです。陰謀とは3次元でのみ行われているのではないことを再確認(太田龍はアイクに出合う前までは、潜在的には認識していたが超3次元での陰謀については言語化していなかった)するのです。

2人だけが知っている世界の秘密」とは、まさにこのことなのです。

 

・ある意味、どうやって一握りの人間が、多くの人間を管理できるのか、そのカラクリは何なのか?それは世界中に根を張る秘密結社を通ずることによって、そのことが可能だったわけです。そして彼らはそれによって、人々の代表や人々にためになることではなく、いかにして多くの民衆を効率的に支配者の管理下に置くかということのみに動いてきたわけです。

 

・本書制作中の平成21519日、太田龍師が邪悪なユダヤイルミナティと戦い続けてきた厳しい生涯を閉じられました(享年78)。深く哀悼の意を捧げます。

 

<陰謀と秘密結社の原点はシュメールにあった!>

・シュメール時代、4000年から6000年前、その時代に発掘された例の粘土板に刻まれていた物語には、人間ではない、星から来た人々が人間と交流し、子供を出産したという話が明確に記されていたのです。つまり、混血のDNAを持った人たちの出現というわけです。

 これらの存在こそが、爬虫類人的異星人、つまりレプティリアンなのです。他の国の古代文明史を見てみても、例えばインドとかアメリカ大陸も含めて、そういう他の遺跡や古文書などにも同じ内容が記され伝承されているのです。まさに爬虫類人的異星人と、人間との間の混血児の人々の話が。また興味深いことに、爬虫類のDNAと人間のDNAの間を行ったり来たりできるようで、変身することが可能だったようです。少なくともそういうふうに説明されています。その時点では、私は現実というものの解釈が、今とは全く違っていました。

 

ダイアナ妃の心霊治療師が英王室はレプティリアンと証言

・ともかくその女性たちと話をして、1時間ぐらい経ったときにクリスティン・フィッツジェラルドは私にこう言いました。「英国の王室は爬虫類だって知っていましたか?」私はほとんど椅子から転げ落ちそうになりました。また爬虫類の話かよ、と。そして彼女はこう言葉を続けました。「英国の王室というのは、ヨーロッパ中の王室と関係があるのです。彼らは爬虫類的人種と人間との間の交合で生まれた混血児の血統だということです。ダイアナ妃が英国王室に対して付けていたあだ名は、トカゲとか、ヒキガエルとか爬虫類だったのです。彼女がほんとに真剣な顔をしてよく言っていたのが、『彼らは人間じゃない』っていうことです」

 

世界を操る政財界、王室セレブの面々はすべてレプティリアン混血種系

・奇異に思われるかも知れませんが、王や女王、政界・財界・実業界の指導者、主要メディアの首脳などは皆、人間のすがたをした「大蛇の頭を持った生命体」か、その操り人形かその手下です。本当です。彼らはレプティリアン混血種であり、人間の外観を持ち、様々な経歴を持って現れることで人類を欺いてきました。彼らは人間でないし、すべて同じレプティリアン種族の一員なのです。

 そもそもレプティリアンとは何でしょうか?

 まず、ダイアナ英国皇太子妃との9年間にわたる親友、心霊治療師クルシティン・フィッツジェラルドの話を聞きましょう。

 実のところ、王室の人たちはずっと死んではいません。ただ姿を変えているだけなのです。一種のクローニングなのですが、やり方が異なります。肉の一部をとり、ほんのわずかな部分から肉体を再構築するのです。彼らはトカゲであり冷血動物なので、フランケンシュタインみたいなことが簡単に出来るのです。別の肉体でも違いは電気振動だけで、彼らはその秘密を知っています。微弱電流の秘密を知っているのです。それはとても微弱な、特殊なもので、実際にはその電波が肉体を作っています。

 

爬虫類同士の意思疎通は、すべて象徴化された視覚表示でなされる

レプティリアンが「影の王国」からやって来て人間を破滅に追いやり、支配者の地位におさまった。その姿は音によってのみ見えた。彼らはずっと昔に主人らに打ち負かされ、地の下に追いやられていたのだ。

 あれれ、地上に投げ落とされた「巨大な龍、年を経た蛇、悪魔とかサタンと呼ばれる者、全人類を惑わす者」という『黙示録』の記述とそっくりですね。この『黙示録』の龍は、取り押さえられ、千年の間縛られ、底なしの淵に投げ入れられ、鍵をかけられ、さらに封印まで施されたのですね。『エノク書』では、「堕天使」「アゼラル」「シェムヤーザ」という名で登場しています。

ここでちょっと気になるのは、不届き者を投げ入れた「主人」とは誰かということです。別種の地球外生命体が数多くいて、レプティリアンの支配を終わらせ、人類に自由を経験させようとしているということではないでしょうか。

 

レプティリアンが飲血や生贄を伴う悪魔儀式をやらざるを得ない深刻な理由

レプティリアンは人間のように肉体を持たないので、人間の現実に関与するためには「媒体」となる肉体が必要不可欠です。彼らは人間の生き血を飲むことで、ホログラフィーで作られる人間のエネルギー場においてベールとなる振動を維持しているのです。これについては、アメリカ人作家スチュワート・スワードロウの解釈がピッタリはまります。そもそもスワードロウは、少年時代に誘拐され、ニューヨーク州ロングアイランドの遺伝子マインドコントロール・プログラムに関する悪名高いプロジェクトに巻き込まれた。そこからの生還者は1パーセントだが、その稀な一人です。

 

・また、レプティリアンは、シュメール、エジプト、中米、中国などで沢山のピラミッドを築きました。ピラミッド建設は、「文化面での」レプティリアン署名の一つなのです。重さ数百トンもの石をどうやって動かしたのでしょうか?これは、最新式の磁気浮揚式列車の原理と同じです。どんなに重量があろうが、物体は磁場によって「軌道」から浮かぶ原理です。

 

悪魔崇拝ネットワークがレプティリアン血統のイルミナティ

レプティリアン混血種はまず古代のミステリースクールを乗っ取り、それを現在の世界的秘密結社のネットワークにまで発展させました。これを利用して、様々な事件を密かに操作し、混血種や工作員を世界中の権力の地位に就けています。このネットワークを支配し調整するのは、最高レベル秘儀を授けられたもので、「イルミナティ」ないし「イルミネイティッド・ワン(啓蒙された者)」と呼ばれています。

 

大衆操作工作員としてレプティリアン・コードの人材をリクルート

・その秘密結社の入団儀式は、ちょっと見には他愛ない迷信的儀式にしか見えないのですが、実はそうした儀式は、先ほど述べたようにレプティリアンのコードを活性化させるものとなっているのです。最初のうちはゆっくりと、やがて急速に、人間から爬虫類の遺伝子に切り替えられ、人格が変容するようになる。本人は気づかなくとも以前から知っている者からすると、はっきり分かります。コードがますます活性化するにつれ、隙間次元にいるレプティリアンからの影響がどんどん色濃く行動に出るようになる。やがては完全に人格が乗っ取られてしまう。こんなことが大洪水以来ずっと行われてきて、レプティリアンはますます強い権力を握るようになり、今では世界を手中に収めようとしています。

 

マトリックスを支配する「透明な人々」が、人間とレプティリアンの両現実を操作

・ここでレプティリアンを作った「透明な人々」にも触れておきましょう。前にも登場したスチュワート・スワードロウの研究の成果です。この透明な連中は、エネルギーが高すぎて物理的な次元に実際には入ることが出来ません。彼らが姿を現すときは、透明ガラスの外殻のように見えるのです。ブッシュ親子と同じパータンで、レプティリアン自身もコード化されたコンピュータープログラムで、決められたことを実行しているに過ぎないのです。要するに彼らの上にも、彼らの行動や人間を操作する究極の力を持つ「透明な人々」が存在するのです。結局はマトリックスを支配する者が、人間とレプティリアンの現実の両方を支配していくのです。私たちが目覚め、この愚かすぎるゲームをやめさせない限りは。

 

レプティリアン混血種による単一世界政府樹立はゴール寸前

・かつて地球各地には極めて平穏で先進的な普遍的共同社会があったのです。そこに支配と制服を企むグループが土足で踏み込んできました。戦乱が起き、大洪水など巨大災害も襲ってきた末に、普遍的共同体は大崩壊しました。一方、次元間を行き来するレプティリアンという存在が、はるかなる昔から人類と交配して混血種を作っていました。これは現在でも続いています。彼らによって作られた混血種の血族は、世界中で「王家」となり、「大蛇の神々」との遺伝的なつながりによって、我らこそが「選ばれし」唯一の支配者一族であると主張してきました。

 

とことん悪魔崇拝フリーメイソンリーが画策したアメリカ建国

・独立宣言に署名した56人のうち50人が何とフリーメイソンだといいます。しかも独立宣言に署名した面々が、すべてイギリス王家の子孫や親戚なのです。178393日、独立共和国として認められ、ジョージ・ワシントンが初代大統領に就任しました。ワシントンは英国貴族の血を引く高位階メイソンで、その椅子の背もたれにはニムロド(タンムズ)ホルスの古代のシンボルである「登る太陽」が刻まれています。

 同じシンボルは英国首相官邸のドアや、フリーメイソンリーの寺院などにもよく見られます。また国立歴史博物館のジョージ・ワシントン像は、ゼウスの像、ヤギの頭を持つ悪魔教の神バフォメットの絵と全く同一のポーズをとっています。国は変わっても支配者は同じなのです。

 

 

  

『あの世の存在に活かされる生き方』(1) 

(パット・クビス&マーク・メイシー)(徳間書店1999/7

 

 

 

・「プラトンは、生きている私たちが死者で、本当に生きているのは死んだ人たちなのだと主張しましたが、その考えは正しかったのかもしれません」。

 

・「アストラル界に住む人々のほとんどは、最も健康で美しかった年齢―人生の全盛期―の姿でいることを選びます」。

 

別世界より、エルンストの霊界通信

・「ぼくは今再び昔のエルンストの姿でいます。いや、新しいエルンストの姿でいます。いや新しいエルンストとでも言うべきでしょうか。頭上には、三つの太陽が輝いています。気温はとても温暖で、澄み切った朝の空気の中、色とりどりのハチドリが何羽もぼくのまわりをブンブンと飛び回っています。この世界の蝶々は信じがたいほど美しいです。羽をふるわせながら花や草木にとまっている蝶の中には、スープ皿ほど大きなものもいるんですよ!」

 

・「親切な人々のおかげで、ぼくはすぐに自分の精神的、肉体的な力を再びうまく使えるようになりました。その人たちの中には、ぼくの地球での父や、その他の知り合いもいました。(中略)傷や切断された手足などが、ここで癒えて再生するには、ある程度の時間がかります。年老いた人は若返ります。時間がたつにつれて、ここにきた人は長い間失っていた力が体に戻ってくるのを感じるようになります。精神的な障害を持った人たちにとっては、この回復はゆっくりと、段階を踏んで進んでいきます」。

 

・アストラル界またはアストラル次元と呼ばれる世界を構成し、地球で亡くなった人々のほとんどはここで目を覚ます。アストラルの惑星であるマルドゥクに住んでいる。

 

 

 

『あの世の存在に活かされる生き方』(2)

(パット・クビス&マーク・メイシー)(徳間書店1999/7

 

 

 

タイムストリームの地球との通信に従事

「タイムストリームによれば、彼らの施設はマルドゥクという名前の惑星にあり、アストラル世界の第三界に位置するということです。アストラルの惑星であるマルドゥクに住んでいる」。

 

思考が現実を創る

・「アストラル界にもアストラルの惑星がたくさんあり、アストラル界またはアストラル次元と呼ばれる世界を構成しています。地球で亡くなった人々のほとんどはここで目を覚ますのです」。

 

・「アストラル界はとても巨大です。ここに存在する全ての世界からおよそ600億人の人間タイプの生物が集まっているといわれます」。

 

・「人々がアストラル界で過ごす期間は、数週間から何百年にもわたります。そしてまだ学ぶことがあれば、彼らは肉体を持って地球や居住可能な他の惑星に再び(他の体を受け入れて)生まれるのです。必要なことを全て学び終えた場合は、ひとつ上の階層、またさらに高い意識の状態に移行します。実際、階層の違いは、意識の状態の違いと考えることができます」。

 

