日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

コンタクティやチャネラーの情報を集めています。森羅万象も!

同盟国であるアメリカが中国を敵国として認定し、リスクマネジメントを拡大している以上、これまでどおりの関係は続けられないといえるだろう。(1)

 

 

『「新型コロナ恐慌」後の世界』

渡邉哲也  徳間書店  2020/3/31

 

 

 

世界中の中国切り離しが加速

新型コロナウイルス感染拡大で、世界の中国切り離しが加速、新たな国際秩序が誕生する!

 

新型コロナウイルス感染拡大で中国の工場がとまったことにより、世界各国で部品調達が滞り、サプライチェーンの見直しが急がれているが、さらには中国人による買い占めに端を発し、医療用マスクや医療用手袋、防護服などが世界的に品薄状態になっている。これらの商品は中国で成立した国防生産法を適用し、主要医療用品の生産拡大が検討されている。

 

過去最大の暴落が繰り返された理由

・コンピュータの判断は、人の判断よりも速い。人は画面に表示された株価を見て売買を行う。それに対して、コンピュータは得た数字を即座に判断し、売買する。この時間差を利用した取引が高頻度取引と呼ばれるもので、瞬時に演算し、1円でも利益を確定することを繰り返して膨大な利益を確保するのである。しかし、こうした取引手法は一気に売り注文を発生させるため、株価を暴落させる要因にもなっている。

 

新型コロナで中国への資金の流れがとまる

すでに中国国有企業の外貨建て債務のデフォルトが複数発生しており、中国企業向け外貨建て融資にはリスクプレミアム(付加金利)がかかる状態である。

 さらに、新型コロナウイルスの感染拡大により、中国国有銀行の財務に大きな懸念が生じている。この状況での世界的な流動性資金の減少は、中国のバブル崩壊に大きな影響を与えるといえよう。

 

中国とともに巨大化したGAFAに迫る危機

・資金の流れが規制されることにより、GAFAと呼ばれる巨大なグローバル企業も、厳しい状況に追い込まれる可能性が高まっている。

 

・このように、米中貿易戦争による経済減速懸念から、リスク回避のために、LBO(レバレッジドバイアウト)という手法が敬遠されるようになった。

 

金融破綻寸前の「第2のサブプライムローン

・とくにCLO(ローン担保証券)の発行増加が問題視された。

 BIS(国際決済銀行)は、CLOはサブプライム問題を引き起こす原因となった、低所得者のローンを証券化して組み込んだCDO(債務担保証券)ほど込み入った構造ではないものの、間接的な所有という不透明さによって、リスクが覆い隠されている可能性があること、また、高利回りを求める投資家が殺到することで基準が緩和され、大きな破綻リスクにつながりかねないことなどを指摘している。

 現在のCLOの市場規模は推定約8000億ドルで、サブプライム問題が起こる直前の2007年のCDO市場は6400億ドルだった。

 

資金枯渇で中国のIT企業は壊滅する

・日本の金融引き締めと、中国の外国資産の換金と国内還流という、二つの大きな流れのなかで、世界の金融マーケットから資金が減りつつあるのだ。そして、今回の新型コロナウイルスが、これにとどめを刺す可能性が高い。

 アメリカは、トランプ政権がアメリカ国内に投資を呼び込む政策をとっているが、これは結果的にアメリカ以外の国から資金を引き揚げることになる。さらに、アメリカ国内への中国企業の投資抑制も、大きな資金移動の規制につながる。

 

アメリカと中国のハイテク分野の分離が行われることによって、ITを中心とした新興企業の多くが大きなダメージを受けることになっていくだろう。

 

アメリカはこの機に中国との「縁切り」を加速

・2020年1月31日、中国で新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、アメリカ政府は、中国からのアメリカ人の引き揚げを勧告した。その数約7万人にのぼる。そのほとんどがホワイトカラーであり、ITや先端技術、金融などの技術者である。

