UFOアガルタのシャンバラ 日本は津波による大きな被害をうけるだろう

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つまり、日本では若い世代ほど保守的なんだな。新しく投票権を得たのだから若者は革新に流れると思っていたがね。昔は若い世代は革新、柔らかく言うとリベラルだった。(1)

 

『外国人記者が見た平成日本』

この奇妙な国の正体とゆくえ

ヤン・デンマン  KKベストセラーズ  2018/9/15

 

 

 

 

同性婚

・2014年の年末、34歳の女性タレントと28歳の女優が結婚すると報じられた。日本の法律では同性婚は認められていないため、財産分与などの合意事項について公正証書を作成するという。ちょうど同じ頃、イギリスの歌手エルトン・ジョンが男性映画監督と正式に結婚した。

 

・しかし、2014年に3月にはイギリスで同性婚が合法化。この先も、社会的な影響力が大きい人物が同性愛を告白するケースは増えてくるだろう。

 同性愛は人間に対する冒瀆と考えたヒトラーは、ユダヤ人だけでなく同性愛者を徹底的に排斥した。その反動なのかは知らないが、ドイツは同性愛に非常に寛容になっている。同性愛に限った話ではないが、戦後ドイツは、ナチス時代の逆の方向に社会が進んだのである。

 2001年にはライフパートナー法が成立し、同性であっても結婚とほぼ同じ権利を得ることができるようになった。

 

ちなみにドイツの同性愛者は人口の5%というデータがある。20人に1人が同性愛者なのだ。

 

アテネでの経験

・社会の指導者が同性愛であることを公然と認める時代が訪れようとしているが、それが社会的な進歩と言えるのかどうかはわからない。

 もちろん、彼女ら、彼らの「決断」を批判する資格は誰にもあるまい。その存在を頭ごなしに否定するつもりはない。しかし、世の中の受け止め方が、歓迎一色でないことも事実だ。

 そもそも同性愛は“秘め事”である。だから、「権利を認めろ!」と大声で主張するのには違和感がある。

 

・私がアメリカ特派員だった頃、同性愛者のデモを取材したことがある。当初は、なよなよした男性同士が腕を組み、ニコニコしながら「差別反対!」などと声を上げているようなものを想像していたが、実際には非常に攻撃的だった。

 

アメリカは“マッチョ文化”である。日本や西欧では美少年が好まれるのに対し、アメリカでは純粋に筋骨隆々の肉体が賛美される。デモには殺気立った空気が流れており、取材しようにも取り付く島がなかった。

 要するには、彼らはアメリカ合衆国建国の理念、平等のイデオロギーに基づき闘っていたのだ。アメリカはピューリタンがつくった国なので、当初は欧州以上に同性愛に対しては厳しかった。しかし、その反動も強く、節度無き自由主義に牽引される形で、同性愛は広がったのだ。

 

結局こうした話は、宗教の問題に行き着くのだろう。イスラム諸国では同性愛者が死刑になったりする。カトリックは同性愛を否定している。

 

脈々と続く男色文化

・一方、日本人の同性愛者に対する姿勢は曖昧だ。日本は多神教なので、同性愛をなんとなく受け入れている。宗教上の制約が緩いのだ。

 テレビ番組ではオカマタレントが活躍しているし、風俗的、文化的に同性愛を認める傾向がある。

 日本では男色文化は珍しいものではなかった。奈良・平安時代には寺院における僧と稚児の男色がすでに存在していた。

 仏教では、女性は煩悩の最もたるもので、酒と同じく戒律で厳しく規制されていた。しかし、性欲は禁止されればされるほど高まるもの。そこで、稚児などで性欲を解消していたようだ。

 司馬遼太郎の『義経』には、寺に預けられた義経が美少年だからと可愛がられるシーンが出てくるが、戦国時代においても、戦場に連れていけない女性の代替として男性が利用されてきた。織田信長森蘭丸森成利)の関係も有名だ。信長は側近や諸大名に対し「自慢できる物」として、第一に奥州から献上された白斑(しらふ)の鷹、第二に青の馬、第三は蘭丸と述べたそうな。江戸時代には武士同士の男色は衆道と呼ばれて盛んだった。若衆歌舞伎や男色を売る「陰間茶屋」も栄えた。

