日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

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仮に、新型コロナウイルスの完全撲滅が実現したとしても、安心はできない。次なる感染症が繰り返しやってくる。なぜ21世紀が「感染症の世紀」になりそうかと言えば、地球規模で人口増加が続いているからだ。(1)

 

『未来のドリル』

コロナが見せた日本の弱点

少子化はコロナ禍で18年も早まった!

河合雅司  講談社     2021/6/16

 

 

 

人口減少ドリル

12021年「ベビーショック」到来!それは政府の想定より18年早く、出生数が75万人ほどになるから

2、現在、主な消費世代の3人に1人が高齢者

32021年のダイヤ改正で、終電時刻が137分繰り上がった路線も

4、東京都の人口が減少したのは、30代夫婦が中心に隣接3県などへ転居したから

52020年、高齢就業者数は、14万人しか増えなかった

6、2020年8月、テレワークを実施した企業は8割

7,訪日外国人旅行者数は19年の3188万人から20年は412万人

8経営者が高齢者だと会社の売上は一般的に減少する

9、コロナ禍収束後はインフレになる懸念がある

10、働かない年配社員は“妖精さん”と揶揄される

11人手不足要因は、薄利多売のビジネスモデル

12、日本の労働生産性は、OECD加盟国37ヵ国中26位

132020年、573件もの介護事業所が消えた

14、2030年、AIが進展しても64万人もの就業者不足

15「高齢者向けの施策が優先される政治」をシルバー民主主義という

 

日本の弱点を突かれた

新型コロナウイルス感染症パンデミックによって社会が大きく変貌したことは、誰もが知る「常識」である。だが、コロナ禍で見えた本質的な課題を分かっている日本人は、いったいどれくらいいるだろうか?

 

・そもそも、コロナ禍をきっかけに目の前に現れた変化のほとんどは、新たに起きたことではない。「コロナ前」から日本の弱点であった。コロナ禍はそこを突き、「積年の宿題」をあぶり出したのである。それを放置すれば日本が行き着く「由々しき近未来」を予告編のように見せ、一気に時間を進めたと理解すべきなのである。

 

コロナ禍が残した最大の爪痕は、少子高齢化とそれに伴う人口減少の悪化であった。いわずと知れた、わが国一番の国難だ。

 

・それはまず、婚姻件数の激減という形で始まった。

 

・こんなペースが続いていけば、2021年の年間出生数の大暴落に続き、2022年は、少子化が従来の想定より四半世紀も前倒しされる可能性が出てくる。そんなことが現実になったら、日本社会は取り返しのつかないダメージを被ることになる。

 

日本社会の深層にある「老化」

<「国民はみずからの程度に応じた政治しかもちえない」

・もう1つ、コロナ禍があぶり出した人口減少の難題がある。

 コロナ禍においては、「ワクチン敗戦国」と言われるほど日本政府の対処能力の低さが露呈した。ワクチン以外でもデジタル化の遅れ、世界一の病床数を誇りながらの医療崩壊、ザルのような水際対策、いつまでも拡充されないPCR検査など枚挙にいとまがない。“国家としての衰え”を感じた人も多かったことだろう。

 

もう1つの難題とは、なぜ日本がここまで落ちぶれてしまったのか、その理由にある。日本社会の深層にある「老化」だ。「社会の老化」と呼ぼう

 

・一度染みついた高齢者の恐怖心は、簡単には払拭されない。新型コロナウイルス感染症が収束したとしてもウイルスそのものが消えてなくなるわけではなく、高齢者の消費マインドがどこまで戻るかは分からない。現在の高齢者数は3600万人余であり、仮に消費額が平均で1割減ったならば、マーケットが360万人縮むようなものだ。

 

<「こんなご時世だから………」>

感染症に対する過剰と思われる反応は高齢者特有の問題ではない。「社会の老化」は、年齢にかかわらず誰もが巻き込まれていく。

 