 これは新型コロナウイルスが中国で感染拡大していることを受けての措置だったが、この機会に産業を自国にもどすための布石でもあった。

 

・中国は「千人計画」として、世界の優秀な科学者に裏と表で資金を援助し、中国の大学や企業の研究所にスカウトしている。アメリカは、資金移動のデータなどからこれについての追跡を始めており、大学に対しても教育省が強い警告を出している。

 

アメリカでは、犯罪収益は没収が前提であり、さらに懲罰的賠償(収益の3倍まで)を科すことができる。また、国を裏切る行為や産業スパイは、終身刑などの厳罰に処せられるのだ。

 

中国と手を組むグローバル企業への批判

・GAFAも中国も、グローバリズムによって巨大化していった背景をもつ。

 GAFAはグローバリズムの波と同時に、市場を世界へと拡大していった。それとともに、タックスヘイブン租税回避地)などに本社を移転し、母国アメリカに税金を支払わない仕組みを構築していった。

 

・また、法案には、香港の自治や人権を侵害した人物に対し、アメリカへの入国禁止や資産凍結などの制裁を科すことも盛り込まれており、GAFAなど中国へ進出する巨大企業への監視も強化されていくことになるだろう。

 

世界じゅうでGAFA規制が強化

・近年、GAFAのようなグローバル企業に対し、国家の締めつけや国民の批判の声が高まったのは、タックスヘイブンによる不正が暴露されたからだ。

 

・GAFAへの規制強化はアメリカだけではない。EUは2018年5月に施行した「一般データ保護規則(GDPR)」によって、GAFAに規制をかけようとしている。EU域外へのデータ持ち出しを原則禁止することや、基本的人権の観点から個人データ保護の体制整備を企業に求めることなどが柱だ。

 

次つぎと頓挫するGAFAの新規事業

・加えて、米中貿易戦争の激化により、GAFAのさまざまな事業が次々と頓挫するようになっている。

 中国国内での利用が禁止されているグーグルは、中国向けの検索エンジン「ドラゴンフライ」の開発を進めてきたが、中国の人権弾圧に利用されるということで、アメリカ当局、従業員、株主からの強い反対にあってプロジェクトは頓挫した

 

・アップルも、中国での生産に強い圧力がかかっており、「iPhone」の製造を中国以外に移す動きを加速させている。

 

新型コロナは中国とGAFAの「終わり」の始まり

・2019年10月、アメリカの商務省は、中国の企業8社および新疆ウイグル自治区の公安機関や警察大学校などを、アメリカの国家安全保障政策または外交政策に反する者を列挙した「テンティティリスト」(EL)に掲載することを決定した。対象となるのは、監視カメラ大手のハイクビジョンやダーファテクノロジーなどのテクノロジー企業のほか、地方の公安機関だ。

 ELに掲載されると、アメリカ政府の特別な許可がないかぎりはアメリカ企業との取引が実質的に禁止される。そのため、ELは事実上の禁輸措置リストであり、ブラックリストとも呼ばれる。

 

<「武漢ウイルス」で中国はどこまで崩壊するか

瓦解へ向かう中国経済

・2020年の春節休暇は1月24~30日であるが、中国の国内外への感染拡大が続いていることから、1月27日から、海外を含むすべての団体ツアーおよび航空券とホテルのセット販売を禁止することが決まった。

 

・このように、中国国内での生産停止は長期化し、拡大しつづけた。新型コロナウイルスの潜伏期間は2週間で、毎日、感染者数が増えつづけたため、中国では検査キットが不足し、検査ができない状態に陥った。そうなると、感染者数が実態と乖離する可能性が高くなる。

 また、延期された春節休暇から帰ってくる人びとによる再感染のリスクを考えると、2月中はほとんど稼働できなかったと思われる。新型コロナウイルスの潜伏期間や感染しても症状が出ていない人のことも考えると、人が集まる工場の営業再開は非常に高リスクであった。

 これにより、中国全体での経済活動や、中国とのあいだの交易が低下することは避けられない。

 

