日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ 

コンタクティやチャネラーの情報を集めています。森羅万象も!UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象といわれます。

実際に日本はダントツで外国人が働きたくない国であり、男女平等世界ランキングも下位に沈み、いま手を打たねば先進国から転げ落ちる。

 

 

(2022/4/5)

 

 

『体育会系 日本を蝕む病』

サンドラ・ヘフェリン  光文社   2020/2/18

 

 

 

日本がクールであるために、海外の視点からいま伝えたいこと

「日本人の根性論なんて昔の話」は大間違い! パワハラ体罰過労自殺サービス残業、組体操事故など至る所で時代錯誤な現象が後を絶たない。全ての元凶は、絶対的な上下関係に基づく不合理な「体育会系の精神」だと、来日22年・日独ハーフのサンドラは見る。そのメンタリティは学校教育を通じて養われ、再生産され、この国の文化を形作る。実際に日本はダントツで外国人が働きたくない国であり、男女平等世界ランキングも下位に沈み、いま手を打たねば先進国から転げ落ちる。

 

なぜ今、「体育会系」が問題なのか

パワハラ、セクハラ、イジメ、過重労働………職場や学校、バイト、スポーツ界など日本のあらゆる組織で頻発する問題は、「ブラック」という言葉で表されます

 

・その危険性が指摘されているのに、相も変わらず運動会ではピラミッドが行われるのはなぜか。ブラック労働にも当てはまることですが、健康や命のリスクを伴い、合理的に考えると全く理解不能なことが、ニッポンの学校や会社ではごく普通に行われ、「日常化」してしまっています。なぜこうした事態が長年にわたって放置され続けるのか。

 私はその原因を「体育会系思考」と名付けます。それは戦後ずっと、日本列島に蔓延し続けているのです。

 体育会系の考え方の基本は「やればできる」というもの

 

・ニッポン型の「やればできる」は生ぬるいものではありません。もうとにかく外的な要素、寒いだとか眠たいだとか、周りの人が意地悪だとか、そういった状況を完全に無視して「本人にやる気さえあれば、どんな状況でも人は目標を成し遂げられるはず」といった、なんだか先の大戦を思い出させるような思考が今なお堂々とまかり通っているのです。

 

私のようにドイツで育った人から見ると、日本社会は今でも体育会系的な要素は濃厚なのです。

 確かに近年の日本では、昭和の時代に見られた「頭にハチマキを巻いて頑張る」というような「分かりやすい体育会系」は少なくなっています。

 

・この本を読んでいるあなたが女性ならば、とくに注意が必要です。日本社会では、女性であるだけで、気づけば周りから様々な「頑張り」が求められるからです。自分はそんなつもりがなくても、家族から、職場の同僚から、そして政府から「フルタイムで働きながら、子どもを何人も産み、家事と育児も完璧にこなし、老親の介護もして、いつも笑顔でいること」を求められていたりします。当然ながら、そんな要求を真に受けていては、女性は疲弊してしまいます。

 

・日本で母親が「ワンオペ育児」になりやすいのは、夫が仕事で忙しいという構造上の問題も大きいのですが、それ以上に世間で「女性は育児ぐらい一人でできるはず」という女性に対する根性論が横行していることが原因です。

 

・本書には、人生の様々な節目で、あなたが周囲に広がる理不尽な根性論に押しつぶされないための、コツやヒントを盛り込みました。

 

学校は「ブラック」の始まり

幼稚園選びから始めよ

・人生最初の「見極め」は幼稚園から。とはいえ、幼稚園に入る子は3~4歳児ですから、本人ではなく親が判断しなければなりません。

 まず、本人から見て「園児がみんなピシッとしていて素晴らしい」と思うような幼稚園は避けたほうが良いでしょう。

 この年代の子どもは「好きな時に好きなことをしゃべる」のが普通です。それが一切無駄口をたたかず、全員が列にサッと並んだり、子どもの声がやけに「とおる大きな声」だったり、そんな声で一斉に挨拶をしていたりしたら、危険信号です。

 

組体操があるか事前に確認

・次に小学校を見てみましょう。私立の場合は、多くの親が受験前に学校の教育理念や様々な情報を得ています。その際に、学校の主張を自分なりに解釈してみて、「その裏側にあるもの」を分析するといいかもしれません。

 

感動ポルノ

・少し前に「感動ポルノ」という言葉がありました。「24時間テレビ」関連でよく出てきた言葉ですが、健常者が障害者に課題を強いる形で、「一生懸命になって頑張る姿を見てみんなで涙を流す」というような場面を見ると、自分も感動しながら、確かに「感動したで終わらせるべき話ではないかもしれない」と思うことがあります。そうした「感動」は必ず時間の経過とともに私の中で後味の悪いものとなります。

 

「子どもがやりたがっている」はウソ

・ともかく、日本におけるピラミッドは一筋縄ではいかない問題です。大人たちは責任逃れのように「子どもがやりたいと言っていた」と言います。

 

親は子を守るための心の準備を

・ピラミッドを語る上で避けて通れない問題。それは「同調圧力」です。校長なり担任の先生なり子どもから見て目上の人が、「みんなでピラミッドを頑張ろう!」と言えば、それは既に決定事項であり、子どもたちに反対するという選択肢はありません。

 

「小学校便り」にビックリ

・とはいえピラミッドや組体操に関しては、メディアなどでもたびたび話題になり問題視されていますので、近年は学校側が大々的なアピールはしていないことも多く、運動会が近づくと「どこそこの学校は組体操をやるらしい」ということを子どもの安全を心配した保護者たちがツイッターなどのSNSに投稿するケースが見られます。

 

今の世でも「連帯責任」>

・まさにこのような現場が、「危険だと分かっていながら何も言い出せない大人」を作り出しているのです。何かヤバいことになりそうでも、「とりあえず我慢して声を上げない」ことが習慣化されてしまうのです。また「組織に迷惑をかけること」を過剰に問題視する姿勢が、日本で「産休や育児休暇をとる女性」や「時短で働く女性」に対して風当たりが強いことにつながっているのではないでしょうか。悲しいことにニッポンには、「産休は仕方ないけど、でもあなたは組織に迷惑をかけているよね?」という本音を持つ人は多いのです。

 日本の小学校には、組体操以外にも連帯責任を植えつける教育がなされることがあります。

 

「皆勤賞」という欺瞞

・子どもの「個」を無視しているものに「皆勤賞」があります。「毎日元気に学校に通うのはいいこと」を前提にしたものですが、現代の価値観に合わなくなってきていることは否めません。

 

・ただ「皆勤賞」に見られる「どんな時でも休まないのは偉い」といった価値観は、最近日本でも問題にされ始め、「皆勤賞」を取りやめる小学校も増えているというのはちょっといいニュースかもしれません。

 

中学からは軍隊の要素が

・今まで小学校で気を付けたい体育会系的な懸念事案としてピラミッドや組体操を例に書いてきましたが、生徒を校則などで縛りつけ服従させるという点においては小学校よりも中学校のほうが深刻です。

 中学校でやらされることの多くは軍隊的なイメージを伴っています。思春期になり自我が芽生え始めている子たちを、「上からむりやり管理してしまえ」という意図が透けて見えます。

 

・ニッポンで定期的に生活保護受給者バッシングが起こるのは、「自分が頑張っていれば貧困なんかに陥らないはず」という精神論の支持者が多いということです。しかし日本の現実は7人に1人の子どもが貧困だということです。

 

サンドラが見たヘンな職場

声が大音量の就活生

・怒鳴り声の主は女性面接官で、「自己紹介はもっと大きな声でお願いします‼ 」とキンキン耳に響いてきました。それに答える学生の自己紹介の声も負けず劣らず大きいこと。「一体何の発声練習なのかしら、もしかするとオペラ?」と思ってしまうほどの音量でした。

 

「営業成績掲示」の衝撃

・それにしても、ニッポンの営業の現場ではよく見かけますが、「営業成績を貼り出す」のも欧米人にとっては衝撃的です。

 

美人が多い会社に気をつけろ

・会社のトップの男性が、「社内の女性はみんな美人できれいであるべき」という方針の場合もあります。そのため、美容系の会社でもないのにやたらと若い美人が多く、全員が身なりもキラキラしている場合、「上がワンマン」な会社である可能性が高いと言えるでしょう。

 

「怪しいワード」集

・このように「ブラック企業」の特徴は必ずしも労働時間の問題だけではなく、健全な会社なら普通にやっていること、ここでの従業員の社会保険料を支払っていないということなども含まれます。たまに聞く、「会社で使う文房具は各自持ってきてください」というのもプンプン臭います。「業務で頻繁に電話をしなければならないが、会社から携帯電話は持たせてもらえず常に自分の携帯電話で連絡をしている」なんていうのも典型例です。

 

公用語を「英語」にしても中身は同じ

・数年前に社内の公用語を「英語」にした某大手会社。外国人も多く募集しています。実際に、そこで働く外国人も増えました。ただし定着率は低いです。社内公用語が「日本語」から「英語」になったからといって、その会社が「国際的」になったわけではありません。むしろ昔ながらの体育会系の気質がこの会社には変わらず蔓延し、その結果多くの欧米圏の社員には耐え難い雰囲気となっているよう。

 この会社では、新入社員が週末ごとに踊りの練習に駆り出されていました。年末の忘年会シーズンに各社が舞台で芸を競い合うための練習です。

 

とにかく叫ぶのが好き

・これは私サンドラの体験談です。20年くらい前、東京にあるドイツレストランでウエイトレスのアルバイトをしました。経営者はヨーロッパで長年修業をした日本人ですが、店の雰囲気はどこか体育会系でした。

 レストランでは、ウエイトレスがキッチンホールの人に伝票を渡す際に、「お願いします」を意味するドイツ語「ビッテシェーン」を大きな声で叫ばなくてはならない、というルールがありました。

 でも実は、ドイツには「ビッテシェーー-ン‼ 」といった感じで叫ぶ習慣はありません。

 

・私はこのルールが嫌で嫌で仕方ありませんでした。そのドイツ料理店では本格的なドイツ料理を出していて味は確かだったため、ドイツ人のお客さんも多く訪れていました。

 

外資系もブラックなことがある

・では、果たして外資系の会社が「ブラック」と無縁かというと、そうとも言い切れません。確かにニッポン特有の「みんなで団結して会社のために滅私奉公!」といった分かりやすい根性論は外資系企業ではあまり見られません。ただ、「操りやすい人材を好む」という傾向に関しては、一部の外国の会社もホメられたものではありません。

 

技能実習生というブラックな制度

日本の体育会系的な「闇」が顕著にあらわになるのは、アジア圏などからの技能実習生に対してです。彼らを朝から午前2時まで働かせたり、給料を2か月に一度数万円程度しか支払わなかったり、2年間の支給総額が200万円にも満たなかったりと、「時間」と「お金」のどちらの面でもあり得ないことばかりです。

 

パワハラ自殺大国

・外国人技能実習生だけが理不尽に悩まされているわけではなく、多くの日本人さえも苦しんでいるところにニッポンの闇があります。

 

・日本で生活していると、「行き過ぎた体育会系はニッポンを滅ぼす」と感じることがたびたびあります。先日はこの国を代表する企業トヨタで、社員が上司にパワハラを受け自殺しました。2019年9月11日、豊田労働基準監督署はこの件を労災認定しました。

 

「仕事=自己犠牲」なニッポン

・過労死が初めて問題になったニッポンのバブル期以降、世界では「日本人は仕事のためならハラキリのように命まで捨てる」と思われています。

 

・ブラック労働は業種を問わず、たとえば「俳優」でも、昔から「親の死に目には会えないと思え」という教えのようなものが当たり前と見なされてきました。

 

「頑張った」体験がブラックを引き寄せる

ブラック企業に入ったために自殺や過労死してしまった場合、これについて「会社や組織側が悪い」のは当たり前です。実際に被害者の一部は、会社はこれほどまでにブラックとは最初は分からなかった、という新人です。

 

嫌われるのはラッキー

・今思い出してみると、ブラックと思われる企業の面接を若い時に受けたことがありました。でも面接で落とされました。きっと会社側でも「この人には気合がなさそうだな」と見抜いてくれたのでしょう。

 こうやって落とされることは悪いことではありません。

 

入社後から外に人間関係を

・しかしイケイケどんどんの時代は終わり、今ようやく「一個人としての生き方」が見つめられるようになりました。ワークライフバランスや、会社の外で人間関係を築くことの大切さも提唱され始めました。何十年も会社だけの人生を送ってきた男性が、定年後に人間関係が希薄になり社会で孤立することが問題視されるようになりました。

 

「副業」でストレスがなくなる ⁉

・近年の大きな動きは「副業」です。みずほFGなど大手も副業を解禁し、一つの会社や一つの業務に縛られない多面的な人材がポジティブにとらえられるようになってきました。私自身も副業は賛成です。

 

女性に冷た過ぎるこの社会

女性をナメているニッポンの会社

・直接仕事とは関係がないことをルール化して社員を縛り、体育会系の雰囲気を作り上げている会社が日本では少なくありません。ただ、都会の企業よりも田舎の中小企業のほうがそうした傾向が強く「ビックリ規則」も頻繁に見られます。この国では女性をターゲットにした理不尽なルールが溢れているので、油断できません

 地方のある中小企業では、「女性の一人暮らし」を許していないのだそうです。就業規則などに書いてあるものではありませんが、ワンマン社長の方針で暗黙のうちの了解なのだとか。

 

・次のルールは、セクハラが問題になっている今の時代にはむしろ潔いかもしれません。それは「女性社員(派遣やパートも含む)を飲み会や慰安旅行などの親睦行事に誘ってはならない。会社内で個人的に食事や旅行などに誘うのも不可」というルールです。欧米人の感覚からすると、ニッポンではそこまで細かく規定を設けないとセクハラを防げないのかと考えてしまいます。しかしこのルールは、会社がセクハラを根絶したいという強い意志が伝わってくるので良しとしましょう。

 

「女性がラクすること」に厳しい

・毎年暮れが近づくと発表される「世界の男女平等ランキング」。19年、ドイツは153か国中の10位でした。一方のニッポンは121位。お尻から数えたほうが早い結果となってしまいました。この順位は日本として過去最低であり、今回ももちろんG7の中でダントツ最下位です。

 ニッポンの場合、女性に大卒が多く、医療へのアクセスも良く、「教育・医療」の面で女性はあまり差別されていないという結果が出ています。

 

・その反面、政治家や企業経営者に女性が極端に少ないのは相変わらずです。こういった場で女性が少ない背景に、日本のビジネスや政界が男社会だということがあげられます。

 

・日本で女性として生きていると、気がつけば「雑用を全部やらされていた」という場面がよくあります。ニッポンの社会というものは、会社でも家庭でも学校でも、とにかく女性に雑用をやらせたがるのです。

 

あなたを疲弊させる日常の罠

食洗機】 たとえば「食器洗い機」。夫婦での家事分担の話になると、女性側の意見として「私が食事を作っているのに、夫は食器洗いさえしてくれない」というようなことも聞きます。それはごもっともな意見ではあるのですが、よく考えてみれば「食器洗い」は機械に任せればすぐに解決できそうな問題です。

 

家事代行サービス】 働く女性の家事負担を減らそうと、家事代行サービスをやってくれる外国人に日本にきてもらう計画があるものの、実際のところ、欧米の国々と比べると、日本ではこの家事代行サービスを利用する人は思いのほか少ないです。ヨーロッパの中流家庭では、週に何回か数時間に分けて掃除のために家政婦さんに来てもらう「掃除代行」サービスをしばしば利用しています。

