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『日本の裏金  【下】検察・警察編』

古川利明   第三書館    2007/2/10

 

 

 

<「まさに、これはけもの道だ」(後藤田正晴)>

「検察の星」三井から「検察の敵」三井へ

・2007年1月15日、大阪高裁は元大阪高検公安部長だった三井環に対し、懲役1年8ヵ月の一審実刑判決を支持、被告の控訴を棄却した。現役の検察トップが、自分のマンションに転居する前に住民票を移して市役所から証明書を欺し取った容疑で逮捕という、とんでもないこの事件には「検察の裏金」の深い闇があった。

 

<「調活」という名の法務・検察の裏金>

・検察の裏金は「調活」と呼ばれる調査活動費だが、検察トップはこれを私的な飲み食い、ゴルフ場通いなどに使っている。「愛人費」に流用していた東京高検検事長則定衛は辞職した。

 

・三井が集金不正流用を告発しようとした元上司の加納駿亮大阪地検検事正の昇進人事をめぐって小泉内閣と検察が衝突。遂に小泉総理と原田明夫検事総長後藤田正晴(元警察庁長官・元官房長官」の事務所で秘密トップ会談。ここで一種の「裏金容認談合」が行なわれ、その後の「国策捜査」の続出につながったと見られる。後藤田はこの直後、「まさに、これはけもの道だ」とつぶやいた。

 

・三井逮捕とそれに関連する、検察とヤクザの「裏取引」は、山口組幹部の保釈工作金2億円のうちの一部が検察トップへ渡ったのでは、という疑惑に発展した。この件で2億円の調達に関与していた暴力団関係者二人が殺される事態となっている。

 

・警察の裏金は検察のそれよりずっと広範で深刻だ。警察システム全身の血管をふさぐ血瘤となっている。「警察会計の仕事の99.99%は裏金づくり」といわれる日常的ニセ領収証の数は、全国津々浦々で年間推定数十万枚にも達する。

 

・各県の警察本部の裏金が警察庁へ「上納」されているのは公然の秘密。警視庁から現金1億円を警察庁に運ぶのを目撃した証言もある。

 その上「上納裏金」の原資として、拳銃を摘発した数によって増額される「捜査費」の裏金化とその(警察庁への)キックバックが指摘されている。

 

<裏金のウミはいまや警察の全身に回っている>

・北海道警では現職の捜査官がシャブ(覚せい剤)の密売と拳銃不正入手にかかわり、それを自分の手柄で発見したように欺いて「8年間に拳銃百丁」の実績で捜査費増額、裏金大幅アップに寄与していたと発覚。それを警察幹部が事実上黙認していた事実も明らかなった。

 

・こうした検察と警察の裏金の実態を知って驚く人、怒る人、あきれる人、それぞれであろうが、まちがいなく、これが私たちが治安を託している組織の実態なのである。

 

<警察の根っこに病理体質がある。「裏金腐敗」即「警察必腐」>

・「権力必腐」という言葉がある。それは、権力を持つ者は、すべからく、腐敗から逃れることができないという意味である。

 前出の元北海道警釧路方面本部長の原田宏二は、05年7月29日に横浜市で開かれたシンポジウムの講演で、自らの警察官人生を振り返りながら、次のように述べている。

 「神奈川県警の一連の不祥事をはじめ、どうしてこういう話が続くのか、皆さんも『何かおかしい』と思っておられるのではないか、と思います。そこで考えるに、こうした問題の根っこには警察の持っている病理体質があるんではないか。そういう体質が裏金システムを続けさせてきた要因ではないのか。決して、そうした不祥事は、裏金とは無縁ではないのか、と。外から見ると、裏金問題とそういった病理体質は別々に見えるものかもしれませんが、じつは、それは『表裏一体』のものです。下の人間は上に対して、モノが言えません。例えば、警察には労働組合がありませんし、そういった病理体質を育てていく組織としての弱点があったのは事実です。ただ、これを変えていくには、相当長い時間がかかることでしょう」