・「死者の世界には、摩天楼があり、家々は萱葺きの屋根からガラスの搭と黄金の屋根がついた壮大なお屋敷まで実にさまざまです。考えつく限りの住居がここに揃っています。なぜなら、このエネルギーの世界では、これら全てが心によって創り出されるものであり、つまり、私達が、住んでみたいと願う夢の住まいが実現されているからなのです。アストラル界は意識の世界です。多くの人々が自分たちの人生に対する一時的な報いをここに見出します。これは永続的なものではありません。先にはさらに高次の世界、さらに高い次元があります」。

 

・「『この新しい場所』とは、地球が所属する太陽系にはない、マルドゥクという星のことです」。

 

 

 

『あの世の存在に活かされる生き方』(3)

(パット・クビス&マーク・メイシー)(徳間書店1999/7

 

 

 

第三世界、アストラル界中層

・「第三世界にあるものも、これは霧、夜、河川、湖、月、星、そして、極地方の氷、そしてそこには考えつく限りの住居があります。かやぶきの屋根の家々、ガラスの搭と黄金の屋根に飾られた屋敷・・・」

 

・「霊たちのほとんどは自分たちがこの新しい場所に渡ってきたことを理解しているのですが、ここにどうやって辿り着いたのかを思い出せるものはいませんでした」。

 

・「『この新しい場所』とは、地球が所属する太陽系にはない、マルドゥクという星のことです。この惑星は、ひとつの太陽系の周りを公転していて、そのほかにさらに二つの太陽に照らされています。ここは決して真っ暗になることはありません。マルドゥクの円周は、約12万7000キロメートルで、ここには、地球の月よりも大きな月があります。エターナティ川と言う名の最深1万7000キロメートル、一番広いところで、幅3700キロメートルになる大河が惑星全体をぐるりと囲んで流れていて、この川のほとりには、600億もの人々が暮らしています。この星の風景は絶えず変遷しているわけではなく、中には全く変わらない物もあります。また、街があり学校や大学もあります」。

 

・「アストラル界の目的のひとつは、人々から愛国主義国粋主義といった垣根を取り払うことです。高次の世界には普遍的な理解があり、時代、空間、また次元などによる隔たりはありません。そこではひとつの魂が全体の一部なのです」。

 

・アストラル界の地形を表す主要な特徴として、エターナティ川がある。

 

 

 

『あの世の存在に活かされる生き方』(4)

(パット・クビス&マーク・メイシー)(徳間書店1999/7

 

 

 

<惑星マルドゥク

・「死亡したばかりの人を見つけ出すと言う主要作業のかたわらで、多くの人々が他の星に旅したり、惑星マルドゥク中を旅行したりします。彼らはまた、機械の力を借りたり思考の力だけを使ってエターナティ川に沿って旅をしたりします」。

 

・「サルターは、さらに続けて、自分は、第4界にはいることができるので、第3界にいながらにして自分を精神的に他の現実へ送り込み、他の次元の心的存在とコンタクトを取ることができると言っています。また、バートンは、異なる惑星の住民と知り合うために、しばしば他の星まで旅行すると述べています」。

 

・「アストラル界の地形を表す主要な特徴として、エターナティ川を挙げ、それはまるで、へびのように曲がりくねりながらマルドゥク全体を囲んで流れており、周りの山々からの水流が集まってできた川のようであると述べています」。

 

・「私たちにもあなた方のように体があります。でもあなた方のように密度が高くて、きめの粗い物理的な体ではなく、もっと細かい物質と振動でできている体です。ここには病気はなく、失われていた手足も再生します。地球で変形してしまった体もここでは完全な形に戻ります。私達は、家具の揃った快適な家に住んでいますし、田舎の風景はとても美しいものがあります。ここの人たちの平均年齢は25~30歳です。地球で老衰のために亡くなった人たちは、再生の眠りの後にここで目を覚まします。この眠りは、地球の時間で約6週間続きますが、それより短い場合もあります」。

 

 

 

『地球を支配するブルーブラッド 爬虫類的異星人DNAの系譜』

スチュワート・・スワードロー 徳間書店  2010/6/18

 

 

 

「モントーク計画」

NYロングアイランドの東端、モントーク岬で行われた極秘実験「モントーク計画」(マインド・コントロールやタイム・トラベルの実験)の犠牲者となった著者が、エイリアンとの接触ハイパースペースとのコンタクトを通じて知り得た衝撃の情報を告白――。

 

胎児の発達過程に秘められた銀河系の歴史

・全人類には爬虫類的異星人(レプティリアン)の遺伝子が組み込まれていた!

 

・恐怖と闘争をプログラムされ創造された人類は、爬虫類脳(レプティリアン・ブレイン)を克服し、平和な地球社会を築くことができるのか?

 

・宇宙創成、銀河系の歴史、人類創造と地球入植、ブルーブラッド(支配人種)創造、次々に明かされていく秘史。

 

・聖書の創造神は、「我々(12種族のヒューマノイド+爬虫人)の姿形」で人間を作った。全ての人類には爬虫類人レプティリアン)の遺伝子が組み込まれている。

 

レプティリアンによる天の川銀河の征服とヒューマノイドの防衛戦。この銀河の戦いが、アトランティスとムーの戦いをはじめ、現在に至るまで地球上の闘争に反映されている。

 

ムー大陸から地下空洞に退避したレプティリアンは、復活をかけて爬虫類:人間の遺伝子比率が5050のブルーブラッド・シュメール人を作り、地球をコントロールすることにした。

 

・ブルーブラッドの末裔が、ロスチャイルド家などイルミナティ13家系となり、今日も地球を支配している。

 

・人間はレプティリアンのエサだった!爬虫類に変身(シェイプシフト)し、人間の血とホルモンを飲み、臓器を貪り食う世界の有力者たちの凄惨な儀式。

 

・いま我々は、もはや秘密支配ではなく、レプティリアンが公然と素性を明かす段階を迎えている。

 

・監獄惑星(プリズン・プラネット)の地球に引き寄せられるのは「抑圧者・支配者意識」と「被害者意識」の塊。だが、自己を救済し、地球を浄化する「思考パターン」はあるのだ!

 

爬虫類人レプティリアン)は交配人種のイルミナティを通じ、人類を操作・支配している。

 

・生命の真相を熟知すれば、自分で自分の運命を操縦できる。

 

こと座人と爬虫類人レプティリアン)――宇宙の創成と壮大なサバイバル・コンテスト

50億年前、天の川銀河に入って来た天使存在(半霊半物質のこと座人)

原初の「神の心」は全てが一体

・創世のとき、神は、心の動きとして存在しただけだった。過去にも、現在にも、存在するのは心だけである、どこから現れたのかという概念はない。常に存在してきたし、これからも終わることがない。それ自体の中で、あらゆる思考が成就し、何でも生じうる。そうした行いを通じて、自らを認識している。その思考によって創造された個々の生命体に直接介入するようなことはしない。その根源には、予定も目的もない。

 

・一般に信じられているのとは異なり、神は、創造したものに対して、審判も介入も、変えることもしない。あらゆる創造物それぞれが持つ自由な意思に任せている。そうすることで、無限の可能性が展開する。どのようなものであっても、存在を否定されることはない。人間は、さまざまな出来事や事物を、良いとか悪いとか、ポジティブとかネガティブとか判断するが、「神の心」にとっては、全てはそれ自身の断面に過ぎない。有限の人間の心では創造の巨大さを把握することはできない。

 

・この全てを包括する知性には、いろいろな名前が付けられている。神、「神の心」、全存在、普遍精神、宇宙精神、宇宙的知性、「超空間」、至高の存在、全能者など。父、父なる神、父母、彼、聖なる彼などの、性別を思わせる名称は、実はあまり適切ではない。この知性には性別はないからだ。男女の区別は、分断された物質的な現実の中にのみ存在する。

 

・この原初の至高なるエネルギーは、超空間状態の中に存在して、知性を司っている。このことを私は「超空間の言葉」と呼んでおり、『ヒーラーのハンドブック—―超空間への旅』という本で詳述している。超空間とは、純粋なエネルギーの状態であり、時間も空間も超越している。思考は瞬時に伝達される。伝達の手段は、色、音、根源型(元型、シンボル)の三つである。これが全ての創造物の基盤となっている。

 

・原初のレベルで「神の心」が自らについて思い、自らが何ものなのかと考えるにつれ、思考形態が生じ、それが創造的思考となり、限りなく連鎖していった。このエネルギーが自己に覚醒し、全ての形態、全ての次元が同時発生するようになった。それぞれの次元の意識は、さらにその下位の意識を生じさせた。同類が同類を生んでいった。それぞれの次元は、互いに支え合い、互いを維持している。これが存在の「呼吸」する様である。上が存在するごとくに、下も存在する。

 

・これらの思考形態は、他の思考形態を生じ、それが延々と続いた。そうするうちに、一般にキリストの意識とか、天使の階層とか言われるものが出現した。

 

・それぞれの現れ、もしくは次元は、互いに等しい。知性がどこに焦点を合わせているかで、意識に観点が与えられる。実際には、あらゆる思考も「霊格」も、全ての次元に同時存在している。理解不足と有限な視界のために、全てが一体であることに完全に目覚めることができないだけである。

 

・究極的には、原初の「神の心」へと回帰する同心円状の創造物が形成されるのであって、一般的に考えられているような直線的な創造ではない。これは環状形で表すことができる。これは、古代ヘブライ語の聖書を直接コンピュータに入力し、規則的に埋め込まれた暗号を解読して明らかになったことである。現代の世界を支配している者は、この情報のごく一部だけ公開を許している。古代のカバラ術者や、古代エジプトアトランティスの秘密階級は、この情報を何千年も前から知っていた。

 

半霊半物質のこと座人が物質次元に囚われ人間的存在に

・およそ50億年前、天使のような存在が、この天の川銀河に入って来て、物質世界の生活を体験しようとした。この物質次元に入って来た天使的存在は、間もなく、物質的でもあり非物質的でもあるという二つの性質(半霊半物質)を持つようになった。秘密政府はこの状態にある存在のことを「ET(地球外生命体)」と呼んでいる。一方、秘密政府の用語で「エイリアン」とは、この物質次元の宇宙の別の物質世界からやって来た、あくまで純粋に物質的な存在のことである。本書でもこれに準じて言葉を使い分けることにする。

 

・彼らは、直線的な時間で40億年の間、この銀河に存在し、こと座と呼ばれる星団を占拠するようになった。この場所こそが、この銀河系の全ての人間的存在の生まれ故郷であると考えてよい。この時点ではまだ、こと座人は、完全に肉体としての生命を経験していなかった。普段はエネルギー体であり、物質的な感覚を経験するためにどうしても必要なときだけ物質的な姿をとった。

 

・モントークで我々が聞いた話では、並行存在する別の宇宙から物質的存在がこの現実界に入って来ていた。こと座人からすれば「客人」である。別の宇宙(モントークの科学者は「旧宇宙」と呼んでいた)から来た客人たちは、ET(半霊半物質)のこと座人に心を奪われ、徐々に長く物質次元に留まるよう誘惑した。最終的に旧宇宙からの客人たちは全員他界したが、物質次元に長く留まるようになっていたこと座人は、物質次元に囚われてしまった。これが多くの伝統宗教で「神の恩寵を失った」と記述されて伝えられていることである。

 

・こと座人たちは完全に物質的な存在ではなかったため、武器を開発することもなく、攻撃に晒されやすい状態だった。物質次元に拘束されていては、何でも必要なものを思い描くだけで生み出すこともできず、代わりに、身体を使って仕事をしなければならなかった。より高次元な自己精神に接続されていた彼らは、技術を生み出し、物質的に必要なものを得ることができた。しかし、戦争とか暴力という発想は、彼らの思考パターンにはなかった。

 

・物質状態となったこと座人たちの社会は、線状の時間経過とともに、分断されていく。思考パターンの似た者が集団を作り、その集団ごとに分かれていったのである。学校で趣味に応じてクラブ活動を選ぶのと似ている。それぞれの集団は服装も違い、「神の心」とのつながり方も異なり、さらに話し方やコミュニケーションの仕方までそれぞれ独自に発達させるようになった。こうした差異は、一致調和というよりも、分離をもたらすことになる。分離によって弱体化し、結束力が欠けるようになり、脆弱になってしまった。異なる材質で接続部が作られた鎖は、ちぎれやすいものである。

 

爬虫類人を作ったのは「透明人」――それは人間をテストするため、敵対させるためだった!