崩壊する世界的なサプライチェーン

・日本企業を含む在中国の各国企業が操業停止期間を伸ばしたため、世界的なサプライチェーンにも影響が出始め、各企業は代替地での生産を開始しはじめた。

 とくに、輸出・輸入ともに中国への依存度が高い韓国では、部品を調達できない企業が続出し、韓国を代表する自動車メーカー、現代自動車は、2020年2月4日から国内7工場すべてが順次、操業停止を余儀なくされることになった。

 

・そのため、中国でつくられている製品の製造がとまり、さらに中国から調達している中間財もとまるため、中国以外の国でも最終製品の生産がどんどんとまっていく恐れがあり、世界じゅうのマーケットが中国と新型コロナウイルスの成り行きに注目している状態である。

 

・アップルの場合、米中貿易戦争において、中国への生産依存比率が高すぎることが大きな問題になっていた。今回の問題により、アップルの生産も今後、他国に流れる可能性が高いといえる。また、製品そのものはつくれても、ダンボールなど梱包資材がなければ流通しない。これは日本でも問題になった。

 もちろん、こうした事態は、日本企業にも大きな脅威がある。とくに、武漢市には内外の製造業が集まっており、日本の自動車メーカーの工場も複数ある

 

・もともと、2018年夏から始まった米中貿易戦争で、アメリカが中国からの製品に高関税を課し、あるいは中国メーカーを制裁対象としたことで、外国企業が中国に工場や拠点をもつことのリスクが高まっていた。

 そのため、世界的なサプライチェーンの組み換えが進められてきたわけだが、新型コロナウイルスの拡大により、これがさらに加速することは間違いなく、中国から撤退する企業も増加するだろう。

 

各産業へ広がる深刻な被害

・こうしたサプライチェーンのマヒは、物流のマヒにも拡大している。工場がとまれば、工場に入れる資材の搬入もとまる。

 結果、倉庫に荷物があふれ、荷物を入れられなくなる。こうして、上流の物流がとまり、身動きがとれなくなるのだ。

 

そして、モノがとまれば金もとまる。サービス業が顕著だが、中国各地で人びとが外に出られず、会食もできない状況になったことで、飲食やサービス業の倒産が始まった。

 清華大学北京大学は2月5日、995社の中小企業に行った調査を公表したが、それによると、手持ちの現金で会社を維持できる時間が「1カ月以内」とした回答者は34パーセントで、85パーセントが3カ月以下という状況だった(「朝日新聞」2020年2月9日付)。

 新型コロナウイルスが2020年の営業収入におよぼす影響については、「50パーセント以上の低下」と答えた企業が30パーセント、「20~50パーセントの低下」は28パーセントとなっている。そして、もっとも支出でかさむのは、従業員の給料などで全体の63パーセントを占めるという(前掲紙)。

 こうした状況により、とくに中国企業にとっては壊滅的な状況が続き、資金ショートによる倒産と解雇が頻発するものと思われる

 

・倒産や解雇の増大は、住宅ローンなどのデフォルトも誘発する。給料が入らなくなればローンが払えるわけもなく、中国の膨れ上がった不動産バブルを崩壊させる。中国の場合、給料日は日本ほど統一されていないため、10日、25日、月末などさまざまで、給料日ごとに破綻すると思われる。

 こうした負の連鎖が、非常に速いサイクルで起こることが想定されている。中国政府は非常措置として、企業融資の返済猶予などで対応するとしているが、新型コロナウイルスによる感染がいつ終息するか、その影響がいつまで残るかわからない状況では、たんなる延命措置にすぎない。また、国有銀行を通じた緊急資金支援も打ち出しているが、その対象は都市部を中心とした銀行であり、地方銀行や農業銀行などの破綻が相次ぐ可能性がある。

 

・加えて、春節とアフリカ豚熱の影響で上っている食品価格の、さらなる上昇が発生。とくに、生鮮食品を中心に物流マヒの影響が出ており、鮮度が重要な白菜や青菜など葉物野菜の値上がりが顕著になっている