 さらに付け加えるとするなら、こうした「病理体質」の根源にあるものとは、そこにいる人間たちの「モラル・ハザード」、つまり「腐敗」である。

 具体的には、「言ってることと、やっていることの間に整合性がない」ということだが、それは「ウソをつく」ということと同義である。そして、こうしたモラル・ハザードを生み出している要因が、「裏金」ということになるだろう。

 

・それゆえ、こうした「膿」が毛細血管を通じて体全体に蔓延して広がってしまい、「体質化」してしまったものが、警察の「裏金システム」に他ならない。

 

<裏金4百万を「焼いた」と隠す県職員に見る「権力の味」の魔力>

・本書の執筆がほぼ終わりかけていた昨年(06年)の8月上旬、岐阜県庁で10年以上も前に行われていた庁内での裏金づくりが、新聞やテレビで一斉に報じられた。きっかけは、その約1ヵ月前の7月5日、県議会で与党議員が質問したことだった。

 最初は、「何でまた、10年も前のことが今ごろになって、表に出てくるのか」と訝しく思っていたが、だんだんとメディア追及が進むにつれて、裏金づくりが発覚するのを恐れ、1人で4百万円もの現金を焼却処分していたという職員がいたことが明るみになるに及んで、まさに「開いた口が塞がらない」という思いだった(もっとも、その後、「焼いた」という証言の一部は、「幹部の交際費」や「内輪の飲み食い」に使っていたことを隠すためのウソだったことが判明し、改めてその退廃の深さに思いが至ったが)。

 

・次々と出てきた事実の中には、98年度末の時点で庁内で保管されていた裏金計約4億4千百万円のうち、「2億2千7百万円が99年度からは県職員組合の口座に移し替えられており、最終的には2億5千6百万円にも上っていた。

 90年代半ば、全国の自治体はカラ出張などによる裏金づくりが発覚し、岐阜県議会でも再三、質問が出たが、当時の梶原拓知事は裏金の存在を全面的に否定。むしろ、その最中の95年には情報公開条例を施行するなど、逆に“健全さ”をアピールしていた。

 裏金を県当局から組合の口座に移し替えたのは、組合が情報公開条例の適用対象外であるうえ、監査対象でもないからだが、さらに呆れたことには、裏金づくりが原因で、停職処分にされた職員を救済するため、その裏金を生活費として支給していたことも明るみになった(支払われた金額は、県職員7人に対し計1千百万円)。

 そうやって“逃避”させていた裏金の管理は、組合だけでなく、職員個人にも押し付けられていた。何と、その数は59人、金額にして計1億4千8百万円にも達していた。最高で1千百54万円。思い余って裏金を焼却処分した職員というのは、おそらく、その中の1人なのだろう。

 それから、06年秋以降、福島県佐藤栄佐久和歌山県木村良樹の両知事が、官製談合に関わってワイロを受け取っていたとして、相次いで逮捕、そして起訴された。これを機に、あらためて「政治とカネ」の問題がクローズアップされてきている。

 

<「裏金を隠す為の裏金」を隠す為の裏金システムの存在>

・公金返還などを求める住民訴訟では、知事が被告になるケースが多い。梶原自身も在任中、旅費や食糧費の不正支出に関して、20件の住民訴訟を起こされているが、その訴訟費用として、プールしていた裏金から約1千万円を梶原が借り受け、うち約3百万円が未返済となっていることも判明した。つまり、「裏金システム」を維持するために、その「裏金」を使っているわけである。

 全国知事会会長として「地方分権」を唱え、4期16年間の知事在任中は「改革派知事」として名が通っていた梶原であったが、問題発覚後の会見では「私が就任した時点で、裏金づくりは『公然の秘密』として十分承知していた」とも述べ、それが「システム」として組織内部では延々と存続してきたことを示唆した。なお、組合口座への入金は05年の8月まで続いており、県庁内の裏金づくりは最近まで続けられてきたものとみられる。

 

・今回、このような問題が明るみになったのは、梶原が05年2月、知事を退任したことで、“政権交代”が起こり、「前政権下での膿」を追求できる環境に変わった点も大きい。