書き換わる未来を可視化する

・「社会の老化」を看過できないのは、その先に待ち受けるのが経済的困窮だからだ。

 日本のような国民の平均年齢が高い「年老いた国」は、「若い国」よりも積極的に社会経済活動を行わなければ、国際競争に太刀打ちできない。

 

・コロナ禍からの再興に手間取ることになれば、国家としての衰退の歩みはいよいよ早くなる。

 

・アフターコロナについては、さまざまな分野の予測が登場している。だが、そのほとんどが人口減少による影響を織り込んでいない。推測の域を出ないものも少なくない。

 

ドリル方式を採用する

・私は繰り返し、「戦略的に縮む」必要性を唱えてきたが、コロナ禍が見せた“縮小”は、人口減少に耐えうる社会へ作り替えるための「ラストチャンス」となるかもしれない。

 

少子化の急加速

2021年「ベビーショック」到来!それは、政府の想定より18年早く、出生数が75万人ほどになるから

出生率は1.36に急落

少子高齢社会は、感染症に対して極めて脆弱である。日本社会が年老いてしまった段階でパンデミックが起こったことは不幸としか言いようがない。

 

妊娠届け出数も婚姻件数も大きく下落

産後うつ」が2倍以上に増えた

<2020年、実際に女性の過半数が50歳以上に>

2065年、出生数はわずか約41.6万人に

不妊治療への健康保険適用は効果的か?>

 

高齢者とコロナ自粛

高齢者マーケットが伸び悩むのは、新型コロナによる“過剰な警戒心”が消えないから

実質的な“人口減少元年”は2011年

毎日外出する人は62.8%から35.3%に

<高齢者の「パック旅行費」は前年より約95.6%減>

2021年4月から年金受給額が下がった

・新ルールが適用されて、2021年4月から年金受給額が0.1%下がった。

 

感染収束後はインフレになる懸念も

主な消費世代の3人に1人が高齢者

・高齢者の消費マインドの冷え込みが、新型コロナウイルス感染症が落ち着きをみせてからも続く要因は、先述した年金受給額の減少や負担増などへの懸念だけではない。21世紀は「感染症の世紀」となりそうなのだ。むしろ、こちらのほうが影響は大きいかもしれない

 

仮に、新型コロナウイルスの完全撲滅が実現したとしても、安心はできない。次なる感染症が繰り返しやってくる。なぜ21世紀が「感染症の世紀」になりそうかと言えば、地球規模で人口増加が続いているからだ

 世界各国で都市化が進み、これまで人を寄せ付けなかった密林地域などが猛スピードで開発されている。温暖化で、永久凍土も溶解している。こうした地域に人が立ち入るようになったことで、これまで人類とほとんど接触することのなかった未知のウイルスとの接触機会が格段に増えているのである。グローバル化により人々が簡単に国境を越えて移動するようになった以上、ウイルスはあっという間に全世界に運搬される。

 

・企業の業績が低迷し若者の雇用情勢がさらに悪化すれば、結婚や妊娠・出産を先送りする人が多くなり、少子化も加速するという負のスパイラルに陥っていく。

 

<高齢者と介護>

外出自粛が企業の業績を悪くするのは、フレイル(虚弱)の増加で、介護離職が増えるから

2040年度、社会保障給付費は190兆円を突破か

・高齢者の“過剰な警戒心”はマーケットの縮小にとどまらず、さらに重大な事態を引き起こす。

 身体機能や認知機能の低下が表れ始める状態を指す「フレイル(虚弱)」の増加が懸念されるのだ。体を動かす機会が極端に減ることで、徐々に歩行が困難となり、階段を少し上るだけで息切れがしたり、靴下を自分で穿けなくなったりする。他人と会話する機会が激減することで物忘れが激しくなるケースもある。

 