 

「自然分娩&母乳」教

・ドイツを含め世界の先進国では出産の際「無痛分娩」が主流となっています。よく理由を聞かれるのですが、ズバリ「女性が痛い思いをしたくないから」です。ところが、ニッポンではどうしたことか、「痛いから無痛分娩にして」と言えないような雰囲気があるのです。

 

・それにしても、ニッポンの「自然分娩」は、「悪い前例主義」とともに「とにかく女性が苦労することは素晴らしいことだ」という前提のもとに成り立っていて、21世紀の先進国として本当に女性として「ギャー」と叫びたくなります。

 

・大事なのは、「ニッポンの社会には女性に苦労させたがる闇がある」ということを自覚すること。そして、自分の選んだことについて周りからどんな「雑音」があろうと、それを無視する精神力を持つこと。そういう心構えがあれば、堂々と生きられるってもんです。

 

「夫の転勤」で女性のキャリアは終わる

・ニッポンでは「会社」というものが「男性」を中心に出来上がっています。既婚の女性を時に悩ませるのは「転勤制度」です。基本的に正社員は転勤の命令に逆らえません。逆らった場合には出世が望めないばかりか、左遷される可能性もありますが、女性が自分のキャリアを考えた時に、何年かごとに旦那さんの転勤先についていく場合、女性のキャリアには不利なことしかありません。

 

ニッポンの女性は一番「眠らない」

・先述した項目以外にも、ニッポンの日常生活には「女性を疲労させる小さな縛り」がいたるところに潜んでいます。小さくても日々積み重なれば、間違いなく女性のキャリアに支障をきたすようなものばかりです。でも「睡眠を十分とって元気でいる」ためには、そこを自らの判断で「削る」勇気が必要です。

 たとえば「手作り」というキーワード、そして「キャラ弁」。

 

政治家を働かせるには女性が「頑張らない」こと

・ニッポンで求められがちな「キラキラしていること」という要素は、他の先進国には存在しません。考えてみれば、母親が子どものお弁当のために朝の5時に起きるのは他の先進国ではやらないことです。化粧だってキレイに見える下地作りだとか、元気に見えるメイク等の雑誌の特集が日本では盛んですが、欧米では「すっぴん」がスタンダードだったりしますから、その分女性は疲労しないわけです。

 

・まず認識すべきは、女性が頑張れば頑張るほど、政治家は頑張らなくなるということです。育児を全部女性が頑張ってしまえば、政治家が保育園を増やす努力をしなくても良くなってしまいます。

 

PTAという大ボス

・ニッポンには「女の敵は女」という言い草があります。しかし令和の時代は、「女の敵は女」と思わない女が勝ちです! 言うまでもなく、女性が生きやすくなるためには、女性が女性の味方であることが大事。

 

外国人がカイシャから逃げていく

「雑巾かけ」に愛想をつかす外国人

・優秀な人材をそれに見合う部署に配属せず、「外国人だから」ということを連発するのはパワハラだと思います。「新人は皆同じ」「新人は皆雑巾がけ」とばかりに、この手のやり方を「平等」だと信じてやまない体育会系思考の闇は深いと言わざるを得ません。

 MBAを持った優秀な外国人が入ってきても「まずは現場から!」と地方の工場に配属させたり、マルチリンガルな人を国内営業部で日々方言を聞き取ることに使ったり。

 

「これはダメ」が基本の会社規定

・ドイツを含む欧米の会社では、業務上の出張に延長して現地で何日か休暇を取ることが普通に許されているところもあります。

 

出国外国人への批判

・(東日本大震災の)被災地では多くの死者が出ており、家を失った人、家族を亡くした人が大変な状況の中で頑張っていたことは広く知られていましたし、海外でも報道されていました。ただし「こんなに被災地が大変なのに、外国人は日本を離れてお気楽」というような意見が幅を利かせ始めたことに、日本に長く住んでいる筆者は暗澹たる気持ちにさせられました。「絆」という言葉のもと、他人の決断(たとえば日本を離れると言う決断)にケチをつけるということが堂々と行われていたのは、本来の「絆」の意味とは違う気がしました。

 

日本人同士もディスり合い

・ところで、この「被災地が今大変なのに、あなたは……」という視線は何も外国人ばかりに向けられたものではありませんでした。筆者の友達の日本人女性A子さんは当時横浜に住んでいたのですが、震災後、何か月間は精神的に具合が悪かったそうです。

 

「根性論×右寄り思想」は危険

・従来のニッポンの精神論「辛くても頑張る」と、アメリカ流の「常に前向きでポジティブに!」という生き方は、「混ぜるな危険」であります。

 

・過剰な「頑張り」にはそういった悪循環があると思います。自分が頑張り過ぎたり無理をすることで、他人にも同じものを求めたいという気持ちになります。自分の中で押し殺してきた「何か」が人を傷つけるのです。

 でもそこから抜け出す方法は意外と簡単です。自分が辛いと感じる原因の解消を目的にすること。

 

「出勤ぶりっ子」にご用心

・19年4月から、日本では海外からの新たな人材の受け入れ制度が始まりましたが、残念ながら、体育会系的な思想と外国人受け入れは「相性が悪い」です。そうでなくとも外国からやってきた人が日本で生活すること自体大変なことですから、そこは周りの日本人がある程度理解して寛容な対応をするべきですが、今みたいに体育会系的な思想が蔓延している日本の社会では、「自分たちも低い給料でこき使われているから、外国人がそれより低い給料なのは当然」「自分もブラックな環境で仕事を頑張っているのだから、外国人も厳しい職場で仕事を頑張るのはあたり前」というような考えが幅を利かせています。

 

大震災で分かったカイシャの非情さ

・日本の企業がイザという時に社員を大事にしないというのは、残念ながらここ数年ジワジワと外国人にも知れわたっています。きっかけはここでも東日本大震災でした。

 

・もちろんドイツを含むヨーロッパの国々にも四六時中仕事のことを考えている「ワーカホリック」は存在します。ただし、それは社長や経営陣の場合です。いわゆる平社員の「使われている立場」で、仕事のみを優先して考える人は皆無だと言えます。

 

「世代論」から抜け出せない人々

欧米は全員「ゆとり世代

・話が飛ぶようですが、19年のドイツの夏は例を見ない猛暑だったこともあり、トップレスで公園や川沿いなどで日焼けをしたり涼んだりする女性が多発し、これを警備の人が注意したところ「男性はトップレスで日焼けしているのに、女性ばかりがトップレスがダメというのはおかしい!」という抗議のムーブメントが女性たちの間で起こり、外国でも話題になったほどです。

 

・この例を見ても分かるように、ドイツにおいては「女性はブラジャーをつけるべき」だとか「女性だからビキニのトップをつけるべき」という類のことを言うことさえも「カテゴライズ」にあたる可能性があり、話題としてはセクハラ以前に非常に危険なゾーンなのです。

 

少子化だから産もう」なんて人はいない

・「ゆとりは打たれ弱い」などと一時期騒がれた「ゆとり世代」ですが、それよりもさらに若いのが「さとり世代」です。「さとり世代」は日本が不景気になってから生まれた世代だということも関係しているのか、世間では「欲のない世代」だとして話題になっています。

 

若者の「割り切り」は当然

・「最近の若い人は自分でモノを考えない」とか「最近の若い人は自発的に動かない」などと嘆く人こそ、いざ若者が自発的に動くと、「ホウレンソウ(報連相)を怠った!」などと騒ぎ出すのでタチが悪いです。「最近の新入社員はスマホばかりで対人スキルが低い」と言っている人も、自身がデジタル音痴ゆえに負け惜しみの場合があります。それに、「対人スキル」というのは人を非難する時に大変便利な言葉です。

 

上皇后も「アプレ世代」

・ここに書いていることもそうですが、「バブル世代」や「ゆとり世代」、「さとり世代」等の話になると、メディアではしばしば世代間の対立のように扱われます。

 

・第ニ次世界大戦中に子ども時代や思春期を過ごした世代が、戦後ニッポンでは「アプレ世代」と呼ばれていました。「アプレ」とはフランス語で戦後を意味する「アプレゲール」から来るものです。

 

「甘やかされると犯罪に走る」と考える人々

・昨年、練馬で元官僚だった父親が引きこもり状態の40代の息子を殺す事件がありました。「人に迷惑をかけると思った」と供述しています。

 

受験がきっかけの「教育の虐待」

・ちなみにドイツでも、昔は「子どもを甘やかすのは良くない」「子どもがヘンなことをしでかすのは厳しくしつけなかった結果」だという「教育論」がまかり通っていました。しかし今は、体罰を含むかつてのスパルタ教育は「黒い教育」と呼ばれ、子の人生を台無しにする非人道的な行為とされています。

 日本でも昨年、家庭での「教育虐待」が話題になりました。16年、名古屋では当時12歳だった子どもに受験勉強をさせていた父親が自宅で子どもを刺し殺しましたが、この父親は普段から「(勉強が)できないと殺すぞ」など息子にヤクザまがいの罵声を浴びせたり暴行をしていたといいます。これも一つのきっかけとなり、親による「受験」を理由にした「教育虐待」が問題となっています

 

尊敬できない親もいる

・どこの国にも「親は尊敬しましょう」という教えはあります。思えばあの「十戒」にも、「父と母を尊敬しましょう」という項目があるわけです。ただ近年のドイツではかつての体罰を含む「黒い教育」が問題視されていますし、ニッポン同様「虐待(制虐待を含む)する親」も問題になっています。

 先日、千葉県野田市の栗原心愛さんの虐待死亡事件が話題になりましたが、ドイツにも似たような例はあります。さらに欧米では「麻薬によって正気を失った親が子どもを虐待死させる」事件も多々起きています。なので当たり前ですが、世界的に虐待は見られ、麻薬が絡むとむしろ日本より残虐なケースも目立ちます。

 

若者批判は老人が何か言いたいだけ

・最近は高齢者もインタ―ネットを自由に操れるようになってきていますが、それでもたまに聞かれるのが「最近の若者はバーチャルな世界にばかり逃げて我慢ができない」とか、「最近の若者はインタ―ネットばかりで対人面が弱い」といった発言です。

 

ニッポンの明るい話

ニッポン流は最強

・今まで数々、ニッポン流「体育会系」の弊害や悪いところを書いてきたのに、最後の最後でそれはないだろってツッコミが入りそうですが、私は「一人でやる体育会系」が実は好きです。

 ドイツで育った私は、小中高時代、ニッポンの学校にありがちな部活のシゴキや受験勉強といったものとは無縁でした。もちろんドイツの学校にもそれなりのシビアさがあり、成績が悪ければ小学校でも落第しますし、その後に続くギムナジウム日本の中学・高校に該当)でも落第する生徒は珍しくありません。

 

周りが既に頑張り過ぎているから、自分がちょっと頑張ったところで全く努力は報われない。そしてもっと頑張らなくてはとさらに頑張るものの、相変わらず「努力は自分、評価は他人様」といわれます。相変わらず努力は報われず……。

 

「一人体育会系」の愉楽

ヨーロッパのような「ゆる~い」雰囲気のなか、自分だけニッポン流を実践すると、けっこう良い線行くというのが私の持論です。10代の頃のラテン語のテストで実証済みですしね。

 日本とは違う形で、実はドイツを含むヨーロッパの社会にはある種の「硬さ」があります。なんというか暗黙の決まりごとが多いのです。先ほども出てきた「予習してはいけない」というのもそうですし、「夏休みに勉強をしてはいけない」「週末に仕事をしてはいけない」「家族がいる時は何がなんでも仕事より家族を優先すべき」というような価値観が「絶対的なもの」としてヨーロッパでは幅を利かせているわけです。

 

上下関係も便利なことが

・近年のニッポンでも、たとえば「外資系企業では人間関係がフラットで上下関係がなくて働きやすい」だとか、色んな面で「フラットな人間関係」にスポットが当たる事が多くなりました。これまでは人間関係=上下関係といっても過言ではないほど、厳しかったということです。

 

実際、「先輩の立場が上」という概念がないドイツのような社会では争いが絶えないのです。

 ドイツ語には「先輩」という言葉さえありませんが、そういう環境では「どちらの立場が上」なのかが非常に分かりにくいわけです。

 

・そう考えると、ニッポンの「予め年齢や入社順」で決まる立ち位置も悪くないなと思うのです。一般の欧米人は日本の上下関係を見て、「自分の能力とは関係ないところで無理やり立場を決められるなんて嫌だ!」と思う人が多いです。

 

ヨーロッパはメンタル弱者が多い ⁉

・今まで書いてきた通り、精神論を重んじる体育会系的な考え方には弊害が多いですが、暴力や暴言を伴う「変な方向にいってしまった体育会系」でなければ、「良い集団生活」に一役買っていると思います。

 

有休の義務化

・ニッポンは欧米と比べると体育会系社会だ――本書では一貫してそう主張してきました。ただ、近年は「明るい兆し」が見られることも確かです。

 前でも触れた「有休」については、日本人の消化率の低さは異常です

 

・ドイツを含むヨーロッパでは10日間どころか3週間ぐらい続けて休む人も普通にいますが、日本では1週間の有休でさえ「長い」と言われます。だから、10日間海外旅行をしている人=学生さんと見なされてしまうわけです。

 

・ドイツでは1日に認められている最長の労働時間は10時間と書きましたが、何日か連続で10時間を超える残業があっても即違反になるわけではありません。多く働いた分を他の日に「調整」すれば問題ありません。つまり、残業した分を「お金」でもらうのではなく「時間」で調整するというわけです。

 

・ここでの「10時間」は、あくまでも1日の最長の労働時間であり、ほとんどの企業ではそれより少ない8時間でその日の業務を終了します。また、その日の仕事が終わってから次の就労までに、少なくとも11時間は空けなければいけない「インタ―バル規制」もあるため、従業員が過度に疲労することは日本と比べて少ないと言えるでしょう。日本も義務化への第一歩を歩み出したので、今後に期待したいのです。

 

市長の「育休宣言」

・愛知県西尾市の中村健市長(40歳)が19年11月から夜6時以降は仕事をしないという形での「育休」を取ったことが話題になりました。

 

中村市長が現職の身でありながら「育児休暇」を口にし、実践したということは、まさに「次世代の男性」の登場なのかもしれません。今の世界の先進国では「男性も育児をすべき」というのが共通認識ですし、市長の登場で「夜6時以降は仕事を入れない」と宣言したのは潔かったと言えるでしょう。

 

・そんなこんなで、当時は仕事といえば「なんでもアリ」で、パワハラの概念もありませんでしたし、ワークライフバランスだとか男性の育児参加などという発想からもかけ離れた状況でした。つい30年ぐらい前までの話です。当時は世間が「性別にそぐう役割」を勝手に人に割り当て、当事者がその役割に疑問を呈しても、“頑張りが足りない”とか“甘え”だと見なされ、まさに体育会系の時代だったと言えるでしょう。

 

・つい20~30年前までならあり得なかったこと、つまり公の立場にいる男性が育児のために仕事をセーブすることが可能になりつつあるのも今のニッポンなのです。貴重な一歩を踏み出したと言えるでしょう。

 

未婚の一人親に朗報

・昨年12月、自民・公明両党は2020年の税制改正で「未婚の一人親」について、年間の所得が500万円以下の場合、税負担を減らすことで合意しました。

 

・伝統的な家族の形を支持する自民党は当初、この制度の導入について「未婚を助長しかねない」としていましたが、結果的に改正されたのは、子どもの貧困を考える上でも、前進だと言えるでしょう。

 

札幌への変更は「前進」

東京オリンピックを間近に控えた昨年10月、国際オリンピック委員会はマラソンおよび競歩の会場を東京から札幌に移すことを決定しました。

 

・というのも、ニッポンでは何かと「前の人も大変な状況のなか、頑張っていたから」「既に正式に決まっているものだから」という理由で、本来は改善されるべき状況がそうならないことがよくあります(違法残業しかり、ブラック部活、学校の先生のオーバーワークしかり)。

 でも事情はどうであれ、心身に悪いものは悪いですから、キャンセルしよう、延期にしよう、場所を変えようという発想は決して「いいかげん」ではなく、人命を第一とした「臨機応変」です。そんなこんなで、東京から札幌への変更は、「勇気ある前進」だと言えるでしょう。

 

「身の丈」も体育会系

・荻生田氏のように立場上、国民を代表する人が「どんなに厳しい環境の中にあろうとも、上を目指すためには大事なのは本人の意思だけが大事」という考えなのであれば、文部科学省などの公共機関は「教育の機会の不平等」について何の対策も練らなくて良いことになります。

 

・残念なことに、令和の時代になっても「上に立つ者」の中には、「本人が頑張れば良い」という体育会系的な精神論が今なお生きていることがあらわになりました。

 

気合でもしつけでもなく犯罪

・今、ニッポンで足りないのは体罰=傷害=暴力行為=犯罪という認識です。

 

やっと公立にもエアコンが

・でも、19年9月1日のエアコンの設置状況を見てみると、設置率78.4%です。

 

体育会系の根性論

・でも、考えてみれば、体育会系的な精神論とは無縁な他のG7の国々だって、それなりにうまくまわっているわけです、だから、日本ばかりがマゾヒストのように「長い時間働かないと」とか「やっぱり子どもの部活に厳しさは必要」などとやってしまうのは百害あって一利なしです。

 

・個人が疲労してしまっては元も子もないので、キーワードは「もっと気楽にいきましょう」ということです。これほど誰でもできるシンプルなことはありません!