 人口14億という巨大な市場に応えるだけのサプライが必要だが、そのコントロールが難しくなりつつある。

 

世界経済損失は100兆円以上にのぼる ⁉

・イギリスの調査会社キャピタル・エコノミクスは2月7日、2020年1~3月期の中国の実質経済成長率は前年同期比で約3パーセントまで落ち込み、世界経済はマイナス成長となり、世界のGDPは従来予測より2800億ドル(約30兆8000億円)押し下げられるという見方を示している(「日本経済新聞」2020年2月8日付)。

 

中国のデカップリング(切り離し)が始まる

・米中貿易戦争の影響により、すでに中国はドル建て債券市場での資金調達が難しくなっており、海外資産の売却により外貨を補わざるをえない状態である。新型コロナウイルスの拡大により、これがさらに加速するものと思われる

 日本もバブル末期、ハリウッドの映画会社やニューヨークの不動産など、アメリカのさまざまな資産を購入したが、バブル崩壊後、資本金比率の低下により日本の金融機関にリスクプレミアム(付加金利)をつけられたことで、外貨の資金調達が困難になり、結果的に売却せざるをえない状況に追い込まれた。

 これと同様なことが中国で起こっており、中国は今回の感染症拡大でさらなる売却を求められることになるだろう。

 その結果、アメリカと中国のデカップリング(切り離し)はさらに進むことになる

 

・日本にとって中国は、尖閣諸島などへの領土侵略を仕掛けてくる敵国であり、危険な存在でしかない。同盟国であるアメリカが中国を敵国として認定し、リスクマネジメントを拡大している以上、これまでどおりの関係は続けられないといえるだろう。

 こうした状況が長期化すれば、世界の市場からの中国の遮断や追い出しが一気に進むことも想定されるのである。

 

感染はアジアからヨーロッパ、アメリカへ

操業を再開した中国への懸念と始まった言論弾圧

・2020年2月下旬、中国では第1次のショック状態から、徐々に生産を回復する動きが出始めた。

 

・しかし、感染リスクが消えたわけではなく、経済への影響が懸念されるなかでの活動再開となった。また、資金面での不安も増大しており、中国政府は医療や生活物資、インフラなどにかかわる企業に対して、事実上の無利子融資を行う方針を打ち出した。

 とはいえ、すべての業種業態に資金を流し込むことはできないから、淘汰が進むのは間違いない。また、サービス業などの大半を占める個人企業などへの融資に関しては、多くの銀行などが二の足を踏むと思われ、日銭で生きる零細業者の破綻が続くと思われる。その影響がどこまで続くかは不透明であり、中長期的な影響を与えると考える。

 また、新型コロナウイルスについては、中国政府はメディアなどへの規制を強める方向で動いており、中国国内の実態がさらに見えなくなることが懸念される。2003年のSARS流行時との最大の違いは、そこにあると考える。SARSのときは、中国の情報隠蔽や感染状況の捏造が国際社会から大きな批判を受けた。当時の胡錦濤政権はこの反省から、情報をある程度、開示する方向に舵を切った。

 

・しかし、現在の習近平体制は、情報統制という真逆の方向へ向かい、政権批判を行った人権派弁護士を逮捕するなど、言論弾圧を加速させている。また、外国メディアに対しても、ウイグル人の弾圧が続いている新疆ウィグル自治区の取材を妨害したり、新型コロナウイルスがはやる中国をかつての清朝になぞらえ、「アジアの病人」と書いたウォールストリート・ジャーナル紙の記者の取材記者証を取り消し、事実上の国外退去処分にしたりするなど、都合の悪い報道に圧力をかける戦略をとっている。

 現在の習近平体制が、このような“先祖返り”をやりはじめた背景には、国連などの国際組織における中国の影響力の増大があるといえよう

 