2020年、573件もの介護事業者が消えた

・影響はこれにとどまらない。

 認知症患者が想定以上に増えてゆくと、介護離職を余儀なくされる人も想定を超えて増加する。責任あるポジションの社員が突如として職場を離れれば、少子高齢化で人手不足が拡大している企業にとっては、大きな痛手となる。

 

2025年、介護保険の利用者は600万人超え

・倒産や休廃業・解散にまでは至らなくても、コロナ禍で収支が悪化した介護事業所は少なくない。

 

24時間営業の行き詰まり

24時管営業が限界なのは、深夜まで起きていられない消費者が増えていくから
「24時間戦えますか。」流行の1989年の意味

・次は、人口減少対策三本柱の2本目である「『24時間営業』の拡大・普及」を取り上げよう。これもコロナ禍で、対策としての行き詰まりがはっきりした。

 

バブル経済崩壊を迎えようとするタイミングであった。「24時間戦えますか。」という問いかけは、この会社独自のメッセージというより、当時の日本社会の空気というべきものを伝えていた。

 

24時間営業を廃止したファミレスの増益の秘訣

・若い働き手が激減していく中で、薄利多売のビジネスモデルのままの24時間営業は続きようがない。

 

外国人の受け入れ

外国人労働者を確保できなくなるのは、その国で良質な雇用が続々と生み出されているから

2020年、外国人入国者は前年より86.2%もの減少となった。

・人口減少対策三本柱の3本目である「外国人の受け入れ拡大」については、どうだろうか?

 これも、コロナ禍によって対策としての限界が露呈した。

 

政府は在留資格「特定技能」まで創設した

・コロナ禍で出入国が厳しくなったにもかかわらず、2020年の外国人労働者数が過去最高となった背景には、人口減少が進み社会全体としては人手不足が続いていることがある。コロナ不況の影響が小さかった業種を中心に採用増加の流れが継続しているのだ。

 

国際的な“外国人争奪戦”が激しく展開されている

・人口減少に伴う国内マーケットの縮小や人手不足を手っ取り早く外国人で帳尻合わせしようという発想の危うさを、コロナ禍が浮き彫りにした。

 

都市と地方経済

地方の企業経営を苦しくさせるのは、自ら需要を捨てるような「地域の閉鎖性」

中都市より大都市のほうが消費支出が落ち込んだ

・それによれば、意外にも感染者数が圧倒的に少なかった地方圏のほうが、「大都市」や「中都市」よりも落ち込みが激しかったのだ。

 

二極化が進む「K字経済」が大都市と小都市に反映

・コロナ不況の特徴は、各産業が一律にはダメージを受けなかったことにある。大打撃を受けた企業があった一方で、業績が伸びて過去最高益となった企業が少なくなかった。経済回復の進み方が業界・業種によって極端に分かれ、二極化が進む「K字経済」が、大都市と小都市に反映したということだ。

 

日本人国内旅行消費額は前年比54.9%減
・感染者数を抑え込んだ結果、地域経済が長期低迷に陥り、地方創生もままならなくなったというのでは元も子もない。地方圏は「ゼロコロナ」ではなく、「withコロナ」を目指さなければ生き残れない。

 

<人材不足>

DXは人口減少対策の切り札となるか?そのカギを握るのは、リスキリング(再訓練)の成否

目指すべきはV字ではなく「レの字回復」

・政府や経済界はコロナ不況からのV字回復を目指している。だが、少子化の加速や高齢者の消費マインドの冷え込みを考えれば、それはやめたほうがよい。仮に、V字回復を実現できたとしても、人口減少によって長続きしないからだ。

 

コロナ禍に“便乗”した「黒字リストラ」?