 欧州の歴史はもっと古い。古代ギリシャでは同性愛が重要視されていた。古代ローマでは、軍隊で上官に新兵が犯されるのは好ましいことだとされた。団結力が高まるからだ。

 

・しかし、時代が進むにつれ、同性愛はむしろ団結力が乱れる原因になった。恋愛には必ず嫉妬が絡んでくるからだ。

 現代の軍隊の多くで同性愛が禁止されている理由はそれだ。たしかに男の嫉妬ほど、食えないものはない。

 

二つのタイプの女形

・「ママ」は歌舞伎の大ファンだ。

「あれは男だけの世界でしょ。歌舞伎俳優養成所では女形が普通の歩き方をすれば横っ面を張られてしまう。女形になる歌舞伎役者は桜紙(ちり紙)を10枚ほど重ねて内股に挟んで歩き、女らしさを身につけるの。こうして本物の女性より『女らしく』なるわけね」

 ここはベルギー人の得意分野だ。

「歌舞伎の元祖は三条河原に銅像が立つ出雲阿国安土桃山時代の女性芸能者です。彼女は売春組織のリーダーでもあり、売春婦に客をつけるためにきれいな格好で踊るようになった。これが歌舞伎の発祥だとされています。しかし、風紀の乱れを警戒した幕府が女の歌舞伎を禁止するのです」

「ママ」が目を細める。

「それで若衆歌舞伎という前髪をつけた少年による歌舞伎が出てきたの。こちらには男色につながるのね。江戸時代には大奥の女中が歌舞伎役者を買っていた。『江島生島事件』は、大正時代に歌舞伎の演目にもなっているわ」

ベルギー人記者が水割りを飲み干した。

「江戸時代には女が男を買っていた。歌舞伎役者も芝居より売春の稼ぎのほうがよかった。二代目實川延若は1000人の女を抱いたそうです。ちなみに『女形買い』というのですが、女形は男にも女にも買われていた。歌舞伎役者は指名されるために、色っぽい演技を研究したんです」

「ママ」が水割りのお代わりをつくってくれた。

「歌舞伎の女形といっても二つのタイプがいるのよ。一つ目は七代目尾上梅幸のように舞台の上では女になりきり、休みの日にはハンチング帽をかぶりゴルフをするタイプ。つまりプライベートでは完全な男。二つ目は、六代目中村歌右衛門のように舞台でも楽屋でも自宅でも女というタイプ。彼はたくさんのクマのぬいぐるみに囲まれて暮らしていたの。三島由紀夫先生は歌右衛門を絶賛していた。でも絶世の女形は二代目中村扇雀、つまり当代の坂田藤十郎だと思うの。昔は女の子の容姿を褒めるときに『まるで扇雀みたい』と言ったものよ」

 江戸時代の女性については一度コラムを書いたことがある。大奥は30歳になれば、「おしとねすべり」や「おしとね御免」と呼ばれ、殿に抱いてもらうことはできなかった。江戸城の平川門は、こうした女がこっそり実家に帰るために使われていたそうだ。ちなみに、大奥には殿しか入れないはずだが、不思議なことに時折妊娠する女が出てくる。そのような女も平川門から里に帰されたという。

 

LGBTに優しすぎないか?

朝日新聞に「性別変更元に戻せない 思い込みで決断公開する人も」という記事が載っていた。神奈川県の40代元男性が「自分は性同一性障害だ」と考えて戸籍上の性別を変えたが、適合できず元に戻したくなったという。再変更は現在の法律では想定されておらず、元男性は家裁に再変更の申し立てを行ったがハードルは高いという。