消滅していくチャイナマネー

グローバリズムは、ヒト・モノ・カネの移動の自由化だが、今回の新型コロナウイルスの流行によりヒトとモノの壁ができはじめ、次はカネということになる。

 そこで問題となるのが、世界を席巻してきたチャイナマネーの行方だ。

 中国の為替は管理変動相場制で、事実上の管理固定相場である。そして、中国の外貨準備は、他国とはまったく違う基準で計算されている。国有銀行の資産までもが外貨準備に含まれているのだ。

 中国企業が輸出や海外で稼いだ利益は、すべて国有銀行に外貨で入る。中国企業はこれを国内では人民元でしか引き出せない。また、海外で引き出す場合も当局の許可が必要であり、自由に引き出すことができない。

 そして、現在、中国の外貨準備に大きな懸念が出始めている。

 

このように、中国企業の海外資産売却が相次いで起こっており、そのため、表面的には外貨準備高が減っているようには見えないものの、そのかわり、海外における中国の資産が減少しているのだ。

 こうして、これまでこれで必死につないできたわけだが、今回の新型コロナウイルスサプライチェーンが停止し、輸出による外貨獲得ができなくなってしまった。すでに中国国有企業でも外貨建て債務のデフォルトが発生しており、アメリカなど海外市場での資金調達にリスクプレミアム(追加金利)をとられる状態となっている。

 今後、さらに資金調達が難しくなるものと思われ、デフォルトも多発すると予測される。その意味ではすでにカネの面でも壁ができはじめており、ヨーロッパの金融の混乱がこれに拍車をかけると想像できる。

 

アメリカは弱り目の中国を、こうして潰す

SDNリストに入れば金融制裁が発動

・今後、「中国製造2025」にかかわる最先端技術の品目が輸出禁止となることはすでに述べたが、この法律を管轄するBISは、もともとCOCOM規制を手がけていた組織であり、そこが主導するかたちで品目を一気に拡大し、対中輸出を厳格化することになる。そして、その対象はほぼ全業種、全種目にかかわるとされている。

 

日本でもアメリカと連携した脱中国が一気に進む

このように、裏を返せば「約束を破ったら制裁を科す」という条項は「ポイズンビル」と呼ばれる。同様の共同宣言や協定を、トランプ大統領はヨーロッパの各国と結んでいる。

 このような、日米共同声明に明記された「ポイズンビル」によって、日本もアメリカの対中制裁に追従せざるをえない状況に陥る可能性が高い。そのため、ファーウェイはもちろん、中国依存のサプライチェーンや輸出体制を早く見直すべきだということが、産業界などでいわれていた。

 そうしたなか、中国で新型コロナウイルスによる感染拡大が起こり、前記したように世界のサプライチェーンが完全に機能しなくなってしまった。これを契機に、日本でも中国依存のサプライチェーンの見直しが加速度的に進むことは間違いない。

 また、前述した「みなし輸出」だが、今後、ECRA(米国輸出管理改革法)の規制対象がファーウェイのみならず中国企業となった場合、企業が開発部門で中国人を雇っていた場合はもちろん、大学の先端研究所などで中国人の研究者や学生を受け入れていた場合、アメリカの制裁対象になる可能性すらある。

 核や先端技術などでアメリカ原産の技術を使わない分野はほとんどない。バイオ、ヒトゲノムなど、すべての先端分野において中国人の研究者および学生を排除しなければ、その大学はDPL(取引禁止顧客)に掲載され、アメリカ企業やアメリカの銀行から取引を停止される可能性があるのだ。

 

・しかも、中国に対して、一貫して厳しい姿勢を貫いているのはアメリカ議会だ。国防権限法もFIRRMA(外国投資リスク審査現代化法)もECRAも、アメリカ議会によって成立した法律で、FIRRMAは2018年10月からプレ施行されており、ECRAは2020年3月に施行予定となっている。

 