・コロナ禍にあってビジネス面では、大企業の早期・希望退職者募集の広がりがあった。

 

・収益がそれほど悪化していないにもかかわらず、コロナ禍に“便乗”する形で、「黒字リストラ」を行った企業が結構含まれていたと見られる。

 

政府がDXを推奨する理由

・企業が「黒字リストラ」の向こうに見ているものが、DXである。DXは政府がかねてより「第4次産業革命」への移行として推奨してきたことだ。

 

年間12兆円の経済損失が生じる「2025年の崖」

・ここで、DXの経緯を簡単に振り返っておこう。「DX時代」の到来を強く印象付けたのは、三大メガバンクが大規模リストラ計画を相次いで表明した2017年であった。翌年には、経済産業省の報告書が、「DXを推進しなければ2025年以降、年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性がある」と警告した。

 

省人化が進み、失業者が増大する

・過度期における失業者の増大である。人工知能やロボットが進歩することによって、定型労働だけでなく非定型型労働においても省人化が進むことが予測されている。

 

2030年、AIが進展しても約64万人の人手不足に

・これについては、厚生労働省の「労働経済の分析」(2017年版)がAIによる2030年までの就業者への影響を分析しているが、製造業は161万人減るものの、非製造業は1万人の減少にとどまるというのだ。

 

求められる能力は、データ解析力

・そうならないようにするには、既存の戦力がDXのセンスを身に付けられるようにすべく、「リスキリング」(再訓練)をすることだ。

 

・いまや国際間競争に臨むにはDXは必須であり。そこで確実に成果を上げるしか日本の勝ち目はない。若い人が減っていく以上、状況の変化に柔軟に対応できる人材を育成していくことは避けられない。DXの基盤の整備と同時に、リスキリングの成否が日本の浮沈のカギを握っているのである。

 

55歳以上の男性非正規雇用者が減った所以

正規雇用者が増えたぶん、55歳以上の男性非正規雇用者は減ることになったのだ。

その所以は2つある。1つは同一労働同一賃金の導入だ。これまでは正規雇用者が定年を迎えると、非正規雇用に切り替わって働き続けるケースが多かったが、同一労働同一賃金の導入によって、正規雇用として継続雇用されるケースが増加したとみられる。

 もう1つの要因は、人手不足である。

 

労働生産性

「社内失業者」があぶり出された!いなくなれば、会社の平均賃金が増加する

テレワークはワークライフバランスを改善させる

・これに対してテレワークは、各自が時間をコントロールして働くため、机を並べて働いていたときのように、周囲の手助けやアドバイスを求めることは難しい。

 

働かない年配社員は“妖精さん”と揶揄される

・だが、テレワークが普及すると、こうした人たちは通用しなくなる。「仕事をしない会社員」などはなおさらだ。“妖精さん”や“社内失業者”は、ますます居場所を失う。

 

日本の労働生産性OECD加盟37ヵ国中26位

・人口減少に伴い新規人材の採用が難しくなり、マーケットが縮小していくことが避けられない以上、日本企業が生き残るためには、1人当たりの労働生産性を向上させて、米国をはじめとする諸外国との差を縮めていくしかない。

 

高齢者の雇用

70歳まで働く社会が到来! だが2020年、高齢就業者数は、14万人しか増えなかった

正規雇用の高齢者は、わずか1万人増

・高齢者雇用の悪化も、コロナ禍が顕在化させた課題の1つだ。

 実は、統計データが示す数字とは裏腹に、コロナ不況が一気に広まりを見せた2020年の高齢者をめぐる雇用環境は痛手を受けていた。経営が悪化した企業に、高齢者を解雇や雇い止めにしたケースが少なくなかったのだ。

 

2025年度以降、「70歳まで雇用の義務化」へ ⁉

・政府は、2025年度以降の「70歳まで雇用の義務化」を視野に入れており、2022年4月から、70歳となっている年金受給開始年齢の選択肢の上限を75歳に引き上げることにしたのも、その布石と見られる。

 

<「バブル入社組」の高年齢化が人事担当者を憂鬱に

・企業の人事担当者を憂鬱にさせているのが、「バブル入社組」(1987~1992年入社)の高年齢化である。先頭はすでに50年代後半に達している。採用人数が多いぶん、人件費総額を一時的に押し上げ、“羊羹の切り分け”のツケを、よりたくさん若い世代に押し付けることとなる。