 

 

(2018/8/23)

 

 

 

 

『フランス人は1割しかお嫁に行かない』

親子3人パリに住んでみた

柴田久仁夫  東邦出版  2016/6/23

 

 

 

フランス人は1割どころか、お嫁になんて誰も行かない!?

「フランス人は、1割しかお嫁に行かない」

本当かな、と思いますね。この本を書いた僕でさえ、最初は半信半疑でした。でも実際に統計にあたってみると、2010年とちょっと古い数字ですが、20代フランス人の婚姻率は、12.6%しかなかったのです。男女に分ければ、わずか6.3%ずつということになります。

 この20代の数字に30代を加えても、29.5%にとどまります。単純に計算すると、14.75%の女性と14.75%の男性が結婚しているだけ。フランスではその後も婚姻率は下がり続けてるはずですから、「フランス人は、1割しか嫁に行かない」とうたっても、あながちウソではないと言えます。

 

一方でフランスは、事実婚率が他国に比べて非常に高いんですね。正式な婚姻手続きを取らなくても、各種社会保障などまったく同じように受けられることも、大きな理由のひとつです。この国では結婚せずに一緒に暮らし、家族を作ることに対し、社会的な偏見はほとんどありません。現職のフランソワ・オランド大統領からして、4人の婚外子のパパなのですから。

 

・なので今や事実婚の場合は、全カップルの50%に迫る勢いです。それを合せたフランス人の婚姻率は、むしろ日本より高いほど。そして出生率は日本をはるかにしのいで、平均すると家族当たり2人以上の子供がいるのは、ご存知の通りです。

 

・そもそもフランス女性には、「嫁に行く」という概念はありません(フランス語には「嫁」という単語がない)。本文でも詳しく紹介してますが、何百年も続くよほどの名家ならいざしらず、一般のフランス人家庭では、「家に嫁ぐ」という意識がまったくないのです。となると本書のタイトルは、いっそのこと「フランス女性は、誰もお嫁に行かない」がいいのかも………。

 

・この本はそんな結婚事情を始めとする、フランス・パリに暮らす僕たち日本人一家の見聞録です。

 

・そして、見た目は完全に日本人ながら、中身はフランス人的メンタリティがけっこう色濃い娘(こういうのをフランスでは、バナナと呼んだりします。そのココロは、「皮は黄色で中身は白い」という、身も蓋もないものです)。

 

<結婚>

<ごちゃまぜ婚も当たり前に>

・2年ほど前のフランスで、家族を扱った映画が大ヒットしたことがありました。『Qu’est-ce qu’on a fait au Bon Dieu?』、直訳すると、「神様、私たちがなにをしたというのです?」というタイトルの喜劇映画。日本でも『最高の花婿』という題で上映されました。話の展開は、きわめてシンプルなものです。

 裕福なブルジョワで、敬けんなカトリック教徒のフランス人一家がいました。ところが4人の娘たちのうち、上の3人が順にアラブ人、ユダヤ人、中国人と結婚してしまいます。ショックを受けつつ、義理の息子たちになんとか寛容なところを見せようとする両親。しかしついつい差別的な態度が出て、怒った娘たちは実家と絶縁状態に。そこで彼らは、末娘だけはなんとかまともなフランス人と結婚してほしいと願うのですが、その願いも空しく、末娘が連れてきた婚約者はアフリカ出身の黒人でした。しかも彼の父親は、かつての宗主国フランスが大嫌い。そこからドタバタが巻き起こるという粗筋です。

 この映画が面白いと思えるかどうかの境目は、おとぎ話と割り切ってすんなり物語のなかに入れるかどうか、だと思います。なにしろフランス人は日常的に、異文化、異宗教、異人種間のゴタゴタにさらされています。なのでこの映画のウソ臭さというか、最後は皆がわかり合い、和解するというあまりに安易なハッピーエンドぶりは、実生活では絶対にありえないとわかっているはずだからです。

 

それでも封切り2カ月で、1000万人を超える人々が映画館に足を運びました。ハリウッドの大作でも、なかなか達成できない記録です。人生に対してちょっと斜に構えたところのあるフランス人たちも、素直な気持ちでこの映画の世界に浸り、十分に楽しんだということでしょう。

 4人の姉妹が全員非フランス人と結婚するというケースは、さすがに現実にはほとんどないと思います。でも一族の誰か一人が国際結婚をしたという例なら、僕の周りだけでも、日仏カップルに限らずいくらでもあります。

 

・そういえばパリ在住の日本人なら誰でも、フランス人に道を訊かれた経験があるはずです。うちの奥さんも暮らし始めてすぐの頃、まだフランス語もろくにできないのに、いきなり道を訊かれて困ったと言っていました。

 

未婚じゃない、“非婚”の国

・話を結婚に戻しましょう。少し古い統計ですが、2013年のフランスでは23万1225組のカップルが結婚式を挙げました。1日当たりに直すと、630組。というとものすごく多いように感じますが、第2次大戦以来、最も少ない数字なんだそうです。結婚する人数は年々減り続け、さらに婚姻年齢は高くなっています(男性32.3歳、女性30.5歳。その10年前の2003年は、男性30.6歳、女性28.5歳でした)。晩婚化はフランスに限らず、日本をはじめとする先進国共通の傾向ですが、フランスの場合、結婚数の減少や晩婚化とは裏腹に、出生率は増え続けています。

 

・大きな理由としては、手厚い家族手当があるわけですが、もうひとつ「PACS」の存在も見逃せません。1999年に制定されたパックスは、同性異性を問わず、事実婚カップルに対して、法的婚姻関係とほぼ同等の権利を認めた制度です。税制、あるいは出産、子育ての優遇措置が受けられるもので、つまり法的に結婚していなくても、経済的なハンデを負うことなく家族が持てるわけです。その結果、パックスの申請者数は順調に増え続け、2013年には16万8126組に達しました。つまりフランスでは今や、一緒に暮らしているカップル10組のうち4組が事実婚、という計算になります。

 

そしてそんな保守的な人々をいっそう憤激させたのが、2013年に成立した「同性婚法」でした。

 この法律はひとことで言えば、「性別を問わず、誰でも正式に結婚できる」というもの。その結果、同性カップルも市役所で市長立ち会いのもと、正式な結婚式を挙げられるようになりました。しかしこの法律がなによりも革新的だったのは、「同性婚、および同性カップルにも、養子を迎える権利を認めた」ことでした。というのもそれまでのフランスでは、「養子縁組ができるのは、(同性、異性に限らず)法的婚姻者のみ」だったからです。パックスの成立で同性カップルも法的婚姻者とほぼ同等の権利を得られるようになりましたが、「子を持つ」ことまでは無理でした。それがこの同性法によって、養子縁組が全面的に認められたのです。

 

<ベビーカーと男性カップル>

・法律施行からちょうど2年が経った2015年5月、『ルモンド』紙が「同性婚カップルのその後」をレポートしています。それによれば、この間に正式に結婚式を挙げた同性カップルは、1万7500組。2014年に限れば1万件で、これは同年の婚姻総数24万1000件の約4%を占めるとのことでした。そのうち男性同士が54%と女性同士よりやや比率が高く、平均年齢も女性同士の43歳に対して50歳と、ずいぶん高めでした。

 

・では同性婚法の目玉とも言うべき、養子縁組はどうなったでしょう。彼らのうち721の女性カップルが養子縁組を申請し、この記事が出た時点で281件の縁組許可が下りたということです(男性カップルの申請数は、未発表)。

 

・とはいえ同性婚に否定的な首長が存在していることはたしかでしょう。そこにはカトリックの伝統的な考えも影響していると思われます。信者数が減少しているとはいえ、フランスは依然としてカトリック大国です。そしてカトリックにとって同性愛行為は、罪深い行いとされます。

 

同性婚の家族を扱った映画は、少なくともコメディの分野ではまだ出てきていません。笑い事ですませるにはちょっと生々しすぎる話題だと、製作者側が感じているからでしょうか。

 

<女たち>

<日本人妻はクリスマスにぐったり>

・それはさておき、それだけ大事なクリスマスですから、クリスマスプレゼントも気合が入ってます。日本だったら、小さな子供にサンタさんから贈りものが届く程度ですが、フランスの場合は家族全員が送り合います。

 

こうやって買い込んだプレゼントを自家用車のトランクに詰め込んで、フランス人たちは両親宅へと向かうわけです。

 しかしそんな習わしが、フランスの日本人妻にかなりの重荷になっているようです。経済的な負担もさることながら、1人ひとりに毎年違うプレゼントを考えないといけない。ある奥さんが嫁いだ一族は、ご主人が5人兄妹ということもあって、クリスマスには総勢24人が勢ぞろいするそうです。自分たちの家族4人分も含め、全員に違うプレゼントを買うわけで、これはたしかに大変な労力です。

 

フランスには結婚式や出産の際、事前に「欲しいものリスト」を作成し、プレゼントをくれそうな知人や友人たちに送付する、「リスト・ド・マリアージュ」「リスト・ド・ネサンス」という習慣があります。リストをもらった人は自分たちの懐具合と相談しながら、リストから商品を選びそれに見合った金額(あるいはその一部)を贈る、これならいらないものが贈られることもないし、贈る側の経済的負担も比較的少ない。実に合理的なシステムです。なのにクリスマスだけは、相手が喜ぶかどうかわからないものを毎年贈り続けている。

 

<実は「鬼嫁」だらけ?>

・フランスにも日本と同じような、いわゆる嫁姑関係はあるのか。これは、難しい質問です。そもそもフランス語に、「嫁」とか「姑」にあたる言葉はありません。第3者に紹介するときは、「義理の娘」とか「息子の妻」、逆の場合は「義父母」というだけです。

 何百年も続くよほどの名家なら話は別なのでしょうが、一般のフランス人家庭では「家に嫁ぐ」という意識がまったくないからだと思います。実際、「嫁と姑」の関係は、日本とはずいぶん違って見えます。

 

・こんな関係性を目のあたりにすると、フランスでは嫁姑問題なんて存在しないんじゃないかと思ってしまいます。そもそも両親が息子夫婦と同居することはほとんどなく、会うのはクリスマスとかだけですから、なおさらです。適度に離れて暮らしているぶん、いい関係を保てているんじゃないかと。

 ところがそんな僕の仮説は全然外れていると、冒頭で紹介した日本人の奥さんに言われてしまいました。「嫁姑問題は、日本よりはるかに激しいわよ」と、彼女は断言するのです。

だってフランス人の嫁は、性格がきついでしょう(笑)。どうしても義父母と、折り合いが悪くなってしまうのよね。私の知り合いとか義弟夫婦を見ても、うまくいっていないのが普通だと言ってもいいぐらい。言いたいことをあれだけはっきり口に出したら、うまくいくわけがないわよね」

そのあたり、ぐっとこらえる日本人妻のほうが、まだうまくいっているという主張でした。

 

・それはともかく、フランス人家族の実家との付き合いも、日本同様に決して簡単ではないということですね。嫁姑の関係に至っては、むしろ日本以上にうまくいってないところが多いのかしれません。

 

大統領のセクシーな私生活

・ひとつたしかにいえるのは、この国は恋愛に対して実に寛大だということです。なにしろ僕がフランスに来てからの歴代大統領はことごとく、1人の例外もなく女性問題を起こしているのですが、それが自身の進退に繋がるとか、轟々たる非難を受けたとかいうことがありません。

 たとえばフランソワ・ミッテランは大統領就任直後、愛人の存在について問われ、「エ・アロール?(それが、なにか?)」と平然と答えたことが、日本でもずいぶん話題になりました。しかしフランス国内でそのとき以上にミッテランの女性問題が大騒ぎになったのは、それから約10年後に写真週刊誌『パリマッチ』が、隠し子との2ショットをスクープしたときです。

 

<権力者に愛人がいるのは当たり前だ>

・次のシラク大統領は前任者ほど派手ではなかったものの、日本に合計80回以上も旅行したのは愛する日本人女性に秘かに会うためだったというのは、パリに暮らす日本人のあいだでは公然の秘密でした。これがサルコジ大統領となると、はるかにすごい弾けっぷりを見せてくれます。これまで3度結婚しているのですが、2度目の妻セシリアを見初めたのは、彼女が有名なTV司会者とパリ郊外の市役所で結婚式を挙げたときでした。市長として立ち会ったその式で一目惚れ。思いが募った末、のちに彼女を略奪してしまうんですね。

 ところが大統領に就任する頃には2人の仲はすっかり冷え切り、彼女はサルコジ支持者の実業家とニューヨークに駆け落ち。その後いやいや復縁しましたが、たしか就任式にも出席しなかったような気がします。サルコジはまもなく離婚し、わずか3カ月後にはトップモデルで歌手のカーラ・ブルーニと再々婚しました。3年後、女児が誕生。「フランスの歴史上初めて、在任中パパになった大統領」と、当時のニュース番組でずいぶん揶揄されました。

 

・現在のオランド大統領も、この点では負けてません。長年事実婚だった女性政治家とのあいだに4人の子供まで設けましたが、大統領就任前にその関係を解消。未婚の大統領というのも、たしかフランス史上初めてだったはずです。その後、有名ジャーナリストと事実婚となりますが、大女優と密会していたことをまたも『パリマッチ』にすっぽ抜かれ、奥さんにはさっさと去られ、ついでにこれまでの行状を逐一暴露した本まで出版されてしまいます。