 そこで改めて思うのは、裏金というか、「カネ」の持つ力である。人間とはそこまでして「既得権益」にしがみつく動物なのかと、つくづく思う。いったん手に入れたおいしいエサは、そうやすやすとは手放さない。本書で、「権力の裏金」のシステムについて、かなり解明できたとは思っているが、おそらく、この岐阜県庁のように、手を替え品を替え、さらに巧妙な形で“地下”へと潜っていくのであろう。であれば、ジャーナリズムはさらにもっと深い取材を敢行しなければならない。

 本書の中で、私は何度となく、「カネは権力の一部である」というふうに書いてきた。裏金はそれを持つ者、使う者に「権力の味」を知らせてくれる。世間一般においても、「権力の源泉としてのカネ」という言い方が、広く言われている。

 

<裏金問題と検事の私憤・公憤入り乱れ混乱>

<裏金」内部告発者を動かしたのは私憤、公憤そして、「真実」の追求>

<三井逮捕の余波――マスコミの弱体化・御用化>

金沢地検の検事の出張の7割強が「マル協」こと、カラ出張>

・「やはり、一番大きい(裏金の)使い途は検事正の交際費や小遣いでしょうね」

 

・調活をメインとする法務・検察の裏金であるが、足りない分はカラ出張によって捻出する一方で、法務省の本省だと、「会議費」の名目でも裏金を作っている。

 

<五十嵐横浜地検検事正は「年に70回ゴルフコース」と豪語>

・このように資産家でもないのに、額に汗した自分の給料だけをあてにして、ゴルフや高級クラブに頻々と通えますか。高級飲食店にしてもカラオケにしてもそうです。答えは自ずからノーでしょう。全て公費からの裏金で支払っているからできることである。

 

<「検察の裏金」の内部告発者は次々と「口封じ逮捕」された>

・その証拠に、実際、三井をはじめとして、何とも驚くべきことに、週刊誌などに調活の裏金流用の実態を内部告発した人間の3人が逮捕されているのである。

 

<「検察の裏金は外務省よりヒドイ。このままでは巨悪追求はムリ>

・三井自身、手記の中でも、「私は検察の現場が好きだった。捜査が好きだったのだ」と述懐しているように、典型的な職人肌タイプの検事だった。

 三井によれば、捜査の行きつくところは、とどのつまり、被疑者に「真実をうたわせる(=自供させる)」ことなのだという。

 

・三井が逮捕された日の02年4月22日付の夕刊各紙が、軒並み一面トップの扱いでそれを報じていたのを見たときの衝撃は、今でも筆者は忘れられない。

 ただ、その中で、朝日新聞だけが、他の全国紙よりはかなり踏み込んだ記事で、三井が検察の裏金問題を実名で内部告発しようとしていた矢先の逮捕で、それが「口封じ目的」だった可能性にも言及していた。

 

ライブドア事件

・とりわけ、ライブドア関連に流れていったアングラマネーに絡み、堀江貴文指定暴力団山口組6代目組長・司忍(山口組本家組長には05年7月に就任)と面会していたという情報を筆者は掴んでいる。しかし、宮崎学はこれら2つの事件についての発言では、右翼や暴力団が深く関与する、そうした「地下経済」の利益(=利権)を損なわないというか、結果的には、それを擁護する立場に終始している。

 

・「反骨」を標榜している宮崎の妙な発言は、まだある。

社民党衆院議員だった辻本清美が03年7月、秘書給与を流用したとして詐欺容疑で警視庁に逮捕されたが、その直後の『アサヒ芸能』同年8月7日号のコラムでは、こうも書いている。

<ただ、いくら見え透いた茶番とはいえ、警視庁がこれだけの行動に出た以上、辻本について表以外の隠し玉を持っている可能性は高い。

 それは辻本と北朝鮮との関係である。これまでにも彼女と深い関係にあったとされる某出版社社長を通じて資金が北に流れているという噂はあった。>

 そもそも、刑事告発から1年4ヵ月も店晒しにしておいて、衆院の解散風が強まった時期を狙っての逮捕自体が、「国策捜査」以外の何物でもないが、ここにある「某出版社社長」とは、本書を刊行している「第三書館の北川明社長」である。