 アルバイトの小暮君が資料を配りながら言う。

「今日の会合のテーマはLGBT(性的少数者)なので、ゲイの友人を連れてきたんです」

A君は15歳のときに自分はゲイだと気づいたという。

こういう人がいるからゲイはわがままだと思われるんです。マイノリティの意見を聞くことは大事ですが、気まぐれに合わせて法改正していたら社会は混乱します

アメリカ人記者が同意する。

「それに理由がふざけているわ。男性の頃は簡単に仕事が見つかったけど、女性になってからは断れ続け、性別を変えたためだと感じるようになったと。そんなこと想定できなかったのかしら」

 

過剰反応

・小暮君が2枚目の資料を配る。

「ここにもありますが、特例法で性別の変更が認められた人は2016年までに6906人に上ります。年々増え続け、ここ数年は毎年800人以上で推移している。一方、性別の再変更が認められたのは1件だけ。これは医師の誤診が関係しています」

 

・A君が笑う。

「僕は小暮君と同じゼミで、ゲイ文学の研究をしているんです。日本の小説でしたら、まずは森鴎外の『ヰタ・セクスアリス』です。寄宿舎の美少年が描かれていますね。夏目漱石の『こころ』には主人公と『先生』の微妙な感情が描かれています。谷崎潤一郎は『陰翳礼讃』で大名の衆道を例に、美少年に憧れる感情を肯定しました。川端康成の『少年』も同性愛的な関係を描いた作品です」

東大文学部の小暮君が言う。

「少年時代の同性への恋慕を赤裸々に書いた三島由紀夫の『仮面の告白』もそうだね」

A君が頷く。

三島は『禁色』で上流階級やアーティストは男色を好むというイメージを定着させました。三島は丸山明宏と付き合っていましたが、『禁色』には丸山をモデルにした美少年が登場します。江戸川乱歩の『黒蜥蜴』を三島が戯曲にしたときも、舞台の主演は丸山でした」

 アメリカ人記者もゲイの友人が多いようだ。

「欧米にもこの手の小説は山ほどあるわ。トーマス・マンの『ヴェニスに死す』は有名ね。シェイクスピアも同性愛者だった。オスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』、ジャン・ジュネの『泥棒日記』………。挙げたらきりがないわ」

 

社会秩序を破壊

・関連書籍によると、オカマとは尻・肛門を意味するという。「オカマを掘る」とはアナルセックスのことだ。「陰間」は江戸時代に茶屋などで身体を売った男娼の総称だが、陰間がなまってオカマになったという説があるらしい。

 このあたりはA君の専門分野だ。

「歌舞伎の『オヤマ』からきているという説、インドの性愛論書の『カーマ・スートラ』の『カーマ』からきているという説もあります。江戸時代の発明家・平賀源内は陰間茶屋に出入りしていました。源内は、男色をテーマにした『根南志具佐』や美少年の評判を本にまとめています。ただ、源内は『男色の交わりは水』であり、肉体面では女性には及ばないと言っていました。源内は男色に異常性、反社会性の刺激を求めたのです」

 フランス人記者が唸る。

「以前、オレが読んだ本には、江戸時代の同性愛は戦国時代の名残と書いてあったな。鎌倉後期の寺文化では女性との性向はタブーだった。それで、性欲発散のために若い僧を性の対象にした。戦国時代も、戦場に女性を連れていくことができないので、小姓とセックスした。こうした男色を正当化するために、女色はおごれるものであると強弁する者もいたそうだ」

 日本は宗教的タブーが少ないので同性愛には寛容だった。しかし、江戸時代後期には、天地の道理、陰陽の道理に反すると考えられるようになり疎まれることになった。

 アメリカ人記者が首をすくめる。

社会秩序は男と女が結婚し、子供を産み、また結婚するというサイクルで成り立っている。同性愛はそれを破壊するのだから、差別は人間の本能に近いのね。西欧でも同性愛が発覚して辞めることになった政治家はたくさんいるわ

 

老人と若者

・「シルバー民主主義」。最近、よく耳にする言葉である。「選挙などを通じて高齢者の政治的影響力が過剰に強まる現象」を指すそうだが、本当にシルバー世代の影響力は強まっているのか?