 

<「子供の送り迎え不倫」なんてのもアリ>

・知り合いに、子供を音楽学校に通わせてる夫婦がいるんですが、彼らが特に仲良くしているファミリーは、全員が母子家庭なんだと言ってました。フランスで小学校から音楽専門学校に通う子供たちは、9割以上が両親ともに音楽家です。そして多くの場合、裕福な音楽一家の出です。つまり音楽家の子供が、代々音楽家になっていくわけです。

 ところがそんな音楽家の夫たちに、若くて野心的な女性音楽家の卵が猛烈アタックを掛けてくるんだそうです。彼らはあえなく籠絡され、家庭を捨てて若い愛人の元へと走ってしまう。奥さんたちの実家は裕福ですから、生活の心配はない。かくして母子家庭が、増殖していくんだそうです。ちなみに若くて野心的な女性音楽家の卵に走った夫たちは、たいていの場合ほどなく捨てられるということでした。

 こういうのは、いかにも芸術家らしい特殊なケースかもしれません。でも中学生の我が娘の通っているごく普通の学校でも、恋愛大国ぶりは存分に見られます。

 

パリのマダムは、老いても老けない

・冒頭に出てきた日本人妻サチエさんは、そんなフランス女性たちを指して、「だからパリのマダムは、女子力が高い」とは、女性の魅力に溢れている、女であることをあきらめていない、あるいは女性性を前面に出している、というほどの意味でしょうか。

 たしかに彼女たちはいくつになっても、自分が女であることを主張し続けているというのは、純粋な僕も日々感じているところです。そしてパリのマダムの女子力が高いのは、まさに男性陣が彼女たちを女性として扱ってくれるからというのが、サチエさんの持論なわけです。

 

 

 

『日本が全体主義に陥る日』

旧ソ連邦・衛星国30ヵ国の真実

宮崎正弘   ビジネス社   2016/12/7

 

 

  

ソ連崩壊から25年—―全体主義の呪いは本当に解けたのだろうか

・日本でも戦後70年以上を経て、やっとこさ「歴史の真実」が次々と明るみに出始めた。

 フーバー大統領はルーズベルトを「狂人」と呼んでいた事実が判明した。ようやくフーバー回想録の邦訳が日の眼を見た。

「ヴェノナ文書」はソ連コミンテルンのスパイたちの交信記録である。「1940年から1944年にかけて、アメリカにいるソ連のスパイとソ連本国との暗号電文をアメリカ陸軍が密かに傍受し、1943年から1980年までの長期にわたって国家安全保障局NSA)がイギリス情報部と連携して解読した」(江崎道朗『アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄』祥伝社新書)。

 

・要は日本に戦争を仕掛けたルーズベルト政権にはコミンテルンのスパイがごろごろといて幹部の位置を占めており、不都合な情報はすべて握りつぶし、大統領をたぶらかして、なんとしても日米開戦へもって行く目的があった。アメリカを使って日本をたたきつぶす」というのがコミンテルンの当初からの秘密の戦略だった。日本が消耗し、その隙をつけばシナ大陸は共産化し、東欧諸国もごっそりとソ連影響下にいただける。

 ヤルタの密約でスターリンに騙されたルーズベルト、ワインを飲んでいたチャーチル。戦後、「中国と欧州を失ったのは誰か」と議論されたが、時すでに遅く、各地で共産主義独裁が成立していた。

 体制批判者は粛清され、国民は党の命令に背けば刑務所か労働改造か、あるいは処刑が待っていた。このため多くの知識人が沈黙を余儀なくされた、世界中で数千万の無辜の民、民主を求めて独裁と戦った知識人が消された、コミンテルンに呼応したアメリカにおけるソ連のスパイはルーズベルト政権の内部、それも政策決定権を持つレベルに浸透したばかりか、政党、マスコミ、教育界、労働組合に浸透した。キリスト教会、とりわけプロテスタント系にも、共産党と組んで偽装組織を雨後の筍のように増殖させた。YMCA、YWCAも工作された青年組織も根こそぎ共産党の「人民統一戦線」という戦術に騙されてしまった。

 

<民主主義をはき違えていないか>

田中角栄以後、日本の政治は官僚政治から党人派政治となり、彼らには国家安全保障の根幹が希薄なため「介護」「待機児童」など枝葉の議論が優勢となった。「防衛」「憲法」「安全保障」は二の次であり、テレビの政治番組は目を覆うばかりに劣化し、背骨のないポピュリズムが蔓延し、声の大きい者、組織がバックにある者が当選しても理想を説く政治家は遠ざけられる。国家の基本は安全保障、つまり軍隊と警察の重要性がすっぽり日本の政治議論から抜け落ちている。

 政治家の役目とは理想と現実のギャップを一歩一歩埋めていくことだが、戦後日本は「理想」を喪失しており、国民も政治家にそれを求めなくなった。

 聖徳太子ソクラテスアリストテレスもいない日本では理想に邁進する政治家は疎んじられ、カネと現実のどぶ板選挙で濾過された、ひ弱な人間が政を司る。この現状にまっとうな政治を待ち望むことは絶望的かもしれない。

 しかしそれでも全体主義よりマシな制度と言わなければならないだろう。

 

旧ソ連圏の大反転>

全体主義とはけっきょく、イデオロギーであり、一神教(宗教)であり、排外的ナショナリズムの狂気であり、生存への不安、焦燥、恐怖がある日、飢えや死から逃れようとして、狂気の行動を取るのだ。1917年のロシア革命、1949年の中国共産革命は大量の流血をともなって全体主義国家を産んだ。

 その影響はソ連の衛星国(東欧、モンゴルなど)と中国共産党の衛星国(ラオスカンボジア)などを産んだ。そして全体主義共産主義の悪性ウイルスは世界にばらまかれ、あちこちに愚行が繰り返され、悲劇を産む一方で、植民と経営に失敗した欧米列強は、皮肉にも被植民地からの移民を大量に受け入れ、ナショナル・アイデンティティ喪失の危機にさらされ、歴史の報復を受けている。

 この点で日本は海洋国家であり、単一民族であり、多神教であるがゆえにユーラシアが体験した全体主義とは無縁でいられた、歴史の僥倖に恵まれたとも言える。

 しかし、一度は破産したはずの共産主義あるいは社会主義運動が、ソ連崩壊以後は「グローバリズム」の隠れ蓑に本質を隠して、世界をグローバリズムという一神教思考で統一しようとした。そうだ、グローバリズムという妖怪も一種全体主義的である。

 その破産が世界中で現れ、米国にトランプ現象、英国のEU離脱、ドイツの新党運動も、いやイタリアにもオランダもフランスも政権与党を窮地に追い込むか、敗北させている。これが現代世界である。全体主義との戦いはまだまだ続くのである。

 

<むしろ全体主義に転落しそうなのは日本ではないのか>

<西側は言葉の戦争で負けている>

・「地球市民」「ボーダレス」「新自由主義」などの言葉は響きが良く耳障りにならず、まさか共産主義全体主義の裏返しであることに気がつく人は少ない。いまはやりの「グローバリズム」とはかつて熱病のようにもてはやされた共産主義のメダルの裏側である。一種の全体主義なのだ。

 東西冷戦は自由主義諸国が勝利してソ連が崩壊した。中国は極度に警戒し、独裁体制を引き締めたが、共産主義イデオロギーは雲散霧消した。

 それから四半世紀を閲したというのに日本のメディアはまだまだ左翼偏向が強い。というよりGHQの洗脳から逃げきれない人たちが時代錯誤の暴論を繰り返している。彼らの好きな言葉は「平和」「市民」「反戦」である。

 事実に即さない、想像上の虚構から勝手に論理を組み立てた観念的な暴言が、あたかもラウドスピーカーのごとく左翼の大手新聞やテレビに登場してくる。このため一般読者を惑わすのである。

 

・ジャーナリスト自らが左翼のプロパガンダを拡大するという役目を担わされていても、それを自覚していない。自覚がないのに、ある程度の影響力を行使ができる人を「無自覚のエージェント」(UNWITTING AGENT)という。典型はかの鳩山由紀夫元首相だろう。影響力のある代理人」として中国やロシアの使い走りを自ら引き受ける。

 この区分けはスタニスラフ・レフチェンコ証言でも頻繁にでてくる。

KGB工作員だった。主として日本のメディア工作に当たった。80年代初頭にアメリカに亡命し、議会証言をしたが、当時の日本のメディアの中にうごめいた「ソ連代理人」を具体例とともに挙げた。議会証言録は筆者が翻訳した(『ソ連スパイの手口』山手書房、絶版)。

 

・「平和」への信仰ぶりも同様である。

 中国、韓国のでたらめな歴史観に基づく強制連行、慰安婦=性奴隷、大虐殺など、日本はまさかとは思いながらも誠実に弁明し、釈明し、事実を認めたかのような謝罪を繰り返して、世界の笑いものとなった。謝罪とは日本以外の国では「金銭の補償」という意味である。この日本批判の合唱に巧妙に便乗してドイツ、英国、そして米国が日本を貶めるキャンペーンをしゃあしゃあと繰り出している。

 いずれも自らの過去の残虐さ、たとえば広島、長崎などの戦争犯罪を隠蔽するのに中国、韓国の日本批判は格好の隠れ蓑というわけだ。

 日本の目の前の脅威は指摘するまでもない。北朝鮮の核爆弾と、中国の軍拡を等閑視している日本のメディアの危うさ。

 かれらは「平和」という魔法の妖術を用いて大衆をたぶらかし、中国と北朝鮮の軍事力は「脅威」ではないと言いつのり、防衛を強化することに反対してきた。日本の防衛費は世界の常識であるGDPの2~3%の半分以下、これでは独立国家とはいえないのではないか。

 

軍国主義ファシストは中国だ>

・日本の隣には「北の核」に加えて、もう一つの独裁国家がある。

 醜悪な独裁体制で、情報をすべて統制し、国民を洗脳し、戦力を日々強め、日本に侵略を準備している国がある。日本の目の前にあって、不気味な軍事力威嚇を続ける中国の現実である。

 中国は問題をすり替えるために南京大虐殺という嘘放送を声高に繰り返し、不都合な事実を葬る。この遣り方に英国もドイツも黙っている。米国は広島・長崎、東京大空襲における大虐殺をほおかむりし、日本が残虐であったことに歴史を改竄した。

 

<「会議は踊る」、いまも踊る>

・英国の場合、この国はもともと連合王国である。女王陛下の権威は宗教が裏打ちしている。カソリックから別れた英国国教会が支配し、これを不服としたピューリタンは英国から海を越えてアメリカ大陸へ渡った。第2次世界大戦は、植民地支配が瓦解、ここへ旧植民地のインド、パキスタン、ナイジェリアあたりからどっと移民が混入し、EU加盟後はポーランドからも100万人、これでは伝統的歴史的価値観は喪失寸前となる。

 

・米国の場合、共通の目的は自由、民主、人権、法治となり、ファミリーヴァリューを尊ぶという共通性はあっても、多彩な宗教は国家の統一性を形成しない。このため政府と納税者、利益団体、地域エゴ混在、連帯感が欠如する。大統領選挙に見られるように、国家目標の分裂、政治の多元化は国内のまとまりをさせないという反作用を産みやすい。

 

全体主義の呪いは日本で解けず>

・かくて日本ばかりか世界中で言語空間はおかしくなり、その混乱を衝いて左翼的な人々が全体主義の隠れ蓑として「反戦」「反原発」「環境」「男女賃金格差」「同性愛結婚」「ヘイトスピーチ」など面妖な言葉による、新しい洗脳工作が継続されている。

 

・中国でもネットで世界情勢が把握できる時代となったのに、精神的には全体主義の呪いが解けたはずなのに、中国人は崇高な芸術作品を追求するのではなく、目の前のカネ、贅沢な物品に狂奔し、精神性は極度に軽視され、拝金主義全盛となった。

ならば、日本は?

 これほどの自由を享受している国でも、左翼の洗脳効果がまだ尾を引いていて本物の絵画や音楽、小説は現れていない。

芭蕉西鶴もいない昭和元禄」は「平成元禄」となったが、過去に『源氏物語』や『古今集』を著して日本人の精神を高らかに謳歌したのは昔話。それこそ「文学の真昼を経験した民族には夕暮れを待つしかない」(三島由紀夫『日本文学小史』)という悲惨な状況に埋没したままである。

 グローバリズムの最先端を競うような亜流の思想か、黄昏の芸術、文学しか望めないのだろうか。全体主義の呪いはむしろ現代の日本に残留しているのではないのか。

 

ラトビア全体主義

ラトビア全体主義という命題で、過去を考えると、やはり「リガの虐殺」というユダヤ人抹殺にラトビア人が手を貸した事実を避けるわけにはいかない。

 ホロコーストナチスの仕業ではあるが、実際に手を下したのはナチスでもドイツでもないケースが夥しいのである。悪名高いアウシュヴィッツポーランドであり、ウクライナでもベラルーシでも、あるいはロシアの大地でもナチス以前にユダヤ人虐殺の「ポグロム」が行われた。

 リガの虐殺はフォーサイスの『オデッサ・ファイル』にも詳しく書かれている。

ユダヤ人虐殺の97%はドイツ国外で行われ、殺害者の半数はドイツ人でもなかった」(ティモシー・シュナイダー『ブラックアース』慶応大学出版会)。

 

・それは国家が崩壊し、生命が脅かされ、資源、土地、食料の限界が見えたときに襲われる生存パニック土台になったときに起こりうる。近年もルワンダブルンジで、そしてスーダンで私たちは大量虐殺を目の前にした。

 中国の文革前後、数千万の人々が餓死、あるいは虐殺された。

 シュナイダー(エール大学教授)は、異常気象と食糧危機が再現し、国家が生存を保障するシステムを喪失すれば、ホロコーストはまた起きうると警告している。ラトビアに限らず、南隣のリトアニアでも、ユダヤ人虐殺はあった。

 

 

 

『あるオランダ人の「昭和ジャパン」論』

――不確かな平成から見た確かな昭和――

ハンス・ブリンクマン   ランダムハウス講談社  2009/10/8

 

 

 

<サラリーマン現象>

・戦後の日本において根本的に変わったのは自然環境や都市生活だけではない。新たに生まれた「サラリーマン」という就労集団により、日本の経済は大きく成長しようとしていた。月給取り(salaried workers)はどこの国にもいるが、「サラリーマン」は日本だけにしかいない。月給取りとサラリーマンは似ても似つかぬ代物だ。だから「サラリーマン」という言葉は、れっきとした日本語なのである。

 

アメリカやヨーロッパでは、月給取りとは雇用契約を書面あるいは口頭で交わした人のことで、彼らの年齢は様々だ。契約は雇用主が解約する場合もあるし、

その逆の場合もある。しかもそうした解約はしばしば起こる。一方、戦後昭和のサラリーマンとは、高校もしくは大学卒と同時に企業に就職し、終身雇用が保障された就労集団だ。

 

・それでもこの奇妙な「現代版奉公契約」とも呼べるサラリーマンの健気な勤労態度は、昭和の日本を象徴する不朽のシンボルとして懐かしく語られる。

 

日本の職場は今も昔も「和」とそこから導かれる「平等幻想」に重きがおかれてきた

・勤勉で職場の和を乱すことのない人物だったら問題なく昇進できた。上層部の役職は別として、年功序列のおかげで昇進は能力に関係なく約束されていたので、初めは少ない給料も確実に増えた。