「中国製造2025」の実現はもう不可能

・また、前述したように、TSMCもファーウェイなどに対する半導体受託生産を拒絶するようにアメリカから圧力がかかっており、これが確実なものになれば、中国は最新プロセスを利用した5Gのスマホやサーバーなどをつくれなくなる。

 

日本経済を守るためにも憲法改正は必要だ

アメリカが現在、EARに基づいてファーウェイおよびその関連会社をELに入れ、アメリカの技術、つまり特許などを使わせないと圧力をかけていることはすでに述べた。

 では、中国側がこの対抗措置として、ファーウェイのもつ特許をアメリカ企業およびアメリカ企業と取引する外国企業に使わせないとした場合、どのような構図になっていくのだろうか。

 IEEPAによって、アメリカ国内での中国の権限はいくらでも制限できる。特許権というのはある種の財産権であるがゆえに、没収することも可能である。つまり、アメリカ国内で、ファーウェイをはじめとする特許を無効にすることも考えられる。

 しかし、日本の場合はどうだろうか。

 

コンパクトシティで日本を強靭化せよ

・現在、世界的に地球環境の“劇症化”が起こっている。日本でも近年、ゲリラ豪雨や季節外れの台風発生などが問題になったのはご存じのとおりである。

 これは、中国の三峡ダムから東シナ海に注ぐ川の水流量や水温、土砂量の変化が海流に影響を及ぼしていることや、中国の大気汚染などが原因とされているが、日本でも想定外の災害が毎年のように起こるようになっているのだ。

 

動き出した日本政府の「スーパーシティ構想」

・「スーパーシティ」について、内閣府は次のように定義している。

第四次産業革命における最先端の技術を活用し、未来の暮らしを先行実現する『まるごと未来都市』。規制改革を伴う複数分野のスマート化の取組を同時に暮らしに実装し、社会的課題の解決を図る生活実装実験を行う」

 

新型コロナウイルスは、日本の抱える大きな問題と中国と日本との関係、行きすぎた構造改革によるインフラの脆弱化など、さまざまな問題を露見させ、異文化とどのようにつきあうべきか、安全保障と経済との関係など、さまざまな宿題を日本社会に与えたものである。

 

「新型コロナ」後の世界

西側諸国が「バンブーカーテン」を構築

マスク不足に関しては、日本だけでなく世界的な問題にまで広がった。感染の初動期に中国人が世界じゅうでマスクを買い漁り、中国へ送ったため、各国のマスクの在庫が枯渇し、国内の需要増大に追いつかないかたちになっている。

 

・今後、この問題についての各国国民の批判は、直接的には各国政府や中国に集まることになる。そうなれば、ハイテク分野だけでなく、生活必需物資や医療物資などは、中国抜きで、国内生産できる態勢づくりが本格化することだろう。数年から数十年という長い年単位で中国を排除する動きにつながると思われる。また、国民感情がこうした動きを推進させるだろう。欧米などでは、アジア人に対する偏見が強まる可能性が高い

 

難民危機がふたたびヨーロッパを襲う

新型コロナウイルスが問題となるなか、トルコとヨーロッパとのあいだの関係が悪化し、トルコ政府は2020年2月、難民危機のときにヨーロッパから引き取った難民がヨーロッパへ越境することを容認するとした。

 

・こうした難民たちを受け入れたのがトルコであり、トルコは巨大な難民キャンプをつくるとともに、難民を受け入れることでヨーロッパから60億ドル(約6600億円)の支援を引き出し、400万人近い難民を受け入れたのだ。そのトルコが、今回、難民たちのヨーロッパ越境を容認したのだ。

 その結果、多くの難民が、ふたたびヨーロッパをめざして移動を始めた。そして、問題は新型コロナウイルスである。

 

新型コロナの感染はどこまでいくか

・基本的に、ウイルスは、感染の確率論とモデル計算で伝播を予測できる。感染の拠点となった地域との距離と人の往来でモデル化できるわけだ。つまり、感染側から近い地域で早期に感染が発生し、距離が離れるほど感染の伝播は遅くなる。そして、潜伏期間などを考慮して、拡大モデルが構築できるのだ。