「透明人」とシリウスA星人が創造し、りゅう座に配置した爬虫類人レプティリアン)>

・モントークで働いていたとき、私は「爬虫類人」と言われる偶発的エイリアン種(ときどきエイリアン化する種類)に遭遇した。爬虫類人は、物質界にひょっこり現れては消えていくようだった。爬虫類人は主として低層アストラル領域を参照ポイント(入り口)として使用し、物質界に入り込んでくる。これがアストラル・デーモン伝説の起源になっている。モントークで私を管理していた人によると、これらの存在は、誰も知らない別のグループによって永劫の昔、りゅう座に連れて来られたそうである。そして彼らの本当の出自については誰にもまったく分からないという説明を受けた。

 

10ヵ国語を話すスチュワートは、通常「使用されていない」と考えられている人間の脳の90%は、実際には「神の心」と常時通信しており、「超空間」の言語(次元や生物種に関係なく普遍的な言語で、色・音・根源型の3要素で構成される)で情報を受け取っていると言う。人々は、この普遍的な言語を理解する教育を受けていないため、表面の意識に現れるのはごく一部の情報であり、その多くは夢の中に現れる。「超空間」と「大霊」の技術を身に付ければ、この普遍言語を意識的に学ぶことができ、各人が存在を始めたときから組み込まれているDNA配列を解除することも可能である。この今までにない知識を実用面で生かせば、自分自身が誰であり何であるかを知り、自分自身が存在する理由を理解することにもつながる。

 

爬虫類人レプティリアン)の物理的遺伝子は金髪青眼(紅毛碧眼)のこと座人から調達

爬虫類人レプティリアン)の意識は「全ての時空の征服支配は当然」と設定されている

 

この惑星は征服されている?

・今も残るりゅう座人のこと座襲撃の爆発痕

・こと座避難民の火星とマルデック星

・空洞惑星の地球、木星、火星の北緯19度結束点

 

爬虫類人レプティリアン)の地球入植

爬虫類人レプティリアン)の兵器、巨大氷彗星爆撃で、火星・地球の大激変と金星誕生

 

・自転しない空洞天体「月」と「恐竜」を作った爬虫類人レプティリアン

 

・アトラン人(アトランティス)・爬虫類人(レムリア)マルデック星人・火星人四巴の大戦

 

人類創造プロジェクトとブルーブラッド誕生>

<こうして地球に新造人種が作られる!>

・ハトナ和平会議(アンドロメダ銀河)で、りゅう座人と12種族人間で新人種創造を決定

 

・地球は被害者意識を持つ霊格者の監獄惑星

 

・レムリアからの爬虫類人生存者が巨大地下文明を築く

 

アトランティス大陸崩壊後、蠢動する諸種族

 

エイリアン集団紳士録>

・アベンナキ――人工惑星マルドゥーク(ニブル)に住む爬虫類人

アルデバランーーゲルマン人とバイキングを創作・管理

・アンタレスーートルコ人ギリシャ人、スぺイン人のDNA

アルクトゥルスーーローマ帝国建設を手伝った精神性高い種

・アトラン――アルクトゥルスにコロニーを作ったこと座人の一派

・熊――アベンナキが作った黒人種の元祖

・バタフライ――アベンナキが創作した非ヒューマノイド形態の知的生物体

りゅう座人――この爬虫類人型生物の交配種がイルミナティ

・地球外生命体――太陽からエネルギーを直接吸収するエイリアン

・プレアデスーーこと座からの避難民、長身金髪のノルディック

 

・ プレイングマンティス――慈悲深き2メートル級巨大カマキリ

プロキオン――自らのDNA中南米で人種培養

・ リゲル――米政府と協定を結んだオリオン連盟リーダー

シリウスA――イスラエル政府と契約の宇宙の商人

シリウスB――老子孔子、釈迦に叡智を与えた銀河の「哲学者」

くじら座タウ――グレイ種を目の敵にし、ソ連と協定を結んだ

・ ビーガン――シリウスA人の遺伝子から作られたグレイ

・ ゼータ・レティクリⅠ――地球人監視のためリゲル人が作ったグレイ

・ ゼータ・レティクリⅡ――遺伝子操作で作られたグレイ。爬虫類人に奉仕

 

 

 

『流言のメディア史』

 佐藤卓己   岩波新書     2019/3/21

 

 

 

デジタル時代こそメディア史的思考を

・そうした「絶対的な義務」を新聞社が果たさない理由を、林は三つ挙げている。第一に、自社掲載の記事を捏造だと発表することにより読者の信用を低下させるのではないかという不安。第二に、新聞を商品と考える新聞社の多くがコストのかかるニュース調査機関を備えていないこと。第三に海外からの特電を権威付けに利用する新聞が、その価値を損なう知識の普及に消極的であること。こうした新聞社の不作為の説明は、今日でも十分に通用するのではなかろうか。

 

・一方、当時の新聞読者は「捏造ニュース」をどう読んでいたのだろうか。その約2か月前、戦時下の読者にリテラシーの向上を求める五城朗「戦争ニュースは欺く」が同紙に掲載されていた。今日のフェイクニュースの原型とも言えるような「与太ニュース」の氾濫を指摘した上で、五城はアメリカの『フォーチュン』誌が行った各国首都(ワシントン、ロンドン、パリ、ベルリン、モスクワ)からの外電に関する信頼度調査を引用している。ロンドン電で32.4%、パリ電で33.4%、モスクワ電なら54.2%、ベルリン電に至っては59.1%のアメリカ国民が“ほとんど信じない”、“全然信じない”と答えている。もっともアメリカ国民は自国のワシントン電に対してさえ、12.2%が強い猜疑心を表明していた。その事実を示した上で、五城は日本国民に「一切の戦争ニュースを警戒せねばならぬ」と呼びかけている。

 

・どんなニュースに対しても、まず聡明な懐疑心を働かせ、苟くも軍事的に見て不可能、或は不合理な内容であれば、直ちに虚報であると看破するだけの眼識が具われば、もはや戦争ニュースも「欺く」ことは出来なくなるわけである。

 

1941128日、ドイツ軍の優勢を信じて日米開戦に踏み切った日本の政治指導者にも、そうした「眼識」はなかったようだ。とはいえ、「聡明な懐疑心」を訴えた五城さえもドイツ軍のポーランド占領、フランス降伏とつづいた電撃戦には幻惑されていたのだろう。「新聞は、思想電撃戦の最も浸透的で、最も有力な武器である」と、真珠湾攻撃4か月前、「国際ユダヤ閥の世界新聞統制を衝く」を書き起こしている。五城は「国際ユダヤ閥の支配下にある大通信社」の虚報製造システムを次のように解説していた。

 

・マーク・トゥエーンが、「真実が靴の紐を結ばぬうちに、虚偽のニュースは世界を一周してしまう」といっているように、新聞の虚報が常にその取消よりもスピ―デイーに世界に流布すること、更に、一度プリントされた以上、結局何ものかは後に残る、というのがこれ等通信社の虚報製造のつけ目である。たとえ訂正要求、取消、その他の障碍が起ったとしても、報道の迅速と競争という理由のために、各新聞社はニュースの真偽を確かめる余裕がないので、自由主義的な新聞は、無批判にこれ等通信社の製造せる虚報を掲載してしまうのである。

 

・これほど虚報の効果を「聡明な懐疑心」をもって分析できる五城が、なぜ典型的なメディア流言ともいうべきユダヤ陰謀論に入れ込んでしまったのか。知識や理性だけでフェイクニュースを見破ることができると考えるべきではないようだ。それ以上に強調しておきたいのは、小説家マーク・トウェイン1910年没)の警句、「真実が靴の紐を結ばぬうちに、虚偽のニュースは世界を一周してしまう」が第1次世界大戦以前から存在していたことである。

 

・それにしても、猜疑心がもっぱらSNSなどニューメディアに集中的に向けられている現状においては、まずメディア史的思考に立ち戻ることこそ必要だと私は考えている。果たしてSNSのデジタル情報より印刷メディアのアナログ情報を信頼する態度に陥穽はないのだろうか。

 

バーチャル・リアリティーの日常世

私たちは「あいまいな真実」と「魅力あるデマ」が絶えず流れ込む情報空間に生活している。日本で「インタ―ネット元年」と呼ばれる1995年、このデジタル革命を「リアリティー侵略戦争」として告発した著作がアメリカで出版されている。マーク・スロウカ『それは火星人の襲来から始まった』(原題は『宇宙戦争』)である。刊行から約四半世紀が経過した同書をいまヴァーチャル・リアリティー論として読む人はまれだろう。

 

・スロウカは電子文明が勝利した決定的瞬間として、19381030日にアメリカで起こったマス・パニックを描いている。

 

・合衆国東海岸各地の市民が、H・G・ウェルズの原作[1898]オーソン・ウェルズがラジオドラマ化した『宇宙戦争』を聞き、16本の触手を持つ火星人が地球に着陸したと信じてパニックに駆られ、高台をめざしたからだ。それはRCA[アメリカラジオ会社]の技術者にとっての劇的勝利であり、新時代の到来を告げる決定的瞬間だった。ウェルズの電子的幻影は、来襲した火星人から逃れるために北へ逃げた大勢の人々の常識および現実を、あっさりと打ち負かしたのだ。

 

・ここで興味深いのは、ヴァーチャル・リアリティーの影響力を批判するスロウカが「火星人来襲パニック」が歴史的事件であることをまるで疑っていないことだ。

 

弾丸効果パラダイムという神話

・ここで「火星人来襲」騒動の背景を理解するために必要な若干の歴史的解説を加えておきたい。1938年春のオーストリア併合の後、ヒトラーはさらにチェコズデーテン地方の割譲を要求し、ヨーロッパは一触即発の戦争危機に包まれていた。結局、イギリスの宥和政策により、ヒトラーの要求は930ミュンヘン会議で承認された。それは火星人来襲ドラマのちょうど1か月前である。戦争回避に向けて外交交渉が続けられた期間中、アメリカのラジオ放送はしばしば番組を中断して臨時ニュースを放送していた。ウェルズのラジオ劇は臨場感の演出に、この臨時ニュースと前年5月の「飛行船ヒンデンブルク号炎上事件」実況中継のイメージを利用した。だとすれば、聴取者が「火星人」でドイツ兵を想起したとしても不思議ではない。キャントリルのインタビュー調査でも以下の回答が寄せられている。「わしはドイツ人がみんなをガスでやっつけようとしていると思ったね。火星人だなんていっていたが、アナウンサーはよく知らないで、まだヒトラーがかれらを送ってよこしたのを知らないんだと思ったね

 

新聞のパニック報道とその影響

・「火星人来襲パニック」について最も頻繁に引用される記事は、翌1031日付『ニューヨーク・タイムズ』の第一面にある。「ラジオ聴取者のパニック――戦争劇を事実と取る」の見出しの下で、「“火星からの毒ガス攻撃”から逃れるべく避難者多数――ウェルズの空想小説放送で警察に電話殺到」が報じられている。全米の新聞は3週間で12500件の関連記事を掲載したという。事件が翌日の新聞で大々的に報じられたのは、日曜日の夜に突如として新聞社に問い合わせの電話が殺到したことも一因だろう。

 

・むしろ、このパニック報道を「絶え間ない戦争扇動の帰結――火星人、アメリカを脅かす」として大きく報じたのは、111日付のナチ党機関紙『フェルキッシャー・ベオバハター』などドイツ紙である。その8日後、ドイツ各地では119日夜から10日未明にかけ反ユダヤ主義暴動、「水晶の夜」が発生している。ユダヤ人青年によるパリのドイツ大使館員テロへの報復を口実として、シナゴーグユダヤ人の住宅が襲撃、放火された。ナチ党主導の「半官製暴動」ともいうべき事件だが、国際的非難をかわすべく憤激した民衆のパニックが演出された。

 その意味では、火星人来襲パニックは第三帝国にとっては利用できるニュース素材だった。ヒトラー118日にミュンヘンでの演説で「たとえ火星や月から降ってくる爆弾にもおびえてはならない」と述べ、半年後の19394月にも「退廃した民主主義の神経症」の事例としてこの事件に言及している。他方で、ドラマ放送から4日後の113日付アメリ共産党機関紙『デイリー・ワーカー』も、「アメリカ人は自分の想像のなかで、宇宙人をヒトラーに置き換えて受けとった」と分析していた。

 

災害パニック神話

・「危機の時代のメディア・コミュニケーション」という副題をもつ『宇宙戦争からソーシャルメディアへ』を私が取り寄せたきっかけは、やはり東日本大震災であった。311以後、いわゆる「災後」のメディア研究者としても私も流言現象に関心を寄せていた。東日本大震災の直後は「コスモ石油の黒い雨」「外国人窃盗団多発」「放射能にはヨウ素入りうがい薬が効く」………など多様な流言蜚語、デマ情報が広まっていた。そうしたニセ情報はツイッターフェイスブックなどによって瞬時に拡散される。このテーマでは荻上チキ『検証 東日本大震災の流言・デマ』(2011)が役に立つ。