 

<サラリーマンは近視がち?>

・サラリーマンという職業はかつてもっとも望ましい職業とみなされ、中流家庭出身の若い女性たちは競って有望な独身サラリーマンと結婚したがった。日本の復興と高度成長に貢献し、豊かな中流層の台頭をうながしたのがサラリーマンだったといえよう。

 

文明の衝突を避ける>

・私が働いていたオランダの銀行には三つの日本支店があり、管理職に就いていたのはオランダ人駐在員だったが、残りの行員は日本人だった。

 

・そこで役だったのが番頭制度だった。おそらく19世紀末以降、日本で商売をする外国の貿易会社などもこの制度を活用していたにちがいない。番頭には執行力をともなう権限はなかったが、管理職側からも従業員側からも信頼されていたので、いわば組織の長とみなされた。

 

<日本の柱――労働者たち>

・日本の農村部はこれまで政府から特別の待遇と保護を受けてきた。政府与党の権力維持にとってそうした農村地域は重要な票田であり、自民党議員は米作農家への補助金を約束することで、農家の票を確保してきた。

 

・あの頃、農村部と都市部の票はほぼ同等だった。その後、何度か調整はされたものの、適切な比率に及ばない。現在の農村部における一票は都市部のおよそ三票に値する。一、二度あった、長続きのしない政権交代を除き、ほぼ半世紀にわたり自民党が権力の座についていたのも、このおかげだったにちがいない。

 

<まずサービス、それから睡眠>

・高度経済成長期、工業地帯や都市部では、いわゆる労働倫理の考えが広まり、単純作業労働者も含めたすべての労働者に対し、常に「身体を動かす」ことや「完璧さ」を求める傾向が強まっていった。これは今でも変わらない。

 

・ヨーロッパが過去40年ちかく大量の外国人労働者を受け入れた理由は、暮らしが豊かになるにつれ自国の人間が単純労働に従事したがらなくなったからというが、日本人にはそうした労働に対する躊躇のようなものがないようだ。

 

<セックス・アンド・ザ・ジャパニーズ>

<取り繕った表情の裏には・・・>

・ビジネスマンや官僚が手軽で、後くされのない遊び、たとえば、昔の赤線地帯で愉しめたような、酒と女が主体の遊びのようなものを好むようになったため、芸者遊びはすたれていったともいわれている。1956年、売春防止法が制定され赤線は廃止されたものの、当然のごとく売買春は法の目をかいくぐって、時にはもっといかがわしい手段をとるようになっていった。

 

温泉でのハプニング

・外国人ということに加え、禁欲主義的な上司のおかげで、私自身は「洗練された好色な愉悦と遊戯」を体験する機会にあまり恵まれなかったものの、一度だけ例外があった。日本の某鉄鋼メーカーとの設備投資に対し、私たちの銀行が5年間のローンを提供したところ、お礼ということで九州の温泉旅行に招待された。銀行と鉄鋼メーカーの日本人と外国人の混合グループは飛行機で出かけた。山間の旅館に到着すると、さっそく大きな畳の間で宴会がはじまった。都会の洗練された芸者よりいくぶんか劣る地元の温泉芸者は、酒やウィスキーやきわどい冗談をしつこく勧めてきた。

 

・無邪気で無害な楽しい宴会は、あっという間に乱痴気騒ぎと化した。ひとり、ふたりと芸者の身体を触りはじめる者が現れ、相手を見つけるとただちに連れ立って各自の部屋へ退散しはじめた。あれほど紳士然としていた同行者たちがこれほど急激に豹変するとは、まったく驚いてしまったが、私も負けじとばかり、豊満な身体の田舎娘と一緒に風呂に浸かることにした。

 

・彼女の魅力は始めから終わりまで笑顔を絶やさなかったことぐらいだ。出された食事はまあまあだったし、全体的な雰囲気も官能的と言うより家庭的であったが、私としてはせっかくの週末を無駄に過ごしたと後悔した。それよりむしろ、銀行と顧客の健全であるべき関係に、明らかに好ましくないセックスのサービスが持ち込まれたという事実に私は苛立ちをおぼえた。

 

・こうしたいかがわしい乱痴気騒ぎも、当時だんだんと広まっていった企業ぐるみの海外セックスツアーに較べれば、微罪にすぎなかった。そうしたツアーの最初の行き先は台湾だった。現地の人が日本人男性や日本語に慣れているということで、北投温泉などへ出かけた。

 

・セックスツアーが盛んになるにつれ、各地で人権運動家たちは抗議のデモを展開した。しかしそうした抗議にも屈せず、80年代から相も変わらず日本企業のセックスツアーは執拗に続き、衰えることはない。

 

・「この問題の核心は、セックスツアーが公認のビジネス慣行のひとつとなってしまったことだ。企業はアルコールのようにセックスを接待や社員の慰労目的のために使っている」

 

・日本のビジネスマンだけが仕事の付き合いでセックスを利用していた、あるいは今でも利用しているわけではない。他のアジア諸国もビジネスにセックスをよく持ち込むといわれているし、アメリカやヨーロッパで生じる大スキャンダルを見ても、疑わしい取り引き(すなわち賄賂)のためにセックスを手段として用いることがしばしばある。しかし、日本がよそとちがうのは、集団で行うという点だ。

 

・たとえば2003年9月に起きた事件などはその典型といえよう。中国の珠海の5つ星ホテルが地元当局から営業停止処分を受けた。そのホテルで、5百人ちかくの地元の中国人女性が、16歳から37歳の日本人男性4百人を相手に売春行為を働いていたためだった。

 

<新しい日本女性>

・昭和の頃の日本の女性といえば「夫に仕えるおとなしい主婦」だった。それから、日本女性は目に見えて進歩した。男女同権を求めるだけではなく、結婚生活に不満があれば、ひと昔前に比べ今では離婚する傾向が強い。現在日本では、4組に1組が離婚するといわれている。2007年4月1日、離婚後も妻は夫の年金の半分を受け取ることが可能となる法律が施行された。この年金制度のおかげで「熟年離婚」は急増傾向にあるという。しかも離婚申請の9割は、妻からの三行半だ。退職した夫と46時中一緒にいることに馴染めないというのが最も多い理由らしい。

 

<もっとも重要な課題>

・本書では、おもに日本の社会と文化、そして多少の経済問題を中心に扱っているので、政治体制や政治家のモラルなどについての分析は不適当だろうし、私自身にはその力量も資格もないが、個人的な感想としては、日本の政治には緊急の大革新が必要だと思う。日本の政治にある程度明るい人間ならだれでも、政情の退屈さにうんざりしているにちがいない。

 

・その主な原因は制度を変えようという意欲がないからだ。2005年、衆議院(480議席)で新しく選出された国会議員133人の28パーセントは2世3世議員というのは、由々しき事とはいえまいか。さらに、その新米議員の平均年齢は52.3歳。国会における女性議員の割合も10パーセントに及ばず、経済協力開発機構OECD)加盟国のなかでは日本は最下位から2番目だ(最下位はトルコ)。

 

人口減少問題の解決策を模索し、そしてもっと啓蒙された政治をめざす。これが、日本の重要な課題だ。>

世襲ジェンダーだけが政治改革の足枷になっているわけではない。統治の基本的なとらえ方そのものが問題だ。つまりそれは、政財界の大物が物事を決めるという文化から脱却し、有権者に対する開かれた議論へ移行することにより、日本は民主主義に対する本質的な信頼と理解を得ることができるだろう。

 

・既得権と政治的慣行が足を引っ張りあう現在の権力構造の内側から変わることは期待できない。それより、自らの洞察力を信じ、同世代の人々をまとめてゆける若者が、マンネリ化した現状を打開しなくてはならない。そうすれば、有権者の政治参加も刺激されるにちがいない。

 

 

  

『ガイアの法則』

 千賀一生  徳間書店   2010/1/30

 

  

 

 シュメールの叡智と9・11テロ

・それは、ロスチャイルドフリーメーソン、あるいはアングロサクソンをはじめ、近代文明をリードした様々な世界的組織や財閥、あるいは民族は、そのルーツを探ると、基点となる場所がなぜか、ロンドンという一点に集中しているという事実であった。

  なぜこんなにもすべてがロンドンに集中しているのか。その裏に何かがあるような気がして私は、疑問でならなかったのである。

 

だが、同時にロンドンは、アングロサクソンの歴史の始まりの地でもあるイギリスやアメリカを作り上げた彼らは、もともとはドイツ人であったが、イギリスに移住してから、アングロサクソンとしてまったく別民族のように脚光を浴び、発展を続けた。彼らの中心地がやはりロンドンである。彼らアングロサクソンの国、イギリス、アメリカと言えば、言うまでもなく近代から世界をリードし続けた国である。

 

・と同時にロンドンは、様々な世界的秘密結社の歴史的本拠地でもある。「エホバの証人」や「モルモン教」をはじめ、多くの近代の世界的新興宗教団体の創始者は、これらの結社の一員であった経歴を持ち、まるで近代の世界的宗教の出生地もロンドンであるようにさえ見える。

 

・さらに言えば、ロンドンに拠点を構えて世界的に成功した経営者や企業は不思議なほど多い。なぜすべてがあの小さなロンドンに集中しているのか、私には何かありそうな気がしていたのである。

 

・私は、すべてがロンドンに集中する理由を、私たち一般人が知らない巨大な組織があって、その本拠地がロンドンにあるからではないかと最初は考えていた。しかし、それだけでは説明しきれないものがあることもわかっていた。もしかしたら、彼の言う『聖なるリズム』とは、その謎を解くカギかもしれないと思った。

 『聖なるリズム』とは何なのだろうか。

 

・我々の文明は常に天体の動きを観察し、それによってすべてを決する分明であった。これは我々の文明以前からの人類の叡智の蓄積なのだ。そしてその叡智は今も一部の人々の間に引き継がれている。天体の運行が生み出す『聖なるリズム』は、この世界にあるリズムを形成し、その焦点が結ばれる地は、生命が最も優位に活気づく地であることは我々は知っていた。かってのシュメールも、その焦点となる地であったのだ。

 

 

 

『秘密結社全論考』(上) 邪悪な仮面を暴け

ジョン・コールマン博士   成甲書房  2002/12

 

  

 

 <秘密結社の種類>

 秘密結社にも、二種類がある。

 第一種―完璧に闇の中にひそみ、一般大衆には全く見えない。

 第二種―表面的には公衆に公開されており、しかも多くの場合、高貴な存在とされているが、実体は秘密結社である、そのような組織。

 

 第一種の実例は、

1、 イルミナティ

2、 300人委員会、など

第二種の実例としては、

 1、 フェビアン協会

 2、 英国国教会(アングリカン・チャーチ。日本では「英国聖公会」と称される)

 3、 MI5、MI6(英国軍事諜報部第5部、第6部)

 4、 イエズス会、及びローマカトリックキリスト教会、プロテスタント各派

 5、 オクスフォード大学ケンブリッジ大学

 6、 英国王立協会(これは全世界の自然科学の総本家、宗家のようなものとみなされている)

 7、 英国王室(ウインザー家)

 8、 ベルギー王室

 9、 オランダ王室

 

・コールマン博士が本書の中で論証しているように、16世紀の初頭、ベネチアの黒い貴族はアムステルダムを跳躍台にして、ロンドン(そしてブリテン諸島)を新しい世界首都たるべく設定した。その後の五百年、彼らの作戦計画は見事に成功し、実現していく。ところが、日本民族は、この英国(ロンドン、ブリテン)認識について二度、致命的な失敗をしている。

 

・英国が分からないので日本人は、西洋近代、つまり、われわれが直面させられている西洋なるものについては何ひとつ本当のことが分からない。惨めというか、悲惨というか、この状況は筆舌に尽くし難い。

 

・本書下巻に収録したコールマン博士の論稿(「イギリス王家がアメリカを奴隷化する日」)は、日本民族がよってもって英国の正体を調査研究する生死存亡を懸けた国家的作業の第一歩、その出発点となり得るであろう。

  

・幕末に始まった日本民族の英国(英米)研究は完全に百パーセント、売国学問奴隷による国賊的所業でしかない。そのことを本書の注意深い読者は容易に発見されることであろう。

  

・例外はないのだ。そう、たとえば夏目漱石は辛うじて例外であるかもしれないが、この御仁も、ただ漠然と英国にひそむ凶々しい悪魔の姿を遠くから見ただけに過ぎない、と筆者には思える。

 本書が、日本民族篤学の読書人、憂国愛国の士、ひたすら真実を求めてやまない好学の士にとっての精神の糧となることを切に祈る。

 

 

  

『適当だけどなぜか幸せなイギリス人 真面目だけど苦労が多い日本人』

古川修  大和書房  2003/6/5

 

 

  

<ジプシー物語>

・ヨーロッパではジプシー問題は大きな社会問題である。

 

・ジプシー自身がまとまった社会的発言力を持たないので、長い間差別され続けている。ナチスの大量殺戮で、ユダヤ人殺戮はクローズアップされるが、ジプシーの方は歴史の彼方で追いやられたままだ。

 

・スペイン、イタリア、フランスをはじめ旧東欧には大量のジプシーが放浪している。イギリスの場合はどれくらいの人数になるのか、よくわからないが相当数が散在していることは、間違いない。

 

・イギリスは広大な緑地が至る所にある。そこにキャンピングカーの集団がある日突然出現する。大きいときには何十台もの群れが一夜にずらっと並ぶ。これがジプシーの集団だ。ときには私有地や農場も占拠する。

 

・彼らは、定住しないので職業の幅が限定されてしまう。博労の仕事は今でもジプシーの専業であるが、他にも廃品回収業や移動遊園地の仕事をしている人たちも多い。移動するから専門職の仕事は得られないし、サラリーマンとして定職を得ることもできない。いきおい経済的には恵まれない。ましてや子弟の教育問題はもっと難しい。

 

・当然ながら全部が全部問題を起こすわけではないが、確かにいろんな悶着が起きる。

 

・キャンピングカーの集団が公園を占拠するわけだから、不都合が生じるのがあたりまえ。まず水道・電気をどうするか。汚水はどうなるか。ゴミはどうなるか。彼らは、何しろ子連れだ。

 

・欧州だけでも1000万人のジプシーが移動しているという。これだけ大問題なのだが、どの国の政府も本腰を入れて対策を取っているという話を聞いたことがない。

 

・さきごろの欧州会議でジプシー代表が演説をした、という新聞記事を読んだことがある程度で、ほとんど表面化しない。それは集団としての発言権を持たないことが一番災いしていると思われる。

 

 

 

『イギリスから見れば日本は桃源郷に一番近い国』

信夫梨花  主婦の友社   2014/12/20

 

  

 

日本は桃源郷に一番近い国……勤勉かつ努力型の国民

・イギリスの、矛盾と秘密だらけの政治、家庭と教育の崩壊、エネルギー危機、スコットランドの独立騒ぎ………。そんな国から見れば、日本こそ世界一安定した桃源郷だ。

 

・ベストセラー『日本はイギリスより50年進んでいる』第2弾!