 

アメリカ人記者が長い金髪を搔きあげた。

「私が驚いたのは若者の支持政党よ。今回は自公連立政権を支持する若者が多かった。選挙前の報道でも、18~29歳の有権者のうち比例区自民党に投票すると答えた人の率は高かった。全年齢層と比較してみても、若者の自民党支持率は高いのよ」

 7月10日の朝日新聞出口調査でも同様の結果が出ている。18歳と19歳の有権者の半数が自民党公明党へ投票していたのだ。内訳は<自民党40%、公明党10%、民進党17%、共産党8%>。20代では<自民党43%、公明党9%、民進党16%、共産党7%>。

 一方、年齢が上がるにつれて自民党公明党への支持率は下がっている。60代では<自民党33%、公明党10%、民進党22%、共産党13%>となっている。

 

人生経験の差

・イギリス人記者が唸る。

つまり、日本では若い世代ほど保守的なんだな。新しく投票権を得たのだから若者は革新に流れると思っていたがね。昔は若い世代は革新、柔らかく言うとリベラルだった。今回の結果は私にとって予想外だ。このような現象は先進諸国ではなかなか確認できない。どこの国であっても、若い世代は経験値ではなく、頭で物ごとを考え、理想を求めて行動するからだ」

 フランス人記者が反論する。

「それは表層的な見方だ。安倍政権は急進的な改革路線だろう。保守の要素は実際には少ない。だから、経験値の浅い若者が支持してしまうんだ」

 ドイツにも、若い世代と老人世代の利害対立が存在する。ドイツは早くから18歳選挙権を認めていたが、若い世代は革新、少なくとも中道左派だ。今のメルケル首相は中道右派キリスト教民主同盟であり、その支持基盤は中年層、老人僧である。

 

世論調査の麻薬性

・2014年師走の総選挙が近づいてきた。新聞をめくると、連日のように世論調査の数字が踊っている。「政党支持率」「消費増税賛成・反対」「解散賛成・反対」……。

 私はかねてから世論調査の在り方に疑問を呈してきたが、アルバイトの大学生・小暮君が、まさにそのテーマについて質問してきた。

世論調査の結果に、国民も政治家も一喜一憂しているように見えます。判断に迷ったときに、世論調査の結果を見て、自分の意見が多数派だと確認し、安心してしまう。これは危険だと思います。選挙前に世論調査を行なうことの是非が議論されていますよね。日本人は世論調査の結果に流されてしまうからです」

 それはそうだが、世論調査が好きなのは日本人だけではない。欧米でも頻繁に行なわれている。

 アメリカではギャラップ、ドイツではアレンスバッハなどの調査機関が数字を出している。日本では主に全国紙が世論調査をしているが、これは新聞の形態に起因する。

 

質問に小細工

・一方、日本の新聞社は巨大で財力も豊富なので、頻繁に世論調査を行なうことができる。

小暮君が質問を続ける。

「もうひとつ気になることがあります。新聞社はRDD方式で調査対象を決めますよね。つまり、「ランダム・デジット・ダイヤリング」、機械がランダムに選んだ番号に電話をかけている。対象者のうち、回答するのは約6割だそうです。でも、今は固定電話がない家も多い。僕もそうですけど、携帯電話しか持っていない人間は、世論から外される。それに、昼間に電話をしても出るのは主婦や老人ばかりでしょう。汗水たらして働いているサラリーマンの意見が反映されているとは思えません

 もっと本質的な問題がある。新聞社により調査結果にばらつきが出ることだ。朝日新聞には朝日新聞社に都合がいい、産経新聞社には産経新聞社に都合がいい調査結果がでる。

 

大衆は群れたがる

・要するに、隣にいる人間の価値観に従い、世論に付和雷同するのが大衆なんだ。

小暮君が頷く。

「日本人だけでなく、どこの国でも大衆は群れたがるのですね。今度、オルテガを読んでみます」

 相場の世界の言葉で「大衆は常に間違える」というのがある。歴史的に見ても、大衆は常に判断を間違えてきた。安保闘争のときは、反対派が世論の主流だった。しかし今では、安保反対は間違っていたと考える人の方が多いだろう。結局、世論は政治に利用されるものなのだ。