 

古典「火星からの侵入」の問題点

・プーシー&ソコロウは当時の新聞報道を検証し、現実には大したパニック現象は確認できず、「だまされた」聴取者はごく少数だったと結論付けた。実際、そのパニック報道と新聞記者が目撃した状況とのギャップは大きかった。たとえば、第一面で「ラジオのインチキ“戦争”が全米を恐怖に陥れる」と報じた『ニューヨーク・デイリー・ニュース』は、マンハッタンの大混乱を詳細に伝えている。しかし、同紙のラジオ部長ベン・グロスは、≪宇宙戦争≫放送直後にCBS本社前に乗り付けたとき、マンハッタンの通りは閑散としていた、と1954年の回想録で書いている。

 

情報過剰社会の歴史改変

ヒトラー神話」の戦後史から

19世紀にニーチェが宣言した「神の死」、つまり絶対善が消滅した後、あらゆる価値の参照点に立つのは絶対悪である。悪魔化されたヒトラーは、現代社会における絶対悪として人間的価値の審判者となったのである。

 

・それは、ヒトラー1930年代当時のドイツ人よりも戦後世界の私たちに対して最大の文化的影響力を発揮している可能性である。映画やテレビで「人々はいまでも、ヒトラーヒムラーや親衛隊の話に胸をワクワクさせる」のであり、「表紙に鉤十字を描いておけば、ほとんどどんな本でも売れると考えているのがアメリカ出版界」だった。それは日本でも同じであり、否、むしろナチカル(ナチ・カルチャーの略称)は戦後日本の大衆文化で戦前以上に流行している。

 

・もちろんマンガやアニメなどの娯楽作品におけるヒトラー人気はおとぎ話であって、さほど有害ではない。ただ、そこに温存される「絶対悪=ヒトラー」の審美的なイメージには警戒が必要だろう。ありあまる自由に息苦しさを感じる大衆にとって、フリーターから第三帝国総統に上りつめたヒトラーは価値を一発逆転させる「神」と映らないだろうか。いまのところ、「絶対悪=ヒトラー」に帰依する社会的弱者は少数にすぎないが、格差社会化の進展の中で絶対した「負け組」が大量発生しないという保証はない。圧倒的多数の「負け組」を必然的に生み出すグローバル情報社会において「ヒトラー民主主義」の再来を回避するためにも、ヒトラーの悪魔化よりは人間化こそが必要なのだ。

 

ナチスが月から攻めてきた!

・ナチズムの恐怖を「火星からの侵入」に重ねたラジオ・ドラマから始まる本書の叙述を終えるに当たって、やはり宇宙からの来襲をテーマとしたSF娯楽映画≪アイアン・スカイ(フィンランド・ドイツ・オーストラリア共同制作、2012)は無視できないそこでアメリカに攻め込むのは火星人ではなく空飛ぶ円盤に乗ったナチスである。その映画は20129月に日本公開され、一部で大ブレイクしたカルト的作品であり、公開に合わせて『別冊映画秘宝 ナチス映画電撃読本』も刊行されている。

 映画の設定は、第2次世界大戦後、月の裏側に逃れたナチスはそこで「第四帝国」を築き、着々と地球へのレコンキスタ失地回復)を狙っているという荒唐無稽なものである。リアルな歴史では親衛隊幹部の逃亡先としてアドルフ・アイヒマンユダヤ強制収容所移送責任者)のアルゼンチン、ヨーゼフ・メンゲレアウシュヴィッツの医師)のブラジル、あるいはアロイス・ブルンナー(アイヒマンの副官)のシリアなど中南米や中東が多い。メンゲレ博士をモデルにヒトラー・クローン計画を描いたアイラ・レヴィンの小説が『ブラジルから来た少年』であるように、「ブラジルから」ならまだリアリティーがあるが「月から」ではおとぎ話だ。

 もちろん、おとぎ話とてユング派心理学では学問的な分析の対象となる。C・G・ユング自身が『空飛ぶ円盤』(原著、1958)において、人々の無意識がUFOにうわさにより意識化されるプロセスを分析しているユングは好奇心、センセーションを求める心がある限り流言は広まるとみなしており、「空中に見られる物体」と宇宙人が結びつく契機を次のように説明している。

 

UFOの地上基地を発見したり、その物理的な特性を説明したりできないため、やがて地球の外から来たものだと想像されるようになる。第2次大戦勃発直前、ニュージャージーに起った大パニックの心理はこの想像に関連している。火星人のニューヨーク襲来をテーマにしたH・G・ウェルズの小説をラジオドラマとして放送したところ、現実に「大恐慌」が起り、無数の自動車事故が続出した。明らかに、目睫の間に迫った戦争に対する潜在的な情緒不安が、この放送劇によって爆発した。

 ユングは「火星人のニューヨーク襲来」も集合的無意識に内在している元型のイメージの投射と考えた。ただし、ユング自身がユダヤ人心理学者フロイトとの対立からナチ・シンパとうわさされていたこともあり、さすがにUFOのナチ兵器説については触れていない。

 

いずれにせよ、空飛ぶ円盤関連の書籍においては、南米や南極大陸ナチスのUFO基地があることが「通説」として語られてきた。矢追純一ナチスがUFOを造っていた』(1994)が典型的だろう。矢追は日本テレビのディレクターとして多くのUFO番組を手がけているが、1994101119時から2時間番組として日本テレビ系で放映された《矢追純一UFOスペシャル》は『朝日新聞』夕刊テレビ欄で次のように紹介されている。

 「ナチスがUFOを製造していた ⁉」衝撃……戦車砲をつけたUFO写真66枚初公開 ∇国連事務総長が宇宙人の誘拐を目撃! ∇ヒトラーは生きていた ⁉ ∇50年前に日独共同のUFOが火星に着陸していた ⁉

 

・テレビ欄なら、 ⁉を付ければ、どんな無茶な内容でも新聞は載せることができるのだろうか。この番組にも「火星」は登場するが、SFの世界で火星がナチス生存権であるのは常識となっている。

 {SFおたく}のバイブルともいうべきチャールズ・プラット『フリーゾーン大混戦』の第17章「火星から来た第三帝国クローネマイスター」では、ナチ突撃隊が地球に再突入する。あるいは、火星にヒトラーが転生して再び地球征服を志すという設定なら、デニス・ホイートリー『ナチス黒魔団』がある。火星どころか、さらに遠く金星のヒトラーを描いたのは、ターザン・シリーズで知られるエドガー・ライス・バローズの『金星の独裁者』(原著、1939)である。本書第5章で戦中に『デマ』を執筆した『ターザンの冒険』の翻訳者・本多喜久夫を紹介したので、敢えて言及するわけだが、類人猿ならぬ類猿人ターザンは同じ白人のナチスとは戦っていない。だが、黄色人種の日本軍とは戦っている。『ターザンと外人部隊』(原著、1947)で、ターザンはイギリス空軍大佐になりスマトラ戦線で日本軍を打ち破っている。バローズにとって、太平洋戦線は『野蛮=過去』志向、欧州戦線は「SF=未来」志向ということなのだろう。『金星の独裁者』はスペースオペラの金字塔「火星シリーズ」に続く「金星シリーズ」第3巻であり、ニュルンベルク党大会を彷彿とさせる分隊行進、親衛隊、政治犯強制収容所など、まさに第3帝国のパノラマである。

 

映画≪アイアン・スカイ≫は、こうした過去のナチカル遺産をかき集めた作品であり、チャップリン《独裁者》の有名なシーンなどそのまま引用されている。このカルト映画が最も人気を博した国の一つは日本だが、アニメ《宇宙戦艦ヤマト》や《機動戦士ガンダム》で育った世代にはとても外国映画と思えないはずだ。一方で、月面ナチスのヒロインがナチ流に「友愛」を謳い上げた演説にアメリカ大統領が感動して自分の選挙広報スタッフに加えるといったメディア政治を風刺する設定などは、ドイツで大ベストセラーとなったティムール・ヴェルメシュ『帰ってきたヒトラー』(原著、2012)ともシンクロしている。この風刺小説では現代にタイムスリップしたヒトラーが「ユダヤ的」商業主義メディアを「自分と同類」と認識した上で、パブリシティーでの共犯関係を築いて成功を収めている。こちらも移民排外熱の高まるドイツで2015年に映画化されて話題になった。とはいえ、月からのナチ来襲や総統のタイムスリップは娯楽作品であって、悪趣味と物言いがついたとしても、それ自体をメディア流言として問題視する必要はない。

 

新華社が伝えた「和服姿のヒトラー

・むしろ、メディア流言として注目すべきは、たとえば2015623日、中国国営通信社・新華社の電子版・新華ニュースが配信した「アドルフ・ヒトラーの紋付き羽織袴姿の写真――英紙が公開」の記事である(本章扉図)。

 色あせたモノクロ写真に映っているヒトラーは代表的な髪型と口髭で、紋付き羽織袴を着て、右手に扇のようなものを持ち、厳格なまなざしでカメラを見ている。着物には、ナチスを象徴する鷲のモチーフと鉤十字が入っている。

 

・この「写真」は英紙『デイリー・エクスプレス』電子版に発表され、『デイリー・メール』電子版にも掲載された。記事では1936年の日独防共協定を記念して撮影された写真ではないかと推定されているが、写真ではなくイラストと見るのが普通の感覚だろう。この種の海外ゴシップには目がない日本のマスコミだが、さすがに共同通信社や各紙特派員も管見の限りでは転電していない。『デイリー・メール』電子版にはフェイスブックツイッター、グーグル+などのシェア・アイコンも付いていたが、日本のウェブ上ではもっぱら新華ニュース日本語版が元データとして言及されていた。201593日の「中国人民抗日戦争および反ファシズム戦争勝利70周年記念行事」が、あと3か月足らずに迫っていた中国にとって「和服姿のヒトラー」は飛びつきたい証拠写真だったのかもしれない。

 

ただし、このフェイク画像は戦前のヒトラー崇拝者による「メイド・イン・ジャパン」という可能性が高く、このグローバルな偽史情報を日本のメディアがただ黙殺して済ませればよいとも思えない。ゴシップ記事が多い大衆向けタブロイド紙『デイリー・メール』は無視してよいとしても、中国国営の新華ニュースに対してはフェイク画像であると明確に伝えるべきではなかろうか。

 

・一方、ヒトラーが日本に亡命したという「うわさ」なら、実は歴とした日本発のメディア流言である。19451020日付『毎日新聞』は、同19日付アメリカ軍向け日刊紙『スターズ・アンド・ストライプス』の記事として、ヒトラー総統がドイツの降伏前に日本亡命を計画していたと報じている。同18日にこの亡命計画を明らかにした「日本海軍軍令部某幕僚」は、194533日の秘密会議の席上において「ヒ総統及びその愛人エヴァ・ブラウンをドイツから救出するための最終的取極めが行われた」と証言している。

 

・(ヒトラーは)もし日本が彼に対して安全な隠れ場所を提供してくれるならば日本に対して太平洋戦の勝利を保証すべき新秘密兵器の設計案を提供すると約束したとのことである(略)。35日未明90日分の食料を積んで1潜水艦がハンブルグに向け横須賀軍港を出港した。艦長を除いては乗組員の誰もが自分達の任務を知らなかった。しかしヒットラーエヴァ・ブラウンのために美しい織物で飾られた贅沢な船室が甲板に設けられてあった。

 もちろん、「協同」と名付けられた潜水艦がインド洋上で給油したのちの行動は語られていない。この国際スクープはもちろん日本発の虚報だが、その後に日本で蘇生する「ヒトラーの替え玉」神話の原型をなしていることは否定できない。

 

日本にさまようトラーの亡霊

戦後日本で頻繁に現れたのはヒトラーその人よりその亡霊である。たとえば、『文藝春秋19543月の第5福竜丸水爆被爆から5か月後のことである。書き出しはこうである。

  近ごろ、またヒトラーという名前を、よく聞かされるようになった。しかも、この名が日本人の会話の中で、使われる度合は、だんだん増えている。

 

この特集記事のサブタイトルには、「吉田独裁政治への警鐘は鳴り渡る」が掲げられていた。つまり、戦前の吉田茂が外務省内で「ヒトラー嫌い」の最右翼だったことを考えれば「ワンマン宰相」吉田が「独裁者」ヒトラーに擬せられるのは皮肉である。

 