 

信念の違いが明暗を分けた―戦後、日本に負けた戦勝国イギリス

・第2次世界大戦でイギリスは勝ち、日本は敗北に帰した。しかし、その後、両国の立場は逆転した。日本が50~70年代にかけて、毎年、平均9%以上の驚異的な経済成長を遂げる一方、イギリスの国際競争力は低下し、輸出産業の世界シェアの60%を失った。イギリス国民の平均所得はヨーロッパ最低レベルとなり、「ヨーロッパの病人」と揶揄されるようになった。

 

・日本で国民皆保険が実現したのは1961年であったが、イギリスでは既に1948年に、保険料を支払わなくても全ての国民が無料で医療を受けられる国民健康保険制度が制定された。社会保険制度も整備され、一律の保険料を払えば、年収に関係なく、誰もが年金、疾病手当、失業手当、家族手当などを受給できるようになった。精神薄弱者、恵まれない子ども、障害者への生活手当も制定された。大戦後の住宅不足と都市のスラム一掃を目指して、100万世帯以上の公営住宅が建設された。

 

・1964~70年の労働党政権のハロルド・ウィルソン首相の時代、社会主義制度はさらに充実した。彼は低所得者層の生活水準を引き上げることに一層、力を入れ、最貧困層100万人の所得税を免除し、失業手当や疾病手当の金額を引き上げた。

 

・これらの政策の結果、中産階級の手取り収入に殆ど変化はみられなかったが、富裕層の可処分所得は30%減額し、貧困層では100%の増額になった。こうして、イギリスは戦後、非共産主義国家としては、世界で最も社会福祉の充実した国となった。国民は「ゆりかごから墓場まで」不安のない生活を保障された。だが、この「結果が平等な社会」は国民の勤労意欲を奪い去った。

 戦後イギリスの所得税制は最高税率90%前後の累進課税で、これは80年代まで続いた。幾ら稼いでも手取りには殆ど差がなく、寧ろ稼げば稼ぐ程、存在をした。

 

英国病は産業革命の時代から始まっていた?

・英国病とは一般的に、千五の社会主義や国有化政策により、国民の労働意欲の低下と労働紛争の多発を招き、イギリスが国際競争力を失った1960年代以降の症状を指すものである。

 しかし、前にも述べた通り、イギリスの衰退は実は19世紀後半から始まっていた。

 

サッチャー:究極の時代が生んだ究極の政治家

・しかし、その後のイギリスには経済破綻が待ち受けていた。1976年、輸入に必要な外貨さえ枯渇するようになったイギリスは、国際通貨基金IMF)に、同基金としては史上最大規模だった23億ポンド(3900億円)の融資を、ヨーロッパ先進国として初めて受けることになったのである。

 

・紛争は収まるどころか、さらに拡大し、全国150万人の組合員がゼネストを決行。学校や空港、老人ホームまでもが閉鎖に追い込まれ、鉄道もストップ。水道作業員のストで深刻な水不足になり、家庭では同じ水を何度も使い回さねばならなくなった。

 

・79年、首相に選ばれた保守党のサッチャーは、その後、多くの人に反発されながらも、大胆な改革を推し進めた。それは、彼女が70年代までの中途半端な政策による失敗を、うんざりするほど見てきたからである。サッチャーは究極の時代が生んだ究極の政治家だった。

 

日本企業が起爆剤:イギリス製造業のルネッサンス(再生)

・日産のイギリスにおける成功は、その後の海外からの投資やイギリス企業買収の牽引役となった。『日本はイギリスより50年進んでいる』でも書いたが、今日、イギリスの株式市場で上場されている株の半分以上は外国の企業や投資家が所有している。これは世界にも類を見ない状況であり、もはやイギリスはイギリス人のものではない。

 

イギリスから見れば、日本は今も桃源郷に近い場所

・イギリス国内に視点を移せば、この国の子どもたちの反社会的行為は目に余るものがある。ロンドンの街角で目にするティーンエイジャーたちが発する奇声や口汚さには、日本では経験したことがないような胸騒ぎや、時には身の危険のようなものすら感じることがある。

 そんな時、日本社会の整然とした空気や、互いのリスペクト、人々の丁寧な言葉遣いや態度を思うと、そこがやはり今も桃源郷に近い場所に見えてくる。日本人は今も、この本の冒頭のアーノルドの時代と同様に、日本が欧米に比べて遅れていて、変わらなければならないと焦っているだろう。しかし、そのために今の日本の平穏な風土が壊れることはあってはならないと思うし、今のまま変わらないで欲しいと思うのも事実である。それが文化的土壌に根ざすものであるならば、日本がそう簡単に桃源郷でなくなる日は来ないだろうと信じている。

 

Things Japanese (日本的なるもの)の優れた資質を再発見する 

なぜ明治時代のイギリスの詩人エドウィン・アーノルドは日本を絶賛したのか

・私自身、日本に住んでいた時は日本社会の様々な様相に批判的だった。今、イギリスに14年暮らした私がサー・エドウィンの言葉を読むと、なんの躊躇いもなく、すんなりと理解することができる。明治時代の日本人がそうであったように、いまも日本人自身が自国について評価していないことだが、西欧からみれば真逆に見えることが幾つもある。前出の拙著(『日本はイギリスより50年進んでいる』)では生活に密着した立場から、それらを列挙した。この小著ではマクロ的な視点から、日本とイギリスの政治、経済、社会、教育に切り込み、日本人自身がマイナスであると考えていることが、イギリスから見れば必ずしもそうではないこと、そこに日本人も気づいていない、新たな意味や価値を探ってみたいと思う。

 

矛盾と秘密が嫌いな日本、矛盾と秘密だらけのイギリス

生真面目な日本の憲法論争と憲法のない曖昧なイギリス

・2014年9月現在、イギリスの失業率は6.2%まで下がっている。EUの報告によれば、イギリスの失業手当の申請者全体のうち、EU移民が占める割合は3%未満であり、原則、イギリスの住民であれば、無料で治療が受けられるイギリスの国民健康保険の全予算のうち、学生や就労者の家族を含む「働いていない」とされる60万人のEU移民が利用している比率は1%程度でしかない。

 

・日本では曖昧にすることへの嫌悪や危機感がとても強いが、成文憲法も持ち合わせず、ヨーロッパの下で主権も脅かされているイギリスと比べれば、まだ何も失ってはいないといえよう。

 

イギリスの政策は矛盾だらけ

・このところ、イギリスの政治関連のニュースには、「Uターン」という言葉が溢れている。それは文字通り、一度、諦めたはずの政策を復活させることで、大抵は180度の方向転換を意味する。『日本はイギリスより50年進んでいる』でも、二大政党制がイギリスの政治に短期主義をもたらし、長期的視野が必要な諸問題が一向に解決されない要因でもあると述べた。Uターンは、イギリスの二大政党制の規範となっており、善くも悪くも、国民もこうした混乱に慣れっこになっている。それはイギリスの政治と社会の宿命といっていい。

 

現実世界もミステリーに満ち溢れるイギリス

・1999年にイギリスに来て以来、この国で、さながらスパイ映画かミステリー小説のような出来事が、次から次へと現実に起こるのを見てきた。

 例えば、2006年、ロシアの元スパイ、アレクサンドル・リトビネンコが、ロンドン中心部のホテルで放射性物質が混入したドリンクを飲み、3週間後に亡くなった事件があった。今もその真相は闇のままだ。

 1997年に突然、自動車事故で亡くなったダイアナ妃にまつわる事件やスキャンダルも、未だに後を絶たない。

 

・フィクションというのは実際に起こった出来事にヒントを得て書かれていたりするものだが、イギリスがミステリー小説の宝庫であるのも、誰もが想像力を掻き立てられずにはいられない事件に満ち溢れているからだろう。

 

イギリスは世界一の秘密国家

・1909年に設立されたMI6は、007シリーズの映画には登場していたものの、正式にその存在が世間に明かされたのは、1994年のことである。それまでは公の場でイギリスを代表する者は、その存在を聞かれても、知らぬ存ぜぬを通さなければならなかったという。

 

最も知られたくない秘密を灰に帰したイギリス

・イギリスの為政者のDNAには、秘密主義がしっかりと埋め込まれていると言っていい。何十年も経って事態が風化し、その情報で誰も動揺したり、傷ついたりしなくなるまで待つのだ。イギリスはそうやって生き延びてきた。だが、秘密にするだけではなく、その前に消されていく事実もある。

 

イギリスに運び込まれた監視ファイルは、200メートルの書棚を埋め尽くすほどの膨大な量だったが、イギリスにとって最も見られたくない書類はその前に焼却され、証拠が全く残らないよう、灰さえも粉々に破壊されるか、或いは海底に沈められたという。

 

・日本が鎖国をしている間を含めて、イギリスは16世紀からずっと世界を荒し回ってきた。そこには数え切れない武勇伝とともに負の遺産もあるはずだが、イギリス人の多くもそれらを殆ど知らないし、知る機会もない。日本でも事ある毎に、政府が何か隠しているとか、政策が矛盾しているといった批判がなされるが、それらにかけて“プロ”のイギリスからみれば、日本が素人にすら見えてくるほどである。

 

 

  

『あなたのすぐ隣にいる中国のスパイ』

鳴霞  千代田情報研究会  飛鳥新社  2013/4/6

 

 

  

来日後の私は、大学や兵庫・大阪の中国語学校で教える傍ら、日本企業の通訳もしていたが、その折痛感したのは「日本人がいかに易々と中国人に騙されるか」である。

 

<中国人学者たちの怪しい行動>

・日本企業は「人権」「友好」「学術研究」という冠をつければ、技術も機密も公開、資金まで提供して丁寧に教えてくれると、中共政府は見くびっている。この状態こそ、日本が「スパイ天国」であると揶揄され、世界から嘲笑の的になっている理由である。

 

 中共は「スパイの21世紀的役割は、技術的遅れを埋め合わせる機密情報の入手」と規定している。国家として科学技術力が欠けていることを認識し、先進各国の先端技術を欲しがっている。しかし、先端技術を習ったり買ったりするような状況は想定していない。

 中共は、習うこと、または習うことによって入手した技術は古いもので、最先端のものではないという認識を強く持っている。

 

美女スパイの手口

・中国のスパイ活動といえば、すぐ「ハニートラップ」という言葉が浮かんでくる。女性を近づけて相手を油断させ、情報を取ったり、工作したりすることであるが、日本の橋本元首相自民党の前総裁・谷垣禎一氏も、これに引っかかったのではないかという噂がある。亀井静香国民新党代表は、自民党時代、中国を初訪問する際、後藤田官房長官に直々に呼ばれ「中国の女性通訳には気を付けろ」と注意を受けたという。実際、中国を訪れると、すこぶるつきの美人通訳が現れ、耳に吐息を吹きかけるように小声で通訳するので、非常に困惑したという。

 中国における「ハニートラップ」の歴史は古い。

 

また、2005年に明らかになった駐上海日本国総領事館の男性館員が自殺した事件なども、現代の「中共によるハニートラップ」として記憶に残る事件だ。

 

・また、あるときは男性館員が犯したささいな法律違反(例えば中国では未婚の男女がホテルの一室にいるのは違法)を他の公安職員に摘発させ、自ら館員を助ける役を買って出た。その際に用いた中国語文書も存在しており、日本政府はこの文書を根拠として、中共政府に「領事関係に関するウィーン条約」違反として抗議した。

 

・古来、「英雄艶を好む」ということわざがある。為政者や事業家など、「精力的に仕事をこなす人々」は「女色を好む傾向が強い」というほどの意味だが、最近では、多くの日本人が「英雄」になってしまっており、それだけスパイの対象も増えていると言えなくもない。自衛隊や領事館員ばかりではない。企業の技術者や最先端の研究を担っている大学の准教授などもその対象であろうし、インターンの大学院生や国会議員の秘書なども「英雄」になってしまうのである。

 

また、ビジネスは「グリーンと銀座で動く」といわれたが、料亭での政治が姿を潜めると同時に、政治家も、夜の銀座に蝟集することが多くなった。つまり、銀座だけでなく六本木や赤坂など、夜の街は日本のビジネスマンのみならず政治関係の「英雄」も集う場所となっていったのである。そのような夜の街の異変が2011年2月15日の夕刊紙に報じられた。「中国の軍幹部令嬢らが日本で謎のクラブ勤め」という記事であるが、筆者もコメンテーターとして登場しているので、以下に要約を紹介する。

 中国人民解放軍の幹部らの複数令嬢が、東京の銀座や新宿のクラブに勤めていることが、在日中国人社会でひそかに話題となっている。金銭的に余裕があるはずだけに、その目的や真意について、「日本の政財界に特別なコネクションを構築している」から「スパイ説」まで、さまざまな憶測が飛び交っている。

 

米国では、2009年だけで、米司法省が捜査に着手した中国絡みのスパイ容疑事件は、なんと400件を超えたという。

 

・最近は銀座でも赤坂でも、中国人の経営するクラブや中国人ホステスが少なくない。中国人のホステス専門の店ではなく、かなり老舗の名前の通ったクラブにも「中国からの留学生」と称するホステスがいることがある。

 

・今はなくなったが、麻生太郎氏が首相になる前、昵懇の女性が経営する「シュミネ」という高級クラブがあり、そこにも、長期間北京出身のホステスが在籍していた。高名な政治家が通う店であるから、政界関係者や官僚、企業経営者などが多く集まっていた。

 

・もともと中国には「千金小姐」といって、どんな貧しい家の娘でも美人に生まれてくればカネになるという即物的な考え方があるほどなのだ。

 

・日本人の恥の文化に付け込むのが「ハニートラップ」の本質であり、同時に、これは日本のみならず、一夫一婦制を持つ数多くの近代法治国家の間で行われている、中共スパイの常套手段なのである。

 

嵌められても気づかない国会議員たち

世界のどこよりも簡単な日本政界工作

・2012年7月18日号の国際情報誌『SAPIO』に、衝撃的な記事が掲載された。ジャーナリストの山村明義氏の署名記事で、「お寒い事情、赤いスパイへの警戒感ゼロの野田民主党政権を中国への機密情報「筒抜け政権」と命名する」と題されていた。

 

あまりにも無防備な事態に、日本に詳しい中国共産党のある幹部はこう嘯くのだ。「今の民主党政権は国家情報の危機管理意識が皆無に等しい。我々が日本人に近づき、日本の重要な情報を握るのはもはや難しいことではなく、裏の偽装すらする必要もない」

 

・現実に昨年(2011年)7月から11月にかけて、同じ東京・永田町の衆参の議員会館で、中国国内からと思われる国会議員のメールがウイルスに感染し、外国への情報が送られたとされる「サイバーテロ事件」が起きた。

 

・ところで、ウイグル会議開催直前、在京の中国大使名でウイグル国会議員連盟の各議員に、会議への参加を見合わせるよう強く求める要望書が届いたのだ。これだけでも明らかな内政干渉だが、それはさておき、その配布先を見てみると、議員連盟に当時参加していない議員にまで届いている。逆に参加しているのに、抗議文が届かなかった議員もいる。調べてみると、ある時期に作成された名簿を元に送付されていることが判明した。

 では、なぜ中国大使は「日本ウイグル国会議員連盟」の名簿を知ることができたのか。

 

・国会議員には「行政調査権」というものがあって、それを行使すると国の機密資料を簡単に手に入れることができる。以下は伝聞であり、未確認のものであるが、国政に関することなのであえて公開する。まだ民主党政権になる前の話であるが、辻本清美議員の秘書から行政調査権を使ってある資料の提出が要求された。

 

・したがって、財務省の官僚は議員のところに資料を持って直接出向いた。ところが議員本人に面会したところ、そのような調査の依頼はしていないという。

 