 中国の武漢市を発生源とした新型コロナウイルスは、ゆるやかに中国全土に伝播し、武漢市との関係が深い地域を2次的感染源とした。そして、春節により中国全土でシャッフルされるかたちで拡大し、武漢市に支部をもつ韓国の教会が2次的感染源となり、韓国全土にウイルスが拡散していった。

 そして、日本でも複数の伝播があり、北海道では「さっぽろ雪まつり」を感染源の一つとする感染拡大が起こっている。 

ヨーロッパにおいては、イタリアの保養地から各地に感染が拡大しているが、それ以外のも複数のルートで伝播している模様で、中国と関係の深いドイツなどでも追跡不能の感染が発生している。

 

・感染の終息に向けてもっとも重要なのは、検査ではなく治療法の確立である。前述したように、現在のところ、「アビガン」や抗HIV薬の一部、ぜんそく治療の吸入ステロイド薬などに効果があるとされており、臨床試験が待たれている。確実な効果が確認できれば、ウイルスの危険性が一気に低下し、リスクを軽減できるとともに、検査の重要性が出てくる。

 

・すでに国内で感染が広がっているわけだから、いま大切なのは、不要不急の患者が病院に行かないことであり、花粉症などに関してはスイッチ薬(医療機関で処方される花粉症薬のうち、同等の効果がある市販薬)をドラッグストアなどで購入し、必要以上のリスクを避けることである。

 検査に関しては、キャノンメディカルシステムズなどが比較的簡単かつ短時間(15分程度)で検査できるシステムの開発を進めている。同社は、2015年にエボラ出血熱迅速検査キットをギニア共和国へ緊急支援しており、2019年にはコンゴ民主共和国にも供与している。2018年には、ジカウイルスRNA検出試薬の製造販売承認を取得するなど、すでに実績があるシステムであるため、期待がもたれている。

 

中東の感染拡大が世界に与えるインパク

・ところで、新型コロナウイルスは、中東情勢にも大きな影を落としている。

 

・そもそも、中東諸国はあくまで部族国家であり、国境という概念があまり存在しない地域でもある。中東は砂漠の民が住む地域であり、現在の国境が国の境界線ではなく、部族や宗教が一致する地域が国であるという概念で見たほうがいいのだろう

 言うまでもないが、中東においては、長年、イスラム教のなかでスンニ派シーア派という派閥に分かれて対立してきた

 

・2020年3月8日、経済危機に苦しむレバノンは、償還を迎えた外貨建て国債のデフォルトを発表した。これにより、さらなる貧困化が進むとともに治安の悪化が懸念され、政治的崩壊も起こる可能性が高い。レバノンは、ゴーン氏にとって、安住の地ではなかったといえる。

 

アメリカの中東関与はますます縮小

・いずれにせよ、中東におけるアメリカのプレゼンスは、今後、ますます小さくなっていく可能性が高く、新型コロナウイルスの流行がそれをさらに加速する恐れがある。そうなれば、中東でよりいっそうの混乱が生じることになる。

 前述したように、アメリカは敵対していたタリバンと和平合意に署名し、アフガニスタンからの撤退を表明している。

 

・そうした折、イランで新型コロナウイルスが大流行し、政治がマヒ状態に陥ってしまった。今後、イランがさらに孤立化することが懸念されている。

 

新型コロナが引き起こす国際秩序の変化

・日本にとって、中東アラブ地域は非常に大きな意味を持っている。日本の原油の80パーセント近くはこの地域から輸入しており、アラブの危機は日本のエネルギー安全保障の危機でもあるといえる。

 アメリカはシュール革命という新技術により原油の抽出が可能になったため、世界最大の規模の原油生産国となった。そして、2016年、40年ぶりに原油輸出を再開した。日本は43年ぶりに、石油や天然ガスアメリカから買えるようになったのだ。