・おそらく「吉田は日本のヒトラー」との言説に私的な悪意はなく、「限られた視野から、自分につごうのよい断定をする」のたぐいである。

 

・実際、吉田退陣後、鳩山一郎内閣が成立したが、以後の日本で首相に選ばれて野党サイドから「日本のヒトラー」のレッテルを貼られなかった人物は数えるほどしかいないだろう。戦後日本では強権を行使する著名人は、その性格や資質を問わず誰彼なく「〇〇のヒトラー」と形容された。○○には政党や宗派から大学や企業まで何でも挿入できるため、罵倒用のフレームとして使い回されてきた。2018年現在、ウェブ上で「平成のヒトラー」と検索すれば、安倍晋三首相を批判する多くの記事を読むことができる。こうした現象こそメディア流言としてのヒトラー神話なのである。

 

であるならば、権力者なら誰でもヒトラーになぞらえる発話行動にも、自らの民主主義への不安、より正確にいえば自らの民主主義がファシズムに転化することへの恐れが潜在しているのだろう。ヒトラー神話とは、われわれ自身のなかにある民主的独裁の願望である。実際、ヒトラーを批判し、糾弾する者の語り口は、しばしばヒトラーの語り口とよく似ている。SF映画≪アイアン・スカイ≫の見どころも、実はそこにある。

 こうしたヒトラー神話の言説を日本で分析した研究はほとんどない。しかし、ヒトラーのうわさは他の都市伝説と同じくらいに広まっている。世界博学倶楽部『都市伝説の真相――背筋の凍る噂78!』(2010)では、口裂け女など、「都市伝説」やトイレの怪談など「学校の怪談」と並んで「ヒトラー生存説――第二のナチス総統が現われる日」が収められている。21世紀の都市伝説らしく、死体の替え玉説よりもクローン技術による復活に力点が置かれている1889年生まれのヒトラーがたとえ日本亡命に成功していたとしても、2019年では130歳となり生存説にリアリティーはない。

 しかし、チャーチル90歳で没した1965年ならどうだったろうか。この年、ヒトラーは生きていれば76歳になっているが、吉田茂87歳でなお健在だった。ちなみに、ドナルド・トランプが合衆国第45代大統領に当選したのも70歳であり、まだ70代なら現役といってよい。この1965年、日本の劇映画では初めて「生きていたヒトラー」が登場したハナ肇とクレージーキャッツ結成10周年記念作品《大冒険》(東宝渡辺プロダクション)である。主人公・植松唯人(植木等)は『週刊トップ』のジャーナリストであり、「火のないところに煙を立てる」週刊誌を風刺した作品として見ることもできる。円谷英二特技監督をつとめたこのコメディ映画では偽札を造る「ナチス陰謀団」を背後で操る黒幕として「ヒトラー」をアンドリュー・ヒューズが演じていた。ヒューズは日本で活動するトルコ人貿易商だったが、≪大冒険≫のために実施された「ヒットラーのそっくりさん」公開募集で選ばれた。ヒューズは3年後、同じ東宝クレージー映画≪日本一の裏切り男≫でもう一人の人気独裁者、マッカーサーを演じている。

 こうした日本の大衆文化におけるナチカル受容史は、ヒトラー神話をメディア流言として読み解く上で不可欠である。

 

日本の文芸先品で「ヒトラー日本亡命」説を利用した最も重要な作品は、福田恆存の戯曲『総統いまだ死せず』(1970)である劇団四季(演出・浅利慶太)によって同年初演された。ヒトラー自殺前後に逃げ出した自称「ヒトラーの影武者」と彼を利用しようとする「ヒトラー信奉者」のやり取りのなかで、実は影武者が「ほんもの」、つまりヒトラー本人かもしれないという疑惑も浮上してくる。劇中人物の水巻は、こう問いかける。

 

 君達はいつもテレビで吾が日本の総理の顔を眺めているね、そしてそれを本物の総理だと思い込んでいる、が、あれは本物ではない、単なる映像に過ぎないのだ、その映像と替玉と一体何処に違いがある?

 

・この戯曲が発表された1970年代の日本では、マスメディアの世界で「総統を死の世界から喚び戻」す試みが大胆に実行されていた。ヒトラー神話を日本社会で最強の都市伝説に引き上げた契機として、五島勉ノストラダムスの大予言』(1973)の大ベストセラー化は無視できない。五島は本書第7章では左翼バクロ雑誌『真相』の反米主義ライターとして登場しているミシェル・ド・ノートルダム150366)、ラテン語風に綴ってノストラダムスは、シャルル9世の侍医をつとめたフランス・ルネッサンス期のユダヤ占星術師である。その暗号めいた四行詩は古くから多様に解釈されてきた。一番有名なのは、次の詩である。

 1999の年、7の月

 空から恐怖の大王が降ってくる

 アンゴルモアの大王を復活させるために

 その前後の期間、マルスは幸福の名のもとに支配に乗り出すだろう

 

1999年の大破局説は、その日が来るまで多くのメディアで紹介され続けた。『ノストラダムスの大予言  最終解答編』(1998)までシリーズ10巻が刊行された。第一弾だけでも19988月までに累計発行部数は209万部(450版)に達していた。五島は右の詩の解釈として全面核戦争、地球環境汚染、彗星衝突など人類の終末をにおわせているが、必ずしもナチズム復活までは示していない。

 

・『ノストラダムスの大予言』が大ヒットした後、五島はヒトラーも予言者だったとする『1999年以後――ヒトラーだけに見えた恐怖の未来図』(1988)を刊行している。これに類するヒトラー関係本はそれ以後も大量に出版されてきた。

 当然のことながら予言崩壊の19997月以後はそうしたトンデモ本はいっとき書店から消えていた。だが、戦後70周年に五島は『1999年以後』を『ヒトラーの終末予言――側近に語った2039年』(2015

として改訂出版している。日本に「戦後」が続く限り、メディアの中でヒトラー神話は再生産されるのではあるまいか。

 

 

 

<●●インターネット情報から●●>

ウェブサイトヒトラーの予言(完全バージョン)』より「引用」

『1999年以後  ヒトラーだけに見えた恐怖の未来図』

祥伝社五島勉著/1988年10月出版)に

書かれている「ヒトラーの予言」の紹介

2000年以後は、それが一層ひどくなる。2014年にはヨーロッパの3分の1とアメリカの3分の1が荒廃してしまい(人心の荒廃も含めて)アフリカと中東も完全に荒廃する。結局、いまの文明は砂漠しか残さない。

しかし人類はそれでも滅びない。わがドイツの一部と米ソの中心部、日本や中国は深い傷を負いながらも生き残る。ただ諸君、それでも人類はいなくなるのだ。いまの意味での人類は、そのときもういない。なぜなら、人類は2039年1月、人類以外のものに“進化”するか、そうでなければ“退化”してしまっているからだ。

 

それをもっとはっきり言えば、人類の一部はそのとき、人類から、より高度なものに進化して、神に近い生物になっている。人類から神のほうへ進化するのだから、それは『神人(ゴッドメンシュ)』と呼んでかまわない。

残りの大部分は、これも進化なのか退化というべきかわからないが、一種の機械になっている。ただ操られて働いたり楽しんだりするだけの、完全に受動的な、機械的な反応しか示さない『ロボット人間』になっているのだ。それまでの気候異変と環境異変、政治と娯楽と食物、それから起こる突然変異が、そのようなロボットのような人間を大量に生み出す。

神人のほうも同様で、同じ原因から生まれてくる。ただ突然変異が大脳にプラスに働いて、進化の方向がロボット人間と別方向になるだけだ。その前段階の『超人(ユーベルメンシュ)』たちも、より進化して神人になる場合がある。

いずれにせよ、彼らはいまの人間の数次元上の知能と力を持つ。彼らは団結して地球を支配する。それまでのあらゆる危機や問題は、彼ら神人たちの知能と力で急速に解決されていく。」

ロボット人間たちのほうは、それに従って生きるだけだ。これはある意味では気楽な身分だ。戦争も気候も経済も、神人たちによって制御されてしまうので、ロボット人間たちは神人たちの認める限度で、多くのものを与えられる。食物と住居も、職業も娯楽も恋愛も教育も、時には思想さえも与えられる。

ただロボット人間たちは、与えられ、操られていることを意識できないようになる。自分たちの意識では、何もかも自分で選択して勝手に生きているのだと思う。しかし、じつは神人たちがすべてを見通して、管理工場の『家畜』のように彼らを育て飼うことになるのだ。

こうして人類は、完全に2つに分かれる。天と地のように、2つに分かれた進化の方向を、それぞれ進みはじめる。一方は限りなく神に近いものへ、他方は限りなく機械的生物に近いものへ。これが2039年の人類だ。その先もずっと人類はこの状態を続ける。

そしておそらく2089年から2999年にかけて、完全な神々と完全な機械的生物だけの世界が出来上がる。地上には機械的生物の群れが住み、神々がそれを宇宙から支配するようになるのだ。」

 

■■■第3章:ヒトラーの予知能力の謎  「私は“あいつ”に選ばれて取り憑かれたのだ…」

 

ヒトラーの予言の力の源泉に関しては、いろいろと議論の分かれるところだと思うが、

ヒトラー自身が予言の秘密について告白している。“あいつ”のおかげだ、と。

ヒトラーのIQは150近くあったことで知られているが、霊感(霊的感受性)も

すごく高かったようである。時々、何かに憑依されていたことを

ヒトラー自身、 実感していたみたいである。

ただし、この“あいつ”が何者だったのかは不明であるが……。

 

アメリカのピュリッツァー賞作家ジョン・トーランドは、精密なドキュメント『アドルフ・ヒトラー』の中で、ヒトラー自身が、のちにイギリスの通信社特派員ウォード・プライスに語った言葉として次のものを紹介している。

「私はあのとき、戦友たちと夕食を摂っていた。すると突然、ある声が私に、『立って向こうへ行け』と命じた。その声が、あまりに明瞭に同じことを繰り返したので、私は上官の命令を聞くように機械的に従い、20ヤードほど移動した。とたんに、いままでいた場所から衝撃と轟きが押し寄せた。そのときまで私も属していたグループの上に、流れ弾が炸裂して1人残らず死んでしまったのだ」

つまりこれは、ヒトラー自身の判断ではなかった。彼の内部深くから噴き上げた何かの声、または外界か異界のどこからか来た、彼以外の誰にも感知できない妖異な命令だったのだ。

そうだ、それは“あいつ”の命令だった。あのときから、私には“あいつ”が憑(つ)くようになった。恐ろしいことだ。私は“あいつ”に選ばれて取り憑かれたのだ

彼はあとで、側近たちにこうも語っている。

それだけでなく、語っている最中、ふいに立ち上がって目を剥き、「“あいつ”だ、“あいつ”が来た。また私に未来を教えに来たのだ。そこにいる、そこだ!」 あらぬ方を指さして絶叫することもあった。

 

第一次世界大戦の戦場での、生死ぎりぎりの衝撃が、ヒトラーの深層意識に火をつけたのだろうか。とある沼地のほとりでハッと気付いたとき、ヒトラーは自分がそれまでとまるで違う人間に変わってしまったのを感じたという。

彼は思い出話として、第一側近のゲッベルスにこう語っていた。

「異常変化だった。それから起こることが全部わかるように感じた。実際わかった。人類の未来が、全て私の前にありありと見えだした。『そうだ、その通りになる。おまえにはわかる。おまえはその力を持った』と、“あいつ”も耳もとでささやいてくれた」

しかも第一次世界大戦が終わっても、“あいつ”はヒトラーから離れなかった。

「ついには、私の体の中にほとんど棲みつくように」なった。

そして様々な未来をささやき、単なる予知以上のことまで告げ始めたという。

アドルフ、おまえは選ばれた。試練にも耐えた。おまえはドイツ民族を率いてヨーロッパを制覇する。新しい世界を打ち立てる。それがおまえの使命だ……

おまえがそれをやらなければ、今世紀後半も21世紀も、ユダヤが地球を支配することになる。金も食糧も兵器もユダヤが支配する。世界はユダヤとその代理人どものものになる。だからユダヤを倒せ。打ち倒せ……。

そのためにも、まず政権を握れ。片足の不自由な変な小男が見つかる。その男は天才で、おまえの最大の協力者になる。その男を充分に活用すれぱ、おまえが45歳になるまでに政権が手に入る。50歳で世界征服の戦争が始められる……。

それを忘れるな。おまえは25歳で選ばれて能力を得た。そして生まれてから50年目、おまえは世界征服の大戦を起こすのだ。

さらに生まれてから100年目、150年目──つまり1989年、2039年──もうおまえはいないにしても、そのとき人類は、新しい次の段階を迎える。それが何かも、いずれおまえだけに教えよう……