 

イルカをめぐる雑音

・世界動物園水族館協会(WAZA)がイルカの追い込み漁を残酷だと問題視し、それを受けて、日本動物園水族館協会(JAZA)が、和歌山県太地町産のイルカの入手を禁止したという。先日S・P・I本社に送った記事をもとに、一人の外国人特派員の立場からこの問題を考えてみたい。

 食文化は、宗教と密接にかかわるものだ。ご存じのように、イスラム諸国では豚を食べることはない。彼らからすれば、日本のトンカツは論外である。日本でも仏教の影響で、明治までは四つ足のものは口にせず、タンパク質は豆腐や納豆を摂っていた。

 中国は儒教の影響が強く、タブーがないので、なんでも食べる。「四つ足で食べないものは机だけ」と言われるように、犬や猫も食べる。

 それではキリスト教諸国はどうか。

 日本の捕鯨に一部の欧米人は文句を言うが、これも完全に宗教問題である。聖書の「ヨブ記」には、神がヨブに様々な試練を与える様子が描かれている。そこにはクジラが登場するが、「神はクジラを遣わした」との記述がある。つまり、「神の遣いを獲ってはならない」というわけだ。

 もっとも、欧米人は長年にわたり捕鯨を続けていた。その言い訳はすでに用意されているメルヴィルの小説『白鯨』にはこうあある。

「我々はクジラを殺して、その油を搾る。その油はランプの灯となり、各家庭の中で、その光で神の言葉を読むのだ」と。

 

エコ・テロリスト

・反捕鯨、反イルカ漁の背後には、グリーンピースシーシェパードなどの環境保護を唱えるテロ集団が存在する。いわゆるエコ・テロリストだ。彼らがクジラやイルカに執拗にこだわるのは、ニューエイジ思想の影響である。

 

・日本の捕鯨を残酷だというアメリカ人は、まずは自国の歴史を知るべきだろう。

 彼らは、イルカは捕獲される際に鳴き声を上げると主張する。それを人間の鳴き声と同一視するのは科学的に言って間違いだ。動物の行動を擬人化してはならない。

 イルカやクジラは知能が高いから殺すなというのも優生学につながる危険思想だ。今回、日本はイルカ漁を標的にされたが、批判を軽々しく受け入れれば、次はクジラ、次はマグロ、鰻と続きかねない。卑劣な圧力に屈してはならない。

 

性差なき「they」

・「he」とも「she」とも呼ばれたくない性的少数者(LGBT)に配慮して、「they」を三人称単数として使用することをアメリカのAP通信が認めたという。このまま行くと、「性差」そのものがタブーとなりかねない。

 

性教育と人権

・東京都足立区の区立中学校の性教育の授業で「性交」「避妊」などの言葉が使われていた件に対し、都教育委員会は「不適切」と指摘。一方、教職員らは「人権教育としての性教育を問題視し、抑圧しようとしている」と反発した。

 

北欧の性教育事情

・日本人の体形も欧米人に近づいてきた。また、子供は大人がついていけないくらいの性に関する情報をインタ―ネットで簡単に集めることができるようになった。エロ本を隠し持つようなのどかな時代は終わったのである。早熟な彼らをコントロールしなければならないと焦っている大人は多いのだろう。

 女子栄養大学名誉教授の橋本紀子は『日本の性教育は世界の非常識!』の中で、日本の性教育はある時期からほとんど進歩していないと指摘する。1992年から小学校で本格的な性教育が始まったが、2002年から保守派による性教育バッシングが激しくなり教育現場が委縮してしまったそうだ。

 

・ドイツ人記者がノートパソコンを開いた。

「西欧でも性教育は難しい問題です。フィンランドノルウェースウェーデンといった北欧では、小学校の高学年から性教育は必修になっています。フィンランドでは性交を説明する際に模型を使って、合体の方法まで説明しますし、高校生になるとサディズムマゾヒズムなどの解説がある教科書で多様な性のあり方を学びます」

 

 

 

『職場のLGBT読本』

柳澤正和、村木直紀、後藤純一   実務教育出版 2015/7/22

 

 

 

LGBTを知っていますか?