 

抜擢人事は「降格者の増大」という影を落とす

・パフォーマンスを引き出す抜擢人事は、一方で「降格者の増大」につながることも認識しておく必要がある。

 

不動産と再開発

<「オフィス需要」は減る一方。空室率上昇の隠れた要因は2023年以降、新規供給が再拡大すること

2020年8月、テレワークを実施した企業は8割>

・次はコロナ禍において街に起きていたことを取り上げたいと思う。ここにもまたコロナ禍が加速されつつある少子高齢化、人口減少社会の姿が見えてくる。

 コロナ禍は、大都市におけるオフィスのだぶつきを鮮明にした。東京都心ではビルの3棟に1棟は空き室を抱えている。感染の収束を読み切れず、借り手たる各企業が様子見を決め込んだり、縮小マインドとなったりしているためだ。

 

賃料の値下げ圧力がかかり始める「5%の壁」

・一般に、空室率が5%を超すと賃料の値下げ圧力がかかり始める。いわゆる「5%の壁」だが、2021年3月時点では都心5区のすべてで平均賃料の下落が確認できる。

 

2025年、東京の空室率は6%超に

・このように要因を分析すると、オフィスの未来はテレワークの動向が大きく左右することになる。ここまでテレワークに積極的に取り組んできた企業が、コロナ前の働き方に完全に戻ることは考えにくいサテライトオフィスを整備するなどのかなりの投資をしてきたからだ。テレワークに合わせた人事評価システムに変える動きも相次いでいる。

 

競争力の低い中小ビルは「正味現在価値」(投資によって得られる利益を示す指標)がマイナスに

・これだけオフィスがだぶついてきているのに、大量供給を続けていったら東京のオフィス街はどうなってしまうのだろうか? 社人研の推計では2035年までに東京都の人口も減少に転じる。高齢化も進む。需要がいつまでも続くとは思えない。

 そんな未来図を見通す動きがある。大型ビル売却が相次いでいることだ。

 

名古屋駅前の大規模再開発が着工延期に

・コロナ禍による急速な需要低迷が、図らずも過剰供給の実態を浮き彫りにしたということだ。

 

東京都と人口移動

東京都が人口減少してしまったのは、隣接3県などへ、30代夫婦を中心に流れたから
東京都の人口は1400万人を突破してすぐ割った

・「コロナ禍で東京一極集中の潮目が変わった」という見方も少なくないが、一極集中は依然として続いており、新局面に突入したと判断するのは早計のようだ。

 

都心へのアクセスが良い多摩地区東部は人口増加

・では、東京都を出ていった人はどこに移り住んだのだろうか?

 2020年の東京都からの転出者は、40万1805人と全国トップであった。転出者の行き先としては、埼玉県へ7万4659人、神奈川県へ9万1669人、千葉県へ5万6186人である。

 多くの人は「地方回帰」ではなく、東京圏の中で引っ越していたのだ

 

ペアローンは破綻リスクが大きい

・東京都を離れる人が大幅に増えた要因は大きく2つある。

 1つはテレワークによる在宅勤務やオンライン授業の普及だ。

 

・もう1つの要因は、コロナ禍の影響で収入が減少した人々が、住宅コストの高い都心部や駅前といった交通の利便性が高いエリアに住んでいられなくなったことである。

 

富裕層の「職住近接」の動きは続く

・郊外に移り住む人が増えると聞くと、かつてのような大都市のドーナツ化現象を思い浮かべるが、コロナ禍においてはそういうわけではない。

 東京都の郊外へと移り住むのとは正反対とも言うべき動きも目立つ。東京都の都心部にある高級マンションなどの売れ行きは好調であったのだ。

 

大都市圏と人口移動

コロナ禍が地方消滅のスピードを速めるのは、若い女性の東京集中を促したから

東京都に転入した数は女性が男性の3.5倍

・コロナ禍においては東京都の人口が減少したことを確認したが、全国的な人の動きはどうなっていたのだろうか?