 安全保障の観点からいえば、日本はこれまで石油の輸入を不安定な中東に依存してきたわけだが、段階的にアメリカなど他地域からの輸入も増やすことができれば、アラブの危機=日本の危機ではなくなる。

 

・だから、シーレーンを確保するために、南シナ海における中国の勢力拡大をアメリカとともに牽制すると同時に、中国に対してあまり強く出ない姿勢も保ちつづけてきた。

 しかし、エネルギーの安全保障上の懸念がなくなれば、中国を封じ込めるための戦略に専念できる。中国は第1列島線を越えて太平洋に出て、アメリカを攻撃できるだけの体制構築をめざしているが、これを阻止し、中国を第1列島船内に押し込めるための防衛戦略を、より強力に進めることも可能となる。

 

・イギリスはTPP(環太平洋パートナーシップ)への加盟希望を表明しているが、EU内にいるかぎり、他国と貿易協定を結ぶことはできなかった。しかし、ブレグジットを実現したいまは、TPPに参加すれば、イギリスはアジアにおいて自由貿易圏を維持できる。

 このように、いま、さまざまな変化が起ころうとしている。

 

・今回の新型コロナウイルスに感染拡大により、習近平体制は大きな危機を迎える可能性が少なくない。中国共産党による情報隠蔽について、国内外から大きな批判が起こっているからだ。2019年末に武漢市で新型コロナウイルスが検出されたにもかかわらず、中国政府が患者からのサンプル廃棄を命じ、情報隠蔽を指示していたという疑いも出てきている。そのため、情報公開と民主化を求める声が高まり、習近平体制と共産党一党独裁を打破する動きが加速する可能性もある。

 

・現在、在外中国人は7000万人とされているが、近年では、これに大量の中国人旅行者が加わり、世界各地のどこでも中国人を見かけるようになった。もしも中国共産党体制が崩壊して民主化すれば、中国は分裂する可能性が少なくない。そうなれば、経済難民が大勢生まれるだろう。

 

新型コロナウイルスの感染拡大は、国際秩序の大変化を起こす可能性もあるのである。

 

アメリカのECRA(アメリカ輸出管理改革法)

・本文でも述べたように、安倍首相は権力の移譲を前提に、派閥均等型人事と総理候補を閣僚や重職に起用してきた。しかし、これがあだになり、何も決められない状態になっていた。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、この問題が明確化し、総理候補と呼ばれてきた人たちの能力不足が表面化した。二階俊博自民党幹事長など、党内の多派閥の意見を尊重しすぎたために対応が大きく遅れ、さらには各省庁の官僚たちのミスジャッジもあって誤った対応をとってきたといえる。

 その反省から、直接指示を出すことを決め、党内や、連立を組む公明党の反対などに耳を貸すのをやめたのであろう。ただ、首相が動いたことで一気に物事が前に進んだともいえる。

 

・本文でも述べたように、第36回未来投資会議において、安倍首相が中国をサプライチェーンから外すことや、技術流出などの阻止まで言及したが、これはアメリカのECRA(アメリカ輸出管理改革法)と連携するためのものでもある。中国を重視してきた日本の経営者たちも、追い込まれたかたちとなった。

 そして、これは世界でも同じである。アメリカやヨーロッパでもサプライチェーン問題が発生し、とくに医薬品や医療品関連での見えない中国依存が発覚した。これが国内への生産回帰と中国外しの大きな流れを生むことになると思う。

 

・EUとして統合したはずのヨーロッパだが、感染拡大の懸念や物資不足、産業の自国回帰などにより、各国でヒト・モノ・カネの移動の自由が事実上崩壊していくことが考えられる。

 

繰り返しになるが、トランプ政権の米中戦争や自国優先主義は、行きすぎたグローバリズムへの巻きもどしだった。新型コロナウイルスは、その流れを加速させる。時代の大きな転換期が訪れたと見るべきであり、そこに今回のピンチをチャンスに変えるヒントがあるだろう。