・LGBTは、Lesbian(レズビアン)、 Gay(ゲイ)、Bisexual (バイセクシュアル)、transgender(トランスジェンダー)の頭文字をとった、性的マイノリティ(少数者)を表す総称です。

 

・欧米ではアーティストからスポーツ選手、企業経営者や政治家に至るまでさまざまな職業の方が、カミングアウト(LGBTであることを公にする行為)をする例が増えています。みなさんもオリンピックで水泳の金メダルをとったイアン・ソープ選手や、アップルCEOのティム・クック、そして2015年にグラミー賞を獲得したサム・スミスなどのカミングアウトのニュースをご覧になられたかもしれません。

 

日本でのLGBT事情は?

・調査によると人口の5%~7%強(電通総研2012年、2015年)はLGBTだといわれます。13人~20人に1人です。日本の苗字で多い「佐藤」「鈴木」「高橋」「田中」さんは、合計600万人いるといわれますが、LGBTの推定人口はその数に匹敵する規模というわけです。

 

本書が、おそらく日本で初めての、「ビジネス書・人事」の欄に置かれるLGBTの本になると思います。

 

LGBT人口はどれくらい?

性的少数者(性的マイノリティ)と言うぐらいですから、ストレートに比べたら少ないのでしょうが、実際にはどれくらいいるのでしょうか。人口の3%~10%というデータを目にしたことがあるのかもしれませんが、これほどの幅が生まれるのはなぜなのでしょう。それは、LGBT人口の統計というのは、さまざまな意味で正確な数値を出すことが困難になっているからです。

 

アメリカではその後、何度も同性愛人口についての調査が行われてきました。最近の2003年の調査があり、性的に活発なアメリカ国民男性の4.9%が18歳以降に同性との性的行為を持ったことがあると回答しました。

 

・イギリスでは、財務省などがシビル・ユニオン制定の影響を調べるため、2005年に行った調査によると、イギリスにいるレズビアン、ゲイの数は360万人で、国民の約6%が同性愛でした。

 

古代ギリシアからルネサンス

・自然界にももともとたくさんあるように、人間界にも古来から同性愛はありました。よく知られているのは古代ギリシアです。プラトンは『饗宴』のなかで少年愛を美と結びつけて賛美しています。ポリス(都市)では、年長者が庇護者として少年を愛することが称揚され、それは少年を立派な市民に育て上げるという教育的な意味ももっていました。

 

・しかし、キリスト教が誕生し、同性愛を退廃とみなす中世の暗黒時代へと入っていきます。聖書の「ソドムの市」の記述から同性愛は「ソドミー」と呼ばれ、火あぶりなどの刑が科せられることもありました。

 

・『ホモセクシャルの世界史』を著した海野弘氏は同書で「キリスト教ホモフォビアを作ったのではなく、キリスト教が生んだ抗争がホモフォビアを助長したのかもしれない」と述べています。

 

ルネサンス期はネオプラトニズムの影響で同性愛に寛容なムードが広まる一方で、取り締まりも行われました。レオナルド・ダ・ヴィンチミケランジェロといった芸術家たちの同性愛は広く知られるところです。

 イギリスでは、エリザベス朝時代のクリストファー・マーロウやシェイクスピア、17世紀のフィリップ1世(オルレアン公)、ジェームズ1世ウィリアム3世の同性愛が有名です。18世紀には産業革命を背景に、今日のゲイバーの原型である「モリー・ハウス」が誕生し、庶民も同性愛や異性装を謳歌するようになったことが知られています。

 

近代から現代

・近代になると、家父長制と資本主義、ナショナリズムが結びつき、一夫一婦制が定着し、ジャーナリズムの発展とともに国家と大衆が同性愛者を非難・弾圧するようになり、ホモフォビア(同性愛嫌悪)が蔓延します。

 