 

・最初の緊急事態宣言が発出された4月の東京都への転入超過数は、女性が男性の3.5倍に上る。

 

・なぜこれだけの開きが生じたかといえば、東京都への転入者の大半が20代前半だからである。女性の場合、地元に希望する就職先がないために上京するケースが少なくない。こうした人々は、東京都の感染者数が多いからといって簡単に就職先を変更できるわけではない。感染リスクよりも就職先の確保を優先せざるを得ないということだ。

 

「東京」の意味が「東京都」から「東京圏」へ置き換わった

少子化が進む日本においては、出産可能な年齢の女性の人数が、その地域の将来人口を左右する。当たり前の話だが、どんなに人口が多い市町村でも、高齢者ばかりで溢れ、出産可能な女性が皆無であれば、その人口は減る一方である。こうした観点からすれば、コロナ禍は地方消滅のスピードをさらに速めたともいえる。先に、「閉鎖性」が地域経済の落ち込みに拍車をかけていることを指摘したが、それはこうした根源的な危機をも招いているのである。     

 

大阪府では「逆ドーナツ化現象」が起きる

・東京都では隣接県へ引っ越すという、ゆるやかなドーナツ化現象が生じ、大阪府は周辺府県から集める逆ドーナツ化現象が起きるというコントラストを描く結果となったことは興味深い。

 

日本の医療体制

「コロナ病床」が不足したのは、医療機関が「自由開業制」になっているから

2020年12月、病床の41.9%は使用されず

・コロナ禍は、医療提供体制の脆弱さも明らかにした。新型コロナウイルス感染症の人口当たりの感染者数が英国や米国などの10分の1以下だったにもかかわらず、病床が足りなくなるという、世にも不思議なことが起きたのである。病床不足は、繰り返し緊急事態宣言が繰り返し発出される事態を招いた。

 病床の不足といえば、「コロナ前」から団塊世代が75歳以上人口となり、患者数の激増が予想される2024年以降の懸念材料となっていた。コロナ禍が先回りして2024年以降の医療現場をわれわれに突き付けたということである。

 

長期入院患者の6割が「コロナ感染症以外」で入院を継続

・国や自治体からコロナ患者の受け入れを要請されても、小さな民間病院ではそう簡単に対応できないというのが実情なのだ。結果として、体制が整っている公立・公的病院、民間でも大規模な病院に患者が集中することになったのである。

 

「なんちゃって急性期」病床の是正のために

・そうでなくても、軽症者の大病院受診や、平均在院日数の長さ、あるいは、十分な医療体制を整えていない病院が、高度な治療を施す急性期病床を名乗って高い医療費を受け取る「なんちゃって急性期」病床の是正などといった問題の解消策として、病院間の徹底した役割分担の必要性は指摘されてきた。

 

救急搬送率は75歳以上になると跳ね上がる

消防庁によれば、年齢が高くなるほど搬送率は高まる。とりわけ、75歳以上になると跳ね上がる。2019年に搬送された高齢者のうち、4分の3にあたる266万2412人は75歳以上(搬送者全体の44.5%)であった。社人研の推計では、総人口に占める75歳以上の割合はこれから拡大する。

 

救急搬送者数は2035年頃にピークを迎える

・こうした需要の伸びに対して、救急隊員の確保は追いついていない。「消防白書」(2020年度)によれば、出動件数は10年前と比べて29.6%増加したが、救急隊数は6.6%増にとどまる。すでに需給バランスが崩れ始めているということだ。

 

日本を守る「切り札」5ヵ条>

コロナ禍は「社会の老化」を浮き彫りにした

同調圧力」が強まっていく

少子高齢化がもたらす最大の恐ろしさや弊害とは何だろうか?