民主党政権下で、首相官邸に出入りできる人間が1300人に膨れ上がっていたというのだ。その中には「80人ほどの左翼的メンバーがいたり、前科一犯の人」もいた。

 

・まさに現在の日本の情報管理の甘さ、為政者たちの情報に対する認識の決定的な欠如を示していたとしか言いようがない。

 

熱烈歓迎(訪中)の中身

・彼らは手荷物をあけてみたりなど、すぐわかるようなことはしない。しかし、パスポートは、実は個人情報の宝庫だ。本籍地は当然だが、過去に中国や他の国のどこに滞在したかまで記録されている。中共はその個人の情報を得て、調査を始める。特に、事前に中国の他のどこかを訪れていた場合、たちどころにそのときの行動を調べ上げる。ちなみに、イスラエルの場合、外国人訪問者が希望すれば、入国のスタンプは押さない。イスラエルに敵対するイスラム国に行った場合、迷惑をかけないようにという配慮からだ。

 

・さらに、前もってホテルの部屋などに運び込まれた荷物は、歓迎会の間にすべて中身を見られていると思ったほうがよい。書類などは、コピーされていることが少なくない。

 

・シャワーを浴び、一夜を共にしたりすれば、彼女たちの行為はより完璧となる。当然その前の全裸で抱き合う画像も撮られているので、男性がスパイ行為に気づいて文句を言えば、それを持ち出される。中国の役人に泣きついても、基本的には無意味である。中国には「夫婦、親子以外の男女(外国人同士の場合は除く)が、夜11時以降、ホテルの同じ部屋にいてはならない」とする法律があり、法律違反で逮捕されかねないのだ。

 

・2004年、自民党山崎拓元副総裁と平沢勝栄議員が、中国の大連市で拉致問題解決のために北朝鮮の高官と交渉をしたことがある。この時、ここに書かれたような状況で、日本側の交渉の内容が事前に漏れていたということを、大連の『紡垂新聞』が報じている。このほど左様に、中国では十重二十重にスパイ網が存在するのだ。中国と一度でも関係した外国人はファイルが作られ、それが年々更新され、膨大なものとなっていく。

 

合弁会社」での「地下党組織活動」

・中国には日本の会社が3万社ある。独立会社・日中合弁会社・日台合弁会社・日香合弁会社などであるが、それらの現地企業の中には当然「中共地下党組織」が作られ、情報収集のみならず企業が反中共活動をしていないかどうか、チェックし共産党中央に報告することを任務としている。

 

筆者は、幼年時代から大学まで、中国の教育を受けてきたが、「南京大虐殺30万人」などということは一切教えられていなかった。なので、中国の教科書に「南京大虐殺」が載っていると知った時には、非常に違和感を持ったものだ。筆者のように外国に出た者は、まだ冷静なものの見方ができるが、そうでない場合、自分の働く日本企業を敵視し、「地下党」員として活動することになんらの痛苦も感じない。こうした工作を、中共は「文化戦」と称している。

 

・最近では日本に帰化した中国人だけで12万人を超えており、彼らには当然選挙権が与えられている。これに永住許可者を含めると、中共のコントロール下にある者の数は膨大で、実に恐ろしい動向である。では沖縄はどうか。永住外国人参政権を与えようなどと言っているくらいだから、中国からの帰化華人の数など真剣に考えたことがないだろう。しかし、これは間違いなく脅威である。

 

日本の経済援助が中国のスパイ活動を巨大化させた

中共スパイの原点は周恩来

南京大虐殺が1979年までの中国歴史教科書に一切掲載されていない不思議>

・まさに、外国人の目から見ても、当時の日本人の記録を見ても、略奪や殺人を犯していたのは中国兵のほうであり、日本軍ではないのである。

 それにしても、人口20万人の都市で30万人を虐殺するなど神様も不可能だ。

 

中共は中国人のいる場所すべてにスパイを送り込む>

従って、全軍のなかで、スパイより高級なポストはなく、スパイより機密なポストはない。さらに、すぐれた知恵がなければ、スパイを使いこなせないし、人徳がなければ、よく動かせず、洞察力がなければ、もたらされた情報の真偽を判断できない。

 

 

 

 

 

 ■■■ 私が思うこと、聞いたこと、考えること ■■■

 

 

 

(2022/4/5)

 

 

・外国人から見ると、日本社会の異質性・特異性が気になるようです。特に、日本で生活したり、働いたりして中長期的に日本社会を見るようになりますと、ヨーロッパの合理性とはかけ離れた面(体育会系的な性格)が、嫌悪を催す原因となるようです。

いわゆる社会のブラック的な問題も著者は、背景に「体育会系的な残滓がある」と見ているようです。もちろん、著者は「体育会系的なもの」の全てが悪いと断じているわけではありません。

欧米とは社会の人々の操作ノウハウが違うようです。バブル崩壊以前は、日本的な手法が評価されていましたが、バブル崩壊後、失われ20年、30年となり、日本的な手法が、元凶だとされるようになりました。日本の会社システムも欧米の外国人から見ると魅力のないものだそうです。

「女性の登用も先進国とはいえない」そうです。ヒューマンリソースの活用では、女性が最も活用されていないと指摘されています。

 

著者は、「実際に日本はダントツで外国人が働きたくない国であり、男女平等世界ランキングも下位に沈み、いま手を打たねば先進国から転げ落ちる」、「「日本人の根性論なんて昔の話」は大間違い! パワハラ体罰過労自殺サービス残業、組体操事故など至る所で時代錯誤な現象が後を絶たない。全ての元凶は、絶対的な上下関係に基づく不合理な「体育会系の精神」だ」と主張しています。

「これまでの人類の歴史を検証すれば、低賃金でも働いてくれる移民を国外から大量に迎えるのは、もっとも危険な政策」といわれます。低賃金の外国人労働者を入れるとシナジー効果で日本人の賃金も低くなると指摘されています。外国人労働者の対応を誤ると世界中に日本人の悪いイメージが拡散するといわれます。技能実習生の問題も事故や事件が多くあり再検討が必要だといわれます。

 

 欧米社会と日本社会の比較は、地理的・歴史的な背景、人種問題等もあり、専門家は明確な分析を避ける傾向があるといわれます。トラブルに巻き込まれては面倒なので、慣習に従い「雉も鳴かずば撃たれまい」という態度の人々が多いのかもしれません。

「過密日本の狭い国土が諸悪の根源である」という認識で松下幸之助は、国土の創成を主張したといわれます。狭い国土、社会で単一民族の多くの人々が生きていくノウハウは、外国人には理解できないと指摘されています。アメリカは日本の25倍の面積もある大国ですから、ひたすら「効率第一主義」で進むことができるのでしょうか。

ちなみに、国際結婚が破綻したりするのは「食べ物」が一因となることもあるそうです。生まれ育った食生活の好みは簡単には変えれません。昔は外国人は、生魚や納豆、醤油、味噌等の日本食そのものが口に合わなかったそうです。つまり、まずいということです。が、現代では、日本食も好まれるようになり、ラーメンや寿司、うどんも世界的に広まっています。

 

社会の遅れた面、非近代性、後進性、頭の古い面が予想以上に多くなってきています。なぜ改革が遅れているのでしょうか。「改革が遅れているのは本当に優れた官僚や公務員、政治家が登用されていないからだ」といわれます。「国民が政治を嘲笑している間は嘲笑に価する政治しか行われない」といわれます。国の政治は、その国の国民の民度を出ないそうです。「国恥的なことを国際的に発信することはいかがなものか」といわれます。制度改革については「抜本的な見直し」が必要という言葉が頻繁に使われています。「問題のない所はない。改革は恒常的に遅れている」といわれます。

国家経営の実務に精通したベスト&ブライテストのテクノクラートの英知を結集した「国家改造計画」が求められているそうです。

 

 

 

(2018/8/23)

 

 

・フランス人の結婚は近年、事実婚が増えたというのは、特に女性の有識者の関心が高かった事項のようです。とにかく世界的にも結婚事情は女性の関心が非常に高いと指摘されています。その辺の詳しい事情は、私たち一般人は、分かりません。その理由も日本人には理解不能のようです。フランス人は「嫁に行く」というような概念はないともいわれます。有色人種との結婚も増えてきているのでしょう。建前として「人種差別はノー」ということで、そのような問題はタブーになっているのかもしれません。しかしながら、欧米人は「無意識のレベルで人種的な問題を非常に気にしている」ともいわれます。フランス人の恋愛や結婚事情も私たち一般人は、当然詳しくはありません。ヨーロッパでは、多くの背景を持った人々が、国境が隣なので、密接に交流して生活しているようです。著者は、フランスに30年以上にわたってパリに住んでいたそうで、さまざまな体験を重ねたようです。

フランスのパリと言えば、現代でも文化の香りのイメージがします。世界の人気観光地のトップであり、世界中から人を引きつけているようです。昔は植民地も多く、広大なフランス語圏を形成していたようです。

 

・世界的にも結婚事情は、時代と共、大きくに変化してきているのでしょう。離婚も非常に多くなっているのでしょう。法律や税制や社会保障も大きな要素になるようです。フランス人にしか分からない事もあるのでしょう。ゲイ(LGBT等)の法的な扱いについても大きな変化が出てきているようです。欧米社会の習俗は、日本人が理解できないことも多いといわれます。

子どもの頃に米国で教育を受けた日本人でアイデンティティが2重の人を「バナナ」と呼んだりするようです。アメリカナイズされた行動様式で、外観は日本人ですが、キャラクターがかなり違うようになるといわれます。パリを歩いても、外見だけで、フランス人とは区別ができないといわれます。「なにしろフランス人は日常的に、異文化、異宗教、異人種間のゴタゴタにさらされています」ということで、島国育ちの日本人には、国際感覚がかなり違っているようです。欧米の結婚に関する習俗の変化も興味深いものです。

 

・日本における人口減少の結果として、移民を認めなくても将来は1千万人程度の外国人労働者が日本に職を求めて住みつくといわれます。外国人労働者も労働問題、トラブルが多いと指摘されています。しかしながら、「移民の問題も移民に土地を与えることができないので受け入れられない」ともいわれます。当然のことながら、国際結婚も急増し、ニューヨークのように人種の坩堝になるのかもしれません。未来の日本の人口は急減していくという予測です。

 

・フランスは恋愛大国ともいわれますが、恋愛とか結婚のパターンは、いつの時代でも文学の大きなテーマの一つのようです。「なにしろフランス人は日常的に、異文化、異宗教、異人種間のゴタゴタにさらされています」ということで、そのフランス人の恋愛や結婚のパターンは、筆舌に尽くしがたいほど無限大の多様さだといわれます。

公人のフランス大統領の私生活といえば、現在の大統領エマニュエル・マクロン氏は、「24歳年上のブリジット夫人出会ったのは大統領が14歳のときで、3人の子をもつ教師だったブリジットにプロポーズをしたのが17歳の時。数々の“常軌を逸した”ふたりの恋愛は、“スキャンダル”として取り上げられてきた」といわれます。

 

ウィキペディアWikipedia(フリー百科事典)でみると、

「高校生だった15歳当時、同級生の少女ロランスの母であり国語(フランス語)教師だった24歳年上の女性ブリジット・オジエール(英語版)に愛を告白し、そのまま接吻した。マクロンの両親は2人のあまりの熱愛ぶりに動転し、マクロンをパリの名門高校に転校させたという。2人は遠距離交際などを経て、ブリジットの離婚が成立した翌年の2007年、彼が29歳の時に結婚した。2017年の大統領選挙期間中も至るところでハグやキスを交わした

妻ブリジットには元夫の銀行家オジエールとの間の子供が3人(エンジニアの長男、医師でマクロンの同級生だった長女、弁護士の次女)おり、その子供たちは7人の孫をもうけている。

ブリジットの実家は19世紀創業で7軒の店舗を持つアミアンの菓子・チョコレート屋のジャン・トロニューで、地元ではマカロンが名物となっている」とのこと。

 

・フランス大統領としては、マクロン氏は全く新しいキャラクターだといわれます。大統領が派手に、恋人のスキャンダルをばらまくのは、欧米諸国の慣習のようです。そういえば、トランプ大統領もビジネスマン上がりの全く斬新なタイプとも伝えられています。

 

・ちなみに日本では、妾を持つ性的に寛容な風潮が明治時代からあったようですが、宇野宗佑氏が総理大臣の時、女性ズキャンダルが暴露され、その後の選挙で自民党は大敗北しました。「昔から政治が一番遅れている。票の請負業のようなもの」といわれます。

 

ウィキペディアWikipedia(フリー百科事典)によると

「しかし、この急造内閣も宇野自身のスキャンダルに足をすくわれることとなる。宇野が首相に就任した3日後に、『サンデー毎日』(毎日新聞)が神楽坂の芸妓の告発を掲載し、宇野の女性スキャンダルが表面化。当時のサンデー毎日の編集長は鳥越俊太郎だった。初めは国内の他のマスコミは無視したが、外国メディアに「セックススキャンダルが日本の宇野を直撃」(ワシントンポスト紙)等と掲載されると、それが引用される形で日本で話題となった」とのこと。

 

「1989年(平成元年)7月の第15回参議院議員通常選挙は、従来の3点セット(リクルート問題、消費税問題、牛肉・オレンジの輸入自由化問題)に加え宇野首相の女性問題が争点となり、さらにいわゆるマドンナブームがとどめを刺し、自民党は改選議席の69議席を大幅に下回る36議席しか獲得できず、特に一人区では3勝23敗と惨敗。参議院では結党以来初めての過半数割れとなる(これ以降2016年に至るまでの間自民党参院選後の単独過半数を確保できてなかった)。

 

翌日、宇野は敗北の責任をとり退陣を表明。会見での「明鏡止水の心境であります」との言葉が有名になった。当初はここまで敗北したからには宇野一人の責任にできないという意見も党内にはあったが、結局同年8月8日には自民党両院議員総会で河本派の番頭格であった海部俊樹が新総裁に選出された。宇野の総理在任期間はわずか69日、日本政治史上4番目の短命内閣に終わった」とのこと。

 

・「中央省庁の障害者雇用の水増し2000人」が大きな問題になっています。文部科学省の幹部の時代錯誤的な汚職についても私たち一般人は、理解できません。「優秀な官僚と公務員のレベルによる業績」という話もいつしか「神話」になったかのようです。政治経済の制度疲労が激しく、システムが劣化しているそうです。そのうえ官僚と政治家の劣化もひどいといわれます。「「官僚と政治 、どっちが勝つか」こんな評論も多い。他の先進国から見たら噴飯ものだ」と指摘されています。「東洋の劣等」と揶揄されないようにしたいものです。自然災害多発列島ですので、公務員は大丈夫なのだろうかと私たち一般人は、不安を覚えます。

人口減少の時代、プラスとマイナスの面の現象が両極端にでてきながら、「高齢者、女性、障害者」にかかわる労働においても「労働革命」がすすむといわれます。「政治が遅れている。私たち一般人は、政治意識を高めて政治の近代化を急がなければならない」そうです。

 