・19世紀末、オスカー・ワイルドが同性愛のかどで逮捕・投獄され、フランスではヴェルレーヌランボーとの恋の終幕に拳銃を発砲し、逮捕されました。20世紀初頭には、ドイツで皇帝ヴィルヘルム2世の閣僚や側近が同性愛者として糾弾される一大スキャンダル、「オイレンブルク事件」が起こりました。第1次世界大戦の遠因ともなる、国家を揺るがすような事件でした。イギリスでは、経済学者のケインズ、作家のヴァージニア・ウルフやE・M・フォスターらの同性愛者・両性愛者が中心となったブルームズベリー・グループが活動し、パリではディアギレフやニジンスキー(ともに同性愛者)のバレエ団バレエ・リュスがセンセーションを巻き起こしました。

 女性に目を向けると、「ロマンチックな友情」と呼ばれて称賛された女性同士の友愛が19世紀に頂点を迎え、経済的自立を果たした中産階級の女性たちは共に暮らしはじめます(アメリ東海岸では「ボストンマリッジ」と呼ばれます)。1920年代にはニューヨークなどにレズビアンコミュニティが誕生します。

 

・しかし、精神科医による同性愛者や異性装者というカテゴライズは、のちにそうした人々が異常だとか病気であると見なされることにもつながりました。そしてナチスは性科学研究所を破壊し、何万人もの同性愛者を収容所で虐殺……歴史上類を見ない悲劇が起こったのです。

 

・第2次世界大戦が終わり、男女平等や公民権運動が進んでもなお、依然として同性愛は違法であり、第2次世界大戦の英雄であったアラン・チューリングが同性愛のかどで逮捕され、ホルモン治療を強制され、自殺に追い込まれるという悲劇も起こりました

 

LGBTの日本史

・日本は欧米に比べ、LGBTに寛容な国だといわれてきましたが、おそらくその理由には、日本人が異性装、ことに女装が大好きだからということもあるでしょう三橋順子氏は著書『女装と日本人』(講談社刊、2008年)において、ヤマトタケルの女装を端緒に、古代日本の女装した巫人(シャーマン)、王朝時代の稚児、中世の持者、江戸時代の陰間………と現代まで連綿と続く女装の系譜を検証しながら、日本文化の基層に「性を重ねた双性的な特性が、一般の男性や女性とは異なる特異なパワーの源泉になるという考え方=双性原理」があると述べています。

 

「男色」大国だった日本

・そのことも深く関係しますが、かつて日本は世界に冠たる「男色」大国でした。有史以来、日本の歩みは男色とともにあり、日本の歴史は男色文化に左右されながら、時にはそれが原動力となって動いてきました。

 古代の豪族からはじまり、空海が唐から男色文化を持ち帰って以来、稚児を愛するライフスタイルが爆発的な広がりを見せ(稚児は「観世音菩薩の生まれかわり」として崇拝され、僧侶の間では男色は神聖な儀式でした)、僧侶から公家、貴族、そして武士にも伝播しました。室町時代には喝食(かつしき)と呼ばれる美少年がもてはやされ(足利義満世阿弥が有名)、戦国時代には武将が小姓を寵愛し(織田信長森蘭丸をはじめ、ほとんどの武将が小姓を抱えていました)、やがて「衆道」へと至ります。「衆道」は念者と若衆の愛と忠節によって成立する崇高な男の契りであり、ちょうど古代ギリシアのように、少年を庇護し、立派な武士に育て上げる(軍の団結を強化する)意味合いももっていました。

 

・日本の男色は、政治をも大きく動かし、独自の文化を花咲かせ、日本的美意識とあいまって「宗道」と呼ばれる武士の人生哲学となり、江戸時代には若衆歌舞伎という一大娯楽産業(そして色子、陰間という売色のシステム)も誕生しました。この時代、色道の極みは男色と女色の二道を知ることだと言われ、陰間茶屋が栄えました。陰間の中には女形を目指して女装した者もいました。稚児などもそうですが、美少年はしばしば女装もしており、男色は現代とは異なり、疑似異性愛的なものでした。日本の男色史は女装史と不可分なものだったのです。

 