  

 

 

『宇宙人第0の遭遇』

南極大陸の地下基地で活動したエイリアンの生態記録

アルバート・K・ベンダー  監訳;コンノケンイチ 

  徳間書店  1995/4

 

 

 

ベンダーが接触した宇宙人の特徴

1.  黒服の男、美形の女性、高貴な男性を偽装して現れる

2.  しかし、その実体は「緑色の想像を絶する怪物」。

3.  完璧なマインド・コントロールの技術を持っている

4.  異様な、硫黄のような臭気を放つ。

 

ベンダー・ミステリー

1953年秋、全米規模のUFO研究会(IFSB)を組織していたアルバート・K・ベンダーはアメリカ政府筋の強要を受けたにしては、あまりに異常で深刻な恐怖を示し、突如としてIFSBの機関誌『スペース・レビュー』に次のような声明文を掲載し、組織を解散してベンダー自身もUFO研究活動から身を引くと宣言した。

もはやUFOは謎ではない。その正体はすでに分かっているのだ。だが、これについての情報は、ある種の権力によって押さえられている。我々としては、その詳細を本誌に発表したいのは山々だが、情報の特質にかんがみて発表しないように勧告されたことははなはだ残念である。我々のようにUFOに関する仕事にたずさわっている人々には、十分に警戒するよう、せつに忠告するものである

 

・一つは、正確な正体は不明だが、全身黒ずくめの身なりをした当局の秘密工作員がUFO研究者などへ脅迫を行なっていたことである。

 それらの報告は、すでに1940年代後半から散発し始めていた。彼らは一般の目撃者だけではなく、UFO研究家の前にも現れて脅しをかけ、活動の停止を強要するという行為を行っていた。

 

もう一つのブラックメンのタイプは、異星生物(アンドロイドのようなもの)が人間の容姿を装って現れたというものだ。ベンダーが本書で述べているのはまさにこれなのだ。異星生物によるテレパシーなどに類する超常現象の手段を用いた脅迫や、UFO調査活動の停止と沈黙の恐るべき強要だった。

 つまりベンダー・ミステリーの本質は、異星人による強制拉致(アブダクション)によるコンタクト・ストーリーそのものだった。

 

・ベンダーが述べるコンタクト・ストーリーはあまりにも具体的かつリアルなもので、しかも異星生物のドライ(非常と酷薄)さが事件全体にわたって横溢している。

 ベンダー・ミステリーは欧米ではジョージ・アダムスキーの『宇宙人会見記』と並ぶ古典派UFO本の双璧とされていたのに、情緒的な日本人には受け入れられなかった理由もこれで理解できた。

 

・たとえば、ベンダーの問いに対し、彼らは次のように答えている。

神は人類の創作で、存在しない。死後の生命も存在しない。キリストは小さな町の噂話が大きく膨らんだもので、他の人によって奇跡を大きく誇張された人物である

 そうした観点では、キリストの再来のような金星の長老たちが哲学的な訓話を垂れるアダムスキーもコンタクト・ストーリーとは対照的で、内容的にも正反対なのは面白い。

 

・私たちにはドキリとするようなことも述べている。

いくつかの点では地球は非常に呪われている。その1つに、地球には多くの人種と国家群があるために常に紛争が起こる可能性があり、これが地球を完全破壊することにつながるかもしれない

「我々は実験のために、地球人の多くを我々の惑星に送った。そして我々の仲間に見せるため、地球人の何人かを展示している。我々は多くの惑星の住民の標本を保存しているが、標本の何人かは死んでいる。地球人の場合も同じで、彼らは生き残らなかった」

 

・癌の原因についてベンダーは質問しているが、私も以前からある推測を持っていた。

 それは日本における癌患者発生率の統計が石油コンビナート周辺と大都市に集中しているからで、タバコが肺ガンの原因と目の敵にされているがそうではなく、石油をエネルギー源とする大気汚染が多くの癌患者を発生させているらしい。

 ベンダーの質問に対して彼らは「ガソリンで動く乗り物の出現が主な要因だ」と、ズバリ答えている。

 

その南極のUFO基地にベンダーは強制的に拉致されている。そこで見た情景は本書に驚くほど克明に記述されている。

 このベンダーの本は出版された当時、人々から自己宣伝や売名行為であるというごうごうたる非難の矢面にさらされた。しかしその後のベンダーはUFO研究から身を引いて、マスコミからも完全に消息を絶っている。単なる売名や宣伝のためだけだったとも考えづらい。長い目で見れば真偽は分かることである。

 

・いまアメリカで大きな問題と化しているUFOアブダクション(強制拉致)事件、それは対岸の火事ではない。近い将来は日本にも、必ず大きな波となって押し寄せてこよう。

 否、すでに起きているらしい。私自身も仙台でアブダクション体験者としか思えない人の訪問を受け、数々の不思議な体験を聞いている。

 ブラックメンの存在も他人事ではない。それは今でも形を変えて存続し、世界各地で秘密裡に活動しているのかもしれない。

 

『グリーンウェイ円盤報告』

・グリーンウェイは、自家用車から3つの円盤状の空飛ぶ物体を目撃した。

 

・彼は、時速約400キロメートルで飛行していたと推定し、それは薄く金属のようで端の尖った円盤、推定直系12メートルと観察した。

 

異星人と会ったアダムスキーの報告

19521124日ごろ、4人連れがアリゾナの砂漠センターの東16キロメートルの場所に、ピクニック・ランチにやって来た。130分に大きな葉巻形の物体がときどき停止しつつ、猛スピードで東へ移動するのが目撃された。

 

・その訪問者は話しかけてきた。彼らは他の惑星から、同胞たちが目にしたきのこ雲を調査にやってきたということだった。葉巻形の宇宙船は母船で、円盤はそこから出てきた。男はアダムスキーが宇宙船に近づくことは許さなかった。彼はアダムスキーと握手をして立ち去る前に、自分の足跡が重要な意味を持つことになると示唆を与えた。

 

南極エイリアン基地はやはり存在していた

プロジェクトX」創設計画

・同時に、オーストラリアとニュージーランド地域に円盤目撃が集中しているということの裏には、何らかの深い意味がある。もしも詳しく調査をすれば、この二国の近くには必ず空飛ぶ円盤の基地があるという見解に行き着くはずだと考えた。

 

「南極基地理論」に加えられる迫害

テレパシーによるコンタクト実験が成功していた

エイリアンのテレパシー

・「世界コンタクト・デー」とは、その日にIFSB全メンバーがテレパシーによって、宇宙からの訪問者にメッセージを送る実験をしようというものだった。

 

エイリアンの正体は怪物――驚愕の会見報告

異星人の国で私はすべてを知らされた

・突然のショックで浮遊は終わり、すべての動きが止まった。暗さが消えたと同時に、大きなサーチライトの光線が目に当たったかのようなまぶしい輝きに取り囲まれた。やがて、目が慣れて周囲が見分けられるようになってきた。

 私は、ガラスドームの巨大な部屋の中にいた。壁はステンレス鋼のような金属でできていたが、光を放っているようでつねに輝いていた。

 私は同じ金属でできた椅子に座らされていた。

 

・「それは我々があなた方の惑星に滞在中、いわゆるペンタゴンに我々の仲間が駐在している事実をあなたにお知らせしたかっただけです。我々は、あなた方の惑星上で現在起こっているすべての情報を収集し続けるために、あなた方の惑星の多くの場所に仲間を駐在させました。

 

・「我々の宇宙研究所の小さなボタン1つで、我々はあなた方が地球上に持っているすべての貯蔵所の核爆弾を爆破することができます。それによってあなた方の惑星は、ほぼ完全に破壊されるでしょう」

 

・彼は画面の中から、その怪物自身の心で話しかけているようだった。あたかも彼が人間の形から、ウェストバージニア州の目撃者か説明のために描いたフラットウッズの怪物によく似た生き物に、即座に変身したかのようだった。

 

・「我々は最初に地球の人類が進化するのを見た時、彼らを奇妙だと思いました。我々は人類が海の小さな生物から今日のあなた方に進化するのを見守ってきました。しかしもし、あなた方の惑星が自ら破滅することなく存在し続けるならば、今後、数十億年かけて人類のすがたは変わっていくでしょう

 

・「我々の惑星には3つの性があります。人類の女性に似た機能を持った性、人類の男性のような性、第3の性は男でも女でもありません。第3の性の持ち主は我々の支配者となる高貴な人物ですが、滅多に存在しません。そこで彼らが生まれると盛大なお祝いをします。我々の女性は卵を産みそれをしまっておきます。我々は人口を管理しています。偉大な暗黒が我々の惑星を包み多くの生命を奪ったときにのみ、その卵を孵化することが許されるのです

 

・なぜなら、画面が再び青く光って暗くなり、彼は人間に再び変身して台座に立った。

それから彼は、スライドする壁のパネルの所へ行き、それが開くときその陰に消えた。突然、部屋が真っ暗になり、私は意識を失った。再び私は雲の上にいて宇宙を漂う感じがした。

 

・目を開けると、ブロード・ストリートの自分の部屋のベッドに横たわっている自分に気がついた。私は座って辺りを見回し、時計を見た。たった30分しか経っていなかった。あれほど多くの出来事がこんな短時間に起きたとは信じられなかったが、確実に起きたのだ。

 また私には、自分が実際にどれほど遠い所まで行ってきたのかも分からなかった。

 この体験全体のうちでもっとも心に残ったのは、画面でみたあの怪物だった。

 それは、我々が言葉によって想像する怪物とはまったく違っていた。

 

怪物との会見を信じる者は誰もいない

・「おい、そんな大風呂敷を広げるのは止めろ。そんなナンセンスな話は、IFSBの宣伝にはなるだろうが、誰が信じると思うんだ。異星人とコンタクトしたなんて考えは捨てろ」

 

ブラックメンが再び私を連れ出す

・ドアを開け屋根裏部屋を覗いてみるべきか、誰かすでにその中にいるかどうかを少し待ってから調べてみるべきか、判断できなかった。しかし臭いがしだいに強くなるので、とうとうかんぬきを開けた。

 心臓が凍りついた。ドアを開けると、劇場で私の隣に座り、道路で私の跡をつけ、部屋に私を訪ねてきた同じ人物が、そこに立っていた。

 彼の目は依然と同じ光を放ち私の目に焦点を合わせながら、部屋に戻るようにと合図した。彼一人だと思ったが、彼の真後ろに他の二人がいるのを見て間違いだったと知った。三人とも部屋に入りドアを閉めた。

 

・彼らをこんなに間近に見たのはこれが初めてだった。彼らの衣服は聖職者の着る服に使われる布のような黒い素材で作られ、よくアイロンがかかって、新品同様だった。

 ネクタイ、シャツ、ストッキング、靴などの装身具もみな黒かった。そしてこれも黒のホンベルグスタイルの帽子を被っていた。

 

・「我々は、あなたをもっとも重要な面接を行うために迎えにきた。今回はかなり遠くまで行くので、我々全員であなたについていかなければならない。あなた方の惑星にある我々の活動基地を案内したいので、あなたにわたしてある小さな金属盤を持ってくるように

 

突然、体全体がノボカイン(局部麻酔剤)を大量に服用したかのようにしびれていった。以上が、目を開けて、ある種の大きな洞窟にいることに気づくまでの最後の記憶だった。

 

南極の基地内部に私はいる!