 それは、総人口に占める若者の割合が小さくなることに伴って、知らず知らずのうちに社会全体の思考や発想、行動が「守り」に入るようになることである。

 

・コロナ禍は図らずも、そんな「社会の老化」の実態を浮き彫りにした。

 

若い世代を諦めの境地へと誘う

・大学とは、勉学だけでなく、恩師との出会いや生涯の友を見つける場である。こうした大切な機会を奪ってまで、オンライン授業にこだわるのはどうみても過剰な対応だと言わざるを得ない。

 

・「社会の老化」が恐ろしいのは、若い世代を諦めの境地へと誘うことである。

 

高齢者を守ることと若い世代の活動は両立可能

・すでに日本の経済回復の遅れを示す予測は出ている。2020年度の実質GDPは、前年度比4.6%減となり、リーマン・ショック時の2008年度の下げ幅(3.6%)を上回った。事実上、戦後最悪の落ち込みである。

 

“若い突破力に委ねるしかない”
・コロナ禍が人口減少を加速させることになり、日本はかつて経験したことのない変革を求められる。

 

・しかしながら、コロナ禍を経験し、多くの人が否応なしに激変を目の当たりにしたこのタイミングは、日本にとって人口減少対策に突き進むための、またとない「チャンス」ともいえる。

 

第1の切り札 国政選挙に「若者枠」を新設

若者全員が投票に行っても高齢者の票数に及ばない

・「社会の老化」を防ぐ政策を実現するには、政策決定の場を若返らせるのが最も手っ取り早く、有効な策である。したがって、第1の切り札は、衆議院参議院両院の選挙(国政)に「選挙区枠」「比例代表枠」と並ぶ、「若者枠」を設けることである。

 

菅首相は71歳、フィンランドの首相は34歳で就任

ドメイン投票法も検討すべし

・他方、「年齢枠」の創設と並んで、次世代の権利と利害を保障するためにドメイン投票法の導入も検討すべきだ。

 ドメイン投票法とは、まだ投票権を持たない子供の親に、子供の人数分の投票権を追加して与える仕組みである。例えば、18歳未満の子供が2人いる世帯なら、両親は自分の分を含めた4票を投じられるといった形だ。男の子のぶんを父親が、女の子のぶんを母親が投票するようにしてもよい。

 

・これくらいの抜本的な選挙制度改革をしなければ、高齢者向けの政策を優先しがちな現在の流れは止まらず、ますます若い世代の政治離れが進むことになろう。それこそ「社会の老化」を助長することに他ならない。

 

第2の切り札 中学卒業時からの「飛び入学」導入

社長の年齢が上昇するにつれ、企業業績は悪化

・第2の切り札は、「飛び入学」制度の導入だ。といっても、単に早く進学できるようにしようといったことではない。第1の切り札と同様に、世代交代を促す起爆剤として期待するものである。

 

・問題なのは、社長の年齢が上昇するにつれて、企業業績の悪化傾向がみられることである。

 

・中小企業の場合、社長が高齢で事業承継の目途が立たないとなると、設備投資の停滞や社員採用を手控え、事業が縮小し、業績の低迷を招く傾向にあるのだ。

 

世代交代の起こりやすい社会に変わるために

・企業の若返りに関しては、経営者に限らず、部長や課長といったそれぞれのポジションにおいても同じことが言える。優秀な若い世代を抜擢し、早く第一線に登用することが、「老いた国」では何より重要なのだ。

 

・「飛び入学」制度の導入の大きな意図は、優秀な学生・生徒を引き上げることはもとより、日本の組織文化の是正にこそある。ここで世代交代が起こりやすい社会に変わらなければ、「社会の老化」を勢いづかせる。

それだけでなく、子供が減る社会において横並び意識から脱却し、個々の能力を引き出していかなければ、それこそ日本が世界の中で取り残されるからである。

 