明治以降~現代

明治維新以後も「衆道」の名残りが薩摩藩などを中心に見られ、大正時代まで続きました。しかし、明治政府は、江戸以前の男色の文化を封建的な江戸の奇習、西南日本の悪習(それに影響された学生の悪習)、「文明」に対する「野蛮」として周縁化しました。富国強兵・殖産興業の国策の下、どんどん同性愛者は生きづらくなり、戦時中は「非国民」と呼ばれ、弾圧されました。

 

・戦後、待ってましたとばかりに同性愛者や女装者が活動をはじめますが、三島由紀夫の「禁色」に描かれているように、まだアンダーグラウンドなものであり続け(歴史の教科書も男色を隠蔽し続け)、ほとんどの同性愛者は偽装結婚を余儀なくされました。それでも、女装したママのゲイバーやブルーボーイのショークラブ、二丁目のゲイバー街ができ、丸山明宏(美輪明宏)のようなタレントが登場し、ニューハーフやミスターレディがメディアを賑わせるようになり、というかたちで次第に世間に浸透していきました。(その後もカルーセル麻紀、おすぎとピーコ、ピーターらをはじめ、現在のマツコ・デラックスに至るまで、数多くのオネエタレントが活躍してきました)。

 

同性愛の世界地図

・西欧や北米、中南米オセアニアでは同性婚または同性パートナー法が認められている国もありますが、中東やアフリカ、東欧では、まだ同性愛者を弾圧する国がたくさんあります。近年、この二極化が進みつつある一方で、日本をはじめとする東アジア・東南アジアでは、ひどい差別もないが保護する制度もない、という状況が続いています。

 

・同性愛が違法となっている国(国外追放や終身刑、死刑などの極刑に処せられる可能性がある)

イラン、サウジアラビア、イエメン、スーダン、ナイジェリア、モーリタニアソマリア

 

日本アイ・ビー・エム株式会社

・1950年代には米国企業としてもいち早く、個人の尊重、機会の均等をコーポレートポリシーとして宣言し、すでに80年代にはLGBTにも注目し、差別禁止規定のなかに「性的指向」「性自認」という文言を入れています。ダイバーシティ施策の一環でLGBTへの特化ではなく、人種の違いや障がい、女性と同様に尊重するものでした。

 マイノリティの従業員の定着、意識向上を考え、ロールモデルをいかに輩出していくか、平等な福利厚生、継続性、LGBT市場の開拓やブランディング、賛同してくれる仲間の企業をつくる、といったことに取り組んでいます。客観的な調査機関のサーベイ(調査)にも積極的に応じて、差別のない職場環境の整備と維持を心がけています。

 

さまざまな企業の取り組みを知ろう

そこに風穴を開け、いち早くLGBTへの働きかけを行ったのが、今はなきリーマン・ブラザーズ証券でした。2004年に入社したヘイデン・マヤヤスさんが、社内でLBGLN(リーマン・ブラザーズ・ゲイ・アンド・レズビアン・ネットワーク)という当事者ネットワークを立ち上げ、LGBTの従業員同士で親交を深め、同性カップルの結婚を祝福したり、識者を招いて講演会を催したりしていました。そして「多様な人材を抱えることができれば顧客提案の幅も広がる」との考えから、2006年3月には早稲田大学など7大学のLGBTサークルに声をかけ、社内のLGBT支援システムをアピールし、優秀な人材の確保に乗り出しました(2008年以降、リーマン・ブラザーズ証券の取り組みは、野村證券へと受け継がれていきます)。

 

ゴールドマン・サックス証券株式会社

ゴールドマン・サックスは、多くのLGBTが活躍している世界有数の金融機関です。イギリスでは「LGBTが働きやすい会社トップ100」の6位に選ばれています。

 

・日本法人では2005年に社内LGBTネットワークが設立されました。

 

野村証券株式会社

・2008年9月にリーマン・ブラザーズ証券が破綻したあと、野村證券リーマン・ブラザーズの欧州とアジア拠点の部門を継承した際に、ダイバーシティインクルージョンのコンセプトとともにLGBTネットワークが野村證券に引き継がれることになりました。