・洞窟の大きさに驚いた。なぜなら、このような洞窟を見たことも聞いたこともなかったからだ。まだ地球にいるのかどうかも定かではなかった。

 私は過去数カ月間にまるで信じられないような出来事を体験していたので、たとえそこが月だったとしても驚かなかっただろう。

 3人の付添人はまだ私の側にいた。ステンレス鋼のような明るく輝く金属で作られた台の上に、我々が立っていることに気がついた。我々の前方のさほど遠くない所にある物体から、明るい光線が我々を照らしていた。

 なぜ数多くの光が上からも射してくるのかと思い、視線を上げてみて理由が分かった。天井全体が氷でできていて、天井を通して外光が輝き、洞窟内を照らしていたのだ。人が熱い鉄で雪の中に空洞を作るように、超人類がこの巨大な洞窟を掘ったかのようだった、きっと、とてつもない熱が、この隠れ家を作るのに使われたに違いなかった。

 私はまだ地球にいるという驚くべき感じを受けたが、そこは人間が何年も足を踏み入れたことのない遠隔の地のようであった。

 付添人は私が周囲に大きな興味を持っていることを知り、真正面に続く金属の道を指し、そこを歩くように指示した。私は歩き続けた。

 

・光線が跡をついてきた。道はしばらくまっすぐに続いていた。それから右へ鋭角に曲がった。

 そこには、洞窟の大部分を占領する我々のロケットに似た大きな葉巻形の物体がぼんやりと現れた。それは我々の海洋船舶と同じくらいかそれより大きく、全体を見通せる地点に立っても向こう端は見えなかった。物体はやはりステンレス鋼に似た輝く金属で作られ、横に機窓のようなものがあることに気がついた。

 その通路は巨大な物体の側面のパネルに直接続いていた。パネルに近づくと我々についてきた光線がパネルの小さな半球に集った。すぐにそれは後ろにスライドし、長く耳を突き刺すような音をたてた。

 

彼らは私に中に入るように指示した。私は、化学工場の実験室に似た部屋に入っていった。

 実験室には、すべて同種の光る金属からできているように見える複雑な機械が設置されていた。長い菅とコイルの至る所で、球状のガラス容器が水のような透き通って流れる液体を受けていた。

 液体は明らかに何らかの方法で加熱され、泡を立てて蒸発していた。とてつもない規模で何らかの蒸留作業をしているという印象を受けた。

 実験室の一方には、計器、照明、メーターの巨大装置があり、パネルの前に座ったオペレーターがレバーを動かし、ボタンを押していた。

 3人の付添人が近づき立ち止まると、パネルのオペレーターが彼らに話しかけたが、あいかわらず唇は動かなかった。

 私は、それまで話しかけられたことはすべて理解できたのに、このときの彼らの話はまったく分からなかった。オペレーターはガラスドームの部屋の画面で見た通りの、彼らにとっては自然な、私にとっては怪物のような外見のままだった。

 彼は付添人ほど背は高くなかったが、この上なく醜かった。外形はどっしりとしていてほぼ長方形だった。目は例の輝きを湛えていて、彼が私を見るとその目はまさに私の魂を焼き尽くすようだった。

 

都市はすべて地下に造られている

・彼が私に話しかけているのを感じた。

ようこそ、我々の地球オペレーション基地へ。あなたはここへ来るまでに、ほんの数秒間に何キロも旅をしましたが、その旅は、地球の伝統的な輸送手段では何日もかかったことでしょう。今あなたは南極にいるのです。我々がこの地を基地に選んだのは、ここには地球人が住んでいないし、仕事を邪魔する人間もいないからです。氷で覆われた地表にトンネルを掘り、小型宇宙船が発着する小さな唯一の開口部だけを残してすべを埋め、この基地を建設しました。ここの厳しい寒さも、我々には苦になりません。なぜなら、我々はあなた方の温度の許容範囲にまったく影響を受けないからです。我々の体はそのような範囲にたやすく順応します。我々の故郷の星の表面は不毛で、その寒さはこの南極よりもはるかに厳しいのです

我々の都市はすべて地下に造られています。地表にクレーターのような開口部があり、そこを通って、発着のための宇宙ステーションを上昇させることができます。ステーションは使わないときにはクレーターの中に降りています。その着陸場所が開口部の蓋となり、そこには通信塔だけが見えます」

私は、我々が地球の表面から取っている海水で何をしているのかを、あなたに見せるように言われています。まず、この水がどのようにしてここまで運ばれるのかを説明しましょう。そのために、我々は隣の部屋へ移らなければなりません。あなたの付添人が案内をします。その後、再びあなたをこの部屋に連れて戻り、ここで水の分解について説明しましょう」

 

・彼は我々を解放した。

 付添人は私を別の壁パネルへ連れていき、例の「懐中電灯」を使ってパネルを開けた。はるかに規模は小さいが、ニューヨークの地下鉄のような長く狭いトンネルの中を進んだ。

 我々は一本のレールで支えられた椅子がある小さな動くユニットに近づいた。それは、宇宙船と思われる広大な壁の中での輸送用に使われていた。

 3人の付添人の合図で椅子の一つによじ登った。彼らもまた座った。

 

円盤は積荷を吐き出した後、鉄道の操車場に似た待避線へ向かい軌道に沿って動いた。トンネル内には数多くの軌道が横切っていた。

 待避線の一本一本に数多くの円盤を見たときは、思わず目を擦った。

 円盤乗組員が出入りに使うプラットホームのある待避線に、すべての円盤が待機していたのだ。

 ここは、地球の言葉で言うなら、「巨大な円盤のガレージ」と呼ばれるに違いない:

 周辺の至る所に硫黄の臭いが漂っていた。どうやらこの臭いは、円盤が使用する燃料に何か関係があるのだろうと思った。

 

南極基地における「高貴な人(エイリアン)」との質疑応答①

なぜ私は選ばれたのか

・我々4人は部屋の中央に歩いていって台座に上り、計器盤の前の椅子に半円状に座った。すぐに部屋は暗くなり、我々に面したスライドパネルから、青い霞の中でかすかに光る人物が入ってきた。

 彼は金色の制服を着ていて、銀白色の髪が明るい日焼けしたような茶色の肌によく映えていた。彼が近寄ってきたとき、私の注意はそのハンサムな顔に集中した。

 ほぼ地球人のようで、これまで会った異星人の醜悪さとは対照的だった。彼は筋骨たくましく、3メートルほどの背丈だった。

 彼こそ、私が前に聞かされていた両性具有の「高貴な人」で、この基地やこの惑星活動全体の責任者だと直感した。

 

地球飛来の目的は海水を得ることにあった!

・彼は唇を動かさずに話しかけてきた。

「あなたが我々の地球活動基地へ来てくれたことを心から歓迎する。深い敬意を持って、あなたに来賓となることを許した。なぜならあなたは、宇宙からの来訪者と友好関係を確立するために、これまで多くの時間を費やしてきたからだ。我々は、あなたが我々とコンタクトを試みようとして徒労に終わった実験の日のはるか以前から、あなたの活動のことは知っていた。個人的にコンタクトする前に、我々はあなたを監視していた。しかしそれは、単にあなたの誠実さを試していたにすぎない」

 

・最初の質問を躊躇なく発した。「あなた方はどのくらいの期間、地球にいるのですか」彼はためらうことなく答えた。「あなた方の時間の尺度で1945年以来だ」私は続けた。

「地球に来た主な目的は何ですか」「地球の広大な海から水を得るためだ」

 

・「あなたは、とても重要な質問を選んだ。あなたは非常に明晰な人間だ。宇宙、あるいは大きな真空は、我々が探索する限り無窮である。前にも説明した通り、まず大きな中心体があり、そこから我々が宇宙と呼ぶ巨大な真空へ排出されることによって、すべての惑星とその太陽が作られる。その中心体は、つねに新しい天体を放出しているにもかかわらず、大きくなり続け、決して縮小することはない。それは非常に高温の塊なので、たとえ何十億光年離れた所へも近づくことはできない。放出されたすべての天体は熱く燃える火の玉である。それが宇宙の寒い場所に来ると爆発し小さな天体を作る。その小さな天体が火の玉の周囲を取り囲む。この小さな天体は冷えると惑星となる。しかし冷却期間には長い時間を必要とする。

 

 

火星には建築の傑作である荒廃した都市がある

・「赤い惑星、火星と地球人が呼ぶ惑星に、ある期間人類が存在していたことは以前に話した。彼らは我々に似た通りすがりの惑星から来た人類によって滅ぼされた。彼らはその訪問者に搾取され略奪された。地球にもっとも近いもう一つの惑星は金星と呼ばれているが、これは密雲層に覆われている。金星は現在、地球が何年も以前に経験したと同様の有史以前の段階を経験しているのだ。そこでは、生命体がまさに進化しつつあるが、それが地球の生命体と似ているかどうか、我々には分からない。しかし、あなた方の進化の初期における生命体によく似た特質を持っていることだけは確かだ」

火星に生命体が存在していたという証拠はありますか

建築上の傑作である荒廃した都市がある。また、主に移動に使われた広大な水路組織の遺構もある。火星の人々は破壊にあったとき、まだ飛行移動技術を持っていなかったし、あなた方の現在の進歩の段階に匹敵する技術も発達させていなかったのだ」

 

・「月に到達することはできるだろうが、月は地球人にとっては大きな失望を与えることになるだろう」

 

「神」は地球人の創作にすぎない

・「我々は何も崇拝しないが、偉大な中心体が我々のすべてを創造したことを知っている。中心体は生命を作るために、我々を宇宙に放出したことを知っている」

 

南極基地における「高貴な人(エイリアン)」との質疑応答②

イエス・キリストとは何者か>

・「しかし地球人の宗教については、多くのことを語らず放置しておくのが最善の方法である。なぜなら、それは地球上に大暴動を引き起こす原因となる話題だからだ」

 

・「我々の惑星では、いったん体が滅びたときに生命もなくなる。しかし幸運なことに、我々は地球人の5倍の寿命を持っている。我々の惑星に病気はない

 

・「これを知ったらあなたは驚くだろうが、地球の表面下はるか深くにある洞窟都市に、地球人とは異なる生き物が暮らしていて、彼らは地表に現れるときに、自分の姿を地球人には見えないようにする方法を知っている。彼らはいつも地表をぶらつき、盗み取ったものを隠すために、地球人を恐怖の淵に沈めることを好むのだ

 

スクリーンに映ったエイリアンの生活

・ここで明りが弱くなって台座が回り、壁の周囲にあるスクリーンが不思議な訪問者たちの惑星の生活シーンを映し出した。高貴な人は、各シーンや彼らの言うところの「フレーム」を説明しながら、計器盤のボタンを押してレバーを引いた。

「最初のフレームは、我々の惑星の地表にある地域の景色である。よく見ると高い着陸場所が、堂々とした塔とエレベーター・シャフトで昇ってくるのが分かるだろう。我々の多くの都市は地下の通路でつながっていないので、主な移動は小さな乗り物で地表を行く

 

すぐに二番目のフレームが現れた。地下都市だった。そこは壮大で、何か未知の光源によって日中のように明るかった。建物は半透明の管状の道路につながっていた。その道路は、接続する建物だけで支えられていた。小さな乗り物が管の中央部分で双方に動いていた。人々はその両端を歩いていた。

 次のフレームは地下納骨堂か墓に似た建物だった。内部に、引き出しのような仕切り箱がある壁があった。開いた仕切り箱からは駝鳥の卵に似たものが現れた。これは、惑星の将来を担う世代であると説明された。暗闇が近づき多くの死を引き起こしたときには、制御システムによっていつでも孵化されるという。

 私の前にいる高貴な人も事故死した人の代わりに孵化されたのだということだった。

 もう一つのフレームは大きな地下射撃場だった。

 何人かが、見たこともない変わった銃の使用訓練をしていた。銃は銀色の管状の道具で、把手にいくつかのボタンが付いていた。ボタンを押すと大きな火の玉が飛び出し、離れた場所に置かれた大きな金属のシートを燃え上がらせて突き抜けた。

 これが、彼らの武器の一つであると教えられたが、発砲のときが一番印象的だった。火の玉は厚い金属を貫くと空中で輪を描いてゆっくりと戻り、もと出てきた「銃」の中へ再装填されるのだ。そして再び発射された。

 

・「我々は、地球の茸に似た菌類のような成長物を原料として、さまざまな種類の食物を育てている。また、多くの種類の貝殻を持った水生生物を消費する。水辺に育つ大きな植物には美味なフルーツがなるが、それからも多くの食品を作る

「あなた方の惑星に水があるなら、なぜ我々の海から水を取る必要があるのですか」

「我々の惑星の水には、まったく不純物が含まれていない。地球の海水のような多くのものが豊富に含まれている水がないのだ」

 

彼らのマインド・コントロールは完璧だ!