 じつは、警視庁の狙いは、当時の拉致問題による強烈な「北朝鮮バッシング」の追い風に乗せることで、辻本が詐取したとされる秘書給与が、この「第三書館の北川明社長」を通じて、北朝鮮に流れていたという情報をリークすることだった。

 それは事実とは異なっているが、しかし、「噂」の形でも流すことで、その出版社の社会的評価の低下を図ることができる。実際、この宮崎のコラムを受ける形で、03年8月8日付け毎日新聞夕刊は、辻本が「なんでやねん」を出版していたこの第三書館が警視庁の家宅捜査を受けていたことを報じている。いわば、宮崎は警察の「お先棒」を担いだことになるわけだ。

 

<「ヤクザを批判すれば、命はないと思え」と脅迫する「作家」>

・要するに、「ヤクザを批判した人間に、命はないと思え」と脅迫しているものだが、果たしてこれが「作家」を名乗る人間が書くべき文章だろうか。

 

国策捜査

・そうした格好のターゲットとなったのが、この安田好弘(弁護士)であり、秘書給与詐取事件で逮捕された辻本清美(05年9月の総選挙で社民党公認で出馬、大阪10区で落選するも比例で復活当選)、さらに、鈴木宗男(辻本と同じく05年9月の総選挙で新党大地から出馬、北海道比例ブロックで当選)、佐藤優(外務省元主任分析官)、そして、この三井環ではないだろうか。これらの人間に共通していたのは、「権力中枢に歯向かう姿勢」が顕著に窺えた点である。

 鈴木宗男とワン・セットで、02年5月に東京地検特捜部に逮捕された佐藤優は、手記『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社、2005年)の中で、取り調べを受けた東京地検特捜部検事・西村尚芳との間で、逮捕から3日目の段階で、こんなやり取りがあったことを明かしている。

<「あなたは頭のいい人だ。必要なことだけ述べている。嘘はつかないというやり方だ。今の段階ではそれでもいいでしょう。しかし、こっちは組織なんだよ。あなたは組織相手に勝てると思ってるんじゃないだろうか」

「勝てるなんか思ってないよ。どうせ結論は決まっているんだ」

「そこまでわかっているんじゃないか。君は。だって、これは『国策捜査』なんだから」>

 

・それゆえ、既に被疑者を逮捕した時点で、「起訴→有罪」はパッケージであり、仮に一審で無罪が出ても、検察は組織のメンツに賭けて控訴、上告して「10年裁判」に持っていく。そのため、被疑者の多くは「失うべきものが余りにも多い」と諦め、検察の筋書きに沿ったストーリー通りの調書に署名、捺印し、「執行猶予」を勝ち取る戦術を選択する。もちろん、「真実とは何か」を愚直に追求していく姿勢など、そこには微塵もない。

 

アジア刑政財団

・「“国策捜査“といえば、検察のお偉いさんから『この政治家を捕まえろ』と現場に指示が下り、まるで落下傘にぶら下がるように“訳あり”の告発資料がドッと降りてくる。その告発資料を持ち込んでくるのが、この財団(アジア刑政財団)なんだよ」

 

 

 

『日本の裏金  【上】首相官邸・外務省編』

古川利明   第三書館   2007/2/10

 

 

 

<私的流用を除いても2億円以上の裏金が闇の中へ消えた>

・機密費は、既に触れたように「官房機密費」として内閣官房に計上される分と、外務省から上納して持ってくる分とがある。

 外務省から持ってくる分については、総理府(現・内閣府)の会計課を経由して、官邸内の首席内閣参事官(内閣総務官)の部屋に持ってきて、そこから主に官房長官室の金庫へと現金が補充されるわけだが、松尾がカネを受け取りに行っていたのは、官邸内のこの首席内閣参事官のところだった。

 