第3の切り札 「30代以下のみが住む都市」の建設

「ユースシティ構想」の最大の目的

・私は『未来の地図帳』において、各地に人口を集積させた「王国」を建設するよう提言したが、30代以下の若者たちの「王国」づくりもまた、日本を救う切り札となるかもしれない。第3の切り札は、「30代以下のみが住む都市」の建設だ。

 人口規模は、5万~10万人程度を想定している。こうした「ユースシティ」を全国に数ヵ所建設するのである。

 

「コネクティッド・シティ」の要素を加味する

・ユースシティで生み出されるさまざまなアイデアイノベーションの芽、文化、ブームといったものが停滞する日本の起爆剤や起死回生策となるだろう。

 

・ポイントは、単に集まり住むだけでなく、住民同士のコミュニケーションが進むよう交流の場を仕掛け、機会を設けることである。

 

トヨタ自動車が、静岡県裾野市にあらゆるモノやサービスがつながる実証都市「コネクティッド・シティ」の建設を進めているが、各社の新商品や新製品を使ったハイテクな実験都市としての要素が加味されたならば、イノベーションは進みやすくなり、新たなカルチャーの発信基地となる。新たな成長産業も生まれよう。

 

中高年の「しがらみ」に縛られないために

・ただでさえ他国に比べて若い世代の比率が低いのに、中高年の「理屈」を押し付けられ、「しがらみ」に縛り付けられたのでは、せっかくの“若さ”が台無しとなる。

 

第4の切り札 大学を共同キャンパス化する

20年後の大学生は今より3割少なくなる

・第4の切り札は、ユースシティのコンパクト版ともいうべきアイデアだ。大学の共同キャンパス化である。

 

大都市では超高層キャンパスにする手も

・キャンパスといっても、必ずしも広大な土地を必要とするわけではない。超高層ビルに入居する方式でも十分である。具体的に説明するなら、東京の新宿駅から徒歩5分の距離に、地上28階、地下6階建てという超高層キャンパスを持つ、工学院大学のようなスタイルである

 

第5の切り札  若い人々に英才教育をする

タフさを体得するために、国費留学を

・人口減少日本にとって、若い人々は宝である。その才能を育てていくことがこれから最も必要なことだ。本書が最後に伝えたい第5の切り札は、英才教育の必要性である。教育は「国家百年の計」であるが、資源小国である日本は優秀な人材を輩出し続けられるかどうかが国運を左右すると言ってよい。

 

・英才教育には2つある。1つは国費留学だ。人口減少社会を切り拓いていくエリート人材を育てるために、国を挙げてバックアップしていくことである。

 

<「結果の平等」よりも「チャンスの平等」を

・英才教育のもう1つは、「国家として必要な分野」の人材の育成である。勤労世代が激減していく今後の日本は、各分野で人材が少なくなっていく。

 

・とはいえ職業選択の自由が保障された日本で、強制的に特定の職種を増やすことはできない。そこで政府が「国家として必要」と判断した分野に限り人数を限定して、学費のみならず下宿費用などの学ぶために必要な経費のすべてを、国費で負担するのである。

 

若くして職人技を学ぶ人も不可欠

あらゆる分野で人手不足が広がっていくことを考えれば、若くして職人技を学ぶ人たちも不可欠である。そこで同時に、身に付けた技能が社会的ステータスとして正しく評価される認定制度を国としてつくり、相応の収入を得られるような仕組みを整える。

 

若い皆さん! 何度でも立ち向かおう

・「社会の老化」が露呈したこのタイミングを逃してはなりません。老いてしまった日本に、もうチャンスはあまり残っていないのです。

 

少子高齢化と人口減少という我が国最大の国難をコロナ禍が加速させた事実

・私を含めた中高年にもできることはある。1つは、自分の価値観や過去の成功体験を、若い世代に頭ごなしに押し付けようとしないことだ。若い世代の邪魔をせず、信じて見守ろう。