・「我々は頭蓋骨を貫いて、あなたの意識を完全にコントロールすることができるのだ

 

・この金属盤は、私を低温から守るものだったのかもしれないが、一度もこれについて質問をしようと思わなかった。

 洞窟の床に続く金属製の階段を降りていたとき、付添人が突然私を止め、周囲を取り囲んだ。彼らは金属盤を私の頭に押し付け、私は再び気を失った。

 正気に戻ると、私は一人で書斎の中央に立っていた。まだ頭痛がして目が熱く腫れているように感じた。ベッドに腰を掛け、目を擦って頭を抱えた。

 今度も、自分が気が狂ったのではないかと思った。何か発作を起こしたのだろうか。あれこれと現実的な体験の夢を見たのか。私は、医者に診てもらうのがもっとも理にかなっているし、賢明な方法だと考え始めた。

 

異星人のデモンストレーション

・彼らの存在を他の人々に信じさせるための異星人によるデモンストレーションの約束だった。約束はすぐに現実となった。

 

空飛ぶ円盤の謎はもはや謎ではない

・いっぽう、IFSBの会議で残りのメンバーは、私がもはや円盤の謎に興味を持っていないのだからグループは急いで解散し、私がUFOには関係のない科学路線の雑誌を発行し続けることができると決議した。

 

・空飛ぶ円盤の謎はもはや謎ではない。その正体はすでに知られている。しかし、これについての情報発表はより高度な筋からの命令で禁じられている。我々は「スぺ―ス・レビュー」にすべての話を掲載したいと思うが、情報の性質上、否定的な忠告を受けたことが残念でならない。我々は円盤研究の仕事に携わる人々に十分に注意するよう忠告する。

 

「それには答えられない」とだけ言いなさい

・付添人の出現は、103日土曜日の夜10時ごろだった。

 10月号に関して寄せられた郵便物を調べていると、突然、馴染みの硫黄の臭いが鼻を突いた。椅子に座ってぐるりと回ると、3人の「友人」が真正面に立っていた。彼らの周りには青みがかった霞が立ちこめていた。

 彼らの目が私に焦点を合わせた。目の上にひどい痛みを感じ、こめかみがズキズキした。これで彼らは、私にメッセージを送る準備をした。私は彼らの訪問になれていたので、いささかも恐怖を感じなかった。

「あなたは明日、あなたの組織の2人のメンバーの訪問を受けるだろう。彼らは、あなたを詰問し秘密を知ろうとするだろう。我々はあなたに、できる限り結論の方向を逸らす以外、彼らの質問に答えないように警告しに来たのだ。どんな状況になっても、あなたの持っている金属盤を見せてはならない。もし見せた場合には、あなたとあなたの2人の友人は大きな不幸に見舞われることになるだろう。2人は、あなたととても親しいようだが、あなたが以前に言ったことが真実ではなかったことを証明するため、可能な限り力を尽くすだろう」

 

緑色の怪物――人間の擬装を解いた異星人

・しかし私は、振り返らねばならいことを知っていた。ゆっくり頭と体を回し、背後に立っているものを見たとき、私がこれまでの人生で一度も体験したことのない最悪の恐怖を覚えた。その生き物は約3メートルの背丈で、光る赤い顔以外はすべて緑っぱい色をしていた。その目は、私が見た別世界の生き物のように光っていた。私は気絶した。

 正気に戻ってみると、屑籠の中味をぶちまけた中に倒れていた。あの生き物はすでに姿を消していたが、硫黄の臭いが残っていた。敷いてあった絨毯の、生き物が立っていた部分が熱いアイロンを当てられたように焼け焦げているのに気がつき、震え上がった。これまでの比較的友好的な訪問の後で、なぜこのような恐怖の訪問を受けたのか、途方に暮れた。その生き物は、ロバーツとルッケシが私に質問している間、ずっと部屋にいたのだろう。そして、うずくまるようにして椅子に座り、私が口を滑らせるのを待っていたに違いなかった。

 

3人のブラックメンの訪問と美女エイリアン

・そして、台座のスライド・パネルが開き、私は我が目を疑った。3人の美女がぴったりと体型にフィットした白いユニフォーム姿で現れて、私に近づいてきた。彼女たちの周りに漂う謎めいた雰囲気は、彼女たちを囲む青みがかった霞によって助長されているように思われた。私は直ちに彼女たちの細部まで気がついた。

 髪は銀色で一種の束髪に結い上げていて、その周りに大きな銀色の光輪があった。その光輪は、私の見た部屋や他のものの素材とは違う金属でできていた。

 

監視用ショック治療を施される

あなたは我々の秘密を守る義務がある

・「いっぽう、あなたは我々の秘密を守る義務がある。我々は極端な行動はとりたくない。我々がまだ地球上にいる間に、あなたはこの情報の一部を明かしたいとたびたび考えるに違いない。しかしそのような考えを持った瞬間、あなたはほとんど耐え難い頭痛によって、我々の忠告を思い出すだろう。そして、我々がもたらすもっとも深刻な事態にくれぐれも用心したほうがよい

 

『彼らは空飛ぶ円盤について知り過ぎた』出版により有名人になる

19564月、グレイ・バーカーの『彼らは空飛ぶ円盤について知り過ぎた』という著書が刊行され、私は一種の有名人になった。

 バーカーはIFSB(UFO研究団体)閉鎖と、私がそれについて話すことができないことに関して多くのページを割いた。その本は、私の友人や知り合いの間でかなりのセンセーションを巻き起こし、再び、私は多くの質問を受けることになった。本が増刷されると、秘密を知りたがっている好奇心旺盛な人々から家への個人的な訪問とともに、多くの電話を受けた。

 

円盤はヒットラーの手によるものか

・やや長い引用になったのは、私が受け取った奇妙な、時として脅しの種類の手紙を例証したかったからだ。

 ところで、ジェームス・W・モスレーは、『円盤ニュース』という定期刊行物を出版している実在の人物である。彼がこの手紙の主から同じような脅しを受けたかどうかは知らないが、たぶん彼も脅されたことだろう。

 モスレーは、私を訪ねてブリッジポートにやって来た円盤研究者の一人で、また質問の際に、高い知性を発揮した数少ない訪問者の一人だった。

 

コンタクトの道具・金属盤が消えた!

・臭いに気づくとすぐに金庫を取り出して鍵を開け蓋をはね上げた。私は中を見てびっくりした。“金属盤がなくなっていた”のだ。

しかも、いっしょに金庫の中に入れてあったすべての物が、突然分解したかのように塵になっていた。

 

次の訪問者が友好的だとは限らない

私自身の訪問者は、彼らが太陽系の外から地球に現れる唯一の知的生命体ではないと私に教えたのだから。

 

・もし再び我々が訪問を受けるとして、訪れる知的生物は、私の場合の訪問者のような非軍事的な使命を持っていないかもしれない。

 

そして彼らは、我々の技術よりも、我々が彼らの食糧として適しているかどうかに興味を持っているかもしれないのだ。

 もし、彼らが私の訪問者の次元にまで進歩しているならば、彼らも地球人の形や性格をまねることができる。そして力ずくで我々を搾取する時期が熟すまで、我々に知られることなく、地球人の中に混じっていることができる。

 いっぽう我々は、我々よりはるかに進んだ惑星によって救われるかもしれない。好運にも、私の訪問者は敵対的ではなかった。ただし、彼らは人類の科学の夢や文化の夢を、今の時点で現実化するために我々を後押しすることには、興味を持っていなかった。

 

  

<●●インターネット情報から●●>

アメリカ人UFO研究家アルバート・K・ベンダーは、1952年UFOの謎を研究する団体、IFSBを創設し、海外にもその輪を広げている。

1953年3月、IFSBの会員がテレパシーで宇宙からの訪問者に相互理解のメッセージを送っていて、ベンダーが自宅で3度目のテレパシーを送った直後、頭痛がひどくなり何か硫黄のような匂いがして

半ば意識を失ったが、小さな青い光が脳の中にあり、目をあけるとベッドより空中1m位で浮いていて、声が聞こえてきた。「私達はあなた方の活動を見守っているが、宇宙の謎を追究するのはやめなさい。」という声だった。

 

その後7月になって、ベンダーが2週間の休暇から自宅にもどって自分の部屋に着いたとき、あの強烈な硫黄の匂いがして頭がズキズキ痛みだした。そして就寝する時に3つの人影が現れた。彼等は黒い服を着て帽子を被っていた。彼等が言うには、地球人とは容姿がかけ離れた異星人であることや、UFOの謎の研究をやめろと強要もしてきた。そしてベンダーに小さなコインの金属盤を置いていった。それは彼等との唯一のコンタクトの道具だった。

 

その後だいぶ経って、金属盤でコンタクトをとり、ベンダーはまたもや痛みを感じ、身体が浮遊するのを感じつつ移動している錯覚で突然動きが止まり、ガラスドームの巨大な部屋に招かれた。そこにはエイリアンがいた。そして彼等の惑星の光景を見せられた。彼等の惑星は地球から何億光年の彼方にあり、文明もはるかに進んでいると説明をうけ、彼等の真の姿を画像で見せられる。それはゾットする怪物だったのである。エスバージニア州のフラットウッズでおきた事件の怪物にそっくりだったのである。

ベンダーは恐怖を感じたという。

また、彼等は男、女、両性具有の支配者となる高貴ある人物、の3つの性を持つ。女性は卵を産み、彼等の多くの生命が途絶えた時にフ化するという。地球人と進化の過程が根本的に違うのである。

53年8月にあの3人の黒い服の男がやってきて、ベンダーの肩に手をおくとシビれて気を失うことになり、気付くと大きな洞窟で南極の彼等の地下基地だった。

ベンダーはここで地球人に似た筋骨たくましいハンサムな、3mの両生具有の高貴あるエイリアンと会い会話をしている。彼等の地球飛来の最大の目的は、地球の海水から(彼等の存在に不可欠な)貴重な成分

を取ることであること。

地球人をアブダクションし、彼等の惑星に連れていき、標本にもしていることや、死人もでていることを告げられる。そして、この事をバラすと生命の保障がないとのことも告げられる。

その後、また3人の訪問と3人の美女エイリアンの訪問を受けることになるが、ここでも口止めされる。

 

9年後の1962年に、本「宇宙人第0の遭遇』・・邦題(徳間書店)を発売後、ベンダーは消息不明になっている。バラしたので殺されたのか、彼等の惑星へ連れて行かれたかは謎である。

コンタクトのなかでも恐怖がつきまとった事件で、UFO研究家の間ではベンダー・ミステリーと呼ばれている。

 

ウィキペディアWikipedia(フリー百科事典)より引用

メン・イン・ブラック

メン・イン・ブラックMen in BlackMIB、黒衣の男、ブラックメン)は、UFOや宇宙人などの目撃者・研究者の前に現れ、警告や脅迫を与えたりさまざまな圧力や妨害を行う謎の組織とされ、実在するしないに関わらず、その存在自体が一種の都市伝説や陰謀論となっている。

 

(初出)

メン・イン・ブラックが現れるという報告や噂の多くは、1950年代および1960年代に登場しており、その中でも最初のものはUFO・超常現象研究家のグレイ・バーカー(Gray Barker)が1956年に出版した『彼らは空飛ぶ円盤を知りすぎた』(They Knew Too Much About Flying Saucers)だとされる。バーカーは故郷で起きたフラットウッズ・モンスターの事件をきっかけにオカルト業界に入り、UFOや超常現象に関する記事を寄稿していた。

 

UFO雑誌を出版し、1952年には全国規模のUFO調査団体「IFSB」(International Flying Saucers Bureau、国際空飛ぶ円盤事務所)を立ち上げ率いていたアルバートK・ベンダー(en:Albert K. Bender)が1953年に突然「私は空飛ぶ円盤の背後にある秘密を知ったが、そのために黒い背広と帽子の3人の男たちから『これ以上円盤のことを書くな』と脅された」と主張し、IFSBを解散した。バーカーの本は、このベンダーの遭遇した事件を描いたものである。ベンダーの証言は、当初は言外にアメリカ政府の介入があったことをほのめかしたものであったが、後に語った証言ではUFO目撃談のうちの超常現象的な部分が混ぜ合わされたような話へと変化している。

 

「黒服の男たちに脅された」という主張を始めるよりも以前に、ベンダーは1947年にワシントン州で起きた「モーリー島事件」(Maury Island incident)の取材を行い報告を雑誌に載せているが、この事件にもすでに「黒服の男」が登場している(当時、ベンダーはこの件について懐疑的だった)。モーリー島事件は、漁師のハロルド・ダールが息子とともにピュージェット湾に船を出していた際に複数の空飛ぶ円盤を目撃し、うち1機がトラブルを起こして部品を落とし、その破片がダールの船に当たって船の損傷と船に乗っていた飼い犬の死をもたらしたという事件だった。

 

翌朝、黒い背広を着て黒い1947年型ビュイックに乗った男がダールの家を訪問してダールを近所のダイナーに食事に誘い、その席で事件について沈黙を守るよう警告したという。ここでは、後のメン・イン・ブラックの噂に出てくる典型である「浅黒い肌の、もしくはどこか外国人風の顔色の3人の男が、黒いサングラスに黒い背広を着て、黒いセダンに乗ってやってくる」がまだ完成していないが、その原型はすでに現れている。