・松尾が要人外国訪問支援室長時代に、私的に流用したされる機密費は、少なくとも8億円に達している。うち、競走馬(19頭)の購入資金に計3億4千万円、ゴルフ会員権に4千3百万円、マンションに8千万円、さらに3人の女性に計8千2百万円を渡したことが判明している。計算の上では、これから差し引いた少なくとも2億5千5百万円のうち、計2億円については預金として自らの銀行口座などに入っていたことが確認されている。それゆえ、松尾が「私的流用したカネの多くは、文字通り、「闇の中」へすっぽりと消えてしまった格好になっている。

 

<機密費捜査のターゲットは橋本龍太郎の「業務上横領罪」>

・事件の捜査にあたった警視庁の幹部は言う。

「今度の事件で、我々の捜査の最終ターゲットは橋龍(=橋本龍太郎)だった。つまり、そういった外遊の際の『支度金』の名目で、首相自身にも渡っている。特に外遊が増えたのは橋龍のときだったし、そうやって外遊の回数を増やせば、支度金名目で受け取れる金額も増える。こうした『松尾』というクッションを間に挟むことで、足が付かなくなるわけだ。橋龍にはオンナの問題もあったし、そこからスキャンダル対策にカネが流れていたのではないかと睨んで、現場のレベルでは橋龍を業務上横領で立件したいという思いがあったが、なかなかそこまでは詰み切れなかった。そういうところもあって、松尾の公金横領を『業務上横領』ではなく、『詐欺』の方での立件に至ったところはある。

 

橋本龍太郎の女性スキャンダルで最も有名なのは、首相在職当時に週刊誌に報道された、中国人の公安当局に関係する女性とのものではないだろうか。

 これは、96年6月に週刊現代などが第一報を伝えた後、『週刊文春』の97年9月11日号から3回にわたり、より詳細な内容を報じていたものである。

 橋本が所属していた経世会竹下派)は、その前身である。日中国交回復に力を注いだ田中角栄の時代から、79年に始まった対中国への円借款による医療援助を通じて、中国の衛生部や民生部とも太いパイプを構築していったが、中でも厚生族のドンでもあった橋本は、その筆頭に位置していた。

 橋本と愛人関係にあったその女性は、衛生部の通訳としてたびたび来日し、80年代半ばには、駐日中国大使館に赴任していた夫の随員として日本に住んでおり、そうしたあたりからも両者は親密になっていったようである。

 問題がこじれたのは、この中国人女性が橋本と付き合っていた当時は既に結婚しており、夫が「橋本と妻との交際が離婚に繋がった原因の一つ」と主張していた点に加えて、この女性が「中国公安当局のスパイ」だったことが、それに拍車をかけた。

 とりわけ、89年6月の天安門事件に抗議し、日本も含めて西側諸国は中国への経済援助を一時、凍結していたが、それからわずか半年足らずの時期に、中国のベチューン医大病院医療プロジェクトに対する26億円もの日本政府の無償援助計画が合意に至った背景に、「中国に甘い橋龍の存在があったからではないのか」と槍玉に挙げられていたからである。

 

・この問題は、週刊文春の報道を機に国会でも取り上げられ、さらに、こうした動きとリンクするかのように、中国人の元夫が、妻だったその女性を名誉棄損で東京地裁に訴えたことから、橋本はかなりの窮地に立たされていた。

 要は、中国側がいわゆる「美人局」の手口で、日本国の最高首脳を脅し上げたようにも見えるが(もっとも、女性を使った諜報工作は中国の公安当局が最も得意とするところではるが)、ひょっとしたら、こういうスキャンダルを手打ちにするための「口止め料」として、松尾から橋本に渡された外遊の際の「支度金」が充てられた可能性はある。

 

<川島裕外務次官の女性問題口止め料にも機密費支出?>

・それと、もう一つ、松尾が「外交の根幹に関わる部分で、相手国に口止め料的に支払った」という可能性があるものとして、同様に、外務省事務次官だった川島裕(03年より宮内庁式部官長)の女性問題がある。