ソ連の崩壊も原因としては、莫大な軍事費による経済の疲弊があったといわれます。1979年に、ソ連のブレジネフ政権が、アフガニスタンソ連軍を侵攻させ、ソ連軍の駐留は10年に及んで泥沼化して失敗したといわれますアフガン侵攻がソ連崩壊の一因となったようです。当時はソ連社会主義を評価する知識人も多くおり、ショックを与えたようです。ソ連の崩壊後15ヵ国に分裂しました。またソ連の衛星国といわれた国々も独自の道を歩みはじめました。著者(宮崎正弘氏)は、それらの30ヵ国を旅行して、この本をまとめました。ソ連崩壊から25年—―全体主義の呪いは本当に解けたのだろうか」という問いには、否定的ですソ連崩壊後の、それらの地域は、混乱や大混乱に陥っているようです。例外的にエストニアが「サイバー国家」に変身しようとしていることが注目されています。さまざまな理論闘争は、現代において複雑化を呈しており、私たち一般人には、理解不能なことが多いようです。

 

・第2次世界大戦に関する歴史を覆すような書籍も出たりしますが、あまりメディアには関心を持たれないそうです。過去の事実を詮索しても、真実をつかむことは難しいようです。現代においても、いわゆる「反グローバリズム」という動きが出てくるようになりました。世界中の歴史認識、国際情勢を個人的に把握することはできないともいわれます。「日本は諜報機関のない世界的にも珍しい国だ」といわれます。本格的な諜報機関がないと、世界情勢を先読みすることはできないと指摘されています。        

 

著者(ハンス・ブリンクマン)はオランダ銀行に長く勤めていたオランダ人で、日本通です。このように外国人で、ビジネスで日本に長くいた人が書いた日本論は、稀のようです。「外国人の目」から見た日本は、「傍目八目」で、日本の遅れた面が強烈に映るようです。日本社会の遅れた面、非近代性、後進性、頭の古い面が予想以上に増えてきています。改革の速度も大変遅いようです。

 

「遅れている」原因は、女性も含めて本当に優れた官僚や政治家が登用されてこなかったという説もあるといわれます。社会問題にどのように関わっていくのかは、個人の選択にあります。外国人にテクノロジーだけでは「進んだ国」というイメージを与えることは様々な要素から難しいのかもしれません。

 

アメリカ人から「東洋の劣等」といわれ、「日本では娼婦やホステスが多すぎる」とも指摘されます。売春は最古の職業ですし世界的に今も盛んのようです。風俗関係の詳しいことは、私たち一般人は、門外漢です。日本人のセックス好きは世界的に悪名高いようです。世界の知識人から「エコノミック・アニマル」とか「セックス・アニマル」といわれ卑下され悪評ですし、一方的ですが国連での評価も低いようです。

 

・が、アメリカでも禁止されていても売春は盛んのようですし、1400万とも1100万人ともいわれる不法移民の大きな社会問題もあるようです。映画の西部劇でも娼婦の館がでてきます。インターネット時代でポルノのビジネスも大きいようです。セックスツアーも旅行業者の裏取引のようなものだそうですし、この世界では根強い需要と供給があるようです。今はどうなっているのでしょうか。より一層、潜行しているのでしょうか。

ちなみに、オランダは「飾り窓の女」が有名です。ウィキペディアWikipedia(フリー百科事典)によると「飾り窓とはオランダ、ドイツ、ベルギー等のゲルマン諸国、またそこから伝搬して地中海側でも見られる(見られた)売春の一形態、またはその施設」とのこと。オランダはマリファナ・売春が合法化されていると指摘されています。

 

アメリカの「レディ・ファーストの習慣」も女性が少なかった西部開拓の移民時代にできたといわれます。1400万人の不法移民が大きな社会問題で、ネットを使ったポルノ商売も凄いらしいですし、ネットに関わる様々な犯罪も、将来も急拡大すると懸念されています。不法移民の犯罪も大きな社会問題となります。サイバーテロやサイバー犯罪には今から十分な対策が必要のようです。中国やアジア諸国の「賄賂」についても非常に多くの逸話があり、あたかもビジネス慣行や商慣習のようになっているといわれます。

 

・外国人の目からは「日本は恥の文化」といえるそうですが、「国辱的だ」と騒ぐ人も少ないようです。ユダヤの「シオンの議定書」というのがあり、その中で「3S(セックス、スポーツ、スクリーン)で大衆をして政治を忘れさせよ」というのがあると語られています。これもフリーメーソン偽書といわれておりますが、大衆は大衆娯楽で政治に関心を持たせるなという支配者側の手法・論理だそうです。また「売春を黙認していると、社会に子どもの障害者が増える」という荒唐無稽な与太話もあるといわれます。

 

・「国民が政治を嘲笑している間は嘲笑に価する政治しか行われない」、「民主主義国家においては国民はその程度に応じた政府しか持ちえない」ということで、私たち一般人もしっかりと政治意識を高めて、日本の政治の近代化に取り組むべきでしょうか。

  フリーメーソンは門外漢の英国の大学教授にとってもタブーの不思議な題目だと指摘されています。「フリーメーソン結社はこの大地が創出されるよりずっと前から、さまざまな太陽系をめぐって、存在していたのである」といわれます。金星の神々は地球に到着するやいなや、イニシエーションのためのフリーメーソン本部を設けた、といわれます。

 

・「日本人が欧米人を特に英国人を理解できないのは、フリーメーソンが分からないからだ」とよく言われていますが、私たち一般人は、もちろんのこと、マスコミですら理解不十分だといわれます。

  「トンデモ本に」に分類される多くは、「荒唐無稽と思われる事」が多く書いてある本だそうです。「陰謀史観」といわれるものも理解不能の士が多いといわれます。近年では、歴史の教科書に書かれている、いくつかの常識的な事実を「史実ではない」という説も出てきているようです。

 

・「大衆は3S(セックス・スポーツ・スクリーン(映画等の大衆娯楽))で政治を忘れさせよ」とシオンの議定書の長老たちのようなことが、よく言われますが、私たち一般人は、いいように操作されているという説もあると語られています。

 

・太平洋戦争中は、『鬼畜米英』といわれたそうで、西洋近代史といわれても殺戮と残酷のイメージしかないそうです。外国から批判された捕鯨問題」にしても西洋人にとって「東洋人は分かりません」ということで、同じく東洋人、特に日本人にとって「西洋人は分かりません」ということだそうです。欧米人は「イルカについて宗教的な考え」を持っているといわれます。太地町のイルカ漁に関して、反対運動をするシー・シェパードの問題がありました。「動物虐待」だと抗議しているそうです。

 

・私たち一般人は、ヨーロッパの複雑な人種・民族問題には詳しくはありません。私がジプシーに興味があるのは「ジプシーは異次元の地下帝国アガルタの住民の末裔だ」という説があるからです。異次元のアガルタの住人の末裔がジプシーらしいのです。荒唐無稽で私たち一般人にはにわかに信じ難い話のようです。ジプシーはなぜ放浪するのか分からないそうです。ヨーロッパには定住したジプシーも多いようです。英国には10万人のジプシーがいるとも言われております。正確な人口統計がないそうなので、詳しいことは分かりません。ちなみに日本でも「サンカがアガルタの住民の末裔」という奇説もあったそうです。

 

ソ連が崩壊したので多くの国に分かれましたし、東欧も内乱などで多くの国に分かれました。ヨーロッパのさまざまな人種や民族の区別や問題は、ヨーロッパ人しか分からないそうです。また人種問題は政治的にもタブーとされているそうです。ジプシーには昔から哀れなおぞましい話が多いそうです。ジプシーがヨーロッパで嫌われる理由は、「流れ者の民族で文化が違う」、「キリスト教徒ではない」、「コーカソイド(白人系)ではない」、「個人主義で決して地域に同化しない」ということだそうです。ジプシーの生態は私たち一般人には、まったく不明です。

 

ナチスに虐殺されたジプシーは50万人とも100万人とも言われています。ユダヤ人ばかりではないのです。アーリア人種の優越を説きゲルマンの神々・異星人を信じたナチスは、アルデバランの「スメーラン」帝国の異星人とコンタクトがあったそうです。しかし、正確な人口統計がないため詳しいことは分かりません。現代でも放浪性があり、各国の政府や役所と問題を起こしているそうです。「米国政府がリゲル人に騙されたことに気付いた後、プレアデス人が招聘されたが、過去ヒトラーの人類浄化政策を画策し仏教を堕落させた」という説もあります。

 

・ちなみに原始の日本人も様々な宇宙人の関与により人間が創造されたといわれています。シリウス星人やリラ星人、プレアデス星人が原初の日本人の創造に関与したともいわれます。さまざまな人種や民族の原初には異星人が関与していたそうです。また異星人は人間の社会に紛れ込み、例えば「中世のドイツの領主は異人が多かった」という伝承もあるそうです。欧州は異星人の伝承が多くあるようです。ウンモ星人とかクラリオン星人とかさまざまなコンタクティの話があります。「フランスの『美女と野獣』の話は、異類婚姻譚だ」そうです。

 

・異星人はとうに地球を訪れていて、地球人社会にまぎれ混み、密かに地球と我々の文明を監視調査し社会生活をしているそうです。異星人の遺伝子の差が地球人の人種や民族の遺伝子の差となるのでしょうか。過去、未来、現在という時間の概念のない4次元の世界から、異星人は地球人に何を伝えようとしているのでしょうか。

 

・日本にも多くの異人の伝承があります。「源氏がオリオン星人の末裔で、平家がプレアデス星人の末裔である」という奇説もあるそうです。また「山野を放浪した明治時代のサンカは、ジプシーと同じようなアガルタの住人の末裔だ」という与太話もあるそうです。異人とのコンタクト・グループもあるのでしょうか。平氏の“平”がヘライ(ヘブライ)に由来すると考えると平氏セム系、ユダヤ系ということになってくる。源平合戦はハム系とセム系の争いであった」といわれます。

 

・著者(古川修氏)はロンドン在住23年で、66歳。日本人向けの運送会社の社長だそうです。イギリス社会の日本人の目からの分析は鋭いようです。

しかし、ジプシーの事も含めてヨーロッパのことは、ヨーロッパ人にしか正確に分からないでしょう。イギリス社会は、あまりメディアに載りませんが、「EUからの離脱」以来、大きな注目を集めています。アメリカはイギリスから独立した国ですから、ほとんどの面で、イギリスの影響力があったといわれます。「メイソン結社員でないと商売がうまくいかない」ともいわれています。フリーメイソンリーの組織もイギリスが起源ともいわれます。オカルト的にもUFOや異星人の情報についてもイギリスは非常に興味深い国だと語られています。イギリスは日本と同じように「島国」であることが、他のヨーロッパ諸国と特徴を異にしているといわれます。

 

 ヨーロッパに行くとスリや窃盗の被害に会うことが多いそうです。ヨーロッパの都市には、観光客を狙って様々な犯罪者がおり、特に日本人はカモになりやすいそうです。インターネットで、ジプシーの項目を見ると、おぞましい話が多いようです。もちろん成功者も少なくなく、映画俳優のチャーリー・チャップリンもロマ(ジプシー)出身です。ロマといえばヨーロッパでは極貧の民族の代表になっていると述べられます。日本人が知らないヨーロッパの側面がそこにあるようです。アメリカも犯罪者王国(刑務所にいる犯罪者数が世界最大)ですし、ヨーロッパなどの外国は、住んだり旅行するのには、リスクが多いといわれます。

 

・「イギリスから見れば、日本は今も桃源郷に近い場所」という話も、イギリスに住んだことがないので、私たち一般人は、よくわかりません。メディアには膨大な海外の情報が流れています。しかし、外国の生活状況は、国々にとって大きく違うと述べられます。海外に住む人も増えていますが、現地の人でないと分からないことも非常に多くて、生活していくのにはかなりのリスクを伴うと述べられます。

 

・中国のスパイの話はハニートラップのような古典的な手法が多いと語られています。人口大国ですから、大きなスパイ軍団を作るのは容易のようです。「中国人は国を捨てた人でないと信用ができない」という中国社会特有の国内事情があるそうです。やはり、中国人は、すべて共産党寄り、政府寄りの発言・行動をしないと共産党社会から拒否されるからといわれます。反政府的な言動もタブーです。教条主義的で、原理原則に固執することが、世界的にも知られるようになりました。政治犯が非常に多い国ともいわれます。サイバー戦争もスパイ機関が主導しているといわれます。「スパイ天国」といわれる日本も警戒していないと大変なことになると述べられます。政府関係者もハニートラップにひっかかった者がいるのでしょうか?日本の外交官で自殺事件もあったといわれます。共産党官僚がノーメンクラーツ(赤い貴族)と化し都市部の民工農村戸籍の人民などの「豊かさを制限する」と指摘されています。「共産党」が非常に強い権力を持っています。旧社会主義国では、秘密警察や情報機関が残酷で、独裁政権を維持していたと語られています。ソ連崩壊後のロシアでも民主化の動きも一時期あったようですが、諜報機関や秘密警察、公安警察に社会の動きが再び制限されてきていると指摘されています。暗殺もかなりあったそうです。ロシアでは「シロヴィキ」といわれる治安・国防関係省庁の職員とその出身者が勢力を持ち直し恐怖政治が始まっているともいわれます。「民主化」や「経済の再生」がうまくいっていない「不安定要因」のようです。

 

 

 

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・ブログ名称: UFOアガルタのシャンバラ

日本は津波による大きな被害をうけるだろう

・第2のブログ名称:UFOパラレル・ワールド

神の国か?」「人類の原郷か?」 「天上のエルサレムか?」・・・・・・・・・

「パラレル・ワールドに住む宇宙人、天国に出入りし転生と憑依を自由に操るシリウス星人の殖民星が、地球か?」、「ネガティブのシリウス星人の地球支配があまりにも巧妙なので、しょっちゅう戦争が起こるのだろうか?」

「金髪碧眼のノルディックが住んでいたアガルタのシャンバラ情報の集大成を目指す・・・・・・・・・・」「金星蛇人と火星霊人の戦争はその後どのように展開したのだろうか」
日本民族の神話の原郷『高天原(たかまがはら)』は、『都市型の超巨大宇宙船』なのか!?」「平家がプレアデス星人の末裔で、源氏がオリオン星人の末裔なのか」
「小人族のグレイの母船に同乗する金髪碧眼のノルディックは、”悪魔の王””ルシファー”なのか?!」

「円盤は神人や異人、悪魔の乗り物なのか!?」「天使は神の秘密諜報員なのか」「神は最初のフリーメーソンなのか」

「UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象なのか。UFO問題とは、人間にとっての死の問題を解くことなのだろうか。UFOはフリーメーソンの創作なのか」

「全宇宙を創ったという“虹の神々”も地球に来ているのだろうか」

イルミナティなどのフリーメーソン組織に入ると神に会えるのだろうか」「金星の神々は地球に到着するやいなや、イニシエーションのためのフリーメーソン本部を設けたのだろうか」「フリーメーソン結社はこの大地が創出されるよりずっと前から、さまざまな太陽系をめぐって、存在していたのだろうか」「フリーメーソンとは、“現在、世界で信仰されているいずれの宗教より古い”教団となるのだろうか」

国際連合の設立に動いたキリストの星、アプ星人とは」

「人は皆、記憶喪失の異星人だろうか」

「はるかに進化した天使のような宇宙人は、人間の守護霊や背後霊なのだろうか」「セドナ上空に見えないエーテルのシティが滞空するのだろうか」

シリウス星人の故郷である天体イジュニュは、もっと高い周波数で共振する6次元の天体であり、地球の宇宙と同時に存在するパラレル・ユニバースに存在するのだろうか」

 

グーグルのブロガー(多言語翻訳)にも書いています→UFOパラレル・ワールド