 これは、『噂の真相』の99年7月号が「外務省No1事務次官就任が内定した川島裕大使を襲った“亡国的醜聞”」のタイトルの記事でスッパ抜いたものだが、川島が韓国公使だった92年8月から94年1月の間、ソウル市鐘路区にあった高級料亭「祥雅(サンア)」に機密費を使って入り浸り、そこの李南煕(イ・ナムヒ)という女性経営者と眤懇になったが、その下で働いていたホステスに川島が入れ上げ、その後、川島が本省のアジア局長に就任して東京に戻ると、このホステスをソウルから呼び寄せたのだという。

 ところが、赤坂のマンションで川島がそのホステスと行為の及んでいたところを、一部始終、ビデオで隠し撮りされ、それを韓国の国家安全企画部(旧KCIA、現・国家情報院)が入手していた。

 

<「自分を処罰するなら、機密費の不正使用をばらす」で、パス>

・結局、外務省のノンキャリア会計担当事務官・松尾克俊に対する機密費流用事件の捜査は、あくまで「松尾個人の犯罪」ということで幕引きがなされ、政権中枢の腐敗にメスが入るということはなかったのだが、その「意趣返し」とばかりに、警視庁は、松尾を最初の逮捕も含めると計4回逮捕したのち、その後、同じノンキャリアの会計担当事務官2人を逮捕した。

 

<「榎公使は山本事務官の不正行為の『共謀者』」(天木元公使)>

・ところが、当時、在オーストラリア大使館で、この山本が転出するまでの約3カ月間、上司である同大使館ナンバー2の公使として、一緒に仕事をしていた元レバノン大使の天木直人は、手記『さらば外務省! 私は小泉首相売国官僚を許さない』(講談社、2003年)と、この手記の刊行直後に発売となった『週刊現代』03年10月25日号において、このときの山本の公金流用の実態を明かしている。

 

<権力の旨味と政争の具に供された官房機密費>

<「金庫にいつも8千万円。なくなると夜間に補充」(武村正義)>

・こうした官房機密費のうち、官房長官室の金庫に入る「官房長官扱」の分の執行については、基本的には総理大臣も口を挟めない「官房長官の専権事項」とされる。前述したように、官房長官が直接、相手に手渡すこの分については、慣習的に一切、領収書を取らないため、「当事者同士の証言」以外は、カネのやり取りの証拠は存在しない。

 

<羽田内閣では、官僚がサボッて、金庫を補充しなかった?>

・「確かに私の記憶では、2ヵ月おきに補充されていたと思います。でも金庫にドッサリということはなかった。『7月になったらちゃんと(補充)します』と事務方に言われていたのですが、その前に政権がなくなってしまった」

「だから、野坂浩賢さんの『長官室の金庫には常時8千万円の現金が入っていた』『難しい政局を乗り切ろうとして……1回あたり計5百万円ぐらい(を与野党の国対幹部に配った)』という話を聞いてびっくりした」

 

・事実、時事通信政治部次長だった田崎史郎が、小沢一郎のオフレコ発言を公表した手記『小沢一郎との決別』(『文藝春秋』94年10月号)には、次のようなくだりがある。

<「選挙の時のカネの配り方を知っているのはおれだけだ。それは二階堂(進。自民党元幹事長)さんがやらんかったもんだから、全部、おれとオヤジ(田中元首相)が相談しながらやったんだから>

 

<「官房機密費を渡すこと」を条件にして誕生した海部内閣>

・「間違いなく橋本(龍太郎)が大本命で、本人も90%以上やる気だった。で、いざ誰にするかという段階になって、橋本で大丈夫かということになった。正確に言うと、橋本には女の噂があってね。これが問題ありとなれば、別の人を立てるしかないというわけだ」(渡部氏)

 経世会には宇野政権を作った責任があるという言い訳は、きれいごとに過ぎなかったのだ。

 

・「海部は、真面目な男だからね。愛妻家なのは誰もが知っている。ですから、直ぐに金丸さんには“(女の問題は)絶対心配ありません”と言った。そしたら、金丸さんがその場で、派として海部を推すということをあっという間に決めたんです。宇野に続いてまた女性問題でしくじるわけにはいかない。海部のいた旧三木派はクリーンなイメージがあったし、力のない派閥だったからね。金丸さんとしたら、海部を立てることはグッドアイデアだったんでしょう」

 このとき、海部擁立の条件として、経世会が突きつけた条件が「官房機密費を渡すこと」だったとされている。

 

<海部総理大臣が自分で盆暮れ、金丸信に3億運んだ>

・「私が知っている機密費のおどろおどろしい使い方といったら、海部が総理大臣のとき、盆暮れに金丸さんのところに3億円ずつ持っていったということだろうか。総理が自分で現金の束を運んだという話だ。政権を延命させたければ、総理大臣だって、それくらいのことはする」

 このように首相としての海部は完全に経世会に首根っこを抑え付けられた。

 

・既に説明したように、官房機密費のうち、とりわけ、官房長官室の金庫に入る毎月1億円前後の「官房長官扱」の枠は、官房長官の専権事項とされている。

 しかし、これらを含めて、官房機密費を「誰」がコントロールするかは、政権中枢にいる人たちの「力関係」が大きく影響している。つまりカネは「権力を持っている人間」のところに流れていくのである。

 

小泉首相の飯島秘書官はホテル代が毎月100万以上>

安倍晋太郎—―安倍晋三と親子2代官房長官で裏金タッチ>

安倍晋三首相もまた、父親と同じ官房長官の職にあった(05年11月――06年9月)。官房機密費のシステムが基本的に変わっていないのだから、安倍も官房長官時代に「1カ月1億」の裏金を毎月扱っていたことになる。彼が『美しい国・日本』を目指しているのであれば、なおさらのこと、自らが執行にタッチしたこうした「官房機密費の中身」に対する説明責任があるのではないだろうか。

 

<「官房機密費が「機密」のために活用されることは殆どない」>

・伊藤はこうした飲み代の「出所」が官房機密費からだったことをはっきりと明かしたうえで、その『永田町「悪魔の辞典」』では「官房機密費」について、次のように説明している。

「総理大臣や官房長官が自由に使える交際費。『機密』のために活用されることは殆どない。領収書は不要」

 官房機密費が「オフィシャルな権力の裏金」の保守本流であるとすれば、その「使途」の最大目的は、「権力基盤を維持する」ということに尽きる。

 その要諦を一言で言えば、「カネの力で相手を籠絡する」ということである。具体的には、与野党対策(国対)、選挙買収、マスコミをはじめとする言論・文化人らの懐柔、さらには、スキャンダル潰し、である。

 

<「政府の付き合う団体、審議会、内政に3分割支出」(塩川正十郎)>

・「官房機密費の使途はそれほどいい加減ではないんだ。大雑把にいうと、3分割され、一つは政府が付き合いする団体に流れる。これは600団体くらいある。もう一つが種々の審議会や諮問機関にかかる費用、これは政府がお願してお集まり頂くわけだからこちらで費用負担するのは当然だろう?残る3分の1は内政だ」

 ここにある「内政」とは、要は、「政権基盤を維持するうえで必要な政治的な運営経費」のことで、具体的には、既に触れている国対や選挙、餞別などである(それは、現金の場合もあるし、料亭や高級クラブなどでの飲食のこともある)。

 

・「野党対策に使っているのは事実です。現ナマでやるのと、それからまあ、要するに一席設けて、一席の代(金)をこちらが負担するとか」

 

<機密費効果で成立した消費税導入と重要法案>

<「与野党の国対幹部に1回5百万」(野坂浩賢官房長官

・1回あたりの支出が1千万円を越える「臨機」の裏金支出とは、内政においては、選挙のほかだと、「政局」、つまり、国会で「重要法案」を通すときである。

 これは、既に見てきたように、機密費が内閣に予算計上された明治時代から延々と続いていることであり、むしろ、表沙汰にならずに「闇」の中へ消えていったものの方が、とてつもなく多いといえる。

 戦後、表向きは「保革対決」といわれてきた55年体制下では、こうしたウラの国対政治においては、法案の取引を巡ってやりとりされる「金額」は、「重要法案1本あたり、5千万から1億」ということが、まことしやかに囁かれてきた。